JP6589253B2 - 粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着シートに関する。
従来から、導電性の電子部品貼付用アースラベルが、コンピューター及び通信機器等の電子機器、収納容器等の電磁遮蔽材、電気部品等の接地線、並びに静電気から生ずる火花による発火防止材等の用途に使用されている。
この電子部品貼付用アースラベルの具体的な構成としては、粘着性組成物からなる粘着剤層に、帯電防止性及び導電性を付与するため、銅粉、銀粉、ニッケル粉、アルミニウム粉等の金属粉等の導電性物質を分散させた構成が採用されている。
このような電子部品貼付用アースラベルは、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、導電性支持体層上に、カーボンナノチューブ及びカーボンマイクロコイルから選ばれる一種以上の導電性物質を分散させた導電性粘着剤からなる導電性粘着剤層を設けた導電性複合材が開示されている。
また、特許文献2には、樹脂フィルムの一面に網目状の金属蒸着膜を設け、この金属蒸着膜上に、金属粒子を分散させた導電性粘着剤からなる導電性粘着剤層を有する導電性粘着テープが開示されている。
特開2001−172582号公報 特開平11−323275号公報
しかしながら、特許文献1に記載の導電性複合材は、粘着剤層中に多量の導電性物質を配合すると、粘着剤層の粘着力が低下する傾向にある。一方で、粘着力を高めるために粘着剤層中の導電性物質粒子の含有量を少なくすると、導電性が低下する傾向にある。したがって、粘着剤層の高粘着力と高導電性は、二律背反の関係にある。
また、特許文献2に記載の導電性粘着テープは、十分な導電性を得るために、粘着性組成物中に配合した金属粒子と金属蒸着層とを十分に接触させる必要がある。しかしながら、この導電性粘着テープは、金属蒸着層が網目状に形成されているため、金属粒子と金属蒸着層との接触確率が低くなる。このため、十分な導電性を得るためには、多量の金属粒子を粘着性組成物中に配合する必要があり、粘着性と導電性との両立が難しい。さらに、金属蒸着層の表面が酸化され酸化膜が形成される場合がある。酸化膜が形成されると、粘着力や導電性が低下すると共に、導電性粘着テープの色調が変化するという外観上の問題がある。
本発明は、優れた粘着力を有すると共に、表面抵抗率が低く導電性に優れ、さらに耐変色性も良好である、粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、粘着剤層上に、カーボンナノチューブを含む材料から形成され、且つ複数の間隙を有する導電層を設けた粘着シートが、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔9〕に関する。
〔1〕基材と、粘着性組成物から形成された粘着剤層と、がこの順で積層され、
更に前記粘着剤層上に、カーボンナノチューブを含む材料から形成され、且つ複数の間隙を有する導電層が積層した構成を有し、
前記導電層側の表面を被着体に貼付して測定した粘着力が4.5N/25mm以上である、粘着シート。
〔2〕前記導電層が有する複数の間隙に、前記粘着剤層が形成された構成を有する、上記〔1〕に記載の粘着シート。
〔3〕前記導電層の表面内において、カーボンナノチューブが一方向に優先的に整列した構造を有する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の粘着シート。
〔4〕前記導電層が、複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物によって形成された層である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の粘着シート。
〔5〕前記繊維状物の太さの平均が1〜300μmである、上記〔4〕に記載の粘着シート。
〔6〕前記導電層の全光線透過率が70〜100%である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の粘着シート。
〔7〕前記粘着性組成物の酸価が6.0mgKOH/g以上である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の粘着シート。
〔8〕前記基材の前記粘着剤層側の面とは反対側に、印刷又は印字が可能な表面を有する、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の粘着シート。
〔9〕電子部品貼付用アースラベルとして用いる、上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の粘着シート。
本発明の粘着シートは、優れた粘着力を有すると共に、表面抵抗率が低く導電性に優れ、さらに耐変色性も良好である。
本発明の粘着シートの構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の粘着シートの使用態様の一例を示す断面模式図である。
本明細書において、「質量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリスチレン換算の値であり、具体的には実施例に記載の方法に基づいて測定した値である。
また、例えば「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
〔粘着シート〕
本発明の粘着シートは、基材と、粘着性組成物から形成された粘着剤層と、がこの順で積層され、更に前記粘着剤層上に、カーボンナノチューブを含む材料から形成され、且つ複数の間隙を有する導電層が積層した構成を有する。
図1は、本発明の粘着シートの構成の一例を示す断面模式図である。
図1(a)に示された粘着シート1は、基材11、粘着剤層12、及び導電層13の順で積層した構成を有する。図1(a)に示すように、導電層13は、複数の間隙13aを有する層である。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、図1(a)に示す粘着シート1のように、間隙13aには何も充填されていない状態であってもよいが、図1(b)に示す粘着シート2のように、導電層13が有する複数の間隙13aには、粘着剤層12の一部が充填され、粘着剤層12aが形成された構成を有することが好ましい。
図1(b)に示す粘着シート2のような構成であれば、被着体と粘着剤層との接着面積が大きく、より高い粘着力を発現することができる。また、導電層13が粘着剤層12に埋め込まれた構成であるため、導電層13を設けたことによる粘着シートの厚さの増加が少ない。
なお、図1(a)に示すような粘着シート1であっても、図2に示すように、被着体との接着時において、基材11側からの貼着するための圧力によって、粘着剤層12の一部が、導電層の複数の間隙13aに侵入し、更に被着体と接触することで、当該被着体と接着させることができる。
そのため、図1(a)に示す粘着シート1のような構成であっても、被着体との貼付時には、高い粘着力を発現させることができる。
なお、本発明の粘着シートの構成としては、基材、粘着剤層、及び導電層の順に積層した構成を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、導電層13上にさらに剥離シートが積層した構成であってもよい。
当該剥離シートは、導電層13、及び導電層13が有する複数の間隙13aに形成された粘着剤層12aと剥離可能となるように貼付され、導電層13及び間隙13aに形成された粘着剤層12aを保護する機能を有する。
また、図1(a)に示す粘着シート1及び図1(b)に示す粘着シート2では、基材11上に粘着剤層12を直接積層するようにしているが、本発明の一態様の粘着シートとしては、基材11と粘着剤層12との密着性を向上させる観点から、基材11と粘着剤層12との間にプライマー層を設けた構成としてもよい。
以下、本発明の粘着シートの各構成について説明する。
<基材>
本発明の粘着シートが有する基材としては、本発明の効果を奏する範囲で、用途に応じて、各種材料から構成された基材を適宜選択することができる。
具体的な基材としては、例えば、金属等の導電性材料から構成された導電性基材を用いてもよく、絶縁性材料から構成された絶縁性基材を用いてもよい。
なお、本発明の一態様で用いる基材は、さらに紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等が含有されていてもよい。
また、本発明の一態様で用いる基材は、単層の基材であってもよく、異なる2層以上を積層した複層の基材であってもよい。
本発明の粘着シートは、粘着剤層上に、導電性を有するカーボンナノチューブを含む材料から形成された導電層13を積層した構成を有するため、基材として、絶縁性基材を用いても、被着体との貼付面に対しては、優れた帯電防止性及び導電性を発現させることができる。
絶縁性基材としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、グラシン紙、含浸紙、無塵紙等の紙基材;これら紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙基材;不織布等の多孔質基材;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等から構成される合成紙;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、及び塩化ビニル樹脂等から選ばれる1種以上の樹脂を含むプラスチックフィルム又はシート;等が挙げられる。
なお、プラスチックフィルム又はシートは、未延伸でもよいし、縦又は横等の一軸方向あるいは二軸方向に延伸されていてもよい。
また、プラスチックフィルム又はシートは、単層フィルム又はシートであってもよく、2層以上の積層体である複層フィルム又はシートであってもよい。
導電性基材としては、例えば、金属箔、上述のプラスチックフィルム又はシートに金属を蒸着した金属蒸着プラスチックフィルム又はシート、金属繊維織布又は金属繊維不織布、金属被覆繊維織布又は金属被覆繊維不織布、炭素繊維織布又は炭素繊維不織布等が挙げられる。
また、上記導電性基材を構成する金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、パラジウム、タングステン、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、マグネシウム、亜鉛、スズ等の単一の金属又は2種以上の金属を組み合わせた合金が挙げられる。
