JP5321197B2 - 含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、それを用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、それを用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、撥水撥油性を有する含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体及びその製造方法に関する。また、当該ブロック共重合体を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
フッ素化アルキル基を有する化合物は、撥水性と撥油性とを兼ね備えており、物品の表面にコーティングすることで撥水性や撥油性を付与することができる。そのため、フッ素化アルキル基を有する化合物は、液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)やプラズマディスプレイの最表面のフィルム等で防汚性を付与する目的で利用されている。
また、フッ素化アルキル基を有する化合物は、フッ素化アルキル基が低表面張力の性質を有することから、フッ素化アルキル基を有さない組成物に対して、表面改質剤として少量添加することによって、組成物をコーティングする過程においてフッ素化アルキル基が表面に移行し、撥水撥油性を発揮させることができる。
特に、LCDの偏光板用ハードコートでは、防汚性が持続する表面改質剤が求められおり、ラジカル重合性を有するフッ素系表面改質剤を添加することによって、ハードコートの塗膜に当該表面改質剤を共有結合で固定化し、飛躍的に持続性が向上することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、最近では、LCDのカラーフィルターの製造において、従来のフォトリソグラフィー法と比較して、より低コスト化が図れる製造方法としてインクジェット法が開発されている。インクジェット法では、まず、基板上にブラックマトリックス(以下、「BM」という。)をフォトリソグラフィー法により形成した後、BMによって形成された凹部の枠内からインクが溢れないようにインクジェット法でインクを注入する。この際、BMの上面(基板と平行な面)にインクが付着しないように、すなわち枠内からインクが溢れないようにするため、BMにインクをはじく撥液性を付与することが必要となっている。
この撥液性を付与する方法として、リソグラフィー法によってBMを形成後に、プラズマ法によりフッ素系ガスをBM表面に反応させる方法によって、撥液性を付与する方法がある。しかし、この方法では、撥液性を必要とするBMの上面の他に、BMの側面までも撥液化されてしまい、インクがBM壁面に付着できない問題が生じる。このようになると、BM壁面付近のインク層の厚みが、枠の中心部と比較して極端に薄くなってしまい、枠内のインク厚さの差によって色ムラが生じる問題があった。
そこで、この問題を解決する方法として、ネガ型リソグラフィー法によるBM形成の前段階において、BMレジスト液にラジカル重合性フッ素系表面改質剤を添加することによって、フッ素系表面改質剤の表面偏析性の働きにより、まず硬化前のBM上面に撥液性を持たせ、紫外線照射によるラジカル重合反応によって撥液剤を固定化させ、次いで現像液でエッチング処理することによって、壁面には撥液性を持たないBMを形成させることが可能となる。その結果、BM壁面にもインクが付着できるため、BM壁面付近のインク層の厚みも中心部と同等にすることが可能となり、BM上面は撥液化されているため、インク溢れも防止することができる。
このようなラジカル重合性フッ素系表面改質剤としては、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素原子数20以下のアルキル基を有する重合単位及びエチレン性二重結合を有する重合単位を有する重合体からなる撥インク剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、一般にフッ素化アルキル基の炭素原子数が多いほど撥水性及び撥油性が高いとされており、この撥インク剤は、炭素原子数8以上のフッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリルモノマーを原料として用いたものであれば、十分な撥液性を有するが、炭素原子数6以下のフッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリルモノマーを用いた場合、撥液性が十分ではなかった。
ここで、近年、炭素原子数8のパーフルオロアルキル基を有する化合物は分解することにより、環境及び生体への蓄積性が高いパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)又はパーフルオロオクタン酸(PFOA)を生成し得ることが明らかになった。また、8よりもさらに炭素原子数の多いパーフルオロアルキル基を有する化合物は、さらに環境及び生体への蓄積性が高い化合物を生成し得ることが明らかになった。そのため、市場では、構造上これらを生成し得ない炭素原子数6以下のフッ素化アルキル基を有する化合物のみを用いた製品が求められており、フッ素化アルキル基の炭素原子数ができるだけ少ない化合物が求められている。
しかしながら、上記のようにフッ素化アルキル基の炭素原子数が少ないと十分な撥水性及び撥油性を発揮することができず、炭素原子数6以下のフッ素化アルキル基を有するラジカル重合性フッ素系表面改質剤では、炭素原子数8以上のフッ素化アルキル基を有するラジカル重合性フッ素系表面改質剤と同等以上の撥水性及び撥油性を発揮するものはなかった。
特開2007−246696号公報 国際公開WO2004/042474号公報
本発明が解決しようとする課題は、炭素原子数6以下のフッ素化アルキル基を有する表面改質剤であっても、炭素原子数8以上のフッ素化アルキル基を有する表面改質剤と同等以上の表面改質剤として用いることができ、また、汚れ付着後にその汚れを拭き取った後でも、汚れ拭き取り前と同様の高い防汚性及び撥液性を発揮する表面改質剤として用いることができる含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体及びその製造方法を提供することである。また、この含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、炭素原子数6以下のフッ素化アルキル基を有するラジカル重合性不飽和単量体と、反応性基を有するラジカル重合性不飽和単量体を必須の単量体成分として、リビングラジカル重合により共重合させて得られるブロック共重合体が、防汚性、撥液性に優れ、汚れ拭き取り後でも防汚性及び撥液性の低下が少ない表面改質剤となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基を有するラジカル重合性不飽和単量体(a1)と、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハロゲン化物基、酸無水物基から選ばれる反応性基を有するラジカル重合性不飽和単量体(a2)とを必須の単量体成分として、リビングラジカル重合により共重合させて得られるブロック共重合体(A)が有する反応性基の一部又は全部に対し、当該反応性基と反応して結合を形成し、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハロゲン化物基、酸無水物基から選ばれる官能基及びラジカル重合性不飽和基を有する化合物(B)を反応することによって得られることを特徴とする含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を提供するものである。
また、本発明は、上記含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の製造方法を提供し、さらに、当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物を提供するものである。
本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体は、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)等の環境及び生体への蓄積性が高い化合物を生成し得る炭素原子数が8以上のフッ素化アルキル基を有していないため、環境及び生体への影響が低く、安全な製品である。また、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いることで、あらゆる物品に、表面改質剤として撥水性及び撥油性を付与することができ、汚れ拭き取り後でも防汚性及び撥液性の低下が少なく安定性のある撥水性及び撥油性を付与することができる。
