JP6589774B2 - 車両用表示制御装置及び車両用表示システム - Google Patents

車両用表示制御装置及び車両用表示システム Download PDF

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Description

本発明は、車両用表示制御装置及び車両用表示システムに関する。
従来、車両が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態では、不正ユーザに警告を与えて窃盗意欲を減退させる技術が、広く提案されている。
例えば特許文献1に開示の技術では、車両が盗難による異常状態になると、インストルメントパネルのメータに対して、車両用表示制御装置が異常表示処理を行わせている。これにより不正ユーザは、メータにて異常表示処理を行う車両を、そのままでは流通させることが困難となるため、窃盗意欲を減退させるものと期待される。
特開2004―175317号公報
一般に、盗難された車両が正規ユーザの元に返還される返還率は、例えば20%程度と低いことが知られている。これは、車両が一旦移動させられると、正規ユーザへの返還率が著しく低下することを示している。そのため、不正ユーザによる運転を抑制して車両を移動させ難くすることが、車両の盗難を防止する防犯上での重要課題となる。そこで、かかる重要課題に対して特許文献1の開示技術を、検討してみると、インストルメントパネルのメータによる異常表示は、車両を運転する不正ユーザの視界から下方に外れ易くなるため、当該不正運転を抑制するという観点では不十分であるといえる。
ところで、車両において前景を透過する投影部材へ、ヘッドアップディスプレイ(以下ではHUD(Head-up Display)と表記)から投影した表示画像を虚像表示する車両用表示システムは、広く知られている。このような車両用表示システムにおいて表示画像の虚像表示は、投影部材を透過した前景と重畳することで、ユーザの視界に入り易くなる。故に、正規ユーザによる車両の運転時には通常、表示画像が当該正規運転の邪魔にならないことを、求められる。しかし、本発明者らは通常の発想を逆転させて、不正ユーザによる運転に対しては邪魔をする表示画像を虚像表示することで、当該不正運転を抑制する技術につき、鋭意検討を行ってきた。
本発明は、以上の鋭意検討結果に基づいて創作されたものであって、その目的は、不正ユーザによる車両の運転を抑制する車両用表示制御装置、及び当該車両用表示制御装置を含んで構成される車両用表示システムを、提供することにある。
以下、課題を達成するための発明の技術的手段について、説明する。尚、発明の技術的手段を開示する特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、発明の技術的範囲を限定するものではない。
まず、開示された第一発明は、
前景(8)を透過する投影部材(21)へ表示画像(56)を投影するヘッドアップディスプレイ(50)を搭載した車両(2)において、当該投影による表示画像の虚像表示を制御する車両用表示制御装置(54)であって、
車両が正規ユーザにより運転される正常状態と、車両が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態とのうち、車両の現在状態を判定する判定ブロック(S10)と、
判定ブロックにより車両が正常状態にあると判定された場合に、表示画像として正規ユーザへ提供する正常時画像(568)の虚像表示状態を制御することにより、正常時画像の表示輝度(L)を全体に亘って正常時上限輝度(Ln)以下に制限する正常時制御ブロック(S20)と、
判定ブロックにより車両が異常状態にあると判定された場合に、表示画像として正常時画像に代えて不正ユーザへ提供する異常時画像(560,5560,6560,7560)の虚像表示状態を制御することにより、異常時画像における少なくとも一部の表示輝度(L)を、正常時上限輝度を超える異常時輝度(La)まで高める異常時制御ブロック(S30)とを、備える。
また、開示された第二発明は、
車両(2)において前景(8)を透過する投影部材(21)へ表示画像(56)を投影するヘッドアップディスプレイ(50)と、
ヘッドアップディスプレイから投影部材への投影による表示画像の虚像表示を制御する車両用表示制御装置(54)とを、含んで構成される車両用表示システム(1)であって、
車両用表示制御装置は、
車両が正規ユーザにより運転される正常状態と、車両が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態とのうち、車両の現在状態を判定する判定ブロック(S10)と、
判定ブロックにより車両が正常状態にあると判定された場合に、表示画像として正規ユーザへ提供する正常時画像(568)の虚像表示状態を制御することにより、正常時画像の表示輝度(L)を全体に亘って正常時上限輝度(Ln)以下に制限する正常時制御ブロック(S20)と、
判定ブロックにより車両が異常状態にあると判定された場合に、表示画像として正常時画像に代えて不正ユーザへ提供する異常時画像(560,5560,6560,7560)の虚像表示状態を制御することにより、異常時画像における少なくとも一部の表示輝度(L)を、正常時上限輝度を超える異常時輝度(La)まで高める異常時制御ブロック(S30)とを、備える。
これら第一及び第二発明によると、車両が正規ユーザにより運転される正常状態では、正規ユーザへ提供する正常時画像の表示輝度が、全体に亘って正常時上限輝度以下に制限される。これによれば、前景と重畳して虚像表示されることで正規ユーザの視界に入り易くなる正常時画像が、高すぎる表示輝度によって車両の運転を邪魔するのを、抑制することができる。一方、車両が不正ユーザにより運転される異常状態では、不正ユーザへ提供する異常時画像において少なくとも一部の表示輝度が、正常時上限輝度を超える異常時輝度まで高められる。これによれば、前景と重畳して虚像表示されることで不正ユーザの視界に入り易くなる異常時画像は、可及的に高い表示輝度により不正ユーザに煩わしさを感じさせて、車両の運転を邪魔することができる。故に、不正ユーザによる車両の運転を抑制することが可能である。
第一実施形態による車両用表示システムを搭載した自車両の車室内を示す内観図である。 第一実施形態による車両用表示システムを示すブロック図である。 第一実施形態によるHUDの構成を示す模式図である。 第一実施形態による虚像表示状態として表示位置の変化を説明するための模式図である。 第一実施形態による虚像表示状態として表示範囲の変化を説明するための模式図である。 第一実施形態による正常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第一実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第一実施形態によるによる表示制御フローを示すフローチャートである。 図8の表示制御フローにおいて実行される正常時モードを示すフローチャートである。 図8の表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 第二実施形態による表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 第二実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第三実施形態による表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 第三実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第四実施形態による表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 第四実施形態によるHUDの詳細構成を示す模式図である。 図16のXVII−XVII線矢視図に相当する模式図である。 第四実施形態による点灯側光源と消灯側光源との切り換えを説明するための模式図である。 第四実施形態による点灯側光源と消灯側光源との切り換えを説明するための模式図である。 第五実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第五実施形態による表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 第六実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第六実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第六実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第六実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第六実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第六実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第六実施形態による表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 第七実施形態による異常時画像の虚像表示状態を示す正面図である。 第八実施形態による表示制御フローにおいて実行される異常時モードを示すフローチャートである。 図17の変形例を示すフローチャートである。 図17の変形例を示すフローチャートである。 図17の変形例を示すフローチャートである。 図17の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による車両用表示システム1は、図1,2に示すように車両2に搭載される。車両用表示システム1は、車両2の車室2a内における表示を制御することで、特に本実施形態では車両2の盗難防止機能を発揮可能となっている。
