JPH1046115A - アクリル系粘着テープ又はシート - Google Patents

アクリル系粘着テープ又はシート

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JPH1046115A
JPH1046115A JP9129531A JP12953197A JPH1046115A JP H1046115 A JPH1046115 A JP H1046115A JP 9129531 A JP9129531 A JP 9129531A JP 12953197 A JP12953197 A JP 12953197A JP H1046115 A JPH1046115 A JP H1046115A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
adhesive layer
adhesive tape
sheet
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JP9129531A
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English (en)
Inventor
Shinji Terachi
信治 寺地
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温から高温の粘着特性に優れ、特に低極性
被着体であるポリオレフィンに対する剥離力の速度依存
性を低減すること、すなわち、低速度領域での剥離力の
低下が小さいアクリル系粘着テープ又はシートを提供す
る。 【解決手段】 基材の一面に、アクリル系共重合体を主
成分とし2層以上の多層構造からなる粘着剤層が形成さ
れた粘着テープ又はシートであって、前記多層構造から
なる粘着剤層のうち、表層側に位置する粘着剤層は、そ
の内側に位置する粘着剤層より低極性被着体への親和性
が高いアクリル系粘着テープ又はシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系粘着テ
ープ又はシートに関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系共重合体は、それ自体に粘着
特性を有し、粘着付与樹脂を添加しなくとも感圧性接着
剤となりうるが、ポリエチレンやポリプロピレン等の低
極性を有する被着体表面に対しては剥離力が低い。この
ため、他の粘着剤と同様に粘着付与樹脂を添加して低極
性被着体に対する極性を向上させる検討が試みられてい
る(例えば、特公平3−281587号公報)。しかし
ながら、アクリル系共重合体に粘着付与樹脂を添加する
とJIS剥離試験における剥離速度での剥離力の向上は
認められるが、それ以下の剥離速度における剥離力はア
クリル系共重合体のみの場合と同様で、急激に低下して
しまい、速度依存性の改善には至っておらず、低速度領
域、高速度領域共に高い剥離力を発現させることは困難
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、常
温から高温の粘着特性に優れ、特に低極性被着体である
ポリオレフィンに対する剥離力の速度依存性を低減する
こと、すなわち、低速度領域での剥離力の低下が小さい
アクリル系粘着テープ又はシートを提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリル系粘着
テープ又はシートは、基材の一面に、アクリル系共重合
体を主成分とし2層以上の多層構造からなる粘着剤層が
形成されてなる。粘着剤層を2層以上の積層体で構成す
ることにより、表面側第1層目と表面側第2層目以降と
で異なる性質を各々の粘着剤層部分が担うことが可能と
なる。
【0005】上記多層構造からなる粘着剤層のうち、表
層側に位置する粘着剤層は、その内側に位置する粘着剤
層より低極性被着体への親和性が高いものを使用するこ
とにより、低速度領域での剥離力は、表面側第1層目の
粘着剤層が担い、高速度領域での剥離力は、表面側第2
層目以降の粘着剤層が担うことになる。本発明において
は、表層側に位置する粘着剤層が、その内側に位置する
粘着剤層より低極性被着体への親和性が高いものを使用
していれば、粘着剤層全体の構成としては、幾層で構成
されても良い。
【0006】上記機能を発現させるためには、上記表面
側第1層目の粘着剤層が比較的薄層であることが好まし
い。好ましくは、全粘着剤層の2/5以下、より好まし
くは、1/3以下、更に好ましくは、1/5以下であ
る。上記表面側第1層目の粘着剤層がこの比率より厚い
と、表面側第1層目と表面側第2層目以降の粘着剤層と
が分担するそれぞれの機能が発現しにくくなり、単一層
で構成した粘着剤層との差がなくなり多層構造にする意
味が低下する。
【0007】上記粘着剤層の全体厚としては特に限定さ
れず、粘着テープの使い易さという点から、好ましく
は、5〜500μm、より好ましくは、10〜100μ
mである。また、表面側第1層目の粘着剤層厚みとして
は、2〜200μmが好ましく、より好ましくは、3〜
30μmである。
【0008】上記低極性被着体としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の樹脂
材料等が挙げられる。
【0009】本明細書において、「高速度領域」とは、