また、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、防汚性が要求される保護フィルムや、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられる反射防止フィルム、防眩フィルムなどに有用である。
さらに、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムに代表される液晶ディスプレイの偏光板用保護フィルムのコート材;液晶ディスプレイのカラーフィルターに用いられるBM用の塗料、インク又はブラックレジスト;タッチパネル、携帯電話の筐体、携帯電話の液晶ディスプレイなどのハードコート材;光ファイバクラッド材、光学レンズ、光導波路などの光学部材などに幅広く利用することが可能である。
特に、インクジェット法で製造されるLCD用カラーフィルターのBMを形成する材料であるネガ型レジスト液に、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を表面改質剤として配合することで、含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の表面偏析性の働きにより、塗膜表面、すなわちBM上面に含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を偏在させることができ、BM上面にのみ撥液性を付与し、BM壁面には撥液性を付与せずインクが良好に付着できる面とすることができるため、インク溢れを防止し、かつ色ムラがない均一な画素を有するLCD用カラーフィルターがインクジェット法により製造することができる。
図1は実施例1で製造した含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体のIRスペクトルである。 図2は実施例1で製造した含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体のH−NMRスペクトルである。
本発明に用いるブロック共重合体(A)は、炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基を有するラジカル重合性不飽和単量体(a1)と、反応性基を有するラジカル重合性不飽和単量体(a2)とを必須の単量体成分として共重合させたものである。ここで、フッ素化アルキル基とは、フッ素原子1〜3個が結合している炭素原子1個又は2個以上が連結された官能基のことである。また、フッ素化アルキル基中の炭素原子が不飽和結合であるものも本発明でいうフッ素化アルキル基に含まれる。さらに、フッ素化アルキル基中の炭素原子が2価のエーテル型酸素原子によって連結されたものも本発明でいうフッ素化アルキル基に含まれる。
前記単量体(a1)としては、例えば、下記一般式(1)で表される単量体が挙げられる。
Figure 0005321197
上記一般式(1)で表される単量体中でも、フッ素化アルキル基の炭素原子数が4〜6のものが撥液性の優れる点で好ましい。好ましい単量体(a1)のより具体的な例として、下記の単量体(a1−1)〜(a1−15)が挙げられる。
Figure 0005321197
上記に例示した単量体(a1)の中でも、メタクリル基含有の単量体は、リビングラジカル重合性が優れる点で好ましい。さらに、その中でも、単量体(a1−1)〜(a1−4)が特に好ましい。また、単量体(a1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。なお、上記に例示した単量体(a1)の中で、単量体(a1−7)や(a1−14)のように水酸基等の反応性基を有する単量体を用いる場合は、後述する単量体(a2)を兼ねることができ、この場合は、単量体(a2)を用いずに本発明の重合体を得ることもできる。
前記単量体(a2)の反応性基としては、例えば、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハロゲン化物、酸無水物等が挙げられる。前記単量体(a2)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロルオロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、末端水酸基含有ラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する単量体;グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸クロライド等のカルボン酸ハロゲン化物である単量体;無水マレイン酸等の酸無水物である単量体などが挙げられる。なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、メタクリルとアクリルの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルとアクリロイルの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいう。
上記に例示した単量体(a2)の中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸は、得られた共重合体にラジカル重合性基を効率よく導入できること、および、得られた樹脂の硬化後の耐湿性、耐薬品性に優れることで好ましい。その中でも、メタクリル基含有の単量体は、リビングラジカル重合性が優れる点で特に好ましい。また、単量体(a2)は、単独で用いる以外に反応性に支障の無い組み合わせであれば2種以上併用することもできる。
また、前記ブロック共重合体(A)の原料となる単量体には、前記単量体(a1)及び前記単量体(a2)以外に、これらの単量体と共重合し得るその他の単量体(a3)を用いることができる。前記単量体(a3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート等のメトキシシリル基またはエトキシシリル基含有(メタ)アクリレート単量体、ポリジメチルシロキサン鎖等のシリコーン鎖含有(メタ)アクリレート単量体などが挙げられる。これらの単量体(a3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
ここで、前記ブロック共重合体(A)の製造方法としては、上記の単量体(a1)〜(a3)を、リビングラジカル重合させる方法が挙げられる。一般にリビングラジカル重合においては、活性重合末端が原子または原子団により保護されたドーマント種が可逆的にラジカルを発生させてモノマーと反応することにより、極めて分子量分布の狭い重合体を得ることができる。このようなリビングラジカル重合の例としては、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加−開裂型ラジカル重合(RAFT)、ニトロキシドを介するラジカル重合(NMP)、有機テルルを用いるラジカル重合(TERP)等が挙げられる。このリビングラジカル重合によって、前記ブロック共重合体(A)を製造すると、分子量分布が非常に狭い共重合体が得られるため好ましい。これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さなどから前記ATRPが好ましい。ATRPは、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属化合物と配位子からなる金属錯体を触媒として重合される。
前記ATRPで使用する重合開始剤には、有機ハロゲン化化合物を用いることができる。具体的には、1−フェニルエチルクロライドおよび1−フェニルエチルブロマイド、クロロホルム、四塩化炭素、2−クロロプロピオニトリル、α,α’−ジクロロキシレン、α,α’−ジブロモキシレン、ヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、炭素原子数1〜6の2−ハロゲン化カルボン酸(例えば2−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−クロロイソ酪酸、2−ブロモイソ酪酸など)の炭素原子数1〜6のアルキルエステル等が挙げられる。また、炭素原子数1〜6の2−ハロゲン化カルボン酸の炭素原子数1〜6のアルキルエステルのより具体的な例としては、例えば、2−クロロプロピオン酸メチル、2−クロロプロピオン酸エチル、2−ブロモプロピオン酸メチル、2−ブロモイソ酪酸エチル等が挙げられる。
