JP6529419B2 - 硬化性組成物、硬化膜の製造方法、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子及び画像表示装置 - Google Patents

硬化性組成物、硬化膜の製造方法、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物、硬化膜の製造方法、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子及び画像表示装置に関する。
固体撮像装置は、撮影レンズと、この撮影レンズの背後に配されるCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補性金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子と、この固体撮像素子が実装される回路基板とを備える。この固体撮像装置は、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話、スマートフォン等に搭載される。
固体撮像装置においては、可視光の反射によるノイズの発生が生じる場合がある。そこで、通常、固体撮像装置内に所定の遮光膜を設けることにより、ノイズの発生の抑制を図っている。
特許文献1には、フッ素原子を含有する繰り返し単位と、カルボキシル基を含有する繰り返し単位とを有する含フッ素樹脂(ランダムポリマー)を含むレジスト組成物(感光性樹脂組成物)が開示されており、この組成物にチタンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料を加えることで、遮光用塗膜の形成材料として使用できる旨が記載されている。
特開2005−315984号公報
ところで、遮光膜には、近年、様々な要求が求められている。
例えば、固体撮像装置の小型化や薄型化、高感度化に伴い、遮光膜のより一層の低反射化が求められている。特に、生産性に優れるスピンコート法などの塗布法により上記のような低反射性の遮光膜を形成することができれば、工業的な点から好ましい。
本発明者らは、特許文献1を参考にして含フッ素樹脂を含む感光性樹脂組成物を用いて遮光膜を製造して検討を行ったところ、上記感光性樹脂組成物は優れた低反射性を有するものの、現像性については更なる改良が必要であることを知見するに至った。
この要因として、上記感光性樹脂組成物を用いてスピンコートにより基材上に形成された塗膜中において、上記組成物中に含有する含フッ素ポリマーが低表面自由エネルギーであるため基材とは反対側の表面に偏在化し、すなわち、塗膜中、基材側に黒色顔料濃度の高い高屈折率層が形成され、その上層に含フッ素ポリマーによる低屈折率層が形成されていることが考えられる。つまり、上記構成によって低反射性には優れるものの、アルカリ現像の際に、疎水性のフッ素原子を含む低屈折率層に現像液が弾かれることで、現像がうまく進行しないと推測された。
本発明は、上記実情に鑑みて、優れた現像性を示すと共に、優れた低反射性を示す硬化膜を形成できる硬化性組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記硬化性組成物を用いた硬化膜の製造方法、上記硬化性組成物を硬化してなるカラーフィルタ及び遮光膜、並びに、硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する固体撮像素子及び画像表示装置を提供することも目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、特定構造の含フッ素ポリマーを含む硬化性組成物を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 水酸基又は酸基を有するAブロックとフッ素原子を有するBブロックとからなるA−Bブロックコポリマー部位を有する含フッ素ブロック共重合体と、
重合性化合物と、
着色剤と、
水酸基又は酸基を有するポリアクリレート系高分子、及び、水酸基又は酸基を有するポリメタクリレート系高分子からなる群から選択される高分子化合物と、を含む硬化性組成物。
(2) 上記Aブロックが下記式(A)で表される繰り返し単位から構成され、上記Bブロックが下記式(B)で表される繰り返し単位から構成される、(1)に記載の硬化性組成物。
式(A)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、Aは、水素原子、水酸基、或いは、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基若しくはチオール基から選ばれる酸基又はその誘導体基を表す。
式(B)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、Rは、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
(3) 上記式(A)中、Lは単結合、又は、総原子数20以下の2価の連結基である、(2)記載の硬化性組成物。
(4) 上記式(A)中、Lは、単結合、又は、総原子数が10以下の直鎖状の2価の連結基である、(2)または(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(5) 上記式(B)中、Rがフッ素原子で置換された総炭素数1〜3の1価の有機基である、(2)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(6) 上記含フッ素ブロック共重合体の水酸基価又は酸価が35〜150mgKOH/gである、(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(7) 上記含フッ素ブロック共重合体の含有量が、硬化性組成物中の全固形分に対して、1〜20質量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(8) 上記含フッ素ブロック共重合体の重量平均分子量が5000〜50000である、(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(9) 上記高分子化合物の重量平均分子量が10000〜50000である、(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(10) 上記高分子化合物が、分子中にポリエステル構造を有し、水酸基価又は酸価が20mgKOH/g以上である、(1)〜(9)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(11) 上記高分子化合物の含有量と上記含フッ素ブロック共重合体の含有量との質量比が3〜8である、(1)〜(10)のいずれかに記載の硬化性組成物。なお、上記質量比は、上記高分子化合物の質量/上記含フッ素ブロック共重合体の質量を意図する。
(12) 上記着色剤が、黒色顔料を含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(13) スピンコートによって基材上に(1)〜(12)のいずれかに記載の硬化性組成物の組成物層を形成する工程と、
上記組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程と、
上記露光後の組成物層をアルカリ現像して硬化膜を形成する工程と、を備える硬化膜の製造方法。
(14) (1)〜(11)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化してなるカラーフィルタ。
(15) (12)に記載の硬化性組成物を硬化してなる遮光膜。
(16) (1)〜(12)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する固体撮像素子。
(17) (1)〜(12)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する画像表示装置。
本発明によれば、優れた現像性を示すと共に、優れた低反射性を示す硬化膜を形成できる硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記硬化性組成物を硬化してなるカラーフィルタ及び遮光膜、並びに、硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する固体撮像素子及び画像表示装置を提供することもできる。
本発明の硬化膜の好適実施態様の断面図を表す。 第1実施形態の固体撮像装置を示す斜視図である。 第1実施形態の固体撮像装置の分解斜視図である。 第1実施形態の固体撮像装置を示す断面図である。 第2実施形態の固体撮像装置を示す断面図である。 第3実施形態の固体撮像装置を示す断面図である。 第4実施形態の固体撮像装置を示す断面図である。
以下に、本発明の硬化性組成物(以後、単に「組成物」「本発明の組成物」とも称する)、上記硬化性組成物を用いた硬化膜の製造方法、上記硬化性組成物を硬化してなるカラーフィルタ及び遮光膜、並びに、硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する固体撮像素子及び画像表示装置の好適態様について詳述する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
また本明細書中における「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表し、“(メタ)アクリルアミド”は、アクリルアミド及びメタアクリルアミドを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基をいう。
また、本明細書中において、“水酸基”には“フェノール性水酸基”は含まれない。
<硬化性組成物>
本発明の第1の特徴点としては、所定のブロック構造を有する含フッ素ブロック共重合体を使用している点が挙げられる。以下、本発明の効果が得られる理由に関して、推測を述べる。
まず、本発明の硬化性組成物は、水酸基又は酸基を有するAブロックとフッ素原子を有するBブロックからなるA−Bブロックコポリマー部位を有する含フッ素ブロック共重合体(以後、単に「特定ポリマー」とも称する)を用いるが、上記特定ポリマーは、フッ素原子を含むため、低表面自由エネルギーを示す。そのため、例えば、基板上に硬化性組成物を塗布して形成される塗膜においては、基板とは反対側の塗膜表面近傍に特定ポリマーが濃縮して存在しやすい。結果として、図1に示すように、塗膜を硬化して得られる基板100上の硬化膜10は、着色剤(特に好ましくは黒色顔料)を含む着色剤層(下側層)12と特定ポリマーを含んで形成される被覆層(上側層)14との2層構造を有する。このような2層構造が形成されると、被覆層表面で反射される光と、被覆層と着色剤層との界面で反射される光とが干渉により打ち消されて、優れた低反射性が実現される。
また、上記特定ポリマーは、水酸基又は酸基を有する繰り返し単位から構成されるブロック(Aブロック)とフッ素原子を有する繰り返し単位から構成されるブロック(Bブロック)とからなるA−Bブロックコポリマー部位を有することを特徴とする。
つまり、上記特定ポリマーを用いた塗膜中では、フッ素原子の凝集によって塗膜表面に形成される疎水場の低屈折率層から離れるように、水酸基又は酸基を有する繰り返し単位から構成される親水場の領域が形成されると推測される。この構造により、アルカリ現像液が水酸基又は酸基に引き寄せられやすくなるとともに、アルカリ現像液を膜内部にまで浸透させるための浸透パスが形成され易くなるものと考えられ、優れた現像性を有する。
さらに、本発明の第2の特徴点としては、水酸基又は酸基を有するポリアクリレート系高分子、及び、水酸基又は酸基を有するポリメタクリレート系高分子からなる群から選択される高分子化合物(以下、「水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子」と称する)を配合している点にある。
上記水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子は、着色剤を分散する化合物(分散剤)として、或いは、バインダーとして組成物中に添加することができる。
上記水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子は、黒色顔料等の着色剤等の被分散体の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用するとともに、上記含フッ素ブロック共重合体と併用することで、含フッ素ブロック共重合体による低屈折率層と下層となる高屈折率層(以下、「着色層」ともいう。)との相分離をより良好にすると考えられる。すなわち、上述の第1の特徴点による効果である低反射性をより一層優れたものとすることができる。また、構造中に水酸基又は酸基(特に好ましくはカルボキシル基)を含むため、現像性の向上にも寄与する。
特に、後述するように、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子を含フッ素ブロック共重合体に対して特定比率(質量比)で配合することで、低反射性、現像性、面状性を優れた品位で鼎立できることが確認されている。
以下では、まず、本発明の硬化性組成物の組成について詳述する。
(a)含フッ素ブロック共重合体
含フッ素ブロック共重合体は、水酸基又は酸基を有するAブロックとフッ素原子を有するBブロックからなるA−Bブロックコポリマー部位を有する。
以下、水酸基又は酸基を有するAブロック、フッ素原子を有するBブロックについてそれぞれ詳述する。
本発明の含フッ素ブロック共重合体は、1以上のブロックAと1以上のブロックBを有し、その組み合わせは、本発明の効果を得られる範囲であれば特に限定されず、具体的にはA−B、A−(B−A)n、(A−B)m、B−A−(B−A)n−B(ただし、nは1以上の整数、mは2以上の整数を表す)等の構造が挙げられる。
この中でも、発現する機能を分離するためn=1、m=2であることが本発明の効果を得るためには好ましく、これらのうち、A−B、A−B−Aであることが好ましく、特にA−Bの構造を有するものがさらに好ましい。
また、本発明の含フッ素ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよく、表面偏在性の観点から、A−Bが好ましい。
また、本発明の含フッ素ブロック共重合体の分子構造は、上記A及びBを構成する繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。これらは1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
上記A及びBを構成する繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、特に限定されるものではないが、例として、重合性基を有する繰り返し単位が上げられる。重合性基としては、ラジカル、酸や熱により架橋可能な公知の重合性基を用いることができ、例えばエチレン性不飽和結合を含む基、環状エーテル基(エポキシ基、オキセタン基)、メチロール基等が挙げられるが、特にエチレン性不飽和結合を含む基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がさらに好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジル及び3,4−エポキシーシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート由来の(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
以下、水酸基又は酸基を有するAブロック、フッ素原子を有するBブロックについてそれぞれ詳述する。
(Aブロック)
Aブロックは、水酸基又は酸基を有するブロックである。より具体的には、Aブロックは、水酸基又は酸基を有する繰り返し単位(水酸基又は酸基を有する単量体由来の繰り返し単位)から構成されたブロックである。
酸基の種類は特に制限されず、公知の酸基を用いることができ、例えば、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、スルホン酸基、および、これらの誘導体基が挙げられる。なお、誘導体基は、上記各基から化学的に誘導されるものであって、例えば、カルボキル基の場合、カルボキシル基とアルカリ金属との塩基、カルボキシル基とアミンとの塩基などが挙げられる。
Aブロックは、水酸基又は酸基を有する単量体から形成された繰り返し単位から構成されていれば特に限定されないが、現像性及び低反射性の観点から、下記式(A)で表される繰り返し単位から構成されることが好ましい。
式(A)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、Aは、水素原子、水酸基、或いは、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基若しくはチオール基から選ばれる酸基又はその誘導体を表す。
以下、式(A)で表される繰り返し単位について説明する。
式(A)で表される繰り返し単位において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
また、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、特に限定されないが、例えば、総原子数60以下のものが挙げられる。後述するBブロックによって発現するフッ素原子の凝集による低屈折率層の形成を阻害しない観点から、総原子数は20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下が特に好ましい。
2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、−NR12−、−CONR12−、−CO−、−CO−、SONR12−、−O−、−S−、−SO−よりなる群から選択される1種単独の基、及び2種以上を組み合わせた基が挙げられる。上記R12は、水素原子又はメチル基を表す。
アルキレン基としては、例えば、炭素数が1〜20のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が特に好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子が含まれていてもよい。
アリーレン基としては、例えば、炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられ、炭素数6〜10のアリーレン基であることが好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
また、上記2価の連結基は、環状構造、鎖状(なお、鎖状は、直鎖状及び分岐鎖状を含む。)のいずれであってもよいが、現像性及び低反射性の観点から、鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
上記2価の連結基の好適例としては、エステル結合を含んでいてもよいアルキレン基、−CONR12−、−O−等が挙げられる。なお、アルキレン基中には、ヘテロ原子が含まれていてもよい。
中でも、Lとしては、単結合、又は、総原子数が20以下の2価の連結基が好ましく、単結合、又は、総原子数が10以下の直鎖状の2価の連結基がより好ましく、単結合、又は、エステル結合を含んでいてもよい総原子数が10以下の直鎖状のアルキレン基が更に好ましい。
また、Aは、水素原子、水酸基、或いは、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基若しくはチオール基から選ばれる酸基又はその誘導体を表す。なお、Aが水素原子の場合とは、Lが単結合を表す場合においてとり得る形態であり、式(A)で表される繰り返し単位が、アクリル酸又はαアルキル置換アクリル酸(例えば、メタクリル酸)であることを意味する。
は、より優れた現像性の観点から疎水的でないものが好ましいため、水素原子、水酸基、或いは、カルボキシル基、リン酸基、若しくはチオール基から選ばれる酸基又はその誘導体基であることが好ましく、より優れた現像性の観点から、水素原子、カルボキシル基又はリン酸基であることがより好ましく、水素原子又はカルボキシル基であることが更に好ましい。
式(A)で表される繰り返し単位となり得るモノマーの市販品としては、共栄社化学(株)製のHO−MS、HOA−MS、ユニケミカル(株)製のホスマーM、新中村化学工業(株)製のNKエステルCB36等が挙げられる。
上記式(A)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記構造の構造単位が挙げられる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。なお、下記構成単位中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
含フッ素ブロック共重合体中、Aブロックを構成する繰り返し単位の割合としては、含フッ素ブロック共重合体中の全繰り返し単位に対して、5〜80モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、15〜40モル%が最も好ましい。Aブロックを構成する繰り返し単位の割合が上記範囲内であると、有機溶剤への溶解性が良好であること、また残存モノマーが少なくなる点で有効である。
(Bブロック)
Bブロックは、フッ素原子を有するブロックである。より具体的には、Bブロックは、フッ素原子を有する繰り返し単位(フッ素原子を有する単量体由来の繰り返し単位)から構成されたブロックである。ランダム構造と比較し、ブロック構造にすることで、フッ素原子の凝集が促進され、塗膜表面に疎水場が形成されやすくなるため、フッ素原子を有する単量体から形成された繰り返し単位から構成される単位の構造の選択幅(選択肢)が増す他、フッ素原子を有する単量体以外の繰り返し単位の構造の選択幅も増す。