これらの基材としては、表面にハードコートが設けられているプラスチックフィルム又はシートや、表面に印字又は印刷が可能なプラスチックフィルム又はシート等を用いてもよい。
なお、本発明の一態様で用いる基材としては、粘着剤層側の面とは反対側に、印刷又は印字が可能な表面(以下、「印刷印字表面」ともいう)を有する基材が好ましく、印刷印字表面を有するプラスチックフィルム又はシートがより好ましい。
印刷印字表面を有する基材を用いることで、この印刷印字表面上に、電子部品の製造番号の情報等を印字又は印刷することができ、電子部品の管理に役立つ。
印刷印字表面の形成方法としては、基材の表面に、樹脂成分を含む印字印刷コート膜形成用組成物から形成される印刷印字コート膜を形成する方法が挙げられる。
なお、印刷又は印字が可能な表面を形成可能な形成材料から構成された基材を用いる場合には、当該基材の表面上に、印刷印字コート膜を形成しなくてもよいが、より印刷印字適性を向上させる観点から、印刷印字コート膜を形成してもよい。
印字印刷コート膜形成用組成物に含まれる樹脂成分としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、アセテート誘導体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ラテックス樹脂等が挙げられる。
また、印字印刷コート膜形成用組成物は、さらに顔料、着色剤、制震剤、可塑剤、界面活性剤、分散剤、凍結溶融安定剤、中和剤、増粘剤、濡れ剤、消泡剤、滑り剤、防錆剤、帯電防止剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の汎用添加剤が含まれていてもよい。
印字印刷コート膜の厚さは、好ましくは10〜600nm、より好ましくは30〜200nmである。
また、本発明の一態様で用いる基材がプラスチックフィルム又はシートである場合、基材と粘着剤層との密着性を向上させる観点から、必要に応じて、プラスチックフィルム又はシートの表面に対し酸化法や凹凸化法等の表面処理を施すことが好ましい。
酸化法としては、特に限定されず、例えば、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、クロム酸酸化(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
また、凹凸化法としては、特には限定されず、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選定されるが、粘着剤層との密着性の向上効果や操作性の観点から、コロナ放電処理法が好ましい。
基材の厚さは、用途等に応じて適宜調整されるが、取り扱い易さの観点から、好ましくは10〜250μm、より好ましくは15〜200μm、更に好ましくは20〜150μmである。
<粘着剤層>
本発明の粘着シートが有する粘着剤層は、粘着性組成物から形成された層である。
粘着剤層の厚さは、用途等に応じて適宜調整されるが、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜60μm、更に好ましくは5〜40μmである。
粘着剤層の厚さが1μm以上であれば、被着体に対し良好な粘着力が得られる。
一方、粘着剤層の厚さが100μm以下であれば、生産性の面で有利であり、取扱い易い粘着シートとなる。
本発明の一態様において、粘着剤層の形成材料である当該粘着性組成物の酸価としては、好ましくは6.0mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上、更に好ましくは50mgKOH/g以上である。
粘着性組成物の酸価が6.0mgKOH/g以上であれば、当該粘着性組成物から形成される粘着剤層は高い粘着力が発現し易くなるため好ましい。また、形成される粘着剤層の厚さを薄くしても、高い粘着力を発現させることができる。さらに、粘着力を補う粘着付与剤を使用しない又は粘着付与剤の配合量を減らしても、高い粘着力が発現できると共に、粘着付与剤の配合量を減らすことで、形成される粘着剤層において、粘着付与剤に起因したブリードアウトの発生を抑制し、被着体の汚染を防止することができる。
なお、粘着性組成物の酸価としては、上限値の制限は特に無いが、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは90mgKOH/g以下、更に好ましくは85mgKOH/g以下である。
本明細書において、上記の粘着性組成物の酸価は、実施例に記載の方法により測定された値である。
なお、例えば、上述の特許文献2に記載されたような、金属粒子を分散させた粘着剤層を有する粘着シートは、粘着剤層を形成する粘着性組成物の酸価が高いと、分散している金属粒子が酸化し、粘着剤層が変色し易く、耐変色性の点で問題を有する。
金属粒子を分散させた粘着剤層を有する粘着シートや、粘着剤層の表面上に金属層を設けた粘着シートにおいては、粘着剤層の形成材料である粘着性組成物は、酸価が低くなるように、当該粘着性組成物中に含まれる樹脂成分や添加剤の種類を選択する必要がある。しかし、酸価が低い粘着性組成物から形成された粘着剤層は、粘着力が低い傾向にある。
一方、本発明の粘着シートは、粘着剤層上に、酸化しにくいカーボンナノチューブから形成された導電層を積層しており、導電層と接触する粘着剤層の変色の問題は生じ難い。
そのため、本発明の粘着シートが有する粘着剤層は、形成材料の選択に制限は無く、酸価が高い粘着性組成物も選択することができる。その結果、高い粘着力を有する粘着シートとすることができる。
また、本発明においては、粘着性に優れる、酸価の高い粘着性組成物を使用することができるため、形成される粘着剤層の厚さを薄くしても、高い粘着力を発現させることができる。
粘着剤層の形成材料である粘着性組成物は、樹脂成分を含むことが好ましく、用いる主剤樹脂の種類に応じて、さらに粘着付与剤、架橋剤、硬化促進剤、及びこれら以外の他の添加剤を含有してもよく、また、カーボンナノ材料を含有してもよい。
以下、粘着剤層の形成材料である粘着性組成物に含まれる各成分について説明する。
[樹脂成分]
本発明において、樹脂成分とは、所定の繰り返し単位を有し、質量平均分子量(Mw)が1万以上の樹脂を意味する。
粘着性組成物に含まれる樹脂の含有量は、当該粘着性組成物中の有効成分の全量(100質量%)に対して、通常40〜100質量%、好ましくは45〜99.9質量%、より好ましくは50〜99.5質量%、更に好ましくは60〜99.0質量%、より更に好ましくは70〜98.0質量%である。
樹脂成分の質量平均分子量(Mw)としては、粘着性が良好な粘着性組成物を調製する観点、並びに、導電層の間隙に侵入し易い粘着剤層の形成材料とする観点から、好ましくは1万〜200万、より好ましくは2万〜150万、更に好ましくは3万〜130万である。
樹脂成分としては、例えば、アクリル系樹脂;天然ゴム、スチレン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂等のゴム系樹脂;シリル化ウレタン樹脂等のシリル基含有樹脂;シリコーン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成分が、アクリル系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、及びシリル化ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含むことが好ましい。
以下、樹脂成分として好適なアクリル系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、及びシリル化ウレタン樹脂について説明する。
(アクリル系樹脂)
本発明の一態様で用いるアクリル系樹脂としては、例えば、直鎖、分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体、環状構造を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体等が挙げられる。
また、これらの重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
アクリル系樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、好ましくは25万〜150万、より好ましくは35万〜130万、更に好ましくは45万〜110万、より更に好ましくは65万〜105万である。
本発明の一態様で用いるアクリル系樹脂としては、アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(p1’)(以下、「モノマー(p1’)」ともいう)に由来する構成単位(p1)を含むアクリル系重合体が好ましく、構成単位(p1)と共に、さらに官能基含有モノマー(以下、「モノマー(p2’)」ともいう)に由来する構成単位(p2)を含むアクリル系共重合体であることがより好ましい。
モノマー(p1’)が有するアルキル基の炭素数としては、粘着シートの粘着力を向上させる観点から、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜12、より更に好ましくは1〜8である。
なお、モノマー(p1’)のアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
具体的なモノマー(p1’)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等のブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、これらのモノマー(p1’)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、粘着特性が良好な粘着性組成物とする観点から、モノマー(p1’)としては、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。
構成単位(p1)の含有量は、アクリル系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは40〜99.9質量%、より好ましくは50〜99.5質量%、更に好ましくは60〜99.0質量%、更に好ましくは70〜98.0質量%、より更に好ましくは80〜95.0質量%である。
