JP6588174B1 - セラミックと導体の複合体の製造方法 - Google Patents

セラミックと導体の複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】以下の三つの特性を兼備するセラミックと導体の複合体の製造方法を提供する。(1)導体の導電性に優れている。(2)セラミックと導体の複合体の生産性向上に寄与する。(3)セラミックと導体の間の密着性に優れている複合体の製造に好適である。【解決手段】BET比表面積が1.0〜10.0m2/gであって、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である第1の銅粉と、前記第1の銅粉よりBET比表面積が小さい第2の銅粉と、バインダー樹脂と、分散媒とを含む導電性組成物をセラミック基板に塗布するステップと、前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気において、ピーク温度を400〜700℃として焼成するステップと、を備えるセラミックと導体の複合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本開示はセラミックと導体の複合体の製造方法に関する。
従来、セラミック基板の表面に電極又は回路を形成する場合など、セラミックと導体の複合体を製造するための導電性材料として、Ag、Cu、Ni又はPtなどの金属粒子と低軟化点のガラス粉末とを有機ビヒクル中に混合した導電性組成物が一般的に知られている。セラミックと導体の複合体を製造する方法として、グリーンシートを焼成してセラミック基板を製造した後に、セラミック基板上に導電性組成物を塗布して焼成する方法(ポストファイア法)が知られている。
このような導電性組成物には焼成後においてセラミック基板との優れた密着性が要求される。そこで、例えば、特開2006−73836号公報(特許文献1)は、セラミック素体との密着力を向上させるために、松脂から取れるロジン又はテルペン油重合樹脂を含むセラミック電子部品用導電性組成物を開示している。
また、特開2004−311605号公報(特許文献2)は、積層セラミックコンデンサの外部電極の緻密性向上と、外部電極と内部電極との電気的な接合性の向上を目的として、当該外部電極の焼成ピーク温度に達した後に雰囲気中に水蒸気を導入する技術を開示している。
特開2006−73836号公報 特開2004−311605号公報
セラミックと導体の複合体を工業的に生産する場合、両者間の密着力が高いことはもちろん重要な特性であるが、それのみならず、導体の高い導電性、及び、高い生産性をも更に兼備することが望ましい。
そこで、一側面における本開示の目的は、以下の三つの特性を兼備するセラミックと導体の複合体の製造方法を提供することである。
(1)導体の導電性に優れている。
(2)セラミックと導体の複合体の生産性向上に寄与する。
(3)セラミックと導体の間の密着性に優れている複合体の製造に好適である。
本発明者は上記課題を解決するためにまず、セラミック基板上に銅粉を含有する導電性組成物を塗布して焼成するポストファイア法を用いてセラミックと導体の複合体を製造する場合の生産性向上について検討した。導電性組成物を高温で焼結すると、セラミック基板に過度な応力が働き、セラミック基板が変形してしまう。そのため、ポストファイア法では、導電性組成物を低温で焼結することが好ましい。これにより、セラミック基板の変形を抑制することができる。加えて、焼成ピーク温度が低ければ、焼成後の冷却過程で生じるセラミックの収縮量と、銅の収縮量との差を小さくすることができる。換言すれば、銅とセラミックとの剥離(デラミネーション)を抑制でき、これらの密着力を向上させることができる。一方で、焼成温度が低いと焼成が不十分となるため、セラミックと導体の間の密着性が低下しやすいという問題が生じる。
そこで、本発明者は、導電性組成物が低温でも十分に焼結するのに有効な手法を鋭意検討したところ、水蒸気を含有する非酸化性雰囲気で焼成を行うことによって、焼成ピーク温度を低下させることが出来ることを見出した。これは、加熱水蒸気の被焼成物への浸透作用が大きいことに起因するものと推定される。また、本発明者は、「BET比表面積が1.0〜10.0m2/gであって、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である第1の銅粉と、前記第1の銅粉よりBET比表面積が小さい第2の銅粉とを含む導電性組成物」を用いることによって、低い焼成温度でも導体とセラミックの間の密着性に優れる複合体を製造できることを見出した。
本発明は上記知見に基づいて完成したものであり、以下に例示される。
