JP6594281B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像レンズおよび撮像装置に関し、特に、FA(factory automation)用カメラ、MV(Machine Vision)用カメラ、デジタルカメラ、監視用カメラ、および/または、車載用カメラ用等に好適な単焦点の撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
FA(factory automation)用カメラ、MV(Machine Vision)用カメラ、デジタルカメラ、監視用カメラ、および/または、車載用カメラ用等に使用可能な単焦点の撮像レンズとして、例えば下記特許文献1〜4に記載のレンズ系が知られている。
特開平6−250080号公報 特開2000−39553号公報 特開平1−113714号公報 特開2013−182054号公報
近年、撮像素子の高画素化が進んでいるため、それに合わせて、撮像素子と組み合わせる撮像レンズについても、Fナンバーが小さく球面収差の良好な撮像レンズが要求されている。また、FA用やMV用の場合には、広角でありながら歪曲収差が小さいことも要求される。
しかしながら、特許文献1のレンズ系では、画角が十分に広くないかFナンバーが十分に小さくないという問題がある。また、特許文献2、3のレンズ系では、歪曲収差が十分に小さくないという問題がある。また、特許文献4のレンズ系では、Fナンバーが十分に小さくないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、広角で、Fナンバーが小さく、歪曲収差が小さい撮像レンズ、および、この撮像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた第1−1負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた第1−2負レンズと、両凸形状の第1−3正レンズと、物体側に凸面を向けた第1−4負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた第1−5正レンズとからなり、無限遠物体から近距離物体への合焦の際に、第1レンズ群は像面に対して固定されており、第2レンズ群の一部もしくは全部は物体側に移動し、下記条件式(1)および(2)を満足することを特徴とする。
−0.2<f/f1<0.1 …(1)
0.1<D8/f<2.5 …(2)
ただし、
f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
f1:無限遠物体に合焦した状態での第1レンズ群の焦点距離
D8:第1−4負メニスカスレンズと第1−5正レンズとの光軸上の間隔
とする。
なお、下記条件式(1−1)および/または(2−1)を満足することが好ましい。
−0.15<f/f1<0.05 …(1−1)
0.2<D8/f<2 …(2−1)
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
−1<(L4r−L5f)/(L4r+L5f)<−0.02 …(3)
−0.8<(L4r−L5f)/(L4r+L5f)<−0.04 …(3−1)
ただし、
L4r:第1−4負メニスカスレンズの像側の面の近軸曲率半径
L5f:第1−5正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
とする。
また、下記条件式(4)を満足することが好ましく、下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
0.1<(L4f−L4r)/(L4f+L4r)<0.95 …(4)
0.15<(L4f−L4r)/(L4f+L4r)<0.93 …(4−1)
ただし、
L4f:第1−4負メニスカスレンズの物体側の面の近軸曲率半径
L4r:第1−4負メニスカスレンズの像側の面の近軸曲率半径
とする。
また、合焦の際に、第2レンズ群の最も物体側のレンズは少なくとも移動することが好ましい。
また、下記条件式(5)を満足することが好ましく、下記条件式(5−1)を満足することがより好ましい。
0.02<D8/L<0.35 …(5)
0.03<D8/L<0.3 …(5−1)
ただし、
D8:第1−4負メニスカスレンズと第1−5正レンズとの光軸上の間隔
L:第1レンズ群の最も物体側の面から第1レンズ群の最も像側の面までの光軸上の長さ
とする。
また、下記条件式(6)を満足することが好ましく、下記条件式(6−1)を満足することがより好ましい。
3.5<L/f<8 …(6)
4.5<L/f<7 …(6−1)
ただし、
L:第1レンズ群の最も物体側の面から第1レンズ群の最も像側の面までの光軸上の長さ
f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
とする。
また、下記条件式(7)を満足することが好ましく、下記条件式(7−1)を満足することがより好ましい。
0.2<f/f2<0.5 …(7)
0.25<f/f2<0.45 …(7−1)
ただし、
f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
f2:無限遠物体に合焦した状態での第2レンズ群の焦点距離
とする。
また、下記条件式(8)を満足することが好ましく、下記条件式(8−1)を満足することがより好ましい。
0.2<h1/h2<0.8 …(8)
0.25<h1/h2<0.6 …(8−1)
ただし、
h1:第1レンズ群の最も物体側の面における近軸軸上光線の高さ
h2:第1レンズ群の最も像側の面における近軸軸上光線の高さ
