JP5605260B2 - インサート材及び両面研磨装置 - Google Patents

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Description

本発明は、両面研磨装置を用いてウェーハを研磨する際にウェーハを保持するキャリアに取り付けられるインサート材及びそのキャリアを具備した両面研磨装置に関する。
ウェーハの両面をポリッシング等で同時に研磨する際、両面研磨装置用のキャリアによってウェーハを保持している。このキャリアは、ウェーハより薄い厚みに形成され、両面研磨装置の上定盤と下定盤の間の所定位置にウェーハを保持するための保持孔を備えている。この保持孔にウェーハが挿入されて保持され、上定盤と下定盤の対向面に設けられた研磨布等の研磨具でウェーハの上下面が挟み込まれ、研磨面に研磨剤を供給しながら研磨が行われる。
ここで、このようなウェーハの両面研磨に使用しているキャリアは例えばチタンやステンレスなどの金属製、又はガラスエポキシ製のものが主流である。金属製のキャリアでは、ウェーハの周縁部をキャリアによるダメージから保護するためにエンジニアリングプラスチック等の樹脂製のリング状のインサート材が保持孔の内周部に沿って取り付けられている。
このように、キャリアの保持孔とウェーハとの間にインサート材を取り付けて研磨することでウェーハの周縁部が破損するのを防ぐことができる。
このインサート材の取り付けに際して、ウェーハ加工中、又は搬送時にインサート材が外れることを防止するために、インサート材の外周部とキャリアの保持孔の内周部をそれぞれ楔状にして嵌合し、さらに必要に応じて接着剤で固定される(例えば、特許文献1参照)。
このような互いに嵌合するキャリア及びインサート材は、レザーカットにより楔状に加工される。
また、インサート材はキャリアの高さ(キャリアの両主面間の長さ)と同じ高さになるように加工されることが望ましいが、現在の樹脂加工精度では数μmオーダーの公差で仕上げることはできないため、まず、キャリアの高さより高くなるように加工したインサート材をキャリアと嵌合させた後、キャリアの主面より上下に飛び出したインサート材の部分を研磨(キャリア立ち上げ研磨)することによって、それらが同じ高さになるように加工している。
特開2000−24912号公報
しかし、キャリアの内周部とインサート材の外周部とを嵌合させる際に楔形状の加工精度から嵌合がきつくなり過ぎることがあり、それらの嵌合部分、すなわち、保持孔の内周部とインサート材の外周部が集中応力によって変形し、キャリアの主面におけるインサート材との段差が発生することがある。この状態で研磨を行うとその段差によって研磨布が局部的に変形し、ウェーハの平坦度が悪化してしまうという問題がある。
このような段差が発生した場合、段差自体は上記したキャリア立ち上げ研磨によってウェーハ研磨前に低減することができるが、その立ち上げ研磨のために多大な時間を要する場合があり、ウェーハの研磨工程時間が増加してしまうという問題が生じる。
また、ウェーハの研磨中はキャリア及びインサート材は研磨剤によってウェット状態となり、樹脂製のインサート材が膨潤する。さらに、ウェーハの研磨中にはインサート材とキャリアの嵌合部分に応力集中が起こる。そのため、研磨中にそれら嵌合部分が変形してウェーハの平坦度が悪化し、さらにその変形部分が削れてパーティクルが発生し、ウェーハに傷をつけて歩留まりを低下させるという問題もある。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ウェーハの研磨工程時間の増加を抑制しつつ、高平坦のウェーハの安定した研磨を可能にし、歩留まりを向上できるインサート材及び両面研磨装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、研磨布が貼付された上下定盤の間にウェーハを挟んでその両面を研磨する両面研磨装置における、前記ウェーハを保持するためのキャリアの保持孔の楔状に形成された内周部に沿って配置され、前記保持孔の楔状に形成された内周部と嵌合する楔状外周部を有し、前記保持されるウェーハの周縁部と内周面で接する樹脂製のリング状のインサート材であって、前記楔状外周部の凸部に切り欠きが設けられたものであることを特徴とするインサート材が提供される。
このようなインサート材を用いることによって、嵌合時及び研磨中におけるキャリアの内周部及びインサート材の外周部の変形を抑制して、キャリア立ち上げ研磨時間を短縮し、ウェーハの研磨工程時間の増加を抑制しつつ、高平坦のウェーハの安定した研磨を可能とし、また、研磨中のウェーハの傷の発生を抑制して、歩留まりを向上できる。
