JP2011143477A - 両面研磨装置用キャリア及びこれを用いた両面研磨装置並びに両面研磨方法 - Google Patents

両面研磨装置用キャリア及びこれを用いた両面研磨装置並びに両面研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウェーハの両面研磨の際に、ウェーハ外周ダレが低減された高い平坦度を有する高品質のウェーハを、従来に比べて安定かつ長期間に渡って効率よく低コストで生産することを可能とする両面研磨装置用キャリア、及びこれを用いた両面研磨装置並びに両面研磨方法を提供する。
【解決手段】両面研磨装置において、研磨布が貼付された上下定盤の間に配設され、研磨の際に前記上下定盤の間に挟まれた半導体ウェーハを保持するための保持孔が形成された両面研磨装置用キャリアであって、該キャリアは、材質がチタンからなるキャリア本体と、該キャリア本体の表面に形成されたDLC膜に覆われたものであり、かつ該DLC膜表面の表面粗さがRaで0.11μm以上であることを特徴とする両面研磨装置用キャリア。
【選択図】図1

Description

本発明は、両面研磨装置において、半導体ウェーハを研磨する際に半導体ウェーハを保持する両面研磨装置用キャリアに関する。
従来、半導体ウェーハの両面をポリッシング等で研磨する際、キャリアによって半導体ウェーハを保持している。
図8に示すように、このキャリア21は、半導体ウェーハより薄い厚みに形成され、両面研磨装置の上定盤23aと下定盤23bの間の所定位置にウェーハを保持するためのウェーハ保持孔を備えている。このウェーハ保持孔に半導体ウェーハが挿入されて保持され、上定盤23aと下定盤23bの対向面に設けられた研磨布22等の研磨具で半導体ウェーハWの上下面が挟み込まれ、研磨面に研磨剤(研磨スラリー)25を供給しながら研磨が行われる。
このとき、図8に示すように、スラリー供給口24から入ったスラリー25は、ウレタン等の研磨布22の表面粗さによって半導体ウェーハの全体に持ち込まれることになる。またスラリー25の排出も研磨布22の表面粗さで行われることになる。
しかし、この研磨布の表面粗さが小さい場合には、半導体ウェーハを保持するための保持孔に入っている半導体ウェーハより保持孔の径が大きい為、その隙間に排出されなかったスラリーが留まり、ウェーハ最外周部をエッチングさせてダレを発生し易くするという問題がある。また、スラリーのウェーハ中心部への持ち込み量が少なくなるので、必然的に半導体ウェーハ外周部へのスラリー供給量が少なくなり、加工熱によってケミカル反応が促進され、外周部が過剰にエッチングされて外周ダレが発生するという問題がある。
そして、半導体ウェーハの外周部分に圧力が集中すること、研磨スラリーや研磨布の粘弾性の影響等により、半導体ウェーハの外周部のみが過剰に研磨されて外周ダレが生じるという問題もある。この外周ダレがウェーハの平坦度を悪化させてしまうという問題があった。
このような外周ダレを低減する方法として、第1次両面研磨工程で生じた外周ダレを修正する第2次両面研磨工程を行う方法が開示されている(例えば特許文献1等参照)。
しかし、この方法では外周ダレを修正する第2次両面研磨工程を行うもののため、工程が増えるという欠点があり、しかも、一度ウェーハに外周ダレが発生すると、その修復が容易ではないため、より簡便に外周ダレを低減する両面研磨方法が求められていた。
また、従来ウェーハの研磨においては、安定した研磨特性を得るために、セラミックプレートなどを用いて研磨布表面の目立てを行っている。しかし、上記両面研磨においては、被加工物のウェーハだけでなく、キャリアも研磨布と接触しているため、研磨布表面の目立ての効果が長続きせず、頻繁にセラミックプレート等を用いて研磨布表面の目立てを行わなければならないという問題があった。
特開2005−158798号公報 特開2008−23617号公報
このような問題を解決するために、例えば特許文献2ではチタンからなるキャリア本体の表面粗さを0.14μm以上とする技術が開示されている。これによって研磨布の表面粗さが小さくても、キャリア側の表面粗さが大きいため、キャリア表面によってスラリーの持ち込みと排出を行うことができ、外周ダレの問題は一時的には解決することができる。
しかし、このようなキャリアを用いても、使用するうちにキャリア表面が研磨されて表面粗さが小さくなってしまい、外周ダレを抑制することができなくなるという問題が発生することが判った。
