JP6590989B1 - 安全帯取付具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で木質等の壁材に簡単かつ安全に取り付けることができる安全帯取付具を提供する。【解決手段】 安全帯取付具(20)は、互いに対向する第1の辺(1)と第2の辺(2)、および前記第1の辺の一端部と前記第2の辺の一端部を連結する第3の辺(3)を備え、前記壁材に取り付けるための内部空間(13)を内側に有する正面視略コ字状の本体部(4)と、前記内部空間(13)とは反対側の前記本体部(4)の面上に設けられた突条(7)と、前記第1の各辺(1〜3)の内側に設けられた弾性部材(8)と、突条(7)に設けられた略半円形の開口(12)からなる取付部(10)とを有し、前記第1の辺(1)は、前記第2の辺(1)より長手方向の長さが大きいことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は安全帯取付具に関する。
落下の危険性のある高い場所で作業を行う場合には安全帯の使用が義務付けられている。安全帯は、命綱としてのロープ部分と、そのロープ部分を安定支持物に固定するためのフック部と、墜落時に人体を保持するためのベルトとから構成されている。
従来、安全帯のロープ部分を安定支持物に固定する取付具は各種提案されている。例えば、図8に示す下記特許文献1には、安全帯を幅広H鋼、壁面突出部材などの工事部材(52)に取り付ける挟持型の安全帯取付具(53)が開示されている。
この安全帯取付具(53)では略コ字形部材(54)を工事部材(52)に嵌めた後、略コ字形部材(54)の上側水平部(55)に螺着したボルト(56)と、略コ字形部材(54)の下側水平部(57)との間に工事部材(52)を挟み込み、ボルト(56)の先端を工事部材(52)の表面に強力に圧接させることによって略コ字形部材(54)を工事部材(52)に固定する構成としてある。
特開平04−354955号
上記従来構成の安全帯取付具(53)であれば、下記のような課題がある。
(A)ボルト(56)の先端と下側水平部(57)によって工事部材(52)を強く締め付ける構成なので、工事部材(52)が幅広H鋼のように十分な強度を有するものでないと工事部材(52)が破損して安全帯取付具(53)として機能しないという課題がある。
(B)ボルト(56)の先端と下側水平部(57)を強く挟持する場合に、木材表面のように比較的軟質な材料で壁材が構成されている場合は、壁材の表面が著しく傷んでしまうという課題がある。
(C)安全帯取付具(53)の取付強度はボルト(56)の締め付け度合によって、大きく変化するので、ボルト(56)の締め付けを十分に行わない場合は、安全帯取付具(53)が工事部材(52)から脱落してしまう可能性がある。
また、ボルト(56)の締め付けを強固に行おうとしてもボルト(56)の先端部の面積は小さいので、工事部材(52)の表面の状態、例えば表面の傾きや錆があること等によって十分な固定が行いづらいこともある。
(D)作業員の体重がボルト(56)先端部に係る構成なので、ボルト(56)の強度のみならず、垂直部(59)、上側水平部(55)及び下側水平部(57)を含む略コ字形部材(54)自体の高い強度が要求され、安全帯取付具(53)の重量が大きくなり、製造価格が高くなってしまう課題がある。
本発明の目的は、簡単な構成で木質等の壁材に簡単かつ安全に取り付けることができる安全帯取付具を提供することを目的とする。
また、他の目的として、上記従来技術の各課題を解決することができる安全帯取付具を提供することにある。
上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
本発明に係る安全帯取付具は、木質等の壁材に取り付けて使用する安全帯取付具であって、
前記安全帯取付具は、
