以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。なお、本実施形態では、図1に示すように方向を定義しており、後述する図面もこの定義に基づいて方向を記している。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのリールバックライト(図示せず)が配置されている。リールバックライト、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ライン及び右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。以下、有効となる入賞ラインを有効ラインと呼ぶ場合がある。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプであり、遊技メダルを投入可能な期間においてランプを点灯させる。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットと言う)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXベットボタンとも言う。本実施形態では、メダル投入ボタン130〜132は、ランプ内蔵しており、遊技メダルを投入可能な期間においてランプを点灯させる。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられており、タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<内部構成>
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。
本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面を開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板(後述する主制御部300を実装する基板)を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に第1副制御基板(後述する第1副制御部400を実装する基板)を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル払出装置180から溢れたメダルを収容するメダル補助収納ケース240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、およびこの演出装置160を制御する第2副制御基板720(図示省略:後述する第2副制御部500を実装する基板)、上部スピーカ272を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダルの受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT314とを搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127、リールバックライト)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネルランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<演出装置に対する静電気対策>
次に、図4〜図10を用いて、演出装置160に対する静電気対策について説明する。具体的には、遊技者が演出装置160の外枠にあたる装飾枠700に触れた場合などに、装飾枠700に生じた静電気を除去する構成及び作用について説明する。
図4は、演出装置160を正面側から見た場合の外観斜視図であり、図5は、演出装置160の装飾枠700内に組み込まれた主たる部品を示す分解斜視図である。なお、図5は、シャッタ(遮蔽装置)163が装飾枠700に既に組み込まれた状態を示しており、また、液晶表示装置157の背後(後方)に配設される第2副制御基板720について図示を省略している。
演出装置160は、図4及び図5に示すように、概略、装飾枠700と、透過性パネル710と、透明導電膜711と、液晶表示装置157と、第2副制御基板720と、シャッタ163と、を備える。
装飾枠700は、装飾的意匠が施された枠体であり、導電性を有する金属メッキで覆われた導電領域C10がその表面に形成されている(図1において導電領域C10は網掛け表示されている)。装飾枠700の内部には、上述した透過性パネル710、透明導電膜711、液晶表示装置157、第2副制御基板720及びシャッタ163が配設される。詳しくは、装飾枠700は、正面中央に開口部701が形成されており、開口部701の背後に、前方から後方に向けて、透過性パネル710、透明導電膜711、液晶表示装置157及び第2副制御基板720が順次配設され、また、開口部701の左右外側に設けられた演出構造物702の背後にシャッタ163が配設される。
透過性パネル710は、導電性を有しない素材で形成されており、液晶表示装置157の表示画面を保護するために備えられた透明なパネルである。図4に示すように、透過性パネル710は、装飾枠700の開口部701に臨んで配設される。すなわち、透過性パネル710は、装飾枠700の開口部701の後方、かつ液晶表示装置157の前方に位置付けられる部位である。
