JP6585318B1 - 湿式摩擦材 - Google Patents
湿式摩擦材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6585318B1 JP6585318B1 JP2019021066A JP2019021066A JP6585318B1 JP 6585318 B1 JP6585318 B1 JP 6585318B1 JP 2019021066 A JP2019021066 A JP 2019021066A JP 2019021066 A JP2019021066 A JP 2019021066A JP 6585318 B1 JP6585318 B1 JP 6585318B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piece
- friction material
- oil groove
- wet friction
- segment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D13/00—Friction clutches
- F16D13/58—Details
- F16D13/60—Clutching elements
- F16D13/64—Clutch-plates; Clutch-lamellae
- F16D13/648—Clutch-plates; Clutch-lamellae for clutches with multiple lamellae
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D13/00—Friction clutches
- F16D13/58—Details
- F16D13/60—Clutching elements
- F16D13/64—Clutch-plates; Clutch-lamellae
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D13/00—Friction clutches
- F16D13/58—Details
- F16D13/74—Features relating to lubrication
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/02—Braking members; Mounting thereof
- F16D65/12—Discs; Drums for disc brakes
- F16D65/127—Discs; Drums for disc brakes characterised by properties of the disc surface; Discs lined with friction material
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D67/00—Combinations of couplings and brakes; Combinations of clutches and brakes
- F16D67/02—Clutch-brake combinations
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D69/00—Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/02—Braking members; Mounting thereof
- F16D2065/13—Parts or details of discs or drums
- F16D2065/1304—Structure
- F16D2065/1324—Structure carrying friction elements
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D69/00—Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
- F16D2069/004—Profiled friction surfaces, e.g. grooves, dimples
Abstract
Description
湿式クラッチは、複数枚の湿式摩擦材と複数枚のセパレータプレートとを小さなクリアランスを介して交互に配置され、両者を圧接・離間することでトルク伝達・非伝達を行う構造となっている。また、クラッチ内には、この圧接・離間における湿式摩擦材の摩擦低減や摩擦に伴う摩擦熱を吸収する目的等から、潤滑油が供給されている。このクラッチは、非締結時には、湿式摩擦材とセパレータプレートとが離間されて相対回転されており、その際に引き摺りトルクと称されるトルクを生じることが知られている。
