JP6591896B2 - 含フッ素マクロ開始剤およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素マクロ開始剤およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素マクロ開始剤及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、重合体の一方の末端にトリチオ炭酸エステル基、他方の末端にシアノアルキル基をそれぞれ有する含フッ素マクロ開始剤及びその製造方法に関する。
近年リビングラジカル重合技術の進歩に伴い、重合体の分子量、分子末端、分子量分布、分子鎖分子配列を精密に制御することができるようになった。特に可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT重合)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシドを介したラジカル重合(NMP)等に代表される制御リビングラジカル重合では、アニオン重合等における低温重合およびモノマーの厳密な精製が不要であり、またモノマーの適用範囲が広いといった特長がある。さらに通常のラジカル重合条件で容易に行うことができる利点があり(工業的汎用性)、種々の構造及び機能をもつ共重合体または単独重合体を容易に作製することが可能となった。
この中で、非特許文献1には、RAFT重合について、反応機構の検討、および置換基による反応性の検討などを含めて種々の研究がなされていることが記載されている。また、非特許文献2には、ATRPについても種々の研究がなされていることが記載されている。非特許文献3には、ニトロキシドが介在するリビングフリーラジカル重合によって、種々のビニル系モノマーの重合を制御する試みが記載されている。
また、これらの手法を用いて含フッ素ブロック共重合体を作製することができる(特許文献1〜6)。
例えば、特許文献1には、フッ素セグメントと非フッ素セグメントからなるブロック共重合体であって特定の接触角を有する撥水撥油性ブロック共重合体が開示されており、このような撥水撥油性ブロック共重合体が、特定の遷移金属触媒存在下で、まず非フッ素系モノマーを重合させ、次いでフッ素系モノマーを重合させる方法によって得られることが記載されている。
また、特許文献2には、メチル基からなる繰り返し構造とジフルオロメチル基からなる繰り返し構造とを有する特定のフルオロ脂肪族基含有モノマーを重合単位として含むブロックコポリマーを含有する有機溶剤系塗布改良剤およびこれを用いて得られる光学フィルムが開示されている。ここで、特許文献2には、このようなブロックコポリマーが、例えば、アクリル酸エステル等からATRP法によってマクロ開始剤を得、このマクロ開始剤に、フルオロ脂肪族を有する(メタ)アクリレート単量体をATRP法によって重合することにより得られることが記載されている。
また、特許文献3には、−C(=S)S−基を有する特定の化合物存在下、少なくとも1つの重合性基を有する第1のモノマーを重合し、次いで、少なくとも1つの重合性基と、パーフルオロアルキル基を有する第2のモノマーを重合して、ブロック共重合体を得ることが記載されている。
また、特許文献4には、表面処理剤として、含フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を含む特定の含フッ素アクリル系セグメントと、非フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を含む特定の非フッ素アクリル系セグメントを有してなる含フッ素アクリルブロック共重合体を含むものが開示されている。ここで、特許文献4には、銅触媒存在下で、先ず、非フッ素単量体を重合して非フッ素アクリル系セグメントを形成し、引き続き、この非フッ素アクリル系セグメントに対して含フッ素単量体を重合して含フッ素アクリル系セグメントを形成することによって含フッ素アクリルブロック共重合体が得られたことが記載されている。
また、特許文献5には、特定の炭素原子数のフッ素化アルキル基を有する第1のラジカル重合性不飽和単量体と、反応性基を有する第2のラジカル重合性不飽和単量体とを必須の単量体成分として、ATRP等に基づくリビングラジカル重合により共重合して得られるブロック共重合体が開示されている。ここで、特許文献5には、まず、第2のラジカル重合性不飽和単量体をリビングラジカル重合させてから、第1のラジカル重合性不飽和単量体を加えてさらにリビングラジカル重合させることにより、ブロック共重合体が得られることが記載されている。
さらに、特許文献6には、アルコキシアミン触媒存在下で第1モノマーを重合させて第1モノマーの重合体を得てから、アルコキシアミン触媒および第1モノマーの重合体の存在下で第2モノマーを重合させることによりブロック共重合体を製造する方法として、これらのモノマーのうちの少なくとも1種として含フッ素(メタ)アクリレートモノマーを採用したものが開示されている。
しかしながら、制御リビングラジカル重合により含フッ素ビニル系モノマー(A)と非フッ素ビニル系モノマー(B)からなる(A)n(B)mブロック共重合体を作製する場合、最初に非フッ素ビニル系モノマー(B)を重合し重合体(B)mを作製した後、含フッ素ビニル系モノマー(A)を重合する必要があった。
特にRAFT重合では、含フッ素ビニル系モノマーの単独重合体(A)nを得ることが困難な場合が多いため、通常、第一の重合工程で非フッ素ビニル系モノマー(B)、第二の重合工程で含フッ素ビニル系モノマー(A)を重合し(B)m(A)nを製造する手法が採用される。
例えば、含フッ素ビニル系モノマー単独のRAFT重合例がいくつか報告されている(非特許文献4およびその引用文献参照)。しかしながら、含フッ素ビニル系モノマーとしては、側鎖フルオロアルキル鎖が短い(メタ)アクリル酸エステルに限られており重合手法として一般性に欠ける。また非特許文献4で用いられている4−シアノペンタン酸ジチオベンゾエートの類似化合物である2−シアノ−2−プロピルジチオベンゾエートを用いた、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレートの60℃,16時間の重合実験(本発明者らが実施)では、重合率19%と不満足な結果であった。