透明導電膜711は、透過性パネル710の背面に装着される透明な導電性を有する薄膜である。本実施形態では、この透明導電膜711を備えることにより、装飾枠700に静電気が発生しても、ノイズによる第2副制御基板720に対する誤作動が抑制されるようになっている(詳しくは後述)。本実施形態では、透明導電膜711として、ITO(酸化インジウムスズ)透明導電フィルムを採用するが、これに限定されず、透明導電膜材料として酸化亜鉛、酸化スズを用いた透明導電膜711としてもよい。
したがって、本実施形態において、装飾枠700内に組み込まれる積層順序は、図5に示すように、前方から後方に向けて、透過性パネル710、透明導電膜711、液晶表示装置157、及び第2副制御基板720(図示せず)となっている。なお、透過性パネル710及び透明導電膜711は透明な部材であるため、液晶表示装置157の前方に配置されたとしても、液晶表示装置157の視認性に影響はない。
なお、透明導電膜711を設けずに透過性パネル710全体を導電性のプラスチック(機能性プラスチック)とすることも考えられるが、透明性と強度の確保のため、本実施形態では、硬質の導電性を有しない樹脂(透過性パネル710)に透明導電膜711を装着する構成とした。そして、透明導電膜711は、透過性パネル710に比べれば強度が弱く、直接触れられるように取り付けられると表面に多くの傷がつくおそれがあるため、透明導電膜711を透過性パネル710の背面側に装着して、傷つくことによる液晶表示装置157の視認性低下を防止することとした。透明導電膜711に傷が付いてしまうと、液晶表示装置157に表示した画像の視認性が低下するおそれがあり、遊技者の誤操作を誘い起こすおそれがあるからである。このように本実施形態では、遊技者がメダル等を押し当てても傷が残らず、遊技台を長期間設置しても、傷等により液晶表示装置157に表示した画像の視認性が低下するおそれが低減できる構成とした。
また、透明導電膜711を透過性パネル710の背面に装着するとともに、透過性パネル710の前面の隅など遊技者が触れない部分に装着してもよい。透過性パネル710の前面であっても、遊技者が直接触れることを回避でき、透明導電膜711が傷付くことを防止できるからである。
次に、図6を用いて、従来の演出装置に静電気が発生した場合の問題点について説明し、また、図7〜図10を用いて、本実施形態の演出装置160がその問題点を解決する構成及び作用を有することについて説明する。
図6(a)は、透明導電膜711を有しない従来の演出装置の各部品の前後方向の積層順序を示す模式図であり、図6(b)は、装飾枠700内に組み込まれた各部品の積層順序を横方向から見た場合の模式図であり、図6(c)は、液晶表示装置157と第2副制御基板720を接続する信号線ケーブルCL1の様子を上方向から見た場合の模式図である。
図6に示すように、透過性パネル710、液晶表示装置157及び第2副制御基板720は、装飾枠700内の奥行の少ない狭い空間に配置されているので、信号線ケーブルCL1は左右の両外側に偏った状態で結線されている。したがって、信号線ケーブルCL1近傍にある透過性パネル710のS1領域で局所的に静電気が発生すると、この偏った静電気に基づく磁界が原因となりこの磁界近くの信号線ケーブルCL1に電流が流れ、信号線ケーブルCL1を流れる信号がノイズの影響を受けることがあり、第2副制御部500に誤作動を生じさせることがあった。なお、近年においては、液晶表示装置157の大画面化に伴い、装飾枠700における画面の外枠部分は小さくなる傾向があるため、静電気も装飾枠700上の偏った位置で発生している。そのため、装飾枠700に発生した静電気によるトラブルが増発しており、以前にも増して、遊技者が演出装置160に触れた場合の静電気対策を講じる必要性に駆られていた。
そこで、本実施形態の演出装置160は、図5に示すように、透過性パネル710の背面に透明導電膜711を装着することにより、装飾枠700に発生した静電気を分散させて筐体外に逃がすようにし、静電気によるトラブルを抑制するようにした。以下、図7〜図10を用いて、その仕組みについて説明する。
ここで、図7は、図4のA−A線による断面概略図であり、装飾枠700の導電領域C10が透明導電膜711と電気的に接続されている接続領域Xを示す図である。また、図8は、装飾枠700の導電領域C10が前面扉102の導電領域と電気的に接続されている接地点A〜Eを示す図である。また、図9は、図2の状態から筐体内に収納されている部品を取り除いた状態を示しており、前面扉102の導電領域C20及び本体101の導電領域C30を示す図である。また、図10は、装飾枠700に発生した電流の流れ方を模式的に示した図である。
本実施形態の装飾枠700の導電領域C10は、図8に示すように5つの接地点で前面扉102と接続されている。詳しくは、開口部701の下側右方に設けられた接地点A、開口部701の上側右方に設けられた接地点B、開口部701の上側中央に設けられた接地点C、開口部701の上側左方に設けられた接地点D、及び開口部701の下側左方に設けられた接地点Eにて、図9(a)に示す前面扉102の導電領域C20と接続されている。