このとき、前記楔状外周部の凸部に設けられた切り欠きの縦断面形状を、三角形、長方形、台形、楔形、鍵穴形、又はU字形とすることができる。
このようなものであれば、上記したキャリアの内周部及びインサート材の外周部の変形を確実に抑制できる。
またこのとき、前記楔状外周部の凸部に設けられた切り欠きの深さが、前記キャリアの保持孔の楔状に形成された内周部の凹部の深さ以上であることが好ましい。
このようなものであれば、上記したキャリアの内周部及びインサート材の外周部の変形をより確実に抑制できる。
また、本発明によれば、少なくとも、研磨布が貼付された上下の定盤と、該上下の定盤間でウェーハを保持するための保持孔を有し、該保持孔の内周部が楔状に形成されたキャリアと、該キャリアの保持孔の内周部に沿って配置され、前記保持孔の楔状に形成された内周部と嵌合する楔状外周部を有し、前記保持されるウェーハの周縁部と内周面で接する樹脂製のリング状のインサート材とを具備する両面研磨装置であって、前記インサート材は上記本発明のインサート材であることを特徴とする両面研磨装置が提供される。
このような両面研磨装置であれば、キャリアの主面におけるインサート材との段差によってウェーハ研磨中に研磨布が局部的に変形するのを確実に抑制して、高平坦のウェーハを安定して研磨でき、また、ウェーハ研磨中の傷の発生を抑制して、歩留まりを向上できる。
このとき、前記キャリアの主面における前記インサート材との段差が2μm未満であることが好ましい。
このようなものであれば、ウェーハ研磨中の段差による研磨布の変形を効果的に抑制できるので、高平坦にウェーハを確実に安定して研磨できる。
本発明では、ウェーハの両面を研磨する両面研磨装置のインサート材において、キャリアの保持孔の楔状に形成された内周部と嵌合する楔状外周部の凸部に切り欠きが設けられているので、キャリア及びインサート材の変形を抑制してウェーハの研磨工程時間の増加を抑制しつつ、高平坦にウェーハを安定して研磨することを可能にし、歩留まりを向上できる。
本発明の両面研磨装置の一例を示す概略断面図である。 本発明のインサート材及び両面研磨装置の一例の平面視による内部構造図である。 本発明のインサート材の切り欠きの一例を示す説明図である。 本発明のインサート材の一例の概略側面図である。 実施例1、比較例1、2の結果を示す図である。 実施例2、比較例3の結果を示す図である。 本発明のインサート材の切り欠きの別の例を示す説明図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来、ウェーハの両面研磨において、金属製のキャリアによってウェーハの周縁部が破損するのを防ぐために、キャリアの保持孔の内周部に沿って樹脂製のリング状のインサート材を取り付けている。この取り付けの際、インサート材の脱落防止のため、インサート材の外周部とキャリアの内周部をそれぞれ楔状にして嵌合させている。
しかし、この楔形状の加工精度からこの嵌合がきつくなり過ぎることがあり、キャリアの内周部とインサート材の外周部が変形し、キャリアの主面におけるインサート材との段差が発生することがある。そのため、この段差をウェーハの研磨前にキャリア立ち上げ研磨によって除去する必要があり、この作業に多大な時間を要してしまい、ウェーハの研磨工程時間が増加してしまうという問題が生じる。
一方、ウェーハの研磨中には、ウェット状態となった樹脂製のインサート材が膨潤し、またインサート材とキャリアの嵌合部分に応力集中も起こるため、研磨中にそれら嵌合部分が変形してウェーハの平坦度を悪化させてしまうことがあり、さらにその変形部分から発生したパーティクルがウェーハに傷をつけて歩留まりを低下させるという問題もあった。
そこで、本発明者等はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、インサート材の楔状外周部の凸部に切り欠きを設けることで、嵌合時及び研磨中におけるインサート材とキャリアの嵌合部分の応力集中を緩和し、それらの変形を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
ここで、図1に本発明の両面研磨装置の一例の概略断面図、図2に本発明のインサート材及び両面研磨装置の一例の平面視による内部構造図を示す。
図1、図2に示すように、本発明の両面研磨装置10は、上下に相対向して設けられた上定盤5と下定盤6を備えており、各定盤5、6の対向面側には、それぞれ研磨布4が貼付されている。そして上定盤5と下定盤6の間の中心部にはサンギヤ7が、周縁部にはインターナルギヤ8が設けられている。ウェーハWはキャリア2の保持孔3に保持され、上定盤5と下定盤6の間に挟まれている。
