JP6593318B2 - キャリアプレートの厚み調整方法 - Google Patents

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Description

本発明はキャリアプレートの厚み調整方法に関する。
半導体デバイスの基板等に用いられるシリコンウェーハの製造において、より高精度な平坦度品質や表面粗さ品質の半導体ウェーハを得るために、研磨パッドを有する一対の定盤でシリコンウェーハを挟みつつ研磨スラリーを供給して、その表裏面を同時に化学機械研磨する両面研磨が行われている。大規模集積回路の集積度の向上のためには、シリコンウェーハの平坦度は重要な要素の一つである。
ここで、図1を用いて、従来技術に従う一般的な両面研磨装置1を説明する。図1に示すように、両面研磨装置1は、シリコンウェーハ20を保持するためのウェーハ保持孔40を有するキャリアプレート30と、研磨パッド60a,60bがそれぞれ設けられた上定盤50aおよび下定盤50bと、上定盤50aおよび下定盤50bをそれぞれ回転させる一対のモータ90aおよび90bとを含む。
上定盤50aおよび下定盤50bは、ウェーハ保持孔40に保持されたシリコンウェーハ20を所望の荷重で挟み込むことができるように構成される。モータ90aおよび90bは、上定盤50aおよび下定盤50bを逆方向に回転させる。また、キャリアプレート30には外周ギアが設けられており、下定盤50b中心部のサンギア70と、下定盤50b外周のインターナルギア80と噛み合わさることで、キャリアプレート30は自転かつ公転(「遊星回転」と呼ばれる)することが一般的である。なお、サンギア70およびインターナルギア80は、モータ90aおよび90bとは異なるモータ90c,90dによりそれぞれ駆動する。研磨装置1は、挟み込んだキャリアプレート30を遊星回転させながら、研磨パッド60aおよび60bによる加圧と滴下スラリー(図示せず)とにより、半導体ウェーハ20の表裏面を同時に化学機械研磨する。なお、キャリアプレート30を遊星回転させず、代わりに自転のみさせることによりシリコンウェーハ20の両面を化学機械研磨することもある。
なお、図1においては、キャリアプレート30がウェーハ保持孔40を1つ備える例を図示しているが、図2(A)に示すように、キャリアプレート30がウェーハ保持孔40を複数備えることもある。図2(B)に、図2(A)のI-I断面図を示す。
ここで、特許文献1には、キャリアプレートの製造方法が開示されている。すなわち、ウェーハの両面を研磨するためのウェーハの両面研磨装置に備えられるウェーハキャリアの製造方法において、前記ウェーハキャリアを構成する本体をあらかじめ設定された形状に加工する加工工程と、前記ウェーハキャリアの本体に予備孔及びスラリーを流入するためのスラリー流入孔を貫通形成する形成工程と、前記予備孔が形成された本体にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)をコーティングするコーティング工程と、前記DLCコーティング後に前記予備孔を拡孔してウェーハを挿入するためのウェーハ保持孔を形成するウェーハ保持孔形成工程と、を含むウェーハキャリアの製造方法である。
特開2009−135424号公報
しかしながら、特許文献1のウェーハキャリアと異なり、図2(A)に示したように、キャリアプレート30において、ウェーハ保持孔40を区画する内周面部32(「ホールエッジ部」とも呼ばれる)は、樹脂材料により形成されることが一般的である。これは、キャリアプレート30の、シリコンウェーハ20の端面(すなわち、ウェーハエッジ部分)と接触する内周面部32が例えばSUS等からなると、シリコンウェーハ20を研磨する時に、ホールエッジ部(内周面部32)とシリコンウェーハ20の端面とが衝突することにより、ウェーハエッジ部分にダメージが生じ得るためである。そこで、キャリアプレート30の少なくともホールエッジ部を樹脂材料により構成してクッション材とすることが一般的となっている。このようなクッション材はインサータと呼ばれている。なお、キャリアプレート30の全部が樹脂材料により形成されることもある。