ここで、図9(a)の網掛け領域、つまり、前面扉102の裏側の領域C20、及び本体101の内側背面の領域C30は、導電性塗料が塗布されており、電気を通す導電領域であることを示している。また、前面扉102(図は骨組部分のみ)と本体101は、図9(a)及び(b)の領域S2に示すように、金属ケーブルCL2で接続されており、図9(a)に図示されてはいなが本体101の導電領域C30と電源装置252は電気的に接続されており(例えば、図9(b)に示すような金属ケーブルでもよい)、電源装置252には電源コード265とともにアース線CL3が接続され、アース線CL3は筐体外に延出している。したがって、遊技者が装飾枠700の導電領域C10に触れるなどして装飾枠700に発生した静電気は、接地点A〜E、前面扉102の導電領域C20、金属ケーブルCL2、本体101の導電領域C30、電源装置252、及びアース線CL3の順序で筐体外にアースされることとなる。
なお、アース経路にこれに限定されるものではなく、装飾枠700に発生した静電気が筐体外にアースされるのであればいずれの経路でもよい。例えば、装飾枠700に発生した静電気を、電源装置252を介さずに筐体外にアースするのでもよい。また、前面扉102の裏側の領域C20は、複数部品(例えば、横骨材、縦骨材、横骨材と縦骨材とを電気的接続するアース線)で構成されてもよい。なお、前面扉102の裏側の領域C20は、単一部品で構成されてもよい。また、本体101の内側背面の領域C30は、複数部品(例えば、横板材、背板材、天板材、底板材、各板材を電気的接続するアース線)で構成されてもよい。なお、本体101の内側背面の領域C30は、単一部品で構成されてもよい。
本実施形態の装飾枠700の導電領域C10は、図7に示すように、開口部701の外側に沿って矩形環状に形成された導電性の固定部材713を介することにより、透明導電膜711と電気的に接続されている。本実施形態では、装飾枠700は透過性パネル710の前面側に配置されており、透明導電膜711は透過性パネル710の背面側に配置されているので、装飾枠700と透明導電膜711を電気的に接続させるためには、この二者を仲介する導通部材が必要となる。そこで、本実施形態では、固定部材713を配置し、透過性パネル710の背面側に配置された透明導電膜711と、透過性パネル710の前面側に配置された装飾枠700とを電気的に接続するようにしている。より詳しくは、金属ネジ712により、装飾枠700、透過性パネル710及び透明導電膜711が固定部材713を介して一体化されている。すなわち、固定部材713は配設された領域は、装飾枠700の導電領域C10と透明導電膜711を電気的に接続する接続領域Xとなっている(後述する図10(a)参照)。
本実施形態では、図7に示すように、固定部材713の一部分は、透過性パネル710の手前側に位置しているが、この固定部材713の一部分の手前側を装飾枠700によって覆うようにし、この固定部材713が露出するところがないようにしている。よって、固定部材713が視認されてしまうことよるデザイン性の低下を防いでいる。
この結果、本実施形態の装飾枠700の導電領域C10に発生した静電気は、(1)静電気が発生した地点から近接の接地点A〜Eに直接的に流れる(このルートを直接ルートという)ほか、(2)静電気が発生した地点から固定部材713及び透明導電膜711を介して、近接以外の接地点A〜Eに迂回して流れるようになっている(このルートを迂回ルートともいう)。
なお、金属ネジ712も導電性を有するため、金属ネジ712を介することによっても、装飾枠700の導電領域C10は、透明導電膜711と電気的に接続されている。
したがって、本実施形態では、装飾枠700に発生した静電気は、発生地点から近接の接地点からアースされるほか、他の接地点からもアースされることが可能となっている。すなわち、装飾枠700に発生した静電気は分散されてアースされるので、装飾枠700の導電領域C10の狭く限られた箇所に集中して電流が流れることなく、静電気による制御回路の誤作動の発生を抑制することができる。
図10を用いて、このことを具体的に説明する。図10は、装飾枠700を簡略化した図であり、装飾枠700に発生した静電気の流れを示す図である。図10(a)に示した接地点A〜E及び接続領域Xは、それぞれ、図8に示した接地点A〜E及び図7に示した接続領域Xに相当する。また、図10(b)に示した地点P1は図8に示した地点P1、図10(c)に示した地点P2は図8に示した地点P2に相当する。なお、地点P1及びP2は、装飾枠700の導電領域C10にある。
例えば、図10(b)に示すように、遊技者が装飾枠700の地点P1に触れた場合に地点P1において発生した静電気(遊技者に帯電している静電気)は、近傍の接地点A及びEに直接流れるほか、透明導電膜711を介して接地点B、C及びDに流れることにより、アースされる。すなわち、本実施形態において地点P1に発生した静電気は、直接ルートR1及びR5によりアースされるだけでなく、迂回ルートR2、R3及びR4によりアースされる。