また、非フッ素ビニル系モノマーとして、長い側鎖をもつアクリル酸ステアリルもしくはメタクリル酸ステアリル、または、スチレンを含む含フッ素ブロック共重合体を製造する際、第一重合工程の非フッ素ビニル系モノマーの重合は進行するものの、含フッ素ビニル系モノマーを重合する第二重合工程ではリビング性が失われ、含フッ素ビニル系モノマー(A)の単独重合体(A)nが多量に生成する。
さらに、非フッ素ビニル系モノマー(B)の側鎖が短い場合でも、含フッ素ビニル系モノマー(A)の含有量の高い含フッ素ブロック共重合体を製造する場合のように、第一重合工程で生成する(B)mの重量にくらべて、第二重合工程で仕込まれる含フッ素ビニル系モノマー(A)の重量が相対的に多い場合(例えば、(B)m:(A)=20重量%:80重量%)、第二重合工程で含フッ素ビニル系モノマー(A)の単独重合体(A)nが生成する場合が多い。
特開2004-300313号 特開2006-63132号 特開2008-297522号 特開2009-242550号 特開2010-235784号 WO2011/099540号
Moad, G. et al., Aust. J. Chem. 2005, 58, 379-410 Matyjaszewski, K. et al., Chem. Rev. 2001, 101, 2921-2990 Benoit, D. et al., J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 3904 Koiry, B.P. et al., J. Fluorine Chem., 2013, 153, 137-142
本発明の目的は、含フッ素マクロ開始剤、特に、非フッ素ビニル系モノマーとして、長い側鎖をもつ(メタ)アクリル酸エステル又はスチレンを含有する含フッ素ブロック共重合体を製造することを可能とする含フッ素マクロ開始剤を提供することである。
本発明者らは、従来技術における上記の状況に鑑み、上記の問題点を克服しうる含フッ素マクロ開始剤を製造すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有する含フッ素重合体をマクロ開始剤として用いると上記課題を解決しうること、並びに、特殊な反応条件下でこのような含フッ素マクロ開始剤を容易に製造し得ることを見出した。
本発明によって、下記一般式(1)で表され、且つ、数平均分子量が3,000〜100,000である重合体からなる含フッ素マクロ開始剤が提供される:
Figure 0006591896
(上記一般式(1)中、
2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であり、
3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、かつR3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよく、
Qは、下記一般式(2)で表される構造単位からなる重合体セグメントである。
Figure 0006591896
上記一般式(2)中、
1は水素原子またはメチル基であり、
Rfは、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基または下記式(4)で表されるフルオロアルキル基であり、
kは、0でない適当な整数である。
Figure 0006591896
上記式(3)中、nは1〜6の整数である。
Figure 0006591896
上記式(4)中、
aは0〜3の整数であり、bは1〜2の整数であり、n'は1〜6の整数であり、
−Cn'2n'+1基は、−(CF2CH2b−基のCH2基に結合しており、
−(CF2CF2a−基は、−(CF2CH2b−基のCF2基に結合している。)。
かかる含フッ素マクロ開始剤(1)の製造方法に関して鋭意研究した結果、特殊な反応条件下で容易に製造しうることを見出し、その容易な製造方法も提供される。
そのような製造方法として、例えば、
下記一般式(5)で表わされるトリチオ炭酸エステル化合物存在下、下記一般式(6)で表わされる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを、アゾ系ラジカル重合開始剤を用いて重合する工程
を含むことを特徴とする、上記含フッ素マクロ開始剤の製造方法が挙げられる:
Figure 0006591896
(上記一般式(5)中、
2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であり、
3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、かつR3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよい。)
Figure 0006591896
(上記一般式(6)中、
1は水素原子またはメチル基であり、
Rfは、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基または下記式(4)で表されるフルオロアルキル基である。
Figure 0006591896
上記式(3)中、nは1〜6の整数である。
Figure 0006591896
上記式(4)中、
aは0〜3の整数であり、bは1〜2の整数であり、n'は1〜6の整数であり、
−Cn'2n'+1基は、−(CF2CH2b−基のCH2基に結合しており、
−(CF2CF2a−基は、−(CF2CH2b−基のCF2基に結合している。)。
本発明の含フッ素マクロ開始剤を用いることで、非フッ素ビニル系モノマーとして、長い側鎖をもつ(メタ)アクリル酸ステアリルまたはスチレンを含有する含フッ素ブロック共重合体を製造することが可能となった。また含フッ素ビニル系モノマーの含有量の高い含フッ素ブロック共重合体も製造することが可能となった。