上記Bブロックは、フッ素原子を有する単量体から形成された繰り返し単位から構成されていれば特に限定されないが、現像性及び低反射性の観点から、下記式(B)で表される繰り返し単位から構成されることが好ましい。
式(B)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、Rは、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
式(B)で表される繰り返し単位において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
また、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。但し、Lが2価の連結基を表す場合、Lにはフッ素原子が含まれないことが好ましい。
2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、−NR12−、−CONR12−、−CO−、−CO−、SONR12−、−O−、−S−、−SO−よりなる群から選択される1種単独の基、及び2種以上を組み合わせた基が挙げられる。上記R12は、水素原子又はメチル基を表す。
なお、アルキレン基およびアリーレン基の好適範囲としては、上述したLで表される2価の連結基で説明した各基の好適範囲と同じである。
なかでも、現像性に優れ、且つ下現像後の残渣が抑制される観点から、Lとしては、単結合、アルキレン基が好ましく、さらに、反射率低減の設計巾が広いメリットを有する観点から、Lとしては、単結合、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。
また、Rはフッ素原子を含む1価の有機基を表す。
フッ素原子を含む1価の有機基としては、例えば、フッ素原子で置換されたアルキル基、フッ素原子で置換されたアリール基が挙げられる。
フッ素原子で置換されたアルキル基は、低反射と現像性を両立する観点から、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であることが好ましく、さらに、反射率低減の設計巾が広いメリットを有する観点から、フッ素原子で置換されたアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状、又は分岐鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
フッ素原子で置換されたアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。
フッ素原子で置換されたアリール基は、アリール基がフッ素原子で直接に置換されていることが好ましい。フッ素原子で置換されたアリール基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
フッ素原子で置換されたアルキル基、及び、フッ素原子で置換されたアリール基は、フッ素原子以外の置換基をさらに有していてもよい。
フッ素原子で置換されたアルキル基及びフッ素原子で置換されたアリール基の例としては、例えば、特開2011−100089号公報の段落0266〜0272を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(B)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。具体例中、Xは、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
なかでも、Rとしては、表面偏在性に優れ、より優れた現像性及び低反射性を両立する観点から、フッ素原子で置換された総炭素数が1〜3の1価の有機基であることが好ましく、−C(CFであることが更に好ましい。
式(B)で表される繰り返し単位となり得るモノマーの市販品としては、セントラル硝子(株)製 HFIP−M、HFIP−A、大阪有機化学工業(株)製 ビスコート13F、ビスコート8FM等が挙げられる。
含フッ素ブロック共重合体中、Bブロックを構成する繰り返し単位の割合としては、含フッ素ブロック共重合体中の全繰り返し単位に対して、20〜95モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、60〜85モル%が最も好ましい。Bブロックを構成する繰り返し単位の割合が上記範囲内であると、より低反射に優れる点で有効である。
Aブロックを構成する繰り返し単位の含有量と、Bブロックを構成する繰り返し単位の含有量との比率は特に制限されず、そのモル比(Aブロックを構成する繰り返し単位のモル量/Bブロックを構成する繰り返し単位のモル量)は、1/99〜99/1が挙げられ、現像性および低反射性がより優れる点で、15/85〜85/15が好ましい。
(水酸基価、酸価)
含フッ素ブロック共重合体の水酸基価、酸価は特に制限されないが、10〜200mgKOH/gの範囲である場合が多い。
なかでも、35〜150mgKOH/gの範囲であることが好ましく、35〜100mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。
含フッ素ブロック共重合体の水酸基価、酸価が上記範囲であれば、より良好な低反射性、現像性、及び直線性を両立することができる。すなわち、含フッ素ブロック共重合体の水酸基価、酸価が150mgKOH/g以下であれば、良好な低反射性、現像性、及び直線性が得られ、35mgKOH/g以上であればアルカリ現像性がより良好となる。
なお、含フッ素ブロック共重合体の水酸基価又は酸価が所定の範囲にあるとは、例えば、水酸基を有する含フッ素ブロック共重合体の水酸基価が所定の範囲であるか、または、酸基を有する含フッ素ブロック共重合体の酸価が所定の範囲にある、などが挙げられる。
本発明において、含フッ素ブロック共重合体の水酸基価、酸価は、それぞれ、例えば、上記ポリマー中における水酸基の平均含有量、及び、酸基の平均含有量から算出することができる。また、含フッ素ブロック共重合体の構成成分である水酸基を含有する構造単位の含有量を変化させることで所望の水酸基価を有するポリマーを得ることができる。酸価についても、含フッ素ブロック共重合体の構成成分である酸基を含有する構造単位の含有量を変化させることで所望の酸価を有するポリマーを得ることができる。
酸価は公知の手法に則り、算出することができる。
水酸基価は、JIS K0070記載の手法に則り、算出することができる。すなわち、水酸基価は、試料1gをアセチル化させたときに水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で示される。フェノール性水酸基の水酸基価も同様である。
(重量平均分子量)
含フッ素ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は5000〜50000であることが好ましく、5,000〜15000であることがより好ましい。上記範囲とすることで、表面偏在性に優れ、現像性や面状性もより向上する。
また、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.80〜3.00であることが好ましく、1.80〜2.00であることがより好ましい。
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法は、実施例欄において後述する方法に基づく。
上記含フッ素ブロック共重合体は、公知の方法により合成できる。近年、リビングラジカル重合によるブロックコポリマーの製造方法が開発され、これを利用した構造や分子量を容易に制御できる重合方法が、種々開発されている。(特開2013−237862)
銅やルテニウム、ニッケル、鉄などの重金属、そして、それと錯体を形成するリガンドを使用して、ハロゲン化合物を開始化合物として重合する原子移動ラジカル重合(Atom transfer radical polymerization:ATRP法)などがある。使用する重合開始剤としては、モノマーの重合を開始させる働きを有するものであれば特に制限されるものではなく、モノマー種の選択幅も広く種々のブロック共重合体を合成することができる。
(硬化性組成物中における含有量)
硬化性組成物中における含フッ素ブロック共重合体の含有量は、硬化性組成物中の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
硬化性組成物は、含フッ素ブロック共重合体を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。組成物が含フッ素ブロック共重合体を2種以上含む場合は、その合計が上記範囲内であればよい。
(b)重合性化合物
重合性化合物は、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。特に、重合性化合物中にはエチレン性不飽和基が2個以上10個以下含まれることが好ましく、いわゆる多官能重合性化合物であることが好ましい。
少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び一般式(2)としてその具体例と共に記載の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
なかでも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介してジペンタエリスリトールに連結している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、及び特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、及び特公昭62−39418号の各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、及び特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(商品名、日本製紙ケミカル(株)製)、UA−7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA−40H(商品名、日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(商品名、共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。本発明に用いられる重合性化合物としては、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。4官能以上のアクリレート化合物として、例えばKAYARD DPHA(商品名、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上の重合性化合物を組み合わせて用いる場合、その組み合わせ態様は、組成物に要求される物性等に応じて適宜設定することができる。重合性化合物の好適な組み合わせ態様の一つとしては、例えば、上述した多官能のアクリレート化合物から選択した2種以上の重合性化合物を組み合わせる態様が挙げられ、その一例としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートの組み合わせが挙げられる。
重合性化合物の含有量は、本発明の硬化性組成物中の全固形分に対して、3質量%〜55質量%となるように含有されることが好ましく、10質量%〜50質量%がより好ましい。
また、本発明の組成物中における重合性化合物と前述した含フッ素ブロック共重合体との質量比(重合性化合物/(含フッ素ブロック共重合体))が、0.1〜20であることが好ましい。
本発明の組成物中に含有する含フッ素ブロック共重合体が表面に偏在化した場合、本発明の組成物による塗膜の下層は重合性化合物や着色材や開始剤の濃度が濃くなり、露光時の放射線が下層に届きにくくなるが、この場合であっても、0.1〜20であれはば組成物の感度が高く、均一に硬化できるため好ましい。また、パターン形成の際に、パターン部の直線性もより良好となる。含フッ素ブロック共重合体との質量比(重合性化合物/(含フッ素ブロック共重合体))は、0.5〜15であることがより好ましく、1.0〜10であることが特に好ましい。
(c)着色剤
着色剤は、各種公知の着色顔料及び着色染料を用いることができる。
着色染料としては、例えば、カラーフィルタ製造に用いる場合であれば、カラーフィルタの色画素を形成するR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)等の有彩色系の染料(有彩色染料)の他、特開2014−42375の段落0027〜0200に記載の着色剤を用いることもできる。また、ブラックマトリクス形成用若しくは遮光性膜系形成用に一般に用いられている黒色系染料(黒色染料)を用いることができる。
図1に示した2層構造を構成する観点からは、着色顔料を用いることが好ましい。
着色顔料としては、例えば、カラーフィルタ製造に用いる場合であれば、カラーフィルタの色画素を形成するR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)等の有彩色系の顔料(有彩色顔料)、及びブラックマトリクス形成用、若しくは遮光性膜系形成用に一般に用いられている黒色系顔料(黒色顔料)を用いることができる。
有彩色系の顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均一次粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
なお、顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)を用いて測定できる。透過型電子顕微鏡としては、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型顕微鏡HT7700を用いることができる。
透過型電子顕微鏡を用いて得た粒子像の最大長(Dmax:粒子画像の輪郭上の2点における最大長さ)、及び最大長垂直長(DV−max:最大長に平行な2本の直線で画像を挟んだ時、2直線間を垂直に結ぶ最短の長さ)を測長し、その相乗平均値(Dmax×DV−max)1/2を粒子径とした。この方法で100個の粒子の粒子径を測定し、その算術平均値を平均粒子径として、顔料の平均一次粒子径とした。本明細書の実施例における「平均一次粒子径」も上記の算術平均値と同じである。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び上記金属の複合酸化物を挙げることができる。
〔顔料〕
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を挙げることができる。
無機顔料としては、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物や、上記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37,58,59
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
(黒色顔料)
本発明では、顔料として黒色顔料を用いることもできる。以下、黒色顔料についてさらに詳しく説明する。
黒色顔料は、各種公知の黒色顔料を用いることができる。特に、少量で高い光学濃度を実現できる観点から、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、グラファイト等が好ましく、なかでも、カーボンブラック、チタンブラックのうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、特に露光による硬化効率に関わる開始剤の光吸収波長領域の吸収が少ない観点からチタンブラックが好ましい。カーボンブラックの具体例としては、市販品である、C.I.ピグメントブラック 1等の有機顔料C.I.ピグメントブラック 7等の無機顔料があげられるがこれらに限定されるものではない。
(その他の顔料)
本発明では、顔料として黒色顔料として記載した顔料以外で赤外線吸収性を有する顔料を用いることもできる。
赤外線吸収性を有する顔料としては、タングステン化合物、金属ホウ化物等が好ましく、なかでも、赤外領域の波長における遮光性に優れる点から、タングステン化合物が好ましい。特に露光による硬化効率に関わる開始剤の光吸収波長領域と、可視光領域の透光性に優れる観点からタングステン化合物が好ましい。
これらの顔料は、2種以上併用してもよく、また、後述する染料と併用してもよい。色味の調整や、所望の波長領域の遮光性を高めるため、例えば、黒色、又は赤外線遮光性を有する顔料に上述した赤色、緑色、黄色、オレンジ色、紫色、及びブルーなどの有彩色顔料若しくは後述する染料を混ぜる態様が挙げられる。黒色、又は赤外線遮光性を有する顔料に赤色顔料若しくは染料と、紫色顔料若しくは染料とを含むことが好ましく、黒色、又は赤外線遮光性を有する顔料に赤色顔料を含むことが特に好ましい。
黒色顔料は、チタンブラックを含有することが好ましい。
チタンブラックとは、チタン原子を含有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。酸化珪素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、又は、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に表されるような撥水性物質での処理も可能である。
チタンブラックの比表面積は特に制限されないが、チタンブラックを撥水化剤で表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET(Brunauer, Emmett, Teller)法にて測定した値が5m2/g以上150m2/g以下であることが好ましく、20m2/g以上120m2/g以下であることがより好ましい。
チタンブラックの市販品の例としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、13M−T(商品名:三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(商品名:赤穂化成(株)製)などが挙げられる。
更に、チタンブラックを、チタンブラック及びSi原子を含む被分散体として含有することも好ましい。
この形態において、チタンブラックは、組成物中において被分散体として含有されるものであり、被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)が質量換算で0.05以上が好ましく、0.05〜0.5がより好ましく、0.07〜0.4がさらに好ましい。
ここで、上記被分散体は、チタンブラックが一次粒子の状態であるもの、凝集体(二次粒子)の状態であるものの双方を包含する。
被分散体のSi/Tiを変更する(例えば、0.05以上とする)ためには、以下のような手段を用いることができる。
先ず、酸化チタンとシリカ粒子とを分散機を用いて分散することにより分散物を得て、この分散物を高温(例えば、850〜1000℃)にて還元処理することにより、チタンブラック粒子を主成分とし、SiとTiとを含有する被分散体を得ることができる。上記還元処理は、アンモニアなどの還元性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
酸化チタンとしては、TTO−51N(商品名:石原産業製)などが挙げられる。
シリカ粒子の市販品としては、AEROSIL(登録商標)90、130、150、200、255、300、380(商品名:エボニック製)などが挙げられる。
酸化チタンとシリカ粒子との分散は、分散剤を用いてもよい。分散剤としては、後述する分散剤の欄で説明するものが挙げられる。
上記の分散は溶剤中で行ってもよい。溶剤としては、水、有機溶剤が挙げられる。後述する有機溶剤の欄で説明するものが挙げられる。
Si/Tiが、例えば、0.05以上等に調整されたチタンブラックは、例えば、特開2008−266045公報の段落番号〔0005〕及び段落番号〔0016〕〜〔0021〕に記載の方法により作製することができる。
チタンブラック及びSi原子を含む被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)を好適な範囲(例えば0.05以上)に調整することで、この被分散体を含む組成物を用いて遮光膜を形成した際に、遮光膜の形成領域外における組成物由来の残渣物が低減される。なお、残渣物は、チタンブラック粒子、樹脂成分等の組成物に由来する成分を含むものである。
残渣物が低減される理由は未だ明確ではないが、上記のような被分散体は小粒径となる傾向があり(例えば、粒径が30nm以下)、更に、この被分散体のSi原子が含まれる成分が増すことにより、膜全体の下地との吸着性が低減され、これが、遮光膜の形成における未硬化の組成物(特に、チタンブラック)の現像除去性の向上に寄与すると推測している。
また、チタンブラックは、紫外光から赤外光までの広範囲に亘る波長領域の光に対する遮光性に優れることから、上記したチタンブラック及びSi原子を含む被分散体(好ましくはSi/Tiが質量換算で0.05以上であるもの)を用いて形成された遮光膜は優れた遮光性を発揮する。
なお、被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)は、例えば、特開2013−249417号公報の段落0033に記載の方法(1−1)又は方法(1−2)を用いて測定できる。
また、組成物を硬化して得られた遮光膜に含有される被分散体について、その被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)が0.05以上か否かを判断するには、特開2013−249417号公報の段落0035に記載の方法(2)を用いる。