図2に示すように車両用表示システム1は、周辺監視系3、車両制御系4及び表示系5を含んで構成されている。これらの各系3,4,5は、例えばLAN(Local Area Network)等の車内ネットワーク6を介して互いに接続されている。
周辺監視系3は、外界センサ30及び周辺監視ECU(Electronic Control Unit)31を備えている。外界センサ30は、例えば他車両、人工構造物、人間及び動物等といった、車両2の外界に存在して衝突する可能性のある障害物、並びに外界に存在する交通関連物等を、検知する。外界センサ30は、例えばソナー、レーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)及びカメラ等のうち、一種類又は複数種類である。
周辺監視ECU31は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、外界センサ30及び車内ネットワーク6に接続されている。周辺監視ECU31は、例えば障害物情報、標識情報及び走行路情報等を、外界センサ30の出力信号に基づき取得する。
車両制御系4は、車両状態センサ40、乗員センサ41及び車両制御ECU42を備えている。車両状態センサ40は、車内ネットワーク6に接続されている。車両状態センサ40は、車両2の走行状態を検知する。車両状態センサ40は、例えば盗難モニタ40a、車速センサ、回転数センサ、舵角センサ、燃料センサ、水温センサ及び通信機のうち、本実施形態では盗難モニタ40aを少なくとも含んだ一種類又は複数種類である。
具体的に盗難モニタ40aは、車両2の盗難を検知することで、当該検知に応じた盗難信号を出力する。盗難モニタ40aは、例えば車室2a外でのドアの不正開放、車室2a内への不正侵入、車両2に搭載された電装品の不正交換、並びにそれら盗難行為に伴う車両2の衝撃、揺れ及び傾き等を、車両2の盗難された異常状態として検知する。例えば盗難モニタ40aは、そうした検知対象に応じたセンサ、カメラ及び監視ECU等のうち、一種類又は複数種類である。
車速センサは、車両2の車速を検知することで、当該検知に応じた車速信号を出力する。回転数センサは、車両2における内燃機関のエンジン回転数を検知することで、当該検知に応じた回転数信号を出力する。舵角センサは、車両2の舵角を検知することで、当該検知に応じた舵角信号を出力する。燃料センサは、車両2の燃料タンクにおける燃料残量を検知することで、当該検知に応じた燃料信号を出力する。水温センサは、車両2における内燃機関の冷却水温度を検知することで、当該検知に応じた水温信号を出力する。通信機は、例えば測位衛星、車車間通信用の他車両送信機、及び路車間通信用の路側機等からの出力電波を受信することで、交通信号を出力する。
乗員センサ41は、車内ネットワーク6に接続されている。乗員センサ41は、車両2の車室2a内に搭乗したユーザの状態又は操作を検知する。乗員センサ41は、例えば表示設定スイッチ41a、ユーザ状態モニタ41b、パワースイッチ、ターンスイッチ及び自動制御スイッチ等のうち、本実施形態では表示設定スイッチ41a及びパワースイッチを少なくとも含んだ複数種類である。
具体的に表示設定スイッチ41aは、車室2a内にて表示状態を設定するためにユーザにより操作されることで、当該操作に応じた表示設定信号を出力する。特に本実施形態の表示設定スイッチ41aは、後に詳述する表示画像56の虚像表示状態をユーザから入力される「入力器」として、機能する。ここで、表示設定スイッチ41aへの入力内容となる虚像表示状態は、例えば表示オンオフ、並びに図4,5,9,10に示す表示輝度L、表示範囲R、表示色C及び表示位置P等のうち、本実施形態では表示オンオフ及び表示輝度Lを少なくとも含んだ一種類又は複数種類である。
ユーザ状態モニタ41bは、図1に示す車室2a内での運転席20上のユーザ状態を画像センサにより撮影することで、当該ユーザ状態を検知して画像信号を出力する。特に本実施形態のユーザ状態モニタ41bは、ユーザの視線に関連する視線関連状態を検知する「状態検知器」として、機能する。ここで視線関連状態とは、例えば眼球の状態(具体的には瞳の状態)、眼球の位置(具体的には瞳の位置)、顔の向き、顔の位置及び体の向き等のうち、一種類又は複数種類である。
パワースイッチは、車両2の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるために車室2a内にてユーザにより操作されることで、当該操作に応じたパワー信号を出力する。ターンスイッチは、車両2の方向指示器を作動させるために車室2a内にてユーザにより操作されることで、当該操作に応じたターン信号を出力する。自動制御スイッチは、車両2の走行状態に対する自動制御を指令するために、車室2a内にてユーザにより操作されることで、当該操作に応じた自動制御信号を出力する。
図2に示す車両制御ECU42は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、車内ネットワーク6に接続されている。車両制御ECU42は、エンジン制御ECU、モータ制御ECU、ブレーキ制御ECU、ステアリング制御ECU及び統合制御ECU等のうち、一種類又は複数種類である。
エンジン制御ECUは、内燃機関のスロットルアクチュエータや燃料噴射弁の作動を、図1に示す車室2a内でのアクセルペダル26の操作に従って又は自動で制御することで、車両2の車速を加減速する。モータ制御ECUは、モータジェネレータの作動を、車室2a内でのアクセルペダル26の操作に従って又は自動で制御することで、車両2の車速を加減速する。ブレーキ制御ECUは、ブレーキアクチュエータの作動を、車室2a内でのブレーキペダル27の操作に従って又は自動で制御することで、車両2の車速を加減速する。ステアリング制御ECUは、電動パワーステアリングの作動を、車室2a内でのステアリングハンドル24の操作に従って又は自動で制御することで、車両2の舵角を調整する。統合制御ECUは、例えばセンサ40,41の出力信号、周辺監視ECU31の取得情報、及び車両制御ECU42のうち自身以外の他ECUの制御情報等に基づき、当該他ECUの作動を同期制御する。
図1,2に示すように表示系5は、情報を視覚提示するために車両2に搭載されている。表示系5は、HUD50、MFD(Multi Function Display)51、コンビネーションメータ52及びHCU(HMI(Human Machine Interface) Control Unit)54を備えている。
図1,3に示すようにHUD50は、車室2a内にてインストルメントパネル22に設置されている。HUD50は、例えば液晶式又は走査式等のプロジェクタ50aにより、所定情報を表す表示画像56を形成する。こうして形成した表示画像56をHUD50は、車両2における「投影部材」としてのフロントウインドシールド21に対し、図3に示すように、例えば凹面鏡等の光学系50bを通して投影する。ここでフロントウインドシールド21は、透光性ガラスにより形成されることで、車室2a外において車両2の前方に存在する前景8を、図1に示す如く透過させる。このときには、フロントウインドシールド21で反射した表示画像56の光束と、同シールド21を透過した前景8からの光束とが、運転席20上のユーザにより知覚される。その結果、フロントウインドシールド21よりも前方位置に結像される表示画像56の虚像は、前景8の一部に重畳して表示されることで、運転席20上のユーザにより視認可能となる。
