JP6590550B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式等の複写機・レーザービームプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置に関するものである。
電子写真方式で用いられるトナー(現像剤)像を定着する定着装置には、従来から熱ローラ方式、フィルム加熱方式などが知られている。フィルム加熱方式の定着装置(特許文献1)は、熱ローラ方式の加熱装置の熱ローラに比べ、熱容量の小さいフィルム(無端ベルト)を定着部材として用いているため定着部材を所定温度に立ち上げるまでの時間を短縮することができる。また、立ち上がり時間が短いため、スタンバイ時に定着部材を暖めておく必要がなく、消費電力を極力低く抑えることが可能である。
フィルム加熱方式の定着装置における定着フィルム材料としては、SUSやニッケルなどの金属材料を用いる場合や、ポリイミドなどの耐熱樹脂材料を用いる場合がある。金属材料は樹脂材料に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、高速化や高寿命に対応できる。一方、樹脂材料は、金属に比べると比重が小さいため熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また、樹脂材料は塗工成型により薄肉のフィルムを成型できるため安価に成型できる特徴がある。
ここで、一般的なフィルム加熱方式の定着装置を、図7に示す。加熱部材(発熱部材)である加熱ヒータ113がヒータホルダー119(保持部材)に保持され、この周囲に可撓性を有する回転可能な円筒状の定着フィルム112(回転体、無端ベルト)が設けられた構成となっている。そして、定着フィルム112を挟むように、加熱ヒータ113に対向して加圧ローラ110(加圧部材)が圧接している。
加熱ヒータ113は定着フィルム112の内面(内周面)に接触し内面ニップNkを形成し、この内面ニップNkで加熱ヒータ113の熱が定着フィルム112に伝熱し、定着フィルム112が加熱される。定着フィルム112の表面(外周面)は、加圧ローラ110表面と接触し、定着ニップ部Nを形成している。
加圧ローラ110が図中矢印R1方向に駆動されると、定着フィルム112は定着ニップ部Nで加圧ローラ110から動力をもらい、矢印R2方向に従動回転する。このとき、定着ニップ部Nで加熱ヒータ113により加熱された定着フィルム112の熱が加圧ローラに伝熱し、加圧ローラ110も加熱される。そして、未定着トナー像Tが転写された記録材Pが、図中矢印A1方向から定着ニップNに搬送されると、定着ニップNで加熱された定着フィルム112と加圧ローラ110の熱が記録材Pとトナー像Tに伝熱し、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
フィルム加熱方式で定着フィルム112に樹脂材料を用いる場合においては、定着ニップ部Nへの異物の混入やステープルの付いた記録材を搬送してしまった場合に、定着フィルム112に破れや穴あきなどの破損が発生することがある。これを、以下に説明する。
加熱ヒータ113は、ヒータホルダー119に設けた溝穴に嵌め込んで保持されている。加熱ヒータ113をヒータホルダー119の溝穴に嵌め込むため、記録材搬送方向の幅の関係は加熱ヒータ113の幅Wkよりもヒータホルダー119に設けた溝穴の幅Whを広く設定する。ここで、加熱ヒータ113とヒータホルダー119は、加熱ヒータ113の発熱で高温になった場合に其々が熱膨張する。熱膨張した場合においても、加熱ヒータ113がヒータホルダー119に収まるように、ヒータホルダー119の溝穴の幅Whを広く設定する必要がある。
ヒータホルダー119の溝穴の幅Whが狭く、熱膨張した場合に加熱ヒータ113に応力がかかると、加熱ヒータ113が割れてしまう場合がある。一般的に加熱ヒータ113は、基板上に設けられた発熱抵抗層に通電し発熱する構成であるが、上記のように加熱時の熱膨張で加熱ヒータ113が割れてしまうと、発熱抵抗層がショートし異常発熱の可能性がある。
そのため、いかなる場合においても加熱ヒータ113は割れないような構成にする必要がある。具体的には、加熱ヒータ113が想定よりも高温になり、加熱ヒータ113とヒータホルダー119の熱膨張量が通常よりも多くなった場合においても、以下のようにする。即ち、加熱ヒータ113がヒータホルダー119の溝穴に収まり、加熱ヒータ113が割れないようにヒータホルダー119の溝穴の幅Whを設定する。
このように、加熱ヒータ113の幅Wkよりもヒータホルダー119の溝穴の幅Whを十分広く設定するため、加熱ヒータ113とヒータホルダー119の溝穴の間に隙間Gが生ずる。加熱ヒータ113とヒータホルダー119は接着剤により接着する場合もあるが、組立て性向上やコスト低減の観点で接着しない場合が多い。加熱ヒータ113とヒータホルダー119の接着を行わない場合、加熱ヒータ113は定着フィルム112の回転により内面ニップ部Nkで下流方向に摩擦力を受けるため、加熱ヒータ113はヒータホルダー119の溝穴部の下流側に突き当たる。
そのため、隙間Gは加熱ヒータ113の上流側にできる。この隙間Gが加熱ヒータ113の上流側にあると、定着ニップ部Nへ異物の混入やステープルの付いている記録材Pが搬送された場合に定着フィルムが破損する場合がある。これを説明するため、隙間G部の拡大模式図を図6として示す。
定着ニップ部Nへ異物の混入やステープルの付いている記録材Pが搬送された場合、図6(a)の模式図に示すように、この隙間Gに異物やステープルSが入り込み、異物やステープルSが加熱ヒータ113の上流エッジ部Eに引っかかることがある。異物やステープルSが加熱ヒータ113の上流エッジ部Eに引っかかると、定着フィルム112に穴があくなど破損する場合がある。
定着フィルム112に穴あきが発生すると、特に印字率が高い画像を出力した際、その定着後の画像上に「白点」や「黒点」などの画像不良が定着フィルム112の周期で発生する場合がある。更に定着フィルムの穴の大きさが大きくなった場合には、定着フィルムが破れてしまい、場合によっては記録材の搬送ができなくなる場合もある。