この引き摺りトルクは、クラッチの空転時に不要なエネルギーを消費するため、近年、急速に進展されている低燃費化対策として、その低減が望まれている。そして、この引き摺りトルク低減の技術として下記特許文献1〜3の技術が知られている。
〔1〕本第1発明の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、
前記コアプレートの主面に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G1)〜(G4)である4種のセグメントピースが、油溝を介してリング状に配置されてなり、
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
前記セグメントピースは、前記第1ピース、前記第2ピース、前記第3ピース及び前記第4ピースの並び順で繰り返して配置されていることを要旨とする。
〔2〕本湿式摩擦材では、隣り合った前記第2ピースと前記第3ピースとで区画された油溝を第2油溝とし、
隣り合った前記第1ピースと前記第4ピースとで区画された油溝を第4油溝とした場合に、
前記第2油溝及び前記第4油溝は、内周側及び外周側の各開口部間に、溝幅が略一定であり且つ本湿式摩擦材の回転中心へ向かって流路が真っ直ぐな直流路を備えることができる。
〔3〕本湿式摩擦材では、隣り合った前記第1ピースと前記第2ピースとで区画された油溝を第1油溝とし、
隣り合った前記第3ピースと前記第4ピースとで区画された油溝を第3油溝とした場合に、
前記第1油溝及び前記第3油溝は、溝幅が広い幅広部と溝幅が狭い幅狭部とを有し、
前記幅広部は、一端側に内周側又は外周側へ通じる開口部を有し、他端側に前記幅狭部へ通じる接続部を有し、前記開口部及び前記接続部の間に溝幅が一定であり且つ本湿式摩擦材の回転中心へ向かって流路が真っ直ぐな直流路を備えることができる。
〔4〕本湿式摩擦材では、平面視した場合に、前記第1ピースと前記第2ピースとが線対称形状であり、前記第3ピースと前記第4ピースとが線対称形状であることができる。
〔5〕本第2発明の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面にリング状に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G1)〜(G4)のセグメントピースを含む複数のセグメントピースから構成され、且つ、下記(T1)〜(T2)の組合せを含むことを要旨とする。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
(T1)前記第1ピースと前記第2ピースとが、油溝を介して、該第1ピースの右側と該第2ピースの左側とで対面配置された組合せ
(T2)前記第3ピースと前記第4ピースとが、油溝を介して、該第3ピースの右側と該第4ピースの左側とで対面配置された組合せ
〔6〕本湿式摩擦材では、前記(T2)、前記(T1)及び前記(T2)の並び順、及び、前記(T1)、前記(T2)及び前記(T1)の並び順、うちの少なくとも一方の並び順を含むことができる。
〔7〕本第3発明の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面にリング状に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G1)〜(G4)のセグメントピースを含む複数のセグメントピースから構成され、且つ、下記(T3)及び/又は下記(T4)の組合せを含むことを要旨とする湿式摩擦材。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
(T3)前記第4ピース、前記第1ピース、前記第2ピース及び前記第3ピースが、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せ
(T4)前記第2ピース、前記第3ピース、前記第4ピース及び前記第1ピースが、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せ
〔8〕本湿式摩擦材では、前記(G1)〜(G4)のセグメントピースは、いずれも、その最大幅をW1とし、切欠部の最大幅をW2とした場合に、0.10≦W2/W1≦0.80であるものとすることができる。
〔9〕本湿式摩擦材では、前記(G1)〜(G4)のセグメントピースは、いずれも、その最大高をH1とし、切欠部の最大高をH2とした場合に、0.25≦H2/H1≦0.75であるものとすることができる。
