図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1の正面図である。以下の説明では、図1のパチンコ遊技機1に対面して手前側を前方(前面、正面)側とし、奥側を後方(後面、背面)側とする。また、図1のパチンコ遊技機1に対面して右から左への方向をX方向とし、下から上への方向をY方向とし、後から前への方向をZ方向とする。それぞれの逆方向は、−X方向、−Y方向、−Z方向とも称する。
パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技機用枠3とを備えている。その他、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠などを備えている。遊技盤2は、遊技盤面を構成するゲージ盤である。遊技機用枠2は、遊技盤2を固定する台枠である。遊技盤2には、ガイドレール2bなどによって囲まれた遊技領域10が形成されている。発射装置から発射された遊技球(遊技媒体)は、発射通路251を通過して、遊技領域10に打ち込まれる。遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が回動可能に設けられている。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、アウト口16、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート36などが設けられている。その他、遊技領域10における遊技盤面には、風車や多数の障害釘、一般入賞口などが設けられていればよい。遊技領域10の周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には第1スピーカ81R、81Lが設けられ、遊技機用枠3の左右下部位置には第2スピーカ82R、82Lが設けられ、さらにその下方には第3スピーカ83を含むスピーカシステム84が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、打球操作ハンドル(操作ノブ)54が設けられている。打球操作ハンドル54は、遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作され、その操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5の画面上などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などを用いて構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(特図)が、変動可能に表示(可変表示)される。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)などを用いて構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。
画像表示装置5の画面上には、第1保留記憶表示エリア5Dと、第2保留記憶表示エリア5Uとが配置されている。第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。保留表示は、可変表示に関する情報の保留記憶に対応して表示可能なものであればよい。第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uとともに、あるいは、第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uに代えて、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとを用いた保留表示が行われてもよい。
図2は、各種基板や周辺装置などの構成例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13A〜13C、ランプ制御基板14、中継基板15といった、各種の制御基板が搭載されている。その他にも、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が搭載されてもよい。
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。主基板11では、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23A、23B、第1検出スイッチ24A、第2検出スイッチ24Bといった、各種検出用のスイッチから取り込んだ信号が、スイッチ回路110を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。ゲートスイッチ21は、通過ゲート36を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。第1始動口スイッチ22Aは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23A、23Bは、大入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
