JP6272165B2 - ダイヤフラム製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ガスメーターに使用される弾性薄膜などの可撓性を有するダイヤフラムの製造装置に係り、詳しくは、頂壁と、頂壁の周囲に続く撓み壁と、撓み壁の周囲に続くフランジ壁とを有し、頂壁がフランジ壁に対して膨出しているダイヤフラムの製造装置、即ち、ダイヤフラム製造装置に関するものである。
この種のダイヤフラム製造装置は、特許文献1において開示されるものが知られている。即ち、特許文献1における製造装置は上下一対の金型を有して構成されており、それによる成形方法の要旨は、未加硫で平らなゴム製のダイヤフラム用シート材を、加熱されている上下の金型間でプレス成形することにある。この加熱加圧成形により、頂壁と、頂壁の周囲に続く撓み壁と、撓み壁の周囲に続くフランジ壁とを有する所定形状のダイヤフラムが作製される。
ところで、このダイヤフラムの納入元から増産要望を受けた場合、一般的には、昼夜交代勤務制を採るなどして製造装置を長時間連続稼動させる稼働時間延長対策、或いは、成形型を増やして単位時間当りの製造数を増やす設備投資対策が考えられる。
前者の対策案は、設備投資を伴うことなく現状設備で済む利点はあるが、労働環境的に無理が効かず、ある程度以上の増産には対応不可である。製造装置を増やす後者の対策案は、量産数を倍増させるなど、顧客のニーズに容易に対応できる点は良いが、新たな設備投資を伴うリスクがある。
そこで、設備投資のリスクを抑えながら無理なく増産することを目指して、鋭意研究した結果、現状の製造装置をほぼそのまま用いて2枚重ね成形することを思い付いた。ダイヤフラムは0.2〜0.3mmといった具合の極めて薄いものであるため、2枚重ね或いはそれ以上の枚数を重ねた状態で金型によるプレス成形を行っても、寸法誤差が極めて小さく抑えられて実施可能ではないか、というのが発想の原点である。
まず、現行の製造装置Cは、即ち、図7(a)に示すように、中央部に加工用穴23を有する下型21と、中央部に加工用凸部24及び上型本体22Aを有する上型22とを有し、上型22が下降移動してプレス成形する構造の製造装置Cである。加工用穴23は、周囲が垂直壁23aで囲まれて縦断面形状が矩形を呈する穴であり、加工用凸部24も周囲が垂直壁24aで囲まれて縦断面形状が矩形を呈する凸部である。従って、上下の金型21,22は比較的廉価なものであった。
なお、25は、その支持フランジ25aが上型本体22Aに当接する位置にバネ(明示せず)で下方に突出付勢される可動型部である。
さて、現行(従来)の製造装置Cを用いてダイヤフラム20を製造するにおいて、厚みの薄い薄肉ゴムで加硫前のダイヤフラム用シート材20’を2枚重ねて下型21の上面21aに載置すると、図7(b)に示されるように、下型21の熱により、シート材20’20’が軟化し、それによって下側のシート材20’が、加工用穴23に落ち込むように明確に下方膨出変形する傾向が強い。
従って、その状態で上型22を下降して、2枚重ねのシート材20’20’を加圧加熱成形(プレス成形)すると、図7(c)に示すように、上下のダイヤフラム20,20のうち、下側のダイヤフラム20が熱ダレによる弛みによって所定形状に成形できず、不良品が多発してしまうことが知見された。
従って、設備投資のリスクを抑えながら大量生産できるように、2枚重ねやそれ以上、即ち、複数枚重ねての金型成形によりダイヤフラムを不都合なく作れる製造装置を実現させるには、改善の余地が残されているものであった。
特開昭55−164137号公報
本発明の目的は、上記実情に鑑み、さらなる鋭意研究により、頂壁と、撓み壁と、フランジ壁とを有して頂壁がフランジ壁に対して膨出するダイヤフラム製造装置を、複数枚重ね状態で良好に型成形できるようにして、設備投資のリスクを抑えながら大量生産できる合理的なものとして提供させる点にある。
請求項1に係る発明は、頂壁2と、前記頂壁2の周囲に続く撓み壁3と、前記撓み壁3の周囲に続くフランジ壁4とを有し、前記頂壁2が前記フランジ壁4に対して膨出しているダイヤフラムの製造装置において、
前記フランジ壁4を形成するための基準面11と、前記頂壁2を形成すべく前記基準面11から上方に突出する凸型部10Aとを備える加熱可能な下型6、及び、前記基準面11に対応する下面7と、前記凸型部10Aの入り込みを許容する凹型部8とを備える加熱可能な上型5を有し、