〔10〕本第4発明の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面にリング状に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G5)及び(G6)のセグメントピースを含む複数のセグメントピースが、油溝を介してリング状に配置されてなることを要旨とする。
(G5)略四角形をなすピースの右下角及び左上角が各々略四角形に切り欠かれた第5ピース。
(G6)略四角形をなすピースの右上角及び左下角が各々略四角形に切り欠かれた第6ピース。
〔11〕本湿式摩擦材では、前記摩擦部は、下記(T5)及び(T6)の組合せのうちの少なくとも一方を含むことができる。
(T5)前記第5ピースと前記第6ピースとが、油溝を介して、該第5ピースの右側と該第6ピースの左側とで対面配置された組合せ
(T6)前記第5ピースと前記第6ピースとが、油溝を介して、該第5ピースの左側と該第6ピースの右側とで対面配置された組合せ
〔12〕本湿式摩擦材では、前記(G5)のセグメントピース及び前記(G6)のセグメントピースは、いずれも、その最大幅をW1とし、1つの切欠部の最大幅をW2とした場合に、0.05≦W2/W1≦0.40であるものとすることができる。
〔13〕本湿式摩擦材では、前記(G5)のセグメントピース及び前記(G6)のセグメントピースは、いずれも、その最大高をH1とし、1つの切欠部の最大高をH2とした場合に、0.25≦H2/H1≦0.75であるものとすることができる。
溝幅が広い幅広部と溝幅が狭い幅狭部とを有し、幅広部が、一端側に外周側へ通じる開口部を有し、他端側に幅狭部へ通じる接続部を有し、開口部及び接続部の間に溝幅が一定であり且つ本湿式摩擦材の回転中心へ向かって流路が真っ直ぐな直流路を備えた第3油溝を有する場合、当該構成を備えない形態に比べて、潤滑油の表面張力によって潤滑油の排出性が低下されることを抑制して引き摺りトルクを低減できる。
本第1発明の湿式摩擦材(1)は、平板なリング形状をなすコアプレート(2)と、コアプレート(2)の主面(2a)に配置された摩擦部(3)と、を有する。
このうち、摩擦部(3)は、(G1)〜(G4)の4種のセグメントピース(4)が、油溝(5)を介してリング状に配置されてなる(図1参照)。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
更に、セグメントピース(4)は、第1ピース(G1)、第2ピース(G2)、第3ピース(G3)及び第4ピース(G4)の並び順で繰り返して配置されている。
上記コアプレート2は、平板なリング形状を呈する。即ち、板体中央が開孔された環形状である。コアプレート2は、リング形状の中心を回転中心Pとしている。コアプレート2が有する主面2aは、その面にセグメントピース4が接合されて摩擦部3が形成される面である。主面2aは、コアプレート2の一面のみに有してよいし、両面に有してもよい。即ち、摩擦部3は、コアプレート2の一面のみに形成されてもよいし、コアプレート2の両面に形成されていてもよい。
また、コアプレート2の厚さをD(mm)とした場合、厚さDは限定されないが、例えば、0.1≦D(mm)≦10mmとすることができ、0.3≦D(mm)≦7とすることができ、0.5≦D(mm)≦5とすることができる。
更に、コアプレート2は、どのような材料から形成されてもよいが、例えば、各種炭素鋼(S35C、S55C等)、冷間圧延鋼板(SPCC、SPCCT等)、低炭素ハイテン鋼(NCH780等)などを用いることができる。
摩擦部3は、セグメントピース4と油溝5とから形成されている。具体的には、複数のセグメントピース4が油溝5を介してリング状に配置されて形成される。
そして、摩擦部3は、湿式摩擦材1と、これに隣接された相手材(セパレータプレート等)と、の接触の程度によって、湿式摩擦材1と相手材との連動具合を調節する機能を有する。即ち、相手材に対するブレーキ機能(制動機能)やトルク伝達機能を有する。
この摩擦部3は、コアプレート2の表側の主面2aと裏側の主面2aとで、同じ形態であってもよいし、異なる形態であってもよい。
セグメントピース4は、上述のように摩擦部3を構成しており、その表面が摩擦面とされている。油溝5は、セグメントピース4によって区画形成されるため、セグメントピース4の外形と、その並び方により油溝5の形状も決定されることとなる。
本湿式摩擦材1で用いるセグメントピース4は、第1ピースG1、第2ピースG2、第3ピースG3及び第4ピースG4の少なくとも4種がある。
この第1ピースG1は、図2aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第1ピースG1は、辺411〜416の6つの辺により構成できる。