とする。
また、下記条件式(9)を満足することが好ましく、下記条件式(9−1)を満足することがより好ましい。
0≦(max−min)/ave<0.6 …(9)
0.05<(max−min)/ave<0.55 …(9−1)
ただし、
max:第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の最大値
min:第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の最小値
ave:第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の平均値
とする。
また、下記条件式(10)を満足することが好ましい。
0.9<fL1/fL2<2 …(10)
ただし、
fL1:第1−1負メニスカスレンズの焦点距離
fL2:第1−2負レンズの焦点距離
とする。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の撮像レンズを備えたことを特徴とする。
なお、上記「〜からなる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、パワーを有さないミラーや絞りやマスクやカバーガラスやフィルタなどのレンズ以外の光学要素などを含んでもよいことを意図するものである。
また、上記「レンズ群」とは、必ずしも複数のレンズから構成されるものだけでなく、1枚のレンズのみで構成されるものも含むものとする。また、レンズ群の屈折力の符号、レンズの屈折力の符号、レンズの面形状、およびレンズの面の曲率半径は、非球面が含まれているものは近軸領域で考えることとする。また、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
本発明によれば、物体側から順に、第1レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた第1−1負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた第1−2負レンズと、両凸形状の第1−3正レンズと、物体側に凸面を向けた第1−4負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた第1−5正レンズとからなり、下記条件式(1)および(2)を満足するものとしたので、広角で、Fナンバーが小さく、歪曲収差が小さい撮像レンズ、および、この撮像レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
−0.2<f/f1<0.1 …(1)
0.1<D8/f<2.5 …(2)
本発明の一実施形態にかかる撮像レンズ(実施例1と共通)の構成を示す断面図 本発明の実施例2の撮像レンズの構成を示す断面図 本発明の実施例3の撮像レンズの構成を示す断面図 本発明の実施例4の撮像レンズの構成を示す断面図 本発明の実施例5の撮像レンズの構成を示す断面図 本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図 本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図 本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図 本発明の実施例4の撮像レンズの各収差図 本発明の実施例5の撮像レンズの各収差図 本発明の一実施形態に係る撮像装置の概略構成図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる撮像レンズのレンズ構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1の撮像レンズの構成と共通である。図1は、無限遠物体に合焦した状態を示しており、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさおよび/または形状を表すものではなく、光軸Z上の絞りの位置を示すものである。また、軸上光束waおよび最大画角の光束wbも合わせて示している。
本実施形態の撮像レンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなる。
この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、光学系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、および/または赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置することが好ましいため、図1では、これらを想定した平行平面板状の光学部材PPをレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた第1−1負メニスカスレンズL11と、像側に凹面を向けた第1−2負レンズL12と、両凸形状の第1−3正レンズL13と、物体側に凸面を向けた第1−4負メニスカスレンズL14と、物体側に凸面を向けた第1−5正レンズL15とからなる。
このように、第1−1負メニスカスレンズL11と第1−2負レンズL12の2枚の負レンズを連続させて負の屈折力を分散させることにより、広角にしながら歪曲収差の発生を抑えることができる。また、最も物体側のレンズを物体側に凸面を向けた第1−1負メニスカスレンズL11とすることで、特に歪曲収差および非点収差の発生を抑えることができる。