(1)
BET比表面積が1.0〜10.0m2/gであって、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である第1の銅粉と、前記第1の銅粉よりBET比表面積が小さい第2の銅粉と、バインダー樹脂と、分散媒とを含む導電性組成物をセラミック基板に塗布するステップと、
前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気において、ピーク温度を400〜700℃として焼成するステップと、
を備えるセラミックと導体の複合体の製造方法。
(2)
前記導電性組成物はガラスフリットを含む(1)に記載の製造方法。
(3)
前記非酸化性雰囲気は不活性雰囲気である(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)
前記焼成するステップは、昇温時、100℃からピーク温度に到達するまでは少なくとも、前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気で行う(1)〜(3)の何れか一項に記載の製造方法。
(5)
前記焼成するステップは、
前記ピーク温度まで0.1〜10℃/minで昇温させるステップと、
前記ピーク温度で1〜180分間維持するステップと、
を含む(1)〜(4)の何れか一項に記載の製造方法。
(6)
第1の銅粉及び第2の銅粉の合計質量に対する第1の銅粉の質量比率が50%以上である(1)〜(5)の何れか一項に記載の製造方法。
(7)
第2の銅粉のBET比表面積は0.1m2/g以上である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(8)
(1)〜(7)の何れか一項に記載の製造方法を使用してセラミックと導体の複合体を得る工程を含む積層セラミックコンデンサーの製造方法。
(11)
(1)〜(7)の何れか一項に記載の製造方法を使用してセラミックと導体の複合体を得る工程を含むセラミック回路基板の製造方法。
本開示に係るセラミックと導体の複合体の製造方法の一実施形態によれば、導体の導電性に優れる複合体が得られる。また、本開示に係るセラミックと導体の複合体の製造方法の一実施形態によれば、低温焼成が可能となるため、生産性が向上する。また、本開示に係るセラミックと導体の複合体の製造方法一実施形態によれば、セラミックと導体の間の密着性に優れている複合体を製造可能である。
以下に本開示を、実施形態を挙げて詳細に説明する。本開示は以下に挙げる具体的な実施形態に限定されるものではない。
[導電性組成物]
本開示に係る導電性組成物は一実施形態において、BET比表面積が1.0〜10.0m2/gであって、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である第1の銅粉と、前記第1の銅粉よりBET比表面積が小さい第2の銅粉と、バインダー樹脂と、分散媒とを含む。導電性組成物は、これらの各種成分を混練することで作製可能である。混練は公知の手段を使用して行うことができる。導電性組成物は一実施形態において、ペーストとして提供される。本開示に係る導電性組成物を使用して、セラミックと導体の複合体を製造することができる。
[複合体の製造]
本開示に係るセラミックと導体の複合体の製造方法は一実施形態において、導電性組成物をセラミック基板に塗布するステップと、前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気において、ピーク温度を400〜700℃として焼成するステップとを備える。
塗布方法としては、特に制限はないが、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット法、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷及びフレキソ印刷等の印刷法の他、ディッピング及びスプレー等が挙げられる。
焼成は、水蒸気を含有する非酸化性雰囲気で行うことによって、焼成ピーク温度を低下させることが出来る。被焼成物への熱の浸透力を高めて低温での焼結を促進するという理由により、焼成は好ましくは0.02atm以上の水蒸気分圧で実施する。但し、水蒸気分圧が高くなり過ぎると焼結過程で水分が焼成体中に取り込まれ、界面近傍に取り込まれた水分が原因で、セラミックと導体が剥離し易くなることから、焼成は好ましくは0.15atm以下、より好ましくは0.1atm以下の水蒸気分圧で実施する。