なお、図6に示した、従来の透明導電膜711を有しない構成の場合には、地点P1において発生した静電気は、直接ルートR1及びR5によってのみアースされるものである。
ここで、一例として、地点P1に発生した静電気が、透明導電膜711を介して、接地点Dに流れる迂回ルートR4について詳説する。接続領域Xのうち、地点P1近傍であって、地点P1に発生した静電気が装飾枠700から透明導電膜711に流出する固定部材713の位置をV1、接地点Dの近傍であって、透明導電膜711を流れた静電気が透明導電膜711から装飾枠700に流入する固定部材713の位置をV2とすると、迂回ルートR4は、地点P1→導電領域C10→位置V1→透明導電膜711→位置V2→導電領域C10→接地点Dというルートとなっている。
また、同様にして、例えば、図10(c)に示すように、遊技者が装飾枠700の地点P2に触れた場合に地点P2において発生した静電気(遊技者に帯電している静電気)は、直接ルートR3及びR4によりアースされるだけでなく、迂回ルートR1、R2及びR5によりアースされる。なお、図6に示した、従来の透明導電膜711を有しない構成の場合には、地点P2において発生した静電気は、直接ルートR3及びR4によってのみアースされるものである。
このように本実施形態の演出装置160によれば、装飾枠700に発生した静電気を分散させてアースすることが可能なので、導電領域C10の狭く限られた箇所に集中して電流が流れることがなくなり、その結果、局所的な磁界発生を防ぐことができるので、第2副制御基板720に対する誤作動の発生を抑制することができる。
<変形例>
上記実施形態の透明導電膜711は、シート自体が導電性を有する部材であったが、これに限定されるものではない。例えば、シート自体は導電性を有しないが、シート内に通電材が配設された透明導電膜としてもよい。図11は、通電材がシート内に通電材715が格子状に配設された透明導電膜711Aの外観を示す図であり、詳しくは、図11(a)は、透明導電膜711Aを透過性パネル710の背面に装着する前、図11(b)は、透明導電膜711Aを透過性パネル710の背面に装着した後の外観斜視図である。
このような透明導電膜711Aによれば、シート自体は導電性を有しないが、通電材715を介して透明導電膜711Aの面内を電気が流れるので、上記実施形態と同様に静電気を分散してアースすることができ、透明導電膜711と同一の作用・効果を奏することができる。
なお、水平方向及び垂直方向の通電材715の本数は、多い方が静電気の分散効果が大きいため好適であるが、水平方向及び垂直方向の通電材は1本ずつでも静電気の分散効果を有する場合がある。
なお、上記実施形態では、演出装置160の装飾枠700に対して静電気対策を施したが、遊技台の他の部位に同様の静電気対策を施してもよい。例えば、図12(a)に示すように、図柄表示窓113の外側に設けられた装飾枠700Aに対して静電気対策を施してもよい。装飾枠700Aには、遊技情報表示器126等の表示器が備わっていることから、遊技情報の誤表示を防ぐことができる場合がある。
また、上記実施形態では、略矩形(正面から見た場合の形状)の装飾枠700に対して静電気対策を施したが、形状はこれに限定されない。例えば、図12(b)に示すような長円形状の装飾枠700Bでもよい。円形状であれば、遊技者が装飾枠700Bに触れた位置から接地点までの距離が極端に遠くなることがなく、直接ルートと迂回ルートとにより多くの接地点に偏り少なく電流を流せることができる場合がある。また、上記実施形態の装飾枠700は、その中央に開口部を有する閉じた形状であったが、これに限定されず、図12(c)に示すように、開いた形状の装飾枠700Cとしてもよい。透過性パネル710の外側に沿った周りの全てに装飾枠700を備えることなく、透過性パネル710を挟んで装飾枠700Cが対峙するように、装飾枠700の一の部分と装飾枠700の他の部分とを備えるようにすればよい。これによっても直接ルートと迂回ルートと設けることができる。
また、上記実施形態では、装飾枠700の導電領域C10が前面扉102の導電領域C20と複数の点で電気的に接続していたが、装飾枠700の導電領域C10が前面扉102の導電領域C20と電気的に接続するのは複数の点でなく、1つの連続した領域としてもよい。図13(a)は、このような装飾枠700Dを示している。すなわち、装飾枠700Dは、装飾枠700Dの外周状に形成された接続領域Yにおいて前面扉102の導電領域C20と電気的に接続するとともに、開口部701の外側に周状に形成された接続領域Xにおいて透明導電膜711と接続している。
また、図13(b)に示すように、遊技者が触るボタン721を配置した装飾枠700Eとし、遊技者が装飾枠700Eの触れたくなる位置を明確にしてもよい。遊技者が触れたくなる位置を特定できれば、静電気を分散させてアースするための接地点の数や接続領域の配置位置の設計が容易となるからである。