加熱状態の前記上型5と加熱状態の前記下型6とを上下に相対接近移動させて、前記上型5と前記下型6との間に装填されているダイヤフラム用シート材1’の複数枚重ねの成形加工が可能に構成されているとともに、
前記上型5と前記下型6とが最も接近したときの前記下面7と前記基準面11との上下間隔dが、前記ダイヤフラム用シート材1’ の厚みにそれらの重ね数を乗じた値を超える値に設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のダイヤフラム製造装置において、
前記下型6においては、上限位置に上昇付勢維持される作用部14を有する突出付勢部6Dが前記凸型部10Aの周囲に配置されるとともに、前記作用部14の頂部14Aが上昇付勢維持される前記上限位置は、前記凸型部10Aの頂部13と同等の高さレベルに設定されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のダイヤフラム製造装置において、
前記突出付勢部6Dは、前記凸型部10Aの外側に周設される環状で単一のテンションリングに形成される前記作用部14と、前記テンションリング14を上昇付勢させる付勢支持部16とを有して構成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のダイヤフラム製造装置において、
前記テンションリング14の前記頂部14Aは、その環状形状の内又は外に向かって高さが異なる状態に傾斜した上面14aを有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のダイヤフラム製造装置において、
前記テンションリング14の前記頂部14Aには、環状形状の前記テンションリング14の内外を連通させる流路26が形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のダイヤフラム製造装置において、
前記流路26は、前記環状形状の内外に貫通するように前記上面14aから下方に凹む状態で形成される溝、又は前記環状形状の内外に貫通する孔により形成されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載のダイヤフラム製造装置において、
前記上下間隔dが、前記ダイヤフラム用シート材1’の厚みにそれらの重ね数を乗じた値に0.3〜10mmを加えた値、に設定されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、上型と下型とが最も接近したときの下面と基準面との上下間隔が、ダイヤフラム用シート材の厚みにそれらの重ね数を乗じた値を超える値に設定された状態において、ダイヤフラム用シート材の複数枚重ねを上型と下型とで挟んでの加熱加圧成形が行われる。
この製造装置によれば、成形型加工により成形されるフランジ壁の部分には、プレス圧力が直接は作用しない無圧状態となるため、プレス加工の終了に伴う上下型の引き離し移動に伴って、フランジ壁の上型への粘着によるへばり付きが生じないようになる。
その結果、頂壁と、撓み壁と、フランジ壁とを有して頂壁がフランジ壁に対して膨出するダイヤフラムの製造装置を、複数枚重ね状態で良好に型成形できるようにして、設備投資のリスクを抑えながら大量生産できる合理的なものとして提供することができる。
請求項2の発明によれば、凸型部の周囲に突出付勢部が配置されているので、2枚重ねのダイヤフラム用シート材を、凸型部の頂部と突出付勢部とに跨って平たい状態で載置することができる。故に、ダイヤフラム用シート材を、成形加工前の平たい状態を良好に維持しながら型に装填させることができる。
また、突出付勢部は、その頂部が凸型部の頂部と同等の高さレベルとなる上限位置に付勢維持されているから、ダイヤフラム用シート材を平らな状態でセットできながら、上下の型が離れ移動する際に、フランジ壁を下型の基準面から持ち上げ移動可能である。従って、加工後にダイヤフラムのみ持ち上げられることにより、フランジ壁の基準面への粘着防止や、型からの取り出しが容易となるなどの利点を得ることができる。
請求項3のように、凸型部の外側に周設される環状で単一のテンションリングとされる作用部と、テンションリングを上昇付勢させる付勢支持部とを有して突出付勢部を構成すれば、フランジ壁の全体に作用させることができて好都合である。また、請求項4のように、傾斜した上面を有してテンションリングの頂部としてあるので、ダイヤフラム用シート材が突出付勢部の頂部へ粘着することが抑制又は防止される利点が得られる。
