JP5857283B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、スロットマシンは、リールの回転を始動させるスタートレバーやリールの回転を停止させる停止ボタン等の操作具が配置される操作部を備え、これらの操作部には、遊技者の操作を検出するスイッチ等が設けられている。
そして、これらのスイッチにおいて検出された入力信号が、スイッチに接続された接続ケーブルを介して、中継基板に入力され、さらに中継基板から、接続ケーブルを介して、スロットマシンの遊技動作を制御する主基板に入力される。
これにより、主基板に遊技者の入力操作が伝達され、一連の遊技が進行するようになっている。
例えば、中継基板に実装されたコネクタ等のリード同士をピアノ線などの不正部材を用いて短絡させることによって、遊技に係る電子回路等の誤動作を起こさせる不正行為が確認されている。
そこで、このような不正行為を防止するための技術として、操作部を備えた前扉の裏側に中継基板(回路基板)を備え、コネクタ等の電子部品が装着された装着面側(即ち、背面側)に保護カバーを、装着面と反対の面に当たる反装着面側(即ち、前面側)に裏カバーを備える遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような遊技機によれば、中継基板の反装着面から突出するコネクタのリードを裏カバーによって保護するようにしているため、上記不正行為を防ぐことができる。
例えば、これらの保護部材が、ゴムシートからなる場合(第9の実施形態参照)やプラスチックからなる場合には、ドリル、錐などの道具を用いて比較的容易に保護部材を破壊することができるため、不正行為を抑止することはできても、不正行為そのものを根本的に排除することは困難であった。
また、疑似信号を発振する発信器などの不正部品を、信号線等が付設された中継基板上に装着する不正行為が確認されている。
したがって、特許文献1のように、基板の前面(反装着面)や裏面(装着面)に無秩序に信号線(回路パターン)が付設される構成では、万一、保護部材が破壊された場合、基板の前面に付設された信号線に容易に接触できるようになるため、不正行為の防止措置としては不十分との指摘があった。
さらに、保護部材を取り外してみなければ、不正部品やその装着に至る痕跡を確認することができないため、中継基板の点検がおろそかになり易く、不正行為に対する迅速な対応が困難となる弊害が指摘されていた。
遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明に係る中継基板及びその保護部材を適用した場合について、図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すように、スロットマシン1は、複数のリール40(40a〜40c)を備えるドラムユニット4、メダル(遊技媒体)を払い出すメダル払出装置7、コンピュータで構成される主基板60等が収納可能な箱状の筐体1bに構成されており、筐体1bの正面側が前扉1aによって開閉可能に覆われている。
前扉1aは、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体であり、この前扉1aに無色透明、有色透明又は半透明の樹脂製の前面パネル6とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
前扉1aの最上部には、表示器L及びスピーカSPが備えられている。表示器Lは、液晶パネルやランプからなる表示手段であり、主に、スロットマシン1の遊技性を高めるための演出表示を行い、スピーカSPは、演出表示に対応したサウンドや効果音を出力するようになっている。
また、前面パネル6の表示窓9の下側には、貯留メダル数を表示する貯留枚数表示部6aと、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数を表示する状態表示部6bと、入賞時の払出数を表示する獲得枚数表示部6cとが備えられている。
スタートレバー3は、三つの各リール40の回転を開始させるゲームスタート手段である。また、このスタートレバー3が遊技者の操作によって押下されることで、主基板60にスタート信号が出力され、本体内部の各リール40a〜40cが一斉に(又は順次)回転するようになっている。
したがって、遊技者がこれらスタートレバー3及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール40a〜40cを回転及び停止させて、各リール40a〜40cに付された図柄を所定の入賞配列となるように揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
メダル投入口2の本体内部側には、メダルセレクタ20が備えられており、ここで投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、主基板60に出力される。また、メダル投入口2から投入されるメダルや、入賞に応じて払い出すべきメダルは、クレジットとして内部貯留でき、内部貯留されたクレジットメダルの数が主基板60に記憶される。
主基板60は、樹脂ケースに収納され、筐体1b内の上側に設けられている。主基板60には、複数のコネクタが設けられ、各コネクタはドラムユニット4やメダル払出装置7などと図示しない電気ケーブルを介して接続されている。