半導体技術の微細化の進む近年、両面研磨後のシリコンウェーハに求められる研磨精度の要求は非常に高い。そこで、キャリアプレート30の厚みを調整するため、シリコンウェーハ20の両面研磨を行うに先立ち、キャリアプレート30の厚み調整を行うことがある。キャリアプレート30がSUS等により構成される場合であっても、ホールエッジ部が樹脂材料からなる場合、高い平坦度を得るためこのような厚み調整が必要となってくる。特に、図1に示したような、バッチ式の両面研磨装置において定寸研磨を行うためには、キャリアプレート30の厚みをサブミクロンオーダーで揃えることが重要となる。なお、定寸研磨とは、研磨に供するシリコンウェーハの仕上がり厚さを検出しながら行う研磨のことである。
キャリアプレート30のウェーハ保持孔40に、シリコンウェーハ20の代替となるダミー部材15を装填して、両面研磨装置1による両面研磨を行えば、キャリアプレート30の厚み調整を行うことができる。ところが、図3に模式的に示すように、ダミー部材15を装填して両面研磨によりキャリアプレート30の厚み調整を行うと、キャリアプレート30の内周面部32(ホールエッジ部)に研磨パッド60a,60bへの応力が集中する。その結果、ホールダレと呼ばれる滑らかなR形状の加工痕が内周面部32に不可避的に生ずる。以下、図3(B)を参照し、本明細書において、ホールダレ部分の厚みの合計(H+H)を、ホールダレ量と定義する。
本発明者らは、ホールダレ量と、シリコンウェーハのエッジロールオフ(Edge Roll-off)との関係について検討した。図4は、同一条件によりシリコンウェーハの両面研磨を行った場合の、キャリアプレートのホールダレ量と、シリコンウェーハのESFQDの平均値との関係を示すグラフである。ESFQDがマイナスの大きな値であるほど、シリコンウェーハがロールオフしていることを意味し、反対に、ESFQDがプラスの大きな値であるほど、ロールアップしていることを意味する。なお、図4のグラフにおいて、ESFQDは任意単位(A.U.)で記載している。
なお、エッジロールオフとは、シリコンウェーハのエッジ部がダレて、エッジ部の厚みが薄くなる現象である。ロールオフ量が大きいと、デバイスを製造可能な領域が狭まることとなって、デバイス製造歩留りが悪化することに繋がる。また、ESFQDとは、エッジ領域に扇形のセクターを作成し、当該セクター内での高さデータを最小二乗法にて算出したサイト内平面を基準面とし、この平面からの符号を含まない最大変位量であり、ESFQDは各サイトに1つの値を持つ。但し表示は符号を含む。図4のグラフにおけるESFQDの平均値(但し、任意単位)は、当該セクターのESFQDを全周で取得したときの平均値であり、エッジ除外領域(Edge Exclusion)を2mmとしている。
図4のグラフから、キャリアプレートのホールダレ量が小さいほど、両面研磨後にシリコンウェーハのロールオフ量を低減できることが確認できる。この理由は、以下のとおりであると本発明者らは推定している。すなわち、図5(A),(B)に示すように、キャリアプレート30の内周面部32(すなわちホールエッジ部)のホールダレ量が小さい場合(図5(A)参照)は、定寸研磨時のいわゆるリテーナー効果(キャリアプレート30が研磨パッド60aを持ち上げ、ウェーハエッジ部に加わる応力を緩和する)が大きく、シリコンウェーハ20のロールオフ量は小さい。しかしながら、キャリアプレート30のホールダレ量が大きい場合(図5(B)参照)は、定寸研磨時のリテーナー効果が小さくなり、シリコンウェーハ20のロールオフ量が大きくなってしまうものと推定される。
このように、両面研磨後のシリコンウェーハのロールオフ量を低減するためには、キャリアプレートのホールダレ量を低減する必要がある。そのため、キャリアプレートの厚み調整をする際に、キャリアプレートのホールダレ量を低減することのできるキャリアプレートの厚み調整方法の確立が求められる。そして、このようなキャリアプレートの厚み調整方法を確立することができれば、シリコンウェーハの両面研磨の研磨品質を従来よりも改善することにも繋がる。
そこで本発明は、キャリアプレートのホールダレ量を低減することのできるキャリアプレートの厚み調整方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねた。そして、本発明者らはキャリアプレートのウェーハ保持孔に装填するダミー部材の厚みに着目した。ダミー部材の厚みをキャリアプレートのホールエッジ部の厚みよりも大きくすれば、キャリアプレートの厚み調整をする際に、キャリアプレートのホールダレ量を低減することのできることを本発明者らは知見し、本発明を完成するに至った。