前記ATRPで使用する遷移金属化合物は、Mn+で表されるものである。遷移金属であるMn+は、Cu、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Ru2+、Ru3+、Cr2+、Cr3+、Mo、Mo、Mo2+、Mo3+、W2+、W3+、Rh3+、Rh4+、Co、Co2+、Re2+、Re3+、Ni、Ni、Mn3+、Mn4+、V2+、V3+、Zn、Zn2+、Au、Au2+、Ag及びAg2+からなる群から選択することができる。また、Xは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、(S01/2、(P01/3、(HP01/2、(HP0)、トリフラート、ヘキサフルオロホスフェート、メタンスルホネート、アリールスルホネート(好ましくはベンゼンスルホネート又はトルエンスルホネート)、SeR、CNおよびRCOOからなる群から選択することができる。ここで、Rは、アリール、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜20(好ましくは炭素原子数1〜10)のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ハロゲンで1〜5回(好適にはフッ素もしくは塩素で1〜3回)置換されていてもよい直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基(好ましくはメチル基)を表す。さらに、nは、金属上の形式電荷を表し、0〜7の整数である。
前記遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましいものとして、7、8、9、10、11族の遷移金属錯体が、さらに好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。
前記の遷移金属と配位結合可能な配位子を有する化合物としては、遷移金属とσ結合を介して配位できる1つ以上の窒素原子、酸素原子、リン原子又は硫黄原子を含む配位子を有する化合物、遷移金属とπ結合を介して配位できる2つ以上の炭素原子を含む配位子を有する化合物、遷移金属とμ結合又はη結合を介して配位できる配位子を有する化合物が挙げられる。
前記配位子を有する化合物の具体例としては、例えば、中心金属が銅の場合は2,2’−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子との錯体が挙げられる。また2価のルテニウム錯体としては、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロベンゼンルテニウム、ジクロロp−シメンルテニウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)ルテニウム、シス−ジクロロビス(2,2’−ビピリジン)ルテニウム、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。さらに2価の鉄錯体としては、ビストリフェニルホスフィン錯体、トリアザシクロノナン錯体等が挙げられる。
また、前記ブロック共重合体(A)の製造では、溶媒を使用することが好ましい。使用する溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。また、上記の溶媒は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記ブロック共重合体(A)製造の際の重合温度は、室温から100℃の範囲が好ましい。
前記ブロック共重合体(A)は、前記単量体(a1)又は前記単量体(a2)を単独で、重合開始剤、遷移金属化合物、該遷移金属と配位結合可能な配位子を有する化合物及び溶媒の存在下でリビングラジカル重合させた後、先にリビングラジカル重合した単量体とは別の単量体を加えて、さらにリビングラジカル重合させることで得ることができる。
なお、上記のリビングラジカル重合において、先にリビングラジカル重合させる単量体を前記単量体(a2)とすると、分子量分布の制御性が高いため好ましい。
また、前記ブロック共重合体(A)において、ブロック共重合体(A)の全体質量に対する前記単量体(a1)の質量比率は、撥液性と相溶性のバランスの点で5〜80質量%が好ましく、25〜80質量%が特に好ましい。さらに、ブロック共重合体(A)の全体質量に対する前記単量体(a2)の質量比率は、撥液性と耐久性のバランスの点で10〜95質量%が好ましく、20〜75質量%が特に好ましい。
本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を得るためには、上記の方法で製造されたブロック共重合体(A)が有する反応性基の一部又は全部に、当該反応性基と反応して結合を形成する官能基及びラジカル重合性不飽和基を有する化合物(B)を用いて、ブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基を導入する。化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基は、ブロック共重合体(A)が有する反応性基に応じて選択できる。
例えば、ブロック共重合体(A)の反応性基が水酸基の場合は、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基は、イソシアネート基又はカルボン酸ハロゲン化物が好ましく、脱離物の除去が不要である理由でイソシアネート基がより好ましい。また、ブロック共重合体(A)の反応性基が水酸基の場合、まず、ブロック共重合体(A)の水酸基に酸無水物を反応させることでカルボキシル基を生成させ、そのカルボキシル基に対し、エポキシ基とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を化合物(B)として、さらに反応させることによってブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基を導入することも可能である。
ブロック共重合体(A)の反応性基がイソシアネート基の場合は、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基は、水酸基が好ましい。
ブロック共重合体(A)の反応性基がエポキシ基の場合は、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基は、カルボキシル基が好ましい。さらに、化合物(B)を反応した後に生成した2級水酸基に、イソシアネート基又はカルボン酸ハロゲン化物とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を反応させることによってブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基をさらに導入することも可能である。また、ブロック共重合体(A)の反応性基がエポキシ基の場合、ラジカル重合性不飽和基を有しない化合物であってもカルボキシル基等のエポキシ基への付加反応性を有する官能基を有する化合物であれば、ブロック共重合体(A)のエポキシ基に反応させることで2級水酸基を生成させ、その水酸基に対し、イソシアネート基又はカルボン酸ハロゲン化物とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を化合物(B)として、さらに反応させることによってブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基を導入することも可能である。
ブロック共重合体(A)の反応性基がカルボキシル基の場合は、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基は、エポキシ基が好ましい。さらに、反応後に生成する2級水酸基にイソシアネート基又はカルボン酸ハロゲン化物とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を化合物(B)として、反応させることによってブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基をさらに導入することも可能である。また、ブロック共重合体(A)の反応性基がカルボキシル基の場合、ラジカル重合性不飽和基を有しない化合物であってもエポキシ基を有する化合物であれば、ブロック共重合体(A)のカルボキシル基に反応させることで2級水酸基を生成させ、その水酸基に対し、イソシアネート基又はカルボン酸ハロゲン化物とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を化合物(B)として、さらに反応させることによって、ブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基を導入することも可能である。