また、上記実施形態では、装飾枠700の導電領域C10が前面に露出する構成としたが、導電性のない樹脂製の装飾枠を用いる場合も想定される。このような場合には、樹脂製の装飾枠の外側に導電性を有する装飾部材(勿論、他の演出部材と統一のとれた装飾的意匠も施されている)を配設し、この装飾部材が透明導電膜711と接続されるようにしてもよい。例えば、図14に示すように、樹脂製の装飾枠700Fの上に導通性がある装飾部材714が重なっている場合には、この装飾部材714が金属ネジ712、導電性の固定部材713を介して、透明導電膜711と接続されるようにしてもよい。また、例えば、装飾枠700の背面側に導電性を有する部分がない場合、導通性がある装飾部材714によって、装飾枠700の正面側の導電性を有する部分と固定部材713とを電気的接続させるようにしてもよい。デザイン性を低下させることなく確実に電流を流すことができる場合がある。
<他の遊技台>
さらには、上記実施形態においては、スロットマシン100の演出部材160に対して透明導電膜711を用いることにより静電気対策を施したが、この静電気対策はパチンコなど他の遊技台にも適用可能である。例えば、図15に示すようなパチンコ機1100に設けられた装飾枠700に発生した静電気を除去するために透明導電膜711を用いてもよい。図15に示した装飾枠700は、透明板部材1118の外側に設けられた枠体であり、導電性を有する金属メッキで覆われた導電領域C10がその表面の一部に形成されている(図15において導電領域C10は網掛け表示されている)。なお、透明板部材1118の内部には演出装置としての液晶表示装置1208及び液晶表示装置1208を制御する制御基板が配設されている。
この場合にも、図示しないが上記実施形態と同様に、装飾枠700の導電領域C10と所定のアース経路とは複数の接地点で電気的に接続されており、また、装飾枠700の導電領域C10と透明導電膜711は、連続する一領域にて電気的に接続されているものである。このようにパチンコ機1100に透明導電膜711を装着した場合には、遊技者が装飾枠700に触れるなどして装飾枠700に発生した静電気を、透明導電膜711を介した迂回ルートを用いてアースすることが可能である。したがって、装飾枠700に発生した静電気を分散させてアースすることが可能なので、狭く限られた箇所に集中して電流が流れることがなくなり、静電気による制御回路の誤作動の発生を抑制することができる。
図16は、パチンコ機1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1100は、外部的構造として、外枠1102と、本体1104と、前面枠扉1106と、球貯留皿付扉1108と、発射装置1110と、遊技盤1200と、をその前面に備える。
外枠1102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体1104は、外枠1102の内部に備えられ、ヒンジ部1112を介して外枠1102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体1104は、枠状に形成され、内側に空間部1114を有している。
前面枠扉1106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1100の前面側となる本体1104の前面に対しヒンジ部1112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉1106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材1118が設けられ、前面側には、スピーカ1120や枠ランプ1122が取り付けられている。前面枠扉1106の後面と遊技盤1200の前面とで遊技領域1124を区画形成する。
球貯留皿付扉1108は、パチンコ機1100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1126と、上皿1126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1128と、遊技者の操作によって上皿1126に貯留された遊技球を下皿1128へと排出させる球抜ボタン1130と、遊技者の操作によって下皿1128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー1132と、遊技者の操作によって発射装置1110へと案内された遊技球を遊技盤1200の遊技領域1124へと打ち出す球発射ハンドル1134と、遊技者の操作によって各種演出装置1206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン1136と、チャンスボタン1136を発光させるチャンスボタンランプ1138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン1140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン1142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部1144と、を備える。
発射装置1110は、本体1104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1146と、遊技球を発射杆1146の先端で打突する発射槌1148と、を備える。
