JP6587140B2 - ガラス板の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスリボンを成形した後、このガラスリボンに熱処理を施すように構成されたガラス板の製造装置に関する。
周知のように、ガラス板を製造するための方法の一つとして、オーバーフローダウンドロー法が知られている。オーバーフローダウンドロー法では、楔状に形成された成形体を用いて、当該成形体の上部に設けられた溝に溶融ガラスを流し込み、溝から両側方に溢れ出た溶融ガラスをそれぞれ成形体の側壁部に沿って流下させた後、成形体の下端部で融合一体化させてガラスリボンを成形する。
成形後のガラスリボンは、これを表裏両側から挟持する一対のローラーが上下複数段に配置されたローラー群により下方に引っ張られて成形体から降下していく。この際の引っ張り速度(板引き速度)を調節することで製造されるガラス板の厚みの大小が決定される。また、降下中のガラスリボンに対しては、歪を除去するための徐冷処理等の熱処理が施される(特許文献1を参照)。
ここで、ガラスリボンの成形やガラスリボンに対する熱処理は、耐熱性を備える壁部に囲われた製造空間内で実行される。この製造空間内は、ガラスリボンの成形を行うための成形領域と、ガラスリボンに熱処理を行うための熱処理領域とを有しており、これらの各領域でそれぞれ成形、熱処理が実行される。
特開2009−149463号公報
しかしながら、上記の態様でガラスリボンを成形し、熱処理を施した場合には、下記のような解決すべき問題が発生していた。
すなわち、ローラー群を構成するローラーの各々は、製造空間外(壁部の外)に配置されたモーター等の駆動源と連結されることで回転し、ガラスリボンを引っ張っている。そのため、壁部にはローラーを挿通させるための貫通孔が形成されており、貫通孔の内周と、貫通孔に挿通されたローラーの外周との間には隙間が形成される。この隙間は壁部を貫通して製造空間内と製造空間外とを連続させている。
これにより、製造空間内に発生した気流が、上記の隙間を通じて製造空間外に流出する場合がある。そして、このような事態が生じると、ガラスリボンの部位間に温度差が生まれ、ガラスリボンの各部位に熱処理を均一に行うことが困難となる。これにより、徐冷処理で除去しきれなかった歪がガラスリボンに残留する等、製造されるガラス板の品質を低下させる原因となっていた。
ここで、ローラーは、貫通孔に挿通された状態で、ガラスリボンを挟持するための位置と、メンテナンス等に伴って挟持を解除するための位置との間を移動可能な構成とされているのが通例である。従って、貫通孔は、この貫通孔内でローラーが両位置の間を移動し得る大きさに開口している必要がある。そのため、上記の問題への対策として、貫通孔の径をローラーの径よりも僅かに大きくし、隙間の幅を可及的に狭くして気流の流出を防止することも考えられるが、この場合、実質的にローラーを移動させることが不可能となり、メンテナンス等に支障を来たすため、有効な対策にはなり得ない。
なお、製造空間内に発生した気流が製造空間外に流出する不具合は、ローラーと貫通孔との間に形成された隙間に起因してのみ発生しているものではない。例えば、上記の成形領域を囲う壁部と、熱処理領域を囲う壁部との両壁部は別体となっている場合が多く、両壁部の間に形成された隙間から気流が流出することがある。さらには、熱処理領域を囲う壁部は、上下に複数が積み重ねられた構造となっていることが通例であり、積み重なった壁部の相互間に形成される隙間から気流が流出することもある。そして、これらの隙間から気流が流出した場合にも、上記の問題が同様に発生し得る。
このような事情から、壁部に囲われた製造空間内においてガラスリボンを成形し、熱処理を施す場合には、製造空間内に発生した気流の製造空間外への流出を防止し、製造されるガラス板の品質を向上させることが要求されていた。本発明は、この目的を達成することを技術的課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、壁部の内側壁面に囲われた製造空間内で、ガラスリボンを成形し且つガラスリボンに熱処理を施すように構成されたガラス板の製造装置であって、壁部を貫通して製造空間内と製造空間外とを連続させる隙間が形成され、隙間が耐火性繊維材料からなるシール部材によってシールされていることに特徴付けられる。
