JP4579042B2 - 吊下具 - Google Patents

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本発明は、構造物に固定されて、被吊下物を前記構造物に吊り下げるための吊下具に関するものである。
従来の吊下具の一つとして、長方形状の板金をプレス成形によりコの字形に折り曲げたものがある(特許文献1参照)。図12に従来の吊下具A’の一例を示す。図12の(イ)に示されるように、従来の吊下具A’における互いに平行な部分のうち下方の板部は、被吊下物B’を取付ける取付板部51となると共に、上方の板部は、構造物(図示せず)に固定される固定板部52となり、取付板部51及び固定板部52を連結していて、略垂直配置されて前記被吊下物B’を吊り下げる板部は本体板部53となっている。プレス成形時において、前記吊下具A’の折曲げ部54は、ほぼ直角に折り曲げられて塑性変形されるために、塑性変形時に前記折曲げ部の内周側及び外周側にそれぞれ大きな圧縮力及び引張力が加えられる。このため、折曲げ部54に微小なクラック(微小亀裂)が発生し易い。
一方、吊下時においては、取付板部51に作用する吊下荷重Fは、本体板部53に対しては曲げ力と長手方向(吊下状態で上下方向)の引張力として作用し、前記曲げ力及び引張力は折曲げ部54を介して作用する。ここで、前記吊下具A’の折曲げ部54は、ほぼ直角に折り曲げられているために、曲げ(撓み)を許容しなくて、本体板部53と取付板部51及び固定板部52とを剛体連結する剛体連結部として作用する。よって、折曲げ部54の内側及び外側には、前記吊下荷重F(吊下静荷重)に比例した引張力及び圧縮力が集中的に作用する(応力集中が発生する)。特に、前記被吊下物B’が、長尺状の電源ケーブルCを所定間隔をおいて保持する多数のケーブル滑車Kを移動可能に支持する滑車レールBの場合(図1参照)のように、ケーブル滑車Kの移動時に発生する微振動が作用する場合には、吊下荷重Fは動荷重として作用するために、吊下具A’の折曲げ部54に作用する引張力及び圧縮力は一挙に大きくなる。従来の吊下具A’は、その折曲げ部54に対する上記した吊下荷重Fの作用状態と、プレス成形時に折曲げ部54に発生した微小クラックとが相乗することにより、微小なクラックが大きなクラックに成長してひび割れが発生したり、甚だしい場合には破壊されることがあり危険であった。
上記不具合を回避するには、図12の(イ),(ロ)に示されるように、折曲げ部54の内側に補強リブ55をプレス成形時に、又は後の溶接により設けたり、或いは折曲げ部54の曲率半径R’自体を大きくしてわん曲形成する必要があった。図12の(イ)において、上下の各折曲げ部54に成形された補強リブ55を二点鎖線で示す。これらの補強構造では、取付板部51に被吊下物B’を取付けるための押えナット56又は座金57の座面が前記補強リブ55又はわん曲した折曲げ部54に当たるために、吊下具A’を大型にする必要があった。即ち、図12の(イ)に示されるように、折曲げ部54の内側部分に補強リブ55を成形したり、図12の(ロ)に示されるように、折曲げ部54の曲率半径R”を大きくすると、各吊下具A',A”において、座金57の取付状態(座金57の座り)を安定させるためには、取付板部51における水平部分の長さL1',L1"を確保しなければならず、その結果、各吊下具A',A”が大きくなってしまう(換言すれば、各距離L0',L0"が長くなってしまう)。なお、図12の(イ),(ロ)において、58は、吊下具A’と被吊下物B’とを連結するための連結プレートである。