表示画像56の虚像表示される表示領域には、図1,3に示すように、二種類の領域A1,A2が設定されている。まず、第一表示領域A1は、前景8中の特定対象物に関連付けて虚像表示の表示画像56を重畳させるために、設定されている。かかる関連付けを目的とした第一表示領域A1は、前景8において車両2から前方へ例えば15m程度離間した遠方位置にて表示画像56を結像させるように、HUD50によって調整される。これに対して第二表示領域A2は、前景8中の特定対象物への関連付けを外して表示画像56を虚像表示させるために、設定されている。かかる関連付け外しを目的とした第二表示領域A2は、前景8において車両2から前方へ例えば2m程度の近距離位置にて表示画像56を結像させるように、HUD50によって第一表示領域A1よりも下方に且つ小サイズに調整される。即ち第二表示領域A2には、第一表示領域A1の場合よりも車両2に近接した位置に結像される表示画像56が、虚像表示されることとなる。
尚、第一表示領域A1では、少なくとも一種類の表示画像56が前景8中の特定対象物と関連付けられる限りにて、そうした関連付けの外れた表示画像56が虚像表示されてもよい。また、第二表示領域A2では、少なくとも一種類の表示画像56が前景8中の特定対象物との関連付けを外される限りにて、そうした関連付けを実現した表示画像56が虚像表示されてもよい。
HUD50を構成するプロジェクタ50a及び光学系50bは、図3に示すようにそれぞれ、上述の各表示領域A1,A2毎に個別に設けられる。HUD50は、各表示領域A1,A2毎に光学系50bを駆動して、フロントウインドシールド21に対する表示画像56の投影位置を調整する位置調整機構50cを、有している。この位置調整機構50cがフロントウインドシールド21に対する表示画像56の投影位置を調整することで、各表示領域A1,A2にて表示画像56が虚像表示される表示範囲Rの縦横両方向での実質中心位置にある表示位置Pは、図4に矢印で示す如く移動する。
さらにHUD50は、各表示領域A1,A2毎にプロジェクタ50aを駆動して、光学系50bに対するプロジェクタ50aの相対距離を調整する距離調整機構50dを、図3の如く有していてもよいし、図示はしないが有していなくてもよい。ここで、HUD50が距離調整機構50dを有している構成の場合、光学系50bに対するプロジェクタ50aの相対距離を同機構50dが調整することで、各表示領域A1,A2にて表示画像56が虚像表示される表示範囲Rは、図5に破線及び実線で示す如く拡縮する。
このとき、車両2が正規ユーザにより運転される正常状態では、図5の破線の如く表示画像56(具体的には後述の正常時画像568)の表示範囲Rが、正規ユーザに対する所定の正常時上限範囲Rn内に縮小制限される。ここで正常時上限範囲Rnは、正規ユーザへ正確に且つ煩わしさを感じさせずに情報提供可能な表示範囲Rのうち、上限値に設定される。一方、車両2が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態では、図5の実線の如く表示画像56(具体的には後述の異常時画像560)の表示範囲Rが、正常時上限範囲Rnを超える異常時範囲Raにまで拡大される。ここで異常時範囲Raは、不正ユーザへ煩わしさを感じさせて警告可能な表示範囲Rに、設定される。
尚、HUD50が距離調整機構50dを有していない構成の場合には、車両2が正常状態及び異常状態のいずれにあっても、常に表示画像56の表示範囲Rが正常時上限範囲Rn内に設定される。以上より表示範囲Rは、HUD50の構成のうち光学系50bに対するプロジェクタ50aの相対距離に応じて、異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rnに設定される。
こうした構成によりHUD50が表示領域A1,A2のいずれかにて虚像表示させる表示画像56としては、図6,7に示すように複数種類の画像が用意されている。具体的に複数種類の表示画像56には、異常時画像560、路面画像562、天候画像563、温度画像564、ナビゲーション画像565、車速画像566及び回転数画像567が、少なくとも含まれている。ここで異常時画像560は、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態にて虚像表示される。一方、その他の画像562,563,564,565,566,567は、車両2が正規ユーザにより運転される正常状態での正常時画像568として、虚像表示される。
異常時画像560は、図7に示す第一表示領域A1のうち、HUD50の構成に応じた表示範囲R内、即ち同図の異常時範囲Ra又は図示はしないが正常時上限範囲Rn内に、虚像表示される。特に本実施形態の異常時画像560は、そうした表示範囲Rの全域を単一色で埋めるように、所謂ベタ塗り状に形成される。このとき異常時画像560の表示色Cは、本実施形態では図7に白抜き図形にて模式的に示す如く、プロジェクタ50aにより輝度が最大となる無彩色としての白色に設定される。
図6に示すように路面画像562は、第一表示領域A1にて車両2の前方走行路に関連付けて虚像表示される。路面画像562は、車両2の前方走行路に関する路面情報を、表す。天候画像563は、第一表示領域A1にて車両2の前方走行路に関連付けて虚像表示される。天候画像563は、車両2の走行環境に関する天候情報を、表す。温度画像564は、第一表示領域A1にて車両2の前方走行路に関連付けて虚像表示される。温度画像564は、車両2の走行環境に関する温度情報を、表す。ナビゲーション画像565は、第一表示領域A1にて車両2の前方走行路に関連付けて虚像表示される。ナビゲーション画像565は、車両2の予定走行経路を案内するためのナビゲーション情報を、表す。尚、ナビゲーション情報は、後に詳述するHCU54において、メモリ54bに記憶の地図情報と、車両状態センサ40の出力信号とに基づき取得可能である。
車速画像566は、第二表示領域A2にて特定対象物と関連付けされない一定箇所に、虚像表示される。車速画像566は、車両状態センサ40のうち車速センサからの出力信号に基づく車速情報を、表す。回転数画像567は、第二表示領域A2にて特定対象物との関連付けされない一定箇所に、車速画像566と並んで虚像表示される。回転数画像567は、車両状態センサ40のうち回転数センサからの出力信号に基づくエンジン回転数情報を、表す。
これら正常時画像568となる画像562,563,564,565,566,567は、HUD50の構成に拘わらず、表示範囲Rとしての正常時上限範囲Rn内に虚像表示される。それと共に画像562,563,564,565,566,567の表示色Cは、例えば車両2の設計仕様及び運転状態、並びに画像毎の表示目的等に応じて、車両2を正規に運転する正規ユーザへ情報提供するのに適した色に設定される。さらに画像562,563,564,565,566,567の表示輝度Lは、それぞれの全体に亘って、正規ユーザに対する所定の正常時上限輝度Ln以下に制限される。ここで正常時上限輝度Lnは、正規ユーザへ正確に且つ眩しさを感じさせずに情報提供可能な表示輝度Lのうち、上限値に設定される。
一方、上述した異常時画像560の表示輝度Lは、HUD50の構成に応じた表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)を埋める全体に亘って、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laまで図7に示す如く高められる。これにより本実施形態の異常時画像560は、高い異常時輝度Laの白色にて全面発光することとなる。ここで異常時輝度Laは、車両2を不正に運転する不正ユーザへ眩しさを感じさせて警告可能な表示輝度Lに、設定される。具体的に異常時輝度Laは、下記数1の空間グレア指標UGR(Unified Glare Rating)が28以上となる値、例えば前景8における一般的な日中照度5000cd/mに対して10000cd/m以上の値となるように、設定される。尚、数1において変数Lbは、異常時画像560の背景となる前景8の輝度(単位:cd/m)である。また、数1において変数ωは、プロジェクタ50aの立体角(単位:sr)である。さらに、数1において変数Pは、プロジェクタ50aによる異常時画像560の形成位置での位置指数(単位:m)である。
尚、以上において画像560,562,563,564,565,566,567の表示輝度Lは、例えばプロジェクタ50aでの各色(具体的にはRGB)の階調値、又はプロジェクタ50aでの光源の発光輝度等を設定することで、調整可能である。また、表示画像56としては、画像560,562,563,564,565,566,567に追加して、例えば車両2の車室2a内に提供される音楽情報や映像情報等に関連する画像等が、採用されてもよい。さらに、インストルメントパネル22に配置されてフロントウインドシールド21と共同して前景8を透過させる透光性コンバイナを用いることで、当該コンバイナに表示画像56を投影することによっても、虚像表示は実現可能である。
