JP3591988B2 - コード・ゴム複合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機繊維コ−ドを未加硫ゴムに埋設して加硫一体化したコ−ド・ゴム複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ、コンベヤベルト、ホ−ス等を構成するコ−ド・ゴム複合体は、数デニ−ル乃至数十デニ−ルの細いフィラメント多数本からなる有機繊維を束ねて撚りを付与した後にゴムと繊維との接着剤に浸漬し、熱処理を加えた後に、未加硫ゴムに埋設し、加硫により接着一体化して製造しており、加工工程が煩雑であった。
【0003】
例えば、ゴムとの接着性に乏しいポリエステル繊維の場合には、エポキシ樹脂にこの繊維を浸漬し、乾燥熱処理を施した後、さらにレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテックスとの混合液(以下、RFLという)に浸漬し、熱処理を施したのちに未加硫ゴムに埋設し、加硫によって一体化している。また、ゴムとの接着性が比較的良好なポリアミド繊維等もRFLに浸漬し、乾燥熱処理を施し、未加硫ゴムに埋設している。
【0004】
このような煩雑な工程を改良する試みとしては、特に難接着性のポリエステル繊維やアラミド繊維に関しては低温プラズマ処理、フッ素処理等を予め施した後にRFL処理を行うといった方法が提案されている。しかし、これらの低温プラズマ処理、フッ素処理等は難接着性の繊維の表面を活性化するだけの効果しかなく、また、RFL処理は不可欠であるため、工程の煩雑さを十分に解消できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来においてコ−ド・ゴム複合体を形成するに際して上記のように不可欠となっていたコ−ドへの接着処理を省略できるだけでなく、さらに繊維コ−ドの撚り工程をも不要とした、極めて生産性に優れたコ−ド・ゴム複合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のコ−ド・ゴム複合体は、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリロニトリル、レ−ヨン、ヘテロ環含有ポリマ−の少なくとも一種から選ばれる樹脂を芯成分とし、ポリオレフィン樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂を鞘成分とした芯鞘型繊維からなるコ−ドを未加硫ゴムに埋設し、加硫一体化してなることを特徴とする。
【0007】
本発明者は、タイヤ等の補強に用いられる各種有機繊維を、接着剤による浸漬、乾燥熱処理を施すことなく、未加硫ゴムに加硫により接着させるべく鋭意検討した結果、本発明をなすに至った。
即ち、一部の熱可塑性樹脂は未加硫ゴムと通常のゴムの加硫温度で直接接着が可能であるという知見に着目し、このような熱可塑性樹脂を繊維の表面層に配置し、一方、繊維の内部には通常の繊維形成能を有する上記のようなポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリロニトリル、レ−ヨン、ヘテロ環含有ポリマ−の少なくとも一種から選ばれる樹脂を配置した新規な芯鞘型繊維からなるコードを用いることで、従来のように繊維コ−ドを接着剤に浸漬して乾燥熱処理した後に未加硫ゴムに埋設し加硫一体化するとうい煩雑な工程を経ることなく、コ−ドとゴムが強固に一体化したコ−ド・ゴム複合体を与えることを見い出したのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、芯成分としてポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリロニトリル、レ−ヨン、ヘテロ環含有ポリマ−の少なくとも一種から選ばれる樹脂を用いるのである。これらの樹脂が繊維形成能が高いだけでなく、繊維を形成した場合にコ−ド・ゴム複合体として必要な高い引張強度、引張弾性率を与えるものであるからである。
【0009】