互いに対向する第1の辺と第2の辺、および前記第1の辺の一端部と前記第2の辺の一端部を連結する第3の辺を備え、前記壁材に取り付けるための内部空間を内側に有する正面視略コ字状の本体部と、
前記第1の辺、前記第2の辺、及び前記第3の辺のそれぞれの辺において、前記内部空間とは反対側の前記本体部の面上に設けられた少なくとも1つの突条と、
前記第1の辺、前記第2の辺、および前記第3の辺の前記内部空間側の前記本体部の面上に設けられた弾性部材とを有し、
前記突条は、前記第1の辺の他端部側に、安全帯のフックを取り付けるための取付部を備え、
前記取付部は、前記第1の辺の他端部側に接するような略半円形の開口を備えており、
前記第1の辺は、前記第2の辺より長手方向の長さが大きいことを特徴とする。
なお、壁材は木質材料などの各種材料で構成された壁パネルを含む意味で用いている。
この構成であれば、正面視略コ字状の本体部に第1の辺、第2の辺、及び第3の辺のそれぞれの辺において、少なくとも1つの突条が設けられているので、簡単な構成で、変形の少ない安全帯取付具を構成できる。また、突条は、前記第1の辺の他端部側に、安全帯のフックを取り付けるための取付部を備えているので、取付部を強度の高い突条で構成できるとともに、かつその突条は第1の辺の他端部側に設けているので、作業者の重量が長い第1の辺の他端部側にかかることになり、壁材への安定した取付を可能にすることができる。また、取付部は、第1の辺の他端部側に接するような略半円形の開口を備えているので、取付部に係る安全帯のフックの力をより第1の辺側に寄せることができて取付を安定させることができる。さらに、弾性部材を備えているので、略コ字状の内部空間に嵌めこまれた壁材に対して安定して固定することができる。
本発明に係る他の形態では、前記突条を前記第1の辺から前記第3の辺を経て前記第2の辺に亘って一連一体に繋がるように設けたことを特徴とする。
この構成であれば、第1の辺の突条と、第2の辺の突条と、第3の辺の突条を一連一体に繋がるように設けたことで正面視略コ字状の本体部とともに正面視略コ字状の突条部ができるので、本体部の形状維持安定性を大幅に高めることができる。
本発明に係る他の形態では、前記第1の辺の長手方向の長さと前記第2の辺の長手方向の長さの比率が1.2:1〜2:1であることを特徴とする。
本発明に係る他の形態では、前記突条は、前記第1の辺、前記第2の辺、および前記第3の辺の短手方向の中心部に1つ設けられていることを特徴とする。
この構成であれば、突条を1つ設けることで構成を簡単にできるとともに重量も軽くすることができる。
本発明に係る他の形態では、少なくとも前記第1の辺に前記安全帯取付具を前記壁材に固定するための固定部材が設けられていることを特徴とする。
この構成であれば、固定部材によって安全帯取付具の壁材への取付を安定させることができる。
本発明に係る他の形態では、前記弾性部材の前記内部空間側の表面には摩擦抵抗を大きくする表面加工が施されていることを特徴とする。
この構成であれば、弾性部材に摩擦抵抗を大きくする表面加工が施されているので壁材へのすべりを抑制して安定した取付が可能になる。
以上説明したように、本発明であれば、簡単な構成で壁材に簡単かつ安全に取り付けることができる安全帯取付具を提供することができた。また、上記従来技術の少なくとも一つの課題を解決することができる安全帯取付具を提供できた。
本実施形態に係る安全帯取付具の正面図である。 本実施形態に係る安全帯取付具の平面図である。 本実施形態に係る安全帯取付具の左側面図である。 本実施形態に係る安全帯取付具の右側面図である。 壁材に本安全帯取付具を取り付けた状態を示す正面図である。 壁材に本安全帯取付具を取り付けた状態を示す側面図である。 第1の辺の長さを変えた場合の第1の辺のモーメントの大きさを説明するための正面図である。 従来の安全帯取付具を示す斜視図である。
図1〜図6は本発明の一実施形態に係る安全帯取付具を説明するための図である。