モノマー(p2’)が有する「官能基」とは、後述の任意の添加剤である架橋剤と反応し、架橋起点となり得る官能基又は架橋促進効果を有する官能基を意味する。
具体的な当該官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。
モノマー(p2’)としては、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、及びエポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
これらのモノマー(p2’)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、モノマー(p2’)としては、優れた粘着特性を有する粘着性組成物とする観点から、水酸基含有モノマー及びカルボキシ基含有モノマーを含むことが好ましく、得られる粘着性組成物の酸価を増加させ、粘着特性をより向上させた粘着性組成物とする観点から、カルボキシ基含有モノマーを含むことがより好ましい。
なお、本発明においては、導電性を付与するために、粘着剤層中に金属粉末を分散させたり、粘着剤層と金属から形成された層とを接触させたりする必要が無い。
そのため、粘着性組成物の酸価の増加の原因ともなり得る、カルボキシ基含有モノマーに由来の構成単位を有するアクリル系樹脂も使用することができる。当該アクリル系樹脂を用いることで、粘着性組成物の粘着性をより向上させることができる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸及びその無水物、2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
構成単位(p2)の含有量は、アクリル系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜25質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%、より更に好ましくは1.0〜15質量%である。
また、本発明の一態様で用いるアクリル系樹脂は、構成単位(p1)及び(p2)以外に、モノマー(p1’)及び(p2’)以外のその他のモノマー(p3’)(以下、「モノマー(p3’)」ともいう)に由来の構成単位(p3)を有するアクリル系共重合体であってもよい。
モノマー(p3’)としては、モノマー(p1’)及び(p2’)と共重合可能なモノマーであればよく、例えば、アクリロイルモルホリン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等のビニル系モノマー等が挙げられる。
構成単位(p3)の含有量は、アクリル系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜10質量%である。
(ポリイソブチレン系樹脂)
本発明の一態様で用いるポリイソブチレン系樹脂(以下、「PIB系樹脂」ともいう)としては、主鎖又は側鎖にポリイソブチレン骨格を有する樹脂であり、具体的には、下記構成単位(a)を有する樹脂である
Figure 0006589253
PIB系樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、粘着性が良好な粘着性組成物とする観点、並びに導電層の間隙に粘着性組成物及び粘着剤層の一部が侵入し易くする観点から、好ましくは2万以上、より好ましくは3万〜100万、より好ましくは5万〜80万、更に好ましくは7万〜60万である。
PIB系樹脂の質量平均分子量が2万以上であれば、粘着性組成物の凝集力が十分に得られ、粘着力を十分に向上させることができる。一方、PIB系樹脂の質量平均分子量が100万以下であれば、得られる粘着性組成物及び当該粘着性組成物から形成された粘着剤層の一部が導電層の間隙に侵入し易くなる。
PIB系樹脂としては、例えば、イソブチレンの単独重合体であるポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレンの共重合体、イソブチレンとn−ブテンの共重合体、イソブチレンとブタジエンの共重合体、及びこれら共重合体を臭素化又は塩素化等したハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。
なお、PIB系樹脂が共重合体である場合、イソブチレンからなる構成単位が、全構成単位の中で一番多く含まれているものとする。
イソブチレンからなる構成単位の含有量は、PIB系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。
これらのPIB系樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、形成される粘着剤層の耐久性及び耐候性を向上させる観点から、重合した際に密な分子構造を有し、主鎖及び側鎖に重合性二重結合を有さないイソブチレンに由来の構成単位を含むPIB系樹脂が好ましい。
主鎖及び側鎖に重合性二重結合を有さないイソブチレンに由来の構成単位の含有量としては、PIB系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは100質量%である。
PIB系樹脂の合成方法としては、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒の存在下で、イソブチレン等のモノマー成分を重合する方法が挙げられる。
また、PIB系樹脂を用いる場合、質量平均分子量が高いPIB系樹脂と、質量平均分子量が低いPIB系樹脂とを併用することが好ましい。
より具体的には、質量平均分子量が27万〜60万のPIB系樹脂(a1)(以下、「PIB系樹脂(a1)」ともいう)と、質量平均分子量が5万〜25万のPIB系樹脂(a2)(以下、「PIB系樹脂(a2)」ともいう)とを併用することが好ましい。
質量平均分子量の高いPIB系樹脂(a1)を用いることで、得られる粘着性組成物から形成される粘着剤層の耐久性及び耐候性を向上させると共に、粘着力を向上させることもできる。
また、質量平均分子量の低いPIB系樹脂(a2)を用いることで、PIB系樹脂(a1)と良好に相溶して、適度にPIB系樹脂(a1)を可塑化させることができ、粘着剤層の被着体に対する濡れ性を高め、粘着物性、柔軟性等を向上させることができる。
PIB系樹脂(a1)の質量平均分子量(Mw)としては、好ましくは27万〜60万、より好ましくは29万〜48万、更に好ましくは31万〜45万、より更に好ましくは32万〜40万である。
PIB系樹脂(a1)の質量平均分子量が27万以上であれば、粘着性組成物の凝集力を十分に向上させることができ、粘着力を向上させることができる。また、被着体への汚染の懸念も解消し得る。
一方、PIB系樹脂(a1)の質量平均分子量が60万以下であれば、粘着性組成物の凝集力が高くなりすぎることにより柔軟性や流動性の低下という弊害を避けることができ、得られる粘着性組成物からなる粘着剤層の被着体との濡れを良好にすることができる。また、粘着性組成物を調製する際、溶媒に対する溶解性を良好とすることができる。さらに、得られる粘着性組成物及び当該粘着性組成物から形成された粘着剤層の一部が導電層の間隙に侵入し易くなる。
PIB系樹脂(a2)の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万〜25万、より好ましくは8万〜23万、更に好ましくは14万〜22万、より更に好ましくは18万〜21万である。
PIB系樹脂(a2)の質量平均分子量が5万以上であれば、粘着性組成物から形成した粘着剤層において、PIB系樹脂(a2)が低分子成分として分離して、被着体を汚染する弊害を防ぐことができる。また、高温下におけるアウトガス発生量を低下させることができる。
一方、PIB系樹脂(a2)の質量平均分子量が25万以下であれば、PIB系樹脂(a1)を十分に可塑化させることができ、被着体との濡れを良好にすることができる。
なお、上記のPIB系樹脂(a1)及び(a2)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
PIB系樹脂の全量(100質量%)に対するPIB系樹脂(a1)及び(a2)の合計含有量は、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは100質量%である。
PIB系樹脂(a1)100質量部に対する、PIB系樹脂(a2)の含有割合は、好ましくは5〜55質量部、より好ましくは6〜40質量部、更に好ましくは7〜30質量部、より更に好ましくは8〜20質量部である。
PIB系樹脂(a2)の含有割合が5質量部以上であれば、PIB系樹脂(a1)を十分に可塑化させることができ、得られる粘着性組成物から形成された粘着剤層の被着体との濡れを良好とすることができ、粘着力も向上させることができる。
また、PIB系樹脂(a2)の含有割合が55質量部以下であれば、凝集力を十分に向上させることができるため、形成される粘着剤層に対して優れた粘着力、保持力、及び耐久性を付与することができる。
(ウレタン系樹脂)
本発明の一態様で用いるウレタン系樹脂としては、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に、ウレタン結合及び尿素結合の1つ以上を有する重合体であれば、特に制限されない。
具体的なウレタン系樹脂としては、例えば、ポリオールと多価イソシアネート化合物とを反応して得られるウレタン系プレポリマー(U1)や、当該ウレタン系プレポリマー(U1)に対して、更に鎖延長剤を用いた鎖延長反応を行い得られるウレタン系ポリマー(U2)等が挙げられる。
ウレタン系樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、粘着性が良好な粘着性組成物とする観点、及び、導電層の間隙に粘着性組成物及び粘着剤層の一部が侵入し易くする観点から、好ましくは1万〜20万、より好ましくは1.2万〜15万、更に好ましくは1.5万〜10万、より更に好ましくは2万〜7万である。
ウレタン系プレポリマー(U1)の原料となるポリオールとしては、例えば、アルキレンジオール、ポリエーテル型ポリオール、ポリエステル型ポリオール、ポリカーボネート型ポリオール等のポリオール化合物が挙げられるが、ポリオールであれば特に限定はされず、2官能のジオール、3官能のトリオールであってもよい。