チタンブラック及びSi原子を含む被分散体において、チタンブラックは、上記したものを使用できる。
また、この被分散体においては、チタンブラックと共に、分散性、着色性等を調整する目的で、Cu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等からなる黒色顔料を、1種又は2種以上を組み合わせて、被分散体として併用してもよい。
この場合、全被分散体中の50質量%以上をチタンブラックからなる被分散体が占めることが好ましい。
また、この被分散体においては、遮光性の調整等を目的として、本発明の効果を損なわない限りにおいて、チタンブラックと共に、他の着色剤(有機顔料や染料など)を所望により併用してもよい。
以下、被分散体にSi原子を導入する際に用いられる材料について述べる。被分散体にSi原子を導入する際には、シリカなどのSi含有物質を用いればよい。
用いうるシリカとしては、沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカなどを挙げることができ、これらを適宜選択して使用すればよい。
更に、シリカ粒子の粒径が遮光膜を形成した際に膜厚よりも小さい粒径であると遮光性がより優れるため、シリカ粒子として微粒子タイプのシリカを用いることが好ましい。なお、微粒子タイプのシリカの例としては、例えば、特開2013−249417号公報の段落0039に記載のシリカが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、顔料としては、タングステン化合物、金属ホウ化物も使用できる。
以下に、タングステン化合物、及び金属ホウ化物について詳述する。
本発明の硬化性組成物は、タングステン化合物、及び/又は金属ホウ化物を使用できる。
タングステン化合物、及び金属ホウ化物は、赤外線(波長が約800〜1200nmの光)に対しては吸収が高く(すなわち、赤外線に対する遮光性(遮蔽性)が高く)、可視光に対しては吸収が低い赤外線遮蔽材である。このため、本発明の硬化性組成物は、タングステン化合物、及び/又は金属ホウ化物を含有することで、赤外領域における遮光性が高く、可視光領域における透光性が高いパターンを形成できる。
また、タングステン化合物、及び金属ホウ化物は、画像形成に用いられる、高圧水銀灯、KrF、ArFなどの露光に用いられる可視域より短波の光に対しても吸収が小さい。このため、後述する重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び光重合開始剤と組み合わされることにより、優れたパターンが得られるとともに、パターン形成において、現像残渣をより抑制できる。
タングステン化合物としては、酸化タングステン系化合物、ホウ化タングステン系化合物、硫化タングステン系化合物などを挙げることができ、下記一般式(組成式)(I)で表される酸化タングステン系化合物が好ましい。
・・・(I)
Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mの金属としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Biなどが挙げられるが、アルカリ金属であることが好ましい。Mの金属は1種でも2種以上でもよい。
Mはアルカリ金属であることが好ましく、Rb又はCsであることがより好ましく、Csであることが更に好ましい。
x/yが0.001以上であることにより、赤外線を十分に遮蔽することができ、1.1以下であることにより、タングステン化合物中に不純物相が生成されることをより確実に回避することできる。
z/yが2.2以上であることにより、材料としての化学的安定性をより向上させることができ、3.0以下であることにより赤外線を十分に遮蔽することができる。
上記一般式(I)で表される酸化タングステン系化合物の具体例としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができ、Cs0.33WO又はRb0.33WOであることが好ましく、Cs0.33WOであることがより好ましい。
タングステン化合物は微粒子であることが好ましい。タングステン微粒子の平均粒子径は、800nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。平均粒子径がこのような範囲であることによって、タングステン微粒子が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光酸乱を回避する観点からは、平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、タングステン微粒子の平均粒子径は、通常、1nm以上である。
また、タングステン化合物は2種以上を使用することが可能である。
タングステン化合物は市販品として入手可能であるが、タングステン化合物が、例えば酸化タングステン系化合物である場合、酸化タングステン系化合物は、タングステン化合物を不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気中で熱処理する方法により得ることができる(特許第4096205号公報を参照)。
また、酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02などのタングステン微粒子の分散物としても、入手可能である。
また、金属ホウ化物としては、ホウ化ランタン(LaB)、ホウ化プラセオジウム(PrB)、ホウ化ネオジウム(NdB)、ホウ化セリウム(CeB)、ホウ化イットリウム(YB)、ホウ化チタン(TiB)、ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ホウ化ハフニウム(HfB)、ホウ化バナジウム(VB)、ホウ化タンタル(TaB)、ホウ化クロム(CrB、CrB)、ホウ化モリブデン(MoB、Mo、MoB)、ホウ化タングステン(W)などの1種又は2種以上を挙げることができ、ホウ化ランタン(LaB)であることが好ましい。
金属ホウ化物は微粒子であることが好ましい。金属ホウ化物微粒子の平均粒子径は、800nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましい。平均粒子径がこのような範囲であることによって、金属ホウ化物微粒子が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光酸乱を回避する観点からは、平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、金属ホウ化物微粒子の平均粒子径は、通常、1nm以上である。
また、金属ホウ化物は2種以上を使用することが可能である。
金属ホウ化物は市販品として入手可能であり、例えば、住友金属鉱山株式会社製のKHF−7等の金属ホウ化物微粒子の分散物としても、入手可能である。
〔染料〕
染料としては、例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造として区分すると、ピラゾールアゾ化合物、ピロメテン化合物、アニリノアゾ化合物、トリフェニルメタン化合物、アントラキノン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物等を使用できる。また、染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報に記載されている化合物が挙げられる。
また、本発明では、着色剤として、波長800〜900nmの範囲に吸収極大を有する着色剤を用いることができる。
このような分光特性を有する着色剤としては、例えば、ピロロピロール化合物、銅化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、イミニウム化合物、チオール錯体系化合物、遷移金属酸化物系化合物、スクアリリウム化合物、ナフタロシアニン化合物、クオタリレン化合物、ジチオール金属錯体系化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。
フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イミニウム化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物及びクロコニウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落0010〜0081に開示の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。シアニン化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記分光特性を有する着色剤として、特開平07−164729号公報の段落0004〜0016に開示の化合物や、特開2002−146254号公報の段落0027〜0062に開示の化合物、特開2011−164583号公報の段落0034〜0067に開示のCu及び/又はPを含む酸化物の結晶子からなり数平均凝集粒子径が5〜200nmである近赤外線吸収粒子を使用することもできる。
本発明において、波長800〜900nmの範囲に吸収極大を有する着色剤は、ピロロピロール化合物が好ましい。ピロロピロール化合物は、顔料であってもよく、染料であってもよいが、耐熱性に優れた膜を形成できる硬化性組成物が得られやすいという理由から顔料が好ましい。
ピロロピロール化合物の詳細については、特開2009−263614号公報の段落番号0017〜0047の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることする。また、その具体例としては、特開2009−263614号公報の段落番号0049〜0058に記載の化合物などが挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれることする。
また、特開2014−199436号公報の段落0027〜0200に記載の染料多量体も好適に用いることができる。また、特開2011−242752号公報段落0018〜0078に記載される側鎖にカチオン性基を有する樹脂とアニオン性染とを反応させて得られた造塩化合物を染料多量体として好適に用いることができる。
さらに、本発明の硬化性組成物は、必要に応じて体質顔料を含んでいてもよい。このような体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ白、グロス白、チタンホワイト、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの体質顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。体質顔料の使用量は、着色剤100質量部に対して、通常、0〜100質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜40質量部である。本発明において、着色剤及び体質顔料は、場合により、それらの表面をポリマーで改質して使用することができる。
また、黒色顔料、又は可視光領域の波長の光の透過性に優れ、赤外線領域の波長の光を遮光する機能に優れる顔料に加えて、必要に応じて赤色、青色、黄色、緑色、紫色等の着色有機顔料、若しくは染料を含んでいてもよい。着色有機顔料、若しくは染料と黒色顔料、又は可視光領域の波長の光の透過性に優れ、赤外線領域の波長の光を遮光する機能に優れる顔料とを併用する場合としては、赤色顔料、若しくは染料を黒色顔料、又は可視光領域の波長の光の透過性に優れ、赤外線領域の波長の光を遮光する機能に優れる顔料に対して1〜40質量%用いることが好ましく、赤色、若しくは染料としてはピグメントレッド254であることが好ましい。
組成物中における着色剤(特に好ましくは黒色顔料)の含有量は、組成物中の全固形分に対して、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、35〜60質量%がさらに好ましい。
(d)水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子
本発明の組成物は、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子(以下、「高分子化合物」とも称する。)を含有する。なお、この(メタ)アクリル系高分子は、上述したフッ素含有ブロック共重合体とは別の化合物である。
水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子は、着色剤の分散に使用される化合物(分散剤)として、或いは、バインダーとして組成物中に添加することができる。本発明の組成物においては、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子を分散剤として添加することが好ましく、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子分散剤と、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子バインダーとを併用することがより好ましい。
なお、着色剤の分散に使用される化合物(分散剤)とは、着色剤の分散時(例えば、顔料や、溶媒に溶けにくい染料の分散液調整時)に使用されるのに対して、バインダーは着色剤の分散処理を行なわない場合(例えば、染料溶液など)や、着色剤の分散後(例えば、顔料分散液や染料液の分散液調整後)に後添で加えられる化合物に該当する。
水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子は、上述したチタンブラックなどの着色顔料の分散性向上に寄与するとともに、水酸基又は酸基が構造中に含まれるため、現像性にも寄与する。また、上述した含フッ素ブロック共重合体と併用されることで、低屈折率層と着色層の相分離を良好にし、低反射性をより一層良好にする。
特に、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子と含フッ素ブロック共重合体の質量比(水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子/含フッ素ブロック共重合体)は、2〜10であることが好ましく、3〜8であることがより好ましく、3〜6であることがより好ましい。水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子を含フッ素ブロック共重合体に対して上記数値範囲で添加することで、本発明の効果をより一層高めることができ、低反射性、現像性、面状性を優れた品位で鼎立できることができる。
また、上記高分子化合物には、(メタ)アクリレートモノマー由来の繰り返し単位が主成分として含まれているが、本発明の効果を損なわない範囲で、それ以外の繰り返し単位が含まれていてもよい。なお、高分子化合物中には、(メタ)アクリレートモノマー由来の繰り返し単位が50モル%以上含まれることが好ましく、80モル%以上含まれることがより好ましく、90モル%以上含まれることがさらに好ましい。
(水酸基価、酸価)
高分子化合物の水酸基価、酸価は、20mgKOH/g以上であることが好ましい。高分子化合物の水酸基価、酸価が20mgKOH/g以上であればアルカリ現像性がより良好となるとともに、黒色顔料等の着色顔料(特に、チタンブラック)や、チタンブラック及びSi原子を含む被分散体の沈降をより抑制でき、粗大粒子数をより少なくすることができ、組成物の経時安定性をより向上できる。
高分子化合物水酸基価、酸価の上限は、特に限定されないが、160mgKOH/g以下であれば、着色層を形成する際の現像時におけるパターン剥離がより効果的に抑えられる。
高分子化合物の水酸基価、酸価は、より好ましくは20mgKOH/g以上140mgKOH/g以下の範囲であり、更に好ましくは20mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の範囲である。
なお、高分子化合物の水酸基価又は酸価が所定の範囲にあるとは、例えば、水酸基を有するポリアクリレート系高分子(又は、ポリメタクリレート系高分子)の水酸基価が所定の範囲であるか、または、酸基を有するポリアクリレート系高分子(又は、ポリメタクリレート系高分子)の酸価が所定の範囲にある、などが挙げられる。
本発明において、高分子化合物の水酸基価、酸価は、それぞれ、例えば、上記高分子化合物中における水酸基の平均含有量、及び、酸基の平均含有量から算出することができる。また、高分子化合物の構成成分である水酸基を含有する構造単位の含有量を変化させることで所望の水酸基価を有する樹脂を得ることができる。酸価についても、高分子化合物の構成成分である酸基を含有する構造単位の含有量を変化させることで所望の酸価を有する樹脂を得ることができる。
酸価は公知の手法に則り、算出することができる。
水酸基価は、JIS K0070記載の手法に則り、算出することができる。すなわち、水酸基価は、試料1gをアセチル化させたときに水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で示される。フェノール性水酸基の水酸基価も同様である。
(重量平均分子量)
本発明における高分子化合物の重量平均分子量は、着色層を形成する際において、現像時のパターン剥離抑制と現像性の観点から、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算値として、4,000以上300,000以下であることが好ましく、5,000以上200,000以下であることがより好ましく、6,000以上100,000以下であることが更に好ましく、10,000以上50,000以下であることが特に好ましい。
また、特に、高分子化合物を分散剤として組成物中に導入する場合には、重量平均分子量を10,000以上50,000以下とすることで、分散性もより良好となる。
GPC法は、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる方法に基づく。
組成物中における高分子化合物の含有量は、組成物中の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、本願の効果が顕著に得られる点から、10〜40質量%がさらに好ましい。
また、特に、高分子化合物を分散剤として組成物中に導入する場合には、組成物中における高分子化合物の含有量は、組成物中の全固形分に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.3〜40質量%がより好ましく、本願の効果が顕著に得られる点から、0.5〜30質量%がさらに好ましい。含有量を上記範囲とすることで、分散性もより良好となる。
以下、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子(高分子化合物)について、分散剤(以下「高分子化合物C」ともいう。)及びバインダー(以下「高分子化合物D」ともいう。)の形態にそれぞれ分類して説明する。
(高分子化合物C)
水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子分散剤(高分子化合物C)としては、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができ、例えば、水酸基又は酸基を有する変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体等を挙げることができる。
高分子化合物Cは、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、及びブロック型高分子に分類することができる。
高分子化合物Cは、黒色顔料等の着色剤及び所望により併用する顔料等の被分散体の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、チタンブラックや、上記したチタンブラック及びSi原子を含む被分散体の表面を改質することにより、これらに対する高分子化合物Cの吸着性を促進させることもできる。
高分子化合物Cは、グラフト鎖を有する構造単位を有することが好ましい。なお、本明細書において、「構造単位」とは「繰り返し単位」と同義である。
このようなグラフト鎖を有する構造単位を有する高分子化合物Cは、グラフト鎖によって溶剤との親和性を有するために、黒色顔料等の着色顔料の分散性、及び、経時後の分散安定性に優れるものである。また、組成物においては、グラフト鎖の存在により重合性化合物又はその他の併用可能な樹脂などとの親和性を有するので、アルカリ現像で残渣を生じにくくなる。
グラフト鎖が長くなると立体反発効果が高くなり分散性は向上するが、一方グラフト鎖が長すぎると黒色顔料等の着色顔料への吸着力が低下して分散性は低下する傾向となる。このため、グラフト鎖は、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるものが好ましく、水素原子を除いた原子数が50〜2000であるものがより好ましく、水素原子を除いた原子数が60〜500であるものが更に好ましい。
ここで、グラフト鎖とは、共重合体の主鎖の根元(主鎖から枝分かれしている基において主鎖に結合する原子)から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを示す。
グラフト鎖は、ポリマー構造を有することが好ましい。
ポリマー構造としては、例えば、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造、及び、ポリエーテル構造などが挙げられる。
