JP5007527B2 - ウェーハ製造方法 - Google Patents
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Description
このような両面研磨機では、上定盤と下定盤との間でワークを保持するために薄板状のワークキャリアが用いられている。ワークキャリアは、その一部に設けられた保持穴内にワークを納めた状態でワークと共に上定盤と下定盤との間に挟み込まれ、研磨加工時にワークの表面両面が常に上定盤及び下定盤の研磨面により同時に摺接されるように保持している。また前記したような両面研磨機は、ガラスや半導体の研磨加工だけでなく、水晶振動子などの各種水晶デバイスに用いられる水晶基板の研磨加工にも広く利用されている。
を満足することが非常に困難であった。
本発明のように構成すれば、ワークキャリアの各保持穴内に保持されているワークにかかる圧力と、各保持穴内のワーク全体の累積移動量をほぼ均等に保つことが可能になる。これにより、本発明のワークキャリアを用いてラッピングやポリッシングといった研磨加工を行えば、研磨加工時における各ワークの厚みムラを抑制できるので、各ワークの平行度を高めることができる。
本発明者は、研磨加工時のワークの平行度を高めるにはどうしたらよいか鋭意検討を行った結果、プレストンの法則に着目した。プレストンの法則によれば、通常のラッピング、ポリッシングにおける研磨量は、ワークと工具の相対速度、圧力、時間に比例することが知られている。即ち、ワークの研磨量をΔV、圧力をp、相対速度v、時間をtとした場合、ワークの研磨量ΔVは、ΔV=k・p・v・t(kは係数)と表すことができることが知られている。
そこで、本発明者は、両面研磨機において水晶ウェーハを両面研磨する際に、両面研磨機を如何に構成すれば、プレストンの法則に満たす条件が実現できるか検討を行った結果、以下のようにワークと、そのワークを保持するワークキャリアを作製すれば、研磨加工時においてワークの平行度を高める、即ち平行度を維持できることを見出した。
この図6に示すワークキャリア50は、極薄で円板状の金属からなるキャリア本体51と、このキャリア本体51の外周部に設けられた複数本の突起部52と、キャリア本体51の径方向中程に設けられて夫々矩形状を成す複数の保持穴53と、中央部に設けられて円形状を成す中央穴54とにより構成される。このように構成されるワークキャリア50を用いて水晶ウェーハ等のワーク60のラッピング或いはポリッシュを行う場合は、キャリア本体51の保持穴53にワーク60を収納した状態で、この図には示していない上定盤及び下定盤の研磨面により研磨を行うようにしていた。
図1は、本発明の実施形態に係る両面研磨機用のワークキャリアの構成を示した平面図である。
この図1に示す本実施形態のワークキャリア1は、両面研磨機によってワークを研磨加工する際にワークを保持するワークキャリアであり、円盤状のキャリア本体2が極薄のスチール鋼により形成されている。なお、キャリア本体2の材質は、スチール鋼に限らず、ステンレス鋼、塩化ビニル樹脂、ガラスエポキシ樹脂などを用いて構成することも可能である。キャリア本体2の中央部には中央穴5が形成されている。またキャリア本体2の外周部には複数本の突起(歯)3が設けられている。
通常、水晶振動子などに用いられる水晶ウェーハは、結晶軸に対してどれだけ正確に切り出せるかが重要になるため、その形状は矩形状とされる。このため、図6に示したワークキャリア50では、水晶ウェーハなどのワーク60を保持する保持穴53の形状がワークの形状に合わせた矩形状のものが多い。しかし、図6に示すようにワーク60及びワーク60を保持する保持穴53の形状を矩形にした場合は、研磨加工時にワーク60が保持穴53内において自由に回転することができないので、保持穴4内のワーク60はキャリア本体51の中心側の面と外周側の面の間で移動する累積移動量が異なることになる。この結果、ワーク60に厚みムラが発生していた。
そこで、本実施形態では、図1に示すようにキャリア本体2に円形状の保持穴4を形成し、この保持穴4内に円形状のワーク20を収納するようにした。このようにワーク20及びワーク20を保持する保持穴4の形状を円形にした場合は、保持穴4内においてワーク20が自由に回転できるのでワーク20の厚みムラを低減できることが分かった。
また、本実施形態のワークキャリア1においては、キャリア本体2に形成する保持穴4の数を3個に限定したことで、各保持穴4内のワーク20に対して均等に加重(圧力)がかかるようにした。キャリア本体2に保持されるワークの数が2つ以下であると、上定盤および/または下定盤がワークに対して傾いた状態で研磨加工されやすくなり、研磨加工後のワーク面内に厚みムラが生じやすくなる。また、キャリア本体2に保持されるワークの数が4つ以上であると、主に厚みの大きいワーク3つに研磨加工時の圧力が分散してしまい、それよりも薄いワークには研磨加工時の圧力が伝わりにくくなるので、研磨加工後のワークに厚み寸法の個体差が生じやすくなってしまう。キャリア本体2に保持されるワークの数が3つであれば、ワーク面内の厚みムラの原因となる研磨加工時の上定盤および