焼成時のピーク温度が低い方が昇温及び降温に要する時間が節約され、生産性が向上する。また、焼成時のピーク温度が低い方が、降温過程でのセラミックと導体の熱収縮差に起因するデラミネーションを抑制できるので、セラミックと導体の密着性の低下防止に有利である。また、低融点素材(例えば、ガラス)を含むようなセラミック基板の場合、焼成温度が高すぎるとセラミック基板が変形してしまい、複合体の平坦度が担保できない。従って、焼成時のピーク温度は、700℃以下であることが好ましく、550℃以下であることがより好ましい。但し、水蒸気雰囲気での焼成であっても、焼成時のピーク温度が低過ぎると、銅紛の焼結が不十分となり、セラミックと導体の密着性が不十分となりやすい。そこで、焼成時のピーク温度は、400℃以上であることが好ましく、450℃以上であることがより好ましい。
好ましい実施の態様においては、前記焼成するステップは、
前記ピーク温度まで0.1〜10℃/min、より好ましくは0.3〜2.0℃/minで昇温させるステップと、
前記ピーク温度で1〜180分間、より好ましくは10〜120分間維持するステップと、
を含む。
ピーク温度までの昇温速度を上記範囲とすることによってバインダー樹脂をはじめとした導電性組成物中の有機物の燃焼、分解が銅粉の焼結前に確実に起こるので低抵抗な導体が得られること、また、有機物の燃焼、分解が徐々に進行するのでクラックが少ない導体が得られるという利点が得られる。ピーク温度で維持する時間を上記範囲とすることによって銅粉間の焼結が促進されて低抵抗な導体が得られるという利点が得られる。なお、ピーク温度で維持する時間は、実質的にピーク温度と等しい焼成温度が保持される時間を指し、ピーク温度と完全に一致する温度で維持することまでは要求されない。具体的には、本開示においてピーク温度で維持する時間とは、ピーク温度よりも20℃低い温度からピーク温度までの温度範囲が維持される時間を指す。
ピーク温度における焼成を非酸化性雰囲気において実施することで、銅紛が酸化するのを防止することができる。また、非酸化性雰囲気として還元性雰囲気を採用することで、銅紛が酸化していたとしても還元することができる。従って、ピーク温度に達する前には酸化性雰囲気で焼成を行ってもよい。例えば、ポストファイア法において、従来は、酸化性雰囲気から還元性雰囲気への切り替えを含む2段階以上で焼成を行うことが通常であった。本開示においても、例えば、第1段階として、導電性組成物に含まれるバインダー樹脂を燃焼させるために大気雰囲気で200〜500℃程度で焼成した後に、第2段階として、第1段階で酸化された銅を還元性雰囲気で第1段階よりも高温側で焼成することで還元することができる。
しかしながら、第2段階では還元性ガスとして水素を使うと、防爆対策が必要になるというデメリットがある。そこで、本開示に係るセラミックと導体の複合体の製造方法の一実施形態においては、ピーク温度における焼成を不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、又はアルゴン等の希ガス雰囲気)で行う。本実施形態によれば、防爆対策が不必要となり、安全性、生産性、生産コストの面で有利になる。
また、本開示に係るセラミックと導体の複合体の製造方法の一実施形態においては、前記焼成するステップは、昇温時、100℃からピーク温度に到達するまでは少なくとも、前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気で行う。上述のように、ポストファイア法は従来、2段階で焼成を行うのが通常であったが、本実施形態によれば、バインダー樹脂の分解も水蒸気雰囲気で行うため、1段階の焼成でセラミックと導体の複合体を製造することができる。そのため、生産性、生産コストの面で有利になる。水蒸気分圧の好ましい範囲はピーク温度での焼成時と同様である。
本開示に係る導電性組成物を焼成して得られる焼結体は導体であることから、例えば、電極又は回路として使用され得る。例えば、積層セラミックコンデンサーは、スクリーン印刷法等によりセラミック基板上に電極層用の導電性組成物を塗布した後、焼成工程を経て製造可能である。この場合、導電性組成物の焼結体は、積層セラミックコンデンサーの内部電極として使用される。同様に、セラミック回路基板は、スクリーン印刷法等によりセラミック基板上に回路形成用の導電性組成物を塗布した後、焼成工程を経て製造可能である。
[銅粉]
銅粉には、銅粉には純銅粉及び銅合金粉(特にCu含有量が80質量%以上の銅合金粉)が含まれる。