また、第1ピースG1は、図2bに示すように、辺411、辺413及び辺415を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺412及び辺416を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第1ピースG1は、図2cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
第1ピースG1の場合と同様に、この第2ピースG2は、図3aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第2ピースG2は、辺421〜426の6つの辺により構成できる。
また、第2ピースG2は、図3bに示すように、辺421、辺423及び辺425を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺422及び辺426を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第2ピースG2は、図3cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
また、第2ピースG2における切欠部42Lの大きさは限定されず、上記の第1ピースG1に関するW2/W1及びH2/H1に関する記載を、そのまま第2ピースG2へ読み換えて適用できる。
平面視において第1ピースG1と第2ピースG2とが線対称形状である場合には、第1ピースG1と第2ピースG2とで区画形成される油溝51の形状が、左右対称な形状となることによって、回転方向によらず、潤滑油に対して安定した性能を発揮できる。
加えて、第1ピースG1を裏返すことで、第2ピースG2として利用できるため、1回の型抜きにより第1ピースG1と第2ピースG2とを同時製造できる。このため、セグメントピース4の製造が容易であり、コストメリットが大きい。
この第3ピースG3は、図4aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第3ピースG3は、辺431〜436の6つの辺により構成できる。
また、第3ピースG3は、図4bに示すように、辺431、辺433及び辺435を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺432及び辺434を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第3ピースG3は、図4cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
また、第3ピースG3における切欠部43Lの大きさは限定されず、上記の第1ピースG1に関するW2/W1及びH2/H1に関する記載を、そのまま第3ピースG3へ読み換えて適用できる。
第3ピースG3の場合と同様に、この第4ピースG4は、図5aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第4ピースG4は、辺441〜446の6つの辺により構成できる。
また、第4ピースG4は、図5bに示すように、辺441、辺443及び辺445を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺442及び辺446を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第4ピースG4は、図5cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
また、上記の第1ピースG1に関するW2/W1及びH2/H1に関する記載を、そのまま第4ピースG4へ読み換えて適用できる。
平面視において第3ピースG3と第4ピースG4とが線対称形状である場合には、第3ピースG3と第4ピースG4とで区画形成される油溝53の形状が、左右対称な形状となることによって、回転方向によらず、潤滑油に対して安定した性能を発揮できる。
加えて、第3ピースG3を裏返すことで、第4ピースG4として利用できるため、1回の型抜きにより第3ピースG3と第4ピースG4とを同時製造できる。このため、セグメントピース4の製造が容易であり、コストメリットが大きい。
第9ピースG9を挟む場合、第9ピースG9の最大幅W1は、第1ピースG1の最大幅W1及び第4ピースG4の最大幅W1よりも小さいことが好ましい。例えば、第1ピースG1の最大幅W1と第4ピースG4の最大幅W1とは同じ大きさにすることができ、この最大幅をW11とし、第9ピースG9の最大幅W1をW12とした場合、0.1≦W12/W11≦1とすることができ、0.2≦W12/W11≦0.8とすることができ、0.3≦W12/W11≦0.7とすることができる。