意匠登録第783557号の類似1号の意匠公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、大型化させることなく、連結部で破壊しない吊下具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、構造物に固定されて、被吊下物を前記構造物に吊り下げるための吊下具であって、吊下状態で略垂直配置される平板状の本体板部と、吊下状態で略水平配置されるように、前記本体板部の下端部に連結部を介して略直交して延設されて、前記被吊下物を取付ける取付部を有する板状の取付板部とを備え、前記連結部は、前記本体板部又は前記取付板部のいずれか一方に接続されて、前記連結部の内側に第1わん曲中心を有する第1わん曲部と、前記本体板部又は前記取付板部の他方に接続されて、前記連結部の外側に第2わん曲中心を有する第2わん曲部とを備え、前記連結部は、本体板部に対する取付板部の延設方向と反対側にのみ膨出していることを特徴としている。
請求項1の吊下具の連結部は、上記膨出形態でわん曲されていて、前記連結部を含めて該連結部により連結された取付板部及び本体板部の全体が一種の「曲りはり」のように作用するため、理論上は連結部の曲り(撓み)が許容される構造となる。従って、曲げ変形を許容しない従来の吊下具の連結部のような剛体連結構造とは異なって、吊下荷重によって連結部の内周側及び外周側にそれぞれ引張力及び圧縮力が作用するとしても、その大きさは、従来の吊下具の連結部に比較すれば大幅に小さくなる。即ち、請求項1の吊下具は、その連結部に上記した引張力及び圧縮力の集中が発生しないために、構造的な強度が高くなる。
上記膨出形態で形成される連結部は、前記取付板部に接続されて、当該連結部の内側に第1わん曲中心を有する第1わん曲部と、前記本体板部に接続されて、前記連結部の外側に第2わん曲中心を有する第2わん曲部とを備えている。よって、被吊下物の荷重により前記連結部が曲げ変形されても、わん曲方向が互いに逆となる2つの略円弧状の曲線部は互いに逆方向に曲げ変形されて、各変形は相殺される関係となる。このため、角部を単に円弧状にわん曲させた場合に比較して、吊下荷重による本体板部と取付板部との開き角度を小さくでき、わん曲方向が互いに逆となる第1及び第2の各わん曲部の曲率の選択によっては、吊下荷重による本体板部と取付板部との開き角度を零に近づけることができる。
また、前記連結部は、本体板部に対する取付板部の延設方向と反対側にのみ膨出されていて、吊下状態で取付板部よりも下方にはわん曲した連結部が存在しないため、取付板部の上面、及び下面における実質的な長さが長くなって、被吊下物に対する吊下具の取付位置の制約がなくなると共に、取付板部に被吊下物を取付けるために、取付板部の上面に本体板部に近接して配置されるナット又はボルトの頭部の一部を前記膨出部に入り込ませることが可能となって、この点においても、取付板部の実質的な長さが長くなる。
請求項の発明は、請求項1の発明を前提として、前記本体板部の上端部に、その下端部の前記連結部と同一構成の連結部を介して前記取付板部と同一側に平行に延設されて、前記構造物に固定される固定板部を備えて、全体が略コの字形になっていることを特徴としている。最も汎用性の高い全体が略コの字形の吊下具において、請求項1の各作用効果が奏される。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明を前提として、前記被吊下物は、長尺状のケーブルを所定間隔をおいて保持する多数のケーブル滑車を移動可能に支持する滑車レールであることを特徴としている。被吊下物が滑車レールの場合には、多数のケーブル滑車の移動時にレール全体に微振動が発生し、吊下具に作用する静荷重は、前記微振動により動荷重となって吊下具全体に作用するため、吊下具としての負荷が大きくなる。しかし、請求項1又は2に記載の吊下具は、連結部を介して連結された取付板部及び本体板部の全体は、わん曲した連結部の曲り(撓み)が許容される一種の「曲りはり」のように作用するため、前記動荷重を支持し得る。