上記知見に基づき完成した本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)ウェーハ保持孔を備えるキャリアプレートに保持されたシリコンウェーハを、研磨パッドがそれぞれ設けられた上定盤および下定盤で挟み、前記キャリアプレート、前記上定盤および前記下定盤を回転させつつ、研磨スラリーを供給することにより、前記シリコンウェーハの表裏面を同時に化学機械研磨する両面研磨装置における、前記キャリアプレートの厚み調整方法であって、
前記ウェーハ保持孔に前記シリコンウェーハの代替となるダミー部材を装填する工程と、
前記ダミー部材を装填したまま、前記両面研磨装置により前記キャリアプレートの両面研磨を行う工程と、を含み、
前記キャリアプレートにおいて、少なくとも前記ウェーハ保持孔を区画する内周面部が樹脂材料からなり、
前記ダミー部材の厚みは、前記内周面部の厚みよりも大きいことを特徴とする、キャリアプレートの厚み調整方法。
(2)前記ダミー部材の少なくとも表裏面は、前記樹脂材料の研磨レートよりも研磨レートの低い材料からなる、前記(1)に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
(3)前記ダミー部材は、ダミー用シリコンウェーハの表裏面にコーティング材が被覆されてなり、前記コーティング材は、前記樹脂材料の研磨レートよりも研磨レートの低い材料からなる、前記(1)に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
(4)前記コーティング材は、前記シリコンウェーハを汚染しない材料からなる、前記(3)に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
(5)前記コーティング材は、ダイヤモンドライクカーボンからなる、前記(3)に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
(6)前記キャリアプレートが前記樹脂材料からなる、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
本発明によれば、キャリアプレートのホールダレ量を低減することのできるキャリアプレートの厚み調整方法を提供することができる。
従来技術におけるシリコンウェーハの両面研磨装置の模式図である。 従来技術におけるキャリアプレートの模式図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のI-I断面図である。 (A)は本発明者らの検討による、ダミー部材を用いてキャリアプレートの厚み調整を行うときの模式図であり、(B)は当該厚み調整後のホールダレ量を説明する模式図である。 本発明者らの検討による、ホールダレ量と、シリコンウェーハのロールオフ量との関係を示すグラフである。 本発明者らの検討による、ホールダレ量によるシリコンウェーハのエッジロールオフへの影響を説明する模式図であり、(A)はホールダレ量が小さい場合を示し、(B)はホールダレ量が大きい場合を示す。 本発明の一実施形態に従うキャリアプレートの厚み調整方法に用いるダミー部材を説明する模式図であり、(A)はキャリアプレートのホールエッジ部との厚みの関係を説明する模式図であり、(B)は本発明の好適実施形態に従うダミー部材を説明する模式図である。 実施例におけるダミー部材の厚みと、ホールダレ量との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に従う半導体ウェーハの両面研磨方法を説明する。なお、図中の各構成の縦横比は、説明の便宜上誇張して図示しており、実際とは異なる。
本発明の一実施形態は、両面研磨装置におけるキャリアプレートの厚み調整方法である。なお、図1を用いて既述したように、従来公知の一般的な両面研磨装置1は、ウェーハ保持孔40を備えるキャリアプレート30に保持されたシリコンウェーハ20を、研磨パッド60a,60bがそれぞれ設けられた上定盤50aおよび下定盤50bで挟み、前記キャリアプレート、前記上定盤および前記下定盤を回転させつつ、研磨スラリーを供給することにより、前記シリコンウェーハの表裏面を同時に化学機械研磨するものである。