尚、第1ピースG1と第4ピースG4との間に第9ピースG9を挟む場合、後述する、第2ピースG2と第3ピースG3との間にも、同時に第9ピースG9を挟むことができるが、挟まない構成とすることもできる。
第9ピースG9を挟む場合、第9ピースG9の最大幅W1は、第2ピースG2の最大幅W1及び第3ピースG3の最大幅W1よりも小さいことが好ましい。例えば、第2ピースG2の最大幅W1と第3ピースG3の最大幅W1とは同じ大きさにすることができ、この最大幅をW11とし、第9ピースG9の最大幅W1をW12とした場合、0.1≦W12/W11≦1とすることができ、0.2≦W12/W11≦0.8とすることができ、0.3≦W12/W11≦0.7とすることができる。
尚、第2ピースG2と第3ピースG3との間に第9ピースG9を挟む場合、前述した、第1ピースG1と第4ピースG4との間にも、同時に第9ピースG9を挟むことができるが、挟まない構成とすることもできる。
このうち、基材繊維としては、各種の合成繊維、再生繊維、無機繊維、天然繊維等を利用できる。具体的には、セルロース繊維(パルプ)、アクリル繊維、アラミド繊維等が好ましい。更に、充填材としては、摩擦調整剤としてのカシューダスト、固体潤滑剤としてのグラファイト及び/又は二硫化モリブデン、体質顔料としてのケイソウ土等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂及び/又はその変性樹脂を用いることができる。
また、セグメントピース4は、コアプレート2の主面2aに対して、通常、接合して固定されるが、コアプレート2との接合方法は限定されず、熱融着、接着剤等を介した貼着(接着)等の方法を用いることができる。
油溝5は、2つのセグメントピース4が離間して配置されることで、これらの間隙として形成される潤滑油の流路となる溝である。前述の第1ピースG1から第4ピースG4までの各セグメントピース4は、本湿式摩擦材1では、互いに離間して配置され、各々の間隙に油溝5を形成する。従って、本湿式摩擦材1において、油溝5は、内周側SI及び外周側SOへ貫通された貫通溝である。
この油溝5は、本湿式摩擦材1の内周側SIから供給された潤滑油を、外周側SOへ向かって排出するガイドとして機能され得る。油溝5は、セグメントピース4の数に応じて複数が主面2a以上に配置される。通常、全てのセグメントピース4が、離間して配置されるため、油溝5は、セグメントピース4の数と同数が形成されることになる。
即ち、第1油溝51は、第1ピースG1の切欠部41L及び第2ピースG2の切欠部42Lとで形成された、溝幅が広い幅広部51wを、内周側SIに有する。一方、外周側SOには、溝幅が狭い幅狭部51nを有する(図2〜図3及び図6〜図7参照)。
同様に、第3油溝53は、第3ピースG3の切欠部43L及び第4ピースG4の切欠部44Lとで形成された、溝幅が広い幅広部53wを、内周側SIに有する。一方、外周側SOには、溝幅が狭い幅狭部53nを有する(図4〜図7参照)。
即ち、湿式摩擦材1が、反時計回りに回転している場合、第2ピースG2の切欠部42Lで堰き止められた潤滑油が、第2ピースG2の表面へ乗り上げる。そうすると、湿式摩擦材1と相手材との間に潤滑油が介在して、両者を引き剥がし、引き摺りトルクを低減できると考えられる(図3、図6及び図7参照)。
しかしながら、その後、この第2ピースG2の表面に乗り上げた潤滑油を早期に排出しなければ、セグメントピースの表面に潤滑油が滞留され、即ち、潤滑油を連れ回ってしまい、この潤滑油の連れ周りに起因した引き摺りトルクを生じ、上記の引きはがし効果を十分に活用できないのではないかと考えることができる。
そこで、本湿式摩擦材1では、油溝51に対応させて、潤滑油の排出性に優れた油溝53を設けている。これにより、潤滑油の連れ周りを防止し、上記の引きはがし作用を効果的に活用できるものと考えられる。
しかしながら、その後、この第4ピースG4の表面に乗り上げた潤滑油を早期に排出しなければ、セグメントピースの表面に潤滑油が滞留され、即ち、潤滑油を連れ回ってしまい、この潤滑油の連れ周りに起因した引き摺りトルクを生じ、上記の引きはがし効果を十分に活用できないのではないかと考えることができる。
そこで、本湿式摩擦材1では、油溝51に対応させて、潤滑油の排出性に優れた油溝53を設けている。これにより、潤滑油の連れ周りを防止し、上記の引きはがし作用を効果的に活用できるものと考えられる。
例えば、幅狭部51nの外周側SOへ通じる開口部をE51Oとし、幅広部51wの内周側SIへ通じる開口部をE51Iとする(図7参照)と、開口部E51Iは、開口部E51Oの1.2倍以上10倍以下が好ましく、1.4倍以上9倍以下がより好ましく、1.5倍以上8倍以下が特に好ましい。