このような構成によれば、壁部を貫通して製造空間内と製造空間外とを連続させる隙間が、耐火性繊維材料からなるシール部材によってシールされていることから、製造空間内に発生した気流が、隙間を通じて製造空間外に流出することを防止できる。このため、成形されたガラスリボンに熱処理を施す際に、ガラスリボンの各部位に均一に熱処理を施すことが可能となる。その結果、製造されるガラス板の品質を向上させることができる。
上記の構成において、壁部に貫通孔が形成されると共に、ガラスリボンを表裏両側から挟持可能な一対のローラーを備え、一対のローラーが、貫通孔に挿通された状態で、ガラスリボンを挟持するために相互に接近した接近位置と、挟持を解除するために相互に離間した離間位置との間を移動可能に構成され、貫通孔の内周とローラーの外周との間に形成された隙間が、シール部材によってシールされていてもよい。
この場合、一対のローラーが、貫通孔に挿通された状態で接近位置と離間位置との間を移動可能に構成されていることから、貫通孔は、この貫通孔内でローラーが両位置の間を移動し得る大きさに開口している。従って、貫通孔の内周とローラーの外周との間には必然的に隙間(以下、この隙間をローラー周囲の隙間と表記する)が形成されることになり、製造空間内に発生した気流が、隙間を通じて製造空間外に流出するおそれがある。しかしながら、ローラー周囲の隙間がシール部材によってシールされていることから、上述のようなおそれを的確に排除することが可能である。
上記の構成において、シール部材が、ローラーを挿通させた状態でローラーの移動に追従移動する第一開口部と、貫通孔を囲った状態で壁部に取り付けられた第二開口部と、両開口部の全周同士を連続させる本体部とを有していることが好ましい。
このようにすれば、第一開口部にローラーが挿通されていることで、第一開口部はローラーによって塞がれ、気流が通過しにくい状態となる。また、第二開口部は貫通孔を囲った状態で壁部に取り付けられているため、第二開口部と壁部との間には、製造空間内と製造空間外とを連続させる隙間が存在せず、第二開口部と壁部との間を気流は通過することができない。さらに、本体部が両開口部の全周同士を連続させているため、シール部材における両開口部の間にも、製造空間内と製造空間外とを連続させる隙間が存在せず、両開口部の間から気流が製造空間外に流出することもない。以上により、第一開口部、第二開口部、及び本体部でローラー周囲の隙間をシールすることができる。加えて、第一開口部がローラーの移動(接近位置と離間位置との間の移動)に追従移動する構成となっているため、ローラーの所在位置によらず、ローラー周囲の隙間がシールされた状態を維持し続けることが可能となる。その結果、製造空間内に発生した気流が製造空間外に流出することを確実に防止することができる。
上記の構成において、第一開口部が製造空間外に配置されると共に、第二開口部が壁部の外側壁面に取り付けられていることが好ましい。
このようにすれば、ローラーとシール部材との摺動等に起因して耐火性繊維材料からなる塵埃が発生した場合であっても、この塵埃が製造空間内に進入しにくくなる。そのため、塵埃によってガラスリボンの成形やガラスリボンに対する熱処理に悪影響が及ぶことを可及的に回避することが可能となる。その結果、製造されるガラス板の品質をより向上させることができる。
上記の構成において、第一開口部の内周に沿って、ローラーの外周を囲う環状の金属部材が取り付けられていることが好ましい。
このようにすれば、金属部材が取り付けられていることで、第一開口部とローラーとの摺動を防止することができる。そのため、両者の摺動に起因して耐火性繊維材料が切断される等、第一開口部に損傷が生じるような不具合の発生を回避することが可能となる。
上記の構成において、金属部材の内周とローラーの外周との間に、貫通孔の内周とローラーの外周との間に形成される隙間よりも幅の狭い間隙が形成されていてもよい。
このようにすれば、間隙が形成されていることにより、金属部材とローラーとが摺動し難くなり、両者の損傷を可及的に防止することができる。また、間隙の幅が貫通孔の内周とローラーの外周との間に形成される隙間の幅よりも狭いことから、間隙を通じて気流が製造空間内から製造空間外に流出するようなおそれも的確に排除することが可能である。
上記の構成において、第一開口部の内周がローラーの外周を締め付けていてもよい。
