JP7233696B2 - 足場板 - Google Patents

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Description

本発明は、取り付け部材上に載置されて番線を巻き掛けて結束される足場板に関する。
仮設足場等では、従来、単管等の取り付け部材上に足場板を載置して、単管と足場板に太い針金の番線を巻き掛けて結束して、組み立て構築している。ところが、番線を用いて足場を組み立て構築する際には、足場板及び単管に巻き付けた番線を、1本ずつ強く締め上げて、足場板がずれ動かないようにしなくてはならなく、また、強力に締め上げても、足場板がずれ動く可能性が生じ易いという問題がある。
そのため、特許文献1に開示された従来技術では、単管に交差した状態でその単管上に載置される足場板をその単管に固定する足場板固定具において、足場板の幅以上の長さを有し、足場板の幅方向に向けられ単管に対して略平行に足場板上に載置可能に形成される押止ロッドと、その押止ロッドから足場板の長さ方向に間隔を隔てて単管よりも遠方の位置で足場板の幅方向両端部にそれぞれ係合可能に形成される一対の係合フックと、その一対の係合フックが先端部にそれぞれ形成されかつ前記押止ロッドの両端部に基端部がそれぞれ連設されるとともに、その押止ロッドの両端部から単管側へ下降傾斜して延出され、単管の外周下側に沿って曲成されて折り返され、足場板側へ向けて上昇傾斜して延出され、前記一対の係合フックが足場板上に係合される場合に足場板側へ向けて弾性的に撓み変形可能に形成される一対の弾性アームとを備えている(請求項1)。
特開2009-102821号公報
前記従来技術は、押止ロッドと、一対の弾性アームと、一対の係合フックとを備える足場板固定具により、足場板を単管に対して簡単に固定することができるが、押止ロッドと弾性アームとは足場板に押し付けられるだけであるため、足場板のずれ動き防止を番線より強力になし得るものではない。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした足場板を提供することを目的とする。
本発明は、足場板がずれ動くのをより強力に防止できるようにした足場板を提供することを目的とする。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、内部に長手方向の貫通孔3aを有する長方体であり、取り付け部材4上に載置されて結束材5を巻き掛けて結束される足場板であって、
上壁3Uと側壁3Sとの角部3Cに、上面Ua及び側面Saより外方へ突出した突条部7を形成し、この突条部7に長手方向に間隔をおいて結束材5が係合する凹部8を複数形成していることを特徴とする。
第2に、上壁3Uと側壁3Sとの角部3Cの内面に、上壁3U及び側壁3Sの壁厚より厚い厚肉部9を突条部7に沿って形成し、
前記突条部7における凹部8の底面8aを上壁3Uの内面Ubと側壁3Sの内面Sbの交点Pより外側に配置していることを特徴とする。
第3に、前記凹部8は突条部7長手方向の長さLが結束材5の直径より長くかつ15mmより短く設定され、凹部8同士の間隔Mは10~40mmに設定されていることを特徴とする。
第4に、上壁3Uの側縁近傍に、長手方向に沿った長溝12を形成し、この長溝12に滑り止め部材13を挿入し、この滑り止め部材13の上面13aを突条部7より高くしていることを特徴とする。
本発明によれば、取り付け部材及び結束材に対して足場板がずれ動くのを防止できる。
即ち、本発明は、上壁3Uと側壁3Sとの角部3Cに突条部7が形成され、この突条部7の凹部8に結束材5が係合するので、結束材5を結束した後は、足場板が取り付け部材4及び結束材5に対してずれ動くのを結束力に加えて係合力でも防止できる。
また、本発明は、上壁3Uと側壁3Sとの角部3Cの内面に厚肉部9を形成し、かつ凹部8の底面8aを上壁3Uの内面Ubと側壁3Sの内面Sbの交点Pより外側に配置しているので、足場板の角部の強度を確保できる。
さらに、本発明は、凹部8は結束材5の直径より長くかつ15mmより短く、凹部8同士の間隔Mは10~40mmに設定されているので、結束材5を凹部8に容易に係合できる。
さらにまた、本発明は、上壁3Uの側縁近傍に、長溝12を形成して滑り止め部材13を挿入しているので、滑り止め部材13で足場板の上面の滑り止めができ、結束材5で滑り止め部材13のめくれ上がりを防止できる。