ブロック共重合体(A)の反応性基が酸無水物の場合は、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基は、水酸基が好ましい。さらに、反応後に生成するカルボキシル基に対し、エポキシ基とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物をさらに反応させることがより好ましい。また、ブロック共重合体(A)の反応性基が酸無水物の場合、ラジカル重合性不飽和基を有しない化合物であっても水酸基を有する化合物であれば、酸無水物に反応させることでカルボキシル基を生成させ、そのカルボキシル基に対し、エポキシ基とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を化合物(B)として、さらに反応させることによってブロック共重合体(A)にラジカル重合性不飽和基を導入することも可能である。




前記化合物(B)は、上記の単量体(a2)と同様のものを用いることができる。また、組み合わせとしては、ブロック共重合体(A)の反応性基が水酸基であるもの(原料の単量体(a2)として水酸基を有するものを使用したもの)と、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基がイソシアネート基であるものとの組み合わせが好ましい。特に、単量体(a2)に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用いて製造したブロック共重合体(A)に、化合物(B)として2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させることが好ましい。
また、化合物(B)の使用量は、前記ブロック共重合体(A)の原料となった単量体(a2)1モルを基準として、0.5〜1.1とすることが好ましく、ラジカル重合性基を多く導入できる点及び未反応の(B)を残留させない点で0.9〜1.0モルとすることが特に好ましい。
ブロック共重合体(A)の反応性基が水酸基であり、化合物(B)が有するラジカル重合性不飽和基以外の官能基がイソシアネート基である場合、これらの反応は、反応は無溶媒でも、溶媒を使用しても可能であるが溶媒を使用した方が反応液の流動性が良好となる点で好ましい。溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの中でも、エステル系溶剤;ケトン系溶剤;エーテル系溶媒が好ましい。
また、ブロック共重合体(A)と前記化合物(B)との反応を促進させるため、ウレタン化触媒の存在下で反応させることが好ましい。ウレタン化触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン等のホスフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクタン酸錫等の有機錫化合物;オクタン酸亜鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。また、有機錫化合物とアミン類を併用すると、ウレタン化反応が円滑に進行するため好ましい。
本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ともに3,000以上であることが好ましく、5,000〜100,000がより好ましく、10,000〜50、000が特に好ましい。また、含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の分散度(Mw/Mn)は1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の数平均分子量等がこの範囲であれば、撥水性及び撥油性が特に優れたものとなる。なお、これらの数平均分子量等は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)で測定したもので、測定条件については、実施例に記載する。
また、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体中のフッ素含有率は、2質量%以上であることが好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体中のフッ素含有率がこの範囲であれば、撥液性が特に優れたものとなり、汚れ拭き取り後の防汚性の低下も抑制できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上記の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物である。含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の配合量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中の不揮発分100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましい。特に、被添加される樹脂組成物本来の塗膜硬度などの物性を損なわず、かつ効率的に塗膜表面を改質できることから、0.05〜3質量部であることが好ましい。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の主成分としては、重合性モノマー(C)、重合性樹脂(D)が挙げられる。前記重合性モノマー(C)のうち単官能モノマーとしては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチレンジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記重合性モノマー(C)のうち多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリエチレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリエピクロロヒドリン変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラエチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジエチレンオキシド変性ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレンオキサイド変性ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサキス(メタクリロイルオキシエチル)シクロトリホスファゼン等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記重合性樹脂(D)としては、エポキシ基を複数有する化合物に(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート、脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させたウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性樹脂(D)は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させたものが挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いる脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いる芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
一方、ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いる水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチル−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基を有するモノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1分子中に1つの水酸基と3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、この化合物の水酸基をε−カプロラクトンで変性した多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記した脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応は、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ウレタン化触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン等のホスフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクタン酸錫等の有機錫化合物;オクタン酸亜鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。