図1に示すようにMFD51は、車室2a内にてセンターコンソール23に設置される。MFD51は、一つ又は複数の液晶パネルにて所定情報を示すように形成した画像の実像を、運転席20上のユーザにより視認可能に表示する。こうしたMFD51による実像表示としては、ナビゲーション情報、音楽情報及び映像情報及等のうち、一種類又は複数種類の情報を示す画像の表示が採用される。
コンビネーションメータ52は、車室2a内にてインストルメントパネル22に設置される。コンビネーションメータ52は、車両2に関する車両情報を、運転席20上のユーザにより視認可能に表示する。コンビネーションメータ52は、液晶パネルに形成した画像により車両情報を表示するデジタルメータ、又は指針により目盛を指示して車両情報を表示するアナログメータである。こうしたコンビネーションメータ52による表示としては、例えば車速、エンジン回転数、燃料残量、冷却水温度、ターンスイッチ及び自動制御スイッチ等の情報のうち、一種類又は複数種類の情報を示す表示が採用される。
図2に示すようにHCU54は、プロセッサ54a及びメモリ54bを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、表示系5の表示要素50,51,52及び車内ネットワーク6に接続されている。HCU54は、表示要素50,51,52による表示状態を同期制御する。このときHCU54は、例えばECU31及びセンサ40,41の取得情報又は出力信号、ECU42の制御情報、メモリ54bの記憶情報及びHCU54自身の取得情報等に基づき、表示状態の制御を実行する。尚、HCU54のメモリ54b及び他の各種ECUのメモリは、例えば半導体メモリ、磁気媒体若しくは光学媒体等といった記憶媒体を、一つ又は複数使用してそれぞれ構成される。
ここで本実施形態のHCU54は、データとしてメモリ54bに記憶された表示画像56を読み出してHUD50に虚像表示させるように、「車両用表示制御装置」として機能する。具体的にHCU54は、プロセッサ54aにより表示制御プログラムを実行することで、図8に示す表示制御フローの各ステップを機能的に実現する。
本実施形態の表示制御フローは、距離調整機構50dの有無とユーザ状態モニタ41bの有無とが異なる各種車両2に対して、汎用性を与えるように構築されている。また、表示制御フローは、乗員センサ41としてのパワースイッチのオン操作に応じて開始され、同スイッチのオフ操作に応じて終了する。さらにまた、表示制御フロー中の「S」とは、各ステップを意味する。尚、表示制御フローに必要な表示画像56を記憶させる画像記憶ユニットとしては、表示要素50,51,52の内蔵ECUの各メモリのうちいずれかにより、又はそれら各メモリとHCU54のメモリ54bとのうち複数メモリの共同により、実現されてもよい。
表示制御フローのS10では、車両2が正規ユーザにより運転される正常状態と、車両2が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態とのうち、車両2の現在状態を判定する。このとき、車両2の現在状態が正常状態及び異常状態のいずれであるかは、盗難モニタ40aの出力信号に基づき判定される。
車両2は正常状態にあるとの判定がS10にて下された場合には、車室2a内のユーザは正規ユーザであるとして、S20へ移行する。S20では、正常時モードを実行する。この正常時モードでは、画像562,563,564,565,566,567のうち、正規ユーザへ現在提供する正常時画像568を選定して、選定した正常時画像568の虚像表示状態を制御する。ここで正常時モードの間は、表示設定スイッチ41aからの出力信号を受信することで、正規ユーザによる表示設定スイッチ41aへの入力を受け付ける状態が、継続される。
具体的に、図9に示す正常時モードでは、距離調整機構50dの有無に拘わらず、選定した正常時画像568の表示範囲Rを正常時上限範囲Rn内へと制限するように、S201にて設定する。
正常時モードにおいてS201を実行した後のS202では、ユーザ状態モニタ41bの有無を判定する。その結果、ユーザ状態モニタ41bは有りとの判定がS202にて下された場合には、S203へ移行する。S203では、ユーザ状態モニタ41bの出力信号に基づき、正規ユーザの視線関連状態を取得する。これに続くS204では、選定した正常時画像568の表示位置Pを、S203にて取得した正規ユーザの視線関連状態に合わせて設定する。一方、ユーザ状態モニタ41bは無しとの判定がS202にて下された場合には、S205へ移行して、選定した正常時画像568の表示位置Pを、表示設定スイッチ41aへの入力位置又は所定の規定位置に設定する。ここで規定位置は、体格の異なる複数ユーザが想定されることで、当該想定ユーザに共通して正常時画像568の視認が可能な表示位置Pに、予め規定される。
正常時モードにおいてS204,205のいずれの実行後にも、S206へ移行する。S206では、選定した正常時画像568の表示色Cを、正規ユーザへの提供に適した色に設定する。これに続くS207では、選定した正常時画像568の全体における表示輝度Lを、正常時上限輝度Ln以下へと制限する範囲で、表示設定スイッチ41aへの入力輝度又は所定の規定輝度に設定する。ここで規定輝度は、視覚系感度の異なる複数ユーザが想定されることで、当該想定ユーザに共通して正常時画像568の視認が可能な正常時上限輝度Ln以下の表示輝度Lに、予め規定される。さらに続くS208では、選定した正常時画像568の対応領域A1,A2における虚像表示状態を、S201,S204,S205,S206,S207のうち直前に経由したステップでの設定結果に従って、制御する。
正常時モードでは、こうしてS208を実行した後、図8に示すS10へと戻る。このような正常時モードのS20に対し、車両2は異常状態にあるとの判定がS10にて下された場合には、車室2a内のユーザは不正ユーザであるとして、S30へ移行する。S30では、異常時モードを実行する。この異常時モードでは、異常時画像560の虚像表示状態を制御する。ここで異常時モードの間は、表示設定スイッチ41aからの出力信号の受信を遮断することで、不正ユーザによる表示設定スイッチ41aへの入力を無視する状態が、継続される。
具体的に、図10に示す異常時モードでは、S30の実行開始前における表示設定スイッチ41aへの入力によりHUD50は、表示画像56の虚像表示がオフされた表示オフ状態となっているか否かを、S301にて判定する。その結果、HUD50は表示画像56の表示オフ状態となっているとの判定がS301にて下された場合には、S302へ移行する。
S302では、表示画像56の虚像表示をオンする表示オン状態へ、強制的にHUD50の状態を切り換えてから、S303へ移行する。また、HUD50は表示画像56の表示オフ状態となってないとの判定がS301にて下された場合には、S302を実行せずにS303へ移行する。
S303では、距離調整機構50dの有無を判定する。その結果、距離調整機構50dは有りとの判定がS303にて下された場合には、S304へ移行する。S304では、異常時画像560の表示範囲Rを、正常時上限範囲Rnよりも拡大した異常時範囲Raに設定する。一方、距離調整機構50dは無しとの判定がS303にて下された場合には、S305へ移行する。S305では、異常時画像560の表示範囲Rを、正常時上限範囲Rn内に維持するように設定する。
異常時モードでは、S304,S305のいずれの実行後にも、S306へ移行する。S306では、ユーザ状態モニタ41bの有無を判定する。その結果、ユーザ状態モニタ41bは有りとの判定がS306にて下された場合には、S307へ移行する。S307では、ユーザ状態モニタ41bの出力信号に基づき、不正ユーザの視線関連状態を取得する。これに続くS308では、異常時画像560の表示位置Pを、S307にて取得した不正ユーザの視線関連状態に合わせて設定する。一方、ユーザ状態モニタ41bは無しとの判定がS306にて下された場合には、S309へ移行して、異常時画像560の表示位置Pを所定の規定位置に設定する。ここで規定位置は、体格の異なる複数ユーザが想定されることで、当該想定ユーザに共通して異常時画像560の視認が可能な表示位置Pに、予め規定される。
異常時モードにおいてS308,S0309のいずれの実行後にも、S310へ移行する。S310では、異常時画像560の表示色Cを、白色に設定する。これに続くS311では、異常時画像560の全体における表示輝度Lを、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laへと強制的に設定する。さらに続くS312では、第一表示領域A1において異常時画像560の全体が継続的に表示される虚像表示状態を、S304,S305,S308,S309,S310,S311のうち直前に経由したステップでの設定結果に従って、制御する。これによりS312では、表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)の全域に亘って、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの白色に発光した異常時画像560を、虚像表示し続けることとなる。