この定着フィルムの破損を防止するために、図6(b)に示すようにヒータホルダー119の定着ニップ部Nの上流部を加熱ヒータ113の定着フィルム112との摺動面よりも高くすることが提案されている(ヒータホルダー上流凸部H)。これにより、異物やステープルSが加熱ヒータ113が上流エッジ部Eに引っかかるのを防止し、定着フィルムの破損を抑制するというものである。
特開平04−044075号公報
近年、更なる印字速度の高速化が求められており、定着フィルムの薄肉化による伝熱効率アップや加圧力アップにより定着性能の向上が必要になっている。ここで、フィルム加熱方式の定着装置において、薄肉化した定着フィルムの使用や加圧力の増加を行うと、フィルムの剛性が弱くなったり、異物やステープルが加熱ヒータ113の上流エッジ部Eに強く押し付けられる。このため、上述した異物やステープルにより定着フィルムの破損が発生する場合がある。
そこで、定着フィルムの薄肉化や加圧力の増加に伴い、上記のように定着フィルムの破損を抑制するためにヒータホルダー上流凸部Hを更に高く設定すると、定着フィルムの破損は抑制できるが、定着フィルム113内面が加熱ヒータ113と接触し難くなる。このため、内面ニップ部Nkが狭くなり、加熱ヒータ113の熱が定着フィルム113に伝わり難くなってしまう。
そのため、定着フィルムから記録材P上のトナーTにも熱が供給し難くなり、定着性能を向上のために定着フィルムの薄肉化や加圧力を増加したにも関わらず、トナーTの記録材Pへの定着性劣化に繋がってしまう。
本発明の目的は、印字速度の高速化に対しても定着不良の発生を抑制できる定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトの内周面に接触するニップ部形成部材と、前記ニップ部形成部材を嵌め込むための溝部を備え、記録材搬送方向において前記ニップ部形成部材との間に上流側および下流側の隙間を形成して前記ニップ部形成部材を嵌め込んだ状態で前記無端ベルトの内周面と接触するように前記ニップ部形成部材を保持する保持部材と、前記無端ベルトを介して前記ニップ部形成部材と共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向部材と、を有し、記録材に形成された画像を前記ニップ部で記録材に定着する定着装置であって、記録材搬送領域における前記隙間に関し、上流側をGUc、下流側をGDc、前記GUcが形成される前記記録材搬送方向に交差する長手方向の長さをWGUc、前記GDcが形成される前記長手方向の長さをWGDcとするとき、
GUc<GDc
WGUc<WGDc
を共に満足し、かつ、記録材非搬送領域における前記隙間に関し、上流側をGUe、下流側をGDe、前記GUeが形成される前記長手方向の長さをWGUe、前記GDeが形成される前記長手方向の長さをWGDeとするとき、
GUe>GDe
WGUe>WG
を共に満足するように、前記保持部材が構成されることを特徴とする。
本発明によれば、印字速度の高速化に対しても定着不良の発生を抑制できる定着装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る定着装置の概略を示す断面図である。 第1の実施形態に係る定着装置におけるヒータホルダーの溝穴形状を示す図である。 本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置全体の概略を示す断面図である。 定着フィルムの穴あき試験に使用する記録材の模式図である。 第2の実施形態におけるヒータホルダーの溝穴形状を示す図である。 定着ニップ部上流側の断面図である。 従来の加熱装置の概略を示す断面図である。 従来のヒータホルダーの溝穴形状を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
本実施形態に係るフィルム加熱方式の定着装置を搭載した画像形成装置の一例を、図3に示す概略図を用いて説明する。本画像形成装置50は、記録材搬送ベルト9上に担持した記録材P上に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像を順次転写することで、一つの画像を形成する方式である。
像担持体である感光ドラム1の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器2、レーザ光を感光ドラム1に照射する露光装置3、現像器5が配置されている。また、記録材搬送ベルト9を介して転写ローラ10、及び感光ドラムクリーナー16が配置されている。
ここで、感光ドラム1は、その表面が帯電器2によってマイナス極性に帯電される。次に帯電された感光ドラム1は、露光手段3の露光Lにより、その表面上に静電潜像が形成(露光された部分は表面電位が上がる)される。本実施形態のトナーは各色共にマイナス極性に帯電されており、まず1色目のイエロートナーが入った現像器5によって、感光ドラム1上の静電潜像部にのみマイナストナーが付着し、感光ドラム1上にイエローのトナー像が形成される。
一方、記録材搬送ベルト9は、二つの支持軸(駆動ローラ12、テンションローラ14)に支持され、図中矢印R4方向に回転する駆動ローラ12によって、矢印R3方向に回転する。記録材Pは、給紙ローラ4によって給紙されると、プラス極性のバイアスが印加された吸着ローラ6によって帯電され、記録材搬送ベルト9上に静電吸着し搬送される。
記録材Pが転写ニップN1に搬送されると、記録材搬送ベルト9に従動回転する転写ローラ10に、不図示の電源からトナーの極性とは逆の極性であるプラス極性の転写バイアスが印加される。そして、感光ドラム1上のイエロートナー像は、転写ニップ部N1において記録材P上に転写される。転写後の感光ドラム1は、弾性体ブレードを有する感光ドラムクリーナー16によって表面の転写残トナーが除去される。
以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目マゼンタM30、3色目シアンC30、4色目ブラックK30の各現像カートリッジについても順次行い、記録材搬送ベルト9上の記録材Pに4色のトナー像を形成する。4色のトナー像を担持した記録材Pは、加熱装置100に搬送され、表面のトナー像の加熱定着が行なわれる。
(定着装置)