遊技盤1200は、前面に遊技領域1124を有し、本体1104の空間部1114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1124は、遊技盤1200を本体1104に装着した後、開口部から観察することができる。
図17は、遊技盤1200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール1202と内レール1204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域1124を区画形成している。
遊技領域1124の略中央には、演出装置1206を配設している。この演出装置1206には、略中央に装飾図柄表示装置1208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置1210と、第1特別図柄表示装置1212と、第2特別図柄表示装置1214と、普通図柄保留ランプ1216と、第1特別図柄保留ランプ1218と、第2特別図柄保留ランプ1220と、高確中ランプ1222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置1206は、演出可動体1224を動作して演出を行うものである。
装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置1208は、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cおよび演出表示領域1208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208bおよび右図柄表示領域1208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域1208a、1208b、1208c、1208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置1210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置1212および第2特図表示装置1214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ1216は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ1218および第2特図保留ランプ1220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ1222は、制御状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、制御状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置1206の周囲には、一般入賞口1226と、普図始動口1228と、第1特図始動口1230と、第2特図始動口1232と、可変入賞口1234を配設している。
一般入賞口1226は、本実施形態では遊技盤1200に複数配設しており、この一般入賞口1226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1226に入賞した場合)、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿1126に排出する。上皿1126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域1124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤1200の左側に1つ配設している。普図始動口1228を通過した球は一般入賞口1226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1228を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機1100は、普図表示装置による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤1200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第1特図表示装置1212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口1230に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口1232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口1230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1232は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置が当り図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第2特図表示装置1214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1232に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤1200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1234は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿1126に排出する。