異常時モードでは、こうしてS312を実行した後、図8に示すS10へと戻る。したがって、戻ったS10において盗難モニタ40aからの盗難信号の出力が解除されている場合には、S20の正常時モードに復帰することとなる。
ここまで説明の如く表示制御フローを実現するHCU54では、S10を実行する機能部分が「判定ブロック」に相当し、S20を実行する機能部分が「正常時制御ブロック」に相当し、S30を実行する機能部分が「異常時制御ブロック」に相当する。
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第一実施形態によると、車両2が正規ユーザにより運転される正常状態では、正規ユーザへ提供する正常時画像568の表示輝度Lが、全体に亘って正常時上限輝度Ln以下に制限される。これによれば、前景8と重畳して虚像表示されることで正規ユーザの視界に入り易くなる正常時画像568が、高すぎる表示輝度Lによって車両2の運転を邪魔するのを、抑制することができる。一方、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、不正ユーザへ提供する異常時画像560の全体に亘る表示輝度Lが、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laまで高められる。これによれば、前景8と重畳して虚像表示されることで不正ユーザの視界に入り易くなる異常時画像560は、可及的に高い表示輝度Lにより不正ユーザに煩わしさを感じさせて、車両2の運転を邪魔することができる。故に、不正ユーザによる車両2の運転を抑制することが可能である。
また第一実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、前景8中の特定対象物に表示画像56を関連付ける第一表示領域A1と、当該関連付けを外した第二表示領域A2とのうち、第一表示領域A1に異常時画像560が虚像表示される。これによれば、前景8中の特定対象物との関連付けによって不正ユーザの視界への入り込み易さが増大し得る異常時画像560は、正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
さらに第一実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、HUD50にて設定される表示範囲Rの全域が、異常時輝度Laの単一色で虚像表示される異常時画像560により埋められる。これによれば、表示範囲Rが全域を埋められることで不正ユーザの視界を塞ぎ易くなる異常時画像560は、当該全域での正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
またさらに第一実施形態によると、距離調整機構50dの有無に拘わらず、車両2が正規ユーザにより運転される正常状態では正常時画像568の表示範囲Rが、正規ユーザに対する正常時上限範囲Rn内に制限される。これによれば、広すぎる表示範囲Rによって正常時画像568が車両2の運転を邪魔するのを、抑制することができる。また、距離調整機構50dの有る場合、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では異常時画像560の表示範囲Rが、正常時上限範囲Rnを超える異常時範囲Raまで拡大する。これによれば、可及的に広い表示範囲Rによって不正ユーザに煩わしさを感じさせ得る異常時画像560は、正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
加えて第一実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、不正ユーザから表示設定スイッチ41aへの入力が無視される。これによれば、正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laの異常時画像560を視認することで眩しさを感じた不正ユーザは、異常時画像560の虚像表示状態を表示設定スイッチ41aへの入力によって変更しようとしても、当該変更を拒絶されることとなる。こうした拒絶は、不正ユーザの窃盗意欲を減退させることができるので、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能となる。
さらに加えて第一実施形態によると、ユーザ状態モニタ41bの有る場合、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、ユーザ状態モニタ41bにより検知された不正ユーザの視線関連状態に合わせて、異常時画像560の表示位置Pが設定される。これによれば、視線関連状態に応じた表示位置Pの設定によって不正ユーザの視界へに確実に入り得る異常時画像560は、正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第二実施形態)
図11に示すように本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第二実施形態の表示制御フローにおいて第一実施形態のS310に代わるS2310では、異常時画像560の表示色Cを、図12にドットハッチングを付して模式的に示す如き警告色Ccに設定する。このとき警告色Ccは、視覚上の刺激により不正ユーザへ警告を与える有彩色として、例えば赤色等に設定される。こうしたS2310の実行後における表示制御フローのS312では、表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)の全域に亘って、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの警告色Ccに発光した異常時画像560を、虚像表示し続けることとなる。
このような第二実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、異常時輝度Laに設定される異常時画像560全体の表示色Cが、不正ユーザへ警告を与える警告色Ccに設定される。これによれば、警告色Ccの設定によって不正ユーザへの警告性を高め得る異常時画像560は、当該警告色部分での正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第三実施形態)
図13に示すように本発明の第三実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第三実施形態の表示制御フローにおいて第一実施形態のS312に代わるS3312では、図14に矢印で示す如く異常時画像560の全体が時間の経過に従って点滅する虚像表示状態を、直前経由ステップでの設定結果に従って制御する。このときの点滅は、例えばプロジェクタ50aでの階調値設定により異常時画像560の形成と消去とを繰り返す処理、又はプロジェクタ50aでの光源の点灯と消灯とにより異常時画像560の発光と非発光とを繰り返す処理等から、実現可能である。また、点滅の周期は、一定であってもよいし、ランダムであってもよい。こうしたS3312の実行により異常時画像560は、表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)の全域に亘って正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの白色に発光した表示状態と、表示輝度Lが実質零となる非表示状態とを、繰り返すこととなる。
このような第三実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、異常時輝度Laに設定される異常時画像560の全体が、点滅する。これによれば、点滅によって不正ユーザに煩わしさを感じさせ得る異常時画像560は、当該点滅部分での正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第四実施形態)
図15に示すように本発明の第四実施形態は、第三実施形態の変形例である。
第四実施形態の表示制御フローにおいて第三実施形態のS3312に代わるS4312では、異常時画像560における点滅部分が時間の経過に従って変化する虚像表示状態を、直前経由ステップでの設定結果に従って制御する。このときの時間変化は、図16,17に示す如くプロジェクタ5050aが複数有した光源5050e毎の点灯と消灯とによって、実現可能である。