そして、本実施形態に従うキャリアプレートの厚み調整方法は、ウェーハ保持孔40にシリコンウェーハ20の代替となるダミー部材10を装填する工程と、ダミー部材10を装填したまま、両面研磨装置1によりキャリアプレート30の両面研磨を行う工程と、を含む。また、図6(A)に示すように、キャリアプレート30において、少なくともウェーハ保持孔40を区画する内周面部32が樹脂材料からなり、ダミー部材10の厚みは、内周面部32の厚みよりも大きいことが肝要である。
まず、本実施形態において用いることのできる両面研磨装置1を、既述の図1を用いて改めて説明する。両面研磨装置1は、半導体ウェーハ20を保持するためのウェーハ保持孔40を有するキャリアプレート30と、研磨パッド60a,60bがそれぞれ設けられた上定盤50aおよび下定盤50bと、上定盤50aおよび下定盤50bをそれぞれ回転させる一対のモータ90aおよび90bとを含む。
上定盤50aおよび下定盤50bは、ウェーハ保持孔40に保持された半導体ウェーハは20を所望の荷重で挟み込むことができるように構成される。モータ90aおよび90bは、上定盤50aおよび下定盤50bを互いに逆方向に回転させることが通常である。また、キャリアプレート30には外周ギアが設けられており、下定盤50b中心部のサンギア70と、下定盤50b外周のインターナルギア80と噛み合わさることで、キャリアプレート30は遊星回転することが一般的であるが、両面研磨にあたり、キャリアプレートを自転のみさせてもよいのは既述のとおりである。両面研磨装置1は、挟み込んだキャリアプレート30を遊星回転(あるいは自転)させながら、研磨パッド60aおよび60bによる加圧と滴下された研磨スラリー(図示せず)とにより、シリコンウェーハ20の表裏面を同時に化学機械研磨する。
両面研磨装置1によるこの化学機械研磨は、主としてシリコンウェーハ20の研磨を目的とするものであるものの、キャリアプレート30も同時に研磨される。ただし、キャリアプレート30に作用する化学研磨の寄与はほとんどないため、キャリアプレート30は実質的に機械研磨のみされることとなり、シリコンウェーハ20の研磨レートに比べれば、キャリアプレート30の研磨レートは極めて小さい。
そこで、この両面研磨装置1に、シリコンウェーハ20の代替となるダミー部材10を装填し、該ダミー部材10を装填したまま両面研磨を行えば、ダミー部材10を化学機械研磨すると共に、キャリアプレート30の表裏面を機械研磨することができる。
なお、既述のとおり本発明はキャリアプレートの厚みを調整する際のホールエッジ部のダレを抑制することを目的とするものである。そのため、図2(A),(B)を用いて既述したように、本実施形態においては少なくともウェーハ保持孔40を区画する内周面部32が樹脂材料からなるキャリアプレート30を用いる。ウェーハ保持孔40の個数は、1個でもよいし、複数あってもよい。キャリアプレート30として、インサータキャリアと呼ばれる、ウェーハ保持孔40を区画する内周面部32のみが樹脂材料からなるキャリアプレートを本実施形態に適用する場合、内周面部32はインサータキャリアのインサータ部分に該当する。
一方、キャリアプレート30の全部が樹脂材料からなっていてもよい。この場合、内周面部32(いわゆるインサータ部分)のみ樹脂材料とする場合に比べてインサータ近傍での段差が生じなくなるため、キャリアプレート30の平坦性を調整しやすい。さらに、厚み調整後のキャリアプレート30を用いてシリコンウェーハ20を研磨する際の、金属不純物汚染源を排除できる点でも好ましいと考えられる。この場合は、キャリアプレート30の内周面部32は、径方向において、ウェーハ保持孔40を区画する内周面からキャリアプレート30の外径方向へ5mm以内の領域と定義することとする。また、キャリアプレート30の内周面部32が厚み調整前からダレているなどして、内周面部32の厚みが一定でない場合は、内周面部32の端面の厚みを用いることとする。