下定盤の傾きも防ぐことができ、個々のワークにかかる研磨加工時の圧力も一定に保ちやすくなる。
さらに、本実施形態のワークキャリア1においては、キャリア本体2の外径をDc(mm)、保持穴4の内径より僅かに小さいワーク20の外径をDw(mm)としたときに、キャリア本体2の外径Dcと、ワーク20の外径Dwとの関係が、0.33×Dc−7.4mm<Dw<0.42×Dc−8.7mm(但し、Dw>0)を満たすようにした点に特徴がある。なお、キャリア本体2の外径Dcは、図1に示すようにキャリア本体2の外周部の突起(歯)3を含まない寸法である。
この時、キャリア本体2の外径に対するワーク20の最大外径値は、キャリア本体2の強度に基づいて決定される。一方、キャリア本体2に対するワーク20の最小外径値は、ワーク20の面ダレを防止する観点から決定される。
両面研磨機では、研磨面の圧力がワーク20に対してのみ加わるため、ポリッシュ加工を行うために研磨面に比較的柔らかい研磨パッド13を取り付けた場合、図3(a)に示すようにワーク20間の距離が適正に保たれている場合は問題ない。これに対して、図3(b)に示すようにワーク20間の距離が広がった場合は、研磨パッド13がワーク20間に沈み込んでしまい、ワーク20の両側だけが必要以上にポリッシングされて面ダレが発生する。
従って、本実施形態のようにワークキャリア1を構成すれば、キャリア本体2の保持穴4にワーク20を納めて両面研磨機によってワークの研磨加工を行った際に、各保持穴4のワーク20にかかる圧力と、各保持穴4内のワーク20全体の累積移動量をほぼ均等に保つことができる。これにより、本実施形態のワークキャリア1を用いてラッピングやポリッシングといった研磨加工を行えば、研磨加工時における各ワークの厚みムラを抑制できるので各ワークの平行度を高めることができる。
さらに、本実施形態のワークキャリア1では、3つの保持穴4の中心を、キャリア本体2の中心から等距離の円周上に位置するようにした。つまり、キャリア本体2上に保持穴4に偏心配置しないようにした。このように構成すると、各保持穴4内のワーク20全体の累積移動量をさらに均等に保つことができるので、各ワーク20の平行度をさららに高めることができる。
これらの図4、図5に示すように、上定盤11及び下定盤12は、夫々の研磨面に研磨パッド13が貼り付けられた同程度の寸法を備えた円板状部材によって構成されており、それらの研磨面が互いに平行となるように同軸に配設されている。また、上定盤11と下定盤12との間には、例えば3枚のワークキャリア1とセンターギヤ14及びリングギヤ15とにより遊星歯車を構成している。
研磨パッド13の表面に摺接させられてワーク20の両面に研磨加工を施すようにしている。このとき、センターギヤ14、リングギヤ15、及び下定盤12は、同じ方向に回転し、上定盤11だけが反対方向に回転することになる。また下定盤12をワークキャリア1より速く回転させると共に、上定盤11をワークキャリア1より遅く回転させることで、ワーク20に対する上定盤11及び下定盤12の相対速度を均一に保つようにしている。
両面研磨機、11…上定盤、12…下定盤、13…研磨パッド、14…センターギヤ、1
5…リングギヤ、20…ワーク
Claims (5)
- 両面研磨機と、円形状の3つの保持穴を有している円盤状のキャリア本体を用意し、
前記両面研磨機に前記キャリア本体を配置し、
前記保持穴にはウェーハを収納して研磨を行なうウェーハ製造方法であって、
前記キャリア本体の歯底円直径をDc(mm)、前記保持穴の内径よりも小さい前記ウェーハの外径をDw(mm)としたときに、前記キャリア本体の歯底円直径Dcと前記ウェーハの外径Dwとの関係が、
0.33×Dc−7.4mm<Dw<0.42×Dc−8.7mm(但し、Dw>0)
を満たすことを特徴とするウェーハ製造方法。 - 前記3つの保持穴の中心が、前記キャリア本体の中心から等距離の円周上に位置していることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ製造方法。
- 前記3つの保持穴が、前記キャリア本体の中心に対して等角度に配置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェーハ製造方法。
- 前記ワークが水晶ウェーハであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のウェーハ製造方法。
- 前記キャリア本体の外形が6インチ規格であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のウェーハ製造方法。
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