また、主基板60は、メダル投入信号、スタート信号、ストップ信号、出玉率の設定信号等の遊技に関する操作情報を入力する中継基板8と電気ケーブルを介して接続されており、中継基板8を介して入力された操作情報は、主基板60に実装されたCPUのI/O端子に伝送される。そして、これらの操作情報によって、CPUが遊技プログラムに基いて動作することで、スロットマシン1の遊技が進行される。
中継基板8は、前扉1aの背面の表示窓6下側に設けられており、メダル投入口2へのメダルの投入を検出するメダルセレクタ20からのメダル投入信号、所定の可変表示装置を始動させるスタートレバー3からのスタート信号、停止ボタン5からのストップ信号、出玉率の変更操作等の動作を検知するスイッチからの出玉率の設定変更信号といった遊技に関する操作情報を、コネクタ等を介して受信する。受信した遊技に関する操作情報は、基板上の信号線を介して主基板結合用コネクタ836に送られ、この主基板結合用コネクタ836に接続された電気ケーブルを介して主基板60へ送信される。
そこで、本実施形態のスロットマシン1では、不正行為の対象となりやすい信号線等を中継基板8の背面に付設し、また、中継基板8の正面側には強固な不正防止板11を取付けることで、これらの不正行為を防止するようにしている。
また、中継基板8の背面側に透明の保護カバーを取付けることで、不正行為の痕跡を容易にかつ迅速に視認できるようにしている。
次に、中継基板と周辺部材の構成について説明する。
図3は、スロットマシンの前扉に設置される前面パネル、不正防止板、中枠、中継基板及びカバー部材を示す分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、中継基板8は、前扉1aの前面パネル6の背面側に設置される中枠12に、カバー部材13とともに取り付けられ、その正面側には、不正防止板11が取り付けられる。
なお、図3に示すように、「正面側」とは、前扉1aの前方向を示し、「背面側」とは、前扉1aの裏方向を示す。
具体的には、前扉1aと中継基板8の間の所定位置に取付けたときに、中継基板8が不正防止板11によって正面側から覆われるようにしている。
すなわち、図3に示すように、不正防止板11を、中枠12の不正防止板取付部122に固定すると、基板収容部121に収容された中継基板8の全体が不正防止板11によって覆われて保護されるようにしている。
このようにすると、不正行為者が、前扉1aの正面側から中継基板8への接触を試みたとしても、不正防止板11によってこれを阻止することができる。
このため、不正防止板11としては、ステンレスや鋼板などの金属、ガラス,炭素などの繊維を樹脂に混合して生成した繊維強化プラスチック等の堅牢な材料を用いることが好ましい。
このようにすると、不正防止板11自体の破壊や穿孔を防ぐことができるため、不正行為の防止の万全を図ることができる。
カバー部材13は、中継基板8のコネクタ実装面8bを外部から視認可能かつ容易に破壊できない無色透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成される。
カバー部材13を無色透明することによって、中継基板8のコネクタ実装面8bに付設された信号線(銅箔)や信号線上のフィルムが削られた場合の痕跡や、コネクタ実装面8bに装着された発信器などの不正部品そのものを、カバー部材13を取り外さなくても視認することができる。
このため、中継基板8に対する不正なアクセスを容易に発見することができ、不正行為に対する迅速な対応が可能となる。
次に、中継基板の実装構成について説明する。
図4は、中継基板の表示機器面の構成を表した図であり、図5は、中継基板のコネクタ実装面の構成を表した図である。
これらの図に示すように、本実施形態の中継基板8は、コネクタやスイッチなど、主に遊技に関する操作情報を扱う電子部品が実装されるコネクタ実装面8bと、LED等の表示機器を実装した表示機器実装面8aとから構成される。
中継基板8は、表示機器実装面8aが前面で、コネクタ実装面8bが背面にしてある(図3参照)。
また、一次部品から入力した操作情報を主基板60に伝達するための二次部品として、主基板60への電気ケーブルを結合するための主基板結合用コネクタ836を実装する。
対象の信号線としては、スタート用コネクタ831〜主基板結合用コネクタ836間の信号線841、セレクタ用コネクタ833〜主基板結合用コネクタ836間の信号線842、及び、設定変更スイッチ834〜主基板結合用コネクタ836間の信号線843が該当する。
すなわち、操作情報を扱う信号線のうち、特に、不正行為の標的となり易い信号線を中継基板8の背面に配設する。
このため、スロットマシン1の正面側から、基板上の信号線や電子部品への接触を試みたとしても、不正防止板11によってこれを阻止することができ、仮に、不正防止板11が突破されたとしても、信号線の付設や電子部品の実装が裏面に施されているため不正行為を効果的に防止することができる。
例えば、図4に示すように、スタート用コネクタ831の対応した位置にスタート用コネクタリード806が、セレクタ用コネクタ833の対応した位置にセレクタ用コネクタリード808が、設定変更スイッチ834の対応した位置に設定変更スイッチリード811が、主基板結合用コネクタ836の対応した位置に主基板結合用コネクタリード810が、それぞれ剥き出しの状態で突出している。これらのリードは、リード同士を短絡させる不正行為の対象となり得る。