これらのポリオールの中でも、入手の容易性、反応性等の観点から、ジオールが好ましい。
ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等のアルカンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。なお、これらのジオールは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのジオールの中でも、さらに鎖延長剤との反応を行う場合、当該反応においてゲル化を抑制する観点から、質量平均分子量1000〜3000のグリコールが好ましい。
ウレタン系プレポリマー(U1)の原料となる多価イソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
なお、これらの多価イソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、イソシアヌレート環を含有させたイソシアヌレート型変性体であってもよい。
これらの多価イソシアネート化合物の中でも、粘着物性に優れたウレタン系ポリマーを得る観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)及びこれらの変性体から選ばれる1種以上が好ましく、耐候性の観点から、HMDI、IPDI及びこれらの変性体から選ばれる1種以上がより好ましい。
ウレタン系プレポリマー(U1)中のイソシアネート基含有量(NCO%)は、JIS K 1603に準じて測定された値において、好ましくは0.5〜12質量%、より好ましくは1〜4質量%である。
鎖延長剤としては、水酸基及びアミノ基の少なくとも一方を2つ有する化合物、又は、水酸基及びアミノ基の少なくとも一方を3つ以上有する化合物が好ましい。
水酸基及びアミノ基の少なくとも一方を2つ有する化合物としては、脂肪族ジオール、脂肪族ジアミン、アルカノールアミン、ビスフェノール、芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等のアルカンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコールが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。
ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
水酸基及びアミノ基の少なくとも一方を3つ以上有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール、1−アミノ−2,3−プロパンジオール、1−メチルアミノ−2,3−プロパンジオール、N−(2−ヒドロキシプロピルエタノールアミン)等のアミノアルコール、テトラメチルキシリレンジアミンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
(シリル化ウレタン樹脂)
本発明の一態様で用いるシリル化ウレタン樹脂としては、主鎖又は側鎖にウレタン結合及び/又は尿素結合を有するウレタン樹脂の主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する樹脂が好ましい。
なお、シリル化ウレタン樹脂の主鎖としては、上述のウレタン樹脂と同じ構造のものが挙げられる。
Figure 0006589253
上記一般式(1)中、X、Xは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基又は置換基を有してもよいアルコキシ基であり、Rは置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基である。当該アルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。
、X、Rが置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、及びアミノ基等が挙げられる。
シリル化ウレタン樹脂は、主鎖の両末端に上記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有することから、シリル化ウレタン樹脂同士の加水分解脱水縮合により効果的に三次元網目構造を形成することができ、粘着力を向上させることができる。
一般式(1)中、Rで表わされるアルキル基の炭素数は、粘着力の向上の観点から、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3である。
また、一般式(1)中、X、Xがアルコキシ基である場合、当該アルコキシ基の炭素数は、粘着力の向上の観点から、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3である。
シリル化ウレタン樹脂の質量平均分子量(Mw)は、粘着性が良好な粘着性組成物とする観点、及び、導電層の間隙に粘着性組成物及び粘着剤層の一部が侵入し易くする観点から、好ましくは1,000〜30万、より好ましくは5,000〜20万、更に好ましくは1万〜15万、より更に好ましくは2万〜10万である。
[粘着付与剤]
本発明の一態様で用いる粘着性組成物は、粘着性をより向上させる観点から、さらに粘着付与剤を含有してもよい。
なお、本発明において、「粘着付与剤」とは、上述の樹脂成分と混合することが可能で、当該樹脂成分の粘着性能を向上させる機能を有する、質量平均分子量(Mw)が1万未満のオリゴマー領域の化合物を意味する。
粘着付与剤としては、ロジン樹脂、ロジンフェノール樹脂、及びそのエステル化合物等のロジン系樹脂;これらロジン系樹脂を水素化した水素化ロジン系樹脂;テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂等のテルペン系樹脂;これらテルペン系樹脂を水素化した水素化テルペン系樹脂;石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1.3−ペンタジエン等のC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂及びこのC5系石油樹脂の水素化石油樹脂;石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等のC9留分を共重合して得られるC9系石油樹脂及びこのC9系石油樹脂の水素化石油樹脂;等が挙げられる。
粘着付与剤の軟化点は、粘着力の向上の観点から、好ましくは60〜170℃、より好ましくは75〜150℃、更に好ましくは85〜140℃、より更に好ましくは90〜130℃である。
なお、粘着付与剤の軟化点の値は、JIS K 2531に準拠して測定した値である。
本発明の一態様で用いる粘着性組成物が粘着付与剤を含有する場合、粘着付与剤の含有量としては、粘着性組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜30質量%である。
なお、粘着付与剤の含有量が多くなる程、得られる粘着性組成物の粘着特性は向上する。一方、粘着付与剤の含有量が少なくなる程、形成される粘着剤層において、粘着付与剤に起因したブリードアウトの発生を抑制し、被着体の汚染を防止することができる。
また、シリル化ウレタン樹脂以外の樹脂成分を用いる場合、粘着付与剤の含有量は、粘着性組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは13〜40質量部、より更に好ましくは15〜30質量部である。
当該含有量が5質量部以上であれば、得られる粘着性組成物に対して更に粘着力を向上させることができる。また、当該含有量が60質量部以下であれば得られる粘着性組成物から形成される粘着剤層に十分な柔軟性を付与することができる。
樹脂成分として、シリル化ウレタン樹脂を用いる場合、粘着付与剤の含有量は、粘着性組成物中に含まれるシリル化ウレタン樹脂100質量部に対して、粘着力の向上の観点から、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは40〜200質量部、更に好ましくは70〜150質量部、より更に好ましくは90〜110質量部である。
[架橋剤]
樹脂成分として、官能基を有する樹脂成分(例えば、官能基含有モノマー(p2’)に由来する構成単位(p2)を有するアクリル系樹脂等)を用いる場合、粘着力の向上の観点から、粘着性組成物中に、さらに架橋剤を配合することが好ましい。
架橋剤は、当該樹脂成分が有する官能基と反応して、樹脂同士を架橋するものである。
架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等、及びそれらのアダクト体等のイソシアネート系架橋剤;エチレングリコールグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤;ヘキサ[1−(2−メチル)−アジリジニル]トリフオスファトリアジン等のアジリジン系架橋剤;アルミニウムキレート等のキレート系架橋剤;等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、凝集力を高めて粘着力を向上させる観点、及び入手し易さ等の観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
本発明の一態様で用いる粘着性組成物が架橋剤を含有する場合、架橋剤の含有量は、樹脂成分が有する官能基数により適宜調整されるが、架橋反応を促進させる観点から、当該粘着性組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.03〜7質量部、更に好ましくは0.05〜4質量部である。
[硬化促進剤]
樹脂成分として、シリル化ウレタン樹脂を用いる場合、シリル化ウレタン樹脂のシリル基同士の架橋反応を促進させ、粘着力を向上させる観点から、シリル化ウレタン樹脂と共に、硬化促進剤を配合することが好ましい。
硬化促進剤としては、架橋密度の制御が容易であり、粘着力及び凝集力を向上させる観点から、アルミ系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒及び三フッ化ホウ素系触媒からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