このようにすれば、第一開口部がローラーによって隙間なく塞がれた状態となる。これにより、気流が第一開口部を通過することを確実に回避できる。その結果、製造空間内に発生した気流の製造空間外への流出をより効果的に防止することが可能となる。
上記の構成において、ガラスリボンをダウンドロー法によって成形すると共に、ガラスリボンに徐冷処理を施すように構成されていてもよい。
この場合、製造空間内において上昇気流が発生しやすくなる。そして、この気流が製造空間内から製造空間外に流出してしまうと、ガラスリボンに対する徐冷処理に悪影響が及ぶことになる。そのため、ガラス板の製造装置が上記のような構成を有する場合に本発明を適用すれば、その効果をより有効に活用することができる。
本発明によれば、壁部に囲われた製造空間内においてガラスリボンを成形し、熱処理を施す場合に、製造空間内に発生した気流の製造空間外への流出を防止できるため、製造されるガラス板の品質を向上させることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置を示す縦断正面図である。 図1におけるA部を拡大して示す縦断正面図である。 図1におけるB部を拡大して示す縦断正面図である。 第二シール部材の近傍を示す斜視図である。 第二シール部材の近傍を示す斜視図である。 図1におけるC−C断面を示す横断平面図である。 図1におけるC−C断面を示す横断平面図である。 本発明の第二実施形態に係るガラス板の製造装置において、第二シール部材の近傍を示す縦断正面図である。
以下、本発明の実施形態に係るガラス板の製造装置について、添付の図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
まず、本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置について説明する。
図1は、第一実施形態に係るガラス板の製造装置1を示す縦断正面図である。同図に示すように、ガラス板の製造装置1は、ガラスリボン2を成形するための成形炉3と、ガラスリボン2に熱処理としての徐冷処理(アニール処理)を施すための徐冷炉4とを備えている。
成形炉3と徐冷炉4とは、それぞれ異なる支持体(図示省略)によって支持された状態で上下に積み重ねられている。徐冷炉4は、複数の部位に分割されており、分割された各部位が上下に積み重ねられてなる構造を有している。なお、図1においては、分割された各部位のうち、最上方に位置する第一徐冷部5と、これに隣接する第二徐冷部6との二つの部位のみを図示している。
ガラス板の製造装置1は、耐熱性を備えた壁部1aを有している。この壁部1aは、成形炉3を構成する壁部3aと、第一徐冷部5を構成する壁部5aと、第二徐冷部6を構成する壁部6aとを備えている。これらの壁部3a,5a,6aの内側壁面3aa,5aa,6aaに囲われることで製造空間7が形成されている。この製造空間7内でガラスリボン2の成形、及びガラスリボン2に対する徐冷処理が実行される。なお、成形炉3、第一徐冷部5、及び第二徐冷部6の各々には、ガラスリボン2を通過させるための開口が形成されている。成形炉3は下端部に開口が形成され、第一徐冷部5及び第二徐冷部6は上端部と下端部とにそれぞれ開口が形成されている。
壁部3aと壁部5aとの間、及び、壁部5aと壁部6aとの間には、隙間8が形成されており、この隙間8が第一シール部材9によってシールされている。隙間8は、第一シール部材9が取り除かれた場合には、壁部1aを貫通して製造空間7内と製造空間7外とを連続させる。なお、隙間8は上記開口の全周に沿って形成されており、全周が第一シール部材9によりシールされている。これにより、製造空間7内に発生した気流が、隙間8を通じて製造空間7外に流出することを防止している。
壁部3aと壁部5aとの外側壁面3ab,5ab同士、及び、壁部5aと壁部6aとの外側壁面5ab,6ab同士には、隙間8を各壁部3a,5a,6aの外側から覆うシート状のカバー部材10が架け渡されている。カバー部材10は隙間8の全周を覆っている。これにより、製造空間7内の気密性が高められている。
ここで、カバー部材10としては、40℃以上の温度に耐え得る耐熱性を備え、且つ、引張強度が150N/25mm以上であり、且つ、伸縮性を有する部材を使用することができる。一例を挙げると、ニチアス株式会社製のシルテックス(登録商標)クロス、マリンテックス(登録商標)クロス等を使用することが可能である。