これらのウレタン(メタ)アクリレート樹脂の中でも、特に脂肪族ポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応によって得られるものが、硬化塗膜の透明性に優れ、硬化性に優れる点から好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射すると硬化する組成物をいう。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線をいう。この活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤(E)を添加する。また、必要であればさらに光増感剤を添加する。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特にこれらを添加する必要はない。
前記光重合開始剤(E)としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤(E)は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン類、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.01〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜10質量部である。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、用途、特性等の目的に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、粘度や屈折率の調整、あるいは、塗膜の色調の調整やその他の塗料性状や塗膜物性の調整を目的に各種の配合材料として、例えば、各種有機溶剤、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂等の各種樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、カーボン、酸化チタン、アルミナ、銅、シリカ微粒子等の各種の有機又は無機粒子、重合開始剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、艶調整剤、離型剤、相溶化剤、導電調整剤、顔料、染料、分散剤、分散安定剤、シリコーン系、炭化水素系界面活性剤等を併用することができる。
上記の配合成分中の有機溶剤は、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を単独で用いる場合、当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を配合して活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として用いる場合ともに、基材への塗工適性を付与するため、粘度調整用の希釈溶剤として用いることが有用である。希釈溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をBMレジスト液として用いる場合は、黒色とするために着色剤を配合する。この着色剤としては、黒色であれば特に限定されるものではないが、カーボンブラック、金属酸化物、2種以上の金属酸化物からなる複合金属化合物等の顔料が好ましい。また、赤、青、緑、紫、黄、シアン、マゼンタの色相を有する顔料から選ばれる2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせでも構わない。
前記カーボンブラックとしては、例えば、ランプブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。前記金属酸化物としては、チタンの酸化又は二酸化チタンの還元により得られるチタンブラックが挙げられる。通常、チタンブラックは、Ti2m−1(mは1以上の数)で表される。また、金属酸化物として、銅、鉄、クロム、マンガン、コバルト等の金属酸化物も挙げられる。さらに、2種以上の金属酸化物からなる複合金属化合物としては、例えば、銅−クロムの酸化物、銅−クロム−マンガンの酸化物、銅−鉄−マンガンの酸化物又はコバルト−鉄−マンガンの酸化物等が挙げられる。
一方、有機顔料の例としては、赤の色相を有する顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ピロロ・ピロール系顔料、アントラキノン系顔料等が挙げられ、青の色相を有する顔料としては、フタロシアニン系顔料、インダンスレン系顔料等が挙げられ、緑の色相を有する顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料等が挙げられ、紫の色相を有する顔料としては、ジオキサジンバイオレット、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、インダンスレンブリリアントバイオレット等が挙げられ、黄の色相を有する色相を有する顔料としては、テトラクロロイソインドリノン系顔料、ハンザイエロー系顔料、ベンジジンイエロー系顔料、アゾ系顔料等が挙げられ、シアンの色相を有する顔料としては無金属フタロシアニン、メロシアニン等が挙げられ、マゼンタの色相を有する顔料としては、ジメチルキナクリドン、チオインジゴ等が挙げられる。
また、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体は、重合性基を有するため、前記光重合開始剤(E)、有機溶剤等を適宜配合して、単独で活性エネルギー線硬化型樹脂として用いることもできる。
上記の本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、あるいは当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布する基材としては、例えば、プラスチック基材;ガラス等のセラミック基材;鉄、アルミニウム等の金属基材等が挙げられ、特にプラスチック基材に有用である。プラスチック基材の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂、変性ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂からなる基材を2種以上貼り合わせたものであってもよい。これらのプラスチック基材は、フィルム状であってもシート状であってもよい。
本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、あるいは当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、かけ渡しコート、ディップコート、スピンナーコート、ホイーラーコート、刷毛塗り、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート等が挙げられる。また、オフセット印刷、活版印刷等の印刷方式でもよい。これらの中でも、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、ワイヤーバーコート、フローコートは、より厚みが一定な塗膜が得られるため好ましい。
本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、あるいは当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、光、電子線、放射線等の活性エネルギー線が挙げられる。具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、または走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
これらの中でも特に活性エネルギー線が紫外線であることが好ましく、重合効率化の点で窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射することがより好ましい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、活性エネルギー線を照射して硬化した後、熱処理を行ってもよい。