高分子化合物Cは、上記ポリマー構造を側鎖に有する変性ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。グラフト鎖と溶剤との相互作用性を向上させ、それにより分散性を高めるために、グラフト鎖中のポリマー構造は、ポリエステル構造及びポリエーテル構造の少なくともいずれかであることが好ましく、ポリエステル構造であることが好ましい。
このようなポリマー構造をグラフト鎖として有するマクロモノマーの構造としては、特に限定されないが、好ましくは、反応性二重結合性基を有するマクロモノマーを好適に使用することができる。
高分子化合物Cが有するグラフト鎖を有する構造単位に対応し、高分子化合物Cの合成に好適に用いられる市販のマクロモノマーとしては、AA−6(商品名、東亜合成(株))、AA−10(商品名、東亜合成(株)製)、AB−6(商品名、東亜合成(株)製)、AW−6(商品名、東亜合成(株)製)、AA−714(商品名、東亜合成(株)製)、AY−707(商品名、東亜合成(株)製)、AY−714(商品名、東亜合成(株)製)、ブレンマーPP−100(商品名、日油(株)製)、ブレンマーPP−500(商品名、日油(株)製)、ブレンマーPP−800(商品名、日油(株)製)、ブレンマーPP−1000(商品名、日油(株)製)、ブレンマー55−PET−800(商品名、日油(株)製)、ブレンマーPME−4000(商品名、日油(株)製)、ブレンマーPSE−400(商品名、日油(株)製)、ブレンマーPSE−1300(商品名、日油(株)製)、ブレンマー43PAPE−600B(商品名、日油(株)製)などが用いられる。このなかでも、好ましくは、AA−6(商品名、東亜合成(株)製)、AA−10(商品名、東亜合成(株))、AB−6(商品名、東亜合成(株)製)、ブレンマーPME−4000(商品名、日油(株)製)などが用いられる。
高分子化合物Cは、グラフト鎖を有する構造単位として、下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことが好ましく、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3A)、下記式(3B)、及び下記(4)のいずれかで表される構造単位を含むことがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、W、W、W、及びWは酸素原子を表す。
式(1)〜式(4)において、X、X、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。X、X、X、X、及びXとしては、合成上の制約の観点からは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)〜式(4)において、Y、Y、Y、及びYは、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、連結基は特に構造上制約されない。Y、Y、Y、及びYで表される2価の連結基として、具体的には、下記の(Y−1)〜(Y−21)の連結基などが例として挙げられる。下記に示した構造において、A、Bはそれぞれ、式(1)〜式(4)における左末端基、右末端基との結合部位を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)又は(Y−13)であることがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立に1価の有機基を表す。有機基の構造は、特に限定されないが、具体的には、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、及びアミノ基などが挙げられる。これらの中でも、Z、Z、Z、及びZで表される有機基としては、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有するものが好ましく、各々独立に炭素数5から24のアルキル基又はアルコキシ基が好ましく、その中でも、特に各々独立に炭素数5から24の分岐アルキル基、炭素数5から24の環状アルキル基、又は、炭素数5から24のアルコキシ基が好ましい。なお、アルコキシ基中に含まれるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
式(1)〜式(4)において、n、m、p、及びqは、それぞれ独立に、1から500の整数である。
また、式(1)及び式(2)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。式(1)及び式(2)におけるj及びkは、分散安定性、現像性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
式(3)中、Rは分岐若しくは直鎖のアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましい。pが2〜500のとき、複数存在するRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
式(4)中、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、この1価の有機基としては特に構造上限定はされない。Rとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、及びヘテロアリール基が挙げられ、更に好ましくは、水素原子、又はアルキル基である。Rがアルキル基である場合、アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。式(4)において、qが2〜500のとき、グラフト共重合体中に複数存在するX及びRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、高分子化合物Cは、2種以上の構造が異なる、グラフト鎖を有する構造単位を有することができる。即ち、高分子化合物Cの分子中に、互いに構造の異なる式(1)〜式(4)で示される構造単位を含んでいてもよく、また、式(1)〜式(4)においてn、m、p、及びqがそれぞれ2以上の整数を表す場合、式(1)及び式(2)においては、側鎖中にj及びkが互いに異なる構造を含んでいてもよく、式(3)及び式(4)においては、分子内に複数存在するR、R及びXは互いに同じであっても異なっていてもよい。
式(1)で表される構造単位としては、分散安定性、現像性の観点から、下記式(1A)で表される構造単位であることがより好ましい。
また、式(2)で表される構造単位としては、分散安定性、現像性の観点から、下記式(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(1A)中、X、Y、Z及びnは、式(1)におけるX、Y、Z及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。式(2A)中、X、Y、Z及びmは、式(2)におけるX、Y、Z及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、式(3)で表される構造単位としては、分散安定性、現像性の観点から、下記式(3A)又は式(3B)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(3A)又は(3B)中、X、Y、Z及びpは、式(3)におけるX、Y、Z及びpと同義であり、好ましい範囲も同様である。
高分子化合物Cは、グラフト鎖を有する構造単位として、式(1A)で表される構造単位を有することがより好ましい。
高分子化合物Cにおいて、グラフト鎖を有する構造単位(例えば、上記式(1)〜式(4)で表される構造単位)は、質量換算で、高分子化合物Cの総質量に対し2〜90%の範囲で含まれることが好ましく、5〜30%の範囲で含まれることがより好ましい。グラフト鎖を有する構造単位が、この範囲内で含まれると黒色顔料等の着色顔料(特に、チタンブラック粒子)の分散性が高く、着色層を形成する際の現像性が良好である。
また、高分子化合物Cは、グラフト鎖を有する構造単位とは異なる(すなわち、グラフト鎖を有する構造単位には相当しない)疎水性構造単位を有することが好ましい。ただし、本発明において、疎水性構造単位は、水酸基又は酸基(例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等)を有さない構造単位である。
疎水性構造単位は、好ましくは、ClogP値が1.2以上の化合物(モノマー)に由来する(対応する)構造単位であり、より好ましくは、ClogP値が1.2〜8の化合物に由来する構造単位である。これにより、本発明の効果をより確実に発現することができる。
ClogP値は、Daylight Chemical Information System, Inc.から入手できるプログラム“CLOGP”で計算された値である。このプログラムは、Hansch, Leoのフラグメントアプローチ(下記文献参照)により算出される“計算logP”の値を提供する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、化学構造を部分構造(フラグメント)に分割し、そのフラグメントに対して割り当てられたlogP寄与分を合計することにより化合物のlogP値を推算している。その詳細は以下の文献に記載されている。本発明では、プログラムCLOGP v4.82により計算したClogP値を用いる。
A. J. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P. G. Sammnens, J. B. Taylor and C. A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990 C. Hansch & A. J. Leo. SUbstituent Constants For Correlation Analysis in Chemistry and Biology. John Wiley & Sons. A.J. Leo. Calculating logPoct from structure. Chem. Rev., 93, 1281−1306, 1993.
logPは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある有機化合物が油(一般的には1−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、以下の式で示される。
logP=log(Coil/Cwater)
式中、Coilは油相中の化合物のモル濃度を、Cwaterは水相中の化合物のモル濃度を表す。
logPの値が0をはさんでプラスに大きくなると油溶性が増し、マイナスで絶対値が大きくなると水溶性が増すことを意味し、有機化合物の水溶性と負の相関があり、有機化合物の親疎水性を見積るパラメータとして広く利用されている。
高分子化合物Cは、疎水性構造単位として、下記一般式(i)〜(iii)表される単量体に由来の構造単位から選択された1種以上の構造単位を有することが好ましい。
上記式(i)〜(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
、R、及びRは、より好ましくは水素原子、又は炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子又はメチル基である。R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
Lは、単結合又は2価の連結基である。2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、置換アリーレン基)、2価の複素環基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、カルボニル基(−CO−)、又は、これらの組合せ等が挙げられる。
2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基であっても飽和脂肪族基であってもよいが、飽和脂肪族基であることが好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、芳香族基及び複素環基等が挙げられる。
2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10が更に好ましい。また、芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環基等が挙げられる。
2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基、又は、複素環基が挙げられる。
Lは、単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lは、オキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としては、ポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH)n−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
Zとしては、脂肪族基(例えば、アルキル基、置換アルキル基、不飽和アルキル基、置換不飽和アルキル基、)、芳香族基(例えば、アリール基、置換アリール基、アリーレン基、置換アリーレン基)、複素環基、又は、これらの組み合わせが挙げられる。これらの基には、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、カルボニル基(−CO−)が含まれていてもよい。
脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基には、更に環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基、ビフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、芳香族基及び複素環基が挙げられる。ただし、脂肪族基は、置換基として水酸基又は酸基を有さない。
芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10が更に好ましい。また、芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。ただし、芳香族基は、置換基として水酸基又は酸基を有さない。
複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。ただし、複素環基は、置換基として水酸基又は酸基を有さない。
上記式(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、Z、又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるものと同義である。R、R、及びRとしては、水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、上記一般式(i)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Lが単結合又はアルキレン基若しくはオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zが脂肪族基、複素環基又は芳香族基である化合物が好ましい。
また、上記一般式(ii)で表される単量体として、Rが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zが脂肪族基、複素環基又は芳香族基である化合物が好ましい。また、上記一般式(iii)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Zが脂肪族基、複素環基又は芳香族基である化合物が好ましい。
式(i)〜(iii)で表される代表的な化合物の例としては、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類などから選ばれるラジカル重合性化合物が挙げられる。
なお、式(i)〜(iii)で表される代表的な化合物の例としては、特開2013−249417号公報の段落0089〜0093に記載の化合物を参照でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
高分子化合物Cにおいて、疎水性構造単位は、質量換算で、高分子化合物Cの総質量に対し10〜90%の範囲で含まれることが好ましく、20〜80%の範囲で含まれることがより好ましい。含有量が上記範囲において十分なパターン形成が得られる。
高分子化合物Cは、黒色顔料等の着色顔料(特に、チタンブラック)と相互作用を形成しうる官能基として水酸基又は酸基を有する。高分子化合物Cに水酸基又は酸基を導入する場合、高分子化合物Cに水酸基又は酸基を有する構造単位を導入すればよい。特に、酸基として、カルボン酸基などのアルカリ可溶性基を有することで、高分子化合物Cに、アルカリ現像によるパターン形成のためのより優れた現像性をも付与することができる。
すなわち、高分子化合物Cにアルカリ可溶性基を導入することで、本発明の組成物は、黒色顔料等の着色顔料の分散に寄与する分散剤としての高分子化合物Cがアルカリ可溶性を有することになる。このような高分子化合物Cを含有する組成物は、露光部の遮光性に優れたものとなり、且つ、未露光部のアルカリ現像性が向上される。
また、高分子化合物Cが水酸基又は酸基を有する構造単位を有することにより、高分子化合物Cが溶剤となじみやすくなり、塗布性も向上する傾向となる。
これは、水酸基又は酸基を有する構造単位における水酸基又は酸基が黒色顔料等の着色顔料と相互作用しやすく、高分子化合物Cが黒色顔料等の着色顔料を安定的に分散すると共に、黒色顔料等の着色顔料を分散する高分子化合物Cの粘度が低くなっており、高分子化合物C自体も安定的に分散されやすいためであると推測される。
ただし、水酸基又は酸基を有する構造単位は、上記したグラフト鎖を有する構造単位と同一の構造単位であっても、異なる構造単位であってもよいが、水酸基又は酸基を有する構造単位は、上記した疎水性構造単位とは異なる構造単位である(すなわち、上記した疎水性構造単位には相当しない)。
黒色顔料等の着色顔料と相互作用を形成しうる官能基である酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、又は、フェノール性水酸基などがあり、好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基のうち少なくとも1種であり、特に好ましいものは、黒色顔料等の着色顔料への吸着力が良好で、且つ、その分散性が高いカルボン酸基である。
すなわち、高分子化合物Cは、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基のうち少なくとも1種を有する構造単位を更に有することが好ましい。
高分子化合物Cは、水酸基又は酸基を有する構造単位を1種又は2種以上有してもよい。
高分子化合物C中における水酸基又は酸基を有する構造単位の含有量は、質量換算で、高分子化合物Cの総質量に対して、好ましくは5〜80%であり、より好ましくは、アルカリ現像による画像強度のダメージ抑制という観点から、10〜60%である。
本発明における高分子化合物Cに、水酸基又は酸基がどのように導入されているかは特に限定はされないが、高分子化合物Cは、下記一般式(iv)〜(vi)で表される単量体に由来の構造単位から選択された1種以上の構造単位を有することが好ましい。
一般式(iv)〜一般式(vi)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
一般式(iv)〜一般式(vi)中、R11、R12、及びR13は、より好ましくは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。一般式(iv)中、R12及びR13は、それぞれ水素原子であることが特に好ましい。
一般式(iv)中のXは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
また、一般式(v)中のYは、メチン基又は窒素原子を表す。
また、一般式(iv)〜一般式(v)中のLは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基の例としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、及び置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、及び置換アリーレン基)、2価の複素環基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ結合(−NR31’−、ここでR31’は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、カルボニル結合(−CO−)、又は、これらの組合せ等が挙げられる。
2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15が更に好ましく、6〜10が最も好ましい。また、芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環のうち1つ以上が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
は、単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lは、オキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としては、ポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH)n−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