参考実施例2−1および参考例2−1で得られた重合体のGPCチャートである。ここで、参考実施例2−1の重合体は、第一段階重合工程で含フッ素ビニル系モノマーを重合して含フッ素マクロ開始剤を製造したのち、第二段階重合工程でアクリル酸ステアリルを重合して得られたものであり、参考例2−1の重合体は第一段階重合工程でアクリル酸ステアリルを重合させたのち、第二段階重合工程で含フッ素ビニル系モノマーを重合して得られたものである。 実施例2−2で得られた重合体のGPCチャートである。ここで、実施例2−2の重合体は、第一段階重合工程で含フッ素ビニル系モノマーを重合して含フッ素マクロ開始剤を製造したのち、第二段階重合工程でアクリル酸ステアリルを重合して得られたものである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
〔含フッ素マクロ開始剤〕
本発明の含フッ素マクロ開始剤は、下記一般式(1)で表され、且つ、数平均分子量が3,000〜100,000である重合体からなる。
Figure 0006591896
ここで、上記一般式(1)中、
2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であり、
3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、かつR3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよく、
Qは、下記一般式(2)で表される構造単位からなる重合体セグメントである。
Figure 0006591896
上記一般式(2)中、
1は水素原子またはメチル基であり、
Rfは、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基または下記式(4)で表されるフルオロアルキル基であり、
kは、0でない適当な整数である。
Figure 0006591896
上記式(3)中、nは1〜6の整数である。
Figure 0006591896
上記式(4)中、
aは0〜3の整数であり、bは1〜2の整数であり、n'は1〜6の整数であり、
−Cn'2n'+1基は−(CF2CH2b−基のCH2基に結合しており、−(CF2CF2a−基は、−(CF2CH2b−基のCF2基に結合している。
ここで、上記Rfが、上記式(4)で表されるフルオロアルキル基である場合、生体蓄積性および環境負荷の観点から、aが1または2であることが好ましい。
一方、上記Rfが、上記式(3)で表されるフルオロアルキル基である場合、生体蓄積性および環境負荷の観点から、nが4または6であることが好ましい。
このようなRfの具体例としては、
1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−トリデカフルオロヘキシル基、
1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、
1,1,2,2,3,3,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、
1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、
1,1,2,2,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、
1,1,2,2,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリエイコサフルオロドデシル基、
1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、
1,1,2,2,3,3,5,5,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、
1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル基、
1,1,2,2,3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル基、
1,1,2,2,3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシル基、
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ペンタエイコサフルオロテトラデシル基
が挙げられる。
また、本発明において上記R2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基である。ただ、後述する本発明の製造方法において用いられる後述のトリチオ炭酸エステル化合物(5)の耐加水分解性を考慮すると、R2が炭素数6〜18の直鎖状アルキル基であることが好ましい。
また、上記R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、R3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよい。このようなR3およびR4として、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、2−カルボキシエチル基等が挙げられる。
ここで、上述したように、本発明の含フッ素マクロ開始剤を構成する上記重合体セグメントQは、上記一般式(2)で表される構造単位からなる。本発明において、上記重合体セグメントQを構成する上記一般式(2)で表される構造単位は、1種単独であっても良く、あるいは、2種以上の組み合わせであっても良い。
このような本発明の含フッ素マクロ開始剤を構成する重合体の具体例として、以下のものが挙げられる(下記式において、k'は0でない適当な整数である。)。
Figure 0006591896
Figure 0006591896
Figure 0006591896
Figure 0006591896
Figure 0006591896
Figure 0006591896
本発明の含フッ素マクロ開始剤は3,000〜100,000の数平均分子量を有している。ここでいう数平均分子量とは、1H−NMRより求めた分子量である。