また、第1−3正レンズL13は、正の屈折力により第1−1負メニスカスレンズL11および第1−2負レンズL12で発生した歪曲収差および倍率色収差を補正することができる。なお、この第1−3正レンズL13を両凸形状とすることで、球面収差と非点収差のバランスを取りやすくすることができる。
また、第1−4負メニスカスレンズL14は、メニスカス形状であることで歪曲収差および非点収差の発生を抑えながら、負の屈折力を有することで広角にすることができる。また、この第1−4負メニスカスレンズL14は、第1−1負メニスカスレンズL11および第1−2負レンズL12に較べて主光線の高さが低いため、軸上色収差と倍率色収差のバランスを取りやすくすることができる。
また、第1−5正レンズL15は、正の屈折力により第1−1負メニスカスレンズL11および第1−2負レンズL12で発生した歪曲収差および倍率色収差を補正することができる。なお、この第1−5正レンズL15の物体側の面を凸形状とすることで、球面収差と非点収差のバランスを取りやすくすることができる。さらに、この第1−5正レンズL15を両凸形状とすることで、球面収差と歪曲収差のバランスを取りやすくすることができる。
また、本実施形態の撮像レンズは、下記条件式(1)および(2)を満足するように構成されている。
−0.2<f/f1<0.1 …(1)
0.1<D8/f<2.5 …(2)
ただし、
f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
f1:無限遠物体に合焦した状態での第1レンズ群の焦点距離
D8:第1−4負メニスカスレンズと第1−5正レンズとの光軸上の間隔
とする。
条件式(1)の下限以下とならないようにすることで、第1レンズ群G1での歪曲収差の発生を抑えることができる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、バックフォーカスを確保することができる。
条件式(2)の下限以下とならないようにすることで、第1−4負メニスカスレンズL14と第1−5正レンズL15の間に形成される空気レンズの作用を収差補正に利用しやすくなり、球面収差および像面湾曲と、歪曲収差とのバランスを取りやすくすることができる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることで、歪曲収差を抑えつつ、第1−1負メニスカスレンズL11の有効径、および撮像レンズ全長を小さく抑えることができる。
なお、下記条件式(1−1)および/または(2−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.15<f/f1<0.05 …(1−1)
0.2<D8/f<2 …(2−1)
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)の下限以下とならないようにすることで、歪曲収差の発生を抑えることができる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることで、高次の球面収差および高次の歪曲収差の発生を抑えることができる。なお、下記条件式(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−1<(L4r−L5f)/(L4r+L5f)<−0.02 …(3)
−0.8<(L4r−L5f)/(L4r+L5f)<−0.04 …(3−1)
ただし、
L4r:第1−4負メニスカスレンズの像側の面の近軸曲率半径
L5f:第1−5正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
とする。
また、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)の下限以下とならないようにすることで、高次の球面収差の発生を抑えることができる。条件式(4)の上限以上とならないようにすることで、歪曲収差および非点収差の発生を抑えることができる。なお、下記条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.1<(L4f−L4r)/(L4f+L4r)<0.95 …(4)
0.15<(L4f−L4r)/(L4f+L4r)<0.93 …(4−1)
ただし、
L4f:第1−4負メニスカスレンズの物体側の面の近軸曲率半径
L4r:第1−4負メニスカスレンズの像側の面の近軸曲率半径
とする。
また、無限遠物体から近距離物体への合焦の際に、第1レンズ群G1は像面Simに対して固定されており、第2レンズ群G2の一部もしくは全部は物体側に移動することが好ましい。このような態様とすることで、第1−1負メニスカスレンズL11の有効径の増大を防ぎながら、合焦の際の球面収差および像面湾曲の変動を抑えることができる。この場合、合焦の際に、第2レンズ群G2の最も物体側のレンズは少なくとも移動することが好ましい。このように、開口絞りStに近いレンズを移動させて、合焦の際の第2レンズ群G2の最も物体側のレンズの主光線高さの変動を抑えることで、非点収差の変動を抑えることができる。
また、下記条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の下限以下とならないようにすることで、空気レンズの作用を収差補正に利用しやすくなり、球面収差および像面湾曲と、歪曲収差とのバランスを取りやすくすることができる。条件式(5)の上限以上とならないようにすることで、第1−1負メニスカスレンズL11の有効径、および撮像レンズ全長を小さく抑えることができる。なお、下記条件式(5−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.02<D8/L<0.35 …(5)