一般式(iv)〜一般式(vi)中、Zは、水酸基又は酸基を表し、カルボン酸基であることがより好ましい。
一般式(vi)中、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、−Z、又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるL及びZと同義であり、好ましい例も同様である。R14、R15、及びR16としては、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、一般式(iv)で表される単量体として、R11、R12、及びR13がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
また、一般式(v)で表される単量体として、R11が水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸基であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。
更に、一般式(vi)で表される単量体として、R14、R15、及びR16がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、Lが単結合又はアルキレン基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
以下に、一般式(iv)〜一般式(vi)で表される単量体(化合物)の代表的な例を示す。
単量体の例としては、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物とフタル酸無水物との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物とテトラヒドロキシフタル酸無水物との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物と無水トリメリット酸との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物とピロメリット酸無水物との反応物、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸などが挙げられる。
更に、高分子化合物Cは、画像強度などの諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、グラフト鎖を有する構造単位、疎水性構造単位、及び、水酸基又は酸基を有する構造単位とは異なる、種々の機能を有する他の構造単位(例えば、分散物に用いられる分散媒との親和性を有する官能基などを有する構造単位)を更に有していてもよい。
このような、他の構造単位としては、例えば、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類などから選ばれるラジカル重合性化合物に由来の構造単位が挙げられる。
高分子化合物Cは、これらの他の構造単位を1種或いは2種以上用いることができ、その含有量は、質量換算で、高分子化合物Cの総質量に対して、好ましくは0%以上80%以下であり、特に好ましくは、10%以上60%以下である。含有量が上記範囲において、十分なパターン形成性が維持される。
高分子化合物Cは、公知の方法に基づいて合成でき、高分子化合物Cを合成する際に用いられる溶剤としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
本発明に用い得る高分子化合物Cの具体例としては、EFKA社製「EFKA4400〜4402(変性ポリアクリレート)、味の素ファンテクノ社製「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」等が挙げられる。
これらの高分子化合物Cは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、高分子化合物Cの具体例の例としては、特開2013−249417号公報の段落0127〜0129に記載の高分子化合物を参照でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の組成物において、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子を分散剤(高分子化合物C)として含有させる場合、高分子化合物Cの含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
また、分散剤としては、上述した高分子化合物C以外に、特開2010−106268号公報の段落0037〜0115(対応するUS2011/0124824の段落0075〜0133欄)のグラフト共重合体が使用でき、これらの内容は援用でき、本明細書に組み込まれる。
また、上記以外にも、特開2011−153283号公報の段落0028〜0084(対応するUS2011/0279759の段落0075〜0133欄)の酸性基が連結基を介して結合してなる側鎖構造を有する構成成分を含む高分子化合物が使用でき、これらの内容は援用でき、本明細書に組み込まれる。
(高分子化合物D)
水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子バインダー(高分子化合物D)としては、例えば、水酸基又は酸基を有する変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体等を挙げることができる。
高分子化合物Dとしては、グラフト鎖を有する構造単位と、水酸基又は酸基(アルカリ可溶性基)を有する構造単位と、を有するポリマーを使用することも好ましい。
グラフト鎖を有する構造単位の定義は、上述した分散剤が有するグラフト鎖を有する構造単位と同義であり、また好適範囲も同様である。
酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、又は、フェノール性水酸基などがあり、好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基のうち少なくとも1種であり、特に好ましいものは、カルボン酸基である。
水酸基又は酸基を有する構造単位としては、下記一般式(vii)〜一般式(ix)で表さる単量体に由来の構造単位から選択された1種以上の構造単位を有することが好ましい。
一般式(vii)〜一般式(ix)中、R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
一般式(vii)〜一般式(ix)中、R21、R22、及びR23は、より好ましくは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。一般式(vii)中、R21及びR23は、それぞれ水素原子であることが特に好ましい。
一般式(vii)中のXは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
また、一般式(viii)中のYは、メチン基又は窒素原子を表す。
また、一般式(vii)〜一般式(ix)中のLは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基の例としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、及び置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、及び置換アリーレン基)、2価の複素環基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ結合(−NR41’−、ここでR41’は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、カルボニル結合(−CO−)、又は、これらの組合せ等が挙げられる。
2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15が更に好ましく、6〜10が最も好ましい。また、芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環のうち1つ以上が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R42、ここでR42は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
は、単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lは、オキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としては、ポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH)n−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
一般式(vii)〜一般式(ix)中、Zは、水酸基又は酸基であり、カルボン酸基であることが好ましい。
一般式(ix)中、R24、R25、及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、−Z、又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるL及びZと同義であり、好ましい例も同様である。R24、R25、及びR26としては、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、一般式(vii)で表される単量体として、R21、R22、及びR23がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
また、一般式(vii)で表される単量体として、R21が水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸基であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。
更に、一般式(ix)で表される単量体として、R24、R25、及びR26がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
高分子化合物Dは、上述したグラフト鎖を有する構造単位を有する顔料分散剤と同様の方法により合成することができる。
特に、高分子化合物Dの中でも、〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体、及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
市販品としては、例えばアクリベースFF−187、FF−426(藤倉化成社製)、アクリキュア−RD−F8(日本触媒(株))、ダイセルオルネクス(株)製サイクロマーP(ACA)230AAなどが挙げられる。
高分子化合物Dは、水酸基又は酸基を有する構造単位を1種又は2種以上有してもよい。
高分子化合物Dは、着色剤の分散剤としても用いることができる。また、高分子化合物Cと併用しても良い。
水酸基又は酸基を有する構造単位の含有量は、質量換算で、上記バインダーポリマーの総質量に対して、好ましくは5〜95%であり、より好ましくは、アルカリ現像による画像強度のダメージ抑制という観点から、10〜90%である。
本発明の組成物において、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル系高分子をバインダー(高分子化合物D)として含有させる場合、高分子化合物Dの含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜30質量%が好ましく、0.3〜25質量%がより好ましい。
<その他任意成分>
本発明の組成物中には、上述した各主成分以外の他の成分が含まれていてもよい。
以下、各種任意成分について詳述する。
〔重合開始剤〕
本発明の組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。
重合開始剤としては特に制限はなく、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、感光性を有するもの(いわゆる、光重合開始剤)が好ましい。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、光重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。上記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
また、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が特に好ましい。
特に、本発明の硬化性組成物を固体撮像素子の遮光膜の作製に使用する場合には、微細なパターンをシャープな形状で形成する必要があるために、硬化性とともに未露光部に残渣がなく現像されることが重要である。このような観点からは、光重合開始剤としてはオキシム化合物を使用することが特に好ましい。特に、固体撮像素子において微細なパターンを形成する場合、硬化用露光にステッパー露光を用いるが、この露光機はハロゲンにより損傷される場合があり、光重合開始剤の添加量も低く抑える必要があるため、これらの点を考慮すれば、固体撮像素子の如き微細パターンを形成するには光重合開始剤としては、オキシム化合物を用いるのが特に好ましい。また、オキシム化合物を用いることにより、色移り性をより良化できる。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落0265〜0268を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィン系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379EG(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤は、365nm又は405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。
アシルホスフィン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物が挙げられる。特にオキシム系開始剤は高感度で重合効率が高く、色材濃度によらず硬化でき、色材の濃度を高く設計しやすいため好ましい。特に、本発明の硬化性組成物を用いた場合は、含フッ素ブロック共重合体が表面に偏在するため、形成した層の下層の色材が濃度が高い場合があるが、その場合でも色材濃度によらず硬化でき、色材の濃度を高く設計しやすいため好ましい。
オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。
本発明において、好適に用いることのできるオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等も挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司社製)、アデカアークルズNCI−831及びアデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)も用いることができる。
また上記記載以外のオキシム化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくは、例えば、特開2013−29760号公報の段落0274〜0275を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(OX−1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
一般式(OX−1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
一般式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
一般式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
一般式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルキニレン基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
本発明は、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報記載の化合物、特表2014−500852号公報記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
本発明は、光重合開始剤として、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物を用いることもできる。
式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30のアリール基、又は、炭素数7〜30のアリールアルキル基を表し、R及びRがフェニル基の場合、フェニル基どうしが結合してフルオレン基を形成してもよく、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を示す。
式(2)において、R、R、R及びRは、式(1)におけるR、R、R及びRと同義であり、Rは、−R、−OR、−SR、−COR、−CONR、−NRCOR、−OCOR、−COOR、−SCOR、−OCSR、−COSR、−CSOR、−CN、ハロゲン原子又は水酸基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を表し、aは0〜4の整数を表す。
上記式(1)及び式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル、シクロヘキシル基又はフェニル基が好ましい。Rはメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はキシリル基が好ましい。Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が好ましい。Rはメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はナフチル基が好ましい。Xは直接結合が好ましい。
式(1)及び式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2014−137466号公報の段落番号0076〜0079に記載された化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に極大吸収波長を有するものがより好ましく、365nm及び405nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、より良好な感度とパターン形成性が得られる。本発明の硬化性組成物は、重合開始剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の組成物における重合開始剤の含有量は、組成物中の全固形分に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。
〔シランカップリング剤〕
本発明の組成物は、シランカップリング剤を含有していてもよい。
シランカップリング剤とは、分子中に加水分解性基とそれ以外の官能基を有する化合物である。なお、アルコキシ基等の加水分解性基は、珪素原子に結合している。
加水分解性基とは、珪素原子に直結し、加水分解反応及び/又は縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合、その炭素数は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。特に、炭素数4以下のアルコキシ基又は炭素数4以下のアルケニルオキシ基が好ましい。
また、シランカップリング剤は基板と硬化膜間の密着性を向上させるため、フッ素原子及び珪素原子(ただし、加水分解性基が結合した珪素原子は除く)を含まないことが好ましく、フッ素原子、珪素原子(ただし、加水分解性基が結合した珪素原子は除く)、珪素原子で置換されたアルキレン基、炭素数8以上の直鎖アルキル基、及び、炭素数3以上の分鎖アルキル基は含まないことが望ましい。
シランカップリング剤は、以下の式(Z)で表される基を有することが好ましい。*は結合位置を表す。
式(Z) *−Si−(RZ1
式(Z)中、RZ1は加水分解性基を表し、その定義は上述の通りである。
シランカップリング剤は、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、及び、オキセタニル基からなる群から選択される1種以上の硬化性官能基を有することが好ましい。硬化性官能基は、直接、珪素原子に結合してもよく、連結基を介して珪素原子に結合していてもよい。
なお、上記シランカップリング剤に含まれる硬化性官能基の好適態様としては、ラジカル重合性基も挙げられる。
シランカップリング剤の分子量は特に制限されず、取り扱い性の点から、100〜1000の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、270以上が好ましく、270〜1000がより好ましい。
シランカップリング剤の好適態様の一つとしては、式(W)で表されるシランカップリング剤Xが挙げられる。
式(W) RZ2−Lz−Si−(RZ1
z1は、加水分解性基を表し、定義は上述の通りである。
z2は、硬化性官能基を表し、定義は上述のとおりであり、好適範囲も上述の通りである。