次いで、本実施形態の定着装置100について以下に説明する。本実施形態の定着装置100は、上述のように立ち上げ時間の短縮や低消費電力化を目的としたフィルム加熱方式である。図1は本実施形態における定着装置100の断面図であり、基本構成は背景技術で述べた図7の定着装置と同じであり、同じ部材については、同一の符号で示し説明を省略する。
摺動部材としての加熱ヒータ113が保持部材としてのヒータホルダー130に保持され、この周囲に可撓性を有する円筒状の無端ベルトである定着フィルム112が設けられた構成となっている。加熱ヒータ113は定着フィルム112の内面に接触し内面ニップNkを形成し、定着フィルム112を内側から加熱する。定着フィルム112を挟むように、加熱ヒータ113に対向して対向部材としての加圧ローラ110が定着ニップ部Nを形成している。
加圧ローラ110が図中矢印R1方向に駆動されると、定着フィルム112は定着ニップ部Nで加圧ローラ110から動力をもらい、矢印R2方向に従動回転する。未定着トナー像Tが転写された記録材Pが、図中矢印A1方向から定着ニップ部Nに搬送されると、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
(定着フィルム)
加熱ヒータ113を保持したヒータホルダー130は、強度を持たせるために鉄製のステー120で加熱ヒータ113とは反対側から支えられ、この周囲に可撓性を有する円筒状の定着フィルム112が設けられる構成となっている。本実施形態の定着フィルム112は変形させない円筒状の状態で外径がφ20mmであり、厚み方向には多層構成となっている。定着フィルム112の層構成としては、フィルムの強度を保つための基層126と、表面への汚れ付着低減のための離型層127から成る。
基層126の材質は、加熱ヒータ113の熱を受けるため耐熱性が必要であり、また加熱ヒータ113と摺動するため強度も必要である。このため、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)やニッケルなどの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。金属は樹脂に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面へ伝達し易い。
一方、樹脂は金属に比べると比重が小さいため、熱容量が小さく温まり易い利点がある。また、樹脂は塗工成型により薄肉のフィルムが成型できるため安価に成型できる。本実施形態では、定着フィルム112の基層126の材質としてポリイミド樹脂を用い、熱伝導率と強度を向上させるため、カーボン系のフィラーを添加して用いた。基層126の厚さは薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着ローラ110表面に伝達し易いが強度が低下するため、15μm〜100μm程度が好ましく、本実施形態では50μmとした。
定着フィルム112の離型層127の材質は、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂を用いると好ましい。本実施形態では、フッ素樹脂の中でも離型性と耐熱性に優れるPFAを用いた。
離型層127は、チューブを被覆させたものでも良いが、表面を塗料でコートしたものでも良く、本実施形態では、薄肉成型に優れるコートにより離型層127を成型した。離型層127は薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面に伝達し易いが、薄すぎると耐久性が劣化するため、5μm〜30μm程度が好ましく、本実施形態では10μmとした。
(加圧ローラ)
本実施形態の加圧ローラ110は外径φ20mmであり、φ12mmの鉄製の芯金117にシリコーンゴムを発泡した厚さ4mmの弾性層116(発泡ゴム)が形成されている。加圧ローラ110は、熱容量が大きく、熱伝導率が大きいと、加圧ローラ110表面の熱が内部へ吸収され易く、加圧ローラ110の表面温度が上昇しにくくなる。
すなわち、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、加圧ローラ110表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。上記シリコーンゴムを発泡した発泡ゴムの熱伝導率は0.11〜0.16W/m・Kであり、0.25〜0.29W/m・K程度のソリッドゴムよりも熱伝導率が低い。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴムが約1.05〜1.30であるのに対して、発泡ゴムが約0.75〜0.85であり、低熱容量でもある。従って、この発泡ゴムは、上記加圧ローラ110表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。
加圧ローラ110の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さ過ぎると定着ニップNの幅が狭くなってしまうので適度な径が必要であり、本実施形態では外径をφ20mmとした。弾性層116の肉厚に関しても、薄過ぎれば金属製の芯金に熱が逃げるので適度な厚みが必要であり、本実施形態では弾性層116の厚さを4mmとした。
弾性層116の上には、トナーの離型層として、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)からなる離型層118が形成されている。離型層118は定着フィルム112の離型層127同様、チューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものでも良いが、本実施形態では、耐久性に優れるチューブを使用した。
離型層118の材質としては、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂や、離型性の良いフッ素ゴムやシリコーンゴム等を用いても良い。加圧ローラ110の表面硬度は、低いほど軽圧で定着ニップNの幅が得られるが、低すぎると耐久性が劣化するため、本実施形態では、Asker−C硬度(4.9N荷重)で、40°とした。加圧ローラ110は、不図示の回転手段により、図中矢印R1方向に、表面移動速度200mm/secで回転するようになっている。
(加熱ヒータ)