本発明は、略垂直配置される本体板部と略水平配置される取付板部とを連結する連結部は、前記本体板部又は前記取付板部のいずれか一方に接続されて、前記連結部の内側に第1わん曲中心を有する第1わん曲部と、前記本体板部又は前記取付板部の他方に接続されて、前記連結部の外側に第2わん曲中心を有する第2わん曲部とを備えて、前記連結部は、本体板部に対する取付板部の延設方向と反対側にのみ膨出しているので、前記連結部は、わん曲方向が互いに逆となる第1及び第2の各わん曲部を含んで構成されるため、被吊下物の荷重により前記連結部が曲げ変形されても、わん曲方向が互いに逆となる2つの略円弧状の第1及び第2の各わん曲部は互いに逆方向に曲げ変形されて、各変形は相殺される関係となる。このため、角部を単に円弧状にわん曲させた場合に比較して、吊下荷重による本体板部と取付板部との開き角度を小さくでき、わん曲方向が互いに逆となる2つの略円弧状のわん曲部の選択によっては、吊下荷重による本体板部と取付板部との開き角度を零に近付けることができる。更に、吊下状態で取付板部よりも下方にはわん曲した連結部が存在しないため、取付板部の上面、及び下面における実質的な長さが長くなって、被吊下物に対する吊下具の取付位置の制約がなくなると共に、取付板部に被吊下物を取付けるために、取付板部の上面に本体板部に近接して配置されるナット又はボルトの頭部の一部を前記膨出部に入り込ませることが可能となって、この点においても、取付板部の実質的な長さが長くなる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例の吊下具A1 により、ケーブル滑車Kが装着された滑車レールBが吊り下げられた状態の斜視図、図2は、図1の状態の正面図、図3は、同じく横断面図、図4は吊下具A1 の正面図、図5は、吊下具A1 の下側の連結部D1 の拡大図である。
第1実施例の吊下具A1 は、図1に示されるように、天井部材1(図2参照)から垂下された吊りボルト2に吊下状態で取付けられ、被吊下物の一例である滑車レールBを吊り下げるためのものである。前記滑車レールBには、移動工具等に給電するための電源ケーブルCを移動可能に支持するためのケーブル滑車Kが装着されている。最初に、本実施例の滑車レールBの構成について説明する。図1及び図3に示されるように、本実施例の滑車レールBは、金属(例えば、アルミニウム)の押出材から成るものであり、幅方向の中央部に起立状態で設けられた起立板部3と、該起立板部3の上下端部から幅方向(左右方向)に僅かに斜めの状態で延設された一対の水平板部4と、該一対の水平板部4の側端部に形成された鉤状の各クランプ部5とから構成されている。滑車レールBにおける上側部分の構成と下側部分の構成は、上下に対称であることを除いて全く同一であるため、本明細書では上側部分の構成についてのみ説明する。前記クランプ部5は、各水平板部4の側端部からほぼ垂直に設けられた垂直板部6と、該垂直板部6の上下端部から内側(下方又は上方)に延設された略L字状の押え板部7とから成る。一対の水平板部4と各クランプ部5を構成する垂直板部6及び押え板部7により、滑車レールBの全長に亘って溝状の空間部が形成されている。前記空間部Qに、連結プレート8(後述)が装着される。
次に、ケーブル滑車Kについて説明する。本実施例のケーブル滑車Kは、図3に示されるように、側面視において略U字状のケーブル滑車本体部9と、該ケーブル滑車本体部9の底面部に吊下状態で取付けられて、電源ケーブルCを支持するためのケーブル支持部11とから構成されている。前記ケーブル滑車本体部9の上部の内側部分には、横方向(滑車レールBの長手方向)に二対(合計4本)のローラ12が回転自在に支承されている(図1参照)。二対のローラ12は、滑車レールBにおける下側の水平板部4の上面に支持されていて、起立板部3を挟み込む形態で配置されている。また、各ローラ12の直下の部分には、それぞれ突起体13が相対向して突出されている。各突起体13の先端部は、滑車レールBにおける下側の各垂直板部6にほぼ当接していて、振動等によって各ローラ12が滑車レールBから外れることが防止されている。