主基板11では、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号が、ソレノイド回路111を介して普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送される。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態(または通過する状態)とに変化可能にする。大入賞口扉用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過不可能な状態と通過可能な状態とに変化可能にする。主基板11からは、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号が伝送される。主基板11には、ホール管理コンピュータと通信可能な通信部49が接続されている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
演出制御基板12は、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号(演出制御コマンド)の受信に基づいて、画像表示装置5、第1スピーカ81R、81L、第2スピーカ82R、82L、第3スピーカ83および遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御可能とする。演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。音声制御基板13A〜13Cは、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、第1スピーカ81R、81L、第2スピーカ82R、82Lおよび第3スピーカ83から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。音声制御基板13Aは、第1スピーカ81R、81Lを制御する。音声制御基板13Bは、第2スピーカ82R、82Lを制御する。音声制御基板13Cは、第3スピーカ83を制御する。音声制御基板13A、13Bは、第1スピーカ81R、81Lと第2スピーカ82R、82Lとに含まれる個別のスピーカに対応して、2枚ずつの基板を含んで構成されてもよい。なお、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120などが音声信号処理を実行可能であれば、音声制御基板13A〜13Cに帯域フィルタや増幅回路などを搭載すればよい。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯や消灯を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムや固定データ等を用いて、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
演出制御基板12には、コントローラセンサユニット35Aと、プッシュセンサ35Bとが接続されている。コントローラセンサユニット35Aは、傾倒方向センサと、トリガセンサとを含んでいる。傾倒方向センサは、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作が行われたときに、複数のセンサを用いて操作桿の傾倒方向を検出可能にする。トリガセンサは、スティックコントローラ31Aの操作桿に設けられたトリガボタンに対する押引操作の有無を検出可能にする。すなわち、コントローラセンサユニット35Aにより、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒動作やトリガボタンに対する押引動作といった、スティックコントローラ31Aを用いた遊技者の動作を検出することができる。プッシュセンサ35Bにより、プッシュボタン31Bに対する押下動作といった、プッシュボタン31Bを用いた遊技者の動作を検出することができる。演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出の実行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。演出の実行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における遊技機用枠3の右下部位置に設けられた打球操作ハンドル54が遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域10に向けて発射される。遊技領域10を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
有利状態は大当り遊技状態に限定されず、時短状態や確変状態といった特別遊技状態が含まれてもよい。その他、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、スピーカ80Rの構成例を説明する。スピーカ80Rは、第1スピーカ81R、81Lに含まれるスピーカ81Rや、第2スピーカ82R、82Lに含まれるスピーカ82Rとして、使用することができればよい。第1スピーカ81R、81Lに含まれるスピーカ81Lや、第2スピーカ82R、82Lに含まれるスピーカ82Lは、スピーカ80Rと左右対称に構成されたスピーカを使用することができればよい。図3は、スピーカ80Rの正面図である。図4は、スピーカ80Rの背面図である。図5(A)は、図4のA−A断面を示す図であり、図5(B)は、弾性部材71の配置例を示す図である。図6は、スピーカ80Rの右側面図である。図7は、図6に示すB−B断面を示す図である。図8は、スピーカ80Rの左側面図である。図9は、スピーカ80Rの前部上方斜視図である。図10は、スピーカ80Rの後部上方斜視図である。