アルミ系触媒としては、アルミニウムのアルコキシド、アルミニウムキレート、塩化アルミニウム(III)が好ましい。チタン系触媒としては、チタンのアルコキシド、チタンキレート、塩化チタン(IV)が好ましい。ジルコニウム系触媒としては、ジルコニウムのアルコキシド、ジルコニウムキレート、塩化ジルコニウム(IV)が好ましい。三フッ化ホウ素系触媒としては、三フッ化ホウ素のアミン錯体やアルコール錯体が好ましい。
本発明の一態様で用いる粘着性組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、硬化促進の観点から、当該粘着性組成物中に含まれるシリル化ウレタン樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜8質量部、更に好ましくは0.03〜5質量部である。
[カーボンナノ材料]
本発明の一態様で用いる粘着性組成物は、表面抵抗率をより低くした粘着シートを得る観点から、さらにカーボンナノ材料を含有してもよい。
本発明で用いるカーボンナノ材料は、六員環配列構造を主構造とするグラファイトシートを含む物質からなるものであるが、グラファイト構造中にホウ素や窒素等の炭素以外の元素を含有していてもよく、カーボンナノ材料が他の物質を内包している形態であってもよく、さらに、カーボンナノ材料が他の導電性物質に修飾されている形態であってもよい。
カーボンナノ材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、フラーレン等が挙げられる。
これらのカーボンナノ材料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、カーボンナノ材料としては、カーボンナノチューブが好ましい。
好適に使用し得るカーボンナノチューブについては、後述の導電層の形成材料として用いられるカーボンナノチューブの態様と同じである。
なお、カーボンナノ材料は、粘着剤層中でカーボンナノ材料同士が近接した状態を維持させ、粘着剤層の表面抵抗率を効果的に低下させる観点から、カーボンナノ材料を含む分散液の形態で、樹脂成分等と配合されることが好ましい。
当該分散液の溶媒としては、水又は有機溶媒が挙げられる。
カーボンナノ材料を含む分散液の調製方法としては、例えば、上記溶媒中にカーボンナノ材料を添加し、超音波等により振動を与えて、カーボンナノ材料を溶媒中に分散させて得る方法等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる粘着性組成物がカーボンナノ材料を含有する場合、カーボンナノ材料の含有量は、当該粘着性組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜15質量部、より好ましくは0.05〜10質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部、より更に好ましくは0.3〜2質量部である。
カーボンナノ材料の含有量が0.01質量部以上であれば、得られる粘着性組成物から形成する粘着剤層の表面抵抗率をより効果的に低下させることができる。
一方、カーボンナノ材料の含有量が15質量部以下であれば、得られる粘着性組成物の粘着特性を良好に保つことができる。
[その他の添加剤]
本発明の一態様で用いる粘着性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらにその他の添加剤を含有してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、赤外線吸収剤、近赤外線吸収剤、防腐・防かび剤、防錆剤、可塑剤、高沸点溶剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの添加剤の各含有量は、粘着性組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜8質量部、更に好ましくは0〜5質量部である。
<導電層>
本発明の粘着シートが有する導電層は、カーボンナノチューブを含む材料から形成され、且つ複数の間隙を有する層である。
本発明で用いる「カーボンナノチューブ」とは、炭素六員環構造を主構造とするグラファイト(黒鉛)シートが円筒状に閉じた構造を有する炭素構造体であって、マクロ的には針状の素材であるが、ミクロ的には中空円筒形状を呈する炭素多面体を指し、導電性を有するものである。
また、カーボンナノチューブは、導電性を有する金属に比べて、密度が小さい。
本発明の粘着シートは、導電材料としてカーボンナノチューブを使用しているため、従来の金属を用いた粘着シートに比べて、軽量化を図ることができる。
なお、導電層を形成する材料には、カーボンナノチューブと共に、各種添加剤が配合されていてもよい。
導電層中に含まれるカーボンナノチューブの含有量は、当該導電層の全量(100質量%)に対して、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは98〜100質量%である。
例えば、特許文献1に記載されたような、導電性物質を分散させた粘着剤層を有するアースラベルは、導電性物質の存在による粘着力の低下という問題を有している。
一方、本発明の粘着シートは、被着体に貼付する際の圧力によって、粘着剤層の一部が導電層の複数の間隙を介して被着体と密着する態様であるため、優れた粘着力及び導電性をバランス良く維持することができ、特にアースラベルとしての役割を担うこともできる。
本発明の一態様において、導電層の全光線透過率としては、好ましくは70〜98%、より好ましくは75〜97%、更に好ましくは80〜95%である。
なお、本明細書において、全光線透過率は、JIS K7361に準拠して測定された値を意味し、より具体的には、実施例に記載の方法で準拠して測定された値を意味する。
この導電層の全光線透過率の値は、導電層が有する間隙の割合を間接的に示しており、当該値が大きい程、間隙の割合が多いと判断することができる。
そのため、全光線透過率が70%以上であれば、導電層の単位面積当たりのカーボンナノチューブが占める面積が減少するために、多くの間隙が形成された導電層となる。その結果、被着体との貼付時には、この間隙を介して粘着剤層が被着体と密着するため、多くの間隙が形成された導電層を用いることで、粘着力をより向上させた粘着シートとすることができる。
一方、全光線透過率が98%以下であれば、導電性に優れた粘着シートとすることができる。
本発明の一態様において、下記式(F1)から算出される、導電層の積層による質量増加分としては、好ましくは5.0g/m以下、より好ましくは3.0g/m以下、更に好ましくは1.0g/m以下、より更に好ましくは0.5g/m以下である。
式(F1):[導電層の積層による質量増加分]=([粘着シートの質量]−[標準粘着シートの質量])×100
なお、上記式(F1)中、「粘着シートの質量」及び「標準粘着シートの質量」は、対象となる「粘着シート」及び「標準粘着シート」を、それぞれ100mm×100mmの正方形に切断したシートの質量を指す。
本発明の一態様において、下記式(F2)から算出される、導電層の積層による厚さ増加分としては、好ましくは10.0μm未満、より好ましくは5.0μm未満、更に好ましくは2.0μm未満である。
式(F2):[導電層の積層による厚さ増加分]=[粘着シートの厚さ]−[標準粘着シートの厚さ]
なお、上記式(F1)及び(F2)における、「標準粘着シート」とは、導電層を有しない以外は、対象となる粘着シートと同様の方法で作製した粘着シートを指す。つまり、上記式(F1)及び(F2)中の「粘着シート」の構成から、導電層を除外したものが「標準粘着シート」である。なお、具体的な態様については、実施例の記載に基づくものである。
本発明の一態様において、導電層の表面内においてカーボンナノチューブが一方向に優先的に整列した構造を有することが好ましい。
このような構造を有する導電層の表面内には、複数の間隙が偏り無く存在するため、貼付面の全面において均一に優れた粘着力を有する粘着シートとすることができる。
本明細書において、「カーボンナノチューブが一方向に優先的に整列した」状態とは、カーボンナノチューブが、導電層の表面内の一方向と略平行となるように整列した状態を意味する。例えば、カーボンナノチューブの長軸が、導電層の表面内の一方向に略平行となるように整列した状態が該当する。
また、「優先的に整列した」状態とは、当該整列した状態が主流であることを意味する。例えば、上記のように、カーボンナノチューブの長軸が、導電層の表面内の一方向(P)と略平行になるように整列した状態が主流である場合、導電層の表面内の一部のカーボンナノチューブの長軸が、導電層の表面内の一方向(P)とは略平行ではない状態で整列していてもよい。
なお、上記のような「表面内においてカーボンナノチューブが一方向に優先的に整列した構造を有する導電層」は、例えば、以下の工程(1)〜(2)を経ることで、容易に形成することができる。
・工程(1):化学気相成長法(CVD法)によって、表面に触媒を塗布したシリコンウエハ等の基板上に、カーボンナノチューブのフォレストを作製する。
・工程(2):工程(1)で得たカーボンナノチューブのフォレストの端部をよじり、一方向に引き出して、基板から引き離し、シート状のカーボンナノチューブシートを得る。
工程(1)において、CVD法の具体的な手順としては、CVD炉内に、表面に触媒を塗布したシリコンウエハ等の基板を設置し、800℃程度のメタン(CH)やアセチレン(C)等の炭素原料ガスを供給する方法が挙げられる。
当該方法により、基板の触媒上に、基板の水平面に対して垂直方向に配向するように成長したカーボンナノチューブのフォレストを形成することができる。
工程(1)において、形成したカーボンナノチューブのフォレストの高さとしては、好ましくは20〜2000μm、より好ましくは50〜1500μm、更に好ましくは100〜1000μmである。
工程(2)において、基板の水平面に対して垂直方向に配向したカーボンナノチューブのフォレストの端部をよじり、ピンセット等で一方向に引き出して、基板から引き離すことによって、シート状のカーボンナノチューブシートを得ることができる。
なお、当該カーボンナノチューブシートは、一方向に引き出されて得られたものであるため、表面内においてカーボンナノチューブが一方向に優先的に整列した構造を有する。