図1〜図6において、使用時に上下となる方向を上下方向(X)と称し、壁材(5)の厚さ方向を奥行方向(Y)と称し、辺の広さ方向を幅方向(Z)と称する。
<略コ字形の本体部(4)>
図1及び図5に示すように、本体部(4)は第1の辺(1)、第2の辺(2)、第3の辺(3)で構成され、図1に示す正面視において略コ字形となるように構成してある。
互いに対向する第1の辺(1)と第2の辺(2)は、それぞれ上下方向(X)に延びる辺で構成してある。第3の辺(3)は、奥行方向(Y)に延びる辺であり、第1の辺(1)の一端部(1a)と第2の辺(2)の一端部(2a)を両端として接続した辺である。
図1に示すように、第1の辺(1)と第3の辺(3)の接続角度(θ)、第2の辺(2)と第3の辺(3)の接続角度(φ)は、略直角になるように構成してある。
壁材(5)に装着時には、第1の辺(1)は壁材(5)の一方側の側面5B(図5参照)に沿うように垂れ下がるように位置し、第2の辺(2)は壁材(5)の他方側の側面(5C)に沿うように垂れ下がるように位置する。
また、壁材(5)に装着時には、第3の辺(3)は、壁材(5)の上面(5A)に当接又は圧接する上辺部となる辺である。
第1の辺(1)と第2の辺(2)と、第2の辺(2)と第3の辺(3)のそれぞれ接続は、溶接や、長い鋼材を2か所で直角に折曲げる方法等で構成することができる。
各辺の幅方向(Z)の長さは適宜、本体部(4)を壁材(5)に取り付けた時に安定する長さに構成される。
各辺は、所定強度を有する鋼材で構成され、図1〜図6では長形の平板形鋼板で構成した例が示してある。
また、第1の辺(1)は第2の辺(2)に比べて上下方向(X)の長さが大きいように構成してある。
図1に示す構成では、第1の辺(1)の方が、第2の辺(2)に比べて大略半円形突条(21)に相当する分だけ長い構成が示してある。但し、この構成に限定されることなく、第1の辺(1)と第2の辺(2)の長さの比率は前記した範囲において設定される。
<突条(7)>
突条(7)は、少なくとも第1の辺(1)、第2の辺(2)、第3の辺(3)において長手方向において外側に向くように立設される。即ち、第1の辺(1)に形成される第1突条(7−1)と、第2の辺(2)に形成される第2突条(7−2)と、第3の辺(3)に形成される第3突条(7−3)とを少なくとも有する。そして、好ましくは、第1の辺(1)と第3の辺(3)とが接続する第1角部(26)域において立設される第1略扇形突条(7−4)と、第2の辺(2)と第3の辺(3)とが接続する第2角部(27)域において立設される第2略扇形突条(7−5)とを備えている。この構成では、突条(7)は略コ字形の一連一体となって繋がった形状となる。
突条(7)は各辺(1〜3)に対して略直角に切り立って形成されており、断面T字構造を有している。
突条(7)は各辺(1〜3)の幅方向(Z)の中央域に少なくとも一本設けられ、本実施形態に示す構成では中央部に1本の突条(7)を立設した構成が例示してある。
突条(7)を各辺(1〜3)に形成する方法は溶接など各種の製造法が採用できる。
図1に示すように、取付け部(10)が設けられた第1の辺(1)の第1突条(7−1)の高さLは第2突条(7−2),第3突条(7−3)に比べて一番高く構成されている。
また、第1突条(7−1)には、フック部(11)(図6参照)の取付け部(10)が設けられている。
<弾性部材(8)>
図1に示すように、弾性部材(8)はコ字形の本体部(4)の内側の面に固着された部材であり、各辺(1〜3)と壁材(5)の各面との接触時に壁材(5)と本体部(4)の摩擦係数を大きくする機能がある。また、弾性部材(8)は、壁材(5)への傷がつきにくくするクッション材としての機能も備えている。