スピーカ80Rの前方側には、前面カバー部材60Aが設けられる。前面カバー部材60Aは、固定ネジ61A〜61Dを用いて、図6や図8に示すスピーカ80Rの筐体(エンクロージャ)60にネジ止めされていればよい。前面カバー部材60Aは、例えばアクリル樹脂といった合成樹脂を用いて形成される。前面カバー部材60Aには、スピーカ本体80Sの前方側にて、スピーカ本体80Sからの良好な透音性を確保するために多数の貫通孔が設けられていればよい。なお、合成樹脂はアクリル樹脂に限定されず、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、その他に任意の合成樹脂を用いたものであればよい。また、前面カバー部材60Aは、合成樹脂を用いて形成されたものに限定されず、例えばパンチングメタルやエキスパンドメタルといった、金属を用いて形成されたものであってもよい。
前面カバー部材60Aは、光の透過性を有して透視可能な合成樹脂を用いて形成されていればよい。これにより、前面カバー部材60Aを取り外すことなく、スピーカ本体80Sなどを目視可能とし、スピーカ80Rに対する不正行為を容易に確認することができる。前面カバー部材60Aにて、固定ネジ61A〜61Dが挿し込まれるネジ穴周辺は、曲面仕上げが施されていてもよい。これにより、引掛け部材などの不正工具を用いた不正行為を防止できればよい。
スピーカ80Rの筐体60は、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとを、筐体接合部60Dにて嵌め合わせて一体構成としたものであればよい。筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cは、前面カバー部材60Aと同様に、例えばアクリル樹脂といった合成樹脂を用いて形成されるものであればよい。筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cは、前面カバー部材60Aと同様に、筐体60の内部を透視可能な合成樹脂を用いて形成されていればよい。これにより、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとを分離することなく、筐体60の内部を目視可能とし、スピーカ80Rに対する不正行為を容易に確認することができる。スピーカ本体80Sは、前面カバー部材60Aの後方側にて、前面カバー部材60Aとともにネジ止めされることにより、筐体60に装着される。
第1スピーカ81R、81Lに含まれるスピーカ81Rとしてスピーカ80Rが用いられる場合、筐体60の内部には、前方側と後方側とで対向する側面のうち、前方側となる一方の側面にスピーカ本体80Sが配置され、後方側となる他方の側面に音声制御基板13Aが配置される。第2スピーカ82R、82Lに含まれるスピーカ82Rとしてスピーカ80Rが用いられる場合、筐体60の内部には、前方側と後方側とで対向する側面のうち、前方側となる一方の側面にスピーカ本体80Sが配置され、後方側となる他方の側面に音声制御基板13Bが配置されればよい。以下、第2スピーカ82R、82Lに含まれるスピーカ82Rとしてスピーカ80Rが用いられる場合の音声制御基板13Bは、第1スピーカ81R、81Lに含まれるスピーカ81Rとしてスピーカ80Rが用いられる場合の音声制御基板13Aと同様の特徴を有している。
図4に示す筐体後方部材60Cにて、音声制御基板13Aが取り付けられる基板取付部には、筐体60の内部と外部を貫通する開口部60C0(例えば図6を参照)が形成されている。筐体60の内部には、前方側と後方側とで対向する側面のうち、前方側となる一方の側面にスピーカ本体80Sが配置され、後方側となる他方の側面に開口部60C0が形成される。筐体後方部材60Cには、溝部60CA、60CB、60CC、60CDが形成されている。これにより、筐体後方部材60Cの剛性や音響特性を向上させ、不要振動などに起因する異常音の発生を低減できればよい。筐体後方部材60Cの後方端には、筐体固定部材63A、63Bが設けられている。
図4に示す筐体後方部材60Cの後方側における基板取付部には、音声制御基板13Aと、基板カバー70とが設けられている。図4に示す音声制御基板13Aは、基板カバー70に収容され、固定ネジ72A〜72Cを用いて、筐体後方部材60Cにネジ止めされていればよい。図4に示す筐体後方部材60Cの後方側における基板取付部にて、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間は、弾性部材71で密閉されている。
弾性部材71は、図4に示す音声制御基板13Aや基板カバー70が固定ネジ72A〜72Cを用いてネジ止めされるときに変形可能であり、筐体60を構成する筐体前方部材60Bおよび筐体後方部材60Cや、音声制御基板13Aよりも、柔らかい素材を用いて形成されていればよい。例えば、弾性部材71は、ウレタン樹脂といった合成樹脂あるいはスチレンブタジエンゴムといった合成ゴムを用いて形成される。なお、弾性部材71を形成する合成樹脂はウレタン樹脂に限定されず、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂、シリコン樹脂、その他に任意の合成樹脂を用いたものであればよい。また、弾性部材71を形成する合成ゴムはスチレンブタジエンゴムに限定されず、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、その他に任意の合成ゴムを用いたものであればよい。