本発明の実施形態を示す全体斜視図である。 結束状態の足場板の平面図である。 結束状態の足場板の正面図である。 足場板の側面図である。 図3のE部における凹部の形状の3例を示しており、図5Aは略半円形凹部の説明図、図5Bは半長円形凹部の説明図、図5Cは長方形凹部の説明図である。 足場板の4面図を示し、図6Aは平面図(底面図)、図6Bは正面図(背面図)、図6Cは右側面図、図6Dは左側面図である。 足場板の変形例を示す側面図である。 同足場板の変形例を示す平面図である。 凹部の底面の変形例を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~6に示す実施形態において、足場板1は、上下壁3Uと前後側壁3Sとを有する長方体であり、内部は隔壁3cによって複数室に区画されて貫通孔3aが形成され、長手方向の一端面(又は両端面)に塞ぎ板3dが固定されている。
この足場板1は、2本の鋼管の単管、水平材等の取り付け部材4上に直交方向に載置して、番線等の結束材5を足場板1の表面に上から第1たすき懸け状に掛け、その結束材5を取り付け部材4の下側を通し、かつ、その結束材5を足場板1の表面に持って行って第2たすき掛け状に掛け、その後に取り付け部材4の下側へ通して、両端を足場板1の下側で締める。
結束材5は足場板1の表面で第1たすき掛けと第2たすき掛けとがX字状に交わり、足場板1の前後の縁に2カ所ずつ係合することになる。
前記足場板1は、上壁3Uと側壁3Sとの角部3Cに、上面Ua及び側面Saより外方へ突出した突条部7を形成し、この突条部7に長手方向に間隔をおいて結束材5が係合する凹部8を複数形成している。
足場板1は上下対称形状であり、前後対称形状であるので、上下反転使用ができ、下壁と前後側壁3Sとの角部3Cにも凹部8付き突条部7が形成され、足場板1の4隅はリブの役目をする突条部7を有して略同一形状になっている。
凹部8は、足場板1の全長に略均一に配置してもよいが、長手方向中央から塞ぎ板3dの端部までが多く配置され、中央を越えた位置まで配置され、他端部近傍には配置されていない。なお、凹部8は足場板1の全長に略均一に配置してもよい。
足場板1は上壁(下壁)3Uが最も厚肉であり、次に前後側壁3Sが厚肉であり、隔壁3cが最も薄肉に形成され、上壁3Uと側壁3Sとの角部3Cの内面に、上壁3U及び側
壁3Sの壁厚より厚い厚肉部9が突条部7に沿って形成されている。
上壁3Uの上面Uaには前後に間隔をおいて複数条の三角突起14が形成され、リブ、滑り止めとなっている。
突条部7における凹部8の底面8aは、上壁3Uの内面Ubと側壁3Sの内面Sbの交点Pより外側に配置されており、凹部8の底面8aから厚肉部9まで肉厚が厚肉に確保されている。
図5Bにおいて、前記凹部8は突条部7長手方向の長さLが8~12mm、凹部8同士の間隔Mは25~35mmとなっている。凹部8は、長さLは結束材5の直径より長ければよく、概ね15mmより短く設定され、間隔Mは10~40mmに設定される。凹部8の深さは0.75~4mmであり、1~3mmが好ましい。
凹部8の形状は、図5Aのように略半円形、図5Aのように両端円弧の半長円形、図5Cのように両端直角の長方形に形成することができる。
前記足場板1は、アルミ合金等の軽金属材料を押し出し成形にて、内部の貫通孔3aを形成しながら、上下壁3U、前後側壁3S、角部3Cの突条部7、内部の隔壁3c及び複数条の三角突起14を一体成形し、その後に4角の角部3Cの突条部7に長手方向に間隔をおいて機械加工にて多数の凹部8を形成する。
そして、足場板1を取り付け部材4上に直交方向に載置して、番線等の結束材5を凹部8に係合させながらたすき懸け状に掛けて、取り付け部材4の下方にて結束材5の両端を締め付けて、足場を組み立て構築する。
前記足場板1は結束材5が凹部8に係合しているため、結束材5に対してずれ動くことはなく、従って、取り付け部材4に対してもずれ動くことはない。
図7、8は足場板1の第1変形例を示しており、この足場板1は、上壁3Uの側縁近傍に、長手方向に沿った長溝12が形成され、この長溝12に滑り止め部材13が挿入されており、この滑り止め部材13の上面13aを突条部7より高くしている。
前記滑り止め部材13はゴム、合成樹脂等の弾性を有する材料で形成されており、滑り止め部材13の上面13aが突条部7より高いので、凹部8に係合する結束材5は滑り止め部材13にも掛けられることになり、滑り止め部材13を弾性変形しながら足場板1に押し付けることになる。