Lzは、単結合又は2価の連結基を表す。Lzが2価の連結基を表す場合、2価の連結基としては、ハロゲン原子が置換していてもよいアルキレン基、ハロゲン原子が置換していてもよいアリーレン基、−NR12−、−CONR12−、−CO−、−CO−、SONR12−、−O−、−S−、−SO−、又は、これらの組み合わせが挙げられる。なかでも、炭素数2〜10のハロゲン原子が置換していてもよいアルキレン基及び炭素数6〜12のハロゲン原子が置換していてもよいアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1種、又は、これらの基と−NR12−、−CONR12−、−CO−、−CO−、SONR12−、−O−、−S−、及びSO−からなる群から選択される少なくとも1種の基との組み合わせからなる基が好ましく、炭素数2〜10のハロゲン原子が置換していてもよいアルキレン基、−CO−、−O−、−CO−、−CONR12−、又は、これらの基の組み合わせからなる基がより好ましい。ここで、上記R12は、水素原子又はメチル基を表す。
シランカップリング剤Xとしては、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−602)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−603)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−602)、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−903)、γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−903)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−503)、グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−4803)などが挙げられる。
シランカップリング剤の他の好適態様としては、分子内に少なくとも珪素原子と窒素原子と硬化性官能基とを有し、かつ、珪素原子に結合した加水分解性基を有するシランカップリング剤Yが挙げられる。
このシランカップリング剤Yは、分子内に少なくとも1つの珪素原子を有すればよく、珪素原子は、以下の原子、置換基と結合できる。それらは同じ原子、置換基であっても異なっていてもよい。結合しうる原子、置換基は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1から20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル基及び/又はアリール基で置換可能なアミノ基、シリル基、炭素数1から20のアルコキシ基、アリーロキシ基などが挙げられる。これらの置換基はさらに、シリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、チオアルコキシ基、アルキル基及び/又はアリール基で置換可能なアミノ基、ハロゲン原子、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、アミド基、ウレア基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、カルボキシル基、又はその塩、スルホ基、又はその塩などで置換されていてもよい。
なお、珪素原子には少なくとも一つの加水分解性基が結合している。加水分解性基の定義は、上述の通りである。
シランカップリング剤Yには、式(Z)で表される基が含まれていてもよい。
シランカップリング剤Yは、分子内に窒素原子を少なくとも1つ以上有し、窒素原子は、2級アミノ基或いは3級アミノ基の形態で存在することが好ましく、即ち、窒素原子は置換基として少なくとも1つの有機基を有することが好ましい。なお、アミノ基の構造としては、含窒素ヘテロ環の部分構造の形態で分子内に存在してもよく、アニリンなど置換アミノ基として存在していてもよい。
ここで、有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又は、これらの組み合わせなどが挙げられる。これらはさらに置換基を有してもよく、導入可能な置換基としては、シリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、アミド基、ウレア基、アルキレンオキシ基アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、カルボキシル基、又はその塩、スルホ基などが挙げられる。
また、窒素原子は、任意の有機連結基を介して硬化性官能基と結合していることが好ましい。好ましい有機連結基としては、上述の窒素原子及びそれに結合する有機基に導入可能な置換基を挙げることができる。
シランカップリング剤Yに含まれる硬化性官能基の定義は、上述の通りであり、好適範囲も上述の通りである。
シランカップリング剤Yには、硬化性官能基は一分子中に少なくとも一つ以上有していればよいが、硬化性官能基を2以上有する態様をとることも可能であり、感度、安定性の観点からは、硬化性官能基を2〜20有することが好ましく、4〜15有することがさらに好ましく、最も好ましくは分子内に硬化性官能基を6〜10有する態様である。
シランカップリング剤X及びシランカップリング剤Yの分子量は特に制限されないが、上述した範囲(270以上が好ましい)が挙げられる。
本発明の組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、組成物中の全固形分に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1.0〜6質量%がさらに好ましい。
また、組成物中におけるシランカップリング剤と、前述した含フッ素ブロック共重合体の質量比が、0.1〜20であることが好ましく、低反射率と直線性を両立する観点から0.2〜15であることがより好ましく、0.3〜10であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、シランカップリング剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。組成物がシランカップリング剤を2種以上含む場合は、その合計が上記範囲内であればよい。
〔樹脂〕
本発明の組成物は、樹脂を含有することが好ましい。なお、樹脂は、上述した含フッ素ブロック共重合体、シランカップリング剤、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル高分子は含まれない。つまり、樹脂は含フッ素ブロック共重合体、シランカップリング剤、水酸基又は酸基を有する(メタ)アクリル高分子とは異なる樹脂である。
樹脂としては、バインダーポリマー(以降、アルカリ可溶性樹脂と表記する場合がある)とが挙げられる。なお、後述するアルカリ可溶性樹脂は顔料分散剤として含まれていてもよい。
(バインダーポリマー)
本発明の組成物は、バインダーポリマーを含有していてもよい。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用することができる。好ましくは、水現像又は弱アルカリ水現像を可能とするために、水又は弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。なかでも、バインダーポリマーとしては、アルカリ可溶性樹脂(アルカリ可溶性を促進する基を有する樹脂)が特に好ましい。
バインダーポリマーとしては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましい。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
バインダーポリマーとしては、例えば、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独或いは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独或いは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーの例としては、無水マレイン酸等が挙げられる。また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体も例として挙げられる。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
また、欧州特許第993966号、欧州特許第1204000号、特開2001−318463号等の各公報に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
更に、この他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また、硬化皮膜の強度を上げるために、アルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
バインダーポリマーの製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶剤の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
本発明の組成物におけるバインダーポリマーの含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.3〜25質量%であることがより好ましい。
〔溶剤〕
本発明の組成物は、溶剤を含有していてもよい。
溶剤としては、水又は有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤の例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤を2種以上組み合わせて用いる場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートからなる群から選択される2種以上で構成される。
本発明の組成物に含まれる溶剤の量としては、組成物の全質量に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜85質量%であることがより好ましい。
〔その他〕
本発明の組成物には、紫外線吸収剤が含まれていてもよい。これにより、パターンの形状をより優れた(精細な)ものにすることができる。
紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系の紫外線吸収剤を使用することができる。これらの具体例としては、特開2012−068418号公報の段落0137〜0142(対応するUS2012/0068292の段落0251〜0254)の化合物が使用でき、これらの内容が援用でき、本明細書に組み込まれる。
他にジエチルアミノ−フェニルスルホニル系紫外線吸収剤(大東化学製、商品名:UV−503)なども好適に用いられる。
紫外線吸収剤としては、特開2012−32556号公報の段落0134〜0148に例示される化合物が挙げられる。
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、紫外線吸収剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.001〜15質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
本発明の組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。ここで、本発明の含フッ素ブロック共重合体は上記の界面活性剤には含まれない。特に、本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781F(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ここで、本発明の含フッ素ブロック共重合体は、上記のフッ素系界面活性剤には含まれない。
他の界面活性剤の具体例としては、例えば、特開2013−249417号公報の段落0174〜0177に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の添加量は、組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。
上記成分以外にも、本発明の組成物には、以下の成分をさらに添加してもよい。例えば、増感剤、共増感剤、架橋剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、重合禁止剤、可塑剤、希釈剤、感脂化剤などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)等の公知の添加剤を必要に応じて加えてもよい。
これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号0183〜0228(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の[0237]〜[0309])、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0102、段落番号0103〜0104、段落番号0107〜0109、特開2013−195480号公報の段落番号0159〜0184等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の組成物の固形分濃度は5〜50質量%であることが好ましく、形成される着色層の厚み及び遮光性のバランスの点で、15〜40質量%であることがより好ましい。
<組成物の調製方法>
本発明の組成物は、上述した各種成分を公知の混合方法(例えば、攪拌機、ホモジナイザー、高圧乳化装置、湿式粉砕機、湿式分散機)により混合して調製することができる。
本発明の組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)、ナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.1〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.2〜2.5μm程度、より好ましくは0.2〜1.5μm程度、さらに好ましくは0.3〜0.7μmである。この範囲とすることにより、顔料のろ過詰まりを抑えつつ、顔料に含まれる不純物や凝集物など、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が同じ、又は、大きい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.2〜10.0μm程度が適しており、好ましくは0.2〜7.0μm程度、さらに好ましくは0.3〜6.0μm程度である。
<硬化膜及びその製造方法>
上述した組成物を用いることにより、硬化膜を形成することができる。
形成される硬化膜は、上述した図1にて説明したように、着色剤(特に、黒色顔料)を含む着色層(下側層)と含フッ素ブロック共重合体を含んで形成される被覆層(上側層)との2層構造を有する。なお、通常、被覆層は、基板上に配置される硬化膜中の基板とは反対側(空気側)に配置される層である。
着色層には、上述した黒色顔料等の着色剤が主に含まれる。
被覆層は、組成物を塗布して得られる塗膜の表面付近に偏在した含フッ素ブロック共重合体を主たる成分として形成される層である。なお、被覆層においては、含フッ素ブロック共重合体は他の成分(例えば、重合性化合物)と反応していてもよい。なお、被覆層には、着色剤が含まれていない。
硬化膜の屈折率は、着色層の屈折率よりも低いことが好ましい。
硬化膜の厚みは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.2〜25μmが好ましく、1.0〜10μmがより好ましい。
上記厚みは平均厚みであり、硬化膜の任意の5点以上の厚みを測定し、それらを算術平均した値である。
硬化膜の製造方法は特に制限されないが、上述した硬化性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成して、塗膜に対して硬化処理を施し、硬化膜を製造する方法が挙げられる。
硬化処理の方法は特に制限されず、光硬化処理又は熱硬化処理が挙げられ、パターン形成が容易である点から、光硬化処理(特に、活性光線又は放射線を照射することによる硬化処理)が好ましい。
なお、使用される基板の種類は特に制限されない。なかでも、固体撮像装置内に硬化膜を配置する場合は、基板として、固体撮像装置内の各種部材(例えば、赤外光カットフィルタ、固体撮像素子の外周部、ウェハーレベルレンズ外周部、固体撮像素子裏面など)などが好ましく挙げられる。
パターン状の硬化膜を製造する場合の好適態様としては、基板上に、本発明の組成物をスピンコートにより塗布して組成物層を形成する工程(以下、適宜「組成物層形成工程」と略称する。)と、組成物層を活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の組成物層をアルカリ現像して硬化膜を形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含む態様が挙げられる。
具体的には、本発明の組成物を、直接又は他の層を介して基板上にスピンコートにより塗布して、組成物層を形成し(組成物層形成工程)、所定のマスクパターンを介して活性光線又は放射線を照射することにより露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ(露光工程)、アルカリ現像液で現像することによって(現像工程)、パターン状の硬化膜を製造することができる。
以下、上記態様における各工程について説明する。
〔組成物層形成工程〕
組成物層形成工程では、基板上に、本発明の組成物を塗布して組成物層を形成する。
基板の種類は特に制限されないが、固体撮像装置内に硬化膜を配置する場合は、例えば、固体撮像装置内の各種部材(例えば、赤外光カットフィルタ、固体撮像素子の外周部、ウェハーレベルレンズ外周部、固体撮像素子裏面など)などが挙げられる。
基板上への本発明の組成物の塗布方法としては、スピンコート、スリット塗布、インクジェット法、スプレー塗布、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができるが、スピンコートが特に好ましい。
基板上に塗布された組成物は、通常、70℃以上110℃以下で2分以上4分以下程度の条件下で乾燥され、組成物層が形成される。
〔露光工程〕
露光工程では、組成物層形成工程において形成された組成物層をマスクを介して活性光線又は放射線を照射することにより露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、光源としては高圧水銀灯が好まれる。照射強度は5mJ/cm以上1500mJ/cm以下が好ましく、10mJ/cm以上1000mJ/cm以下がより好ましい。
〔現像工程〕
露光工程に次いで、現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分を現像液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、有機アルカリ現像液を用いることが望ましい。現像温度としては通常20℃以上30℃以下であり、現像時間は20秒以上90秒以下である。
アルカリ水溶液としては、例えば、無機系現像液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、有機アルカリ現像液としては、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜0.5質量%となるように溶解したアルカリ水溶液が挙げられる。アルカリ水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、このようなアルカリ水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
なお、組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成されたパターン状の遮光膜を加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を実施してもよい。
<遮光膜付き赤外光カットフィルタ、固体撮像装置>
着色剤として黒色顔料を用いた場合は、上述した硬化膜はいわゆる遮光膜として好適に適用できる。また、このような遮光膜は、固体撮像装置に好適に適用することができる。
以下では、まず、本発明の遮光膜を有する固体撮像装置の第1実施形態について詳述する。
図2及び図3に示すように、固体撮像装置2は、固体撮像素子としてCMOSセンサ3と、このCMOSセンサ3が実装される回路基板4と、回路基板4を保持するセラミック製のセラミック基板5とを備えている。また、固体撮像装置2は、セラミック基板5に保持され、CMOSセンサ3に向かう赤外光(IR)をカットするIRカットフィルタ6と、撮影レンズ7と、この撮影レンズ7を保持するレンズホルダ8と、このレンズホルダ8を移動自在に保持する保持筒9とを備えている。また、CMOSセンサ3に代えて、CCDセンサや有機CMOSセンサを設けてもよい。
セラミック基板5は、CMOSセンサ3が挿入される開口5aが形成され、枠状となっており、CMOSセンサ3の側面を囲んでいる。この状態で、CMOSセンサ3が実装された回路基板4は、接着剤(例えば、エポキシ系接着剤、以下同様)によりセラミック基板5に固定されている。回路基板4には、各種回路パターンが形成されている。
IRカットフィルタ6は、板状のガラスや青ガラスに赤外光を反射する反射膜が形成され、この反射膜が形成された面が入射面6aとなる。IRカットフィルタ6は、開口5aよりも一回り大きいサイズで形成され、開口5aを覆うように接着剤によりセラミック基板5に固定されている。