JIS Z 0237に基づく剥離試験で測定する剥離
速度300mm/min付近のことをいい、また、「低
速度領域」とは、300mm/minより低い速度のこ
とをいう。
【0010】本発明に用いられる粘着剤は、アクリル系
共重合体を主成分とする。上記アクリル系共重合体は、
アルキル(メタ)アクリレートを主成分とする。上記ア
ルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基の炭素数が
2〜12のものが好ましく、より好ましくは、4〜9の
ものである。このようなものとしては、例えば、エチル
アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、ter−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、(メ
タ)ラウリルアクリレート、(メタ)イソミリスチルア
クリレート等が挙げられ、これらは単独でも2種以上併
用して用いてもよい。
【0011】本発明においては、上記アルキル(メタ)
アクリレート以外に、水酸基を有するビニルモノマー、
カルボキシル基を有するビニルモノマー、高極性基を有
するビニルモノマー等が共重合されても良い。上記水酸
基を有するビニルモノマーとしては特に限定されず、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変
性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンオキシド
変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記水酸基
を有するビニルモノマーの配合量は、少なくなると架橋
度が小さくなり、充分なクリープ特性が得られにくくな
り、多くなると初期粘着力が低下するので、アクリル系
共重合体を構成するモノマー全体量に対して、0.05
〜1重量%が好ましい。
【0012】上記カルボキシル基を有するビニルモノマ
ーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フター
ル酸等が挙げられる。上記カルボキシル基を有するビニ
ルモノマーの配合量は、少なくなると架橋度が小さくな
り、充分なクリープ特性が得られにくくなり、多くなる
と初期粘着力が低下するので、アクリル系共重合体を構
成するモノマー全体量に対して、0.5〜10重量%が
好ましく、より好ましくは、1〜5重量%である。
【0013】上記高極性基を有するビニルモノマーとし
ては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロニトリ
ル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノプロピルエステ
ル、ジメチルアミノ酢酸ビニル等が挙げられる。上記高
極性基を有するビニルモノマーの配合量は、多くなると
凝集力が高くなり過ぎて、被着体の凹凸面上への接着性
が低下するので、アクリル系共重合体を構成するモノマ
ー全体量に対して、0.5〜30重量%が好ましい。
【0014】本発明において、表層側に位置する粘着剤
層は、その内側に位置する粘着剤層より低極性被着体へ
の親和性が高いものを用いる。上記低極性被着体への親
和性が高いものとは、単一粘着剤層50μm、厚み38
μmのポリエステル基材からなる粘着テープ20mm×
20mmについて、低極性被着体に対する90°方向の
定荷重剥離保持力を、温度80℃、荷重30gにおいて
測定し、10分間で落下しないものをいい、落下しなか
ったもの同士の比較では剥がれが小さいものの方が親和
性が高い。
【0015】上記低極性被着体への親和性を高くした粘
着剤層としては、上記アクリル系共重合体に、軟化点1
20〜160℃、水酸基価15〜80mg.KOH/
g、又は、軟化点90〜120℃、水酸基価25〜10
0mg.KOH/gの粘着付与樹脂と、粘着付与樹脂の
水酸基と反応可能な架橋剤とを主成分として含有させた
もの等が挙げられる。上記アクリル系共重合体に、上記
水酸基価が上記の範囲以外の粘着付与樹脂を配合した
り、粘着付与樹脂の水酸基と反応可能な架橋剤を配合せ
ずに粘着付与樹脂同士を架橋させなければ、低極性被着
体への親和性が低くなり、低極性被着体表面に対しての
低速剥離力が向上しない。
【0016】このような特性を有する粘着付与樹脂とし
ては、重合ロジンのエステル化合物が好ましい。上記重
合ロジンのエステル化合物とは、重合ロジン系化合物と
多価アルコールとのエステル化物である。上記重合ロジ
ン系化合物としては特に限定されず、例えば、重合ロジ
ンやロジンモノマー、不均化ロジン、水添ロジン、部分
不均化ロジン及びこれらの混合物を重合したもの等が挙
げられる。上記多価アルコールとしては特に限定され
ず、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、ペン
タエリスリトール等が挙げられる。また、水酸基を持た
ない粘着付与樹脂でも化学反応により水酸基を持たせた
ものでも良い。
【0017】上記粘着付与樹脂の添加量としては、少な
くなると低極性被着体表面に対しての剥離力が低下し、
多くなると初期接着力が低下するので、上記アクリル系
共重合体100重量部に対して、5〜40重量部が好ま
しい。
【0018】上記粘着付与樹脂の水酸基と反応可能な架