加熱ヒータ113は、記録材搬送方向の幅Wh=6mm、長手方向の幅270mmの直方体形状で厚さ1mmのアルミナの基板表面に、Ag/Pd(銀パラジウム)の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷により10μm塗工する。そして、その上に発熱体保護層としてガラスを50μmの厚さで覆ったものを用いた。
本実施形態の定着装置を搭載した画像形成装置の最大記録材幅はレターサイズであり、レターサイズの長手方向の幅216mmを十分加熱できるように通電発熱抵抗層の長手方向の幅はレターサイズより左右1mmずつ長い218mmになっている。
基材(基板)がセラミックから成るセラミックヒータである加熱ヒータ113の背面には、通電発熱抵抗層の発熱に応じて昇温したセラミック基材(基板)の温度を検知するための温度検知素子115が配置されている。この温度検知素子115の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に流す電流を適切に制御することで、加熱ヒータ113の温度を調整している。
一方、加熱ヒータ113の背面には、以下に示す所定条件で通電を遮断する通電遮断素子140も配置されている。これは万一温度検知素子115が故障した場合、加熱ヒータ113に通電され続け異常昇温した場合に加熱ヒータの割れによる異常発熱を防止するためである。本実施形態の通電遮断素子140は一般的なサーモスイッチであり、加熱ヒータ113に通電する導線に直列に接続されている。通電遮断素子140の温度(加熱ヒータ113の背面温度)が270℃に到達すると、バイメタルの変形により加熱ヒータ113への通電が遮断される構造となっている。
温度検知素子115が故障しても、加熱ヒータ113背面の温度が270℃になると通電遮断素子140の通電遮断により加熱ヒータ113の加熱が止まり、加熱ヒータ割れによる異常発熱を防止できる。
温度検知素子115により温度調整され加熱された加熱ヒータ113の熱は、定着フィルム112の内面から表面に伝わり、定着ニップNを介して加圧ローラ110の表面を加熱する。上述のように未定着トナー像Tが転写された記録材Pが、定着ニップNに搬送されると、定着フィルム112と加圧ローラ110の熱は、未定着トナー像Tと記録材Pに伝わり、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
(ヒータホルダー)
次いで、本発明の特徴であるヒータホルダー130について説明する。図1に示すように、定着フィルム112の内周面が摺動する摺動部材としての加熱ヒータ113はヒータホルダー130に設けた溝穴(溝部)130gに嵌め込まれ保持されている。ヒータホルダー130は、加熱ヒータ113の熱を奪い難いように低熱容量の材料が好ましく、本実施形態では耐熱性樹脂である液晶ポリマー(LCP)を用いた。
ヒータホルダー130は、強度を持たせるために鉄製のステー120で加熱ヒータ113とは反対側から支えられている。ステー120は、長手方向(記録材搬送方向に交差する方向)の両端部から加圧バネ114によって図中矢印A2方向に加圧されるようになっている。
先ず、比較として従来のヒータホルダー119の形状について説明する。図7の矢印A3方向から見た加熱ヒータ113をヒータホルダー119の溝穴に嵌め込んだところの模式図を、図8に示す。図8(a)は常温時の図であり、図8(b)は加熱ヒータとヒータホルダーが高温(異常昇温)になり熱膨張をした時の図である。従来のヒータホルダー119の溝穴は、長方形の形状をしている。
加熱ヒータ113がヒータホルダーに接着されていないため、上述のように加熱ヒータ113は定着フィルム112の回転によりヒータホルダーの下流側GDに突き当たり図8(a)の状態になり、加熱ヒータ113上流側に上流隙間GUができる。従来のヒータホルダー119の溝穴は長方形の形状をしているため、上流隙間GUは長手方向にヒータ幅Wks=270mmと同じ幅だけできる(図2のWGU)。ヒータホルダー119の溝穴の搬送方向の幅Whは、加熱ヒータ113が想定よりも高温(異常昇温)になった場合においても熱膨張により加熱ヒータ113が割れないように、加熱ヒータ113の幅Wkに対して広く設定している。
万一、異常昇温した場合でも、通電遮断素子が動作温度である270℃に達すると、通電が遮断され昇温が止まるようになっている。しかし、ヒータホルダーの溝穴の幅Whは通電遮断素子の動作温度よりも余裕をみている。即ち、加熱ヒータとヒータホルダーが300℃程度まで熱膨張しても、加熱ヒータ113がヒータホルダー119の溝穴に収まるように設定している。
アルミナの加熱ヒータ113は約300℃で記録材搬送方向に0.1〜0.2mm程度熱膨張し、液晶ポリマー(LCP)のヒータホルダー119は熱膨張により溝穴Whが0.1〜0.2mm狭くなると想定する。従って、ヒータホルダー119の溝穴の幅Whを加熱ヒータ113の幅Wk=6.0mmよりも0.4mm広く設定している。
そのため、図8(b)に示すように加熱ヒータ113とヒータホルダー119が異常昇温し熱膨張した場合でも上流隙間GUがゼロとなることなく加熱ヒータ113がヒータホルダー119の溝穴に収まり、加熱ヒータ113は割れることが無い。しかし、記録材Pへのトナーの加熱定着時には、加熱ヒータ113の温度を150〜200℃程度にしか加熱制御しない。このため、異常昇温時よりも加熱ヒータ113とヒータホルダー119の熱膨張量が少なく、上流隙間GUは0.2〜0.3mm程度空いた状態で記録材Pの加熱定着が行われることになる。
このように、上流隙間が大きいと異物やステープルが加熱ヒータ113の上流エッジ部Eに引っかかり易い。このため、従来のヒータホルダー119では、ヒータホルダー119の定着ニップN上流部を加熱ヒータ113の定着フィルム112との摺動面よりも0.3mm高くする(図4(bのヒータホルダー上流凸部H)。これにより、異物やステープルが加熱ヒータ113の上流エッジ部Eに引っかかるのを防止ししている。
(ヒータホルダー130の形状)
次に、本実施形態のヒータホルダー130の形状について説明する。図1の矢印A3方向から見た加熱ヒータ113をヒータホルダー130の溝穴に嵌め込んだところの模式図を、図2に示す。