撮影レンズ7の背後(図3及び図4における下方)に、CMOSセンサ3が配され、撮影レンズ7とCMOSセンサ3との間に、IRカットフィルタ6が配されている。被写体光は、撮影レンズ7、IRカットフィルタ6を通ってCMOSセンサ3の受光面に入射する。このとき、赤外光は、IRカットフィルタ6によりカットされる。
回路基板4は、固体撮像装置2が搭載される電子機器(例えば、デジタルカメラ)に設けられた制御部に接続され、電子機器から固体撮像装置2に電力が供給される。CMOSセンサ3は、受光面上に多数のカラー画素が二次元に配列されており、各カラー画素は入射光を光電変換し、発生した信号電荷を蓄積する。
図3及び図4に示すように、IRカットフィルタ6の入射面6aの端部には、全周に亘って上述した遮光膜(遮光層)11が配置されており、遮光膜付き赤外光カットフィルタが形成されている。撮影レンズ7から出射され、セラミック基板5の前面(図3及び図4における上面)で反射した反射光R1が、装置内で反射や屈折を繰り返した後にCMOSセンサ3に入射した場合や、撮影レンズ7から出射されたレンズホルダ8の内壁面で反射した反射光R2が、CMOSセンサ3に入射した場合には、撮影画像でフレアが発生する原因となる。遮光膜11は、CMOSセンサ3に向かう反射光R1、R2等の有害光を遮光する。遮光膜11は、例えばスピンコート法、スプレーコート法で塗布されている。なお、図3及び図4では、遮光膜11の厚みを誇張して描いている。
図5に第2実施形態の固体撮像装置20を示す。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
固体撮像装置20は、CMOSセンサ3と、回路基板4と、セラミック基板5と、IRカットフィルタ6と、撮影レンズ7と、レンズホルダ8と、保持筒9とを備えている。IRカットフィルタ6の側端面に、全周に亘って上述した遮光膜(遮光層)21が形成されている。撮影レンズ7から出射され、セラミック基板5の前面で反射した反射光R3が、装置内で反射や屈折を繰り返した後にCMOSセンサ3に入射した場合には、撮影画像でフレアが発生する原因となる。遮光膜21は、CMOSセンサ3に向かう反射光R3等の有害光を遮光する。
図6に第3実施形態の固体撮像装置30を示す。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
固体撮像装置30は、CMOSセンサ3と、回路基板4と、セラミック基板5と、IRカットフィルタ6と、撮影レンズ7と、レンズホルダ8と、保持筒9とを備えている。IRカットフィルタ6の入射面6aの端部及び側端面に、全周に亘って上述した遮光膜(遮光層)31が形成されている。すなわち、第1、第2実施形態を組み合わせたものとなっている。この実施形態では、第1、第2実施形態よりも遮光性能が高くなるので、フレアの発生が確実に抑制される。
図7に第4実施形態の固体撮像装置40を示す。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
固体撮像装置40は、CMOSセンサ3と、回路基板4と、セラミック基板5と、IRカットフィルタ6と、撮影レンズ7と、レンズホルダ8と、保持筒9とを備えている。IRカットフィルタ6の入射面6aの端部及び側端面に、全周に亘って上述した遮光膜(遮光層)31が形成されている。
また、セラミック基板5の内壁面には、遮光膜(遮光層)41が形成されている。撮影レンズ7から出射され、IRカットフィルタ6を通過してセラミック基板5の内壁面で反射した反射光がCMOSセンサ3に入射した場合には、撮影画像のフレアが発生する原因となる。遮光膜41は、セラミック基板5の内壁面よりも遮光性能が高くなるので、フレアの発生が確実に抑制される。
<カラーフィルタ>
また、本発明の硬化膜は、カラーフィルタにも用いることができる。
カラーフィルタは、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補性金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。カラーフィルタは、例えば、CCD又はCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置して用いることができる。
また、カラーフィルタは、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子用として好ましく用いることができる。有機EL素子としては、白色有機EL素子が好ましい。有機EL素子は、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326−328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子のタンデム構造としては、例えば、基板の一面において、光反射性を備えた下部電極と光透過性を備えた上部電極との間に有機EL層を設けた構造などが挙げられる。下部電極は、可視光の波長域において十分な反射率を有する材料により構成されていることが好ましい。有機EL層は、複数の発光層を含み、それら複数の発光層が積層された積層構造(タンデム構造)を有していることが好ましい。有機EL層は、例えば、複数の発光層には、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を含むことができる。そして、複数の発光層とともに、それらは発光層を発光させるための複数の発光補助層を併せて有することが好ましい。有機EL層は、例えば、発光層と発光補助層とが交互に積層する積層構造とすることができる。こうした構造の有機EL層を有する有機EL素子は、白色光を発光することができる。その場合、有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430nm−485nm)、緑色領域(530nm−580nm)及び黄色領域(580nm−620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加え更に赤色領域(650nm−700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。白色光を発光する有機EL素子(白色有機EL素子)と、本発明のカラーフィルタとを組み合わせることにより、色再現性上優れた分光が得られ、より鮮明な映像や画像を表示可能である。
カラーフィルタにおける着色パターン(着色画素)の膜厚は、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.7μm以下がさらに好ましい。下限は、例えば0.1μm以上とすることができ、0.2μm以上とすることもできる。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。下限は、例えば0.1μm以上とすることができ、0.2μm以上とすることもできる。
<画像表示装置>
本発明の硬化膜(カラーフィルタ、遮光膜など)は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの、画像表示装置に用いることができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明におけるカラーフィルタは、カラーTFT(Thin Film Transistor)方式の液晶表示装置に用いてもよい。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はIPS(In Plane Switching)などの横電界駆動方式、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)などの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN(Super−Twist Nematic)、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertical Alignment)、OCS(on−chip spacer)、FFS(fringe field switching)、及び、R−OCB(Reflective Optically Compensated Bend)等にも適用できる。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color−filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタに対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタは、耐光性などに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
液晶表示装置は、本発明におけるカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。
<合成例1:含フッ素ブロック共重合体1の合成>
まず、含フッ素ブロック共重合体1を下記の方法により合成した。
(Step 1)リビングラジカル重合によるPMAA−Brの合成
500mlフラスコに塩化第一銅(6.23g、46.4mmol)、4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン(37.9g、92.8mmol)、重合開始剤であるエチル2−ブロモイソブチレート(4.52g、23.2mmol)を加えて窒素置換を行った。30分間窒素バブリングしたアニソール70mlとアルミナカラムを通して重合禁止剤を除去したメタクリル酸(150g、1.74mol)をモノマーと開始剤のモル比が75/1になるように加えた後、このフラスコを80℃の湯浴に浸し、重合を開始した。10時間後、室温に戻し、空気と接触させることで重合を停止した。ポリマー溶液はアルミナカラムを通して精製した。この溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた後、100℃で真空乾燥させた。得られたポリマーの数平均分子量Mnは1500g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.17であった。
(Step 2)リビングラジカル重合によるPMAA−b−Pi6Fの合成法
1Lフラスコに臭化第一銅(1.2g、8.4mmol)、MeTREN((Tris[2−(dimethylamino)ethyl]amine) 3.87g、16.8mmol)、重合開始剤となるStep 1で合成したPMAA−Br(7.86g、5.2mmol)を加えて窒素置換を行った。30分間窒素バブリングしたアニソール200mlとアルミナカラムを通して重合禁止剤を除去したi6FMA(49.5g、0.21mol)を加えた後、このフラスコを90℃の湯浴に浸し、重合を開始した。10時間後、室温に戻し、空気と接触させることで重合を停止した。ポリマー溶液はアルミナカラムを通して精製した。この溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた後、140℃で真空乾燥し、含フッ素ブロック共重合体1(PMAA−b−Pi6F)を得た。数平均分子量Mnは11700g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.36であった。
<合成例2〜11:含フッ素ブロック共重合体2〜11の合成>
含フッ素ブロック共重合体1の合成において用いたモノマー、及び、重合開始剤の添加量を、それぞれ下記表1の記載のとおりに替えて調整した以外は、上記合成例1(含フッ素ブロック共重合体1の合成方法)と同様の手順により、含フッ素ブロック共重合体2〜11を得た。
表1に、含フッ素ブロック共重合体1〜11のモノマー組成、含フッ素ブロック共重合体1〜11の合成に用いた重合開始剤の量をそれぞれ下記表1にまとめて示す。
なお、下記表1において、モノマー1、モノマー2及び開始剤の「量」の単位は、いずれも「g」である。また、開始剤欄における「量」は、開始剤をモノマーと混合する際の初期添加量「g」を意味する。
表1に記載する各種モノマーを下記に示す。
(ブロックA組成)
MAA:メタクリル酸(カルボキシル酸基を有するモノマー)
HO−MS:2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製)(カルボキシル酸基を有するモノマー)
M5300:<ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート>(東亞合成株式会社製)(カルボキシル酸基を有するモノマー)
ホスマーM:アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(ユニケミカル(株)製)(リン酸基を有するモノマー)
PHS:パラヒドロキシスチレン(フェノール性水酸基を有するモノマー)
NKエステルCB36:(新中村化学工業(株)製)(カルボキシル酸基を有するモノマー)
(ブロックB組成)
i6FMA:メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル
C6FMA:2−(パーフルオロへキシル)−エチルメタクリレート
<合成例12:比較用含フッ素樹脂1の合成>
-組成1-
・MAA〔モノマー〕 1.40g
・i6FMA〔モノマー〕 16.1g
・2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)〔重合開始剤〕 0.325g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〔溶剤〕 35.0g
上記組成1に示す成分を混合して得た滴下用モノマー溶液を、窒素雰囲気下、80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート17.5g中に、3時間かけて滴下した。
その後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)0.325gを添加し、90℃に昇温後、2時間加熱し、30質量%の溶液として、下記に示す比較用含フッ素樹脂1を得た。得られた比較用含フッ素樹脂1は、いわゆるランダムポリマーに該当する。
<合成例13:比較用含フッ素樹脂2の合成>
−組成2−
・i6FMA〔モノマー〕 13.3 g
・NKエステルCB36〔新中村化学工業(株)製、モノマー〕 4.20 g
・2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)〔重合開始剤〕0.270 g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〔溶剤〕 30.6 g
上記組成2に示す成分を混合して得た滴下用モノマー溶液を、窒素雰囲気下、80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.2g中に、3時間かけて滴下した。
その後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル) 0.270gを添加し、90℃に昇温後、2時間加熱し、30質量%の溶液として、下記に示す比較用含フッ素樹脂2を得た。得られた比較用含フッ素樹脂2は、いわゆるランダムポリマーに該当する。
上記で作製した含フッ素樹脂(含フッ素ブロック共重合体1〜11、比較用含フッ素樹脂1、2)の構造、並びに重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び酸価をまとめて下記表2に示す。
本実施例において、得られた含フッ素ブロック共重合体1〜11(その中間体を含む)及び比較用含フッ素樹脂1、2の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、下記測定条件の下、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定により算出した。
装置:HLC−8220GPC〔東ソー(株)製〕
検出器:示差屈折計(RI検出器)
プレカラム TSKGUARDCOLUMN MP(XL)6mm×40mm〔東ソー(株)製〕
サンプル側カラム:以下4本を直結〔全て東ソー(株)製〕
TSK−GEL Multipore−HXL−M 7.8mm×300mm
リファレンス側カラム:サンプル側カラムに同じ
恒温槽温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
サンプル側移動層流量:1.0mL/分
リファレンス側移動層流量:0.3mL/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:100μL
データ採取時間:試料注入後16分〜46分
サンプリングピッチ:300msec
また、上記表2において、酸価は水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和滴定により求めた。具体的には、得られた含フッ素樹脂を溶媒に溶解させた溶液に、電位差測定法を用いて水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、含フッ素樹脂の固形1gに含まれる酸のミリモル数を算出し、次に、その値をKOHの分子量56.1をかけることにより求めた。
なお、表2に示す実施例5の含フッ素共ブロック共重合体については、水酸基価を求めた。水酸基価は、具体的には、JIS K0070記載の手法に則り、算出した。すなわち、水酸基価は、試料1gをアセチル化させたときに水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で示される。
<チタンブラック分散液の調製>
−組成3−
・(A)チタンブラック(平均一次粒径30nm、TTO−51N商品名、石原産業製)
45部
・(B)分散剤(後述する酸基を含む(メタ)アクリル系高分子分散剤(高分子化合物
C)) 13.5部
上記組成3に示す成分を混合し、分散処理を施し、分散物を得た。後述する分散剤の分子量が10000〜50000の範囲内であるとチタンブラックの良好な分散性が得られた。
〔実施例1:黒色硬化性組成物M−1の調製〕
上記で作製したチタンブラック分散液を用いて、表3の組成になるように各種成分とシクロヘキサノンを混合し、固形分32質量%である黒色硬化性組成物M−1を得た。
(高分子化合物Dの合成)
特開2010-106268号公報の段落0338〜0340の製造方法に従い(文献中特定樹脂4を参照)、高分子化合物Dを得た。なお、高分子化合物Dは、下記式(T)の骨格を有しており、式中、xは90質量%、yは0質量%、zは10質量%であった。また、高分子化合物Dの重量平均分子量は40000であり、酸価は100mgKOH/gであり、グラフト鎖の原子数(水素原子を除く)は117であった。
(高分子化合物Cの合成)
高分子化合物Cは特開2013-249417号公報の段落0219〜0223の記載を参照(文献中特定樹脂9を参照)して合成した。なお、高分子化合物Cは、下記式(T)の骨格を有しており、式中、xは43質量%、yは49質量%、zは8質量%であった。また高分子化合物Cの重量平均分子量は30000であり、酸価は60mgKOH/gであり、グラフト鎖の原子数(水素原子を除く)は117であった。
式(T)
〔実施例2〜11、比較例1〜2〕
上記黒色硬化性組成物M−1の調製において、含フッ素ブロック共重合体1を、含フッ素ブロック共重合体2〜11、比較用含フッ素樹脂1,2に変更した以外は同様の方法により、黒色硬化性組成物M−2〜M−13をそれぞれ調製した。
<固体撮像子用遮光性カラーフィルタの作成及び評価>
〔黒色硬化性組成物層形成工程〕
塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、シリコンウエハー〔支持体〕上に、黒色硬化性組成物M−1〜M―13のいずれかを均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの塗膜〔黒色硬化性組成物層〕を得た。
〔露光工程〕
次いで、i線ステッパー、FPA−3000iS+〔キャノン(株)製〕を使用して、線形300μm(幅300μm、長さ4mm)を有するマスクを介して200mJ/cmの露光量で照射(露光)した。
〔現像工程〕
照射(露光)後に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)0.3質量%水溶液を用いて、23℃にて所定時間パドル現像を行った。
〔ポストベーク工程〕
さらにクリーンオーブンCLH−21CDH(光洋サーモ(株)製)を用いて220℃で300秒間加熱処理を行った。
〔評価〕
上記のようにして得られた塗膜及びパターンについて、以下のような評価を行った。
<現像性>
上記のようにして得られた塗膜について、黒色硬化性組成物層形成工程後、露光を行わなかった塗膜について、下記の評価基準により、現像性を評価した。現像は、上記〔現像工程〕に記載の条件で行った。
「A」:30秒以下で現像した(すべて溶解できた)。
「B」:現像できたが、現像に30秒超60秒以内を必要とした。
「C」:現像できたが、現像に60秒超を必要とした。
「D」:現像液のはじきにより現像できなかった。
評価結果を下記表4に示す。なお、表4に記載した含フッ素樹脂の重量平均分子量(Mw)は、いずれも表2に記載したものと同じである。
<反射率>
反射率評価は作製した硬化膜に対して入射角度5°で400〜800nmの光を入射し、波長750nmでの透過率を日立ハイテクノロジー製分光器UV4100により測定した。なお、反射率評価に用いた硬化膜は、上記作製方法において〔露光工程〕を全面露光とした以外は同様に〔ポストベーク工程〕までを行うことで作製した。
「A」:反射率3%未満
「B」:反射率3%〜5%
「C」:反射率5%より大きい
評価結果を表4に示す。
<面状>