本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、あるいは当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化塗膜を有する物品としては、例えば、物品を汚染、傷から守る保護フィルム;液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられる反射防止フィルム、防眩フィルムなどが挙げられる。
また、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムに代表される液晶ディスプレイの偏光板用保護フィルム、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、あるいは当該含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をブラックマトリクスに用いた液晶ディスプレイのカラーフィルター、タッチパネル、携帯電話の筐体、携帯電話の液晶ディスプレイ、光ファイバクラッド材、光学レンズ、光導波路なども挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。なお、含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体中のフッ素含有率は、用いた原料の合計量に対するフッ素原子の質量比率から算出したものである。
(実施例1)
窒素置換した反応容器に、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という。)117質量部、2−プロパノール50質量部、2,2’−ビピリジル4.69質量部、塩化第一銅1.49質量部を仕込み、室温で30分撹拌した。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」という。)78.1質量部、2−ブロモイソ酪酸エチル2.93質量部を加え、窒素気流下、室温で16時間反応させた。次いで、MEK45.8質量部、2−プロパノール19.5質量部、下式で表される2−(ノナフルオロブチル)エチルメタクリレート(以下、「NFMA」という。)40質量部を加え、60℃に昇温して8時間反応させた。さらに、MEK91.6質量部、2−プロパノール39質量部、NFMA80質量部を加え26時間反応させた。この反応混合物をメタノールに溶かし、水/メタノールで再沈殿精製してブロック重合体を得た。このブロック重合体60質量部をMEK80質量部に溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ溶液(0.2質量%のMEK溶液)10質量部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部を加えて60℃に昇温した。液中に乾燥空気を導入しながら、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、「AOEI」という。)の50質量%MEK溶液44.1質量部を滴下し、1時間反応し、さらに80℃で3時間反応させ、フッ素含有率20質量%のブロック共重合体である含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量16,413、数平均分子量14,443、分散度(Mw/Mn)1.14であった。さらに、得られた重合体溶液にMEKを加えて、該フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を20質量%含む溶液を得た。
Figure 0005321197
(実施例2)
窒素置換した反応容器に、メタノール160質量部、2,2’−ビピリジル4.69質量部、塩化第一銅1.49質量部を仕込み、室温で30分撹拌した。その後、HEMA78.1質量部、2−ブロモイソ酪酸エチル2.93質量部を加え、窒素気流下、室温で14時間反応させた。次いで、メタノール78質量部、下式で表される2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(以下、「TFMA」という。)52質量部を加え、60℃に昇温して11時間反応させた。この反応混合物をメタノールに溶かし、水/メタノールで再沈殿精製してブロック重合体を得た。このブロック重合体40質量部をMEK54質量部に溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ溶液(0.2質量%のMEK溶液)8質量部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部を加えて60℃に昇温した。液中に乾燥空気を導入しながら、AOEIの50質量%MEK溶液45質量部を滴下し、1時間反応し、さらに80℃で3時間反応させ、フッ素含有率14質量%のブロック共重合体である含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量13,548、数平均分子量12,151、分散度(Mw/Mn)1.11であった。さらに、得られた重合体溶液にMEKを加えて、該フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を20質量%含む溶液を得た。
Figure 0005321197
(実施例3)
窒素置換した反応容器に、MEK117質量部、2−プロパノール50質量部、2,2’−ビピリジル4.69質量部、塩化第一銅1.49質量部を仕込み、室温で30分撹拌した。その後、HEMA78.1質量部、2−ブロモイソ酪酸エチル2.93質量部を加え、窒素気流下、室温で16時間反応させた。次いで、MEK45.8質量部、2−プロパノール19.5質量部、NFMA40質量部を加え、60℃に昇温して8時間反応させた。さらに、MEK91.6質量部、2−プロパノール39質量部、NFMA80質量部を加え26時間反応させた。この反応混合物をメタノールに溶かし、水/メタノールで再沈殿精製してブロック重合体を得た。このブロック重合体50質量部をMEK65質量部に溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ溶液(0.2質量%のMEK溶液)8.5質量部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部を加えて60℃に昇温した。液中に乾燥空気を導入しながら、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、「MOEI」という。)の50質量%MEK溶液40.6質量部を滴下し、1時間反応し、さらに80℃で3時間反応させ、フッ素含有率19質量%のブロック共重合体である含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量15,932、数平均分子量14,366、分散度(Mw/Mn)1.11であった。さらに、得られた重合体溶液にMEKを加えて、該フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を20質量%含む溶液を得た。
(比較例1)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。)58.3質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら90℃に昇温した。次いで、NFMA38.0質量部及びHEMA29.7質量部をMIBK39.8質量部に溶解した単量体溶液と、ラジカル重合開始剤(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)4.1質量部をMIBK4.1質量部に溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を90℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃で10時間攪拌し、ランダム共重合体溶液を得た。
上記で得られたランダム共重合体溶液に、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部、ウレタン化触媒(オクタン酸スズ)0.03部を加え、空気気流下で60℃を保ちながらAOEI32.3質量部を1時間で滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌した後、80℃に昇温して4時間攪拌した。なお、反応の終了は、反応物のIRスペクトル測定によりイソシアネート基の吸収が消失したことで確認した。次いで、MIBKで希釈して、フッ素含有率20質量%の含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体を20質量%含有するMIBK溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量11,701、数平均分子量5,735、分散度(Mw/Mn)2.04であった。