また、本発明の一態様において、導電層が、複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物によって形成された層であることが好ましい。
このような繊維状物によって導電層が構成されることで、単位面積当たりのカーボンナノチューブが占める面積が減少するために、多くの間隙が形成された導電層となる。被着体との貼付時において、この間隙を介して粘着剤層が被着体と密着するため、多くの間隙が形成された導電層を用いることで、粘着力をより向上させた粘着シートとすることができる。
導電層を構成する複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物の太さの平均としては、好ましくは1〜300μm、より好ましくは3〜150μm、更に好ましくは5〜100μm、より更に好ましくは7〜50μmである。
なお、本明細書において、「繊維状物の太さ」とは、当該繊維状物の外側の円周の直径(もしくは長径)のことを指す。
また、「繊維状物の太さの平均」の値は、任意に選択した10本の繊維状物の太さを測定し、これら10本の平均値を「繊維状物の太さの平均」とみなすこともできる。
なお、上記のような「複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物によって形成された導電層」は、上記工程(2)を経て得たシート状のカーボンナノチューブシートに対して、バンドリング処理を施すことで、容易に形成することができる。
本明細書において、「バンドリング処理」とは、近接する複数のカーボンナノチューブが束の状態となるようにする処理のことを指す。このバンドリング処理を施すことで、上述の繊維状物を容易に形成することができる。
バンドリング処理の具体的な方法としては、常温で液体の物質の蒸気に、上記工程(2)で得たシート状のカーボンナノチューブシートを晒す方法が挙げられる。
バンドリング処理で用いる常温で液体の物質としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;等が挙げられる。
これらの物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、常温で液体の物質の粒子(エアロゾル)に、上記工程(2)で得たシート状のカーボンナノチューブシートを晒すことで、バンドリング処理を施してもよい。
常温で液体の物質の粒子によりバンドリング処理を行う場合、当該粒子の平均粒径としては、好ましくは5nm〜200μm、より好ましくは7.5nm〜100μm、更に好ましくは10nm〜50μmである。
なお、上記の「複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物によって形成された導電層」は、上記工程(2)で得たシート状の導電層を撚って糸状物とし、当該糸状物を多数並べてシート状にすることでも、容易に形成することができる。
本発明の一態様において、導電層は、単層であってもよく、2層以上を積層した複層であってもよい。また、2層以上のシート状のカーボンナノチューブシートを積層して複層化したものに、上記のバンドリング処理を行ったものでもよい。
導電層の厚さとしては、用途等に応じて適宜調整されるが、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜75μmである。
<剥離シート>
本発明の粘着シートは、導電層上に、さらに剥離シートを積層した構成としてもよい。
剥離シートとしては、両面剥離処理をされた剥離シートや、片面剥離処理された剥離シート等が用いられ、剥離シート用の基材上に剥離剤を塗布した剥離シート等が挙げられる。
剥離シート用の基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、又はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
なお、本発明の粘着シートをハードディスクドライブ(HDD)の部品に貼付するためのアースラベルとしての用途に使用する場合には、剥離剤としては、非シリコーン系樹脂を用いることが好ましい。
剥離シートの厚さは、用途等に応じて適宜調整されるが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは25〜150μmである。
<プライマー層>
本発明の粘着シートは、基材と粘着剤層との密着性を向上させる観点から、基材と粘着剤層との間に、さらにプライマー層を設けてもよい。
プライマー層は、樹脂成分を含むプライマー層形成用組成物から形成することができる。
当該樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。
また、プライマー層形成用組成物には、さらに充填材、可塑剤、架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の汎用添加剤が含まれていてもよい。
プライマー層の厚さは、好ましくは10〜2000nm、より好ましくは20〜1000nm、更に好ましくは30〜500nmである。
〔粘着シートの製造方法〕
次に、本発明の粘着シートの製造方法について説明する。
本発明の粘着シートの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、基材の一方の面上に、樹脂成分等の各成分を含有する粘着性組成物を直接塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を加熱乾燥して粘着剤層を形成した後、形成した粘着剤層上に、別に作製した導電層を積層する方法が挙げられる。
また、本発明の粘着シートの別の製造方法としては、基材の一方の面上に粘着性組成物の溶液を直接塗布して塗膜を形成した後、導電層のシートを当該塗膜上に積層して、導電層が積層した状態で塗膜を加熱乾燥して粘着剤層を形成する方法であってもよい。
なお、別に用意した剥離シートの剥離処理面上に粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層を基材の一方の面上に転写することで、基材上に粘着剤層を形成してもよい。
また、粘着性組成物は、基材又は剥離シートの面上への塗布性を良好とし、作業性を向上させる観点から、水又は有機溶媒で希釈して、粘着性組成物の溶液の形態とすることが好ましい。
当該有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
なお、これらの有機溶媒は、樹脂成分の合成時に使用された有機溶媒をそのまま用いてもよいし、該粘着剤溶液を均一に塗布できるように、樹脂成分の合成時に使用された以外の有機溶媒を用いてもよい。
粘着性組成物の溶液の固形分濃度としては、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜45質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
粘着性組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
〔粘着シートの各種性状〕
本発明の一態様の粘着シートについて、導電層側の表面を被着体に貼付して測定した粘着力としては、4.5N/25mm以上であり、好ましくは6.0N/25mm以上、より好ましくは8.0N/25mm以上、更に好ましくは10.0N/25mm以上であり、また、好ましくは50N/25mm以下、より好ましくは40N/25mm以下である。
なお、本明細書において、上記粘着力の値は、実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
本発明の一態様の粘着シートを23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で1週間放置した後に、表出させた粘着剤層及び導電層側の表面に対して測定した表面抵抗率としては、好ましくは1.0×10+4Ω/□以下、より好ましくは8.0×10+3Ω/□以下、更に好ましくは5.0×10+3Ω/□以下、より更に好ましくは1.0×10+3Ω/□以下である。
なお、本明細書において、粘着シートの表面抵抗率の値は、実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
本発明の一態様の粘着シートの全光線透過率としては、好ましくは60〜98%、より好ましくは65〜97%、更に好ましくは70〜95%である。
なお、本明細書において、粘着シートの全光線透過率の値は、剥離シートを取り除いた、被着体に貼付する構成の粘着シートに対して、JIS K7361に準拠して測定した値であって、具体的には実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
本発明の粘着シートは、導電性材料として、カーボンナノチューブを使用しているため、軽量化を図ることができる。
本発明の粘着シートが有する基材、粘着剤層、及び導電層からなる積層体について、当該積層体の被着体に貼付する側の被着面の面積1m当たりの質量としては、好ましくは8〜150g/m、より好ましくは10〜120g/m、更に好ましくは15〜100g/mである。
また、本発明の粘着シートは、導電性材料として金属材料を使わなくても、優れた導電性を発現させることができるため、粘着剤層を形成する粘着性組成物の材料選択の幅が広く、粘着性に優れた、酸価の高い粘着性組成物も使用することができる。その結果、粘着シートの薄膜化も図れる。
本発明の粘着シートを薄膜化が要求される用途に使用する場合における、当該粘着シートの被着体に貼付時の総厚としては、好ましくは120μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは85μm以下である。
なお、「当該粘着シートの被着体に貼付時の総厚」とは、剥離シートを取り除いた、被着体に貼付する構成の粘着シートの総厚を意味する。
〔粘着シートの用途〕
本発明の一態様の粘着シートは、例えば、コンピューター、通信機器等の電子機器や、収納容器の電磁遮蔽材、電気部品等の接地線、発火防止材等の接合に用いられる電子部品貼付用アースラベル;電極、導通材、電子部品の保護、保持又は搬送用粘着シート;光学用部品の保護用粘着シート又は構成部材;被着体への帯電防止性の付与のための粘着シート;塵芥除去用粘着シート;印刷ラベル;封緘用粘着テープ;固定用粘着テープ;気密用粘着テープ;建築物又は輸送機器の部材の保護用粘着シート;意匠性付与用粘着シート;等として用いることができる。