上記〔ポストベーク工程〕を経て得られたパターンについて、目視にて観察し、下記の評価基準により、面状を評価した。
「A」:見た目で異物なし。
「B」:ほとんど無いが異物あり。
「C」:異物が多く存在する。
評価結果を下記表4に示す。
上記表4から明らかなように、酸基を有するAブロックとフッ素原子を有するBブロックからなるA−Bブロックコポリマー部位を有する含フッ素ブロック共重合体1〜11を有する黒色硬化性組成物M−1〜11により形成される硬化膜(実施例1〜11)は、優れた現像性と低反射性を有することが確認された。
また、実施例3と実施例1とを対比すると、酸基を有するAブロックの連結基(式(A)のLに相当)の総原子数を10以下とすることで反射率、面状性がより良好となることが確認された。
また、実施例5と実施例1と対比すると、実施例5は、Aブロックがフェノール性水酸基を含む繰り返し単位により形成されていることから疎水性が高く、これを用いた黒色硬化性組成物により形成される硬化膜と実施例1とを比較すると、実施例1の現像性がより優れる結果となった。
また、実施例9においては、現像性、低反射性、面状性については良好であったが、直線性評価が低い結果となった。なお、直線性とは、上記〔ポストベーク工程〕を経て得られたパターンについて、電子顕微鏡で目視にて観察し、パターンのエッジ部(露光部と未露光部の境界部)の直線性を評価する試験である。
上記実施例9、実施例1及び実施例8の対比から、含フッ素ブロック共重合体の酸価を35〜150mgKOH/gとすることで、現像性、面状性、及び直線性により優れることが確認された。
また、実施例10の結果から、含フッ素ブロック共重合体の重量平均分子量が50000以下であると、現像性及び面状性がより優れることが分かった。
また、実施例11の結果から、含フッ素ブロック共重合体のAブロック中の酸基が環状構造を含まない連結基で連結されると現像性と低反射性がより優れることが分かった。
一方、比較例1(実施例1の含フッ素ブロック共重合体をランダム構造としたもの)は、現像性が所望の程度を満たさなかった。
また、比較例2(実施例11の含フッ素ブロック共重合体をランダム構造としたもの)は、脂環構造部分で凝集が生じ、Bブロックにおいてフッ素原子の凝集を阻害したことに起因して、現像性と低反射性の双方において評価が低くなった。
〔実施例1−a、1−b、1−c:黒色硬化性組成物M−1−a、M−1−b、M−1−cの調製〕
実施例1における表3の組成を表5に示す組成になるように各種成分とシクロヘキサノンを混合し、固形分32質量%である黒色硬化性組成物M−1−a〜M−1−cを得た。
得られた黒色硬化性組成物M−1−a〜M−1−cを用い、塗布・加熱処理後の膜厚が3.0μmになるように塗膜〔黒色硬化性組成物層〕を形成した以外は、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
<実施例1−a〜1−cの現像性・反射率の評価>
上記のようにして得られた塗膜及びパターンについて、現像性、低反射性、面状性の評価を行った。各種評価方法については、実施例1における同評価方法と同じである。
結果を表6に示す。
実施例1−a及び実施例1−cにおいては実施例1と同様の現像性、面状性の結果が得られた。実施例1−aと実施例1−bとの比較から、面状の優れる実施例1−aが本願所望の硬化をより顕著に得られることが分かった。実施例1−aと実施例1−cとの比較から、含フッ素ブロック共重合体量が多いことで本願所望の効果が顕著に得られることが分かった。
〔黒色硬化性組成物M−1(実施例1)の塗布性評価〕
上記で得られた黒色硬化性組成物M−1(実施例1)をインクジェット法、スプレー塗布法をそれぞれ用いて塗布し、同様の評価を行ったところ、各評価で同様の結果が得られた。その後、繰り返し評価を実施した場合に、インクジェット法では吐出曲がり、及びスプレー塗布法で再開時のノズル詰まりが発生する場合があったが、メンテナンス後、直ぐに回復した。繰り返しの評価ではスプレー塗布がよりハンドリングしやすいことが分かった。
〔実施例1−A:黒色硬化性組成物M−1−Aの調製及びパターン形成〕
実施例1において、含フッ素ブロック共重合体1の添加量を3.0部とし、重合性化合物と含フッ素ブロック共重合体1との質量比(重合性化合物/含フッ素ブロック共重合体1)を0.7とし、固形物をシクロヘキサノンの量で調整した以外は、同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Aを調製した(黒色硬化性組成物M−1−A中の全固形分に対する含フッ素ブロック共重合体1の含有量:3.7質量%)。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Aを用い、塗布・加熱処理後の膜厚が3.0μmになるように塗膜〔黒色硬化性組成物層〕を形成した以外は、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
〔実施例1−B:黒色硬化性組成物M−1−Bの調製及びパターン形成〕
実施例1において、含フッ素ブロック共重合体1の添加量を3.0部とし、重合性化合物と含フッ素ブロック共重合体1との質量比(重合性化合物/含フッ素ブロック共重合体1)を2.8とし、固形物をシクロヘキサノンの量で調整した以外は、同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Bを調製した(黒色硬化性組成物M−1−B中の全固形分に対する含フッ素ブロック共重合体1の含有量:3.5質量%)。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Bを用い、塗布・加熱処理後の膜厚が3.0μmになるように塗膜〔黒色硬化性組成物層〕を形成した以外は、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
〔実施例1−C:黒色硬化性組成物M−1−Cの調製及びパターン形成〕
実施例1において、含フッ素ブロック共重合体1の添加量を3.0部とし、重合性化合物と含フッ素ブロック共重合体1との質量比(重合性化合物/含フッ素ブロック共重合体1)を11とし、固形物をシクロヘキサノンの量で調整した以外は、同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Cを調製した(黒色硬化性組成物M−1−C中の全固形分に対する含フッ素ブロック共重合体1の含有量:2.7質量%)。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Cを用い、塗布・加熱処理後の膜厚が3.0μmになるように塗膜〔黒色硬化性組成物層〕を形成した以外は、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
〔実施例1−1:黒色硬化性組成物M−1のパターン形成〕
また、実施例1の黒色硬化性組成物を用いて、塗布・加熱処理後の膜厚が3.0μmになるように塗膜〔黒色硬化性組成物層〕を形成した以外は、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
<実施例1−A〜C、実施例1−1の現像性・直線性、反射率の評価>
直線性は以下のような基準で評価した。
<直線性>
上記〔ポストベーク工程〕を経て得られたパターンについて、パターンのエッジ部(露光部と未露光部の境界部)がきれいな直線で現像できたか否かを電子顕微鏡で目視にて観察し、評価した。
実施例1−1及び実施例1−A〜Cにおいては実施例1と同様の結果(現像性、低反射性)が得られた。また、実施例1−1及び実施例1−A〜Cでは、直線性評価において、きれいな直線が現像できた。しかし、実施例1−A及び実施例1−Cについては、直線性の評価において、パターンのエッジ部がやや荒れた形状の直線になった。
実施例1−A及び実施例1−Cについて、それぞれ膜厚を2.0μmとして同様の評価を行なったところ、実施例1と同様の結果(現像性・直線性、低反射性)が得られた。
〔実施例1−D〕
実施例1において、チタンブラックに変えて、カーボンブラック(商品名「カラーブラック S170」、デグサ社製、平均一次粒子径17nm、BET比表面積200m/g、ガスブラック方式により製造されたカーボンブラック)を使用した以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Dを調製した。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Dを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Dにおいては、現像性、低反射性については実施例1と同様の結果が得られたが、直線性の評価において、実施例1と実施例1−Dとを比較すると、実施例1の直線性がより優れることが分かった。
〔実施例1−E〕
実施例1のチタンブラック分散液の作製において、チタンブラックに変えて、ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名BK−CF)を使用した以外は同様にして、顔料分散液R1を得た後、実施例1のチタンブラックを顔料分散液R1に変えた以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Eを調製した。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Eを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Eにおいては、現像性、直線性については実施例1と同様の結果が得られたが、低反射の評価において、実施例1と実施例1−Eとを比較すると、実施例1がより点反射性に優れることが分かった。
〔実施例1−F〕
実施例1のチタンブラック 45部を、チタンブラック 40部と、顔料分散液R 5部に変えた以外は同様にして、顔料分散液R2を得た後、実施例1のチタンブラックを顔料分散液R2に変えた以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Fを調製した。得られた黒色硬化性組成物M−1−Fを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Fについて、実施例1と同様の評価を行なったところ、実施例1と同様の結果(現像性・直線性、低反射性)が得られた。
また、実施例1と比較し、赤外線領域の波長において光の反射率及び透過率が低く、遮光性に優れることが分かった。
〔実施例1−G〕
実施例1のチタンブラック分散液の作製において、チタンブラックに変えて、以下製造例に示すキサンテン染料ポリマー(Xa)を使用した以外は同様にして、染料分散液R3を得た後、実施例1のチタンブラックを染料分散液R3に変えた以外は同様の方法により硬化性組成物M−1−Gを調製した。
得られた硬化性組成物M−1−Gを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Gにおいては、現像性、直線性については実施例1と同様の結果が得られたが、実施例1と実施例1−Gとを比較すると、実施例1がより点反射性に優れることが分かった。
<製造例>
キサンテン染料ポリマーの合成
特開2011−242752号公報の段落0165に記載の造塩化合物(A−1)の製造方法に従って、色素多量体(キサンテンXa)を得た。なお、以下に、使用したポリマー、及び、色素の構造を示す。GPC測定により確認した色素多量体(キサンテンXa)の重量平均分子量(Mw)は、10,500であった。
〔実施例1−H〕
実施例1のチタンブラック 45部を、チタンブラック 40部と、染料分散液R3 5部に変えた以外は同様にして、顔料・染料混合分散液R4を得た後、実施例1のチタンブラックを顔料・染料混合分散液R4に変えた以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Hを調製した。得られた黒色硬化性組成物M−1−Hを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Hについて、実施例1と同様の評価を行なったところ、実施例1と同様の結果(現像性・直線性、低反射性)が得られた。
上記の結果から、着色剤を変えた場合、あるいは複数の着色剤を併用した場合であっても、本願所望の効果が得られることが推定される。
〔実施例1−I〕
実施例1の重合開始剤をIRGACURE−907(BASFジャパン社製)に変えた以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Iを調製した。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Iを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Iにおいては、現像性、低反射性については実施例1と同様の結果が得られたが、実施例1と実施例1−Iとを比較すると、実施例1の直線性がより優れることが分かった。
〔実施例1−J〕
実施例1の溶剤をシクロヘキサノンから、シクロヘキサノンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの質量比で1:1に変えた以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Jを調製した。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Jを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Jについては、実施例1と同様の結果(現像性・直線性、低反射性)が得られた。
〔実施例1−K〕
実施例1の重合性化合物をKAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製) 10.0部、及びPET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート、日本化薬(株)製) 8.5部に変えた以外は同様の方法により黒色硬化性組成物M−1−Kを調製した。
得られた黒色硬化性組成物M−1−Kを用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。
実施例1−Kについては、実施例1と同様の結果(現像性・直線性、低反射性)が得られた。
<合成例14:含フッ素ブロック共重合体12の合成>
リビングラジカル重合によるPMAA−b−Pi6F−b−PMAAの合成法
1Lフラスコに臭化第一銅(1.2g、8.4mmol)、MeTREN((Tris[2−(dimethylamino)ethyl]amine) 3.87g、16.8mmol)、重合開始剤として合成例1で合成したPMAA−b−Pi6F(60.8g、5.2mmol)を加えて窒素置換を行った。30分間窒素バブリングしたアニソール350mlとアルミナカラムを通して重合禁止剤を除去したMAA(49.5g、0.21mol)を加えた後、このフラスコを90℃の湯浴に浸し、重合を開始した。10時間後、室温に戻し、空気と接触させることで重合を停止した。ポリマー溶液はアルミナカラムを通して精製した。この溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた後、140℃で真空乾燥し、含フッ素ブロック共重合体12(PMAA−b−Pi6F−b−PMAA)を得た。数平均分子量Mnは17700g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.42であった。また、酸価は55mg/KOHであった。
〔実施例12〕
上記黒色硬化性組成物M−1の調製において、含フッ素ブロック共重合体1を、含フッ素ブロック共重合体12に変更した以外は同様の方法により、黒色硬化性組成物M−14を調製した。得られた黒色硬化性組成物M−14を用い、実施例1と同様の方法により〔黒色硬化性組成物層形成工程〕から〔ポストベーク工程〕までを行い、パターン形成及び評価を行なった。実施例1と実施例12とを比較すると、表面偏在性がA−Bであることから実施例1の反射率がより優れることが分かった(反射率評価はB)。また、現像性については、実施例1と同様の結果が得られた。
2,20,30,40 固体撮像装置
3 CMOSセンサ
4 回路基板
5 セラミック基板
5a 開口
5b 内壁面
6 IRカットフィルタ
7 撮影レンズ
8 レンズホルダ
9 保持筒
10 硬化膜
11,21,31,41 遮光膜(遮光層)
12 着色層
14 被覆層
100 基板

Claims (17)

  1. 水酸基又は酸基を有するAブロックとフッ素原子を有するBブロックとからなるA−Bブロックコポリマー部位を有する含フッ素ブロック共重合体と、
    少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物と、
    着色剤と、
    水酸基又は酸基を有するポリアクリレート系高分子、及び、水酸基又は酸基を有するポリメタクリレート系高分子からなる群から選択される高分子化合物と、を含む硬化性組成物であって、
    前記Aブロックが下記式(A)で表される繰り返し単位から構成され、前記Bブロックが下記式(B)で表される繰り返し単位から構成される、硬化性組成物
    式(A)中、R は、水素原子又はアルキル基を表し、L は、単結合又は2価の連結基を表し、A は、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基及びチオール基から選ばれる酸基若しくはその誘導体基、水素原子、又は水酸基を表す。
    式(B)中、R は、水素原子又はアルキル基を表し、L は、単結合又は2価の連結基を表し、R は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
  2. 前記式(A)中、Lは単結合、又は、総原子数20以下の2価の連結基である、請求項に記載の硬化性組成物。
  3. 前記式(A)中、Lは、単結合、又は、総原子数が10以下の直鎖状の2価の連結基である、請求項又はに記載の硬化性組成物。
  4. 水酸基又は酸基を有するAブロックとフッ素原子を有するBブロックとからなるA−Bブロックコポリマー部位を有する含フッ素ブロック共重合体と、
    少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物と、
    着色剤と、
    水酸基又は酸基を有するポリアクリレート系高分子、及び、水酸基又は酸基を有するポリメタクリレート系高分子からなる群から選択される高分子化合物と、を含む硬化性組成物であって、
    前記Aブロックが、下記式で表される、α−メチル−4−ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位から構成され、前記Bブロックが下記式(B)で表される繰り返し単位から構成される、硬化性組成物。
    式(B)中、R は、水素原子又はアルキル基を表し、L は、単結合又は2価の連結基を表し、R は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
  5. 前記式(B)中、Rがフッ素原子で置換された総炭素数1〜3の1価の有機基である、請求項〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記含フッ素ブロック共重合体の水酸基価又は酸価が35〜150mgKOH/gである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記含フッ素ブロック共重合体の含有量が、硬化性組成物中の全固形分に対して、1〜20質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記含フッ素ブロック共重合体の重量平均分子量が5000〜50000である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記高分子化合物の重量平均分子量が10000〜50000である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 前記高分子化合物が、分子中にポリエステル構造を有し、水酸基価又は酸価が20mgKOH/g以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 前記高分子化合物の含有量と前記含フッ素ブロック共重合体の含有量との質量比が3〜8である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。なお、前記質量比は、前記高分子化合物の質量/前記含フッ素ブロック共重合体の質量を意図する。
  12. 前記着色剤が、黒色顔料を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  13. スピンコートによって基材上に請求項1〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物の組成物層を形成する工程と、
    前記組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程と、
    前記露光後の組成物層をアルカリ現像して硬化膜を形成する工程と、を備える硬化膜の製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなるカラーフィルタ。
  15. 請求項12に記載の硬化性組成物を硬化してなる遮光膜。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する固体撮像素子。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜を有する画像表示装置。
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