すなわち、このようなキャリアを使用しても、研磨される半導体ウェーハの平坦度を安定して高く保つことが困難であるという問題がある。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、半導体ウェーハの両面研磨の際に、ウェーハ外周ダレが低減された高い平坦度を有する高品質のウェーハを、従来に比べて安定かつ長期間に渡って効率よく低コストで生産することを可能とする両面研磨装置用キャリア、及びこれを用いた両面研磨装置並びに両面研磨方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、両面研磨装置において、研磨布が貼付された上下定盤の間に配設され、研磨の際に前記上下定盤の間に挟まれた半導体ウェーハを保持するための保持孔が形成された両面研磨装置用キャリアであって、該キャリアは、材質がチタン(Ti)からなるキャリア本体と、該キャリア本体の表面に形成されたDLC膜に覆われたものであり、かつ該DLC膜表面の表面粗さがRaで0.11μm以上であることを特徴とする両面研磨装置用キャリアを提供する。
このように、表面粗さがRaで0.11μm以上のキャリアを使用する事によって、研磨中の半導体ウェーハへのスラリー持ち込み量と排出量を多くすることができる。すなわちスラリーをスムーズに流すことができるため、保持孔と半導体ウェーハの隙間に排出されなかったスラリーが留まることや半導体ウェーハ外周部へのスラリー供給量が少なくなって熱が溜まり、ケミカル反応が促進されることを抑制することができる等の効果によって、半導体ウェーハの最外周部のダレを低減し、半導体ウェーハの平坦度を改善することができる。従って、高平坦で高品質の半導体ウェーハを効率よく製造することができるようになる。
また、その表面がDLC膜によってコーティングされたものであるため、キャリアを長時間使用してもその表面粗さはほとんど変化せず、長時間使用しても安定してスラリー持ち込みと排出が可能となり、キャリアの交換やメンテナンスに要する時間とコストを従来に比べて大幅に削減することができる。
更に、樹脂に比べて硬度が高く研磨時の磨耗も小さいため、キャリア自体のライフが向上する。またチタン自体はシリコン等の半導体ウェーハ中の拡散係数が小さく、不純物として問題となりにくく、チタン中にはFeなどの半導体ウェーハ中で拡散係数の大きい金属不純物が存在しないので、半導体ウェーハへの金属不純物の汚染を抑えることができるという利点も有する。
さらに、研磨中にキャリア表面で研磨布の目立ても行うことができるので、セラミックプレート等を用いた研磨布の目立ての頻度を低減することができ、効率的に研磨を行うことができる。
従って、本発明のキャリアを用いる事により、従来に比べて安定かつ長期間に渡って効率よく低コストで高平坦度に対応した半導体ウェーハを製造することができる。
ここで、前記キャリアは、前記チタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さがRaで0.11μm以上であることが好ましい。
このように、チタンからなるキャリア本体の表面粗さがRaで0.11μm以上であれば、DLC膜の厚さが略均一であってもその表面粗さがRaで0.11μm以上のキャリアとなるため、DLC膜厚を均一なものとできる。よって、DLC膜が剥がれにくく、高い耐久性(長期間使用しても表面粗さが減少しない)を有するキャリアとなる。また、チタンからなるキャリア本体の表面粗さを荒らすことは容易に行うことができるため、容易に製造することができる。
また、前記DLC膜の表面および前記チタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さは、Raで0.50μm以下であることが好ましい。
DLC膜の表面やチタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さは、粗ければ粗い程スラリーをスムーズに流すことができるが、このように、表面粗さをRaで0.50μm以下とすることによって、キャリアの表面粗さが大きくなり過ぎることによって研磨布が摩耗して研磨布の寿命が短くなることを防止することができる。
そして、前記DLC膜は、厚さが0.3μm〜5μmであることが好ましい。