なお、可変入賞口1234に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1236や、遊技釘1238を複数個、配設していると共に、内レール1204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
このパチンコ機1100は、遊技者が上皿1126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆1146および発射槌1148によって外レール1202、内レール1204を通過させて遊技領域1124に打ち出す。そして、遊技領域1124の上部に到達した球は、打球方向変換部材1236や遊技釘1238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1226、可変入賞口1234)や始動口(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1228を通過するのみでアウト口1136に到達する。
<パチンコ機における透明導電膜の配設位置>
上述したパチンコ機1100において透明導電膜711の配設位置には種々のバリエーションがあるので、以下、具体的に説明する。
図18は、透明板部材1118に対して、透明導電膜711を施した場合の断面図である。図18(a)は、2枚のガラス製の透明板部材1118を備えたパチンコ機1100において、背面側の1118bの背面に透明導電膜711を装着した場合、図17(b)は、2枚のガラス製の透明板部材1118を備えたパチンコ機1100において、前面側の1118aの背面に透明導電膜711を装着した場合を示している。なお、図示しないが、背面側の透明板部材1118bの後方に液晶表示装置1208、及び液晶表示装置1208を制御する制御基板が存在する。
図18(a)に示す構成においては、透明板部材1118bの背面側に装着するので、透明導電膜711の装着が容易であるという効果があり、図18(b)に示す構成においては、透明板部材1118aと透明板部材1118bの間に装着するので、透明導電膜711が剥がされにくいという効果がある。さらには、正面から加わった衝撃によりガラス製の透明板部材1118aが破損した場合、透明導電膜711が透明板部材1118aに装着されていることによりガラスの飛散を防ぐことができる場合がある。
図19は、透明板部材1118の別の構成を示している。図19(a)は、2枚の透明板部材1118を備えたパチンコ機1100において、2枚の透明板部材1118のうち、前面側の1枚はガラス製の透明板部材1118a、背面側の1枚は樹脂製の透明板部材1118bであり、透明板部材1118bの前面側に透明導電膜711を装着した場合を示している。なお、透明板部材1118bの背面側には液晶表示装置1208は配設されている。このように、背面側の樹脂製の透明板部材1118bの前面側に透明導電膜711を装着してもよい。透明導電膜711を含めた透明板部材1118bを新たなものに交換する場合よりも、透明板部材1118aを新たなものに交換する場合のほうが低コストとなる場合があるので、正面から加わった衝撃によりガラス製の透明板部材1118aが破損した場合、透明板部材1118aのみ交換すれば済むことによる交換コストの低減化が図れる場合がある。また、透明板部材1118b及び透明導電膜711は透明なので、液晶表示装置1208の視認性に影響を与えることがない。また、図19(b)は、透明板部材1118を備えたパチンコ機1100において、液晶表示装置1208の背面側に配設された基板ケース1400の前面側に透明導電膜711を装着した場合を示している。基板ケース1400は、中に収納された、液晶表示装置1208を制御する制御基板1500を視認可能とする透明なケースであるため、透明導電膜711を基板ケース1400の前面側に透明導電膜711を装着したとしても、その視認性に影響を与えることはない。このように透明板部材1118を備えることにより、制御基板1500の電気経路へノイズの影響を少なくすることができる場合がある。なお、基板ケース1400の前面側板面の制御基板1500側(ケース内側)に透明導電膜711を装着してもよい。透明導電膜711に傷等がつくことを防ぐことができる場合がある。なお、基板ケース1400の前面側板面の一部分に透明導電膜711を装着してもよい。制御基板1500の電気経路であってノイズの影響を受けやすい部分にその影響を出にくくすることができる場合がある。なお、基板ケース1400の前面側板面に透明有色の導電膜を装着してもよい。透明有色の導電膜とは、例えば、赤色透明の導電膜や、青色透明の導電膜である。