0.03<D8/L<0.3 …(5−1)
ただし、
D8:第1−4負メニスカスレンズと第1−5正レンズとの光軸上の間隔
L:第1レンズ群の最も物体側の面から第1レンズ群の最も像側の面までの光軸上の長さ
とする。
また、下記条件式(6)を満足することが好ましい。条件式(6)の下限以下とならないようにすることで、第1−1負メニスカスレンズL11および第1−2負レンズL12の負の屈折力を抑えながら広角化とバックフォーカスの確保を両立することができる。条件式(6)の上限以上とならないようにすることで、第1−1負メニスカスレンズL11の有効径、および撮像レンズ全長を小さく抑えることができる。なお、下記条件式(6−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
3.5<L/f<8 …(6)
4.5<L/f<7 …(6−1)
ただし、
L:第1レンズ群の最も物体側の面から第1レンズ群の最も像側の面までの光軸上の長さ
f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
とする。
また、下記条件式(7)を満足することが好ましい。条件式(7)の下限以下とならないようにすることで、撮像レンズ全長を小さく抑えることができる。条件式(7)の上限以上とならないようにすることで、球面収差の発生を抑えることができる。なお、下記条件式(7−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.2<f/f2<0.5 …(7)
0.25<f/f2<0.45 …(7−1)
ただし、
f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
f2:無限遠物体に合焦した状態での第2レンズ群の焦点距離
とする。
また、下記条件式(8)を満足することが好ましい。条件式(8)の下限以下とならないようにすることで、第2レンズ群G2に入射する軸上マージナル光線の高さを抑え、球面収差の発生を抑えることができる。条件式(8)の上限以上とならないようにすることで、広角化に有利となる。なお、下記条件式(8−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.2<h1/h2<0.8 …(8)
0.25<h1/h2<0.6 …(8−1)
ただし、
h1:第1レンズ群の最も物体側の面における近軸軸上光線の高さ
h2:第1レンズ群の最も像側の面における近軸軸上光線の高さ
とする。
なお、h1、h2については「光学技術シリーズ1 レンズ設計法」(松居吉哉著、共立出版)のpp.19、(2.10)〜(2.12)式による近軸光線追跡における定義に準ずる。
また、下記条件式(9)を満足することが好ましい。条件式(9)の下限以下とならないようにすることで、球面収差と歪曲収差のバランスを取りやすくすることができる。条件式(9)の上限以上とならないようにすることで、第1レンズ群G1中の各負レンズの像側の面で屈折力を分担できるため、歪曲収差および球面収差の発生を抑えることができる。なお、下記条件式(9−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0≦(max−min)/ave<0.6 …(9)
0.05<(max−min)/ave<0.55 …(9−1)
ただし、
max:第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の最大値
min:第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の最小値
ave:第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の平均値
とする。
また、下記条件式(10)を満足することが好ましい。条件式(10)の下限以下とならないようにすることで、歪曲収差の発生を抑えることができる。条件式(10)の上限以上とならないようにすることで、第1−1負メニスカスレンズL11の有効径、および撮像レンズ全長を小さく抑えることができる。また、第1−1負メニスカスレンズL11の有効径を小さく抑えながら広角化することができる。
0.9<fL1/fL2<2 …(10)
ただし、
fL1:第1−1負メニスカスレンズの焦点距離
fL2:第1−2負レンズの焦点距離
とする。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側に凸面を向けた第2−1正レンズL21と、像側に凹面を向けた第2−2負レンズL22と、像側に凸面を向けた第2−3正レンズL23と、物体側に凹面を向けた第2−4負レンズL24と、物体側に凸面を向けた第2−5正レンズL25とからなることが好ましい。
第2レンズ群G2を上記構成とした場合、第2−1正レンズL21は、非点収差の発生を抑えながら正の屈折力を与える作用を担う。第2−2負レンズL22は、軸上色収差および倍率色収差の補正を行う作用を担う。第2−3正レンズL23は、非点収差の発生を抑えながら正の屈折力を与える作用を担う。第2−4負レンズL24は、軸上色収差および倍率色収差の補正を行う作用を担う。また、第2−2負レンズL22とのパワー配分を変えることで主光線の高さを異なるものとすることができるため、軸上色収差と倍率色収差のバランスを取ることができる。第2−5正レンズL25は、正の屈折力により周辺画角の光線の像面Sim(一般に撮像素子配置面)への入射角を抑える作用を担う。なお、この第2−5正レンズL25を両凸形状とすることで、第2−5正レンズL25の前後面で屈折力を分散できるため、球面収差の発生を抑えるのに有利となる。