具体的に複数の光源5050eは、異常時画像560を形成する液晶表示器5050fの画面に沿って、アレイ状に配列されている。ここで図16,17は、平面視にて矩形を呈する光源5050eが一列に二つ配列された構造を、示している。各光源5050eは、HCU54に対して並列に接続されることで、それぞれの点消灯を個別に制御可能となっている。各光源5050eは、液晶表示器5050fの形成する異常時画像560において対応する画素部分を、ずらされている。これにより各光源5050eは、異常時画像560における対応画素部分を、それぞれの点灯時に照明して発光させる。一方で各光源5050eは、異常時画像560における対応画素部分を、それぞれの消灯時に非発光とする。
こうしたプロジェクタ5050aの構成下にて図15のS4312では、点灯させる点灯側光源5050eと、消灯させる消灯側光源5050eとを、時間の経過に従って図18,19に示す如く切り換える。これによりS4132では、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの白色に発光した表示部分と、表示輝度Lが実質零となる非表示部分とを、表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)内にて切り換え続けることとなる。
ここで図18は、点灯側光源5050eと消灯側光源5050eとの組み合わせを一定のパターンで、且つ一定又はランダムな周期で矢印の如く切り換える例を、表している。これに対して図19は、点灯側光源5050eと消灯側光源5050eとの組み合わせをランダムなパターンで、且つ一定又はランダムな周期で矢印の如く切り換える例を、表している。尚、図18,19では、点灯側光源5050eを白抜き図形で示し、消灯側光源5050eを黒塗り図形で示している。
このような第四実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、照明により異常時画像560を発光させる複数光源5050eのうち点灯させる光源5050eと消灯させる光源5050eとが、時間の経過に従って切り換えられる。これによれば、点滅する異常時画像560において発光する部分を、光源5050eの切り換えに応じて変化させることができる。こうした発光部分の変化によって不正ユーザの感じる煩わしさを増大させ得る異常時画像560は、当該発光部分での正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第五実施形態)
図20に示すように本発明の第五実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第五実施形態による異常時画像5560は、第一表示領域A1にて表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)の縦横両方向での中央にある内側部分5560aから、外側へ向かうほど表示色Cが変化する所謂グラデーション状に、形成される。このとき、プロジェクタ50aにより異常時画像5560の表示色Cは、輝度が最大となる白色から、輝度が最小となる黒色まで、それら白色及び黒色間の複数段のグレー色を経てグラデーション変化する無彩色に設定される。ここで、異常時画像5560のうち黒色となる部分は、プロジェクタ50aからは投影されないことで、虚像表示状態では前景8の透過する部分となる。
こうした表示色Cを与えられる異常時画像5560の表示輝度Lは、表示範囲Rにおいて内側部分5560aから外側へ向かうほど、異常時輝度Laから減少するように設定される。ここで、異常時画像5560において正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの部分は、白色の内側部分5560aのみから、又は当該内側部分5560a及び少なくとも一部のグレー部分から、例えば表示範囲Rの10%以上を占めるように構成されることが好ましい。
ここまで説明の構成に応じて第五実施形態の表示制御フローでは、図21に示す如く第一実施形態のS310に代わるS5310にて、白色の内側部分5560aから黒色の外側へと向かうグラデーション状に、異常時画像5560の表示色Cを設定する。また、第一実施形態のS311に代わるS5311では、内側部分5560aから外側へ向かうほど、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laから減少する表示輝度Lを、異常時画像5560に設定する。以上よりS312では、表示範囲Rの外側へ向かって異常時輝度Laから漸次輝度減少するグラデーション状の異常時画像5560を、虚像表示し続けることとなる。
このような第五実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、HUD50において設定される表示範囲Rの外側へ向かうほど、異常時画像5560の表示輝度Lが異常時輝度Laから減少させられる。これによれば、異常時画像5560において正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laに設定される部分を、表示範囲Rの内側に集中させることができる。こうした表示範囲R内側への高輝度部分の集中によって不正ユーザの感じる眩しさを増大させ得る異常時画像5560は、車両2の運転を邪魔し易い。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第六実施形態)
図22〜27に示すように本発明の第六実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第六実施形態による異常時画像6560は、第一表示領域A1のうち表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)の全域にて、周期的もしくはランダムな幾何学模様、又はランダムなマーブル模様を与えられる。このとき異常時画像6560の表示色Cは、以下に説明の如く与えられる模様に応じて、プロジェクタ50aにより設定される。ここで、異常時画像6560のうち黒色となる部分は、プロジェクタ50aからは投影されないことで、虚像表示状態では前景8の透過する部分となる。
図22に示す画像6560aは、幾何学模様としての市松模様を与えられ、度が最大となる白色の矩形部分6560a1と、輝度が最小となる黒色の矩形部分6560a2とを、縦横両方向にて周期的に交互に並べて有している。図23に示す画像6560bは、幾何学模様としてモザイク処理模様を与えられ、輝度が最大となる白色の矩形部分6560b1と、輝度が最小となる黒色の矩形部分6560b2と、それら黒色及び白色間のグレー色の矩形部分6560b3とを、縦横両方向にてランダムに並べて有している。
図24に示す画像6560cは、幾何学模様としての縞模様のうち縦縞模様を与えられ、輝度が最大となる白色の線形部分6560c1と、輝度が最小となる黒色の線形部分6560c2と、それら黒色及び白色間のグレー色の線形部分6560c3とを、横方向にて周期的に又はランダムに並べて有している。図25に示す画像6560dは、幾何学模様としての縞模様のうち横縞模様を与えられ、輝度が最大となる白色の連続ドット部分6560d1と、輝度が最小となる黒色の連続ドット部分6560d2とを、縦方向に周期的に交互に並べて有している。
図26に示す画像6560eは、幾何学模様としての波模様を与えられ、輝度が最大となる白色の波形部分6560e1と、輝度が最小となる黒色の波形部分6560e2とを、それぞれ規則的に波打たせて且つ縦方向にて周期的に並べて有している。但し、画像6560eについて図示はしないが、波形部分がランダムに波打っていてもよいし、波形部分の並び方向が横方向であってもよいし、波形部分の並びがランダムであってもよい。図27に示す画像6560fは、マーブル模様を与えられ、輝度が最大となる白色部分6560f1と、輝度が最小となる黒色部分6560f2とを、混在させて有している。
こうした模様及び表示色Cの画像6560a,6560b,6560c,6560d,6560e,6560fのうちいずれかが、第六実施形態では虚像表示させる異常時画像6560として選定される。ここで図22〜27に示すように、いずれの選定の場合にも異常時画像6560の表示輝度Lは、少なくとも最大輝度部分となる白色部分において正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laに、設定される。また、いずれの選定の場合にも異常時画像6560の表示輝度Lは、少なくとも最小輝度部分となる黒色部分において正常時上限輝度Ln以下に、制限される。さらに、画像6560b,6560cが異常時画像6560として選定される場合にグレー部分の表示輝度Lは、全て異常時輝度Laに設定されてもよいし、全て正常時上限輝度Ln以下に制限されてもよいし、異常時輝度Laの部分と正常時上限輝度Ln以下の部分とに分けられてもよい。以上より、異常時画像6560において正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの部分は、例えば表示範囲Rの50%以上を占めるように構成されることが好ましい。