本実施形態においては、記録材搬送領域におけるヒータホルダー130の加熱ヒータ113との隙間に関し、以下のようにヒータホルダー130が構成される。即ち、上流側をGUc、下流側をGDc、前記GUcが形成される長手方向の長さをWGUc、GDcが形成される長手方向の長さをWGDcとするとき、以下の式を共に満足する。
GUc<GDc
WGUc<WGDc
一方、記録材非搬送領域における前記隙間に関し、ヒータホルダー130の加熱ヒータ113との隙間に関し、以下のように設定される。即ち、上流側をGUe、下流側をGDe、GUeが形成される長手方向の長さをWGUe、GDeが形成される長手方向の長さをWGDeとするとき、以下の式を共に満足する。
GUe>GDe
WGUe>WG
以下、これらの式の妥当性に関し、理由を付して説明する。本実施形態のヒータホルダー130は、記録材搬送領域においては加熱ヒータ113の上流側の隙間を小さくした形状であるため、異物やステープルによる定着フィルムの破損が発生し難い。
図2(a)は常温時の図であり、図2(b)は加熱ヒータとヒータホルダーが高温(異常昇温)になり熱膨張をした時の図である。図8に示した従来の加熱ヒータ113と同様に、本実施形態における加熱ヒータ113は、定着フィルム112の回転により、ヒータホルダー130の下流側に突き当たり図2(a)の状態になる。
ここで、本実施形態のヒータホルダー130における加熱ヒータ113の下流突き当て面GDe(図2(a))は、記録材非搬送領域の長手方向両端部にのみ設けられている。記録材の搬送領域を含む中央部は、加熱ヒータ113の下流側に下流隙間GDcを設けた形状になっている。
従来のヒータホルダー119と同様に、本実施形態でも加熱ヒータ113とヒータホルダー130が異常昇温し熱膨張した場合でも、加熱ヒータ113がヒータホルダー130の溝穴に収まるように設定されている。即ち、長手方向のどの箇所においても、ヒータホルダー130の溝穴の記録材搬送方向の幅Whは、加熱ヒータ113幅Wk=6mmに対して0.4mm大きい6.4mm以上になっている。記録材非搬送領域の長手方向両端部は、加熱ヒータ113が下流面GDeに突き当たっているために下流側には隙間がなく、上流側に上流隙間GUeが0.4mmできる。
記録材非搬送領域(長手方向両端部)は、定着ニップ部Nが存在しない領域であるため、上流側に隙間がいくらあっても異物やステープルによる定着フィルムの破損は発生しない。一方、記録材搬送領域(長手方向の両端部を除く中央部)では、異物やステープルによる定着フィルムの破損を抑制するため、上流側の隙間GUcを極力狭くした構成としている。上流隙間GUcを狭く設定した分、下流隙間GDcを広く設けて異常昇温時の熱膨張を吸収する構成となる。
本実施形態では、記録材搬送領域の上流隙間GUcを0.1mmとし、下流隙間GDcを0.3mmとした。上流隙間GUcは狭いほど異物やステープルが加熱ヒータ113の上流側のエッジに引っかかり難いため、定着フィルムが破損し難くなる。
しかし、通常の記録材Pへのトナーの加熱定着時にも加熱ヒータ113とヒータホルダー130は軽微に熱膨張する。上流隙間GUcが狭すぎると、通常の加熱定着時の熱膨張で加熱ヒータ113へ応力が加わり、加熱ヒータ113が割れてしまう可能性があるため、本実施形態では加熱ヒータ113の上流側に隙間GUcを0.1mm設ける構成とした。
本実施形態のヒータホルダー130では、通常の加熱定着時には軽微な熱膨張で上流隙間GUcは略ゼロとなる。このため、従来のヒータホルダー119の通常の加熱定着時の上流隙間GU=0.2〜0.3mmに比べ、異物やステープルが加熱ヒータ113の上流側のエッジに引っかかり難く、定着フィルムが破損し難い。下流隙間GDcは、異常昇温時の熱膨張を考慮し、異常昇温時に加熱ヒータ113が割れないような隙間量にすれば良く、本実施形態では下流隙間GDcを0.3mmとした。
加熱ヒータ113の下流側に隙間ができても、異物やステープルは加熱ヒータ113のエッジに引っかかることは無い。また、ヒータホルダー130の下流エッジ部HDE(図2(a))を記録材搬送方向の断面で曲面にすることで、ヒータホルダー130の下流エッジ部にも引っかかることは無い。そのため、加熱ヒータ113の下流側の隙間GDcが広くても、異物やステープルによる定着フィルムの破損は発生し難い。
隙間量が少ない上流隙間GUcの長手方向の幅WGUcは、記録材に付いているステープルによる定着フィルムの破損を考慮すると、画像形成装置の最大記録材幅Wp以上が良い。また、定着ニップ部Nの長手方向全域において異物による定着フィルム破損を考慮すると、定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ110のゴム長以上に設定すると良い。
本実施形態の加圧ローラ110の長手方向のゴム長は226mmであり、本実施形態の上流隙間GUcの長手方向幅WGUcは、加圧ローラ110のゴム長よりも左右2mmだけ大きいWGUc=230mmとした。
一方、加熱ヒータ113の下流隙間GDcの長手方向の幅WGDcは、上流隙間GUcの長手方向幅WGUcよりも広く設定してある。これは、加熱ヒータ113やヒータホルダー130の異常昇温時の形状変化によって、加熱ヒータ割れが発生することを防止するためである。
本実施形態のヒータホルダー130の材質は液晶ポリマー(LCP)を用いており、その温度が280℃以上に異常昇温すると熱膨張しながら軟化し始める。そして、ヒータホルダー130はセラミックであるアルミナの加熱ヒータ113よりも十分に柔らかくなる。このため、図2(b)に示すように、記録材搬送領域では加熱ヒータ下流隙間GDcで加熱ヒータ113の熱膨張を吸収し、記録材非搬送領域の両端部では加熱ヒータ上流隙間GUeで熱膨張を吸収するようにヒータホルダー130が撓む。そのため、異常昇温で熱膨張した場合でも、加熱ヒータ113への応力は小さく加熱ヒータ113が割れることは無い。
ここで、異常昇温で熱膨張した場合、加熱ヒータ113の幅Wkに対してヒータホルダー130の溝穴で最も狭い部分の間隔がWminとなり、加熱ヒータ113に応力がかかり易い状況となる(図3(b))。しかし、この最狭部の間隔Wminに関し、加熱ヒータ113の幅Wkに、加熱ヒータ113とヒータホルダー130の異常昇温時の熱膨張量を足した距離以上を確保すると、異常昇温時の加熱ヒータ113への応力が低く抑えられる。