より具体的には、開口部E51Iの開口幅は、1.5mm以上20mm以下とすることができ、更に、1.5mm以上15mm以下とすることができ、更に、2mm以上12mm以下とすることができる。
より具体的には、開口部E53Oの開口幅は、1.5mm以上20mm以下とすることができ、更に、1.5mm以上15mm以下とすることができ、更に、2mm以上12mm以下とすることができる。
同様に、油溝53の幅広部53wの開口部E53Oとは反対側の端部(他端側)を、幅狭部53nへ通じる接続部53cとした場合、油溝53は、開口部E53Oと接続部53cとの間に溝幅が一定であり且つ湿式摩擦材1の回転中心Pへ向かって流路が真っ直ぐな直流路53sを備えることが好ましい(図7参照)。
油溝52及び油溝54の流路形状はどのようなものであってもよく、回転中心Pへ向かって曲がった流路を備えることもできるが、第2油溝52及び第4油溝54は、回転中心Pへ向かって流路が真っ直ぐな直流路を備えることが好ましい。
より具体的には、第2油溝52は、内周側SIの各開口部E52Iと、外周側SOの各開口部E52Oと、の間に、溝幅が略一定であり且つ本湿式摩擦材1の回転中心Pへ向かって流路が真っ直ぐな直流路52sを備えることが好ましい。
また、第4油溝54は、内周側SIの各開口部E54Iと、外周側SOの各開口部E54Oと、の間に、溝幅が略一定であり且つ本湿式摩擦材1の回転中心Pへ向かって流路が真っ直ぐな直流路54sを備えることが好ましい。
即ち、前述のように、湿式摩擦材1が、反時計回りに回転している場合、第2ピースG2の切欠部42Lで堰き止められた潤滑油が、第2ピースG2の表面へ乗り上げて引き摺りトルクを低減していると考えられる(図3、図6及び図7参照)。
そして、本湿式摩擦材1では、油溝51に対応して油溝53を備えることで、潤滑油の連れ周りを防止し、引きはがし効果を有効に活用できると考えられるが、更に、高回転時には、特に高い潤滑油の排出性が必要になると考えられる。このため、油溝52が存在にすることにより、潤滑油が、油溝53へ至る前に潤滑油の排出を行うことができ、摩擦面積を軽減することなく、高回転時の排出性を高めることができると考えられる。従って、油溝52は、潤滑油を滞留させることなく、よりスムーズに排出できる構成が好ましく、上述の通り、流路しては、直流路52sを有することが好ましいと考えられる。
そして、本湿式摩擦材1では、油溝51に対応して油溝53を備えることで、潤滑油の連れ周りを防止し、引きはがし効果を有効に活用できると考えられるが、更に、高回転時には、特に高い潤滑油の排出性が必要になると考えられる。このため、油溝54が存在にすることにより、潤滑油が、油溝53へ至る前に潤滑油の排出を行うことができ、摩擦面積を軽減することなく、高回転時の排出性を高めることができると考えられる。従って、油溝54は、潤滑油を滞留させることなく、よりスムーズに排出できる構成が好ましく、上述の通り、流路しては、直流路54sを有することが好ましいと考えられる。
即ち、第1ピースG1と第4ピースG4との間に、第9ピースG9を挟む場合、第1ピースG1と第4ピースG4との間に、2つの油溝5を有することになる。この場合、第4ピースG4側の油溝を第4a油溝541とし、第1ピースG1側の油溝を第4b油溝542とする(図9参照)。
同様に、第2ピースG2と第3ピースG3との間に、第9ピースG9を挟む場合、第2ピースG2と第3ピースG3との間に、2つの油溝5を有することになる。この場合、第2ピースG2側の油溝を第2a油溝521とし、第3ピースG3側の油溝を第2b油溝522とする(図9参照)。
この場合、各油溝541、油溝542、油溝521及び油溝522は、各々、直流路541s、直流路542s、直流路521s及び直流路522sを有することが好ましい。これにより、高回転時の引き摺りトルク低減の作用をより効果的に得ることができる。
本第2発明の湿式摩擦材(1)は、平板なリング形状をなすコアプレート(2)と、コアプレート(2)の主面(2a)にリング状に配置された摩擦部(3)と、を有する。
このうち、摩擦部(3)は、(G1)〜(G4)の4種のセグメントピースを含む複数のセグメントピース(4)から構成され、且つ、(T1)〜(T2)の組合せを含んでいる(図10及び図1参照)。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
(T1)第1ピース(G1)と第2ピース(G2)とが、油溝(5)を介して、第1ピース(G1)の右側と第2ピース(G2)の左側とで対面配置された組合せ
(T2)第3ピース(G3)と第4ピース(G4)とが、油溝(5)を介して、第3ピース(G3)の右側と第4ピース(G4)の左側とで対面配置された組合せ