筐体後方部材60Cの基板取付部では、音声制御基板13Aや基板カバー70が固定ネジ72A〜72Cを用いてネジ止めされたときに、弾性部材71における一方の主面(表裏面の一方)が開口部60C0の周縁部において筐体後方部材60Cの外面に密着し、弾性部材71における他方の主面(表裏面の他方)が音声制御基板13Aの一面(実装面)に密着すればよい。このように、弾性部材71は、筐体後方部材60Cの基板取付部に対応する所定範囲にて、筐体60を構成する筐体後方部材60Cの一面と音声制御基板13Aとに圧接されるようにすればよい。また、例えば図5(B)にてハッチングを付して示す弾性部材71は、一点鎖線で示す音声制御基板13Aよりも一回り(具体的には数ミリ程度)大きく形成され、点線で示す基板カバー70と同程度の大きさに形成されていればよい。基板カバー70は、筐体前方部材60Bや筐体後方部材60Cと同様に、例えばアクリル樹脂といった合成樹脂を用いて形成され、カバー内部を透視可能な合成樹脂を用いて形成されていればよい。これにより、弾性部材71は、筐体後方部材60Cに形成された開口部60C0の外周側にあることが視認可能となり、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間における密閉性の確認が容易になる。開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間における密閉性の確認が容易になることで、スピーカ80Rに対する不正行為を防止できる。
筐体後方部材60Cにおける筐体内側には、スピーカ本体80Sの中心軸線との交点を中心に、正方形の隆起部64が設けられている。隆起部64は、図4にて点線で示す2つの正方形のうち、内側の小さい正方形と外側の大きい正方形とで囲まれた領域が、内側の小さい正方形内の領域や、外側の大きい正方形外の領域よりも隆起するように、筐体後方部材60Cが盛り上げられて形成されている。隆起部64の中心は、スピーカ本体80Sの中心軸線上となるように配置される。このように、筐体後方部材60Cにおける筐体内側には隆起部64が設けられ、スピーカ本体80Sの中心軸線が開口部60C0を通過しないように配置されていればよい。これにより、スピーカ80Rの内部における空気の流れを調整可能とし、気柱共鳴などの異常共鳴を防止して、スピーカ80Rの音響特性を向上させ、異常音の発生を低減できればよい。
図4に示す音声制御基板13Aや基板カバー70は、筐体後方部材60Cに形成された開口部60C0よりも広範囲を被覆可能な面積を有している。したがって、音声制御基板13Aや基板カバー70が固定ネジ72A〜72Cを用いてネジ止めされることにより、開口部60C0を閉塞することができる。このように、音声制御基板13Aは、筐体60を構成する筐体後方部材60Cに形成された開口部60C0を閉塞可能に配置される。
弾性部材71は、筐体後方部材60Cと音声制御基板13Aとに密着するところ、音声制御基板13Aや基板カバー70と同程度または略同程度の大きさに形成されている。これにより、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間を確実に密閉して、不正工具を挿し込むことなどによる不正行為を防止できればよい。なお、弾性部材71は、端部が基板カバー70から露出する程度の大きさに形成されてもよい。これにより、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間における密閉性の確認が容易になる。あるいは、弾性部材71は、端部が基板カバー70の内部に収容される程度の大きさに形成されてもよい。この場合でも、基板カバー70が内部を透視可能な合成樹脂を用いて形成されることで、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間における密閉性を確認できればよい。筐体後方部材60Cには、基板カバー70の形状に沿った溝部が形成されてもよい。音声制御基板13Aや基板カバー70が固定ネジ72A〜72Cを用いてネジ止めされたときに、この溝部には、弾性部材71が変形して詰め込まれてもよい。これにより、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間を確実に密閉できればよい。
弾性部材71は、例えば接着剤を用いて、開口部60C0の周縁部および音声制御基板13Aの一方または双方に接着されてもよい。弾性部材71を取り付けるときには、弾性部材71における一方の主面(表裏面の一方)が開口部60C0の周縁部において筐体後方部材60Cの外面に取り付けられた後に、弾性部材71における他方の主面(表裏面の他方)が音声制御基板13Aの一面(実装面)に取り付けられてもよい。あるいは、弾性部材71における一方の主面(表裏面の一方)が音声制御基板13Aの一面(実装面)に取り付けられた後に、弾性部材71における他方の主面(表裏面の他方)が開口部60C0の周縁部において筐体後方部材60Cの外面に取り付けられてもよい。このように、弾性部材71の取付順序は、任意に設定可能であればよい。