図1〜6に示す構成では、弾性部材(8)は、第1の辺(1)に取り付けられた第1弾性部材(8−1)と、第2の辺(2)に取り付けられた第2弾性部材(8−2)と、第3の辺(3)に取り付けられた第3弾性部材(8−3)とを有している。第1弾性部材(8−1)〜第3弾性部材(8−3)は、本体部(4)の2つの角部(26・27)を避けるように取り付けてある。その理由は、本体部(4)を壁材(5)を取り付ける時に、その角部(26・27)に弾性部材(8)がない方が壁材(5)の上面(5A)の当たりが良くなるからである。
弾性部材(8)の材料としては、特に限定されない。ある程度のクッション性を有し、摩擦抵抗が大きく耐久性のある材料、例えば、ゴム材のようなものが好ましい。
また、弾性部材(8)の内部空間(13)側(図1参照)の表面には、摩擦抵抗を大きくする表面加工が施されている。そのような表面加工としては、例えば、エンボス加工(9)や、その他の摩擦抵抗を大きくする公知の加工が例示できる。
<取付け部(10)>
図1に示すように、第1の辺(1)の他端部(1b)側には取付け部(10)が形成してある。取付け部(10)は安全帯のフック部(11)(図6参照)を取り付けるための部材であれば足り、その具体的な形状・構成は限定されない。
図1に示す構成では、第1の辺(1)の他端部域に半円形突条(21)を形成し、その内部に略半円形の開口(12)を設けることで取付け部(10)を構成した例が示してある。取付け部(10)は第1の辺(1)の他端部(1b)側に接するように設けられることが好ましい。これは、力の作用点を第1の辺(1)の他端部(1b)に設けることで、第1の辺(1)の長さが第2の辺(2)の長さよりも大きい利点を享受できるようにするためである。
また、第1の辺(1)の外側面(1c)に接するように取付け部(10)を設けることで、力のかかる方向を第1の辺(1)に対して図5の力(23)のように傾いた方向でなく、図5の力(22)のように下方向に近づけた状態で使用することができる利点がある。
<固定部材(14)>
図1及び図5に示すように、略コ字形の内部空間(13)の幅は壁材(5)の幅よりも大きく形成されるが、本体部(4)を遊嵌させた状態では不安定である。そこで、壁材(5)と内部空間(13)の奥行方向(Y)の幅の差をうめるように固定できる固定部材(14)が設けられる。
図1及び図3に示す構成では、固定部材(14)は、第1の辺(1)の片方側の幅の一部(図3では左側)を外側に膨出させ、その膨出部(15)に雌ネジ部(16)を形成し、手回し頭部(17)を有するボルト部(18)を螺合させた構成にしてある。そして、ボルト部(18)を壁材(5)に圧接させることによって、本体部(4)を主に奥行方向(Y)に壁材(5)に対してズレることなく固定することができるようにしてある。
固定部材(14)は第1の辺(1)に設けられた場合は、第1の辺(1)に設けられた第1弾性部材(8−1)よりも壁材(5)側に突出して、壁材(5)に圧接することで安全帯取付具(20)を壁材(5)に固定させる。
本実施形態に係る固定部材(14)のボルト部(18)は、従来例に示した構成のように強力な締め付け力を与えるものではなく、壁材(5)に圧接する固定点を少なくとも一つ設ける機能を有するものである。
また、本実施形態に係る固定部材(14)は、第1の辺(1)、第2の辺(2)、第3の辺(3)に設ける構成を除外するものではない。
<コ字形の本体部(4)と壁材(5)との関係>
図1に示すコ字形の本体部(4)が形成する内部空間(13)の大きさは、取り付けようとする壁材(5)の奥行方向(Y)の長さに対応して製造される。固定部材(14)で固定できないほど壁材(5)の奥行方向(Y)の長さが大きく違う壁材(5)には、それぞれその壁材(5)に対応した大きさの内部空間(13)を有する安全帯取付具(20)が用意される。
<本構成を採用する利点の一例>
本安全帯取付具(20)は有利な特徴を有している。
第1の点は、略コ字形の本体部(4)を壁材(5)に上方から遊嵌させる構成であるから、本体部(4)は壁材(5)に対して回転するように動いて外れることはなく、結果的に、本体部(4)の各辺の面で安全帯にかかる力を分散しつつ受け止めることができる点である。