橋剤としては特に限定されず、例えば、芳香族ジイソシ
アネート化合物、脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化
合物、トリイソシアネート化合物、多官能のアルコキシ
シラン化合物、多官能のエポキシ化合物等が挙げられ、
これらから粘着付与樹脂の水酸基と反応可能なものを選
択することができる。
【0019】具体的には、トリレンジイソシアネート
(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート化合
物;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イ
ソホロンジイソシアネート(IDI)等の脂肪族又は脂
環式ジイソシアネート化合物;トリメチロールプロパン
のトリレンジイソシアネート3量体付加物、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェ
ニルメタン)トリイソシアネート等のトリイソシアネー
ト化合物;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
トリブトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙
げられる。
【0020】上記架橋剤の添加量としては、低極性被着
体への親和性が最も高くなる量を配合すればよい。これ
は、水酸基による粘着付与樹脂同士の架橋が全て完了す
る量に当たると考えられ、樹脂の水酸基価によって最適
添加量は変わる。
【0021】本発明の粘着テープ又はシートにおける各
層の粘着剤には、必要に応じて、更に、他の粘着付与樹
脂を併用しても良い。上記粘着付与樹脂としては特に限
定されず、例えば、C5系(脂肪族系)、C9系(芳香
族系)等の石油樹脂;α−ピネンやβ−ピネン重合体、
ジテルペン重合体、α−ピネン−フェノール共重合体等
のテルペン又はその誘導体等が用いられる。これらの粘
着付与樹脂は、軟化点が75℃以上のものが好ましく、
より好ましくは、軟化点が100〜170℃のものであ
る。
【0022】本発明の粘着テープ又はシートにおける各
層の粘着剤には、必要に応じて、凝集力を向上させる目
的で架橋剤が添加されても良い。上記架橋剤としては特
に限定されないが水酸基と反応可能なもの、カルボキシ
ル基と反応可能なもの、水酸基及びカルボキシル基の両
者と反応可能なもの等が好適に用いられる。上記水酸基
と反応可能なものとしては特に限定されず、上記に例示
したもの等が挙げられる。
【0023】上記カルボキシル基と反応可能な架橋剤と
しては特に限定されず、例えば、N−N′−ヘキサメチ
レン−1,6ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)、メチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプ
ロピオネート、ビスイソフロイル−1−(2−メチルア
ジリジン)、N−N′−ジフェニルメタン−4,4’−
ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロ
ールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プ
ロピオネート等のアジリジン化合物等が挙げられる。
【0024】上記水酸基及びカルボキシル基の両者と反
応可能な架橋剤としては特に限定されず、例えば、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジル
エーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパングリシジルエーテル、ジ
グリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,
N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミ
ン、1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサン等のエポキシ化合物等が挙げられ
る。
【0025】上記架橋剤の添加量としては、少なくなる
と充分な凝集力が得られにくくなり、多くなると凝集力
が高くなり過ぎて凹凸面等への接着性が得られにくくな
るので、上記アクリル系共重合体100重量部に対し
て、0.01〜10重量部が好ましい。また、架橋後の
ゲル分率としては、アクリル系共重合体に対して、20
〜50重量%であることが好ましい。また、上記アクリ
ル系共重合体の架橋剤は、親和性評価により低極性被着
体への高い親和性が発現することが確認されれば、アク
リル系共重合体の架橋だけでなく同時に粘着付与樹脂同
士を架橋させるためにも用いられても良い。
【0026】本発明の粘着テープ又はシートにおける各
層の粘着剤には、必要に応じて、更に、充填剤、顔料、
染料等が添加されても良い。
【0027】本発明の粘着テープ又はシートに用いられ
る基材としては、通常の粘着テープに使用されるもので
あれば特に限定されず、例えば、紙;不織布;ポリエス
テル、ポリオレフィン等の合成樹脂フィルム;ポリオレ
フィン、ポリウレタン、ポリクロロプレン、アクリル系
樹脂等の合成樹脂発泡体シート;アクリル系粘着剤自体