銅粉としては、BET比表面積の大きな(サイズの小さな)第1の銅粉と、それよりもBET比表面積の小さな(サイズの大きな)第2の銅紛が使用される。これにより、第1の銅粉が第2の銅紛の間に入り込むことで空隙が少なくなり、焼結後に緻密な導体が得られる。これにより、セラミック基板との密着性が向上すると共に、導体の導電性も向上する。第1の銅粉の比表面積をA1、第2の銅紛の比表面積をA2とすると、A2/A1は小さい方が第1銅粉が第2の銅紛の間に入り込みやすくなることから、A2/A1≦0.15であることが好ましく、A2/A1≦0.1であることがより好ましく、A2/A1≦0.08であることが更により好ましい。但し、A2/A1が過度に小さくなると第2の銅粉の実質的なサイズが大きくなることに起因して、導電性組成物をセラミック基板へ塗布した時に塗膜が粗くなってしまい、セラミックと導体の界面に空隙ができる結果、両者間の密着性が低下しやすくなることから、0.02≦A2/A1であることが好ましく、0.03≦A2/A1であることがより好ましく、0.04≦A2/A1であることが更により好ましい。BET比表面積は、銅粉を真空中で200℃、5時間脱気した後にJIS Z 8830:2013に準拠して測定される。
第1の銅紛のBET比表面積は、好ましくは1.0〜10.0m2/gであり、より好ましくは1.5〜5m2/gであり、更により好ましくは2〜4m2/gである。第1の銅紛のBET比表面積が1.0m2/g以上であることによって、400〜700℃という低温での焼結が促進される。サイズが小さい、すなわち表面積が大きく焼結開始温度が低い第1の銅粉を起点として焼結させることができれば、第2の銅粉の焼結はある程度不十分でも構わない。第1の銅粉が十分に焼結すれば、銅−セラミック間の空隙は抑制され、銅−セラミック間の密着力が向上すると共に、比抵抗も低くできる。第1の銅紛のBET比表面積は、特段の上限は設定されないが、過度にBET比表面積が大きな銅紛は製造の難易度が高くなり、コスト高となることから、10.0m2/g以下とすることが好ましい。
第2の銅紛のBET比表面積が過度に小さくなると、導電性組成物をセラミック基板へ塗布した時に塗膜が粗くなってしまい、セラミックと導体の界面に空隙ができる結果、両者間の密着性が低下しやすくなることから、好ましくは0.1m2/g以上であり、より好ましくは0.2m2/g以上である。
第1の銅粉の分散性は高い方が、第1の銅紛が第2の銅紛の隙間に入り込みやすい。このため、第1の銅粉の分散性の指標である固めかさ密度は低い方が好ましい。具体的には、第1の銅粉の固めかさ密度は、3.0g/cm3以下であることが好ましく、2.5g/cm3以下であることがより好ましい。但し、銅粉の固めかさ密度は、低すぎると銅粉のかさが大きくなり導電性組成物調整時の取扱いが困難であることから、1.0g/cm3以上であることが好ましく、1.5g/cm3以上であることがより好ましい。固めかさ密度は、例えば、銅粉をpH8〜14のアルカリ水溶液と接触させるpH処理工程を行うことで解砕性が向上し、低くすることができる。
固めかさ密度は以下の手順で測定される。直径2cmの10ccのカップにガイドを取り付けて10ccを超える粉を入れ、タッピングを1000回行う。次いで、ガイドを残して、10ccの容積を上回っている部分を摺り切り、この状態でカップに入っている粉の重量及びカップの容積(10cc)に基づいて求めた密度が固めかさ密度である。固めかさ密度は、例えば、パウダテスタPT−X(ホソカワミクロン社)を用いて測定可能である。
第1の銅粉及び第2の銅粉の合計質量に対する第1の銅粉の質量比率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更により好ましい。サイズの小さな第1の銅粉の配合割合を大きくすることで、導電性組成物をセラミック基板へ塗布した時に塗膜が粗くなるのを防止することができる。但し、第1の銅粉及び第2の銅粉の合計質量に対する第1の銅粉の質量比率は、大きくし過ぎると導体中の空隙が増加して導体の導電性が低下しやすいことから、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることが更により好ましい。
導電性組成物中の銅粉濃度(すなわち、第1の銅粉及び第2の銅粉の合計濃度)は、セラミック基板へ導電性組成物を塗布したときに流動性が高くなり過ぎて塗布パターンに滲みが生じないようにするため、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。また、導電性組成物中の銅粉の濃度は、セラミック基板へ導電性組成物を塗布したときに金属粉が凝集して塗膜粗さが大きくなるのを防止するという観点からは、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