また、サンギヤ7及びインターナルギヤ8の各歯部にはキャリア2の外周歯が噛合しており、上定盤5及び下定盤6が不図示の駆動源によって回転されるのに伴い、キャリア2は自転しつつサンギヤ7の周りを公転する。このときウェーハWはキャリア2の保持孔3で保持されており、上下の研磨布4により両面が同時に研磨される。また、研磨時には、不図示のノズルから研磨液が供給される。
ここで、キャリア2の材質は特に限定されないが、例えばチタン、ステンレスとすることができる。また、キャリアの表面を硬度の高いDLC(Diamond Like Carbon)膜でコーティングすることができる。このようにDLC膜でコーティングすれば、キャリア2の耐久性が向上してキャリアライフを延ばすことができ、交換頻度を減らすことができる。
また、図2に示すように、キャリア2の保持孔3の内周部に沿って本発明の樹脂製のリング状のインサート材1が配置されている。このインサート材1により、研磨中にウェーハWが金属性のキャリア2と直接接触することによってウェーハWの周縁部にダメージが発生するのを防ぐことができる。
そして、このようなインサート材1が内周部に配置されたキャリア2の保持孔3にウェーハWが挿入されて保持されるようになっている。
図3はインサート材とキャリアとの嵌合部を拡大した図である。図3に示すように、キャリア2の内周部12とインサート材1の外周部11はそれぞれ楔状に形成されており、それらが嵌合するようになっている。また、嵌合部分の接合面を例えばエポキシ系の接着剤等で固定することもできる。これにより、ウェーハ加工中、又は搬送時にインサート材1がキャリアから外れることを確実に防止することができる。
ここで、インサート材の材質は、エンジニアリングプラスチック等の樹脂製とすることができ、例えばアラミド樹脂とすることができる。
なお、インサート材1はキャリア2の高さ(キャリアの両主面間の長さ)と同じ高さになるように加工されることがウェーハの研磨精度の向上に関して望ましいため、まず、キャリア2の高さより高くなるように加工したインサート材1をキャリア2と嵌合させた後、キャリア2の主面より上下に飛び出したインサート材1の部分をキャリア立ち上げ研磨によって、それらが同じ高さになるように加工することができる。このキャリア立ち上げ研磨は、インサート材1を取り付けたキャリア2をウェーハWがない状態で上下定盤の間に挟み、研磨剤(例えば、粒子径50nm以上のコロイダルシリカ等)を供給しながら研磨布によって行うことができる。
そして、図3に示すように、本発明のインサート材1では、楔状外周部11の凸部13に切り欠き9が設けられている。この切り欠き9によって、インサート材1とキャリア2の嵌合時及びウェーハWの研磨中におけるインサート材1とキャリア2のそれぞれの嵌合部分の応力集中を緩和し、インサート材1の楔状外周部11とキャリア2の楔状内周部12の局部的な変形を抑制できる。そのため、キャリア2の主面におけるインサート材1との段差の発生を抑制することができる。
従って、従来キャリア立ち上げ研磨において多大に要している段差の除去時間を削減できる。すなわち、キャリア立ち上げ研磨は、上記したようなインサート材とキャリアとの嵌合後にキャリアの主面より上下に飛び出したインサート材の部分のみの研磨となるか、若しくは段差があっても非常に小さく抑制されているので、キャリア立ち上げ研磨、延いてはウェーハの研磨工程時間を安定して短縮し、この工程時間のバラツキを解消することができる。また、特にウェーハ中心部が凸形状になったり、ウェーハ外周部が跳ね上がり形状になるような品質の悪化を抑制して、高平坦にウェーハを安定して研磨することが可能となる。さらに、インサート材とキャリアが変形して削れることが抑えられるので、ウェーハの傷の発生を抑制でき、歩留まりを向上できる。
図4はインサート材の側面図であり、インサート材に設ける切り欠きの一例を示したものである。図4に示すように、この例では切り欠き9は楔状外周部の凸部13の中央に、リング状のインサート材1の中心軸に平行な方向に沿って設けられている。
また、切り欠き9の縦断面形状、すなわち、図3に示すようにインサート材1を上方から見た際の切り欠き9の断面形状は、三角形であるが、これには限定されず、例えば図7に示すような、台形(図7(A))、鍵穴形(図7(B))、或いは長方形、楔形、又はU字形とすることもできる。このような形状であれば、嵌合時及び研磨中におけるキャリアとインサート材の変形を確実に抑制できるし、切り欠きの加工も様々な方法を用いることができるものとなる。