第2の点は、第1及び第2角部(26・27)を含んだ状態で、第1の辺(1)、第2の辺(2)、第3の辺(3)を繋ぐ一連一体の突条(7)が形成されているので、略コ字形の本体部(4)の変形を、簡単な構成で強力に抑制できる点である。
第3の点は、本体部(4)の内側に弾性部材(8)が設けられており、しかも弾性部材(8)の表面に摩擦抵抗を高くする表面加工が施されているので、固定部材(14)に固定後も略コ字形の本体部(4)が壁材(5)からズレにくくなっている点である。
第4の点は、突条(7)に開口(12)を設け、その開口(12)を略半円形の開口(12)として形成し、半円形の線側を第1の辺(1)に接して配置した点である。この構成とすることで、略円形の開口(12)を設ける構成に比べてフック部(11)の当接部(30)(図7参照)をより壁材(5)に近づけることができ、取付の安定性を向上することができる。
ここで、図5に示すように、真下方向の力(22)がかかった場合を考えると、略コ字形の本体部(4)は略コ字形の突条(7)によってほとんど変形できないので、真下方向の力は第3の辺(3)、第2の辺(2)に伝わって、第3の辺(3)と第2の辺(2)を壁材(5)により圧接する方向に働くので、安全帯取付具(20)は外れることがない。
さらに、図5において、作業者の壁材(5)から離れる方向の動きによって斜め方向の力(23)がかかった場合でも、下方向の分力(24)の作用は同じであり、また、壁材(5)の第1の辺(1)側の面において離れる方向に働く水平方向の分力(25)は、第2の辺(2)の弾性部材(8−2)がより壁材(5)の壁面(5c)に圧接する方向に力が働くことになる。つまり、作業者が大きく動いて、斜め方向の力がかかった場合でも、安全帯取付具(20)が脱落する危険性を極めて低減することができる。
また、図7に示すように、第1の辺(1)側の壁材(5)の角(29)を考えた場合、第1の辺(1)が短い場合は、安全帯のフック(11)の当接部(30)が壁材(5)の面(5B)となす角度は角度(α1)となり、第1の辺(1)が長い場合は、その角度は角度(α2)となる。
図7から分かるように、α2<α1であり、図5に示すように同じ大きさの水平方向の分力(25)が当接部(30)にかかった場合に、第1の辺(1)のモーメントは、第1の辺(1)が長い方が短い方に比べて大きくなるから、より外れにくくなる。
さらに、第1の辺(1)が第2の辺(2)よりも長いと、安全帯取付具(20)を手で持って壁材(5)に取り付けるときに操作がしやすくなる利点もある。
本実施形態の構成であれば、従来例に示したボルトの先端で挟持する構成に比べて、力がかかればかかるほど、第3の辺(3)と第2の辺(2)に設けられた弾性部材(8−3),(8−2)が壁材(5)に圧接する方向に働くので、脱落防止の観点から好ましいことになる。
さらに、木材のような表面が比較的傷の付きやすい部材であっても、少なくとも第3の辺(3)と第2の辺(2)の2つの面の全面で受け止めるので、傷がつくことを大幅に抑制することができる。
<壁材(5)への安全帯取付具(20)の取付作業>
図1〜図6の構成において、上記構成の安全帯取付具(20)の壁材(5)への取付作業の一例について簡単に説明する。
まず、図1に示す安全帯取付具(20)を壁材(5)の上端にコ字形本体部(4)の内部空間(13)を緩く嵌め込むように取り付ける。その後、固定部材(14)が設けられた第1の辺(1)とは反対側の辺である第2の辺(2)を壁材(5)の面(5c)に寄せるように本体部(4)を位置させる。
この状態で、固定部材(14)の手回し頭部(17)を回して、壁材(5)の外側壁面にボルト部(18)の頭部を圧接させた状態にする(図5に示す状態)。この状態では、固定部材(14)はコ字形本体部(4)と壁材(5)との隙間があることによるガタツキを防止する部材として機能することになる。