壁部3a,5a,6aの各々には、貫通孔3b,5b,6bが形成されており、これら貫通孔3b,5b,6bのそれぞれには、筒状部材11が嵌め込まれている。この筒状部材11に形成された孔11aに、後述の冷却ローラー12、或いは、アニーラーローラー13を通すことで、貫通孔3b(5b,6b)にローラー12(13)が挿通されている。なお、ローラー12(13)は、ガラスリボン2の表裏両側で対となるように配置されており、対となるローラー12(13)の各々は、別々に貫通孔3b(5b,6b)に挿通されている。つまり、対となるローラー12(13)の一方を挿通させるための貫通孔3b(5b,6b)と、他方を挿通させるための貫通孔3b(5b,6b)とが、独立して壁部3a(5a,6a)に形成されている(図6、図7を参照)。
貫通孔3b(5b,6b)の内周とローラー12(13)の外周との間には、隙間14が形成されており、この隙間14が筒状部材11に固定された第二シール部材15によってシールされている。隙間14は、第二シール部材15が取り除かれた場合には、壁部1aを貫通して製造空間7内と製造空間7外とを連続させる。なお、本実施形態においては、貫通孔3b,5b,6bに筒状部材11が嵌め込まれている分だけ、隙間14の幅が狭くなっている。この第二シール部材15により、製造空間7内に発生した気流が、隙間14を通じて製造空間7外に流出することを防止している。
製造空間7内には、楔状に形成され、且つオーバーフローダウンドロー法によりガラスリボン2を成形するための成形体16と、成形炉3内のガラスリボン2を表裏両側から挟持しつつ下方に引っ張るための冷却ローラー12と、上下複数段に亘って配置され、且つ徐冷炉4内のガラスリボン2を表裏両側から挟持可能なアニーラーローラー13とが備えられている。なお、本実施形態においては、第一徐冷部5と第二徐冷部6とのそれぞれに、上下二段のアニーラーローラー13が備えられている。
冷却ローラー12とアニーラーローラー13とは、同様の構造を有しており、ガラスリボン2を挟持する際に、ガラスリボン2の幅方向端部(耳部)に当接するローラー本体12a(13a)と、ローラー本体12a(13a)の回転軸となるシャフト12b(13b)とを備えている。ローラー12(13)は、製造空間7外に配置されたモーター等の駆動源(図示省略)と連結されることで回転する構成となっている。
図2は、図1におけるA部を拡大して示す縦断正面図である。同図に示すように、第一シール部材9は、シート状に形成された三枚のブランケット9aが積み重ねられることで構成されている。各ブランケット9aは、上方に積まれた壁部3aの重みによって上下方向に圧縮された状態で壁部3aと壁部5aとの間に介在している。つまり、各ブランケット9aは、上方からの圧力により、その自然な厚み(圧縮されていない状態での厚み)から厚みが薄くなった状態とされている。これにより、壁部3a及び壁部5aの寸法が熱膨張・熱収縮によって伸縮した場合であっても、第一シール部材9による隙間8のシールが維持されるようになっている。なお、ここでは壁部3aと壁部5aとの間に介在させた第一シール部材9について説明したが、壁部5aと壁部6aとの間に介在させた第一シール部材9についても同一の構成とされている。
ここで、ブランケット9aとしては、耐火性繊維材料からなるブランケットを使用することが可能である。具体的には、1000℃以上の温度に耐え得る耐熱性を備え、且つ、伸縮性を有するブランケットを使用することができる。一例を挙げると、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、及び、これらの混紡繊維等で構成されたブランケットを使用することが可能である。
図3は、図1におけるB部を拡大して示す縦断正面図である。同図に示すように、貫通孔6bに嵌め込まれた筒状部材11は、筒部11bと、筒部11bに連なるフランジ部11cとを備えている。フランジ部11cは、壁部6aに内側壁面6aa側から当接すると共に、ボルト等の固定部材(図示省略)によって壁部6aに固定されている。筒部11bは、その全長が壁部6aの厚みよりも長くなっており、一部の部位が壁部6aから外側壁面6ab側に食み出している。なお、ここでは貫通孔6bに嵌め込まれた筒状部材11について説明したが、貫通孔3b,5bに嵌め込まれた筒状部材11についても同一の構成とされている。