をシート状にした粘着シート等が挙げられる。
【0028】本発明の粘着テープ又はシートの製造方法
としては特に限定されず、例えば、上記基材の一面に、
通常使用されるロールコーター等の塗工機により直接各
層に該当する粘着剤を、1層ずつ塗布して積層するダイ
レクト塗工方法;一旦、剥離シート上に、各層に該当す
る粘着剤を、1層ずつ塗布して積層した積層体を形成
し、上記積層体を基材に貼り合わせる転写式塗布方法等
が挙げられる。
【0029】また、本発明の粘着テープ又はシートは、
基材の片面又は両面に上記粘着剤層を形成しても良い。
上記粘着シート上に形成した場合には、基材層を有しな
い所謂、ノンサポートタイプの粘着テープとなる。
【0030】本発明の粘着テープ又はシートは、アクリ
ル系共重合体を主成分とし2層以上の多層構造からな
り、表層側に位置する粘着剤層は、その内側に位置する
粘着剤層より低極性被着体への親和性が高い粘着剤層を
使用することにより、高速剥離領域の剥離力を変化させ
ることなく、低速剥離領域の剥離力の低下を小さくする
ことが可能となる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0032】実施例1〜6、比較例1〜8 (アクリル系共重合体の作成)n−ブチルアクリレート
94.9重量部、アクリル酸5重量部、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート0.1重量部及びラウリルメルカプ
タン0.05重量部を、酢酸エチル80重量部と共に、
撹拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入口を備えた五つ口フラスコ中に仕込み、攪拌溶解し
て均一混合物とした後、窒素ガスで約30分間パージし
て、モノマー溶液中に存在する酸素を除去した。その
後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換し、撹拌しなが
ら昇温し、これを70℃に保持してベンゾイルパーオキ
サイド0.03重量部を1重量部の酢酸エチルに溶解さ
せた溶液を、滴下ロートにより滴下した後、そのままの
温度で10時間重合反応させて、アクリル系共重合体の
溶液を得た。この共重合体の分子量をGPCにより測定
した。その結果、数平均分子量と重量平均分子量との比
(Mw/Mn)は3.45であった。
【0033】(アクリル系粘着剤の作成)表1に示した
配合組成に従って、アクリル系共重合体、粘着付与樹脂
1〜6及び架橋剤をトルエンで希釈しながら均一に混合
して、それぞれ粘着剤a〜fの溶液を得た。
【0034】なお、表1において、各成分の詳細は以下
の通りである。 粘着付与樹脂1:軟化点115℃、水酸基19mg.K
OH/gの不均化ロジンのペンタエリスリトールによる
エステル化物;荒川化学工業社製、商品名「スーパーエ
ステルA115」。
【0035】粘着付与樹脂2:軟化点125℃、水酸基
18mg.KOH/gの不均化ロジンのペンタエリスリ
トールによるエステル化物;荒川化学工業社製、商品名
「スーパーエステルA125」。
【0036】粘着付与樹脂3:軟化点110℃、水酸基
7mg.KOH/gの不均化ロジンのペンタエリスリト
ールによるエステル化物。
【0037】粘着付与樹脂4:軟化点105℃、水酸基
27mg.KOH/gの不均化ロジンのペンタエリスリ
トールによるエステル化物。
【0038】粘着付与樹脂5:軟化点100℃、水酸基
55mg.KOH/gの不均化ロジンのペンタエリスリ
トールによるエステル化物。
【0039】粘着付与樹脂6:軟化点125℃、水酸基
31mg.KOH/gの重合ロジンのペンタエリスリト
ールによるエステル化物;荒川化学工業社製、商品名
「ペンセルD125」。
【0040】架橋剤:トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート付加物の酢酸エチル溶液;日本ポリ
ウレタン工業社製、商品名「コロネートL55E」、固
形分55重量%。
【0041】
【表1】
【0042】(アクリル系粘着テープの作成)上記で得
られた粘着剤a〜f溶液を用いて、表2、表3に示した
構成のアクリル系粘着テープを作成した。先ず、第2層
目用粘着剤(以下、「バルク層粘着剤という」)を、表
面にコロナ処理を施した38μm厚みのポリエチレンテ
レフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」とい
う)上に45μm厚みを形成させた。一方、表層用粘着
剤(以下、「表層粘着剤」という)は、表面に離型処理
を施した38μm厚みのPETフィルム上に5μm厚み
を形成させた。
【0043】次いで、上記PETフィルム上に形成させ
たバルク層粘着剤面側に、上記PETフィルム上に形成
させた表層粘着剤を貼り合わせて転写、積層することに
より、表層粘着剤−バルク層粘着剤−PETフィルムか
らなる全厚50μmの2層型粘着剤層を有する粘着テー
プを得た(実施例1〜6、比較例1〜8)。
【0044】さらに、低極性被着体への親和性を評価す
るため、上記各粘着剤a〜fの単独層を有する50μm
の粘着剤層を表面コロナ処理が施された38μm厚みの
PETフィルム上に形成させた1層型粘着テープを作成
した。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】粘着テープの評価方法 (低極性被着体への親和性評価)上記により得られた1