前記長溝12及び滑り止め部材13は、図7に仮想線で示す如く、足場板1の上壁3Uの一側縁近傍だけでなく、反対側の側縁近傍や下壁の両側縁近傍にも配置することができる。
図9は突条部7における凹部8の変形例を示しており、凹部8の底面8aは断面円弧形状であり、その両端は上壁3Uの上面Uaと側壁3Sの側面Saとに繋がっていて、角部3Cに、上面Uaと側面Saとの間にR面取り面を施した形状となっている。この円弧状底面8aも、上壁3Uの内面Ubと側壁3Sの内面Sbの交点Pより外側に位置している。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、結束材5としては、番線が一般的であるが、従来技術に示した、略直線棒状の押止ロッドと、この押止ロッドの軸方向(長手方向)両端部に設けられる一対の弾性アームと、この一対の弾性アームの各先端部に設けられる一対の係合フックとを備えた一定形状の足場板固定具を使用してもよい。
また、通常、足場板1は2本の単管の上に配置されるので、足場板1の単管に対向する部分に、局部的に凹部8を配置するようにした、片側の単管との間にのみ結束材5を巻き掛けてもよい。
塞ぎ板3dは足場板1の長手方向の両端に設けてもよく、割愛してもよい。
1 足場板
3C 角部
3S 側壁
3U 上壁
3a 貫通孔
3c 隔壁
3d 塞ぎ板
4 取り付け部材
5 結束材
7 突条部
8 凹部
8a 底面
9 厚肉部
12 長溝
13 滑り止め部材
13a 上面
14 三角突起
L 長さ
M 間隔
P 交点
Sa 側面
Sb 内面
Ua 上面
Ub 内面

Claims (4)

  1. 内部に長手方向の貫通孔(3a)を有する長方体であり、取り付け部材(4)上に載置されて結束材(5)を巻き掛けて結束される足場板であって、
    上壁(3U)と側壁(3S)との角部(3C)に、上面(Ua)及び側面(Sa)より外方へ突出した突条部(7)を形成し、この突条部(7)に長手方向に間隔をおいて結束材(5)が係合する凹部(8)を複数形成しており、
    上壁(3U)と側壁(3S)との角部(3C)の内面に、上壁(3U)及び側壁(3S)の壁厚より厚い厚肉部(9)を突条部(7)に沿って形成し、
    前記突条部(7)における凹部(8)の底面(8a)を上壁(3U)の内面(Ub)と側壁(3S)の内面(Sb)の交点(P)より外側に配置していることを特徴とする足場板。
  2. 内部に長手方向の貫通孔(3a)を有する長方体であり、取り付け部材(4)上に載置されて結束材(5)を巻き掛けて結束される足場板であって、
    上壁(3U)と側壁(3S)との角部(3C)に、上面(Ua)及び側面(Sa)より外方へ突出した突条部(7)を形成し、この突条部(7)に長手方向に間隔をおいて結束材(5)が係合する凹部(8)を複数形成しており、
    上壁(3U)の側縁近傍に、長手方向に沿った長溝(12)を形成し、この長溝(12)に滑り止め部材(13)を挿入し、この滑り止め部材(13)の上面(13a)を突条部(7)より高くしていることを特徴とする足場板。
  3. 内部に長手方向の貫通孔(3a)を有する長方体であり、取り付け部材(4)上に載置されて結束材(5)を巻き掛けて結束される足場板であって、
    上壁(3U)と側壁(3S)との角部(3C)に、上面(Ua)及び側面(Sa)より外方へ突出した突条部(7)を形成し、この突条部(7)に長手方向に間隔をおいて結束材(5)が係合する凹部(8)を複数形成しており、
    上壁(3U)と側壁(3S)との角部(3C)の内面に、上壁(3U)及び側壁(3S)の壁厚より厚い厚肉部(9)を突条部(7)に沿って形成し、
    前記突条部(7)における凹部(8)の底面(8a)を上壁(3U)の内面(Ub)と側壁(3S)の内面(Sb)の交点(P)より外側に配置しており、
    上壁(3U)の側縁近傍に、長手方向に沿った長溝(12)を形成し、この長溝(12)に滑り止め部材(13)を挿入し、この滑り止め部材(13)の上面(13a)を突条部(7)より高くしていることを特徴とする足場板。
  4. 前記凹部(8)は突条部(7)長手方向の長さ(L)が結束材(5)の直径より長くかつ15mmより短く設定され、凹部(8)同士の間隔(M)は10~40mmに設定されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の足場板。
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