ここで、本明細書で言う「シリコンウェーハの代替となるダミー部材」とは、キャリアプレート30のウェーハ保持孔40に装填可能な形状を有することを意味する。ダミー部材は、研磨に供するシリコンウェーハ20と同じく、円板状であることが好ましいが、ウェーハ保持孔40に装填できればリング状であっても構わない。そこで、ダミー部材の直径または外径は、ウェーハ保持孔40の直径よりも僅かに小さく、ただし、ウェーハ保持孔40に装填可能な程度の大きさとする。研磨パッドの材質、加工荷重、キャリアプレートの材料、定盤回転数などの研磨条件に応じて異なるが、例えば、ダミー部材10の直径または外径の下限を、[ウェーハ保持孔40の直径](mm)−2(mm)とすることができ、下限を、[ウェーハ保持孔40の直径](mm)−1(mm)としてもよい。例えば、キャリアプレート30のウェーハ保持孔の直径が301.0mmであれば、ダミー部材の直径を300.5mmとすることができる。
また、ダミー部材10の厚みについても、キャリアプレート30のウェーハ保持孔40に装填して、両面研磨装置1による研磨が可能な程度の厚みとなる。研磨パッド60aの沈み込みを考慮すれば、ダミー部材10の厚みの上限を、[キャリアプレート30の厚み]+[研磨パッドの変形量]とすることができる。なお、[研磨パッドの変形量]は、研磨パッドの材質、加工荷重、キャリアプレートの材料、定盤回転数などの研磨条件に応じて異なるものの、0〜10μm程度の範囲内である。
さて、本実施形態では、ダミー部材10の厚みを、キャリアプレート30の内周面部32の厚みよりも大きくしたため、キャリアプレートの厚み調整時に、キャリアプレート30のホールダレ量を低減することができる。本発明者らは、その理由を以下のとおりと考えている。すなわち、図3(A)におけるダミー部材15の場合、その厚みはキャリアプレート30の内周面部32の厚みよりも小さい。そのため、弾性体である研磨パッド60a,60bからの負荷が、キャリアプレート30の内周面部32のダミー部材15側に集中する。その結果、内周面部32(ホールエッジ部)のダレが大きくなってしまう。一方、本実施形態においても、図6(A)に示すように、研磨パッド60a,60bからの負荷がキャリアプレート30の内周面部32のダミー部材10側に集中するものの、ダミー部材10の厚みの方が、キャリアプレート30の内周面部32の厚みよりも大きいため図3(A)の場合に比べて応力が緩和される。そのため、キャリアプレート30のホールダレ量を低減できると考えられる。
ここで、キャリアプレート30のウェーハ保持孔40へダミー部材10を装填することを考慮すると、ダミー部材10の形状は、研磨に供するシリコンウェーハ20の厚み及び直径等の形状と一致あるいはほとんど同じであることが好ましい。このようなダミー部材10としては、研磨に供するシリコンウェーハ20の代替となるダミー用シリコンウェーハを例えば用いることが好ましい。ただし、ダミー部材10がダミー用シリコンウェーハである場合、前述のとおり両面研磨装置1による研磨では、シリコンは化学機械研磨により研磨が急速に進む。これは、キャリアプレート30に寄与する研磨は機械研磨作用がほとんどであるためである。そのため、本実施形態による厚み条件を満足するダミー用シリコンウェーハを用いてキャリアプレートの厚みを調整する際には、ダミー用シリコンウェーハを頻繁に交換する必要が生じうる。
そこで、ダミー部材10の少なくとも表裏面は、内周面部32の樹脂材料の研磨レートよりも研磨レートの低い材料からなることが好ましい。このような低研磨レートの材料を用いたダミー部材10として、例えばSUS、Ti、Fe、SiC、サファイアなどをダミー部材10の形状に加工したものを用いることができるし、これらの表裏面に、研磨レート条件を満足する異種材料をコーティングしても構わない。ダミー部材10の表裏面にコーティングを行う場合は、キャリアプレート30よりも研磨レートの低い樹脂材料などを用いてもよい。
また、図6(B)に示すように、ダミー用シリコンウェーハ11の表裏面にコーティング材12a,12bが被覆されてなり、当該コーティング材12a,12bが、内周面部32の樹脂材料の研磨レートよりも研磨レートの低い材料からなるダミー部材を用いることも好ましい。スパッタ法、真空蒸着法、CVD法などの公知の手法により、ダミー用シリコンウェーハにコーティング材を被覆することができる。また、コーティング材としては、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)、TiN、TiAlN、TiCN、CrNなどを用いることができる。ダミー部材10の直径及び厚みをμmオーダーで形状調整する観点でも、コーティング材による被覆は好ましい。なお、コーティング材12a,12bは互いに異なる材料であってもよいが、生産性を考慮すれば同一材料であることが好ましい。なお、DLCとは、炭素に構成され、ダイヤモンドに近い特性を有する非晶質(アモルファス)の皮膜のことを言う。