そして、図6に示すように、安全帯のフック部(11)を取付け部(10)の開口(12)に嵌め込む。この状態で力をかけると、フック部(11)の引っ張る力が取付け部(10)に作用した場合には、ほぼ第1の辺(1)から下方に向かうように力がかかり、その力は第2の辺(2)及び第3の辺(3)によって壁材(5)のそれぞれの面で確実に受け止められる。
本発明は上記実施形態以外にも本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形を行うことが可能である。
(1)前記実施形態では本体部(4)を長板状の鋼板で構成した場合を例示したが、本体部(4)の辺の材質、構成及び形状は特に限定されない。複数の鋼材を溶接したり、扁平な角管を2か所折り曲げられた構成に、突条(7)を立設した構成でも実施できる。また、安全帯取付具(20)を製造する場合に、高強度合成樹脂材料を使用することも可能である。
(2)前記実施形態では、第1の辺(1)の幅方向(Z)において一方側にのみ固定部材(14)を設けた構成を示したが、両側に固定部材(14)を設ける構成であっても良い。また、固定部材(14)を第1の辺(1)の上下方向(X)に複数個設けることも採用できる。
(3)前記実施形態では、固定部材(14)の構成は雌ネジ部(16)にボルト部(18)を螺合させてボルト先端を壁材(5)に圧接させる構成を採用したが、内部空間(13)に突出しない状態と、内部空間(13)に突出して固定する状態を取り得る構成であれば、各種の固定部材(14)を採用することができる。
1…第1の辺
2…第2の辺
3…第3の辺
4…本体部
5…壁材
7,7−1,7−2,7−3,7−4,7−5…突条
8,8−1,8−2,8−3…弾性部材
9…エンボス加工(摩擦抵抗を増す表面加工の一例)
10…取付部
11…フック部
13…内部空間
14…固定部材
20…安全帯取付具

Claims (4)

  1. 壁材に取り付けて使用する安全帯取付具であって、
    前記安全帯取付具は、
    互いに対向する第1の辺と第2の辺、および前記第1の辺の一端部と前記第2の辺の一端部を連結する第3の辺を備え、前記壁材に取り付けるための内部空間を内側に有する正面視略コ字状の本体部と、
    前記第1の辺、前記第2の辺、及び前記第3の辺のそれぞれの辺において、前記内部空間とは反対側の前記本体部の面上に設けられた少なくとも1つの突条と、
    前記第1の辺、前記第2の辺、および前記第3の辺の前記内部空間側の前記本体部の面上に設けられた弾性部材とを有し、
    前記突条は、前記第1の辺の他端部側に、安全帯のフックを取り付けるための取付部を備え、
    前記取付部は、前記第1の辺の他端部側に接するような略半円形の開口を備えており、
    前記第1の辺は、前記第2の辺より長手方向の長さが大きく構成され、
    前記突条を前記第1の辺から前記第3の辺を経て前記第2の辺に亘って一連一体に繋がるように設けられ、
    少なくとも前記第1の辺に前記安全帯取付具を前記壁材に固定するための固定部材が設けられ、
    前記突条に前記開口を設け、前記開口を前記略半円形の開口として形成し、半円形の線側を前記第1の辺に接して配置したことを特徴とする安全帯取付具。
  2. 請求項1に記載の安全帯取付具において、前記第1の辺の長手方向の長さと前記第2の辺の長手方向の長さの比率が1.2:1〜2:1である安全帯取付具。
  3. 請求項1〜請求項2のいずれか一つに記載の安全帯取付具において、前記突条は、前記第1の辺、前記第2の辺、および前記第3の辺の短手方向の中心部に1つ設けられている安全帯取付具。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の安全帯取付具において、前記弾性部材の前記内部空間側の表面には摩擦抵抗を大きくする表面加工が施されている安全帯取付具。
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