図5(A)に示すように、基板カバー70には、凹部70A、70Bが設けられ、音声制御基板13Aのハンダ面における突出部分が接触しないように形成されている。音声制御基板13Aは、各種の電気部品を同一面に実装した片面実装基板であればよい。例えば、音声制御基板13Aでは、内部配線74に結合されたコネクタプラグが挿し込まれるコネクタポート73Aと、外部配線に結合されたコネクタプラグが挿し込まれるコネクタポート73Bとが、他の電気部品と同一面に実装されている。片面実装基板とすることにより、コネクタポート73A、73Bや他の電気部品を実装する際のハンダ付けが容易になり、基板の製造負担を軽減することができる。なお、音声制御基板13Aは、片面実装基板であるものに限定されず、一部の電気部品が同一面に実装され、他の電気部品が他面に実装される両面実装基板であってもよい。例えば、外部配線に結合されたコネクタプラグが挿し込まれるコネクタポート73Bは、コネクタポート73Aや他の電気部品が実装された基板面の裏面となる他の一面に実装されてもよい。
音声制御基板13Aは、例えばガラスエポキシなどの合成樹脂を用いて形成されている。音声制御基板13Aは、例えば筐体前方部材60Bや筐体後方部材60Cよりも耐熱性の高い素材を用いて形成されてもよい。あるいは、音声制御基板13Aは、例えば筐体前方部材60Bや筐体後方部材60Cよりも強度が高い素材を用いて形成されてもよい。これにより、不正部材を用いて音声制御基板13Aを突き破ることが困難になり、不正行為を確実に防止することができる。
筐体後方部材60Cの基板取付部では、音声制御基板13Aや基板カバー70が固定ネジ72A〜72Cを用いてネジ止めされたときに、コネクタポート73Aが筐体60の内部(筐体内側)に設けられ、コネクタポート73Bが筐体60の外部(筐体外側)に設けられるように、筐体後方部材60Cによる仕切りが配置される。コネクタポート73Aは、筐体後方部材60Cに形成された開口部60C0にて、筐体内側に露出する。コネクタポート73Bは、筐体後方部材60Cに形成された開口部60C1にて、筐体外側に露出する。コネクタポート73Aには、内部配線74に結合されたコネクタプラグが挿し込まれる。内部配線74は、音声制御基板13Aとスピーカ本体80Sとを電気的に接続する。コネクタポート73Bには、外部配線に結合されたコネクタプラグが挿し込まれる。外部配線は、音声制御基板13Aと演出制御基板12とを電気的に接続するハーネスなどであればよい。このように、筐体60を構成する筐体後方部材60Cには、音声制御基板13Aに設けられた内部配線用のコネクタポート73Aを筐体内部に露出させる開口部60C0と、音声制御基板13Aに設けられた外部配線用のコネクタポート73Bを筐体外部に露出させる開口部60C1とが設けられていればよい。
筐体後方部材60Cには、コネクタポート73Bの付近に、コネクタ挿抜用の凹部として、筐体後方部材60Cを筐体内側に湾曲させて形成されたコネクタ取付部60CFが設けられている。コネクタ取付部60CFは、コネクタポート73Bの周辺部にて、例えば人の親指を入れられる程度の大きさを有していればよい。これにより、コネクタポート73Bに外部配線のコネクタプラグを挿し込んだり抜き取ったりするときに、挿抜操作が容易になる。
筐体後方部材60Cの基板取付部には、固定ネジ72A〜72Cと螺合するネジ穴が形成されている。これらのネジ穴は、中空円筒形状を有し、ネジ穴の底面が筐体後方部材60Cにより閉塞されている。これにより、筐体60の内部から筐体後方部材60Cの基板取付部に形成されたネジ穴に針金などを挿し込むことは、筐体後方部材60Cによって阻止されるので、たとえ固定ネジ72A〜72Cのいずれかが外れたとしても、不正部材を挿し込むことなどによる不正行為を確実に防止することができる。
筐体後方部材60Cの基板取付部にて音声制御基板13Aや基板カバー70などをネジ止めした場合に、固定ネジ72A〜72Cは、ネジ穴を形成する筐体後方部材60Cなどによって電気的に絶縁された状態になればよい。これにより、音声制御基板13Aが電気的に破壊されることを防止できればよい。
筐体後方部材60Cにて、筐体内側には、溝部60CAの前方端にボス65Aが設けられ、溝部60CBの前方端にボス65Bが設けられ、溝部60CCの前方端にボス65Cが設けられ、溝部60CDの前方端にボス65Dが設けられている。ボス65A〜65Dはいずれも、筐体接合部60Dよりも前方側まで延伸するように配置されている。ボス65Aには固定ネジ61Aと螺合するネジ穴が形成され、ボス65Bには固定ネジ61Bと螺合するネジ穴が形成され、ボス65Cには固定ネジ61Cと螺合するネジ穴が形成され、ボス65Dには固定ネジ61Dと螺合するネジ穴が形成されている。ボス65A〜65Dの根元では、中空円筒形状を有するネジ穴の底面が筐体後方部材60Cにより閉塞されている。これにより、固定ネジ61A〜61Dのいずれかを取り外した場合に、ネジ穴に針金などを挿し込んでも筐体後方部材60Cによって阻止されるので、不正部材を挿し込むことなどによる不正行為を確実に防止することができる。ボス65A〜65Dは、根元が溝部60CAなどの前方端に固定されている。これにより、ボス65A〜65Dの強度を高めて、物理的に破壊される可能性や頻度を低減できればよい。
スピーカ80Rには、筐体60の内部に、バスレフ用のダクト62が設けられている。ダクト62は、例えばスピーカ本体80Sの上方にて、延伸方向に沿った直線が開口部60C0を通過しないように配置されている。例えば、ダクト62は、延伸方向が開口部60C0の位置とは左右方向(X方向または−X方向)にずれた位置となるように設けられていればよい。あるいは、ダクト62は、延伸方向が開口部60C0の位置とは上下方向(Y方向または−Y方向)にずれた位置となるように設けられてもよい。あるいは、ダクト62は、延伸方向が開口部60C0の位置とは斜め方向(X方向または−X方向とY方向または−Y方向との組合せ)にずれた位置となるように設けられてもよい。