第二シール部材15は、製造空間7外に配置され、且つアニーラーローラー13を挿通させる第一開口部15aと、貫通孔6bを囲った状態で壁部6aの外側壁面6abに取り付けられた第二開口部15bと、両開口部15a,15bの全周同士を連続させる本体部15cとを有している。本実施形態においては、第二シール部材15の全体が製造空間7外に位置している。
ここで、第二シール部材15としては、耐火性繊維材料からなる部材を使用することが可能である。具体的には、400℃以上の温度に耐え得る耐熱性を備え、且つ、引張強度が150N/25mm以上であり、且つ、伸縮性を有する部材を使用することができる。一例を挙げると、シリカ繊維、ガラス繊維、アルミナシリカ繊維等の紡織品や、これらの繊維を圧縮成形した不織布等を第二シール部材15として使用することができる。なお、本実施形態においては、第二シール部材15として、ニチアス株式会社製のシリカ繊維紡織品(製品名:シルテックス(登録商標)クロス1000−M)を使用している。
第一開口部15aには、その内周に沿ってアニーラーローラー13の外周を囲う環状の金属部材17が取り付けられている。この金属部材17の内周とアニーラーローラー13の外周との間には間隙18が形成されている。第二シール部材15は伸縮性を有しているため、後に詳述するようにアニーラーローラー13が移動する際には、第一開口部15aがアニーラーローラー13の移動に追従移動することが可能となっている。そして、追従移動の際においても、金属部材17が取り付けられていることにより、第一開口部15aは、その開口の形状が変形することなく維持されるようになっている。
ここで、金属部材17としては、例えば、ステンレス、セラミックス等で構成された金属板や、金属繊維の紡織品を使用することが可能である。また、金属部材17の内周とアニーラーローラー13の外周との間に形成される間隙18の幅は、0.5mm〜3mmの範囲内とすることが好ましい。このようにすれば、金属部材17とアニーラーローラー13との摺動を可及的に回避しつつ、製造空間7内に発生した気流が間隙18を通じて製造空間7外に流出することを防止できる。
図4及び図5は、第二シール部材15の近傍を示す斜視図である。これらの図に示すように、第二開口部15bは、壁部6aに外側壁面6ab側から当接するように取り付けられている。第二開口部15bの外表面には、複数のベルト通し19が取り付けられている。このベルト通し19に通されたベルト20が第二開口部15bを締め付けることで、第二開口部15bは筒部11bの外周(壁部6aから食み出した部位の外周)に固定されている。つまり、本実施形態においては、第二開口部15bが筒部11bを介して外側壁面6abに取り付けられることで、第二シール部材15の全体が筒状部材11を介して壁部6aに取り付けられている。この第二開口部15bは、アニーラーローラー13の移動に第一開口部15aが追従移動する際においても、移動することなく筒部11bに固定された状態が維持される。
本体部15cは、第一開口部15aと第二開口部15bとの相互間で、アニーラーローラー13を覆っている。
図6及び図7は、図1におけるC−C断面を示す横断平面図である。これらの図に示すように、ガラスリボン2の表裏両側で対となるアニーラーローラー13は、それぞれ貫通孔6bに挿通された状態で、図6に示すガラスリボンを挟持するために相互に接近した接近位置と、図7に示す挟持を解除するために相互に離間した離間位置との間を移動可能に構成されている。なお、アニーラーローラー13は、筒状部材11に形成された孔11aの内周に接触することなく、接近位置と離間位置との間を移動する構成となっている。
アニーラーローラー13が接近位置と離間位置との間を移動する際には、これに追従して金属部材17が移動することにより、当該金属部材17が取り付けられた第一開口部15aが、その開口の形状を維持した状態でアニーラーローラー13の移動に追従移動する。また、第一開口部15aがアニーラーローラー13に追従移動することで、第一開口部15aと連なった本体部15cが伸縮して変形する。これにより、アニーラーローラー13の移動中においても、第二シール部材15による隙間14のシールが維持される。