本撮像レンズが厳しい環境において使用される場合には、保護用の多層膜コートが施されることが好ましい。さらに、保護用コート以外にも、使用時のゴースト光低減等のための反射防止コートを施すようにしてもよい。
また、この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、レンズ系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、および/または赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置してもよい。なお、これらの各種フィルタをレンズ系と像面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよいし、いずれかのレンズのレンズ面に各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。
まず、実施例1の撮像レンズについて説明する。実施例1の撮像レンズの構成を示す断面図を図1に示す。なお、図1および後述の実施例2〜5に対応した図2〜5においては、無限遠物体に合焦した状態を示しており、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさおよび/または形状を表すものではなく、光軸Z上の絞りの位置を示すものである。また、軸上光束waおよび最大画角の光束wbも合わせて示している。
実施例1の撮像レンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなる。第1レンズ群G1はレンズL11〜L15の5枚のレンズからなり、第2レンズ群G2も同じくレンズL21〜L25の5枚のレンズからなる。また、無限遠物体から近距離物体への合焦の際に、第1レンズ群G1は像面Simに対して固定され、第2レンズ群G2のレンズL21〜L24の4枚のレンズは物体側に移動するように構成されている。
実施例1の撮像レンズのレンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、合焦の際に変化する面間隔に関するデータを表3に、非球面係数に関するデータを表4に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜5についても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、nの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)に対するアッベ数を示す。ここで、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。レンズデータには、光学部材PPも含めて示している。また、レンズデータにおいて、合焦の際に間隔が変化する面間隔の欄にはそれぞれDD[面番号]と記載している。このDD[面番号]に対応する数値は表3に示している。
表2の諸元に関するデータに、焦点距離f´、FナンバーFNo、および、全画角2ωの値を示す。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表4の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。表4の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3〜最大20)の値である。
Zd=C・h/{1+(1−KA・C・h1/2}+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数(m=3〜最大20)
とする。
実施例1の撮像レンズの各収差図を図6に示す。なお、図6中の上段左側から順に無限遠物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、および、倍率色収差を示し、図6中の下段左側から順に距離0.1mの物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、および、倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、および、歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、および、g線(波長435.8nm)についての収差をそれぞれ実線、長破線、短破線、および、灰色の実線で示す。非点収差図にはサジタル方向およびタンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線および短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、および、g線(波長435.8nm)についての収差をそれぞれ長破線、短破線、および、灰色の実線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバー、その他の収差図のωは半画角を意味する。
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
次に、実施例2の撮像レンズについて説明する。実施例2の撮像レンズの構成を示す断面図を図2に示す。実施例2の撮像レンズは、実施例1と同様のレンズ群およびレンズ枚数構成であり、合焦の際に移動するレンズについても同様である。また、実施例2の撮像レンズのレンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、合焦の際に変化する面間隔に関するデータを表7に、非球面係数に関するデータを表8に、各収差図を図7に示す。