なお、本発明の粘着シートは、優れた粘着力を有すると共に、表面抵抗率が低く導電性に優れ、さらに耐変色性も良好である。
そのため、本発明の粘着シートは、電子部品貼付用アースラベルとして好適に用いることができる。
図2は、本発明の粘着シートを電子部品貼付用アースラベル(以下、単に「アースラベル」ともいう)として用いた使用態様の一例を示す断面模式図である。
図2では、本発明のアースラベル3を、アース対象である導電体の電子部品15と、アース先である筺体16との双方にまたがるように貼付して使用する態様が示されている。アース対象の電子部品15に帯電した静電気等は、導電層13を介して、アース先の筺体16へ放電され、電子部品15に帯電した静電気等を除去することができる。
なお、図2に示されるように、アースラベル3を貼付後において、導電層13が有する複数の間隙13aには粘着剤層12が存在し被着体である電子部品15及び筺体16と接触する。そのため、アースラベル3は、電子部品15及び筺体16と十分な保持力で接着される。
本発明のアースラベルをハードディスクドライブ(HDD)の部品を貼付するための用途に使用する場合、当該アースラベルを構成する各層(基材、粘着剤層、剥離シート、及びプライマー層等)における、シリコーン系化合物の含有量が、ケイ素原子換算で、それぞれ0.1質量%未満であることが好ましく、0.01質量%未満であることがより好ましく、検知されないことが更に好ましい。なお、シリコーン系化合物の含有量は、蛍光X線分析により算出が可能である。
アースラベルを構成する各層中にシリコーン系化合物が含まれていると、当該シリコーン系化合物は、徐々に気化し、当該アースラベルを貼付した電気部品の電気接点部付近で発生するアーク等により、電気接点部の表面等に堆積し、微小なシリコーン化合物層を形成する。
このシリコーン化合物層の堆積は、電気部品の導電不良等の発生原因ともなり、特に、当該シリコーン化合物層が、HDD内の磁気ヘッドやディスク表面等にも堆積すると、ハードディスクの読み取りや書き込み不良を引き起こし易くなる。
そのため、本発明のアースラベルを、HDD内の部品の貼付用途に使用する場合には、当該アースラベルを構成する各層におけるシリコーン系化合物の含有量は、極力少ない程好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、本実施例における各種物性の測定法は下記のとおりである。
(1)質量平均分子量(Mw)
下記の装置及び条件にて測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた値である。
装置名:「HLC−8220GPC」(東ソー株式会社製)
カラム:「TSKgelGMHXL」、「TSKgelGMHXL」、及び「TSKgel2000HXL」(いずれも東ソー株式会社製)を順次連結したもの
展開溶媒:テトラヒドロフラン
注入量:80μl
測定温度:40℃
流速:1.0mL/min
検出器:示差屈折計
(2)粘着性組成物の酸価
対象となる粘着性組成物から形成した粘着剤層を0.3g(固形分)を正確に秤量しながら採取し、トルエンを加えて、固形分濃度1質量%の粘着性組成物の溶液を調製した。
次いで、調製した当該粘着性組成物の溶液に対して、指示薬として、フェノールフタレインのアルコール溶液を2〜3滴加えた後、0.1N水酸化カリウムのアルコール溶液で滴定した。溶液が赤色となった時を終点とし、このときの滴定量と試料質量から、対象となる粘着性組成物の酸価(mgKOH/g)を算出した。
(3)導電層の積層による質量増加分
導電層を設けなかった以外は、対象となる粘着シートと同様の方法で、基材/粘着剤層/剥離シートから構成された標準粘着シートを別途作製した。
そして、対象となる、基材/粘着剤層/導電層/剥離シートから構成された粘着シートと、上記標準粘着シートとを、それぞれ100mm×100mmの正方形に切断し、質量を測定した。
そして、下記式(F1)より、導電層による質量増加分(単位:g/m)を算出した。
式(F1):[導電層の積層による質量増加分]=([粘着シートの質量]−[標準粘着シートの質量])×100
(4)導電層の積層による厚さ増加分
導電層を設けなかった以外は、対象となる粘着シートと同様の方法で、基材/粘着剤層/剥離シートから構成された標準粘着シートを別途作製した。
そして、対象となる、基材/粘着剤層/導電層/剥離シートから構成された粘着シートの厚さと、上記標準粘着シートの厚さとを、定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、製品名「PG20J」)を用いて測定した。
その上で、下記式(F2)より、導電層の積層による厚さ増加分を算出した。
式(F2):[導電層の積層による厚さ増加分]=[粘着シートの厚さ]−[標準粘着シートの厚さ]
(5)複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物の太さの平均
粘着剤層に積層する前のカーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう)から構成された導電層を光学顕微鏡で観察し、当該導電層を構成する複数のCNTが集合した繊維状物を無作為に10本抽出した。抽出した10本の繊維状物の太さをそれぞれ測定し、その平均値を算出した。
(6)導電層又は粘着シートの全光線透過率
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、製品名「NDH2000」)を用いて、JIS K7361に準拠して、導電層及び粘着シートの全光線透過率を測定した。
なお、粘着シートの全光線透過率は、剥離シートを除去した、基材/粘着剤層/導電層からなる積層体(比較例1では、基材/粘着剤層からなる積層体)を試験片として測定した。
(7)粘着シートの粘着力
対象となる粘着シートを5mm×300mmの大きさに切断したものを試験片とし、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、当該試験片から剥離シートを除去し、表出した導電層側の表面を、被着体であるステンレス鋼板(SUS304、360番研磨)に貼付し、同じ環境下で24時間静置した。
24時間静置後に、JIS Z0237:2000に準拠して180°引き剥がし法により、引っ張り速度300mm/分にて、対象となる粘着シートの粘着力を測定した。
(8)粘着シートの表面抵抗率
対象となる粘着シートを20mm×40mmの大きさに切断したものを試験片とし、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、1週間静置した。
静置後に、低抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製、製品名「ロレスタGP MCP−T610型」)を用いて、JIS−K7194に準拠し、試験片から剥離シートを除去した際に、表出した粘着剤層及び導電層側の表面に対して、表面抵抗率を測定した。表面抵抗率は3回測定し、この平均値を対象となる粘着シートの表面抵抗率とした。
(9)粘着シートの耐変色性
対象となる粘着シートを20mm×40mmの大きさに切断したものを試験片とし、60℃の環境下で、1週間静置した。静置後に導電層の変色を目視で観察し、以下の基準で粘着シートの耐変色性を評価した。
A:変色は無く、耐変色性に優れる。
F:変色が見られ、耐変色性が劣る。
製造例1〜6
表1に示す種類及び配合量(固形分比)の樹脂成分及び各種添加剤を添加し、希釈溶媒として、酢酸エチル又はトルエンを加えて、撹拌し、表1に記載の固形分濃度の粘着性組成物(I)〜(VI)をそれぞれ調製した。なお、粘着性組成物(I)〜(VI)の酸価についても、それぞれ測定し、結果を表1に示す。
粘着性組成物(I)〜(VI)の調製に使用した表1に記載の樹脂成分及び各種添加剤の詳細は以下のとおりである。
<樹脂成分>
・アクリル系樹脂(1):n−ブチルアクリレート(BA)及びアクリル酸(AAc)に由来する構成単位を有するアクリル系共重合体(BA/AAc=90.0/10.0(質量比)、Mw=60万)を含む、固形分濃度33.6質量%の酢酸エチル溶液。
・アクリル系樹脂(2):n−ブチルアクリレート(BA)、メチルアクリレート(MA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)に由来する構成単位を有するアクリル系共重合体(BA/MA/ACMO/HEA=80.0/5.0/14.0/1.0(質量比)、Mw=100万)を含む、固形分濃度30質量%の酢酸エチル溶液。
・アクリル系樹脂(3):n−ブチルアクリレート(BA)、メチルメタクリレート(MMA)、酢酸ビニル(VAc)、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)に由来する構成単位を有するアクリル系共重合体(BA/MMA/VAc/HEA=80.0/10.0/9.0/1.0(質量比)、Mw=100万)を含む、固形分濃度15質量%の酢酸エチル溶液。
・PIB系樹脂(1):Mwが34万のポリイソブチレン系樹脂(BASF社製、製品名「オパノールB50」)。
・PIB系樹脂(2):Mwが20万のポリイソブチレン系樹脂(BASF社製、製品名「オパノールB30」)。
・ウレタン系樹脂:シリル化ウレタン樹脂(ポリオキシプロピレンジオール/N−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン/メチルアクリレート=96.0/2.5/1.5(質量比)、Mw=5万)を含む、固形分濃度70質量%の酢酸エチル溶液。
<各種添加剤>
・架橋剤(1):東ソー株式会社製、製品名「コロネートL」、イソシアネート系架橋剤、固形分濃度=75質量%。
・架橋剤(2):三井化学株式会社製、製品名「タケネートD−110N」、イソシアネート系架橋剤、固形分濃度=75質量%。
・粘着付与剤(1):荒川化学工業株式会社製、製品名「KE−359」、ロジン系樹脂、軟化点=94〜104℃。
・粘着付与剤(2):荒川化学工業株式会社製、製品名「アルコンP−125」、水素化石油樹脂、軟化点=125℃。
・粘着付与剤(3):ヤスハラケミカル株式会社製、製品名「YSポリスターNH125」、テルペンフェノール系樹脂、軟化点:130℃。