また、一般的にシリコンウェーハの製造工程においては、金属不純物等によるシリコンウェーハへの汚染が忌避される。その観点では、ダミー部材10はシリコンウェーハを汚染しない材料から形成されることが好ましい。ダミー部材10がコーティング材を有する場合も、コーティング材はシリコンウェーハを汚染しない材料からなることが好ましい。そこで、コーティング材としてダイヤモンドライクカーボン(DLC)を用いることが特に好ましい。ダイヤモンドライクカーボンによるコーティングは、成膜後のダミー部材の平坦性が良好である点でも好ましい。また、シリコンウェーハを汚染しない材料コーティング材としては、ポリシリコン、セラミック、樹脂系材料なども挙げられる。
以下、本実施形態に適用可能な具体的態様について説明するが、本実施形態は以下の態様に何ら限定されない。
両面研磨装置1の要部を説明するため前述しなかったが、サンギア70およびインターナルギア80は、モータ90aおよび90bとは異なるモータ90c,90dによりそれぞれ駆動する。また、図1の模式図を簡略化するため図示していないが、キャリアプレート30の外周ギアがサンギア70およびインターナルギア80と噛み合わさることでキャリアプレート30は回転する。ただし、サンギア70、インターナルギア80とキャリアの外周ギアの噛み合わせについては、両面研磨装置1の模式図を簡略化するために図示していない。また、インターナルギア80は、円周方向に多数の回転駆動軸ピンまたはギアを配置した個々の軸ピンもしくはギアから構成され得るものであり、個々の軸ピンもしくはギアがキャリアプレート30の外周ギアに噛み合わさることで、キャリアプレート30を回転させることができる。ただし、個々の軸ピンについては、両面研磨装置1の模式図を簡略化するために図示していない。また、両面研磨装置1の制御部120は、上述した各構成を制御して、研磨に供するシリコンウェーハ20の両面研磨を行うものであり、ダミー部材10を装填して研磨を行えば、キャリアプレート30の厚み調整を行うことができる。
また、キャリアプレート30には、例えばステンレス鋼 (SUS: Steel special Use Stainless)、あるいはエポキシ、フェノール、ポリイミドなどの樹脂材料、さらに樹脂材料にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの強化繊維を複合した繊維強化プラスチックなど、任意の材質のものを用いることができ、内周面部32を少なくとも樹脂材料により構成する。なお、本明細書において、上記した繊維強化プラスチックは、樹脂材料に含まれるものとする。
また、キャリアプレート30の保持孔40の直径は、研磨に供するシリコンウェーハ20の直径により定まる。シリコンウェーハ20の直径は200mm(±1mm)ウェーハ、300mm(±1mm)ウェーハ、450mm(±1mm)ウェーハなど、何ら制限されない。
また、研磨パッド60aおよび60bやスラリーは任意のものを用いることができ、例えば研磨パッドとしては、ポリエステル製の不織布からなるパッド、ポリウレタン製のパッドなどを用いることができる。研磨スラリーとしては、遊離砥粒を含むアルカリ性水溶液などを用いることができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするため、以下の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではない。
前述の図1に示した構成と同様の両面研磨装置1を用いた。両面研磨装置1は、5枚のキャリアプレート30を有し、1枚のキャリアプレート30に対して1枚のシリコンウェーハ20を装填し、1バッチあたり5枚のシリコンウェーハ20の両面研磨を行うことが可能である。そして、下記表1に示すサンプル1〜5のダミー部材10をキャリアプレート30のウェーハ保持孔40に装填して、キャリアプレート30の厚み調整を行った。なお、キャリアプレート30は全て樹脂材料により構成されている。また、ウェーハ保持孔40の直径は301.0mmであり、キャリアプレート30の内周面部32の初期の厚み779μmに対して、厚み調整後の目標厚みを778μmとした。サンプル1〜3のダミー部材10の厚みは、当該初期の厚み779μmよりも大きく、サンプル4,5のダミー部材10の厚みは、当該初期の厚み779μmよりも小さい。