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン2,6ナフタレ−ト、芳香族ポリエステル、或いはこれらの共重合体等が挙げられる。ポリアミドとしては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、46ナイロン、芳香族ポリアミド等が挙げられる。ヘテロ環含有ポリマ−は、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾ−ルを代表とする。
【0010】
これらのうちで、溶融紡糸が可能な熱可塑性樹脂を用いるのが、本発明の芯鞘型繊維を製造する上でより好適であり、その観点から、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン2,6ナフタレ−ト等のポリエステル樹脂、また、6ナイロン、66ナイロン、46ナイロン等の脂肪族ポリアミド樹脂を用いるのがより好ましい。
【0011】
また、鞘成分として用いる樹脂は、ゴムに熱融着可能な熱可塑性樹脂であって、その汎用性、繊維形成性、さらにゴムとの溶解度パラメ−タ−が近いものがより好適である。このようなものとして、ポリオレフィン樹脂又はポリフェニレンエ−テル樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、或いはこれらの変性体、即ち無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、或いはこれらの混合物等である。これらのポリオレフィン樹脂の分子量は、ゴムとの溶融接着の観点から高いものが好ましく、平均分子量が10万以上のものがより好適である。また、ポリフェニレンエ−テル樹脂とは、基本的にポリ−(2,6−ジメチルフェニレンエ−テル−1,4)を主成分とするものである。これらに可塑剤等を添加してもよい。
【0012】
このような芯成分と鞘成分を持つ芯鞘型繊維は、溶融紡糸法等の公知の方法で製造する事が可能である。また、ここで芯成分と鞘成分の界面を強化するために第三成分である相溶化剤を挿入する事も可能である。挿入方法としては、鞘成分に相溶化剤を混合する方法や、芯成分と鞘成分の間に第三成分層を形成させた複合繊維を紡糸する方法もある。相溶化剤は、芯成分と鞘成分との組合わせにより適宜選択されるものであるが、例えば、芯成分がポリエステル樹脂で鞘成分がポリエチレン樹脂の場合には、エチレン・グリシジルメチルメタアクリレ−ト共重合体、ポリエチレン−グラフト−グリシジルメチルメタアクリレ−ト、無水マレイン酸変性ポリエチレン等であり、また、芯成分がポリアミドで鞘成分がポリプロピレン樹脂の場合には、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等である。
【0013】
本発明における芯鞘型繊維は、鞘成分の芯成分に対する重量比(鞘/芯比)が0.1以上、0.5以下の範囲にあるのが好ましい(0.1〜0.5)。この重量比が0.1未満の場合、鞘成分量が少ないために芯成分が繊維表面に露出しやすくなりゴムとの接着性が低下する。一方、0.5を超えると、補強メンバ−である芯成分の量が少なくなるため芯鞘型繊維の引張強度が低下し、この繊維をコ−ド・ゴム複合体に適用した場合にその複合体の強度が不足する事になる。
【0014】
この芯鞘型繊維からなるコードは、500〜10000デニール(d)のモノフィラメントコ−ドであるのが好ましい。通常の有機繊維は、数デニ−ル乃至数十デニ−ルの細いフィラメント多数本から構成された繊維束として製造される。このような所謂マルチフィラメント繊維をタイヤ、ホ−ス、コンベヤベルト等の補強層として用いる場合には、繊維に収束性を付与する目的で撚りを加えて使用する。このような撚りを付与する工程は極めて煩雑であり生産性に劣る。これに対し、モノフィラメントの場合には収束性を付与するための撚りを加える必要がない。また、本発明においては、特に、モノフィラメントを用いるのが好ましいのは以下の理由による。
【0015】