制御基板1500の電気経路がノイズの影響を受けないよう措置を講じていることを容易に認識できる場合がある。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100、1100)によれば、本体(例えば、本体101)に開閉可能に取り付けられた扉(例えば、前面扉102)を備えた遊技台であって、前記扉は、前面から背面に向けて、順に、導電性を有する第一の導電部(例えば、導電領域C10)を少なくとも備えた装飾パネル(例えば、装飾枠700)と、導電性を有しない透明パネル(例えば、透過性パネル710)と、演出装置(例えば、液晶表示装置157、第2副制御基板720など)と、アース手段(例えば、導電領域C20)と、を少なくとも備え、前記第一の導電部と前記アース手段とを電気的に接続したものであり、前記透明パネルは、透明シート(例えば、透明導電膜711、711A)を少なくとも備えたものであり、前記透明シートは、導電性を有する第二の導電部(例えば、透明導電膜711、通電材715)を少なくとも備えたものであり、前記第二の導電部は、前記透明パネルの背面に少なくとも備えられたものであり、前記第一の導電部は、第一の位置(例えば、接地点A)で前記アース手段と電気的に接続されたものであり、前記第一の導電部は、第二の位置(例えば、接地点B)で前記アース手段と電気的に接続されたものであり、前記第一の位置と前記第二の位置とは、前記透明パネルを挟んで対峙する位置であり、前記第一の導電部と前記第二の導電部とを、電気的に接続する導電手段(例えば、固定部材713、金属ネジ712)を備えたものであり、前記導電手段は、第三の位置(例えば、接続領域XのV1)で、前記第一の導電部と前記第二の導電部とを電気的に接続したものであり、前記導電手段は、第四の位置(例えば、接続領域XのV2)で、前記第一の導電部と前記第二の導電部とを電気的に接続したものであり、前記第三の位置と前記第四の位置とは、前記透明パネルを挟んで対峙する位置である、ことを第1の基本的構成とする。
上記第1の基本的構成においては、遊技者が触るなどして装飾パネルに発生した静電気をアース手段に直接流してアースするほか、第二の導電部を介してアース手段に流すことが可能なので、簡単な構成静電気による制御回路の誤作動の発生を抑制することができる。
また、前記第三の位置と前記第四の位置は、電気的に接続している一つの領域(例えば、接続領域X)内の異なる位置である、ことが好ましい。
この場合、装飾パネルに発生した静電気をより効率的に第二の導電部に流すことができる。
また、前記導電手段は、前記装飾パネルによって正面から視認困難に備えられたものである、ことが好ましい。
この場合、導電手段が視認されてしまうことがないので、装飾パネルのデザイン性の低下を防ぐことができる。
また、前記透明シートは、透明導電膜シートである、ことが好ましい。
この場合、演出装置の機能に影響を与えることなく、装飾パネルに発生した静電気のトラブルを簡単に解決することができる。
また、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100、1100)によれば、本体(例えば、本体101)に開閉可能に取り付けられた扉(例えば、前面扉102)を備えた遊技台であって、前記扉は、前面から背面に向けて、順に、導電性を有する第一の導電部(例えば、導電領域C10)を少なくとも有する装飾パネル(例えば、装飾枠700)と、導電性を有しない透明パネル(例えば、透過性パネル710)と、導電性を有する第二の導電部(例えば、透明導電膜711)と、演出装置(例えば、液晶表示装置157、第2副制御基板720など)と、を少なくとも備えるものであり、前記扉は筐体の外部に電気を放出するアース経路(例えば、導電領域C20、C10、金属ケーブルCL2、電源装置252、アース線CL3など)を備えるものであり、前記第一の導電部は、複数の第一の位置(例えば、接地点A〜E)において、前記アース経路と電気的に接続されているものであり、前記第一の導電部は、複数の第二の位置(接続領域X)において、前記第二の導電部と電気的に接続されているものであり、前記第一の導電部に発生した静電気が前記アース経路に流れるルートは、前記静電気が発生した地点(例えば、P1など)から、一の前記第一の位置(例えば、P1の場合、接地点Aなど)を経由して前記アース経路に流れる第一のルート(例えば、直接ルート)と、前記静電気が発生した地点から、順に、一の前記第二の位置(例えば、P1近傍の接続領域Xなど)、前記第二の導電部、他の前記第二の位置(例えば、接地点D近傍の接続領域Xなど)、及び他の前記第一の位置(例えば、接地点Dなど)を経由して前記アース経路に流れる第二のルート(例えば、迂回ルート)と、を備えるものである、ことを第2の基本的構成とする。
上記第2の基本的構成においては、遊技者が触るなどして装飾パネルに発生した静電気を、アース経路に直接接続された第一のルートのほか、第二の導電部を介した第二のルートを用いて、アース経路に流すことが可能なので、簡単な構成静電気による制御回路の誤作動の発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。