本実施形態のように、中継基板8の正面側に不正防止板11を配置するスロットマシン1によれば、このような不正行為も防止することができる。
なお、表示機器実装面8aには、設定変更用LEDリード809、リセットセンサ・ドア開閉センサ用コネクタリード813、投入・精算用コネクタリード812等のリードもあり、これらのリードが不正防止板11によって保護される効果も奏する。
例えば、図4に示すように、貯留メダル数を表示するクレジットLED801、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数を表示するボーナス中払い出し総枚数用LED802、入賞時の払出数を表示する払い出し枚数用LED803を表示機器として実装し、中継基板8を図3に示す基板収容部121に収容することによって、各々が貯留枚数表示部6a、状態表示部6b、獲得枚数表示部6cとして機能する(図1参照)。
その他、表示機器として、種々の情報表示、装飾のためのLED804、805を表示機器実装面8aに実装することができる。
さらに、スタート用コネクタ831等の一次部品と主基板結合用コネクタ836等の二次部品とをつなぐ信号線は、この「不正防止板領域r」の範囲内に付設してある。
このようにすると、表示機器に表示される情報を視認可能としながら、リード及び信号線に対する不正アクセスを防止することができる。
また、信号線が付設されている領域が、不正防止板11によって覆われているため、中継基板8の正面側からドリル等により穿孔して信号線に不正アクセスする行為を阻止することができる。
さらに、万一、不正防止板11に覆われていない部分から中継基板8に接触できたとしても、その部分の表示機器実装面8a及びコネクタ実装面8bの両面には、遊技に関する操作情報を扱う信号線が施されていないため、信号線を介して行われる不正行為を困難にすることができる。
また、無色透明の保護カバーを中継基板8の背面側に取付けるようにしている。
このため、中継基板8を介して行われる不正行為を防止するとともに、不正行為に対する迅速な対応を行うことができる。
例えば、不正防止板11は、中枠12に取付けるのではなく、中継基板8に直接取付けるようにすることもできる。
また、中枠12をこのような強固な部材で形成し、基板収容部121に収容した中継基板8が中枠12により覆われるようにすることもできる。
このようにすると、不正防止板11としての役割を中枠12が併せ持ち、中枠12と不正防止板11とが一体化されることになるため、不正行為の防止に必要な部材を削減し、製造コストや組立時の労力を抑えることができる。
1a 前扉
1b 筐体
20 メダルセレクタ
3 スタートレバー
6 前面パネル
8 中継基板(8a:表示機器実装面、8b:コネクタ実装面)
801〜805 表示機器
806〜813 リード
831 スタート用コネクタ
833 セレクタ用コネクタ
834 設定変更スイッチ
836 主基板結合用コネクタ
9 表示窓
11 不正防止板
12 中枠
121 基板収容部
122 不正防止板取付部
13 カバー部材
Claims (5)
- 正面側に開口を有する箱状の筐体と、前記開口を開閉可能に取付けた扉体とからなり、遊技の進行を制御する機器が搭載された主基板を前記筐体に備え、遊技に関する操作情報を入力する一次部品と、当該一次部品から入力した前記操作情報を前記主基板に伝達するための二次部品を実装し、前記一次部品と前記二次部品とを電気的に接続する信号線が付設された中継基板を前記扉体の背面側に備えた遊技機であって、
所定の強度を有する板状部材からなり、前記扉体と前記中継基板の間に取付けて前記中継基板を正面側から覆う不正防止板を備えるとともに、
前記中継基板は、前記信号線をその背面に付設したことを特徴とする遊技機。 - 前記不正防止板は、
前記中継基板がその前面に所定の表示機器を実装する場合に、前記表示機器を除く中継基板の領域を正面側から覆い、
前記中継基板は、
前記信号線が、前記不正防止板によって覆われる領域の範囲内に付設されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記中継基板は、
前記一次部品として、所定の可変表示装置を始動させるスタートレバーからの信号を入力するスタート用コネクタ、遊技媒体の投入を検出するメダルセレクタからの信号を入力するセレクタ用コネクタ、又は、出玉率の設定変更信号を入力する設定変更スイッチのいずれか一以上を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。 - 前記中継基板の背面を覆う透明のカバー部材を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の遊技機。
- 前記扉体の背面側に設置する枠体であって、前記中継基板を収容する基板収容部を背面側に有するとともに、前記不正防止板を取付ける不正防止板取付部を正面側又は背面側に有する中枠を備え、
前記基板収容部に収容した前記中継基板が、前記不正防止板取付部に取付けた前記不正防止板によって覆われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の遊技機。
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