層型粘着テープを、幅20mm、長さ100mmに裁断
し、これをポリプロピレン板に接着長さ20mmで貼り
合わせ、23℃の雰囲気下に20分間放置し、次いで、
上記粘着テープを下側にして試験片の両端を固定し、水
平に置かれた状態で80℃の恒温乾燥機中に20分間放
置した後、粘着テープの接着されていない方の端部に3
0gの荷重を90°角度方向にかけて、10分以内に落
下するか否か、また、落下しなかったものについてはそ
の剥がれ長さを測定した。その結果、落下したものには
×を、落下しなかったものにはその剥がれ長さを評価し
た。結果を表4に示した。表4の結果から粘着剤b、粘
着剤fは、ともに親和性評価が同等であった。
【0048】(対ポリプロピレン被着体への粘着力評
価)得られた2層型粘着テープを、ポリプロピレン板に
20mm幅で2kgゴムローラー1往復の荷重にて貼り
合わせ、23℃で20分間放置した後、23℃、40
℃、60℃及び80℃で各々30分経過後に90℃方向
のピール試験により剥離力を測定した。このときの剥離
速度は、1×10-2〜5×100mm/secの範囲で
6点測定し、ここで得られた剥離力の温度・速度依存性
測定結果をもとに、速度−温度換算測に従って、60℃
を基準としたマスターカーブを得、これから剥離速度1
×101 mm/sec、5×10-3mm/secの剥離
力を算定した。結果を表5、表6に示した。
【0049】(対SUSの保持力の評価)JIS Z
0237に準拠し、幅20mm、長さ100mmに裁断
した両面粘着テープを厚さ1.5 mm、幅25mm、長
さ100mmのSUS304板に接着長さ20mmで、
2kgゴムロール1往復の荷重にて貼り合わせ、23℃
−65%RH雰囲気下に20分間放置した後、80℃雰
囲気下に20分間放置させ、両面粘着テープの下端に1
kgの荷重をかけて垂直に放置し、1時間以内の落下時
間(分)又は1時間後のズレ距離(mm)を測定した。
結果を表5、表6に示した。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【発明の効果】本発明の粘着テープは、上述の通り、粘
着剤層がアクリル系共重合体を主成分とする2層以上の
積層構造を有し、表面側第1層目を低極性被着体への親
和性を高くさせることにより、JISに沿った剥離速度
領域(300mm/min付近)より低速の速度領域の
剥離力を向上させ、剥離力の剥離速度依存性において低
速領域の剥離力低下が小さい。その結果、常温から高温
の粘着特性に優れたまま、低極性被着体に対する剥離力
の速度依存性を低減させることが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一面に、アクリル系共重合体を主
    成分とし2層以上の多層構造からなる粘着剤層が形成さ
    れた粘着テープ又はシートであって、前記多層構造から
    なる粘着剤層のうち、表層側に位置する粘着剤層は、そ
    の内側に位置する粘着剤層より低極性被着体への親和性
    が高いことを特徴とするアクリル系粘着テープ又はシー
    ト。
  2. 【請求項2】 表層側に位置する粘着剤層が、重合ロジ
    ンのエステル化合物である粘着付与樹脂と、水酸基と反
    応可能な架橋剤とを主成分として含有してなるものであ
    る請求項1記載のアクリル系粘着テープ又はシート。
JP9129531A 1996-05-29 1997-05-20 アクリル系粘着テープ又はシート Pending JPH1046115A (ja)

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JP9129531A JPH1046115A (ja) 1996-05-29 1997-05-20 アクリル系粘着テープ又はシート

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13512796 1996-05-29
JP8-135127 1996-05-29
JP9129531A JPH1046115A (ja) 1996-05-29 1997-05-20 アクリル系粘着テープ又はシート

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JPH1046115A true JPH1046115A (ja) 1998-02-17

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167562A (ja) * 2000-12-01 2002-06-11 Fujicopian Co Ltd 転写式感圧接着テープ
JP2002188062A (ja) * 2000-12-21 2002-07-05 Fujicopian Co Ltd 転写式感圧接着テープ
KR200457909Y1 (ko) * 2009-12-11 2012-01-12 (주)리가테크 점착시트
JP2017066211A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 リンテック株式会社 粘着シートの製造方法、及び粘着シート

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