ここまで説明の構成に応じて第六実施形態の表示制御フローでは、図28に示す如く第一実施形態のS310に代わるS6310にて、異常時画像6560の表示色Cを、与える模様に応じて同画像6560に設定する。また、第一実施形態のS311に代わるS6311では、少なくとも最大輝度部分が正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laとなる表示輝度Lを、与える模様に応じて異常時画像6560に設定する。以上よりS312では、表示範囲Rの全域に広がる幾何学模様又はマーブル模様の一部に異常時輝度Laを与えて発光した異常時画像6560を、虚像表示し続けることとなる。このとき、異常時画像6560の模様は、時間の経過に拘わらず固定されてもよいし、時間の経過に従って周期的に又はランダムに変化してもよい。
このような第六実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、幾何学模様又はマーブル模様の異常時画像6560において少なくとも最大輝度部分の表示輝度Lが、異常時輝度Laに設定される。これによれば、幾何学模様又はマーブル模様の少なくとも最大輝度部分が正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laとなった異常時画像6560は、不正ユーザに煩わしさを感じさせ得るので、車両2の運転を邪魔し易い。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第七実施形態)
図29に示すように本発明の第七実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第七実施形態による異常時画像7560は、第一表示領域A1にて表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)内に可及的に大きく表示される警告文字部分7560aを含んで、構成されている。かかる警告文字部分7560aは、不正ユーザへ直感的に警告を与えることの可能な文章を、表している。このとき、プロジェクタ50aにより異常時画像7560の表示色Cは、警告文字部分7560aでは輝度が最大となる白色に、また当該部分7560a以外では第二実施形態に準じた警告色Ccに、それぞれ設定される。
こうした表示色Cを与えられる異常時画像7560の全体として、警告文字部分7560aの表示輝度Lは、正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laに設定される。これにより、第七実施形態の表示制御フローにおけるS312では、表示範囲R内に広がる異常時輝度Laの警告文字部分7560aが白色にて発光する異常時画像7560を、虚像表示し続けることとなる。
このような第七実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、異常時画像7560において不正ユーザへ警告を与える警告文字部分7560aの表示輝度Lが、異常時輝度Laに設定される。これによれば、警告文字部分7560aの虚像表示によって不正ユーザへの警告性を高め得る異常時画像7560は、当該警告文字部分7560aでの正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(第八実施形態)
図30に示すように本発明の第八実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第八実施形態の表示制御フローにおいて、第一実施形態のS309に代わるS8309では、表示範囲R(即ち異常時範囲Ra又は正常時上限範囲Rn)の中心位置を決める異常時画像560の表示位置Pを、時間の経過に従って変化させるように可変設定する。このとき表示位置Pの時間変化は、位置調整機構50cを連続的に又は断続的に駆動することで、実現可能である。また、第一表示領域A1における表示位置Pの可変限界は、体格の異なる複数ユーザが想定されることで、当該想定ユーザの各々によって異常時画像560の視認が可能となるアイボックスをカバーするように、予め規定される。
こうしたS8309の実行後における表示制御フローのS312では、表示範囲Rの全域に亘って正常時上限輝度Lnを超える異常時輝度Laの白色に発光した異常時画像560の表示位置Pが、時間変化し続けることとなる。
このような第八実施形態によると、車両2が不正ユーザにより運転される異常状態では、時間の経過に従って異常時画像560の表示位置Pが変化する。これによれば、不正ユーザの姿勢変化により一旦は視認困難となった異常時画像560であっても、表示位置Pの時間変化によって不正ユーザの視界へと入り得ることから、正常時上限輝度Lnを超える高い異常時輝度Laと相俟って、車両2の運転を邪魔し易くなる。故に、不正ユーザによる車両2の運転抑制効果を高めることが可能である。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、第一〜第八実施形態に関する変形例1としては、第二表示領域A2を設定しなくてもよい。第一〜第八実施形態に関する変形例2としては、第一表示領域A1に加えて第二表示領域A2にも、異常時画像560,5560,6560,7560を虚像表示させてもよい。
第一〜第八実施形態に関する変形例3としては、第一表示領域A1に代えて第二表示領域A2に、異常時画像560,5560,6560,7560を虚像表示させてもよい。ここで変形例3の場合には、さらに第一表示領域A1を設定しないで、第二表示領域A2のみ設定してもよい。
第三〜第八実施形態に関する変形例4としては、異常時画像560,5560,6560,7560において少なくとも異常時輝度Laに設定される部分の表示色Cを、第二実施形態に準じた警告色Ccに設定してもよい。第三〜第八実施形態に関する変形例5としては、異常時画像560,5560,6560,7560において少なくとも異常時輝度Laに設定される部分の表示色Cを、白色及び警告色Cc以外の色に設定してもよい。
第五〜第八実施形態に関する変形例6としては、異常時画像560,5560,6560,7560において少なくとも異常時輝度Laが設定される部分を、第三又は第四実施形態に準じて点滅させてもよい。第五実施形態に関する変形例7としては、表示範囲Rの内側へ向かうほど、異常時画像5560の表示輝度を異常時輝度Laから減少させてもよい。
第一〜第八実施形態に関する変形例8としては、プロジェクタ50aにより異常時画像560,5560,6560,7560の形成サイズを拡縮することで、表示範囲Rの拡縮を実現してもよい。ここで変形例8の場合には、表示制御フローにてS303,S305を実行しないで、S302からS304へと移行させてもよい。第一〜第八実施形態に関する変形例9としては、HUD50が距離調整機構50dの無い構成のみとなる場合に、表示制御フローにてS303,S304を実行しないで、S302からS305へと移行させてもよい。
第一〜第八実施形態に関する変形例10としては、HUD50がユーザ状態モニタ41bの無い構成のみとなる場合に、表示制御フローにてS202,S203,S204,S306,S307,S308を実行しないで、S201からS205へと移行且つS304,S305からS309へと移行させてもよい。第一〜第七実施形態に関する変形例11としては、HUD50が位置調整機構50cの無い構成となる場合に、表示制御フローにてS202,S203,S204,S205,S306,S307,S308,S309を実行しないで、S201からS206へと移行且つS304,S305からS310へと移行させてもよい。ここで変形例11の場合には、異常時画像560,5560,6560,7560を含む表示画像56の表示位置Pが、第一実施形態にて説明した規定位置に常に固定される。
第一〜第八実施形態に関する変形例12としては、表示設定スイッチ41aへの入力内容に表示オンオフが含まれないことで、表示画像56が常に虚像表示される場合等に、表示制御フローにてS301,S302を実行しなくてもよい。第一〜第八実施形態に関する変形例13としては、HUD50が表示設定スイッチ41aの無い構成となることで、表示画像56が常に虚像表示される場合等に、S20での入力受け付け及びS30での入力無視、並びにS301,S302を表示制御フローにて実行しなくてもよい。
第一〜第八実施形態に関する変形例14の正常時画像568としては、画像562,563,564,565,566,567のうち少なくとも一つに代えて、それら画像とは異なる情報を表した一種類又は複数種類の表示画像56を、採用してもよい。ここで変形例14の場合には、第一表示領域A1,A2のうち、正常時画像568として採用した表示画像56の種類に応じて選定される領域に、当該表示画像56の表示位置Pが設定される。