次に、第1実施例の吊下具A1 について説明する。第1実施例の吊下具A1 は、図1ないし図3に示されるように、吊下状態(吊りボルト2に吊り下げられた状態)で略垂直に配置される平板状の本体板部14と、吊下状態で略水平配置されるように、前記本体板部14の上端部から連結部D1 を介して略直交して延設された固定板部15と、同じく下端部から連結部D1 を介して略直交して延設された取付板部16とから構成されていて、略コの字形となっている。図4に示されるように、予め、上側ナット17が螺合されて座金18が通された吊りボルト2の下端部が、固定板部15に設けられたボルト孔(図示せず)に挿通される。そして、固定板部15から突出した吊りボルト2の下端部に、下側ナットが螺合される。上下の各ナット17,19を締め込むことにより、固定板部15が挟み込まれる。これにより、吊下具A1 と吊りボルト2とが一体に連結される。また、取付板部16に設けられたボルト孔(図示せず)に、予め、押えナット21が螺合されて座金22が通された押えボルト23が挿通される。そして、取付板部16から突出した押えボルト23の下端部に、連結プレート8が螺合される。
次に、連結プレート8について説明する。図3に示されるように、前記連結プレート8の横断面形状は、滑車レールBのクランプ部5に対応する凸部8aが設けられた略台形状である。即ち、連結プレート8の幅方向の両端部に、滑車レールBのクランプ部5を構成する押え板部7が入り込む溝部24と、該溝部24を形成するための凸部8aが、連結プレート8の全長に亘って形成されている。連結プレート8が、滑車レールBの上側の空間部に挿入される。これにより、滑車レールBのクランプ部5は、吊下具A1 の取付板部16と連結プレート8によって挟み込まれる。この状態で押えナット21が締め込まれると、前記連結プレート8が持ち上げられ、該連結プレート8が滑車レールBの一対のクランプ部5を強固に挟み込む。この結果、吊下具A1 が滑車レールBの所定位置に固定される。
次に、吊下具A1 の連結部D1 の構成について説明する。図4に示されるように、各連結部D1 の構成は、上下に対称であることを除いて同一形状であるため、本明細書では下側の連結部D1 についてのみ説明する。図5に示されるように、取付板部16の基端部は、吊下具A1 の連結部D1 の内側に設けられた第1わん曲中心P1 を中心として半径R1 で外側(即ち、本体板部14に対する取付板部16の延設方向と反対側)に膨出した状態でわん曲されて、第1わん曲部E1 が形成されている。第1わん曲部E1 と本体板部14の下端部とは、第1接合面S1 を介して連続状態で接続されている。そして、前記第1わん曲部E1 の上端部は、吊下具A1 の外側に設けられた第2わん曲中心P2 を中心として半径R2 で外側に膨出した状態でわん曲されて、第2わん曲部E2 が形成されている。第1わん曲部E1 の上端部と第2わん曲部E2 の下端部とは、第2接合面S2 を介して連続状態で接続されていて、第2わん曲部E2 と本体板部14とは、第3接合面S3 を介して連続状態で接合されている。また、図5において、従来の吊下具A’において、連結部D1 を膨出させることなくわん曲中心P’を中心として、吊下具A1 と同一の半径R1 でわん曲させた状態と、そのときの接合面S’を一点鎖線で示す。ここで、図4に示されるように、上下の各連結部D1 は部分的に膨出されているのみであるため、第1実施例の吊下具A1 の実質的な大きさは、本体板部14の外側面部から取付板部16の先端面までの距離L0 である。以降、当該距離L0 を、吊下具A1 の「大きさ」と記載する。