このように、キャリアの表面にコーティングされたDLC膜の厚さが0.3μm〜5μmであれば、十分に硬度が高いため、キャリアの保護として十分な厚さであり、また、樹脂コートに比べれば十分に薄いので、外周部にダレのない半導体ウェーハを得るのに妨げとならないものとすることができる。
更に、前記キャリアは、その表裏面にキャリア外周側から前記保持孔に至る溝を有することが好ましい。
このように、キャリアが、その表裏面にキャリア外周側から前記保持孔に至る溝を有するものであれば、研磨時に研磨液が溝を通って半導体ウェーハへ供給されるため、ウェーハ外周部が研磨時に受ける抵抗が緩和され、さらに外周ダレを低減することができる。また、溝により研磨中に研磨布の目立ても行うことができるので、セラミックプレート等を用いた研磨布の目立ての頻度をさらに低減することができる。
また、少なくとも、本発明に記載の両面研磨装置用キャリアを具備したものであることを特徴とする両面研磨装置であれば、キャリアの材質がチタンであることによりライフが長く半導体ウェーハへの金属不純物の汚染が抑えられるとともに、外周ダレが低減された高い平坦度を有する高品質のウェーハを生産することができる。また、DLC膜によって表面が保護されているため、長時間使用しても表面粗さは粗い(Raで0.11μm以上)まま保たれるので、長期間の使用が可能となり、キャリア自体の寿命が長く、交換頻度とコストの低減が可能である。さらに、研磨中にキャリア表面で研磨布の目立ても行うことができるので、セラミックプレート等を用いた研磨布の目立ての頻度を低減することができ、装置の稼働率が著しく向上する。
更に、本発明では、半導体ウェーハを両面研磨する方法であって、研磨布が貼付された上下定盤の間に本発明に記載のキャリアを配設し、該キャリアに形成された保持孔に半導体ウェーハを保持して、前記上下定盤の間に挟み込んで両面研磨することを特徴とする半導体ウェーハの両面研磨方法を提供する。
このように、上述のような本発明の両面研磨装置用キャリアの保持孔に半導体ウェーハを保持して、上下定盤の間に挟み込んで両面研磨を行えば、キャリアのライフが従来比べて長く、金属不純物による汚染および外周ダレが低減された高い平坦度を有する高品質のウェーハを生産することができる。さらに、研磨中にキャリア表面で研磨布の目立ても行うことができる。従って、セラミックプレート等を用いた研磨布の目立ての頻度を低減することができ、コストを低減し、効率良く半導体ウェーハを両面研磨することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、半導体ウェーハの両面研磨の際に、ウェーハ外周ダレが低減された高い平坦度を有する高品質のウェーハを、従来に比べて安定かつ長期間に渡って効率よく低コストで生産することを可能とする両面研磨装置用キャリア、及びこれを用いた両面研磨装置並びに両面研磨方法を提供することができる。
本発明の両面研磨装置用キャリアを用いた半導体ウェーハを研磨している際の概略の一例を示した図である。 キャリアの製造方法の一例を示した図である。 実験例のキャリアA,Bでの、立ち上げ準備前と40000min使用後のキャリア表面の表面粗さの評価結果を示した図である。 実験例のキャリアA,Bでの、使用時間とキャリア表面の表面粗さの関係を示した図である。 使用開始時と40000min使用後の実験例のキャリアA,Bを使用して研磨された半導体ウェーハの表面形状の測定結果の一例を示した図である。 実施例1と比較例1のキャリアを用いて研磨された半導体ウェーハの、SFQR値の発生頻度と累積相対頻度との関係を示した図である。 本発明の両面装置用キャリアを具備した両面研磨装置の一例を示した縦断面図と平面視図およびキャリアの部分拡大図である。 従来の両面研磨装置用キャリアを用いて半導体ウェーハを研磨している際の概略の一例を示した図である。 本発明の両面研磨装置用キャリア表裏面の溝のパターンの一例を示した図である。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
従来の両面研磨装置用キャリアは、EG(ガラスエポキシ樹脂)やTi、SUS、TiにDLC膜を形成したものを用いており、通常ラップによるキャリア厚さ調整後にポリッシュを行い、表面粗さを一般的には初期状態でRaで0.09μm以下にしていた。
しかし、このようなキャリアでは、研磨に使用すればするほど表面が平坦になっていき、Raが更に小さくなっていく。