第五実施形態に関する変形例15としては、図31〜34に示すようにプロジェクタ5050aの構造を、平面視にて矩形を呈する光源5050eが一列に二つ配列された構造以外に、構築してもよい。ここで図31は、平面視にて矩形を呈する光源5050eが一列に四つ以上配列された構造を、示している。また図32は、平面視にて矩形を呈する光源5050eが二列以上に且つ各列では四つ以上配列された構造を、示している。さらに図33は、平面視にて三角形を呈する光源5050eが二列以上に且つ各列では複数配列された構造を、示している。またさらに図34は、平面視にて六角形を呈する光源5050eが三列以上に且つ各列では複数配列された構造を、示している。
第一〜第八実施形態に関する変形例16としては、表示制御フローの少なくとも一部のステップを、HCU54により機能的に実現する代わりに、一つ又は複数のIC等によりハードウェア的に実現してもよい。第一〜第八実施形態に関する変形例17としては、HCU54に加えて又は代えて、周辺監視ECU31及び表示要素50,51,52の表示制御ECUのうち一種類又は複数種類を、「車両用表示制御装置」として機能させてもよい。
1 車両用表示システム、2 車両、8 前景、21 フロントウインドシールド、40 車両状態センサ、40a 盗難モニタ、41 乗員センサ、41a 表示設定スイッチ、41b ユーザ状態モニタ、50 HUD、50a,5050a プロジェクタ、50b 光学系、50c 位置調整機構、50d 距離調整機構、54 HCU、56 表示画像、560,5560,6560,7560 異常時画像、568 正常時画像、5050e 光源、A1 第一表示領域、A2 第二表示領域、C 表示色、Cc 警告色、L 表示輝度、La 異常時輝度、Ln 正常時上限輝度、P 表示位置、R 表示範囲、Ra 異常時範囲、Rn 正常時上限範囲

Claims (14)

  1. 前景(8)を透過する投影部材(21)へ表示画像(56)を投影するヘッドアップディスプレイ(50)を搭載した車両(2)において、当該投影による前記表示画像の虚像表示を制御する車両用表示制御装置(54)であって、
    前記車両が正規ユーザにより運転される正常状態と、前記車両が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態とのうち、前記車両の現在状態を判定する判定ブロック(S10)と、
    前記判定ブロックにより前記車両が前記正常状態にあると判定された場合に、前記表示画像として前記正規ユーザへ提供する正常時画像(568)の虚像表示状態を制御することにより、前記正常時画像の表示輝度(L)を全体に亘って正常時上限輝度(Ln)以下に制限する正常時制御ブロック(S20)と、
    前記判定ブロックにより前記車両が前記異常状態にあると判定された場合に、前記表示画像として前記正常時画像に代えて前記不正ユーザへ提供する異常時画像(560,5560,6560,7560)の虚像表示状態を制御することにより、前記異常時画像における少なくとも一部の表示輝度(L)を、前記正常時上限輝度を超える異常時輝度(La)まで高める異常時制御ブロック(S30)とを、備える車両用表示制御装置。
  2. 前記前景中の特定対象物に前記表示画像を関連付けて虚像表示する第一表示領域(A1)と、当該関連付けを外して前記表示画像を虚像表示する第二表示領域(A2)とが、前記ヘッドアップディスプレイにより設定される前記車両において、
    前記異常時制御ブロックは、前記異常時画像(560,5560,6560,7560)を前記第一表示領域に虚像表示させる請求項1に記載の車両用表示制御装置。
  3. 前記異常時制御ブロックは、前記異常時画像(560)において少なくとも前記異常時輝度に設定される部分の表示色(C)を、前記不正ユーザへ警告を与える警告色(Cc)に設定する請求項1又は2に記載の車両用表示制御装置。
  4. 前記異常時制御ブロックは、前記異常時画像(560)において少なくとも前記異常時輝度に設定される部分を、点滅させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  5. 前記ヘッドアップディスプレイが有する複数の光源(5050e)により照明されて発光した前記表示画像が虚像表示される前記車両において、
    前記異常時制御ブロックは、点灯させる前記光源と、消灯させる前記光源とを、時間の経過に従って切り換える請求項4に記載の車両用表示制御装置。
  6. 前記異常時制御ブロックは、前記ヘッドアップディスプレイにおいて設定される表示範囲(R)の全域を前記異常時輝度の単一色にて埋める前記異常時画像(560)を、虚像表示させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  7. 前記異常時制御ブロックは、前記ヘッドアップディスプレイにおいて設定される表示範囲(R)の外側へ向かうほど、前記異常時画像(5560)の表示輝度(L)を前記異常時輝度から減少させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  8. 前記異常時制御ブロックは、幾何学模様又はマーブル模様の前記異常時画像(6560)において少なくとも最大輝度部分の表示輝度(L)を、前記異常時輝度に設定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  9. 前記異常時制御ブロックは、前記不正ユーザへ警告を与える警告文字部分(7560a)の表示輝度(L)が前記異常時輝度に設定される前記異常時画像(7560)を、虚像表示させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  10. 前記正常時制御ブロックは、前記正常時画像の表示範囲(R)を前記正規ユーザに対する正常時上限範囲(Rn)内に制限し、
    前記異常時制御ブロックは、前記異常時画像(560,5560,6560,7560)の表示範囲(R)を、前記正常時上限範囲を超える異常時範囲(Ra)まで拡大させる請求項1〜9のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  11. ユーザから前記表示画像の虚像表示状態が入力される入力器(41a)を搭載した前記車両において、
    前記判定ブロックにより前記車両が前記異常状態にあると判定された場合に前記異常時制御ブロックは、前記入力器への入力を無視する請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  12. ユーザの視線に関連する視線関連状態を検知する状態検知器(41b)を搭載した前記車両において、
    前記異常時制御ブロックは、前記状態検知器により検知された前記不正ユーザの前記視線関連状態に合わせて、前記異常時画像(560,5560,6560,7560)の表示位置(P)を設定する請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  13. 前記異常時制御ブロックは、前記異常時画像(560)の表示位置(P)を時間の経過に従って変化させる請求項1〜12のいずれか一項に記載の車両用表示制御装置。
  14. 車両(2)において前景(8)を透過する投影部材(21)へ表示画像(56)を投影するヘッドアップディスプレイ(50)と、
    前記ヘッドアップディスプレイから前記投影部材への投影による前記表示画像の虚像表示を制御する車両用表示制御装置(54)とを、含んで構成される車両用表示システム(1)であって、
    前記車両用表示制御装置は、
    前記車両が正規ユーザにより運転される正常状態と、前記車両が盗難されて不正ユーザにより運転される異常状態とのうち、前記車両の現在状態を判定する判定ブロック(S10)と、
    前記判定ブロックにより前記車両が前記正常状態にあると判定された場合に、前記表示画像として前記正規ユーザへ提供する正常時画像(568)の虚像表示状態を制御することにより、前記正常時画像の表示輝度(L)を全体に亘って正常時上限輝度(Ln)以下に制限する正常時制御ブロック(S20)と、
    前記判定ブロックにより前記車両が前記異常状態にあると判定された場合に、前記表示画像として前記正常時画像に代えて前記不正ユーザへ提供する異常時画像(560,5560,6560,7560)の虚像表示状態を制御することにより、前記異常時画像における少なくとも一部の表示輝度(L)を、前記正常時上限輝度を超える異常時輝度(La)まで高める異常時制御ブロック(S30)とを、備える車両用表示システム。
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