なお、ここでは貫通孔6bの内周とアニーラーローラー13の外周との間に形成される隙間14をシールするための第二シール部材15について説明したが、貫通孔3aの内周と冷却ローラー12の外周との間に形成される隙間14、及び、貫通孔5bの内周とアニーラーローラー13の外周との間に形成される隙間14を、それぞれシールするための第二シール部材15についても同一の構成とされている。
以下、上記の第一実施形態に係るガラス板の製造装置1による主たる作用・効果について説明する。
第一実施形態に係るガラス板の製造装置1においては、壁部1aを貫通して製造空間7内と製造空間7外とを連続させる両隙間8,14が、それぞれ第一シール部材9、第二シール部材15によってシールされている。従って、製造空間7内に発生した気流が、両隙間8,14を通じて製造空間7外に流出することを防止できる。このため、成形されたガラスリボン2に徐冷処理を施すにあたって、ガラスリボン2の各部位に均一に徐冷処理を施すことが可能となる。その結果、製造されるガラス板の品質を向上させることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係るガラス板の製造装置について説明する。なお、第二実施形態の説明において、上記の第一実施形態で既に説明した事項については、第二実施形態の説明で参照する図面に同一の符号を付すことで重複する説明を省略し、上記の第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
図8は、第二実施形態に係るガラス板の製造装置1において、第二シール部材15の近傍を示す縦断正面図である。同図に示すように、第二実施形態に係るガラス板の製造装置1が、上記の第一実施形態に係るガラス板の製造装置1と相違している点は、第二シール部材15における第一開口部15aの内周がアニーラーローラー13の外周を締め付けている点である。
第一開口部15aには、自在に変形が可能な線状部材21が内蔵されている。この線状部材21は、第一開口部15aの開口の全周に沿って内蔵されており、線状部材21の全体によって環(輪っか)が形成されている。この線状部材21の変形に伴って、第一開口部15aは、その開口の形状を変形させることが可能となっている。ここで、線状部材21としては、例えば、針金、ワイヤーロープ等を使用することができる。そして、線状部材21を、これが形成する環の内径が小さくなるように変形(環の内径が絞られるように変形)させることで、第一開口部15aの内周がアニーラーローラー13の外周を締め付けることが可能となっている。
なお、図8には、貫通孔6bの内周とアニーラーローラー13の外周との間に形成される隙間14をシールするための第二シール部材15を図示して説明したが、貫通孔3aの内周と冷却ローラー12の外周との間に形成される隙間14、及び、貫通孔5bの内周とアニーラーローラー13の外周との間に形成される隙間14を、それぞれシールするための第二シール部材15についても同一の構成とされている。
この第二実施形態に係るガラス板の製造装置1によっても、上記の第一実施形態に係るガラス板の製造装置1の説明で既述の主たる作用・効果を得ることが可能である。
ここで、本発明に係るガラス板の製造装置は、上記の各実施形態で説明した構成に限定されるものではない。上記の実施形態では、第二シール部材の全体が製造空間外に位置する構成となっているが、第二シール部材の全体が製造空間内に位置する構成としてもよい。この場合、例えば、第二シール部材の第一開口部が製造空間内に配置され、第二開口部が貫通孔を囲った状態で壁部の内側壁面に取り付けられる構成とすることができる。
また、上記の実施形態では、第二シール部材が貫通孔に嵌め込まれた筒状部材を介して壁部に取り付けられる構成となっているが、筒状部材を取り除いて第二シール部材が直接壁部に取り付けられる構成としてもよい。この場合、例えば、第二シール部材の第二開口部が壁部の外側壁面(第二シール部材の全体が製造空間内に位置する構成とする場合には内側壁面)に直接取り付けられる構成としてもよいし、第二開口部が壁部に形成された貫通孔の内周に直接取り付けられる構成としてもよい。
また、上記の実施形態では、オーバーフローダウンドロー法によってガラスリボンを成形する構成となっているが、スロットダウンドロー法やリドロー法等に代表される他のダウンドロー法によってガラスリボンを成形する構成としてもよい。