即ち、芯鞘型繊維は鞘部の樹脂がゴムの加硫温度で溶融する事によって、樹脂分子とゴム分子との絡み合いによって強固な結合を形成するものであるが、多数のマルチフィラメントから構成される芯鞘型繊維からなるコ−ドを用いた場合に、鞘部が熱溶融した時にフィラメント相互が熱融着しやすくなり、部分的にフィラメント同士が拘束されることになる。このようなコ−ドがタイヤ、ホ−ス、コンベヤベルト等を構成するコ−ド・ゴム複合体中で繰り返し負荷を受けると、このような不均一な拘束部で応力集中が起こる結果、コ−ドの疲労が局部的に促進されるためにコ−ド・ゴム複合体の疲労寿命を大きく低下させる原因となる。一方、モノフィラメントコ−ドを用いればこのような問題は発生しない。
【0016】
モノフィラメントコ−ドの太さとしては、500d〜10000dが好ましい。500d未満の場合にはコ−ド・ゴム複合体として用いる場合にコ−ド1本の引張強度が低すぎるために多数本のコ−ドが必要となり、生産性を著しく阻害する。一方、10000dを超えるとコ−ドが太くなり過ぎるために、コ−ド・ゴム複合体の体積が増加し好ましくない。タイヤ、ホ−ス、コンベヤベルト等に用いるには1000d〜6000dがより好適である。
【0017】
上記モノフィラメントコ−ドは、断面が偏平形状であるのがさらに好ましい。ここで、偏平とは、実質的にその断面形状(横断面形状)が図1に示すような楕円状或いは図2に示すようなカプセル状の形態をいう。図1および図2において、モノフィラメントコ−ド1は、ゴムと溶融接着する鞘成分樹脂2と補強メンバーとなる芯成分樹脂3からなる偏平二重構造となっている。この偏平断面における長径aと短径bの比(a/b)は、1.5〜5の範囲であるのが好ましい。
【0018】
通常、繊維フィラメントは円形断面形状、即ち上記長径/短径の比(a/b)が1として製造されるが、円形断面形状のモノフィラメントコ−ドをコ−ド・ゴム複合体に用いた場合に、コ−ド・ゴム複合体が屈曲変形を受けるとコ−ドの表面歪みが大きくなり耐疲労性が低下し易くなる。また、例えば、円形断面形状のモノフィラメントコ−ドを用いたコ−ド・ゴム複合体をタイヤのカ−カス層とした場合には、コ−ドの曲げ硬さが硬いためにタイヤビ−ド部でのカ−カス層の折り返し作業性が悪化するという問題が発生する。一方、モノフィラメントコ−ドを偏平断面形状とした場合には、このコ−ドが屈曲を受けても偏平故に表面歪みは低減され耐疲労性が確保可能となる。また、偏平故に曲げ硬さも低減できるので、上記のようにタイヤのカ−カス層とした場合でも作業性の悪化は解消可能となる。ここで、長径/短径の比(a/b)が1.5未満の場合には上述のように曲げ硬さの低減効果や屈曲疲労性に効果が小さく、一方、その比が5を超えるとコ−ド・ゴム複合体を形成するに際してコ−ドの幅(長径)が広いためにコ−ドを引き揃えてゴムに埋設する本数に大幅な制約を受けることになる。
【0019】
芯鞘型繊維からなるコードは、そのまま、すなわち未処理のまま未加硫ゴムに埋設し、常法により加硫一体化することにより、例えば、タイヤのカ−カス層、ベルト層、ベルトカバ−層、タイヤサイド部の補強層、ホ−スの補強層、コンベヤベルト、タイミングベルト等のようなコ−ド・ゴム複合体として好適に用いる事が可能である。
【0020】
【実施例】
実施例1
ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を芯成分とし、ポリエチレン樹脂を鞘成分とした長径と短径との比(長径/短径)が3であり、鞘成分と芯成分の重量比が0.2である偏平(カプセル状)モノフィラメント3600d(図1に断面形状を示す)のコ−ドを常法に従って作成し、これを表1に示す未加硫ゴム組成物に埋設し、160℃で20分加硫した(本発明1)。また、比較として3000dのポリエチレンテレフタレ−トだけからなる長径と短径との比(長径/短径)が3である偏平モノフィラメントコ−ドを未処理のまま同様に未加硫ゴムに埋設し加硫した(比較例1)。さらに、従来例として上記ポリエチレンテレフタレ−トからなる3000dの偏平モノフィラメントコ−ドを表2に示す接着剤に浸漬付着させ乾燥熱処理を行った接着処理済コ−ドも同様に未加硫ゴムに埋設し加硫した(従来例1)。
【0021】
これらについてJIS L1017に記載のTテスト法に準拠し引き抜き接着試験を実施し、ゴムとコ−ドの接着力を測定した。接着力の測定結果を表3に示す。
【0022】
【0023】
【0024】
注)
*1 住友化学工業(株)製レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、固形分75%。