即ち、ヒータホルダー130の溝穴部の最狭部の間隔Wminは、加熱ヒータ113が記録材を加熱するときよりも高温である状態における加熱ヒータ113の熱膨張時の記録材搬送方向の幅と保持部材の熱膨張量との和よりも広くすることで、問題が解消できる。
そのため、本実施形態では、加熱ヒータ113の下流隙間GDcの長手方向幅WGDcを上流隙間GUcの長手方向の幅WGUc=230mmよりも左右2mmずつ長くWGDcを234mmに設定する。これにより、最狭部の間隔Wminが約6.4mm(常温時)となるようにした。このため、本実施形態の加熱ヒータ113とヒータホルダー130が異常昇温により熱膨張しても加熱ヒータ113への応力が小さくなり、加熱ヒータ113は割れることが無い。
本実施形態では、加熱ヒータ113の長手幅Wks=270mmに対して、記録材搬送領域の加熱ヒータ下流隙間GDcの長手方向幅WGDcが234mmである。このため、記録材非搬送領域の長手方向両端部の加熱ヒータ113の下流が突き当て面GDeの長手幅WGDeは左右約18mmとなっている。
一方、上流側は、加熱ヒータ113の長手幅Wks=270mmに対して、記録材搬送領域の加熱ヒータ上流隙間GUcの長手方向幅WGUcが230mmである。このため、記録材非搬送領域の長手方向両端部の上流隙間GUeの長手方向幅WGUeは左右約20mmとなり、下流の突き当て面GDeの長手幅WGDeよりも左右2mm広い形状となっている。
本実施形態のヒータホルダー130の形状は、上記の通り、記録材搬送領域を含む中央部において加熱ヒータの上流側の隙間を狭くできる形状であるため、従来のヒータホルダー119よりも異物やステープルによる定着フィルムの破損が発生し難い。そのため、本実施形態のヒータホルダー130では、従来のヒータホルダー119の定着ニップ部Nの上流部(図6に示すヒータホルダー上流凸部H)を低く設定することができる。
ヒータホルダー上流凸部H(図6)を低くできると、定着フィルム113内面が加熱ヒータ113と接触し易くなるため、内面ニップNkが広くなり、加熱ヒータ113の熱が定着フィルム113に伝わり易くなる。そのため、記録材Pへのトナーの定着性が良化する。ヒータホルダー上流凸部Hは低いほど内面ニップNkが広くなるため定着性が良化するが、加熱ヒータ113の定着フィルム112との摺動面よりも低くなると、加熱ヒータ113の上流エッジ部Eがヒータホルダー上流凸部Hに対し突出する状態となる。このため、定着フィルム112が加熱ヒータ113の上流エッジ部Eに引っかかり易くなる。
そこで、ヒータホルダー上流凸部H(図6)は0≦H<0.3mm程度が好ましく、本実施形態ではヒータホルダー上流凸部Hを0.05mmとした。また、本実施形態では、加熱ヒータの上流側の隙間が狭いため、異物やステープルによる定着フィルムの破損が発生し難く、加圧力を上げることも可能である。
このような本実施形態では、図1の加圧バネ114による図中矢印A2方向への加圧力を通常より強く設定し、定着ニップ部の記録材搬送方向の幅を広く取ることでさらに定着性を良化させている。加圧力は強いほど定着ニップ部Nの幅が大きくなり定着性は良化するが、加圧ローラ110の弾性層116のゴムの変形量が大きくなり、ゴムの破壊などが発生する可能性がある。そのため、加圧力は100N以上、特に100N〜300N程度が好ましく、本実施形態では245Nとした。この時の定着ニップNの幅は10mmであり、内面ニップNkの幅は5mmである。
(比較結果)
ここで、本実施形態の定着装置の構成を用い、本実施形態のヒータホルダー130と従来のヒータホルダー119で比較検討をした。具体的には、定着フィルム基層膜厚を40μm、50μm、60μm、70μmと膜厚を変えて、定着性の比較と定着フィルムの穴あきによる画像不良の発生有無の比較を行った。
そして、定着性は濃度低下率で表し、以下の方法で算出する。測定器はマクベス反射濃度計RD914を用い、紙上に定着されたハーフトーン画像を、レンズクリーニング紙(小津産業製Dusper K−3)を5枚重ねたところに荷重0.4N/cm2で5往復擦った前後の濃度を測定する。本実施形態では、ハーフトーン濃度として擦る前の濃度D1が約0.7のものを用いた。擦った後の濃度をD2とすると、濃度低下率は(D1−D2)/D1により算出される。
そして、加熱ヒータ113の背面の温度を200℃になるように制御し、定着フィルム各基層膜厚に対して、ブラック単色のハーフトーン画像を印字し、上記濃度低下率の測定を行い定着性の評価を行った。濃度低下率が10%未満の場合を良好な定着性とし○、10%以上20%未満を△、濃度低下率が20%以上のものを定着不良として×と評価した。ここで、定着性の判断基準は装置の仕様によるものであり、必要とされる定着性は装置によって適宜決めることができる。
また、定着フィルムの穴あきによる画像不良の発生有無の評価は、以下の手順で行った。坪量90g/cm2のレターサイズの記録材に、図4に示すようなステープルを予め留めた記録材を準備する。図4(a)はステープルの断面図で、通常記録材の裏側(非印地面側)に図4(a)中「裏」が来る向きでステープルを記録材に留める。図4(a)中「裏」が定着フィルム112と接触する向きで定着ニップ部Nに搬送させると、定着フィルムに穴があき易いことが事前の調査で分かっている。
また、ステープルを留める向きが記録材長手方向と直交方向若しくは45度方向で留めたときに、定着フィルム112に穴があき易いことが分かっている。このため、今回の試験に使用する記録材には、図4(b)のようにステープルを記録材長手方向と直交方向および45度方向に記録材の先端と後端で2箇所づつ各4箇所ずつ留めたものを使用した。
そして、図4(a)の「裏」側が定着フィルム112の表面に接触するように画像形成装置にセットする。このステープルの付いた記録材を1枚搬送し、その後、全面ベタ黒画像を印字し画像上の不良の有無で定着フィルムの破損を判定する。
定着フィルムに穴があいた場合、ベタ黒画像上に「白点」が発生するため「白点」が1つでも発生した場合は×と評価した。また、定着フィルムに穴あきは無く表面に傷が発生した場合、ベタ黒画像上にも定着フィルム周期の傷が発生するため、画像上に傷が発生した場合を△と評価した。また、画像上に定着フィルム周期の不良が1つも無かった場合を○と評価した。定着性の評価及び定着フィルムの穴あき試験の比較は、ヒータホルダーの違い以外は、全て本実施形態の定着装置の構成で統一して比較した。