なお、本発明は、下記のような場合にも適用することが可能である。すなわち、上記の実施形態のような構成のガラス板の製造装置では、成形炉及び徐冷炉の立ち上げ時(ガラス板の製造の準備時)に、これらの炉の壁部を貫通する隙間を通じて板体を水平に製造空間内に挿入し、製造空間を板体の上方側と下方側とに区画する場合がある。この板体はガラスリボンの成形、及び、ガラスリボンに対する徐冷処理を開始する前に取り除かれるが、板体が取り除かれた後においては、板体を挿入するための隙間によって製造空間内と製造空間外とが連続した状態となる。この隙間に耐火性繊維材料でなるシール部材を詰め込む等して、当該隙間をシールする構成としてもよい。
また、徐冷処理後のガラスリボンに対し、その温度を室温付近まで低下させる冷却処理を熱処理として施す場合にも、本発明を適用することが可能である。すなわち、冷却処理は、徐冷炉の下方に配置される冷却室で実行される。冷却室を構成する壁部には貫通孔が形成されており、この貫通孔に挿通されたローラーにより冷却処理中のガラスリボンは表裏両側から挟持される。この場合に、徐冷炉を構成する壁部と冷却室を構成する壁部との間に形成される隙間を第一シール部材によってシールすると共に、貫通孔の内周とローラーの外周との間に形成される隙間を第二シール部材によってシールする構成としてもよい。
1 ガラス板の製造装置
1a 壁部
2 ガラスリボン
3 成形炉
3a 壁部
3aa 内側壁面
3ab 外側壁面
3b 貫通孔
4 徐冷炉
5 第一徐冷部
5a 壁部
5aa 内側壁面
5ab 外側壁面
5b 貫通孔
6 第二徐冷部
6a 壁部
6aa 内側壁面
6ab 外側壁面
6b 貫通孔
7 製造空間
8 隙間
9 第一シール部材
12 冷却ローラー
13 アニーラーローラー
14 隙間
15 第二シール部材
15a 第一開口部
15b 第二開口部
15c 本体部
17 金属部材
18 間隙

Claims (6)

  1. 壁部の内側壁面に囲われた製造空間内で、ガラスリボンを成形し且つ該ガラスリボンに熱処理を施すように構成されたガラス板の製造装置であって、
    前記壁部を貫通して前記製造空間内と製造空間外とを連続させる隙間が形成され、該隙間が耐火性繊維材料からなるシール部材によってシールされ
    前記壁部に貫通孔が形成されると共に、前記ガラスリボンを表裏両側から挟持可能な一対のローラーを備え、
    前記一対のローラーが、前記貫通孔に挿通された状態で、前記ガラスリボンを挟持するために相互に接近した接近位置と、挟持を解除するために相互に離間した離間位置との間を移動可能に構成され、
    前記貫通孔の内周と前記ローラーの外周との間に形成された前記隙間が、前記シール部材によってシールされ、
    前記シール部材が、前記ローラーを挿通させた状態で該ローラーの移動に追従移動する第一開口部と、前記貫通孔を囲った状態で前記壁部に取り付けられた第二開口部と、両開口部の全周同士を連続させる本体部とを有することを特徴とするガラス板の製造装置。
  2. 前記第一開口部が前記製造空間外に配置されると共に、前記第二開口部が前記壁部の外側壁面に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載のガラス板の製造装置。
  3. 前記第一開口部の内周に沿って、前記ローラーの外周を囲う環状の金属部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
  4. 前記金属部材の内周と前記ローラーの外周との間に、前記貫通孔の内周と前記ローラーの外周との間に形成される前記隙間よりも幅の狭い間隙が形成されていることを特徴とする請求項に記載のガラス板の製造装置。
  5. 前記第一開口部の内周が前記ローラーの外周を締め付けていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
  6. 前記ガラスリボンをダウンドロー法によって成形すると共に、該ガラスリボンに徐冷処理を施すように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス板の製造装置。
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