*2 日本ゼオン(株)製ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンタ−ポリマ−ラテクス、固形分40%。
*3 ナガセ化成工業(株)製P−クロルフェノ−ル・レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物のアンモニア水溶液、固形分20%。
【0025】
【0026】
表3から明らかなように、本発明の芯鞘型モノフィラメントコ−ド(本発明1)は、未処理のポリエチレンテレフタレ−トだけからなるモノフィラメントコ−ド(比較例1)に対して大幅な接着の向上が得られ、従来の接着処理を施した処理コ−ド(従来例1)と同等の接着水準を与える事が分かる。
【0027】
次に、上記本発明のPET/PEの芯鞘成分を有する3600dの偏平モノフィラメントコ−ドと、同様の3600dのPET/PEの芯鞘成分を有するモノフィラメントコ−ドであるがその断面形状が円形であるコ−ド、さらに単糸デニ−ルが18dでPET/PEの芯鞘構造(鞘/芯重量比は0.2で同一)を有する円形断面のフィラメント200本からなる所謂マルチフィラメント繊維3600dに10回/10cmの撚りを付与した芯鞘型繊維コ−ドのそれぞれを、未加硫ゴム中に埋設し加硫接着させた後、屈曲疲労試験を実施した。屈曲疲労試験はJIS L1017に記載のタイヤコ−ドの圧縮・曲げ疲労強さを試験するテマチア型疲労試験に準拠し実施した。コ−ドを埋設したゴムブロックを10万回屈曲疲労を行い、疲労前後のコ−ドの引張強度を測定し、強度保持率を求めた。
【0028】
偏平モノフィラメントコ−ドの強度保持率は、98%であるのに対して円形の断面を有するモノフィラメントコ−ドの強度保持率は67%であり、さらにマルチフィラメントコ−ドの強度保持率は54%であり、明らかに偏平モノフィラメントコ−ドが良好な疲労性を示す事が分かる。この理由はすでに述べた通り、円形断面のモノフィラメントコ−ドは曲げ疲労に於いて表面歪みが大きくなり疲労性が低下しやすくなるためであり、またマルチフィラメントの場合には、単糸フィラメント同士がゴムに埋設加硫時に鞘成分の溶融により相互に融着してコ−ドとして不均一となり、屈曲時に応力集中し強度が低下したためである。このように本発明においては、モノフィラメントコ−ドを用い、その形状が偏平であるのがより好ましい事が分かる。
【0029】
次に、上記PET/PEの芯鞘成分を有する3600dのモノフィラメントコ−ドに於いて、芯鞘成分比を変化させて引き抜き接着試験を行うと共に引張強度を測定した。結果を表4に示す。
【0030】
鞘/芯重量比が0.1未満の場合には接着が低下する。一方、0.5を超えても接着力はさらには向上せず、引張強度のみが低下してくる。従って、鞘/芯成分比が0.1〜0.5がより好ましい事が分かる。
【0031】
実施例2
芯成分として6ナイロン樹脂、鞘成分としてポリプロピレン樹脂を用いた芯鞘型円形断面のモノフィラメントコ−ドを作成した。鞘/芯重量比は0.20であり3600dのモノフィラメントである。このコ−ドを接着剤等で処理する事なく表5に示す未加硫ゴム組成物に埋設し、180℃で10分加硫した(本発明2)。
【0032】
また、比較として3000dの6ナイロン樹脂からなる円形断面のモノフィラメントコ−ドを未処理のまま同様に未加硫ゴムに埋設し加硫した(比較例2)。さらに従来例として、表6に示す接着剤に浸漬付着させ乾燥熱処理を行った接着処理済コ−ドも同様に未加硫ゴムに埋設し加硫した(従来例2)。これらについて実施例1と同様の方法で引き抜き接着力を測定した。結果を表7に示す。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
表7から明らかなように、本発明の芯鞘型モノフィラメントコ−ドは、未処理の6ナイロンだけからなるモノフィラメントコ−ドに対して大幅な接着の向上が得られる。また、従来の接着処理を施した処理コ−ドよりも良好な接着水準を与える事が分かる。
【0037】
実施例3