銅粉は、乾式法によって製造された銅粉、湿式法によって製造された銅粉のいずれも使用することができる。湿式法による銅粉の好適な製造方法を例示的に説明する。当該製造方法は、亜酸化銅粉スラリーに分散剤(例えば、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲンペプチド、界面活性剤等)を添加する工程と、その後にスラリーに希硫酸を5秒以内に一度に添加して不均化反応を行う工程とを含む。好適な実施の態様において、上記スラリーは、室温(20〜25℃)以下に保持するとともに、同様に室温以下に保持した希硫酸を添加して、不均化反応を行うことができる。分散剤の添加量及び希硫酸の添加速度等によって銅粉のBET比表面積(サイズ、固めかさ密度)を制御可能である。一例として、アラビアゴム等の有機物の量が多いとBET比表面積は大きくなり、希硫酸の添加速度が速いとBET比表面積は大きくなる傾向にある。好適な実施の態様において、希硫酸の添加は、スラリーがpH2.5以下、好ましくはpH2.0以下、更に好ましくはpH1.5以下となるように、添加することができる。好適な実施の態様において、スラリーへの希硫酸の添加は、5分以内、好ましくは1分以内、更に好ましくは30秒以内、更に好ましくは10秒以内、更に好ましくは5秒以内となるように、添加することができる。好適な実施の態様において、上記不均化反応は10分以内、例えば、スラリーへの希硫酸の添加が瞬間的に行われる場合は、5秒以内で終了するものとすることができる。好適な実施の態様において、希硫酸添加前の上記スラリー中のアラビアゴム等の分散剤の濃度は、0.2〜1.2g/Lとすることができる。この不均化反応の原理は次のようなものである:
Cu2O+H2SO4 → Cu↓+CuSO4+H2
この不均化によって得られた銅粉は、所望により、洗浄、防錆、ろ過、乾燥、解砕、分級を行うことができる。
導電性組成物中には、銅紛以外の金属粉、例えば、Pt粉、Pd粉、Ag粉及びNi粉よりなる群から選択される一種又は二種以上の金属粉を配合することができる。Pt粉には純Pt粉及びPt合金粉(特にPt含有量が80質量%以上のPt合金粉)が含まれ、Pd粉には純Pd粉及びPd合金粉(特にPd含有量が80質量%以上のPd合金粉)が含まれ、Ag粉には純Ag粉及びAg合金粉(特にAg含有量が80質量%以上のAg合金粉)が含まれ、Ni粉には純Ni粉及びNi合金粉(特にNi含有量が80質量%以上のNi合金粉)が含まれる。しかしながら、通常は、金属粉中の銅紛の質量割合は90%以上であり、典型的には95%以上であり、より典型的には99%以上である。
ある実施の態様において、銅粉に表面処理を行ってもよい。このような表面処理として、例えば、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等の有機防錆剤による防錆処理を挙げることができる。したがって、本発明の目的を失わない限度内で、当業者はそのような公知の表面処理を、所望により行うことができる。すなわち、本開示に係る表面処理された金属粉の表面に、本発明の目的を失わない限度内で、更に表面処理を行って得られた金属粉もまた、本開示の範囲内である。
[バインダー樹脂]
導電性組成物に使用されるバインダー樹脂としては、例えばセルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール、ケトン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンを挙げることができる。バインダー樹脂は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電性組成物中のバインダー樹脂は、銅粉の質量に対して例えば0.1〜10%の比率、好ましくは1〜8%の比率となるように含有させることができる。バインダー樹脂の配合割合を当該範囲とすることで、導電性組成物の構造安定性、均一塗布性を高めることができる。
[分散媒]
導電性組成物に使用される分散媒としては、例えばアルコール溶剤(例えばテルピネオール、ジヒドロテルピネオール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、テルピネルオキシエタノール、ジヒドロテルピネルオキシエタノールからなる群から選択された1種以上)、グリコールエーテル溶剤(例えばブチルカルビトール)、アセテート溶剤(例えばブチルカルビトールアセテート、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロカルビトールアセテート、カルビトールアセテート、リナリールアセテート、ターピニルアセテートからなる群から選択された1種以上)、ケトン溶剤(例えばメチルエチルケトン)、炭化水素溶剤(例えばトルエン、シクロヘキサンからなる群から選択された1種以上)、セロソルブ類(例えばエチルセロソルブ、ブチルセロソルブからなる群から選択された1種以上)、ジエチルフタレート、またはプロピネオート系溶剤(例えばジヒドロターピニルプロピネオート、ジヒドロカルビルプロピネオート、イソボニルプロピネオートからなる群から選択された1種以上)を挙げることができる。分散媒は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば10〜400%の比率となるように分散媒を含有させることができる。