・硬化促進剤:マツモトファインケミカル株式会社製、製品名「オルガチックスTC−100」、チタンキレート系触媒。
・CNT:ナノシル社製、製品名「NC7000」、円筒状の多層カーボンナノチューブ。
Figure 0006589253
実施例1
(1)カーボンナノチューブフォレストの形成
キャリアガスとしてアルゴンガス、炭素源としてアセチレンを用いた3つの炉を備える熱CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、触媒化学気相成長法により、シリコンウエハ上に、カーボンナノチューブフォレストを形成した。なお、カーボンナノチューブフォレストの高さは300μmであった。
(2)単層CNTシートの作製
上記(1)で形成したカーボンナノチューブフォレストの端部をよじり、ピンセットで引き出すことにより、シート状のCNTシート(x)を作製した。
そして、CNTシート(x)を、パターン化された隆起構造を含む表面を有する構造体である金属メッシュ(開口サイズ:700μm×600μm、線幅:40μm、厚さ:50μm)に付着させた。
そして、金属メッシュに付着したCNTシート(x)に、イソプロピルアルコールをスプレーで噴射することにより、CNTシート(x)のうち、金属メッシュのパターン化された隆起構造に接していない領域に対して、バンドリング処理した。
以上の過程を経て、バンドリング処理を施したシート状の単層CNTシートを得た。
なお、得られた単層CNTシートは、複数のCNTが集合した繊維状物によって形成されており、複数の間隙を有し、表面内においてはCNTが一方向に優先的に整列した構造を有するものであった。
(3)粘着シートの作製
基材である、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の表面上に、製造例1で調製した粘着性組成物(I)を塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を乾燥させて、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。
そして、形成した粘着剤層の表面に、導電層として、上記(2)で形成したバンドリング処理を施した単層CNTシートを加圧圧着して貼り合わせ、さらに表出している導電層の表面と、剥離シートである、厚さ38μmのPETフィルムのシリコーン剥離処理した剥離処理面とを貼り合わせ、粘着シート(a)を作製した。
なお、導電層が有する複数の間隙は、粘着剤層の一部が充填され、粘着剤層が形成されていることを確認した。
実施例2
実施例1の上記(2)と同じ方法で、CNTシート(x)を別々に2枚作製した。そして、上述の金属メッシュに、作製したCNTシート(x)を2枚重ね合わせて付着させた。
次に、実施例1の上記(2)と同じ方法で、CNTシート(x)を2枚重ね合わせた状態でバンドリング処理を施し、二層CNTシートを得た。
なお、得られた二層CNTシートは、複数のCNTが集合した繊維状物によって形成されており、複数の間隙を有し、表面内においてはCNTが一方向に優先的に整列した構造を有するものであった。
そして、実施例1の上記(3)において、導電層として、この二層CNTシートを用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(b)を作製した。
実施例3
実施例1の上記(2)と同じ方法で、CNTシート(x)を別々に3枚作製した。そして、上述の金属メッシュに、作製したCNTシート(x)を3枚重ね合わせて付着させた。
次に、実施例1の上記(2)と同じ方法で、CNTシート(x)を3枚重ね合わせた状態でバンドリング処理を施し、三層CNTシートを得た。
なお、得られた三層CNTシートは、複数のCNTが集合した繊維状物によって形成されており、複数の間隙を有し、表面内においてはCNTが一方向に優先的に整列した構造を有するものであった。
そして、実施例1の上記(3)において、導電層として、この三層CNTシートを用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(c)を作製した。
実施例4
実施例1の上記(3)において、製造例2で調製した粘着性組成物(II)を用いて粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(d)を作製した。
実施例5
実施例1の上記(3)において、製造例3で調製した粘着性組成物(III)を用いて粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(e)を作製した。
実施例6
実施例1の上記(3)において、製造例4で調製した粘着性組成物(IV)を用いて粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(f)を作製した。
実施例7
実施例1の上記(3)において、製造例5で調製した粘着性組成物(V)を用いて粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(g)を作製した。
実施例8
実施例1の上記(3)において、製造例6で調製した粘着性組成物(VI)を用いて粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(h)を作製した。
実施例9
実施例1の上記(1)と同じ方法で形成したカーボンナノチューブフォレストの端部の一部をつまみ、幅5mmのカーボンナノチューブシート(以下、「CNTシート(y)」ともいう)を引き出した。このCNTシート(y)を直径5mmの金属製の輪に通して、CNTシート(y)を束ね、束ねたCNTシート(y)をゴムリング(内径:3cm、外径:4cm、断面形状:円)の内側面上に接触させ、ゴムリングを当該ゴムリングの円周方向に回転運動させて、束ねられたシートがゴムリング上を摺動するようにした。この摺動において発生する摩擦により、束ねられたCNTシート(y)が糸に撚られるようにした。そして、この状態で、CNTシート(y)を撚って形成した糸をボビンに巻き付けた。なお、カーボンナノチューブフォレストから当該糸の巻取りまでの工程は連続して行った。
次に、実施例1の上記(3)と同じ方法で得た、粘着剤層が形成された基材を、粘着剤層が外側を向くように、直径3cmのゴムロールの外側面にしわが生じないように巻きつけ、固定した。
そして、CNTシート(y)を撚って形成した糸を、上記のゴムロールに巻きつけた粘着剤層の端部付近に付着させた上で、糸を繰り出しながら、少しずつゴムロールの回転軸と平行な方向に等速移動させながら、糸が等間隔でらせんを描きながら、外側面に粘着剤層が固定されたゴムロールに巻きつくようにした。当該糸をゴムロールに巻きつけた後、当該ゴムロールの回転軸と平行に、巻きつけられた糸ごと基材及び粘着剤層を切断して、ゴムロールに巻きつけた基材を取り出し、基材上に形成された粘着剤層の表面に、さらにCNTからなる糸が等間隔で整列した導電層を形成した。なお、CNTから構成された糸の太さの平均値は10μmであり、当該糸の間隔の平均値は0.5mmであった。
さらに、導電層が形成された表面に、剥離シートである、厚さ38μmのPETフィルムのシリコーン剥離処理した剥離処理面とを貼り合わせ、粘着シート(i)を得た。
比較例1
導電層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(j)を作製した。
比較例2
銅をエッチングして形成した厚さ20μmの銅メッシュ(網目パターン:正方格子状、1つあたりの間隙の面積:0.4mm、網目の太さ:8μm)を導電層とした以外は、実施例1と同様にして、粘着シート(k)を作製した。
実施例及び比較例で作製した粘着シート(a)〜(k)及び各粘着シートが有する導電層の各種性状を測定又は評価した。当該結果を表2に示す。
Figure 0006589253
表2より、実施例1〜9で作製した粘着シート(a)〜(i)は、優れた粘着力を有すると共に、表面抵抗率が低く導電性に優れ、さらに耐変色性も良好であった。
一方、比較例1で作製した粘着シート(j)は、用いた低抵抗率計で測定可能範囲の上限値を超えてしまう程、表面抵抗率が高い結果であった。
また、比較例2で作製した粘着シート(k)は、導電層である銅メッシュが酸化し易く、粘着力の低下を引き起こすと共に、銅メッシュに変色が見られ、耐変色性も劣る結果となった。
1、2 粘着シート
3 電子部品貼付用アースラベル
11 基材
12、12a 粘着剤層
13 導電層
13a 間隙
15 電子部品(アース対象)
16 筺体(アース先)

Claims (8)

  1. 基材と、粘着性組成物から形成された粘着剤層と、がこの順で積層され、
    更に前記粘着剤層上に、カーボンナノチューブを含む材料から形成され、且つ複数の間隙を有する導電層が積層した構成を有し、
    前記導電層側の表面を被着体に貼付して測定した粘着力が4.5N/25mm以上であり、
    前記導電層の表面内において、カーボンナノチューブが一方向に優先的に整列した構造を有する、粘着シート。
  2. 前記導電層が有する複数の間隙に、前記粘着剤層が形成された構成を有する、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記導電層が、複数のカーボンナノチューブが集合した繊維状物によって形成された層である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 前記繊維状物の太さの平均が1〜300μmである、請求項に記載の粘着シート。
  5. 前記導電層の全光線透過率が70〜100%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記粘着性組成物の酸価が6.0mgKOH/g以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シート。
  7. 前記基材の前記粘着剤層側の面とは反対側に、印刷又は印字が可能な表面を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シート。
  8. 電子部品貼付用アースラベルとして用いる、請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シート。
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