本実施形態のヒータホルダー130と従来のヒータホルダー119を用いた場合の比較結果を、表1に示す。
従来のヒータホルダーでは、加熱定着時の上流隙間が0.2〜0.3mmと広いため、本実施形態の加熱装置のように加圧力が高いと定着フィルムの基層膜厚が60μmで定着フィルムに傷がつき、50μm以下で穴あきが発生してしまう。また、ヒータホルダー上流凸部Hが0.3mmと高いため、内面ニップ幅が狭く定着フィルムの基層膜厚を50μm以下にしないと定着性の濃度低下率を10%未満にすることができなかった。
一方、本実施形態のヒータホルダーでは、加熱定着時の上流隙間が殆ど無いため、加圧力が高い本実施形態の定着装置構成においても定着フィルム膜厚を40μmにまで薄くしても傷にとどまり、穴があくことはなかった。また、ヒータホルダー上流凸部Hが0.05mmと低いため内面ニップ幅が広く、定着フィルム膜厚が60μm以上でも定着性の濃度低下率を10%未満にすることができた。
本実施形態のヒータホルダー130のような形状にすることで、記録材搬送領域を含む中央部において加熱ヒータの上流側の隙間を狭くできるため、従来のヒータホルダー119よりも異物やステープルによる定着フィルムの破損が発生し難い。そのため、従来のヒータホルダー119よりも薄肉の定着フィルムの使用や加圧力を上げることが可能となり、高速化への対応ができる。
《第2の実施形態》
第1の実施形態においては、加熱ヒータ113のヒータホルダー130への下流の突き当て部は、面(下流突き当て面GDe)であったが、面に限ったものでは無い。例えば、図5のヒータホルダー150に示すように、加熱ヒータ113のヒータホルダー130への下流の突き当て部は凸部PDeのように点で加熱ヒータ113を突き当てても良い。
この場合、下流突き当て凸部PDeの位置としては、加熱ヒータ113の下流隙間GDcの長手方向の幅WGDcが、上流隙間GUcの長手方向幅WGUcよりも広くなるような位置とする。そして、最狭部の間隔Wminが、加熱ヒータ113の幅Wkに加熱ヒータ113とヒータホルダー130の異常昇温時の熱膨張量を足した距離以上になるようにする。これにより、異常昇温時に加熱ヒータ113への応力を低く抑えられる。
なお、加熱ヒータ113のヒータホルダー130への下流の突き当て部の形状は、第1の実施形態、あるいは本実施形態で説明したものに限られるものではない。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。仕様に依って求められる記録材の搬送速度と定着性に合わせて、加熱ヒータもしくは摺動板やヒータホルダーの剛性、フィルムの膜厚、加圧力等の設定の最適化や、必要な構成部材の追加等が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、摺動部材は発熱部材(ヒータ)であり、無端ベルトがヒータにより加熱されるものとしたが、本発明はこれに限られない。無端ベルトが発熱層を備える発熱ベルトであり、摺動部材が長手方向における発熱ベルトの温度むらを均熱化する均熱化部材であっても良い。
(変形例2)
上述した実施形態では、液晶ポリマーのヒータホルダー130の溝穴にアルミナ材質の加熱ヒータ113を嵌め込む構成について述べたが、本発明はこれに限られない。加熱ヒータや摺動部材の幅とヒータホルダーの隙間量の設定は、各材料の熱膨張量を考慮し、加熱ヒータが異常昇温した場合でも加熱ヒータが応力を受けて割れないように設定すれば良い。また、求められる印字速度と定着性に合わせて、また加熱ヒータ上流の隙間の設定量と定着フィルムの基層の強度、剛性に合わせて、ヒータホルダー上流凸部の高さや加圧力の設定を最適化すると良い。
また、加熱ヒータがヒータホルダーに接着されていない構成について述べてきたが、加熱ヒータをヒータホルダーに接着した場合においても、同様の作用効果が得られる。
(変形例3)
また、上述した実施形態では、ヒータホルダー130に柔らかい材質を用いることでヒータホルダー130が加熱ヒータ113よりも撓みやすい状態とした構成について示してきたが、本発明は必ずしもそれに限られない。ヒータホルダー130は定着フィルム112から摩擦力Fを受けて下流方向に撓み変形するが、ヒータホルダー130と定着フィルム112の摩擦力Fを高めることによっても、ヒータホルダー130を撓み易くすることができる。
例えば、定着フィルム112の内面や、ヒータホルダー130の定着フィルム112との摺動面を粗くしたり、もしくは、加圧ローラ110の圧接力を高めたりすると良い。このようにすることで、ヒータホルダー130と定着フィルム112の摩擦力Fを高めることができ、ヒータホルダー130の下流側方向への撓み変形をし易くすることができる。
(変形例4)
また、上述した実施形態では、加熱ヒータ113は基板にアルミナ基板を用い、ヒータホルダー130よりも十分剛性を高くして、定着フィルム112の摩擦力Fによって加熱ヒータ113は撓みにくい構成について示してきたが、本発明はそれに限られない。
加熱ヒータ113に十分高い剛性が無い場合、例えば、定着フィルム112と加熱ヒータ113の摩擦力を軽減するために、加熱ヒータ113の定着フィルム112内面との摺動面に、より平滑度の高いガラスを用いたりする構成にしても良い。あるいは、摩擦係数の小さいフッ素層(例えば、PTFEやPFE)の層を設けたりする構成にしても良い。このようにして、定着フィルム112と加熱ヒータ113の摩擦力を小さくすることができれば、加熱ヒータ113は撓まず、ヒータホルダー130だけが撓み変形する構成とすることができる。
ここで、定着フィルム112の回転による摩擦力Fの他に、加熱ヒータ113とヒータホルダー130との間にも摩擦力が存在する。ヒータホルダー130と加熱ヒータ113の摩擦力が高いと、ヒータホルダー130の撓み変形につられて加熱ヒータ113も一緒に撓み変形してしまう場合がある。そのような場合には、ヒータホルダー130の溝穴底面と加熱ヒータ113裏面にグリースを塗布することで、ヒータホルダー130と加熱ヒータ113の間の摩擦力を低減させると良い。
このようにすることで、加熱ヒータ113は撓みにくく、ヒータホルダー130だけが下流側方向へ撓み変形しやすい構成にすることができる。