請求項5の発明によれば、テンションリングの内外を貫通する流路がテンションリングの頂部に形成されているので、プレス加工時において、流路が、シート材どうしの間などに溜まったエアの逃げ道となり、テンションリングによって成形時に一時的に内外が遮断されることによる不都合(膨れ、成形不良、など)が防止又は軽減される効果がある。
この場合、請求項6のように、テンションリングの内外を貫通する流路は、下方に凹入する状態で上面に形成される溝や、内外に貫通する孔により形成すれば好都合である。
請求項7の発明は、請求項1の発明における前記上下間隔の超過範囲(「ダイヤフラム用シート材の厚みにそれらの重ね数を乗じた値」からの超過範囲)を0.3mm〜10mmに規定したものである。この超過範囲の下限があまりに小さいと、金型の平行度の誤差に含まれてしまって役を為さず、また、あまりに大きいと、下からの(下型からの)熱の伝播が悪くなって加硫に悪影響が出る。そこで、超過範囲を0.3mm〜10mmとすれば、金型の平行度に左右されず、かつ、十分に加硫できるものとしながら「へばり付きが生じない」という請求項1の構成による効果を得ることができる利点がある。
ダイヤフラムを示し、(a)は背面図、(b)は断面図 ダイヤフラム製法装置による製法を示し、(a)は待機状態の模式図、(b)は上型下降状態の模式図 ダイヤフラム装置による製法を示し、(a)はプレス状態の模式図、(b)は上昇移動状態の模式図 プレス状態にある製造装置の要部を示し、(a)は本発明、(b)は比較例 比較例のダイヤフラム製造装置による製法を示し、(a)は待機状態の模式図、(b)は上型下降状態の模式図 比較例のダイヤフラム製造装置による製法を示し、(a)はプレス状態の模式図、(b)は上昇移動状態の模式図 従来のダイヤフラム製造装置による製法を示し、(a)は待機状態の模式図、(b)は2枚重ねセット状態の模式図、(c)はプレス加工状態の模式図 下型の別構造を示し、(a)要部の断面図、(b)は要部の矢視図
以下に、本発明によるダイヤフラム製造装置及びそれによる製造方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図において、説明上、頂壁2の面に直交する方向、即ち矢印Z方向を上下方向と定義するものとする。また、各図においては、特徴や角度、隙間などを誇張して描く場合がありうるものとする。
〔実施形態1〕
図1にダイヤフラム1が示されている。このダイヤフラム1は、ガスメーターなどに使用されるゴム製の弾性薄膜でなり、上下方向視で長円(楕円又は角丸長方形)形状をなす頂壁2と、頂壁2の周囲に続く撓み壁3と、撓み壁3の周囲に続くフランジ壁4とを有して、全体として上下方向視の形状が角丸長方形で略鉢伏せ状のものに構成されている。
頂壁2とフランジ壁4とは互いに平行で、かつ、互いに高さレベルが異なる状態に形成されており、頂壁2がフランジ壁4に対して膨出している。
撓み壁3及びフランジ壁4は、共に上下方向視で環状をなしており、撓み壁3は、その断面が頂壁2及びフランジ壁4に対して傾斜したテーパ壁に形成されている。
ダイヤフラム製造装置Aについて説明する。図2に示すように、ダイヤフラム1の製造装置Aは、金型である上型5と、金型である下型6とを有して構成されている。
上型5は、厚板状の上ベース部5Bと上型部5Aとからなり、上型部5Aは、成形加工前のダイヤフラム1、即ち、未加硫ゴム製で平らなダイヤフラム用シート材(以下、単に「シート材」と略称する)1’の押さえ面である下面7と、上方に凹入した角穴である凹型部8とを有している。凹型部8は、上型部5Aにおける縦及び横方向で中央に位置しており、垂直な縦壁8aを有している。上型5における少なくとも上型部5Aは、図示しない加熱装置により加熱可能に構成されている。
下型6は、厚板状の下ベース部6Bと、下型部6Aと、ストッパ部6Cと、突出付勢部6Dとを有して構成されている。
下型部6Aは、台部9と、台部9に載置固定される下型本体部10とを有し、下型本体部10は、厚板状の中間ベース部10Bと、中間ベース部10Bの前後左右中央にて盛り上がる状態の凸型部10Aとを備えている。凸型部10Aは、中間ベース部10Bの上面であって水平面である基準面11に対して傾斜するテーパ周面12と、水平面で平らな上面(頂部の一例)13とを備えている。下型6における少なくとも下型本体部10は、図示しない加熱装置により加熱可能に構成されている。