この数平均分子量について、算出方法は特に限定されないものの、例えば、本発明の含フッ素マクロ開始剤における上記重合体セグメントQ以外の部分に由来するHピークの積算値に対する上記重合体セグメントQに由来するHピークの積算値の比に基づき求めることができる。ここで、この数平均分子量は、後述する本発明の製造方法により、後述するトリチオ炭酸エステル化合物(5)と1種類の含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)を用いて得られる含フッ素マクロ開始剤を例に取ると、トリチオ炭酸エステル化合物(5)に対応する部分の分子量をM0、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)の分子量をM1、トリチオ炭酸エステル化合物(5)に対応する部分に特徴的な適当なHピークの積算値および該ピークに対応するHの数をそれぞれI0およびN0、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)に特徴的な適当なHピークの積算値および該ピークに対応するHの数をそれぞれI1およびN1として、下記式(Eq−1')
M'=M0+〔M1×(I1/N1)/(I0/N0)〕 ・・・(Eq−1')
で求められるM'として求めることができる。ただ、本発明では、便宜上下記実施例に基づき、下記式(Eq−1)
M=M1×(I1/N1)/(I0/N0) ・・・(Eq−1)
で求められるMをもって、含フッ素マクロ開始剤の数平均分子量としてもよい。
この場合、上記(I1/N1)/(I0/N0)の値が、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)から導かれる構造単位についての上記kに該当することになる。
ここで、本発明の含フッ素マクロ開始剤を構成する重合体において、上記重合体セグメントQが2種以上の上記一般式(2)で表される構造単位からなる場合に上記kが満たすべき関係について、厳密に見ると、
上記重合体セグメントQが、x種類の上記一般式(2)で表される構造単位からなると仮定したうえで、
上記一般式(2)で表される構造単位のうちのi種類目(あるいは、対応する含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6))についてのkおよび分子量をそれぞれkiおよびMiとし、かつ、
本発明の含フッ素マクロ開始剤を構成する重合体における、上記重合体セグメントQ以外の部分(あるいは、対応するトリチオ炭酸エステル化合物(5))の分子量をM0とすると、
上記式(Eq−1')の考え方に基づく場合には、
Figure 0006591896
の値が、
上記式(Eq−1)の考え方に基づく場合には、
Figure 0006591896
の値が、それぞれ、本発明の含フッ素マクロ開始剤を構成する重合体について規定する数平均分子量となる。
〔含フッ素マクロ開始剤の製造方法〕
上述した本発明の含フッ素マクロ開始剤の製造方法は、特に限定されない。
ただ、本発明における典型的な態様において、上述した本発明の含フッ素マクロ開始剤は、下記一般式(5)で表わされるトリチオ炭酸エステル化合物存在下、下記一般式(6)で表わされる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを、アゾ系ラジカル重合開始剤を用いて重合する工程を含む製造方法によって好適に得ることができる:
Figure 0006591896
ここで、上記一般式(5)中、
2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であり、
3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、かつR3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよい。
Figure 0006591896
上記一般式(6)中、
1は水素原子またはメチル基であり、
Rfは、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基または下記式(4)で表されるフルオロアルキル基である。
Figure 0006591896
上記式(3)中、nは1〜6の整数である。
Figure 0006591896
上記式(4)中、
aは0〜3の整数であり、bは1〜2の整数であり、n'は1〜6の整数であり、
−Cn'2n'+1基は、−(CF2CH2b−基のCH2基に結合しており、
−(CF2CF2a−基は、−(CF2CH2b−基のCF2基に結合している。
ここで、上記Rfが、上記式(4)で表されるフルオロアルキル基である場合、aが1または2であることが好ましい。
一方、上記Rfが、上記式(3)で表されるフルオロアルキル基である場合、nが4または6であることが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」という語句は、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの両方を包含する概念として用いられる。
ここで、本発明においては、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合速度および重合率の観点から、本発明の含フッ素マクロ開始剤を製造する際に用いられるRAFT剤として上記トリチオ炭酸エステル化合物(5)が用いられる。本発明で用いられるトリチオ炭酸エステル化合物(5)の好適な具体例としては、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオ炭酸エステル、4−シアノ−4−〔(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル〕ペンタン酸、シアノメチルドデシルトリチオ炭酸エステル等が挙げられる。
トリチオ炭酸エステル化合物の使用量については一概には言えないものの、一応の目安となる使用量は、下式によって求めることができる。
W(RAFT)=W(FA)×M(RAFT)/MW(FMI)
ここで、
W(RAFT):トリチオ炭酸エステルの使用量(g)