また、加熱ヒータとヒータホルダーの剛性、定着フィルム内面の表面性や加圧ローラの圧接力(加圧力)等によって、適宜、定着フィルムとヒータホルダーの摩擦力を減らしたりすることができる。あるいは、定着フィルムと加熱ヒータ間、及び、加熱ヒータとヒータホルダー間の摩擦力を減らしたりすることができる。これらにより、加熱ヒータは撓み変形しにくく、ヒータホルダーだけが撓み変形しやすい構成にすることができる。以上より、必ずしもヒータホルダーが加熱ヒータより柔らかい構成でなくても、上述した実施形態で示した効果と同様な効果を得ることができる。
(変形例5)
また、上述した実施形態では、回転体である定着フィルムは、基層126と離型層127の2層構成のものを用いたが、本発明はこれに限られない。基層126と離型層127の間に弾性層を設けた構成にしても良く、耐熱性のシリコーンゴムなどを弾性層として用いることで定着フィルムが記録材の凹凸と密着し易くなるため画質が良好になる。弾性層の厚みは、厚いほど記録材の凹凸と密着し易くなり画質が良好になるが、厚すぎると加熱ヒータの熱が記録材に伝達し難くなり定着性が劣化するため30μm〜300μm程度が好ましい。
このように弾性層を設けた定着フィルムを用いた場合でも、本発明のヒータホルダー形状にすれば加熱ヒータの上流側の隙間を狭くできるため、異物やステープルによる定着フィルムの破損が発生し難い。
(変形例6)
上述した実施形態では、無端ベルトが第1の回転体に設けられたが、無端ベルトが第1の回転体に対向する第2の回転体に設けられても良い。また、無端ベルトが第1の回転体、第2の回転体の双方に設けられても良い。
また、上述した実施形態では、回転体および加圧体としての加圧用回転体(加圧ローラ)が定着回転体(定着ベルト)を加圧する場合を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、加圧体としてでなく対向体としての回転体が定着回転体としての定着ベルト(フィルム)から加圧される場合にも同様に適用できる。ここで、対向体とは、定着回転体に対向し、定着回転体と圧接して定着ニップ部を形成し、移動する記録材を定着ニップ部で挟持する部材である。
また、上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを通紙、通紙部、非通紙部などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
また、上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置)にも同様に適用可能である。
110・・加圧ローラ、112・・定着フィルム、113・・加熱ヒータ、130・・ヒータホルダー

Claims (11)

  1. 回転可能な無端ベルトと、
    前記無端ベルトの内周面に接触するニップ部形成部材と、
    前記ニップ部形成部材を嵌め込むための溝部を備え、記録材搬送方向において前記ニップ部形成部材との間に上流側および下流側の隙間を形成して前記ニップ部形成部材を嵌め込んだ状態で前記無端ベルトの内周面と接触するように前記ニップ部形成部材を保持する保持部材と、
    前記無端ベルトを介して前記ニップ部形成部材と共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向部材と、
    を有し、記録材に形成された画像を前記ニップ部で記録材に定着する定着装置であって、
    記録材搬送領域における前記隙間に関し、
    上流側をGUc、下流側をGDc、前記GUcが形成される前記記録材搬送方向に交差する長手方向の長さをWGUc、前記GDcが形成される前記長手方向の長さをWGDcとするとき、
    GUc<GDc
    WGUc<WGDc
    を共に満足し、かつ、
    記録材非搬送領域における前記隙間に関し、
    上流側をGUe、下流側をGDe、前記GUeが形成される前記長手方向の長さをWGUe、前記GDeが形成される前記長手方向の長さをWGDeとするとき、
    GUe>GDe
    WGUe>WG
    を共に満足するように、前記保持部材が構成されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ニップ部形成部材は、前記長手方向に長い直方体形状であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ニップ部形成部材は発熱部材であり、前記無端ベルトは前記発熱部材により加熱されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記無端ベルトは発熱層を備える発熱ベルトであり、前記ニップ部形成部材は前記長手方向における前記発熱ベルトの温度むらを均熱化する均熱化部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 前記発熱部材は、基材がセラミックから成るセラミックヒータであることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記溝部の最も狭い部分の間隔は、前記発熱部材が前記記録材を加熱するときよりも高温である状態における前記発熱部材の熱膨張時の前記記録材搬送方向の幅と前記保持部材の熱膨張量との和よりも広いことを特徴とする請求項3または5に記載の定着装置。
  7. 前記GDeはゼロであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記保持部材は、液晶ポリマーで形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記無端ベルトは、耐熱性樹脂で形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記対向部材は、加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記ニップ部を形成する圧接の力は100N以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の定着装置。
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