[その他の添加剤]
本開示に係る導電性組成物には、ガラスフリット、分散剤、増粘剤及び消泡剤等の公知の添加剤を適宜含有することができる。
ガラスフリットは、セラミックと導体の密着性を向上させるのに有用である。水蒸気雰囲気で低温焼成を行うと、サイズが小さい第1の銅粉同士、又は、第1の銅粉と第2の銅粉とが焼結し、第2の銅粉同士の焼結が不十分なまま焼結を終える可能性がある。斯かる場合、焼結体に微小な空隙が発生し得る。そこで、導電性組成物中にガラスフリットを添加することにより、この空隙(特に、焼結体−セラミックの界面に存在する空隙)を埋めることができ、セラミックと導体の密着性を向上することができる。また、水蒸気雰囲気で焼成することにより、ガラスフリットのぬれ性が向上するため、第1の銅紛及び第2の銅粉の双方の焼結性を向上し、より低温側で銅の焼結を起こすことができる。
ガラスフリットとしては、例えばBET比表面積が1〜10m2-1、好ましくは2〜10m2-1、より好ましくは2〜8m2-1のガラスフリットを使用することができる。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば0〜5%の比率となるようにガラスフリットを含有させることができる。
分散剤としては、例えばオレイン酸、ステアリン酸及びオレイルアミンを挙げることができる。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば0〜5%の比率となるように分散剤を含有させることができる。
消泡剤としては、例えば有機変性ポリシロキサン、ポリアクリレートを挙げることができる。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば0〜5%の比率となるように消泡剤を含有させることができる。
なお、導電性組成物における銅粉、フィラー、バインダー樹脂、分散媒の比率は、当該導電性組成物の用途に応じた塗布性を損なわない範囲で、適宜決定すればよい。
以下に実施例をあげて、本開示を更に詳細に説明する。本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
(手順1:実施例1〜6、9〜13、比較例1〜4の第1の銅粉)
50L容器に純水6Lを添加し、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整はアンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を、上澄み液のpHが8.0を下回るまで繰り返し、亜酸化銅粉スラリーを得た。固形分を一部取り出して、窒素中で70℃で乾燥し、XRDでこの固形分が亜酸化銅であることを確認した。
上記で得られた亜酸化銅粉スラリーの含水率を20質量%に調整し、この亜酸化銅粉スラリー(25℃)に、固形分1kgに対して水分が7Lとなるように純水(25℃)を添加し、更にニカワを4g添加し、500rpmで撹拌した。ここに25vol%の希硫酸2L(25℃)を瞬間的に添加し、pHを0.7とした。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、pH13へ調整したアンモニア水3L中に投入して、攪拌した。攪拌は、25℃で1時間行った。その後、吸引ろ過によって固液分離して、pH処理された銅粉のケークを得た。得られたケークを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで銅であることを確認した。
(手順2:固めかさ密度の測定)
手順1で得られた銅粉の固めかさ密度をホソカワミクロン(株)のパウダテスタPT−Xを使って先述した方法により測定した。結果を表1に示す。
(手順3:BET比表面積)
手順1で得られた銅粉について、マイクロトラック・ベル社のBELSORP−miniIIを使い、真空中で200℃、5時間加熱する前処理後にBET比表面積を測定した。結果を表1に示す。
(手順4:実施例7の第1の銅粉)