突出付勢部6Dは、中間ベース部10Bの周囲近傍に位置されるテンションリング(作用部の一例)14と、テンションリング14を載置支持する支持リング15と、支持リング15を、その上面15aが中間ベース部10Bの下面10bに当接する上限に上昇付勢させる付勢支持部16とを有して構成されている。付勢支持部16は、例えば、図示は省略するが、ピンとピンを囲繞するコイルバネとでなるセット品を、台部9の周囲上に複数配備する構成などが挙げられる。自由状態では、環状で単一のテンションリング14の頂部14A(又は傾斜上面14a)と、凸型部10Aの上面13とは同等の高さレベルに設定されている。
ストッパ部6Cは、突出付勢部6Dの径外側に配備されるものであって、上型部5Aの下面7に当接可能な上面17を備えており、リング状の部材、或いは複数のピンから構成することができる。
つまり、製造装置Aは、頂壁2を形成すべく基準面11から上方に突出する凸型部10Aと、凸型部10Aの上面13と同じ高さレベルにある頂部14Aを有して下方に弾性移動可能に凸型部10Aの周囲に配置される突出付勢部6Dとを備え、凸型部10Aの上面13と突出付勢部6Dの頂部14Aとに跨ってシート材1’を2枚(複数枚の一例)重ね状態で載置可能、かつ、加熱可能な下型6と、
基準面11に対応する下面7と、凸型部10Aの入り込みを許容する凹型部8とを備える加熱可能な上型5とを備え、
加熱されている上型5を加熱されている下型6に向けて最も下降移動したときの基準面11と下面7との上下間隔dは、シート材1’の厚みtの2倍超え(d=2t+α)の値に設定されている。
次に、製造装置Aを用いてダイヤフラム1を作製する製造方法について説明する。まず、上型5が最上昇した待機状態にある製造装置A〔図2(a)を参照〕において、図2(b)に示すように、未加硫ゴムシートであるシート材1’を2枚重ね状態で、テンションリング14と上面13とに跨って載せ付ける状態で下型6に装填するセット工程を行う。平らなシート材1’の外郭は、ほぼテンションリング14の外郭と一致する状態で載るように設定されている。なお、上下の型5,6は、共に未加硫ゴムを加硫するのに十分な温度に加熱昇温されている。
それから、図3(a)に示すように、上型5を、上型部5Aの下面7がストッパ部6Cの上面17に当接するまで下降移動させ、下型6との間で平らなシート材1’の2枚重ねを加圧加熱成形させる重ねプレス工程を行う。このとき、上昇方向に突出付勢されているテンションリング14は、シート材1’を介して上型5で押し下げられるようになる。故に、上型5によるテンションリング14の押し下げが開始から、上型5が最も下降するまでの昇降移動の間は、上型部5Aの下面7とテンションリング14とで2枚のシート材1’の周囲が弾性付勢挟持される状態が維持される。
重ねプレス工程における上型5が最下降したときは、図4(a)に示すように、上型5の下面7と下型6の基準面11との上下間隔の値である上下間隔dは、シート材1’の厚みtにそれらシート材1‘の重ね数を乗じた値を超える値、即ち、シート材1’の厚みtの2倍+α(2倍超え)となるように設定されている。
その具体例としては、シート材1’の厚みt=0.2mm、α=0.3mmであって、d=0.2×2+0.3=0.7mmに設定されている。なお、実際の製造装置では、α=0.5mmとするのが非常に良いことも判ってきている。
シート材1’の厚みは0.17mm、0.20mm、0.34mmの3種類がよく使われる。例えば、2枚重ね使用の場合の上下間隔dは、厚み0.17mmのシート材1’では、0.17×2+(0.3〜10)=0.64〜10.34mmとなる。同様に、厚み0.20mmでは、0.20×2+(0.3〜10)=0.7〜10.4mm、厚み0.34mmでは、0.34×2+(0.3〜10)=0.98〜10.68mmという具合に導き出せる。
本発明において、上記のαは、理論上はα>0であれば良い技術である。しかしながら、実際上は、αがあまりに小さ過ぎると、金型の平行度の誤差に含まれてしまうとともに、αがあまりに大き過ぎると、下からの熱の伝わりが悪くなり加硫できないことになるので、現実のαの値としては、0.3〜10mmとするのが好都合である。
なお、上下方向視で環状をなすテンションリング14の頂部14Aは、環状形状の内に向かって高さが高くなる緩やかな傾斜角度が付いた傾斜上面に形成されている。従って、ダイヤフラム用シート材におけるフランジ壁に相当する部分が、型成形に伴って頂壁側に引っ張られた際の移動(流動)が比較的し易いものとしながら押圧付勢維持されるので、円滑なプレス成形に寄与できるものとなっている。