筐体後方部材60Cには、基板取付部をダクト62の後方側よりも前出し状態で配置するための段差が設けられている。ダクト62の内部を通る任意の直線は、筐体後方部材60Cに設けられた段差よりも基板取付部の側を通過することがないように、ダクト62および段差が配置されていればよい。このように配置することで、ダクト62に不正部材を挿し込むことなどによる不正行為を防止できればよい。
ダクト62は、例えば一端が筐体前方部材60Bの前方側に取り付けられ、他端が筐体接合部60Dよりも後方側まで延伸するように設置されている。これにより、ダクト62に不正部材が挿し込まれたとしても、筐体接合部60Dに不正部材を到達させることが困難になり、筐体接合部60Dをこじ開ける不正行為を確実に防止することができる。
筐体接合部60Dでは、例えば図7に示すように、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとが、筐体60の連続する内面(筐体内面)および外面(筐体外面)を形成している。また、筐体接合部60Dでは、筐体前方部材60Bの接合外面と筐体後方部材60Cの接合内面とが対向する。筐体接合部60Dにおいて、筐体前方部材60Bの接合内面は、筐体接合部60D以外の筐体内面と連続する1つの面状に形成される連続面となっており、筐体後方部材60Cの接合外面は、筐体接合部60D以外の筐体外面と連続する1つの面状に形成される連続面となっている。その一方で、筐体接合部60Dにおいて、筐体前方部材60Bの接合外面は、前方側から後方側に向かって厚みが減少するように勾配が形成され、筐体後方部材60Cの接合内面は、後方側から前方側に向かって厚みが減少するように勾配が形成されている。そして、筐体前方部材60Bの接合部と筐体後方部材60Cの接合部とが弾性部材66を挟み込み、筐体後方部材60Cの接合部における内周が筐体前方部材60Bの接合部における外周を覆うように、筐体後方部材60Cの接合部が筐体前方部材60Bの接合部を被せ込んで接合する。接合後には、筐体接合部60Dにおいて、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとが段差のない(または段差が微少な)筐体内面および筐体外面を構成できればよい。これにより、スピーカ80Rの前方側から筐体60の内部に不正部材が挿入された場合でも、筐体接合部60Dに不正部材を差し込むことは困難になり、筐体接合部60Dをこじ開ける不正行為の確実な防止が可能になる。
弾性部材66は、例えばリング状に形成され、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとを嵌め合わせるときに変形可能であり、筐体60を構成する筐体前方部材60Bや筐体後方部材60Cなどよりも、柔らかい素材を用いて形成されていればよい。例えば、弾性部材66は、弾性部材71と同様に、ウレタン樹脂といった合成樹脂あるいはスチレンブタジエンゴムといった合成ゴムを用いて形成されてもよい。あるいは、弾性部材66は、弾性部材71とは異なる合成樹脂や合成ゴムなどを用いて構成されてもよい。弾性部材66は、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとを嵌め合わせたときに、筐体接合部60Dにおいて、筐体前方部材60Bの接合外面と筐体後方部材60Cの接合内面とに密着すればよい。なお、弾性部材66は、筐体接合部60Dから露出する程度の大きさに形成されてもよい。これにより、筐体接合部60Dにおける密閉性の確認が容易になればよい。あるいは、弾性部材66は、筐体前方部材60Bの接合外面と筐体後方部材60Cの接合内面との隙間に全体が収容される程度の大きさに形成されてもよい。この場合でも、筐体60を構成する筐体前方部材60Bや筐体後方部材60Cが内部を透視可能な合成樹脂を用いて構成されることで、筐体接合部60Dにおける密閉性を確認できればよい。
図7に示すような筐体後方部材60Cの接合部が筐体前方部材60Bの接合部を被せ込んで接合するものに限定されず、筐体前方部材60Bの接合部が筐体後方部材60Cの接合部を被せ込んで接合するものであってもよい。筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとは、固定ネジ61A〜61Dをボス65A〜65Dのネジ穴に螺合させることにより固定される。これに代えて、例えば筐体前方部材60Bおよび筐体後方部材60Cの一方または双方に係止片を設けて、筐体前方部材60Bと筐体後方部材60Cとを係止片により固定するものであってもよい。
次に、スピーカユニット84の構成例を説明する。図11は、スピーカユニット84の背面図である。図12は、スピーカユニット84の蓋部材取付部を拡大して示す図である。図13は、蓋部材84Aの内側を拡大して示す図である。
図11に示すスピーカユニット84の背面にて、音声制御基板13Cが取り付けられる基板取付部には、蓋部材84Aが固定ネジ85A〜85Cを用いてネジ止めされていればよい。蓋部材84Aには、位置決めなどに用いられる突起部84A0が形成されている。固定ネジ85A〜85Cを外した場合に、蓋部材84Aの内部には、図12などに示すように、音声制御基板13Cが取り付けられている。スピーカユニット84の背面にて、蓋部材84Aで被覆される基板取付部には、スピーカユニット84の筐体内部と筐体外部とを貫通する開口部840が形成されている。スピーカユニット84の筐体内部には、前方側と後方側とで対向する側面のうち、前方側となる一方の側面に第3スピーカ83が配置され、後方側となる他方の側面に音声制御基板13Cが配置される。