上記したように、第1実施例の吊下具A1 の第1わん曲部E1 は、外側に膨出している。このため、取付板部16と第1わん曲部E1 との接合面(第1接合面S1)は、従来の吊下具A’の接合面S’よりも距離eだけ外側寄りに配置される。即ち、本実施例の吊下具A1 の場合、取付板部16において、座金22が配置される部分(水平部分)の長さLは、従来の吊下具A’の長さL’に前記距離eを加えたものになり(L=L’+e)、従来の吊下具A’の長さL’よりも長くなる(L>L')。これにより、座金22の座面は、確実に前記取付板部16における水平部分に配置され、前記座金22の座面と第1わん曲部E1 の内側面とが干渉するおそれがなくなる。換言すれば、座金22の座り(座金22の支持状態の安定性)が良好となる。逆に、取付板部16の水平部分の長さL’が同じ場合には、第1実施例の吊下具A1 の大きさ(距離L0)は、距離eだけ短くなり、従来の吊下具A’における距離L0',L0"よりも短くできる(L0 <L0',L0 <L0")。これは、本実施例の吊下具A1 が、従来の吊下具A',A" よりも小型化できることを意味している。しかも、本実施例の吊下具A1 の場合、上記した第1及び第2の各わん曲部E1,E2 が、各接合面S1 〜S3 を介して連続状態で接合されているため、プレス成形時にクラックが入るおそれはなく、また、使用時にケーブル滑車Kの微振動が反復作用しても、応力集中が発生するおそれは少ない。更に、第1わん曲部E1 の中心角α(図5参照)が鈍角であることを条件に前記連結部D1 にアンダーカット部が存在しなくなり、しかも、膨出された連結部D1 の全てが吊下具A1 の側面開口Q(図4参照)と対向するため、一体構造のプレス型で型抜きでき、プレス成形が容易となる。
次に、本発明に係る吊下具によれば、該吊下具の非変形強度を超える重量を有する被吊下物を取付板部に取付けた場合において、取付板部の撓み角(θ1)は、折曲げ部をわん曲された従来の吊下具の取付板部の撓み角(θ2)よりも小さくなることを一般的に説明する。図6の(イ),(ロ)は、それぞれ吊下具A、同A’の各取付板部25、26が吊下荷重Fにより撓んだ状態の正面模式図である。吊下具Aの連結部27は、半径(R1)で中心角(α)[α>90°]の円弧状の第1連結部27aと、半径(R2)で中心角(α−90°)であって、わん曲方向が前記第1連結部27aと逆の円弧状の第2連結部27bとから成る。吊下具A’の連結部28は、半径(R1)で中心角(β)[β=90°]の円弧状である。なお、吊下具Aと同A’の対比であるので、各連結部27,28を構成する円弧の半径(R1,R2)のみならず、各取付板部25,26及び各本体板部29,31の長さ等の他の寸法は全て同一である。
吊下具Aにおいて、取付板部25に吊下荷重Fが作用すると、上下の各連結部27a,27b は、いずれも撓みを生ずるが、負荷状態において本体板部29が垂直を保持すると仮定すると、上方の連結部27の撓みは、取付板部25の撓みに影響を及ぼさないので、下方の連結部27の撓みのみを考える。吊下具Aにおいては、第1及び第2の各連結部27a,27b の撓みは、取付板部25の先端部25aが下方及び上方に変位するようにそれぞれ変形して、方向の異なる二つの各変形は、互いに相殺し合う関係となる。
一方、吊下具A’においては、連結部28の撓みは全て、取付板部26の先端部26aが下方に変位するように変形する。このため、吊下具Aの取付板部25の撓み角(θ1)は、吊下具A’の取付板部26の撓み角(θ2)よりも小さくなって、非変形強度を超える重量を有する被吊下物が吊り下げられた場合でも、本発明に係る吊下具Aによれば、従来の吊下具A’に比較して、被吊下物の傾斜角度が小さくなって、不安定支持等の不具合を最小限に抑えられる。