また、頂部14Aが水平な上面である場合には、加工時にフランジ壁4が粘着してしまうおそれがあるが、傾斜した上面14aとしてあるので、ダイヤフラム用シート材1’が突出付勢部6Dの頂部(14A)へ粘着することが抑制又は防止される利点がある。
この場合、上面14aの高さが環状形状の外に向かって低くなる頂部14Aの場合には、成形加工の際にダイヤフラム用シート材が頂壁側(環状形状の内側)に引っ張られることがあっても、頂部14Aの形状による楔効果が生じることもなくダイヤフラム用シート材がより円滑に移動(流動)でき、良好な型成形がより促進されるようになる利点がある。
そして、上型5を図3(a)に示す最下降位置から上昇移動させ、待機位置に戻した状態を図3(b)に示す。上型5の上昇に伴い、上下の型5,6による加圧加熱成形により、頂壁2、撓み壁3、及びフランジ壁4を有する所望形状に成形され、かつ、加硫されたダイヤフラム1の2枚重ねは、上型5及び下型6から分離されて、元の位置に突出移動したテンションリング14に載せ付けられる状態となっている。従って、成形後のダイヤフラム1は、良好に製造装置Aから取り出すことができる。
なお、図示は省略するが、製造方法においては、下型6から取り出されたダイヤフラム1は、フランジ壁4の外郭部分をカットするカット工程が行われる。
このように、重ねプレス工程における下面7と基準面11との上下間隔dを、ストッパ部6Cを設けてシート材1’の厚みtの2倍+α〔d=2t+(0.3〜10mm)〕に設定して成形する方法により、プレス成形後のダイヤフラム1が上型5の下面7にへばり付き、上型5を上昇させると2枚重ねのダイヤフラム1,1が一緒に上がってしまう不都合がなく、良好に型成形できるものとなっている。
但し、この良好な製造装置を実現させるまでには、次に述べる失敗を伴う比較例の製造装置による製法を経た経緯がある。この比較例の製造装置及び製法を経験したことにより、更なる改善を行い、その結果、本発明による製造装置Aが創作されたのである。
比較例の製造装置B及び製造方法を図5,6に示す。比較例の製造装置Bは、先に説明した本発明による製造装置Aからストッパ部6Cが省略されたような構成のものであり、重ねプレス工程における上型5の下降限界は、下面7がシート材1’の2枚重ねを介して基準面11に当接する状態によりなされる。
まず、上型5が最上昇した待機状態にある製造装置B〔図5(a)を参照〕において、図5(b)に示すように、未加硫ゴムシートであるシート材1’を2枚重ね状態で、テンションリング14と上面13とに跨って載せ付けた状態で下型6に装填するセット工程を行う。本発明と同様に、シート材1’の外郭は、ほぼテンションリング14の外郭と一致する状態で載るように設定されており、かつ、上下の型5,6は、共に未加硫ゴムを加硫するのに十分な温度に加熱昇温されている。
それから、図6(a)に示すように、上型5を、上型部5Aの下面7が2枚のシート材1’を介して下型6の基準面11に当接するまで下降移動させ、下型6との間で平らなシート材1’の2枚重ねを加圧加熱成形させる重ねプレス工程を行う。このとき、2枚重ねのシート材1’は、上型5の下面7と上昇突出付勢されるテンションリング14との間でも挟まれている。
重ねプレス工程における上型5が最下降したときは、図4(b)に示すように、下面7と基準面11との上下間隔eは、シート材1’の厚みtの丁度2倍(e=2t)に設定されていた。
そして、上型5を図6(a)に示す最下降位置から上昇移動させ、待機位置に戻した状態を図6(b)に示す。上型5の上昇に伴い、上下の型5,6による加圧加熱成形により、頂壁2、撓み壁3、及びフランジ壁4を有する所望形状に成形され、かつ、加硫されたダイヤフラム1の2枚重ねは、何故か粘着して上型にへばり付いた状態になって一緒に上昇してしまうのである。
上型5の下面7にへばり付いたダイヤフラム1は、容易に下面7から剥がれず、成形後のダイヤフラム1を型から取り出すのが困難であり、量産化できるものではなかった。
この比較例による不都合を解消すべく鋭意研究した結果、新たにストッパ部6Cを設けて、下面7と基準面11との上下間隔dを、シート材1’の厚みtの2倍の値を超える値〔2t+(0.3〜10mm)〕に設定する工夫により、重ねプレス工程の終了時におけるダイヤフラム1の粘着による上型5へのへばり付き現象を解消させることが可能になったのである。