(比較例2)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、MIBK50.7質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら90℃に昇温した。次いで、NFMA25.0質量部及びHEMA36.0質量部をMIBK34.4質量部に溶解した単量体溶液と、ラジカル重合開始剤(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)3.7質量部をMIBK3.7質量部に溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を90℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃で10時間攪拌し、ランダム共重合体溶液を得た。
上記で得られたランダム共重合体溶液に、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部、ウレタン化触媒(オクタン酸スズ)0.03部を加え、空気気流下で60℃を保ちながらAOEI39.0質量部を1時間で滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌した後、80℃に昇温して4時間攪拌した。なお、反応の終了は、反応物のIRスペクトル測定によりイソシアネート基の吸収が消失したことで確認した。次いで、MIBKで希釈して、フッ素含有率13質量%の含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体を20質量%含有するMIBK溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量12,966、数平均分子量5,854、分散度(Mw/Mn)2.21であった。
(比較例3)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、MIBK55.0質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら90℃に昇温した。次いで、TFMA35.0質量部及びHEMA31.2質量部をMIBK37.3質量部に溶解した単量体溶液と、ラジカル重合開始剤(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)4.0質量部をMIBK4.0質量部に溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を90℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃で10時間攪拌し、ランダム共重合体溶液を得た。
上記で得られたランダム共重合体溶液に、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部、ウレタン化触媒(オクタン酸スズ)0.03部を加え、空気気流下で60℃を保ちながらAOEI33.8質量部を1時間で滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌した後、80℃に昇温して4時間攪拌した。なお、反応の終了は、反応物のIRスペクトル測定によりイソシアネート基の吸収が消失したことで確認した。次いで、MIBKで希釈して、フッ素含有率20質量%の含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体を20質量%含有するMIBK溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量14,279、数平均分子量6,124、分散度(Mw/Mn)2.33であった。
(比較例4)
窒素置換した反応容器に、MEK130質量部、2,2’−ビピリジル2.72質量部、塩化第一銅0.86質量部を仕込み、室温で30分撹拌した。その後、HEMA54質量部、TFMA87.6質量部、2−ブロモイソ酪酸エチル1.66質量部を加え、窒素気流下、60℃で29時間反応させた。この反応混合物をメタノールに溶かし、水/メタノールで再沈殿精製してランダム共重合体を得た。このランダム共重合体50質量部をMEK66質量部に溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ溶液(0.2質量%のMEK溶液)8.9質量部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部を加えて60℃に昇温した。液中に乾燥空気を導入しながら、AOEIの50質量%MEK溶液43.4質量部を滴下し、1時間反応し、さらに80℃で3時間反応させ、フッ素含有率24質量%の含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量16,034、数平均分子量14,696、分散度(Mw/Mn)1.09であった。さらに、得られた重合体溶液にMEKを加えて、該フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体を20質量%含む溶液を得た。
(比較例5)
窒素置換した反応容器に、THF142質量部、2,2’−ビピリジル2.72質量部、塩化第一銅0.86質量部を仕込み、室温で30分撹拌した。その後、HEMA45質量部、TFMA94質量部、2−ブロモイソ酪酸エチル1.62質量部を加え、窒素気流下、60℃で27時間反応させた。この反応混合物をメタノールに溶かし、水/メタノールで再沈殿精製してランダム共重合体を得た。このランダム共重合体50質量部をMEK66質量部に溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ溶液(0.2質量%のMEK溶液)8.8質量部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部を加えて60℃に昇温した。液中に乾燥空気を導入しながら、AOEIの50質量%MEK溶液42.8質量部を滴下し、1時間反応し、さらに80℃で3時間反応させ、フッ素含有率29質量%の含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量16,292、数平均分子量14,339、分散度(Mw/Mn)1.14であった。さらに、得られた重合体溶液にMEKを加えて、該フッ素ラジカル重合性共重合体を20質量%含む溶液を得た。
(比較例6)
窒素置換した反応容器に、MEK137質量部、2,2’−ビピリジル2.72質量部、塩化第一銅0.86質量部を仕込み、室温で30分撹拌した。その後、HEMA67.4質量部、TFMA75.1質量部、2−ブロモイソ酪酸エチル1.63質量部を加え、窒素気流下、60℃で29時間反応させた。この反応混合物をメタノールに溶かし、水/メタノールで再沈殿精製してランダム共重合体を得た。このランダム共重合体50質量部をMEK66質量部に溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ溶液(0.2質量%のMEK溶液)9.4質量部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)0.1質量部を加えて60℃に昇温した。液中に乾燥空気を導入しながら、AOEIの50質量%MEK溶液51.8質量部を滴下し、1時間反応し、さらに80℃で3時間反応させ、フッ素含有率19質量%の含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の溶液を得た。この含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量21,459、数平均分子量17,469、分散度(Mw/Mn)1.23であった。さらに、得られた重合体溶液にMEKを加えて、該フッ素ラジカル重合性共重合体を20質量%含む溶液を得た。
[数平均分子量、重量平均分子量及び分散度の測定]
本発明において、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分散度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、下記の条件により測定した。なお、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン換算の値である。