音声制御基板13Cは、例えば蓋部材84Aにネジ止めされていればよい。スピーカユニット84の背面における基板取付部にて、開口部840の周縁部と音声制御基板13Cとの隙間は、弾性部材87で密閉されている。弾性部材87は、音声制御基板13Cや蓋部材84Aが固定ネジ85A〜85Cを用いてネジ止めされるときに変形可能であり、スピーカユニット84の筐体よりも、柔らかい素材を用いて形成されていればよい。例えば、弾性部材87は、弾性部材71や弾性部材66と同様に、ウレタン樹脂といった合成樹脂あるいはスチレンブタジエンゴムといった合成ゴムを用いて形成されてもよい。あるいは、弾性部材87は、弾性部材71や弾性部材66とは異なる合成樹脂や合成ゴムなどを用いて構成されてもよい。音声制御基板13Cや蓋部材84Aが固定ネジ85A〜85Cを用いてネジ止めされたときに、弾性部材87における一方の主面(表裏面の一方)が開口部840の周縁部においてスピーカユニット84の筐体外面に密着し、弾性部材87における他方の主面(表裏面の他方)が音声制御基板13Cの一面(実装面)に密着すればよい。
音声制御基板13Cや蓋部材84Aは、スピーカユニット84の背面に形成された開口部840よりも広範囲を被覆可能な面積を有している。したがって、音声制御基板13Cや蓋部材84Aが固定ネジ85A〜85Cを用いてネジ止めされることにより、開口部840を閉塞することができる。このように、音声制御基板13Cは、スピーカユニット84の筐体に形成された開口部840を閉塞可能に配置される。
弾性部材87は、スピーカユニット84の筐体外面と音声制御基板13Cとに密着するところ、音声制御基板13Cと同程度または略同程度の大きさに形成されている。これにより、開口部840の周縁部と音声制御基板13Cとの隙間を確実に密閉して、不正工具を挿し込むことなどによる不正行為を防止できればよい。スピーカユニット84の筐体外面には、音声制御基板13Cの形状に沿った溝部が形成されてもよい。音声制御基板13Cや蓋部材84Aが固定ネジ85A〜85Cを用いてネジ止めされたときに、この溝部には、弾性部材87が変形して詰め込まれてもよい。これにより、開口部840の周縁部と音声制御基板13Cとの隙間を確実に密閉できればよい。
弾性部材87は、例えば接着剤を用いて、開口部840の周縁部および音声制御基板13Cの一方または双方に接着されてもよい。図12に示す場合では、弾性部材87が開口部840の周縁部に接着されている。弾性部材87を取り付けるときには、弾性部材87における一方の主面(表裏面の一方)が開口部840の周縁部においてスピーカユニット84の筐体外面に取り付けられた後に、弾性部材87における他方の主面(表裏面の他方)が音声制御基板13Cの一面(実装面)に取り付けられてもよい。あるいは、弾性部材87における一方の主面(表裏面の一方)が音声制御基板13Cの一面(実装面)に取り付けられた後に、弾性部材87における他方の主面(表裏面の他方)が開口部840の周縁部においてスピーカユニット84の筐体外面に取り付けられてもよい。このように、弾性部材87の取付順序は、任意に設定可能であればよい。
音声制御基板13Cは、各種の電気部品を同一面に実装した片面実装基板であればよい。例えば、音声制御基板13Cでは、内部配線91Aに結合されたコネクタプラグ90Gが挿し込まれるコネクタポート90Tが、他の電気部品と同一面に実装されている。外部配線91Bは、音声制御基板13Cに直接ハンダ付けされていればよい。あるいは、外部配線に結合されたコネクタプラグが挿し込まれるコネクタポートが、コネクタポート90Tや他の電気部品と同一面に実装されてもよい。片面実装基板とすることにより、コネクタポート90Tや他の電気部品を実装する際のハンダ付けが容易になり、基板の製造負担を軽減することができる。なお、音声制御基板13Cは、片面実装基板であるものに限定されず、一部の電気部品が同一面に実装され、他の電気部品が他面に実装される両面実装基板であってもよい。
音声制御基板13Cは、例えばガラスエポキシなどの合成樹脂を用いて形成されている。音声制御基板13Cは、例えばスピーカユニット84の筐体よりも耐熱性の高い素材を用いて形成されてもよい。あるいは、音声制御基板13Cは、例えばスピーカユニット84の筐体よりも強度が高い素材を用いて形成されてもよい。これにより、不正部材を用いて音声制御基板13Cを突き破ることが困難になり、不正行為を確実に防止することができる。
スピーカユニット84の背面における基板取付部では、音声制御基板13Cや蓋部材84Aが固定ネジ85A〜85Cを用いてネジ止めされたときに、コネクタポート90Tがスピーカユニット84の筐体内部に設けられ、外部配線91Bがスピーカユニット84の筐体外部に引出し可能となるように、スピーカユニット84の筐体による仕切りが配置される。コネクタポート90Tは、スピーカユニット84の背面に形成された開口部840にて、筐体内側に露出する。外部配線91Bは、スピーカユニット84の背面に形成された開口部841を介して、筐体外側に引き出される。コネクタポート90Tには、内部配線91Aに結合されたコネクタプラグ90Gが挿し込まれる。内部配線91Aは、音声制御基板13Cと第3スピーカ83とを電気的に接続する。外部配線91Bは、音声制御基板13Cと演出制御基板12とを電気的に接続する。このように、スピーカユニット84の筐体には、音声制御基板13Cに設けられた内部配線用のコネクタポート90Tを筐体内部に露出させる開口部840と、音声制御基板13Cに取り付けられた外部配線91Bを筐体外部に引出し可能な開口部841とが設けられていればよい。