このような初期表面粗さ(Ra0.09μm以下)のキャリアで研磨加工を行うと、加工中の半導体ウェーハへのスラリー持ち込み量が少なくなり、スラリー不足による加工熱によるケミカル反応の促進、保持孔と半導体ウェーハの隙間に溜まるスラリーによる過剰な研磨、半導体ウェーハの外周部分に圧力が集中すること、研磨スラリーや研磨布の粘弾性の影響等により、半導体ウェーハの外周部のみが過剰に研磨されることにより、半導体ウェーハの最外周部にダレを発生させることになる。すなわち、高平坦度を狙う上で最適なキャリアとはいえない、という問題がある。
また、たとえTiキャリアの表面粗さをRa=0.11μm以上とする加工を行ったとしても、使用開始の初期段階では問題ないが、短時間で粗さが小さくなり、スラリー持ち込み効果がほとんど無くなって、外周ダレの抑制が困難となる。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、DLC膜によって表面がコーティングされたキャリアでは、立ち上げ準備前後では表面粗さが変わるが、両面研磨装置での実使用中では表面粗さがほとんど変化せず、安定した値となっていることを知見した。そしてこの知見を基に更なる検討を重ねた結果、材質がチタンからなる本体がDLC膜に覆われ、DLC膜表面の表面粗さがRaで0.11μm以上となっているキャリアであれば、外周ダレ発生の問題を解決できることを知見し、本発明を完成させた。
以下では、本発明の実施の形態について図を用いて説明をする。
本発明は、半導体ウェーハの両面を同時に研磨する両面研磨装置において、半導体ウェーハを保持するキャリアの改良に関するものであり、まず両面研磨装置の概要について図7を用いて説明する。
ここで、本発明の両面研磨装置の一例として、図7は、遊星式の両面研磨装置の内部構造の概略の一例を示す図である。
図7(a)に示すように、本発明の両面研磨装置用キャリア11を具備した両面研磨装置10は、上下に相対向して設けられた下定盤13bと上定盤13aを備えており、各定盤13a、13bの対向面側には、それぞれ研磨布12が貼付されている。そして図7(b)に示すように、上定盤13aと下定盤13bの間の中心部にはサンギヤ18が、周縁部にはインターナルギヤ19が設けられている。半導体ウェーハWはキャリア11の保持孔16に保持され、上定盤13aと下定盤13bの間に挟まれている。
サンギヤ18及びインターナルギヤ19の各歯部にはキャリア11の外周歯17が噛合しており、上定盤13a及び下定盤13bが不図示の駆動源によって回転されるのに伴い、キャリア11は自転しつつサンギヤ18の周りを公転するものである。
そして、図1に示すように、半導体ウェーハWはキャリア11の保持孔16で保持されており、上下の研磨布12により両面を同時に研磨される。この研磨時には、図1に示すようにスラリー供給口14から研磨スラリー15が供給される。これによって半導体ウェーハWを研磨するものである。
なお、上記では遊星式の両面研磨装置のキャリアを例として述べてきたが、本発明の両面研磨装置用キャリアは遊星式に限定されず、揺動式の両面研磨装置のキャリアに採用しても有効である。
ここで、上記両面研磨装置10に配設される本発明の両面研磨装置用キャリア11について、以下に説明する。
本発明の両面研磨装置用キャリア11は、両面研磨装置10において、研磨布12が貼付された上下定盤13a、13bの間に配設され、研磨の際に上下定盤13a、13bの間に挟まれた半導体ウェーハWを保持するための保持孔16が形成されたものである。
そして、図7(c)の部分拡大図のように、材質がチタンからなるキャリア本体30と、その表面に形成されたDLC(Diamond Like Carbon)膜31に覆われたものであり、かつDLC膜表面32の表面粗さがRaで0.11μm以上となっているものである。
(実験)
両面研磨装置用キャリアとして、図2に示すようなキャリア製造フローにおいて、ラッピング加工、マーキング(工程8,9)後のポリッシング加工工程(工程10)を除いたもの(キャリアA)と、ポリッシング加工を行ったもの(キャリアB)の2種類を作製した。
各キャリアの表面粗さは、Mitutoyo製のサーフテストSJ−400を用いて測定し、JIS2001に基づき評価を行った。フィルタはGAUSS、曲線はR、評価長さは4.0mm、カットオフは0.8mmとした。
この2種類のキャリアA,Bの表面に付着している汚れを落とすため、ウェーハを研磨加工する条件でキャリア厚さと同じダミーウェーハを充填して1時間研磨を行い、立ち上げ準備を行った。そして同様の評価方法で表面粗さの評価を行った。