W(FA):含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの使用量(g)
M(RAFT):トリチオ炭酸エステル化合物の分子量(g/mol)
MW(FMI):含フッ素マクロ開始剤の目標分子量(g/mol)
である。
本発明における好適な態様においては、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルに対して、通常はおおよそ0.2〜15wt%のトリチオ炭酸エステル化合物(5)が用いられる。
また、本発明の含フッ素マクロ開始剤を製造する際に用いられる一般式(6)で表わされる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの好適な具体例としては、
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート、
3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロオクチルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロオクチルアクリレート、
3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−トリエイコサフルオロテトラデシルアクリレート、
3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデシルアクリレート、
3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロドデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロドデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロドデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘンエイコサフルオロテトラデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘンエイコサフルオロテトラデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15,16,16,16−ペンタエイコサフルオロヘキサデシルアクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、
3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロオクチルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロオクチルメタクリレート、
3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−トリエイコサフルオロテトラデシルメタクリレート、
3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデシルメタクリレート、
3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロドデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロドデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロドデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘンエイコサフルオロテトラデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘンエイコサフルオロテトラデシルメタクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15,16,16,16−ペンタエイコサフルオロヘキサデシルメタクリレート
が例示される。
本発明において、上記含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)は、1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、本発明においては、含フッ素マクロ開始剤を製造する際に用いられるラジカル重合開始剤としてアゾ系ラジカル重合開始剤が用いられる。本発明で用いられるアゾ系ラジカル重合開始剤としては、特に限定はないものの、好適な具体例として、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が挙げられる。
本発明における好適な態様において、アゾ系ラジカル重合開始剤はトリチオ炭酸エステル化合物(5)に対して、通常は5〜45モル%、好ましくは5〜30モル%、より好ましくは10〜20モル%用いられる。5モル%より少ないと、重合収率の低下につながる場合がある。また30モル%より多い場合、特に45モル%より多い場合、不活性な(トリチオ炭酸エステル化合物が関与しない)含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)の単独重合体が生成し易くなる傾向にある。アゾ系ラジカル重合開始剤の使用量は、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)の反応性によっても左右される。一般に、反応性が低い含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)の場合は、アゾ系ラジカル重合開始剤を高濃度で使用する。逆に反応性が高い場合は低濃度でアゾ系ラジカル重合開始剤を使用する。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)の重合は、無溶媒(塊状)下で、または適当な有機溶媒中で行うことができる。重合反応に用いられる溶媒としては、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素溶媒が好適である。