次に、実施例3の撮像レンズについて説明する。実施例3の撮像レンズの構成を示す断面図を図3に示す。実施例3の撮像レンズは、実施例1と同様のレンズ群およびレンズ枚数構成であり、合焦の際に移動するレンズについても同様である。また、実施例3の撮像レンズのレンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、合焦の際に変化する面間隔に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、各収差図を図8に示す。
次に、実施例4の撮像レンズについて説明する。実施例4の撮像レンズの構成を示す断面図を図4に示す。実施例4の撮像レンズは、実施例1と同様のレンズ群およびレンズ枚数構成であり、合焦の際に移動するレンズについても同様である。また、実施例4の撮像レンズのレンズデータを表13に、諸元に関するデータを表14に、合焦の際に変化する面間隔に関するデータを表15に、非球面係数に関するデータを表16に、各収差図を図9に示す。
次に、実施例5の撮像レンズについて説明する。実施例5の撮像レンズの構成を示す断面図を図5に示す。実施例5の撮像レンズは、実施例1と同様のレンズ群およびレンズ枚数構成であるが、無限遠物体から近距離物体への合焦の際に、第1レンズ群G1は像面Simに対して固定され、第2レンズ群G2全体(レンズL21〜L25の5枚のレンズ)は物体側に移動するように構成されている。また、実施例5の撮像レンズのレンズデータを表17に、諸元に関するデータを表18に、合焦の際に変化する面間隔に関するデータを表19に、非球面係数に関するデータを表20に、各収差図を図10に示す。
実施例1〜5の撮像レンズの条件式(1)〜(10)に対応する値を表21に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表21に示す値はこの基準波長におけるものである。
以上のデータから、実施例1〜5の撮像レンズは全て、条件式(1)〜(10)を満たしており、全画角が90°以上と広角で、Fナンバーが3.0以下と小さく、歪曲収差の絶対値が15%以下と小さい撮像レンズであることが分かる。
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図11に、本発明の実施形態の撮像装置の一例として、本発明の実施形態に係る撮像レンズ1を用いた撮像装置10の概略構成図を示す。撮像装置10としては、例えば、FA用カメラ、MV用カメラ、監視カメラ、または、車載カメラ等を挙げることができる。
撮像装置10は、撮像レンズ1、撮像レンズ1の像側に配置されたフィルタ4、撮像素子5、撮像素子5からの出力信号を演算処理する信号処理部6、および撮像レンズ1の合焦を行うためのフォーカス制御部7を備える。図11では撮像レンズ1が有する第1レンズ群G1、開口絞りSt、および第2レンズ群G2を概念的に図示している。なお、図11では、フォーカス制御部7により第2レンズ群G2と開口絞りStを一体的に移動させて合焦を行う例を示しているが、本発明の撮像装置の合焦方法はこの例に限定されない。撮像素子5は、撮像レンズ1により形成された被写体の像を撮像して電気信号に変換するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。撮像素子5は、その撮像面が撮像レンズ1の像面に一致するように配置される。本実施形態の撮像装置10は、撮像レンズ1を備えたものであるから、広角で、良好な画像を取得することができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
例えば、上記実施例では無限遠物体から近距離物体に合焦するレンズ系を挙げたが、本発明は有限距離の遠距離物体から近距離物体に合焦する撮像レンズに適用可能であることは言うまでもない。
また、本発明の実施形態にかかる撮像装置についても、上記例に限定されず、ビデオカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、またはシネマ用カメラとする等、種々の態様とすることができる。
1 撮像レンズ
4 フィルタ
5 撮像素子
6 信号処理部
7 フォーカス制御部
10 撮像装置
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
L11〜L15、L21〜L25 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
wa 軸上光束
wb 最大画角の光束
Z 光軸

Claims (19)

  1. 物体側から順に、第1レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた第1−1負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた第1−2負レンズと、両凸形状の第1−3正レンズと、物体側に凸面を向けた第1−4負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた第1−5正レンズとからなり、
    無限遠物体から近距離物体への合焦の際に、前記第1レンズ群は像面に対して固定されており、前記第2レンズ群の一部もしくは全部は物体側に移動し、
    下記条件式(1)および(2)を満足する
    ことを特徴とする撮像レンズ。
    −0.2<f/f1<0.1 …(1)
    0.1<D8/f<2.5 …(2)