そしてこの立ち上げ準備を終えたキャリアA,Bを使用して、シリコンウェーハの両面研磨を行った。また、ウェーハ加工時間が5000min毎にキャリアの表面粗さを測定し、キャリア使用40000min経過後の時点で研磨されたシリコンウェーハの表面形状を測定した。このシリコンウェーハの表面形状の測定は、黒田精工製ウェーハ形状評価装置Nanometoro 300TT−Aにより実施した。
その結果、図3、図4に示すように、従来のラップ+タッチポリッシュ仕上げしたTiキャリアにDLCコーティングしたキャリア(キャリアB)では、立ち上げ準備前では表面粗さがRaで0.09μmであったが、立ち上げ準備後(キャリア使用開始時)には、表面粗さがRaで0.06μmとなり、表面粗さが小さくなった。
これに対し、ラップのみ行ったTiキャリアにDLCコーティングを行ったキャリア(キャリアA)では、立ち上げ準備前では表面粗さがRaで0.18μm、立ち上げ準備後でRaで0.12μmと表面粗さが小さくなったものの、シリコンウェーハの両面研磨に使用する前段階でのキャリア表面粗さを粗くなった状態に保つことができた。
また、図4に示すように、キャリアAでは、使用時間が進行しても、キャリアの表面粗さはほとんど変化が無い事が確認された。更に図5に示すように、キャリア使用開始時のシリコンウェーハの加工形状と、キャリア使用40000min経過時に研磨されたシリコンウェーハの加工形状は、共に高平坦なレベルを維持しており、外周ダレが発生しておらず、SFQR(max)を改善できることが判った。
これに対し、図4に示すように、キャリアBの場合では、キャリアの表面粗さは使用時間の進行と共に小さくなっていった。
また、図5に示すように、キャリア使用開始時のウェーハ表面形状は外周部には若干のダレが発生していたものの、比較的平坦なシリコンウェーハであった。しかし、キャリア使用40000min経過後のキャリアで加工したシリコンウェーハの表面形状は大きく外周がダレており、またSFQR値も高く、高平坦なシリコンウェーハからはほど遠いことが判った。
なお図3は、実験例のキャリアA,Bでの、立ち上げ準備前と40000min使用後のキャリア表面の表面粗さの評価結果を示した図、図4は実験例のキャリアA,Bでの、使用時間とキャリア表面の表面粗さの関係を示した図、図5は、使用開始時と40000min使用後の実験例のキャリアA,Bを使用して研磨された半導体ウェーハの表面形状の測定結果の一例を示した図である。
このように、表面粗さがRaで0.11μm以上のキャリアを使用する事によって、図1及び図8に示すように、加工中のスラリー持ち込み量と排出量を従来に比べて多くすることができる。これによって、保持孔と半導体ウェーハの隙間に排出されなかったスラリーが留まったり、半導体ウェーハ外周部へのスラリー供給量が少なくなることによって熱が溜まり、ケミカル反応が促進されることを抑制することができるため、半導体ウェーハの最外周部にダレが発生することを抑制することができる。
また、DLC膜によって表面がコーティングされているため、キャリアを長時間使用してもその表面粗さはほとんど変化しないため、長時間使用した段階であっても安定したスラリー供給と排出が行われる。そのため、平坦な半導体ウェーハを安定して得られると供に、キャリアの耐久時間が長くなり、コストを従来に比べて大幅に削減することができ、半導体ウェーハの研磨に要するコストの削減を図ることができる。
更に、本体がチタンであり、またDLC膜が形成されているため、従来の材質のキャリアに比べて硬度が高く研磨時の磨耗も小さいため、キャリア自体のライフが向上する。
上述のような効果によって、従来に比べて長期間に渡って安定して効率よく低コストで高い平坦度を有する半導体ウェーハの研磨を行うことができる。
キャリアの表面粗さを粗くする方法としては、キャリア厚さを揃えるために行うラップ材の砥粒番手を現行(#1000が専ら使用されている)からより低番手の砥粒で加工したり、ラップ後に行うポリッシュを止めたり、平面研削を砥粒番手#800以下にして行い、また条痕マークと砥粒で表面を粗い状態にする方法が挙げられるが、もちろんこれに限定されない。