含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)に対して含フッ素溶媒は、一定の重合速度および重合収率を確保する観点から、通常0〜300wt%、より好ましくは0〜200wt%用いられる。300wt%より多い場合、重合速度の低下および重合収率の低下につながる場合がある。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)の重合は、通常0〜150℃、好ましくは40〜100℃で行われる。さらに詳しくは、含フッ素アクリル酸エステルの重合は40〜80℃、含フッ素メタクリル酸エステルの重合は、60〜100℃でそれぞれ行われるのが好ましい。0℃未満では、十分な重合速度が達成されず重合収率の低下につながる場合がある。一方、150℃を越えると、望まれない連鎖移動反応が起こる場合がある。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(6)をトリチオ炭酸エステル化合物(5)の存在下、アゾ系ラジカル重合開始剤を用いて重合する際に用いられる反応容器としては、トリチオ炭酸エステル化合物(5)の分解や、重合反応の停止等、重合反応を行う上での不具合が生じない限り特に限定はないものの、硼ケイ酸ガラス製反応容器が好ましい。ここで、本発明で用いることのできる硼ケイ酸ガラス製反応容器として、一般的に市販されている硼ケイ酸ガラス製反応容器を用いても良い場合があるが、重合反応途中でトリチオ炭酸エステル化合物(5)が分解し重合反応が停止する場合があるため、安定的に高い重合収率を達成することができない場合が多い傾向にある。
以上の理由から、本発明において上記重合反応を行う際に用いられる反応容器としては硼ケイ酸強化ガラス製反応容器が推奨される。硼ケイ酸強化ガラスは硼ケイ酸ガラスを風冷強化することによって製造される。
本発明の含フッ素マクロ開始剤が、硼ケイ酸強化ガラス製の反応容器を用いることで容易かつ効率的に製造できる理由は明らかではないが、おそらく容器表面がトリチオ炭酸エステル化合物(5)に対して化学的にまたは物理的に不活性な構造を有しているためと推測される。
好ましい反応容器の具体例として、耐圧ガラス工業株式会社製Hiper Glass(登録商標)シリンダーなどが挙げられる。例えば、HPG−10、HPG−96、TEM−U1000N、TEM−V−100、TEM−V−200、TEM−V−300、TEM−V−500、TEM−4−B1−2L、TEM−4−B1−4L(何れも耐圧ガラス工業株式会社製)が挙げられる。
また、本発明において、本発明者らは、上記重合反応を行う際に用いられる反応容器として、硼ケイ酸強化ガラス製反応容器のほかに、ステンレス製反応容器も好適に用いることができることを確認している。
したがって、本発明に掛かる製造方法においては、上記重合反応を、硼ケイ酸強化ガラス製反応容器またはステンレス製反応容器中で行うことが好ましい。
本発明の含フッ素マクロ開始剤は、(A)n(B)m、(A)n(B)m(A)lまたは(A)n(B)m(C)lのような含フッ素ブロック共重合体を製造する際に好適に用いることができる。特に、従来RAFT重合ではブロック重合が困難な非フッ素(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンを含む含フッ素ブロック共重合体を製造する場合に好適に使用することができる。また、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの共重合率の高い含フッ素ブロック共重合体を製造する場合にも好適である。
本発明の含フッ素マクロ開始剤から誘導される上記含フッ素ブロック共重合体は、良好な静的撥水撥油性および動的撥水撥油性能を有し、種々の表面処理剤に応用できる。
次に実施例によって本発明を説明する。
〔GPC分析〕
カラム:Shodex KF−807L(昭和電工(株)製)×4本を使用した。
測定温度:40℃
サンプル注入量:100μl
流出速度:1ml/min
溶離液:テトラヒドロフラン
〔分子量測定〕
含フッ素マクロ開始剤の数平均分子量は1H−NMR測定により下式から求めた。
M(MI)=M(FA)×I(Ha)/I(Hb)
ここで、
M(MI):含フッ素マクロ開始剤の分子量
M(FA):含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの分子量
I(Ha):ピークHaの積分値
I(Hb):ピークHbの積分値
を表す(下記化学式参照)。
Figure 0006591896
装置:JEOL:JNM−LA300(日本電子株式会社)
溶媒:ヘキサフルオロベンゼン
ケミカルシフト:1HはTMS基準、19FはCFCl3基準
〔重合率〕
重合率=重合溶液の固形分濃度(実測値)/重合率100%を仮定したときの固形分濃度(計算値)
〔撥水撥油性能〕
スピンコーターによりブロック共重合体6wt%テトラヒドロフラン溶液をSUS304プレート(0.8*15*50mm)表面に塗布し、乾燥後DropMaster DM500(協和界面科学株式会社製)で、動的接触角を測定した。
ここで、動的接触角として、下記に示すように、水に対する接触角と、n−ヘキサデカンに対する接触角を測定した。
〔分子末端の分析〕
フーリエ変換赤外分光法(FT−IR−480Plus:日本分光製)により行った。
実施例で使用した化学品の略称を以下に示す。
AIBN:2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)〔和光純薬製〕
V−65:2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔和光純薬製〕
MTF:1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン
CDSTSP:4−シアノ−4−〔(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル〕ペンタン酸(Aldrich社製:構造式を下記に示す。)
Figure 0006591896