芯成分として66ナイロン樹脂、鞘成分としてポリフェニレンエ−テル樹脂(ヒュルス社製VESTORAN商標)からなる芯鞘型円形断面モノフィラメントコ−ドを作成した。鞘/芯重量比は0.20であり、3600dのモノフィラメントである。このコ−ドを接着剤等で処理する事なく前記表1に示す未加硫ゴム組成物に埋設し、180℃で10分加硫した(本発明3)。また、比較として3000dの66ナイロン樹脂からなる円形断面のモノフィラメントコ−ドを未処理のまま同様に未加硫ゴムに埋設し加硫した(比較例3)。さらに、従来例として、表8に示す接着剤に浸漬付着させ乾燥熱処理を行った接着処理済コ−ドも同様に未加硫ゴムに埋設し加硫した(従来例3)。
これらについて、実施例1と同様の方法で引き抜き接着力を測定した。結果を表9に示す。
【0038】
【0039】
【0040】
以上のように本発明の芯鞘型モノフィラメントコ−ドは未処理の66ナイロンだけからなるモノフィラメントコ−ドに対して大幅な接着の向上が得られ、従来の接着処理を施した処理コ−ドと同等の接着水準を与える事が分かる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ゴムと熱融着可能な樹脂であるポリオレフィン樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂を鞘部に有する芯鞘型繊維を用いるためにゴムとの接着処理が不要となるばかりでなく、この芯鞘型繊維をモノフィラメントコ−ドとする事によって撚り工程も除去可能となり、大幅にプロセスが低減できる結果、著しく生産性が高まり、安価で高品質なコ−ド・ゴム複合体を提供する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における芯鞘型繊維からなるコ−ドの断面形状の一例を示す説明図である。
【図2】本発明における芯鞘型繊維からなるコ−ドの断面形状の他例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 モノフィラメントコ−ド 2 鞘成分樹脂 3 芯成分樹脂
Claims (9)
- ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリロニトリル、レ−ヨン、ヘテロ環含有ポリマ−の少なくとも一種から選ばれる樹脂を芯成分とし、ポリオレフィン樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂を鞘成分とした芯鞘型繊維からなるコ−ドを未加硫ゴムに埋設し、加硫一体化してなるコ−ド・ゴム複合体。
- 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、又はポリエチレン2,6ナフタレ−トである請求項1記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記ポリアミドが、6ナイロン、66ナイロン、又は46ナイロンである請求項1記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記芯鞘型繊維からなるコードをそのまま未加硫ゴムに埋設し、加硫一体化してなる請求項1、2、又は3記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記芯鞘型繊維の鞘成分の芯成分に対する重量比(鞘/芯比)が0.1〜0.5の範囲である請求項1、2、3、又は4記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記芯鞘型繊維からなるコ−ドが500〜10000デニールのモノフィラメントコ−ドである請求項1、2、3、4、又は5記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記モノフィラメントコ−ドが偏平断面を有する請求項6記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記偏平断面の長径と短径の比(長径/短径)が1.5〜5の範囲である請求項7記載のコ−ド・ゴム複合体。
- 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、或いはこれらの混合物である請求項1記載のコード・ゴム複合体。
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