JP7142525B2 - 金属箔成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
始めに、本発明により製造される金属箔成形体として、ガスコンロ用マットの構造について説明する。
[製造方法]
次に、本発明によりガスコンロ用マットを製造する方法について説明する。
(成形型)
図3を参照して、本実施の形態の製造方法に用いる成形型20は、中央部から外側にかけて同心的に且つ上下に対向して配置される複数の部材から構成される。上側には、中央部から順に、フォームパンチ21、上側の皺押さえ部25A、ブランキングパンチ26、及び払い落とし28が配置される(以下、これらをまとめて上半部20Aと称する)。下側は、中央部にセンターブロック22と、センターブロック22の下面側を支持するワイプダウンブロックリテーナ23及びバックプレート24とが配置され、更に順に外側に向かって、下側の皺押さえ部25B、ドローリング27、及びカットエッジ29が配置される(以下、これらをまとめて下半部20Bと称する)。
(準備工程)
準備工程は、目的に応じて、金属箔から成る金属箔シート体を準備する工程である。金属箔シート体50は、製造しようとする製品の種類に応じて金属の種類、厚み、その他の物理的特性が選択された金属箔から成り、ガスコンロ用マットを製造する場合、厚みが10~100μm(好ましくは25~50μm)のアルミニウム箔が用いられる。厚みが薄すぎると成形時に割れが発生し易くなる。厚みを大きくし過ぎるとコストが上昇する。
(セッティング工程)
セッティング工程は、張り出し成形部と一対の皺押さえ部とを備える成形型に、金属箔シート体をセットする工程である。目的に応じ準備した金属箔シート体50を、図3に示すように、成形型20の上半部20Aと下半部20Bとの間に設けた空間に配置してセットする。このとき、外方領域52の印刷層が、上下に対向する一対の皺押さえ部25A、25B間に配置されるように設定する。又、金属箔シート体50の外周縁が、成形型20の成形範囲よりも外側にはみ出るように配置する。
(押圧工程)
押圧工程は、外方領域を一対の皺押さえ部で挟んで押圧し、外方領域の面内方向の移動を阻止又は制限する工程である。金属箔シート体50を成形型20にセットしたならば、図4に示すように、成形型20の上半部20Aと下半部20Bとを接近させ、両者の間に外方領域52を挟み込む。内方領域51については、上側のフォームパンチ21が接触する。このとき、少なくとも上下の皺押さえ部25A、25Bのクリアランス及び押圧力を、外方領域52が面内方向に移動するのを阻止又は制限できるように設定する。具体的には、上下一対の皺押さえ部25A、25B間のクリアランスを、金属箔シート体50の厚み寸法に等しく設定する。例えば厚みが30μmの金属箔シート体50であればクリアランスを30μmに設定する。
(ブランキング工程)
ブランキング工程は、金属箔シート体を一定寸法に整形する工程である。上記のようにして、金属箔シート体50の外方領域52の面内方向移動を拘束した後、図5に示すように、払い落とし28及びカットエッジ29を固定し、これらの内方側の部分全体を降下させる。これにより、ブランキングパンチ26とカットエッジ29との間で作用する剪断力で外方領域52の周縁領域が切断され、金属箔シート体50は、外径寸法が予め定められた一定寸法に整えられる。
(張り出し成形工程)
張り出し成形工程は、内方領域を張り出し成形部により予め定めた立体的形状に張り出し成形する工程である。上記ブランキング工程に続いて、上下一対の皺押さえ部25A、25Bで押圧して外方領域52を拘束した状態を維持したまま、図6に示すように、フォームパンチ21をセンターブロック22の近傍まで降下させて、内方領域51をその展性により張り出し形成する。このとき、外方領域52は、面内方向への移動が阻止又は制限されているため、内方領域の51が変形する際に内方への流れ込みが生じにくくなるから、外方領域52における自由皺の発生が抑制される。又、張り出し成形される内方領域51の面積に比べて、押圧される外方領域52の面積(上下一対の皺押さえ部25A、25Bとの接触面積)が大きいので、外方領域52の内方側への流れ込みを阻止又は制限するのに必要とされる押圧力を低く抑えることができる。
(開口部形成工程)