CPDTC:2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオ炭酸エステル(Aldrich社製:構造式を下記に示す。)
Figure 0006591896
CMDTC:シアノメチルドデシルトリチオ炭酸エステル(Aldrich社製:構造式を下記に示す。)
Figure 0006591896
FAAC4:3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルアクリレート
FAAC6:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート
FAAC10(2H):3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロドデシルアクリレート
FAMAC6:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート
(参考例1−1)
内容量50mlの硼ケイ酸ガラス製シュレンクチューブ(有限会社桐山製作所製)にマグネット攪拌子、FAAC4 1.5g、CDSTSP 60mg、V−65 7.4mg、およびMTF 1.0gを仕込んだ。液体窒素にシュレンクチューブを浸漬し内容物を凍結後、油回転式真空ポンプによりシュレンクチューブ内を5分間脱気し、次いで60℃のオイルバスにシュレンクチューブを浸漬した。重合開始から80分程経過した時点で、多量の黄色不溶物が反応容器内に析出した。16時間後シュレンクチューブを室温まで冷却後、シュレンクチューブ内を大気圧に開放した。重合溶液の固形分測定から、重合率は3%であった。
(参考例1−2)
FAAC4の代わりにFAAC6 1.5g仕込んだ以外は参考例1−1と同様に重合反応を行った。尚、参考例1−1と同様に重合開始から60分程で多量の黄色不溶物が反応容器内に析出した。重合率は2%であった。
(参考例1−3)
FAAC4の代わりにFAAC10(2H) 1.5g仕込んだ以外は参考例1−1と同様に重合反応を行った。重合開始から100分程で、多量の黄色不溶物が反応容器内に析出した。重合率は3%であった。
(参考例1−4)
CDSTSPの代わりにCPDTC 52mg仕込んだ以外は参考例1−2と同様に重合反応を行った。尚、重合開始から180分程で少量の黄色不溶物が反応容器内に析出した。重合率は3%であった。
(参考例1−5)
CDSTSPの代わりにCPDTC 52mg仕込んだ以外は参考例1−3と同様に重合反応を行った。尚、重合開始から180分程で少量の黄色不溶物が反応容器内に析出した。重合率は5%であった。
参考例1−1〜1−5の結果を表1にまとめた。
Figure 0006591896
(実施例1−8〜1−13、並びに、参考実施例1−1〜1−7および1−14)
内容量96mlのHiper Glass(登録商標)シリンダー(HPG−96:耐圧ガラス工業株式会社製)にマグネット攪拌子、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル1.5g、所定量のRAFT剤、所定量の重合開始剤、およびMTF 1.0gを仕込んだ。液体窒素にシリンダーを浸漬し内容物を凍結後、油回転式真空ポンプにより5分間脱気した。ニードルバルブを閉じた後、60℃または80℃のオイルバスにシリンダーを浸漬した。16時間後シリンダーを室温まで冷却後、シリンダー内を大気圧に開放し、含フッ素マクロ開始剤の重合溶液を得た。内容物の固形分濃度から重合率を求めた。また、重合溶液をメタノールに加えて再沈したのち減圧乾燥器内で乾燥することにより含フッ素マクロ開始剤を単離した。得られた含フッ素マクロ開始剤について、1H−NMRで分析し、数平均分子量を求めた。また、含フッ素マクロ開始剤のニトリル基含有分子末端の存在は、赤外分光法により2234〜2236cm-1のニトリル基の吸収により確認した。一方のトリチオ炭酸エステル分子末端の存在は、1H−NMRにおいて、-S-C(=S)-S-CH 2 -C11H23に帰属される3.0〜3.3ppmのピークにより確認した。
Figure 0006591896
Figure 0006591896
Figure 0006591896
参考実施例2−1)
(含フッ素マクロ開始剤の作製)
内容量96mlのHiper Glass(登録商標)シリンダー(HPG−96:耐圧ガラス工業株式会社製)にマグネット攪拌子、FAAC6 4.0g、CDSTSP 0.10g、V−65 12.3mgおよびMTF 2.6gを仕込んだ。液体窒素にシリンダーを浸漬し内容物を凍結後、油回転式真空ポンプにより5分間脱気した。ニードルバルブを閉じた後、60℃のオイルバスにシリンダーを浸漬した。16時間後、シリンダーを室温まで冷却し、シリンダー内を大気圧に開放し、含フッ素マクロ開始剤の溶液(以下「重合溶液A1」)を得た。内容物の固形分濃度から重合率は99%であった。
((FAAC6の単独重合体)−b(ブロック)−(ポリアクリル酸ステアリル)の作製)
上記シリンダー内の重合溶液A1に、アクリル酸ステアリル 1.0g、V−65 6.2mg、MTF 2.0g、およびトルエン 1.0gを加えた。液体窒素にシリンダーを浸漬し内容物を凍結後、油回転式真空ポンプにより5分間脱気した。ニードルバルブを閉じた後、60℃のオイルバスにシリンダーを16時間浸漬した。シリンダーを室温まで冷却し、シリンダー内を大気圧に開放し、重合溶液(以下「重合溶液A2」)を得た。内容物の固形分濃度から重合率は98%であった。
得られた重合溶液A2をメタノールに滴下し、共重合体を再沈した。次いで固形物を80℃、5時間減圧乾燥し揮発成分を除去した。得られた共重合物をGPCにより分析したところ、単峰性のピークが観察された。この結果から、共重合物は(FAAC6の単独重合体)−b(ブロック)−(ポリアクリル酸ステアリル)であることが確認された(図1参照)。また1H−NMR分析より、含フッ素ブロック共重合体の数平均分子量および組成を求めた(4.3ppmピーク(ポリFAAC6)積分値と4.0ppmピーク(ポリアクリル酸ステアリル)積分値の比から算出)。
(参考例2−1)
(非フッ素マクロ開始剤の作製)