スピーカユニット84の背面における基板取付部には、固定ネジ85A〜85Cと螺合するネジ穴86A〜86Cが形成されている。これらのネジ穴は、中空円筒形状を有し、ネジ穴の底面がスピーカユニット84の筐体により閉塞されている。これにより、スピーカユニット84の前方側からネジ穴86A〜86Cに針金などを挿し込むことは、スピーカユニット84の筐体によって阻止されるので、たとえ固定ネジ85A〜85Cのいずれかが外れたとしても、不正部材を挿し込むことなどによる不正行為を確実に防止することができる。
スピーカユニット84の背面における基板取付部にて音声制御基板13Cや蓋部材84Aなどをネジ止めした場合に、固定ネジ85A〜85Cは、ネジ穴86A〜86Cを形成するスピーカユニット84の筐体などによって電気的に絶縁された状態になればよい。これにより、音声制御基板13Cが電気的に破壊されることを防止できればよい。
この発明は上記の実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。より具体的に、上記の実施の形態では、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間が弾性部材71で密閉されるとともに、筐体60の内部には、前方側と後方側とで対向する側面のうち、前方側となる一方の側面にスピーカ本体80Sが配置され、後方側となる他方の側面に開口部60C0が形成されるものとして説明した。これに対し、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間が弾性部材71で密閉される一方で、開口部60Cは、スピーカ本体80Sが配置される一方の側面と対向する他方の側面とは異なる側面などに形成されてもよい。あるいは、スピーカ本体80Sが配置される一方の側面と対向する他方の側面に開口部60Cが形成される一方で、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間が弾性部材71で密閉されなくてもよい。
スピーカ80Rやスピーカユニット84は、前面スピーカとして使用されるものに限定されず、例えば底面スピーカとして使用されるものであってもよい。
開口部60C0を閉塞可能な制御基板は、音声制御基板13Aといった多数の電気部品が搭載されたものに限定されず、例えばコネクタポート73Aとコネクタポート73B、これらを電気的に接続するプリント配線などが搭載された単純な基板であってもよい。
開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間を密閉する部材は、弾性部材71に限定されず、例えば乾燥により硬化する接着剤といった、固形部材が用いられてもよい。あるいは、開口部60C0の周縁部では、例えば筐体後方部材60Cを音声制御基板13Aに溶接することで、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間が密閉されてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、遊技制御を行うための遊技制御用マイクロコンピュータを含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成や各種の動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1などの遊技機では、例えばスピーカ80Rにおいて、スピーカ本体80Sが装着される筐体60を構成する筐体後方部材60Cに開口部60C0が形成され、この開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間が弾性部材71などの部材で密閉される。これにより、不正工具を挿し込むことなどによる不正行為を防止できる。
あるいは、例えばスピーカ80Rにおいて、スピーカ本体80Sが装着される筐体60は、その内部において、前方側と後方側とで対向する側面のうち、前方側となる一方の側面にスピーカ本体80Sが配置され、後方側となる他方の側面に音声制御基板13Aが配置される。これにより、ハーネスを通す挿通部などを設ける必要がないので、不正工具を挿し込むことなどによる不正行為を防止できる。
隙間を密閉する部材として変形可能な弾性部材71が用いられることで、密閉性が向上して不正行為を防止できる。
音声制御基板13Aは、筐体後方部材60Cの後方側における基板取付部にてネジ止めされ、弾性部材71は、筐体後方部材60Cの基板取付部に対応する所定範囲にて、筐体60を構成する筐体後方部材60Cの一面と音声制御基板13Aとに圧接される。これにより、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間における密閉性が向上して不正行為を防止できる。
弾性部材71は、開口部60C0の外周側にあることが視認可能である。これにより、開口部60C0の周縁部と音声制御基板13Aとの隙間における密閉性の確認が容易になり不正行為を防止できる。