図示は省略するが、張り出し成形工程で下方への突出形状に形成された内方領域51の中央を打ち抜いて、開口部を形成する。
(縁巻工程)
開口部の形成後、開口部の周縁部に縁巻き部を形成する工程を行い、第1の縁巻き部8(図1及び図2参照)を設ける。開口部を形成する領域は、張り出し成形により内方領域51を伸長方向に変形した領域であるから、皺を含まない。このため縁巻き部を形成するのが容易になるという利点を有している。
(解放準備工程)
次いで、図8に示すように、払い落とし28及びカットエッジ29の位置を基準として、センターブロック22、上下一対の皺押さえ部25A、25B、ブランキングパンチ26、ドローリング27を上昇させ、成形型20の上半部20A及び下半部20Bの各位置を、図4に示す初期位置に復帰させる。
(解放工程)
最後に、図9に示すように、成形型20の上半部20Aを上昇させて下半部20Bから離隔させ、得られた金属箔シート体50から成る金属箔成形体を取り出す。
(凹凸付与工程)
図10は、本発明に係る製造方法の異なる実施形態に関するものであって、外方領域に凹凸を付与する凹凸付与工程を示す断面図である。
2…マット本体
3…開口部
4…内方部
5…段差部
6…外方部
7…液止め部
8…第1の縁巻き部
9…堤防部
10…第2の縁巻き部
11…天板
12…開口
13…ガスバーナ
14…バーナリング
15…五徳
20…成形型
20A…上半部
20B…下半部
21…フォームパンチ
22…センターブロック
23…ワイプダウンブロックリテーナ
24…バックプレート
25A…上側の皺押さえ部
25B…下側の皺押さえ部
26…ブランキングパンチ
27…ドローリング
28…払い落とし
29…カットエッジ
50…金属箔シート体
51…内方領域
52…外方領域
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (8)
- 隆起等の立体的形状を有する内方部と、その周囲の外方部とを備える金属箔成形体の製造方法であって、
金属箔から成る金属箔シート体を準備する準備工程と、
前記金属箔シート体における前記内方部に相当する内方領域を張り出し成形するための張り出し成形部と、前記金属箔シート体における前記外方部に相当する外方領域を挟んで押圧するための一対の皺押さえ部とを備える成形型に、前記金属箔シート体をセットするセッティング工程と、
前記外方領域を前記一対の皺押さえ部で挟んで押圧し、前記外方領域の面内方向の移動を阻止又は制限する押圧工程と、
前記内方領域を前記張り出し成形部により予め定めた立体的形状に張り出し成形する張り出し成形工程とを含み、
前記皺押さえ部により押圧される前記外方領域の面積は、前記張り出し成形部により張り出し成形される内方領域の面積よりも大きい、金属箔成形体の製造方法。 - 前記外方領域の表面及び裏面の少なくとも一方に意匠が設けられている、請求項1記載の金属箔成形体の製造方法。
- 前記意匠は印刷層から成る、請求項2記載の金属箔成形体の製造方法。
- 前記金属箔は、アルミニウム箔である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の金属箔成形体の製造方法。
- 前記一対の皺押さえ部の各接合面間のクリアランスは、前記金属箔シート体の厚みに等しく設定される、請求項1から請求項4のいずれかに記載の金属箔成形体の製造方法。
- 前記金属箔成形体は、前記外方部に1つ以上の凹形状又は凸形状を備え、
前記成形型は、前記一対の皺押さえ部の一方の接合面に、前記凹形状又は凸形状を形成するための凹構造部又は凸構造部を備え、他方の接合面に、前記凹構造部又は凸構造部に嵌合し得る凸構造部又は凹構造部を備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の金属箔成形体の製造方法。 - 前記張り出し成形工程の後に、前記内方領域に開口部を形成する開口部形成工程をさらに含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載の金属箔成形体の製造方法。
- 前記金属箔成形体はガスコンロ用マットを含み、前記開口部はガスバーナ用の開口部を含む、請求項7記載の金属箔成形体の製造方法。
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