このように、キャリアは、チタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さをRaで0.11μm以上とすることができる。このキャリア本体の表面にDLC膜をコーティングすれば、コーティング後のDLC膜表面のRaを0.11μm以上とすることができる。この場合は、下地の表面粗さが荒れているため、コーティング後に加工が比較的難しいDLC膜の表面を加工する必要がなく、DLC膜の厚さを略均一とできるので、DLC膜が剥がれにくくなり、更に高耐久性の両面研磨装置用キャリアとすることができる。
ただし、上述のように、チタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さをRaで0.11μm以上とする他に、比較的平坦なチタンからなるキャリア本体の表面に形成されたDLC膜の表面をRaで0.11μm以上に荒らすことによっても本発明の両面研磨装置用キャリアを得ることができることはいうまでもない。
また、DLC膜の表面およびチタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さを、Raで0.50μm以下とすることができる。
スラリーをスムーズに流すためには、DLC膜の表面およびチタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さは粗ければ粗い程よい。しかし、表面粗さがRaで0.5μmより大きい場合、キャリアの表面粗さが大きくなり過ぎることによって研磨布が摩耗して研磨布の寿命が短くなることがある。従って、DLC膜の表面およびチタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さは、Raで0.50μm以下とすることがよい。
そして、DLC膜は、厚さが0.3μm〜5μmとすることができる。
キャリア本体の表面にコーティングされたDLC膜は、その厚さは0.3〜5μmの薄さでも十分にキャリアの表面粗さをRaで0.11μm以上に保つことができる。従って、研磨後の半導体ウェーハの外周部のダレへの影響は抑えられ、高い平坦度を有する半導体ウェーハを得ることができる。
更に、キャリアは、図9に示すように、その表裏面にキャリア外周側から保持孔に至る溝33を有するものとすることができる。
キャリアがこのような溝を有することで、研磨時に研磨液が溝を通って半導体ウェーハへ供給されるため、ウェーハ外周部が研磨時に受ける抵抗が緩和され、さらに外周ダレを低減することができる。また、溝により研磨中に研磨布の目立ても行うことができるので、セラミックプレート等を用いた研磨布の目立ての頻度を低減することができる。
このような本発明の両面研磨装置用キャリア11を具備した両面研磨装置10であれば、金属汚染が低減され、また外周のダレが少ない高平坦度の半導体ウェーハを得ることができる。さらに、研磨中にキャリア表面で研磨布の目立ても行うことができるので、研磨布の目立ての頻度を低減して、装置の稼働率を著しく向上することができる。また、キャリアライフが長いため、コストを低減することができる。
そして、図1,7のように上記本発明の両面研磨装置用キャリア11を、両面研磨装置10の研磨布12が貼付された上下定盤13a、13bの間に配設し、保持孔16で半導体ウェーハWを保持して上下定盤13a、13bの間に挟み込み、研磨スラリー15を供給しつつ半導体ウェーハWを両面研磨することができる。
このような方法を用いて両面研磨を行えば、金属汚染が抑制され、また外周のダレが少ない高平坦度のウェーハを安定して効率的に得ることができる。さらに、研磨中にキャリア表面で研磨布の目立ても行うことができるので、研磨布の目立ての頻度を低減して、効率的に研磨を行うことができる。しかも、キャリアの表面にはDLC膜がコーティングされているため、表面粗さは長時間使用してもほとんど変化しないので、キャリアを従来に比べて交換する頻度を少なくでき、ランニングコストの低減も図ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示す製造フローにおいて、ラッピング加工、マーキング(工程8,9)後のポリッシング加工工程(工程10)を行わずにキャリアを製作し、キャリア立ち上げ準備を行った(実施例1)。その時点でのキャリアの表面粗さをMitutoyo製のサーフテストSJ−400で評価したところ、表面粗さはRa=0.11μmであった。
この立ち上げ準備済みのキャリアを用いて、直径300mm、導電型がP、結晶方位<100>のシリコンウェーハの両面研磨を計42枚行った。
加工研磨条件は、装置に不二越機械製両面研磨機DSPを用いて、研磨布は単一発泡ウレタン、スラリーはKOHベースのコロイダルシリカ、加重は100〜200g/cmとした。