手順1において、500rpmで撹拌している亜酸化銅粉スラリー(25℃)に25vol%の希硫酸2Lを瞬間的に添加するのではなく、50mL/分で添加した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、吸引ろ過によって固液分離して得られたケーキをさらにpHが8.0を下回るまで純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。その後、手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。希硫酸の添加速度を実施例1よりも遅くしたことに起因して、銅粉のサイズが大きくなった(BET比表面積が小さくなる)。固めかさ密度は、基本的にはサイズが大きくなるほど大きくなるため、銅粉のサイズに対応して大きくなった。
(手順5:実施例8の第1の銅粉)
手順1において、アンモニア水3LのpHを13から8へ変更とした以外は手順1に従い銅粉を作製した。その後、手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。アンモニア水のpHが小さくなったことに起因して、銅粉に吸着する水酸化物イオンが減る結果、銅粉のゼータ電位の絶対値が小さくなって銅粉同士の反発度合が小さくなるので、固めかさ密度の大きな銅粉が得られた。
(手順6:比較例5の第1の銅粉)
手順1において、500rpmで撹拌している亜酸化銅粉スラリー(25℃)への25vol%の希硫酸2Lの添加速度を10mL/分の速度とした以外は手順1に従い銅粉を作製した。その後、手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順7:比較例6の第1の銅粉)
50L容器に純水6Lを添加し、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整はアンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を、上澄み液のpHが8.0を下回るまで繰り返し、亜酸化銅粉スラリーを得た。固形分を一部取り出して、窒素中で70℃で乾燥し、XRDでこの固形分が亜酸化銅であることを確認した。
上記で得られた亜酸化銅粉スラリーの含水率を20質量%に調整し、この亜酸化銅粉スラリー(25℃)に、固形分1kgに対して水分が7Lとなるように純水(25℃)を添加し、更にニカワを4g添加し、500rpmで撹拌した。ここに25vol%の希硫酸2L(25℃)を瞬間的に添加し、pHを0.7とした。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、吸引ろ過によって固液分離して、銅粉のケークを得た。このケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで銅であることを確認した。
(手順8:実施例、比較例の第2の銅粉)
BET比表面積が0.24m2-1、0.15m2-1、0.08m2-1の銅粉をそれぞれアトマイズ法で作製した。
(手順9:実施例1〜12、比較例のペースト作製)
あらかじめテルピネオールとエチルセルロースを自転公転ミキサーAR−100、および3本ロールに通して十分に混練してビヒクルを調製した。次いで、2種の銅粉を試験番号に応じた表1中の質量比率により混合した。この混合後の粉末を銅粉と称する。銅粉:エチルセルロース:テルピネオール=80:2.3:17.7(重量比)となるようにビヒクル及び銅粉を混合し、自転公転ミキサーで予備混練した後、3本ロールに通し(仕上げロールギャップ5μm)、自転公転ミキサーを使って脱泡し、実施例1〜12及び比較例のペーストを作製した。
(手順10:実施例13のペースト作製)
ビーズミルでシリカ粒子を解砕してガラスフリットを得た。このガラスフリットについて、手順3により測定したBET比表面積は6m2-1であった。このガラスフリットと、手順9により調製したビヒクルと、表1に記載の質量比率で混合した2種の銅粉と、テルピネオールを、銅粉:エチルセルロース:ガラスフリット:テルピネオール=80:2.3:1.6:16.1(重量比)となるように混合し、自転公転ミキサーで予備混練した後、3本ロールに通し(仕上げロールギャップ5μm)、自転公転ミキサーを使って脱泡し、実施例13のペーストを作製した。
(手順11:焼結体(導体)の比抵抗)