このインサート材1の切り欠き9の深さ、すなわちインサート材1の中心軸に向かう方向への切り欠き9の長さは特に限定されることはなく、嵌合部分の形状や、インサート材の大きさ等に応じて適宜決定することができるが、例えば、キャリア2の保持孔3の楔状に形成された内周部12の凹部14の深さ以上であることが好ましい。このようにすれば、上記したインサート材とキャリアの嵌合部分の応力集中をより効果的に緩和し、インサート材の楔状外周部とキャリアの楔状内周部の局部的な変形をより確実に抑制できる。
このような本発明のインサート材を具備した両面研磨装置は、上記したように長時間のキャリア立ち上げ研磨を行うことなくキャリアの主面におけるインサート材との段差が低減されたものであり、その組み立て時間は非常に短くて済む。そして、特にその段差が2μm未満であることが好ましい。このようなものであれば、キャリアの主面におけるインサート材との段差によってウェーハ研磨中に研磨布が局部的に変形するのを確実に抑制して、高平坦にウェーハを安定して研磨できる。また、研磨中のウェーハの傷の発生を抑制して、歩留まりを向上できる。
なお、図1に示した両面研磨装置の例では、キャリアに保持孔が1つ設けられたものを示しているが、キャリアに複数の保持孔を設け、それぞれの保持孔の内周部に本発明のインサート材を配置する構成としても良い。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1、2に示すような本発明のインサート材及び両面研磨装置を用いてシリコンウェーハの両面研磨を行い、研磨後のウェーハの平坦度、傷の発生率を評価した。
使用したインサート材はアラミド樹脂製のもので、直径2mmのエンドミルによって縦断面形状がU字形の切り欠きを設けたものを使用した。このインサート材のリング幅(リングの外周と内周の最小幅)を1.73mmとし、楔状外周部の深さを3.0mmとした。また切り欠きの深さを4.0mmとした。
ここで、研磨条件は以下のようにした。
ウェーハ: 直径300mm、P型、結晶方位<110>
研磨布: 単一発泡ウレタンパッド
研磨剤: NaOHベースコロイダルシリカ
加工加重: 100−200g/cm
まず、上記のインサート材を保持孔に嵌合させたキャリアをウェーハのない状態で上下定盤に挟み30分間のキャリア立ち上げ研磨を行った。このキャリア立ち上げ研磨後のキャリアの上下主面におけるインサート材との段差を測定した。その結果を図5に示す。
図5に示すように、段差はキャリアの下主面側で1.0μm、上主面側で1.5μmであった。この結果を後述する比較例1、2と比較したところ、より短時間のキャリア立ち上げ研磨で、より小さい段差となっていた。これは本発明のインサート材によって段差が抑制されたためである。
なお、段差は表面粗さ測定機(ミツトヨ製 SurftestSJ−400)を用いて測定し、測定条件を以下のようにした。
規格: JIS2001
フィルタ: GAUSS
測長: 4.0mm
プロファイル 粗さ
次にこのインサート材が取り付けられたキャリアの保持孔内にシリコンウェーハを保持して両面研磨を行い、研磨後のウェーハの平坦度及び傷の発生率を評価した。ここで、平坦度としてGBIR及びSFQR(Max)を黒田精工製平坦度テスター(Nanometoro 300TT−A)を用いて測定した。
図5に示すように、その平坦度の結果は、GBIR=0.107μm、SFQR(Max)=0.028μmであり、後述する比較例1のGBIR=0.324μm、SFQR(Max)=0.115μmと比べ大幅に改善されていた。
また、傷の発生率の評価はレイテクス社製の面検査機を用いて行い、その結果は、2.3%と比較例1の14.7%と比べ大幅に改善されていた。
また、比較例2の結果と比較すると、平坦度、傷の発生率共に同等のレベルであるが、ウェーハの研磨前のキャリア立ち上げ研磨時間が大幅に短かった。
このように、本発明のインサート材及び両面研磨装置は、キャリア立ち上げ研磨の時間を低減してウェーハの研磨工程時間の増加を抑制しつつ、高平坦にウェーハを研磨でき、ウェーハの傷の発生を抑止して歩留まりを向上できることが確認できた。
(実施例2)
研磨後のシリコンウェーハが平坦になるまでに必要なウェーハ研磨前のキャリア立ち上げ研磨の時間を評価した。ここで、平坦の基準として、SFQR(Max)が0.03以下になるようにした。
シリコンウェーハの両面研磨の条件は実施例1と同じとした。その結果を図6に示す。なお、図中のキャリア立ち上げ研磨時間は、本発明のインサート材を取り付けたキャリア5枚を1セットとして、それぞれのキャリアで要した時間の平均値を示したものである。