〔別実施形態〕
(1)図8(a)、(b)に示すように、テンションリング14の頂部14Aには、環状形状のテンションリング14の内外を連通させる流路26が1箇所又は複数箇所形成されている下型6でも良い。流路26の一例としては、テンションリング14の内外に貫通する凹入溝26が挙げられ、この凹入溝26は、傾斜した上面14aの基も低い箇所である外周側端縁14bよりも若干低い底面(符記省略)を持ち、環状形状の内外に貫通している。なお、凹入溝26に代えて、例えば、内外に貫通する丸孔(図示省略)でも良い。つまり、テンションリング14の頂部14Aには、上面14aにおける最も高い箇所である内周端縁14cから下方に凹んで環状形状の内外に貫通する凹入溝26、又は環状形状の内外に貫通する孔が形成されており、これら凹入溝や孔を総称して流路26と呼ぶ。
テンションリング14は、成形時にフランジ壁4を上型5との間で周状に挟み込んで内外を一時的に遮断するようになるが、凹入溝26によって内外が貫通されるので、シート材1’どうしの間などに溜まったエアの逃げ道となる利点がある。この利点により、テンションリング14によって成形時に一時的に内外が遮断されることによる不都合(膨れ、成形不良、など)が防止又は軽減される効果が期待される。
(2)下面7と基準面11との上下間隔dは、シート材1’の厚みが0.20mmにおいては、先の例(2枚重ね)ではd=0.7mm(3.5t)に設定されているが、シート材1’を3枚重ねる3枚重ねの場合の上下間隔dは、d=0.20×3+(0.3〜10)=0.9〜10.6mm(4.5t〜53t)の範囲の任意の値に定められる。
1’ ダイヤフラム用シート材
2 頂壁
3 撓み壁
4 フランジ壁
5 上型
6 下型
6D 突出付勢部
7 下面
8 凹型部
10A 凸型部
11 基準面
13 凸型部の頂部
14 作用部、テンションリング
14A 突出付勢部の頂部
14a 上面
16 付勢支持部
26 流路(溝、孔)
d 下面と基準面との上下間隔
t ダイヤフラム用シート材の厚み

Claims (7)

  1. 頂壁と、前記頂壁の周囲に続く撓み壁と、前記撓み壁の周囲に続くフランジ壁とを有し、前記頂壁が前記フランジ壁に対して膨出しているダイヤフラムの製造装置であって、
    前記フランジ壁を形成するための基準面と、前記頂壁を形成すべく前記基準面から上方に突出する凸型部とを備える加熱可能な下型、及び、前記基準面に対応する下面と、前記凸型部の入り込みを許容する凹型部とを備える加熱可能な上型を有し、
    加熱状態の前記上型と加熱状態の前記下型とを上下に相対接近移動させて、前記上型と前記下型との間に装填されているダイヤフラム用シート材の複数枚重ねの成形加工が可能に構成されているとともに、
    前記上型と前記下型とが最も接近したときの前記下面と前記基準面との上下間隔が、前記ダイヤフラム用シート材の厚みにそれらの重ね数を乗じた値を超える値に設定されているダイヤフラム製造装置。
  2. 前記下型においては、上限位置に上昇付勢維持される作用部を有する突出付勢部が前記凸型部の周囲に配置されるとともに、前記作用部の頂部が上昇付勢維持される前記上限位置は、前記凸型部の頂部と同等の高さレベルに設定されている請求項1に記載のダイヤフラム製造装置。
  3. 前記突出付勢部は、前記凸型部の外側に周設される環状で単一のテンションリングに形成される前記作用部と、前記テンションリングを上昇付勢させる付勢支持部とを有して構成されている請求項2に記載のダイヤフラム製造装置。
  4. 前記テンションリングの前記頂部は、その環状形状の内又は外に向かって高さが異なる状態に傾斜した上面に形成されている請求項3に記載のダイヤフラム製造装置。
  5. 前記テンションリングの前記頂部には、環状形状の前記テンションリングの内外を連通させる流路が形成されている請求項4に記載のダイヤフラム製造装置。
  6. 前記流路は、前記環状形状の内外に貫通するように前記上面に下方に凹む状態で形成される溝、又は前記環状形状の内外に貫通する孔により形成されている請求項5に記載のダイヤフラム製造装置。
  7. 前記上下間隔が、前記ダイヤフラム用シート材の厚みにそれらの重ね数を乗じた値に0.3〜10mmを加えた値、に設定されている請求項1〜6の何れか一項に記載のダイヤフラム製造装置。
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