そして研磨したシリコンウェーハの表面形状の評価をKLA−Tencor社製平坦度テスターWaferSightにて実施した。測定条件はM49モードで外周除外2mmとして、セルサイズ26×8mmにて行った。その結果を表1及び図6に示す。図6は、実施例1のキャリアを用いて研磨されたシリコンウェーハの、SFQR値の発生頻度と累積相対頻度との関係を示した図である。
(比較例1)
また、図2に示す製造フローの全ての工程を行った、すなわちチタンからなるキャリア本体にポリッシング加工工程(工程10)及びDLCコーティング工程(工程11)を行ったキャリア(比較例1)を作製し、同様にキャリア立ち上げ準備を行った。立ち上げ準備完了時の表面粗さは、Raで0.04μmであった。そしてこの立ち上げ直後のキャリアを用いて、実施例1と同様にシリコンウェーハの両面研磨を計49枚行った。
そして実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1及び図6に示す。
Figure 2011143477
図6・表1に示すように、実施例1のような表面粗さがRaで0.11μmと大きいキャリアであれば、研磨したシリコンウェーハ計42枚のSFQR値のバラツキが小さい、すなわちバッチ間のバラツキが小さく、高い平坦度のシリコンウェーハを効率よく得ることができることが判った。
これに対し、キャリアの表面粗さが小さい平坦な比較例1のキャリアでは、SFQR値のバラツキも大きく、平坦なシリコンウェーハを安定して得ることができなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…両面研磨装置、
11,21…両面研磨装置用キャリア、 12,22…研磨布、 13a,23a…上定盤、 13b,23b…下定盤、 14,24…スラリー供給口、 15,25…研磨スラリー、
16…保持孔、 17…外周歯、 18…サンギヤ、 19…インターナルギヤ、
30…キャリア本体、 31…DLC膜、 32…DLC膜表面、
33…溝、
W…半導体ウェーハ。

Claims (7)

  1. 両面研磨装置において、研磨布が貼付された上下定盤の間に配設され、研磨の際に前記上下定盤の間に挟まれた半導体ウェーハを保持するための保持孔が形成された両面研磨装置用キャリアであって、
    該キャリアは、材質がチタンからなるキャリア本体と、該キャリア本体の表面に形成されたDLC膜に覆われたものであり、かつ該DLC膜表面の表面粗さがRaで0.11μm以上であることを特徴とする両面研磨装置用キャリア。
  2. 前記キャリアは、前記チタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さがRaで0.11μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の両面研磨装置用キャリア。
  3. 前記DLC膜の表面および前記チタンからなるキャリア本体の表面の表面粗さは、Raで0.50μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の両面研磨装置用キャリア。
  4. 前記DLC膜は、厚さが0.3μm〜5μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の両面研磨装置用キャリア。
  5. 前記キャリアは、その表裏面にキャリア外周側から前記保持孔に至る溝を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の両面研磨装置用キャリア。
  6. 少なくとも、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の両面研磨装置用キャリアを具備したものであることを特徴とする両面研磨装置。
  7. 半導体ウェーハを両面研磨する方法であって、研磨布が貼付された上下定盤の間に請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のキャリアを配設し、該キャリアに形成された保持孔に半導体ウェーハを保持して、前記上下定盤の間に挟み込んで両面研磨することを特徴とする半導体ウェーハの両面研磨方法。
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