上記手順で得られた実施例及び比較例の各ペースト及びスクリーン版(ステンレスメッシュ、線径18μm、紗厚38μm、オープニング33μm、開口率42%)を使って、表面粗さRaが0.04μmのアルミナ基板(純度99.5%)に、幅5mm、長さ20mmのラインを3本印刷した。全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素ガスを2L/分で供給しながら、試験番号に応じた表1に記載の所定のピーク温度まで0.75℃/分の速度で供給し、所定のピーク温度で20分保持した。その後、水蒸気を含まない純窒素雰囲気で5℃/分の速度で室温まで冷却した。このようにして、ペーストの焼成体をセラミック基板上に形成して、焼成体・セラミック積層体を得た。室温まで冷却して得られた幅5mm、長さ20mmの回路の表面抵抗、及び厚みを計測し、比抵抗を3点平均で求めた。結果を表1に示す。
(手順12:テープ剥離試験)
上記手順で得られた回路と基板にカーボン両面テープ(日新EM 社製)を用い、JIS Z 0237:2009に従い、テープ剥離試験を引きはがし角度90°、引きはがし速度5mm/sで行い、テープの接着面に回路が付着しないかを確認した。1回の剥離試験で少なくとも一部の回路(焼結体)が基板からはがれた場合は×、2回または3回で剥がれた場合は△、4回以上で剥がれた場合は○と判定した。結果を表1に示す。
Figure 0006588174
[考察]
BET比表面積、固めかさ密度、及び焼成雰囲気が適切であった実施例1〜13の製造方法によれば、導体の比抵抗が低く、セラミックと導体間の密着性に優れた導体・セラミック積層体が得られた。
一方、比較例1では、焼成時のピーク温度が高すぎたため、降温時のデラミネーションの度合いが大きく、セラミックと導体間の密着性が不足した。
比較例2では、焼成時のピーク温度が低すぎたため焼結が不十分となり、セラミックと導体間の密着性が不足した。また、導体の導電性も悪化した。
比較例3では、焼成時の水蒸気分圧が高過ぎたため、水分が焼結体中に取り込まれ、界面近傍に取り込まれた水分が原因でセラミックと導体間の密着性が不足した。
比較例4では、焼成時の水蒸気分圧が低すぎたため焼結が不十分となり、セラミックと導体間の密着性が不足した。また、導体の導電性も悪化した。
比較例5では、第1の銅紛のサイズが大きく、BET比表面積が不足した。このため、低温の焼成温度では焼結が不十分となり、セラミックと導体間の密着性が不足した。また、導体の導電性も悪化した。
比較例6では、第1の銅紛の固めかさ密度が高過ぎたために、セラミック−導体間に空隙が発生し、セラミックと導体間の密着性が不足した。また、導体にも空隙が発生したことで導体の導電性も不足した。

Claims (9)

  1. BET比表面積が1.0〜10.0m2/gであって、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である第1の銅粉と、前記第1の銅粉よりBET比表面積が小さい第2の銅粉と、バインダー樹脂と、分散媒とを含む導電性組成物をセラミック基板に塗布するステップと、
    前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気において、ピーク温度を400〜700℃として焼成するステップと、
    を備えるセラミックと導体の複合体の製造方法。
  2. 前記導電性組成物はガラスフリットを含む請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記非酸化性雰囲気は不活性雰囲気である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記焼成するステップは、昇温時、100℃からピーク温度に到達するまでは少なくとも、前記セラミック基板と前記塗布された導電性組成物とを、水蒸気分圧0.02〜0.15atmの非酸化性雰囲気で行う請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
  5. 前記焼成するステップは、
    前記ピーク温度まで0.1〜10℃/minで昇温させるステップと、
    前記ピーク温度で1〜180分間維持するステップと、
    を含む請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法。
  6. 第1の銅粉及び第2の銅粉の合計質量に対する第1の銅粉の質量比率が50%以上である請求項1〜5の何れか一項に記載の製造方法。
  7. 第2の銅粉のBET比表面積は0.1m2/g以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の製造方法を使用してセラミックと導体の複合体を得る工程を含む積層セラミックコンデンサーの製造方法。
  9. 請求項1〜7の何れか一項に記載の製造方法を使用してセラミックと導体の複合体を得る工程を含むセラミック回路基板の製造方法。
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