内容量96mlのHiper Glass(登録商標)シリンダー(HPG−96:耐圧ガラス工業株式会社製)にマグネット攪拌子、アクリル酸ステアリル 1.0g、CDSTSP 0.10g、V−65 6.2mgおよびトルエン 1.0gを仕込んだ。液体窒素にシリンダーを浸漬し内容物を凍結後、油回転式真空ポンプにより5分間脱気した。ニードルバルブを閉じた後、60℃のオイルバスに16時間シリンダーを浸漬した。シリンダーを室温まで冷却し、シリンダー内を大気圧に開放し、含フッ素マクロ開始剤の溶液(以下「重合溶液Z1」)を得た。内容物の固形分濃度から重合率は96%であった。
((ポリアクリル酸ステアリル)−b(ブロック)−(FAAC6の単独重合体)の作製)
上記シリンダー内の重合溶液Z1に、FAAC6 4.0g、V−65 12.3mg、MTF 4.6gを加えた。液体窒素にシリンダーを浸漬し内容物を凍結後、油回転式真空ポンプにより5分間脱気した。ニードルバルブを閉じた後、60℃のオイルバスにシリンダーを16時間浸漬した。シリンダーを室温まで冷却し、シリンダー内を大気圧に開放し、重合溶液(以下「重合溶液Z2」)を得た。内容物の固形分濃度から重合率は97%であった。
得られた重合溶液Z2をメタノールに滴下し、共重合体を再沈した。次いで固形物を80℃、5時間減圧乾燥し揮発成分を除去した。得られた共重合物をGPCにより分析したところ、複数のピークが観察された。この結果から、共重合物は(FAAC6の単独重合体)−b(ブロック)−(ポリアクリル酸ステアリル)、ポリアクリル酸ステアリルおよびFAAC6の単独重合体を主成分とする混合物であることが確認された(図1参照)。
(実施例2−2)
(含フッ素マクロ開始剤の作製〉
FAAC6の代わりにFAAC10(2H)を用いた以外は、参考実施例2−1と同様に含フッ素マクロ開始剤を作製した。
重合率は96%であった。
ここで、得られた含フッ素マクロ開始剤の溶液を、以下「重合溶液B1」とする。
(FAAC10(2H)の単独重合体)−b(ブロック)−(ポリアクリル酸ステアリル)の作製
含フッ素マクロ開始剤の溶液として、上記重合溶液A1に代えて上記重合溶液B1を用いたことを除き、参考実施例2−1の(FAAC6の単独重合体)−b(ブロック〉−(ポリアクリル酸ステアリル)の作製と同様に行った。内容物の固形分濃度から重合率は96%であった。
得られた共重合物をGPCにより分析したところ、単峰性のピークが観察された。この結果から、共重合物は(FAAC10(2H)の単独重合体)−b(プロック)−(ポリアクリル酸オクタデシル)であることが確認された(図2参照)。
実施例−2、参考実施例2−1および参考例2−1の結果を表5にまとめた。
Figure 0006591896

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表され、且つ、数平均分子量が3,000〜100,000である重合体からなる含フッ素マクロ開始剤:
    Figure 0006591896
    (上記一般式(1)中、
    2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であり、
    3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、かつR3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよく、
    Qは、下記一般式(2)で表される構造単位からなる重合体セグメントである。
    Figure 0006591896
    上記一般式(2)中、
    1は水素原子またはメチル基であり、
    Rfは、記式(4)で表されるフルオロアルキル基であり、
    kは、0でない適当な整数である
    Figure 0006591896
    上記式(4)中、
    aは0〜3の整数であり、bは1〜2の整数であり、n'は1〜6の整数であり、
    −Cn'2n'+1基は、−(CF2CH2b−基のCH2基に結合しており、
    −(CF2CF2a−基は、−(CF2CH2b−基のCF2基に結合している。)。
  2. 上記一般式(2)において、
    上記Rfが、上記式(4)で表されるフルオロアルキル基であり、且つ、aが1または2である請求項1記載の含フッ素マクロ開始剤。
  3. 下記一般式(5)で表わされるトリチオ炭酸エステル化合物存在下、下記一般式(6)で表わされる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを、アゾ系ラジカル重合開始剤を用いて重合する工程
    を含み、且つ、
    当該重合が、硼ケイ酸強化ガラス製反応容器またはステンレス製反応容器中で行われる
    ことを特徴とする、請求項1記載の含フッ素マクロ開始剤の製造方法:
    Figure 0006591896
    (上記一般式(5)中、
    2は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であり、
    3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1から3のアルキル基であり、かつR3およびR4どちらか一方にひとつのカルボキシル基を含んでいてもよい。)
    Figure 0006591896
    (上記一般式(6)中、
    1は水素原子またはメチル基であり、
    Rfは、記式(4)で表されるフルオロアルキル基である
    Figure 0006591896
    上記式(4)中、
    aは0〜3の整数であり、bは1〜2の整数であり、n'は1〜6の整数であり、
    −Cn'2n'+1基は、−(CF2CH2b−基のCH2基に結合しており、
    −(CF2CF2a−基は、−(CF2CH2b−基のCF2基に結合している。)。
  4. 上記一般式(2)において、
    上記Rfが、上記式(4)で表されるフルオロアルキル基であり、且つ、aが1または2である請求項記載の製造方法。
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