前述した第1実施例の吊下具A1 の場合、本体板部14と固定板部15又は取付板部16との各連結部D1 が膨出状態に設けられていても、固定板部15及び取付板部16の底面部は、いずれも全長に亘って水平状態を呈している。このため、被吊下物(滑車レールB)に対する吊下具A1 の取付位置の制約がなくなる。この結果、図4に示されるように、第1実施例の吊下具A1 の取付板部16を滑車レールBの長手方向に沿わせて取付けるだけでなく、図7の(イ),(ロ)に示されるように、前記取付板部16を滑車レールBの長手方向と直角にして取付けることもできる。
参考例1
次に、第1参考例の吊下具A2 について、第1実施例の吊下具A1 と異なる部分についてのみ説明する。第1参考例の吊下具A2 における連結部D2 は、図8の(イ),(ロ)に示されるように、取付板部16の基端部が、該取付板部16に対する本体板部14の延設方向と反対側に膨出した状態でわん曲された形態である。この第1参考例の吊下具A2 の場合、連結部D2 が取付板部16よりも下方に突出しているため、前記取付板部16の奥行方向(取付板部16が、本体板部14に向かう方向)を滑車レールBの長手方向と直交する方向に沿わせて取付けることが必要である。第1参考例の吊下具A2 の場合、滑車レールBに対する取付位置が制約されることを除いて、第1実施例の吊下具A1 と同一の作用効果が奏される。
参考例2
次に、第2参考例の吊下具A3 について説明する。第2参考例の吊下具A3 における連結部D3 は、図9及び図10に示されるように、吊下状態で略水平に配置される吊下具A3 の取付板部16の基端部が、当該連結部D3 の外側に設けられた第2わん曲中心P32を中心に半径R32で、取付板部16に対する本体板部14の延設方向と反対側に膨出した状態でわん曲されて第2わん曲部E32が形成されていると共に、吊下状態で略垂直に配置される本体板部14の下端部が、別の第2わん曲中心P32を中心に半径R32で、取付板部16の延設方向と反対側に膨出した状態でわん曲されて別の第2わん曲部E32が形成されている。各第2わん曲部E32の半径R32は同一である。そして、2つの第2わん曲部E32が、本体板部14及び取付板部16の内側に設けられた第1わん曲中心P31を中心に、半径R31でわん曲して形成された第1わん曲部E31に、連続状態で接合されている。即ち、第2参考例の吊下具A3 の連結部D3 は、第1わん曲部E31と一対の第2わん曲部E32との計3つのわん曲部で構成されていて、高さ方向及び水平方向の両方に膨出されている。そして、第2わん曲部E32は、接合面S31を介して取付板部16と、接合面S32を介して第1わん曲部E31と接合されていて、別の第2わん曲部E32は、接合面S33を介して第1わん曲部E31と、接合面S34を介して本体板部14と接合されている。ここで、第2わん曲部E32の中心角をγとすると、一対の第2わん曲部E32の中心角は、いずれも(γ/2−45°)である。第2参考例の吊下具A3 の場合、第1わん曲部E31の中心角γが180°より小さければ(γ<180°)、分割構造のプレス型を構成する分割型をJ方向[図9の(イ)参照]に型抜きできるという利点がある。また、第2参考例の吊下具A3 は、第1参考例の吊下具A2 と同一の作用効果が奏されるだけでなく、前記連結部D3 によって滑車レールBをケーブル滑車Kが移動するときに生ずる微振動が吸収される度合が高くなり、吊下具A3 が微振動によって損傷する度合が小さくなる。
上記した第1実施例、並びに第1及び第2の各参考例の吊下具A1 〜A3 は、本体板部14の上下端部に、前記本体板部14にほぼ直交して固定板部15と取付板部16とが延設された略コの字形である。即ち、第1実施例、並びに第1及び第2の各参考例の吊下具A1 〜A3 は、吊下具として最も汎用性が高い形状であり、しかも、上記した各作用効果(即ち、全体の大きさを大きくさせることなく、構造物や被吊下物との取付状態が安定し、振動による損傷が生じにくい等)が奏される。