図6に示すように、後述の比較例3と比べ、キャリア立ち上げ研磨時間のバラツキが大幅に低減され、より短時間のキャリア立ち上げ研磨で目的の平坦度を達成できた。
このように、本発明のインサート材及び両面研磨装置は、ウェーハの研磨工程時間を低減でき、高平坦のウェーハを安定して研磨できることが確認できた。
(比較例1、2)
従来の切り欠きが設けられていないインサート材を用い、キャリア立ち上げ研磨の時間を90分(比較例1)、200分(比較例2)とした以外、実施例1と同様な条件でシリコンウェーハの両面研磨を行い、実施例1と同様に評価した。
キャリア立ち上げ研磨後のキャリアの上下主面におけるインサート材との段差の結果を図5に示す。図5に示すように、比較例1では、キャリア立ち上げ研磨を90分と実施例1より長くしたにも関わらず、段差が下主面側で2.0μm、上主面側で4.0μmと実施例1より大きくなっていた。また、傷の発生率は14.7%と実施例1と比べ悪化していた。
また、比較例2では、実施例1と比べ若干劣るがほぼ同レベルの段差となり、傷の発生率も同レベルであったが、実施例1の30分のキャリア立ち上げ研磨と比べて200分と大幅に長い時間を要した。
また、研磨後のウェーハの平坦度の結果は、図5に示すように、比較例1では、GBIR=0.324μm、SFQR(Max)=0.115μmと大幅に悪化していた。また、比較例2では、GBIR=0.137μm、SFQR(Max)=0.031μmであり、上記したようにより長時間かけて段差を低減したことによって実施例1とほぼ同レベルの平坦度が得られていた。
(比較例3)
従来の切り欠きが設けられていないインサート材を用いた以外、実施例2と同様な条件でシリコンウェーハの両面研磨を行い、実施例2と同様に評価した。但し、研磨回数を7セットとした。その結果を図6に示す。
図6に示すように、実施例2と比べ、目的の平坦度を達成するためのキャリア立ち上げ研磨時間が長く、そのバラツキも大きくなっていた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…インサート材、 2…キャリア、 3…保持孔、 4…研磨布、
5…上定盤、 6…下定盤、 7…サンギア、 8…インターナルギア、
9…切り欠き、10…両面研磨装置、 11…インサート材の楔状外周部、
12…キャリアの内周部、 13…インサート材の凸部、 14…キャリアの凹部。

Claims (5)

  1. 研磨布が貼付された上下定盤の間にウェーハを挟んでその両面を研磨する両面研磨装置における、前記ウェーハを保持するためのキャリアの保持孔の、該キャリアを上方から見た際に楔状の凹部が形成された内周部に沿って配置され、前記保持孔の楔状の凹部が形成された内周部と嵌合する楔状の凸部が形成された外周部を有し、前記保持されるウェーハの周縁部と内周面で接する樹脂製のリング状のインサート材であって、
    前記インサート材の外周部の凸部に、該外周部側から前記インサート材の中心軸に向かう方向に深さを有し、前記凸部の厚さ方向に貫通する切り欠きが設けられたものであることを特徴とするインサート材。
  2. 前記楔状外周部の凸部に設けられた切り欠きの前記インサート材を上方から見た際の形状が、三角形、長方形、台形、楔形、鍵穴形、又はU字形であることを特徴とする請求項1に記載のインサート材。
  3. 前記楔状外周部の凸部に設けられた切り欠きの深さが、前記キャリアの保持孔の楔状に形成された内周部の凹部の深さ以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインサート材。
  4. 少なくとも、研磨布が貼付された上下の定盤と、該上下の定盤間でウェーハを保持するための保持孔を有し、該保持孔の内周部が楔状に形成されたキャリアと、該キャリアの保持孔の内周部に沿って配置され、前記保持孔の楔状に形成された内周部と嵌合する楔状外周部を有し、前記保持されるウェーハの周縁部と内周面で接する樹脂製のリング状のインサート材とを具備する両面研磨装置であって、
    前記インサート材は請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインサート材であることを特徴とする両面研磨装置。
  5. 前記キャリアの主面における前記インサート材との段差が2μm未満であることを特徴とする請求項4に記載の両面研磨装置。
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