JP6593697B2 - ステアリングサポートメンバーの構造 - Google Patents
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Description
このようなステアリングサポートメンバーには、ステアリングの操作に伴い、ブレなどが起きない安定した強度及び剛性が求められているとともに、車体構造体を介して伝播された振動がステアリングを通して運転者に伝わらないようにする剛性の高さも求められている。ステアリングサポートメンバーの剛性を高める1つの方法としては、当該ステアリングサポートメンバーに補強部材を連結させる方法がある。この方法は、ステアリングサポートメンバーの剛性向上につなげることは可能であるが、重量増加を招くことは避けられない。
そこで、従来のステアリングサポートメンバー(ステアリングビーム)の中には、パイプ部品とプレス加工部品とを組み合わせた構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した従来のステアリングサポートメンバーの構造は、無駄な部分が多いことから、組付作業性、荷重伝達性能、重量などの点で問題を有しており、形状の最適化が求められている。すなわち、ステアリングサポートメンバーには、効率的な荷重伝達を意識した最適形状を施すことにより、強度及び剛性の向上かつ軽量化につながるような構造が求められている。
しかも、本発明の態様の構造においては、ステアリングサポートメンバーを構成する部品単品が受ける荷重を低減させることが可能になるので、構成する各部品の肉厚低減などが進み、ステアリングサポートメンバーの軽量化を図ることができる。
図1〜図4は本発明の実施形態に係るステアリングサポートメンバーの構造を示すものである。また、図1〜図3における矢印Frは車両前方を示し、図3における矢印Fはステアリングサポートメンバーに負荷された荷重分散の流れを示している。
また、コラム部4は、平面視で逆T字状に交差して配置される分岐形状に形成されており、車両前後方向に沿って延びる直線状の幅狭部4Aと、車両幅方向に沿って延びる幅広部4Bとを有している。幅広部4Bは、車両前方側が車両後方側(車室内R側)よりも大きく、かつ左右両側が車両前方へ向かって車両外側に傾斜している平面視で略台形形状に形成されており、当該幅広部4Bの左右両端部は、連結するパイプ状部材5と対応する形状及び大きさに形成されている。
これら接続部10〜13は、上面部材41の膨らみ面41aと下面部材42の膨らみ面42aとによって形成される領域に配置されており、隣り合う接続部10〜13の間は、図3に示すように、車両前後方向及び車両幅方向へ延びる滑らかな線で繋がれるような位置関係に設定されている。しかも、パネル接続部10とシャフト接続部11とは、コラム部4の車両前後方向に沿って直線状に延び、幅狭部4Aを形成する上面部材41及び下面部材42の膨らみ面41a,42aを介して繋がれ、かつ車両幅方向に沿って延びるパイプ状部材5とのパイプ接続部12へ向かって分岐しながら繋がれている。そのため、コラム部4及びパイプ状部材5を備えたステアリングサポートメンバー1は、該ステアリングサポートメンバー1に最も影響を及ぼす図外のステアリングシャフト等に負荷される荷重に対して耐性を有する構造となり、図3の矢印Fで示すように、荷重の分散が円滑にかつ効率良く行われるように構成されている。
これにより、パイプ接続部12が1点ではなく、上面部材41及び下面部材42の車両幅方向の端部がパイプ状部材5に対して全周を回り込むようにして接合されることになり、パイプ接続部12であってもステアリングサポートメンバー1に負荷された荷重が効率的に受け渡されて分散され、当該パイプ接続部12での荷重の集中が抑制されるようになっている。
また、ステー8との接続部であるステー接続部13は、ステー8の上部が上面部材41及び下面部材42を貫通した状態で、上面部材41及び下面部材42に接合される接続部である。上面部材41及び下面部材42には、ステー8の上部を貫通させる貫通孔41c,42cがそれぞれ穿設されており、これら貫通孔41c,42cの周縁部とステー8の外周部とが溶接などにより接合されている。