次に、第実施例の吊下具A4 について説明する。第実施例の吊下具A4 は、図11に示されるように、本体板部32と、その下端部に設けられたわん曲状態の連結部D4 を介して取付板部33が延設された略L字形である。前記連結部D4 の構成は、第1実施例の吊下具A1 の連結部D1 の構成と同一である。このため、第1実施例の吊下具A1 と比較すると、固定板部15が設けられておらず、本体板部32が前記固定板部15を兼用する形態である。即ち、前記本体板部32の上部に取付けられた固定ボルト34により、前記本体板部32が構造物35に固定される。また、取付板部33と被吊下物36とは、前記被吊下物36から突設されたスタッドボルト37に、座金38を介して押えナット39が締め込まれることによって固定される。第実施例の吊下具A4 においても、本体板部32と取付板部33が、外方に膨出した連結部D4 を介して連結されているため、吊下具A4 を小さくさせたまま、前記取付板部33における座金38及び押えナット39の座りを良好なものとすることができる。
本発明の第1実施例の吊下具A1 により、ケーブル滑車Kが装着された滑車レールBが吊り下げられた状態の斜視図である。 図1の状態の正面図である。 同じく横断面図である。 吊下具A1 の正面図である。 吊下具A1 の下側の連結部D1 の拡大図である。 (イ)は、本発明に係る吊下具Aの変形状態を示す模式図であり、(ロ)は、従来の吊下具A’の変形状態を示す模式図である。 (イ)は、第1実施例の吊下具A1 を滑車レールBに対して横方向に取付けた状態の図であり、(ロ)は、(イ)のX1 矢視図である。 (イ)は、第1参考例の吊下具A2 を滑車レールBに対して横方向に取付けた状態の図であり、(ロ)は、(イ)のX2 矢視図である。 (イ)は、第2参考例の吊下具A3 を滑車レールBに対して横方向に取付けた状態の図であり、(ロ)は、(イ)のX3 矢視図である。 第2参考例の吊下具A3 の連結部D3 の拡大模式図である。 実施例の吊下具A4 の正面図である。 (イ),(ロ)は、従来の吊下具A’の正面図である。
A,A1 〜A4 :吊下具
B:滑車レール(被吊下物)
C:電源ケーブル(ケーブル)
1 〜D4 :連結部
1,E31:第1わん曲部
2,E32:第2わん曲部
K:ケーブル滑車
1,P31:第1わん曲中心
2,P32:第2わん曲中心
2:吊りボルト(構造物)
14,29,32:本体板部
15:固定板部
16,25,33:取付板部
21,39:押えナット(取付部)
22,38:座金(取付部)
35:構造物
36:被吊下物

Claims (3)

  1. 構造物に固定されて、被吊下物を前記構造物に吊り下げるための吊下具であって、
    吊下状態で略垂直配置される平板状の本体板部と、
    吊下状態で略水平配置されるように、前記本体板部の下端部に連結部を介して略直交して延設されて、前記被吊下物を取付ける取付部を有する板状の取付板部とを備え、
    前記連結部は、前記本体板部又は前記取付板部のいずれか一方に接続されて、前記連結部の内側に第1わん曲中心を有する第1わん曲部と、前記本体板部又は前記取付板部の他方に接続されて、前記連結部の外側に第2わん曲中心を有する第2わん曲部とを備え、
    前記連結部は、本体板部に対する取付板部の延設方向と反対側にのみ膨出していることを特徴とする吊下具。
  2. 前記本体板部の上端部に、その下端部の前記連結部と同一構成の連結部を介して前記取付板部と同一側に平行に延設されて、前記構造物に固定される固定板部を備えて、全体が略コの字形になっていることを特徴とする請求項に記載の吊下具。
  3. 前記被吊下物は、長尺状のケーブルを所定間隔をおいて保持する多数のケーブル滑車を移動可能に支持する滑車レールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊下具。
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