    ただし、
    f:無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離
    f1:無限遠物体に合焦した状態での前記第1レンズ群の焦点距離
    D8:前記第1−4負メニスカスレンズと前記第1−5正レンズとの光軸上の間隔
  2. 下記条件式(3)を満足する
    請求項1記載の撮像レンズ。
    −1<(L4r−L5f)/(L4r+L5f)<−0.02 …(3)
    ただし、
    L4r:前記第1−4負メニスカスレンズの像側の面の近軸曲率半径
    L5f:前記第1−5正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
  3. 下記条件式(4)を満足する
    請求項1または2記載の撮像レンズ。
    0.1<(L4f−L4r)/(L4f+L4r)<0.95 …(4)
    ただし、
    L4f:前記第1−4負メニスカスレンズの物体側の面の近軸曲率半径
    L4r:前記第1−4負メニスカスレンズの像側の面の近軸曲率半径
  4. 合焦の際に、前記第2レンズ群の最も物体側のレンズは少なくとも移動する
    請求項1から3のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  5. 下記条件式(5)を満足する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.02<D8/L<0.35 …(5)
    ただし、
    L:前記第1レンズ群の最も物体側の面から前記第1レンズ群の最も像側の面までの光軸上の長さ
  6. 下記条件式(6)を満足する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    3.5<L/f<8 …(6)
    ただし、
    L:前記第1レンズ群の最も物体側の面から前記第1レンズ群の最も像側の面までの光軸上の長さ
  7. 下記条件式(7)を満足する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.2<f/f2<0.5 …(7)
    ただし、
    f2:無限遠物体に合焦した状態での前記第2レンズ群の焦点距離
  8. 下記条件式(8)を満足する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.2<h1/h2<0.8 …(8)
    ただし、
    h1:前記第1レンズ群の最も物体側の面における近軸軸上光線の高さ
    h2:前記第1レンズ群の最も像側の面における近軸軸上光線の高さ
  9. 下記条件式(9)を満足する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0≦(max−min)/ave<0.6 …(9)
    ただし、
    max:前記第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の最大値
    min:前記第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の最小値
    ave:前記第1レンズ群中の負レンズの像側の面の曲率半径の平均値
  10. 下記条件式(10)を満足する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.9<fL1/fL2<2 …(10)
    ただし、
    fL1:前記第1−1負メニスカスレンズの焦点距離
    fL2:前記第1−2負レンズの焦点距離
  11. 下記条件式(1−1)および/または(2−1)を満足する
    請求項1記載の撮像レンズ。
    −0.15<f/f1<0.05 …(1−1)
    0.2<D8/f<2 …(2−1)
  12. 下記条件式(3−1)を満足する
    請求項2記載の撮像レンズ。
    −0.8<(L4r−L5f)/(L4r+L5f)<−0.04 …(3−1)
  13. 下記条件式(4−1)を満足する
    請求項3記載の撮像レンズ。
    0.15<(L4f−L4r)/(L4f+L4r)<0.93 …(4−1)
  14. 下記条件式(5−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
    0.03<D8/L<0.3 …(5−1)
  15. 下記条件式(6−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
    4.5<L/f<7 …(6−1)
  16. 下記条件式(7−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
    0.25<f/f2<0.45 …(7−1)
  17. 下記条件式(8−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
    0.25<h1/h2<0.6 …(8−1)
  18. 下記条件式(9−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
    0.05<(max−min)/ave<0.55 …(9−1)
  19. 請求項1から18のいずれか1項記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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