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器: ELSD(オルテック製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(標準試料として使用したポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)。
[含フッ素ラジカル重合性共重合体を含有する紫外線硬化型樹脂組成物の調製]
5官能の無黄変型ウレタンアクリレート50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、酢酸ブチル25質量部、光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製「イルガキュア184」;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5質量部、トルエン54質量部、2−プロパノール28質量部、酢酸エチル25質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル28質量部を均一に混合して、ベースとなる紫外線硬化型樹脂組成物を得た。次いで、このベースとなる紫外線硬化型塗料組成物265質量部に対して、実施例1〜3及び比較例1〜6で得られた含フッ素ラジカル重合性共重合体を20質量%含有する溶液5質量部を加えて均一に混合して、含フッ素ラジカル重合性共重合体を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
[含フッ素ラジカル重合性共重合体を含有する紫外線硬化型樹脂組成物の評価]
(評価用試料の作製)
上記で得られた含フッ素ラジカル重合性共重合体を含有する紫外線硬化型樹脂組成物をバーコーター(No.13)を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ188μm)に塗布した後、60℃の乾燥機に5分間入れて溶剤を揮発させ、紫外線硬化装置(空気雰囲気下、高圧水銀灯、紫外線照射量3.5kJ/m)を用いて硬化させ、塗工フィルムを作製した。また、比較例7として、含フッ素ラジカル重合性共重合体を添加していない紫外線硬化型樹脂組成物についても同様に塗工フィルムを作製した。この塗工フィルムを1日室温で放置後、下記の接触角の測定及び評価、汚れ付着防止性の評価を行った。
(接触角の測定及び評価)
上記で得られた塗工フィルムの塗工表面の水、n−ドデカン及びジヨードメタンの接触角を測定して、撥水性及び撥油性の評価を行った。なお、接触角の評価は下記の基準で行った。
(1)水
A:接触角が100°以上である。
B:接触角が95°以上100°未満である。
C:接触角が95°未満である。
(2)n−ドデカン
A:接触角が60°以上である。
B:接触角が55°以上60°未満である。
C:接触角が55°未満である。
(3)ジヨードメタン
A:接触角が85°以上である。
B:接触角が80°以上85°未満である。
C:接触角が80°未満である。
(耐拭き取り性の評価)
上記で得られた塗工フィルムの塗工表面を、エタノールをしみこませた不織布ワイパー(旭化成せんい株式会社製「BEMCOT」)で10回拭き取りを行った。その後、塗工フィルム表面のエタノールを乾燥した後、水の接触角を測定して、エタノールでの拭き取り前の水の接触角からの低下量を算出して、耐拭き取り性の評価を下記の基準で行った。
A:水の接触角の低下量が5°未満である。
B:水の接触角の低下量が5°以上10°未満である。
C:水の接触角の低下量が10°以上である。
(汚れ付着防止性の評価)
上記で得られた塗工フィルムの塗工表面に油性フェルトペン(寺西化学工業株式会社製「マジックインキ大型青色」)で線を描き、インクのはじき具合を目視で観察し、下記の基準で汚れ付着防止性を評価した。
A:インクをはじく。
B:インクをややはじく。
C:インクをはじかない。
(含フッ素ラジカル重合性共重合体の生体蓄積安全性の評価)
以下の判断基準で、含フッ素ラジカル重合性共重合体の生体蓄積安全性を評価した。
A:生体に蓄積する可能性が低く、安全性が高い。
B:生体に蓄積する可能性が高く、安全性が低い。
実施例1〜3で得られた含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体、比較例1〜6で得られた含フッ素ラジカル重合性ランダム共重合体の内容及び評価結果を表1及び2に示す。
Figure 0005321197
Figure 0005321197
表1に示した評価結果より、実施例1〜3の本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体は、水、n−ドデカン及びジヨードメタンに対して高い接触角を有し、汚れ付着防止性にも優れることが分かった。また、エタノール拭き取り後も水接触角の低下が極めて少なく、安定した撥液性を有することが分かった。さらに、本発明の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体は、炭素原子数6以下のフッ素化アルキル基しか有しないため、生体蓄積安全性も高い。
一方、表2に示した評価結果より、ランダム共重合体である比較例1〜3の含フッ素ラジカル重合性共重合体は、水、n−ドデカン及びジヨードメタンに対する接触角が不十分であり、汚れ付着防止性も十分でないことが分かった。また、エタノール拭き取り後も水接触角の低下が大きく、撥液性の安定性が不十分であることが分かった。
さらに、ランダム共重合体である比較例4〜6の含フッ素ラジカル重合性共重合体は、水、n−ドデカン及びジヨードメタンに対して、比較的高い接触角を有し、汚れ付着防止性を有しているが、エタノール拭き取り後も水接触角の低下が大きく、撥液性の安定性が不十分であることが分かった。

Claims (8)

  1. 炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基を有するラジカル重合性不飽和単量体(a1)と、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハロゲン化物基、酸無水物基から選ばれる反応性基を有するラジカル重合性不飽和単量体(a2)とを必須の単量体成分として、リビングラジカル重合により共重合させて得られるブロック共重合体(A)が有する反応性基の一部又は全部に対し、当該反応性基と反応して結合を形成し、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハロゲン化物基、酸無水物基から選ばれる官能基及びラジカル重合性不飽和基を有する化合物(B)を反応することによって得られることを特徴とする含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体。
  2. 前記単量体(a2)が有する反応性基が水酸基であり、前記化合物(B)が、イソシアネート基及びラジカル重合性不飽和基を有する化合物である請求項1記載の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体。
  3. 前記単量体(a1)が、下記一般式(1)記載の単量体である請求項1又は2記載の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体。
    Figure 0005321197
  4. 前記ブロック共重合体(A)が、前記単量体(a2)を必須単量体として、リビングラジカル重合させた後、前記単量体(a1)を加えて、さらにリビングラジカル重合させて、前記単量体(a2)を必須単量体とする重合体の末端に前記単量体(a1)の重合体で伸長した共重合体である請求項1〜3のいずれか1項記載の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体。
  5. 前記リビングラジカル重合が、重合開始剤、遷移金属化合物及び該遷移金属と配位結合可能な配位子を有する化合物の存在下で行う原子移動型ラジカル重合である請求項4記載の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の含フッ素ラジカル重合性ブロック共重合体を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. カーボンブラック、黒色金属酸化物顔料及び有機顔料からなる群から選択される少なくとも1種の顔料を含有する請求項6記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 請求項6又は7記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする硬化物。
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