なお、サンプル1〜5のいずれにおいても、ダミー用シリコンウェーハの表裏面に、プラズマCVD法により片面2μmのDLCをコーティングしたダミー部材10を用いた。ダミー部材の直径は全て300.5mmであり、厚みは下記表1のとおりである。
Figure 0006593318
キャリアプレートの厚みを調整した後のホールダレ量を、レーザー変位計を用いて測定した。ダミー部材の厚みと、ホールダレ量との関係を図7のグラフに示す。
図7のグラフから、ダミー部材としてキャリアプレートの内周面部の厚みよりも大きな厚みを有するダミー部材を用いることで、キャリアプレートのホールダレ量を顕著に低減できることが確認できた。こうしてホールダレ量を低減しつつ、厚み調整したキャリアプレートを用いてシリコンウェーハの研磨を行えば、シリコンウェーハのロールオフ量を低減できることが期待できる。
本発明のキャリアプレートの厚み調整方法によれば、キャリアプレートのホールダレ量を低減することができる。こうして調整したキャリアプレートを用いてシリコンウェーハの両面研磨を行えば、シリコンウェーハの両面研磨の研磨品質を従来よりも改善することができるため、シリコンウェーハ製造技術において有用である。
1 研磨装置
10 ダミー部材
11 ダミー用シリコンウェーハ
12a コーティング材
12b コーティング材
15 ダミー部材
20 シリコンウェーハ
30 キャリアプレート
32 内周面部(ホールエッジ部)
40 ウェーハ保持孔
50a 上定盤
50b 下定盤
60a 研磨パッド
60b 研磨パッド
70 サンギア
80 インターナルギア
90a モータ
90b モータ
90c モータ
90d モータ
120 制御部

Claims (6)

  1. ウェーハ保持孔を備えるキャリアプレートに保持されたシリコンウェーハを、研磨パッドがそれぞれ設けられた上定盤および下定盤で挟み、前記キャリアプレート、前記上定盤および前記下定盤を回転させつつ、研磨スラリーを供給することにより、前記シリコンウェーハの表裏面を同時に化学機械研磨する両面研磨装置における、前記キャリアプレートの厚み調整方法であって、
    前記ウェーハ保持孔に前記シリコンウェーハの代替となるダミー部材を装填する工程と、
    前記ダミー部材を装填したまま、前記両面研磨装置により前記キャリアプレートの両面研磨を行う工程と、を含み、
    前記キャリアプレートにおいて、少なくとも前記ウェーハ保持孔を区画する内周面部が樹脂材料からなり、
    前記ダミー部材の厚みは、前記内周面部の厚みよりも大きいことを特徴とする、キャリアプレートの厚み調整方法。
  2. 前記ダミー部材の少なくとも表裏面は、前記樹脂材料の研磨レートよりも研磨レートの低い材料からなる、請求項1に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
  3. 前記ダミー部材は、ダミー用シリコンウェーハの表裏面にコーティング材が被覆されてなり、前記コーティング材は、前記樹脂材料の研磨レートよりも研磨レートの低い材料からなる、請求項1に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
  4. 前記コーティング材は、前記シリコンウェーハを汚染しない材料からなる、請求項3に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
  5. 前記コーティング材は、ダイヤモンドライクカーボンからなる、請求項3に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。
  6. 前記キャリアプレートが前記樹脂材料からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャリアプレートの厚み調整方法。

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