これによって、ステー8からの荷重がコラム部4の幅広部4Bを形成する上面部材41及び下面部材42で受け取られ、ステー接続部13から他のシャフト接続部11やパイプ接続部12などに向けて分散されることになる。
本実施形態のステアリングサポートメンバー1Aは、基本的には上記実施形態のステアリングサポートメンバー1と同様に構成されており、上記実施形態と同様の構成要素は、上記実施形態と同様の符号及び用語を用いて説明する。ここでは、上記実施形態と異なる構成について説明する。
本実施形態のステアリングサポートメンバー1Aは、図5に示すように、連結部材の1つであるステー8がコラム部4の幅広部4bに接合されておらず、ステー8との接続部であるステー接続部13が設けられていない。コラム部4は、ダッシュパネル6とのパネル接続部10からステアリングシャフト(図示せず)とのシャフト接続部11まで延びる直線状の部分を中心にして左右対称の形状を有している。
したがって、本実施形態のステアリングサポートメンバー1Aの構造によれば、ステアリングサポートメンバー1Aに負荷される荷重が左右にバランス良く分散され、荷重の集中部分を無くすことが可能となり、高い強度及び剛性を有するステアリングサポートメンバー1Aを得ることができる。
2 端部結合ブラケット
3 サイドパネル(車体構造体)
4 コラム部
4A 幅狭部(連結部材)
4B 幅広部
5 パイプ状部材(連結部材)
6 ダッシュパネル(車体構造体)
7 フロアパネルのトンネル部(車体構造体)
8 ステー(連結部材)
10 パネル接続部
11 シャフト接続部
12 パイプ接続部
13 ステー接続部
41 上面部材
41a 膨らみ面
41b フランジ
42 下面部材
42a 膨らみ面
42b フランジ
Claims (5)
- 車両幅方向に沿って延びて車体側部を構成するサイドパネルへ向かう連結部材と、
車両前方側の車体を構成するダッシュパネルと、
平面形状の部分を有する上面部材と下面部材を接合することにより形成されるコラム部とを備える、車体に搭載されるステアリングサポートメンバーの構造において、
前記上面部材は、車両上方へ膨らむ膨らみ面を有し、前記下面部材は、車両下方へ膨らむ膨らみ面を有し、
車両前方側の車体を構成する前記ダッシュパネルへの接続部とステアリングシャフトとの接続部とは、前記コラム部の車両前後方向に沿って直線状に延びる前記上面部材及び前記下面部材の膨らみ面を介して繋がれ、かつ前記ステアリングシャフトとの接続部と前記サイドパネルへ連結する連結部材との接続部とは、前記コラム部の車両幅方向に沿って延びる前記上面部材及び前記下面部材の膨らみ面を介して繋がれていることを特徴とするステアリングサポートメンバーの構造。 - 前記サイドパネルへ向かう連結部材は、前記ステアリングサポートメンバーを構成するパイプ状部材であり、前記上面部材及び前記下面部材の車両幅方向の端部は、前記パイプ状部材の端部外周を抱え込むような形状に形成され、前記パイプ状部材との接続部は、前記上面部材及び前記下面部材の車両幅方向の端部が前記パイプ状部材の端部を抱え込んだ状態で、前記平面形状の部分が接合される接続部であることを特徴とする請求項1に記載のステアリングサポートメンバーの構造。
- 前記コラム部と車両下方の車体フロアを構成するフロアパネルのトンネル部とを連結するステーを更に備え、前記ステアリングシャフトとの接続部と前記ステーとの接続部とは、前記コラム部の車両幅方向に沿って延びる前記上面部材及び前記下面部材の膨らみ面を介して繋がれていることを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングサポートメンバーの構造。
- 前記コラム部と前記ステーとの接続部は、前記ステーの上部が前記上面部材及び前記下面部材を貫通した状態で前記上面部材及び前記下面部材に接合される接続部であることを特徴とする請求項3に記載のステアリングサポートメンバーの構造。
- 前記コラム部は、車両前方側の車体を構成する前記ダッシュパネルとの接続部から前記ステアリングシャフトとの接続部まで延びる直線状の部分を中心にして左右対称の形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングサポートメンバーの構造。
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