コアプレート2は、前述した本第1発明の湿式摩擦材1におけるコアプレート2をそのまま適用できる。
摩擦部3は、前述した本第1発明の湿式摩擦材1における摩擦部3と同様に、セグメントピース4と油溝5とから形成されている。具体的には、複数のセグメントピース4が油溝5を介してリング状に配置されて形成される。
また、摩擦部3は、湿式摩擦材1と、これに隣接された相手材(セパレータプレート等)と、の接触の程度によって、湿式摩擦材1と相手材との連動具合を調節する機能を有する。即ち、相手材に対するブレーキ機能(制動機能)やトルク伝達機能を有することも同様である。
更に、摩擦部3は、コアプレート2の表側の主面2aと裏側の主面2aとで、同じ形態であってもよいし、異なる形態であってもよいことについても同様である。
セグメントピース4は、上述のように摩擦部3を構成しており、その表面が摩擦面とされている。油溝5は、セグメントピース4によって区画形成されるため、セグメントピース4の外形と、その並び方により油溝5の形状も決定されることとなる。
本第2発明の湿式摩擦材1で用いるセグメントピース4は、第1ピースG1、第2ピースG2、第3ピースG3及び第4ピースG4の少なくとも4種のセグメントピースを含む複数のセグメントピース4から構成される。
また、第1ピースG1と第2ピースG2とは、平面視した場合に、互いに非対象な形状であってもよいが、線対称形状であることが好ましいことについても同様である。
更に、第3ピースG3と第4ピースG4とも、平面視した場合に、互いに非対象な形状であってもよいが、線対称形状であることが好ましいことについても同様である。
また、セグメントピース4における最大幅W1及び最大高H1は、第1ピースG1から第4ピースG4までの4種のセグメントピース間で同じであることが好ましいこと、更に、これらのセグメントピース4における切欠部の最大幅W2及び最大高H2は、第1ピースG1から第4ピースG4までの4種のセグメントピース間で同じであることが好ましいこと、についても同様である。
このうち、組合せT1(図11a参照)は、第1ピースG1と第2ピースG2とが、油溝5を介して、第1ピースG1の右側と第2ピースG2の左側とで対面配置された組合せである。この組合せT1(図11a参照)により第1油溝51が形成される。第1油溝51は、第1ピースG1の切欠部41L(図2参照)及び第2ピースG2の切欠部42L(図3参照)とで形成された、溝幅が広い幅広部51wを、内周側SIに有し、溝幅が狭い幅狭部51nを外周側SOに有している。第1油溝51を有することにより、湿式摩擦材1が、反時計回りに回転している場合には、切欠部42Lで堰き止められた潤滑油を、第2ピースG2の表面へ乗り上げさせることができる。また、時計回りに回転している場合には、切欠部41Lで堰き止められた潤滑油を、第1ピースG1の表面へ乗り上げさせることができる。このため、湿式摩擦材1と相手材との間に潤滑油を介在させて、両者を引き剥がし、引き摺りトルクを低減できる。
また、その配置も限定されず、例えば、組合せT1及び組合せT2は、何らかのセグメントピースを挟んで配置されてもよいし、組合せT1と組合せT2とは、他のセグメントピースを挟むことなく、隣り合って配置されてもよい。これらのうちでは、組合せT1と組合せT2とが、他のセグメントピースを挟むことなく、隣り合って配置されることが好ましい。
また、図10に例示するように、組合せT2と組合せT1と組合せT2とをこの順に隣り合わせて有することができる。
このように、組合せT1と組合せT2とが隣り合って配置される場合には、第1油溝51と第3油溝53とが隣り合って配置されることとなる。この場合には、特に高い引き摺りトルク低減効果が得られる。その機序は、明らかではないが、本第1発明の湿式摩擦材において前述した通りである。
このような機序から、更に、各組合せは、組合せT2、組合せT1、組合せT2の並び順(図12a「T2−T1−T2」参照)、及び、組合せT2、組合せT1、組合せT2の並び順(図12b「T1−T2−T1」参照)のうちの少なくとも一方の並び順を含んでいることが好ましい。この並び順を含むことにより、時計回り及び反時計回りの両方の回転方向に対してより均等な機能発揮をさせることができる。
また、組合せT1と組合せT2とが隣り合って配置される場合には、油溝52及び油溝54の流路形状の油溝が形成されることについても前述の通りであり、その形状や、その好ましい形態については、本第1発明の湿式摩擦材において説明した通りである。
他のセグメントピースの形状は限定されないが、例えば、本第1発明の湿式摩擦材1の場合と同様に、第9ピースG9を挙げることができる。第9ピースG9は、切欠部を有さない略四角形に形成されたセグメントピース4である。この第9ピースG9は、図9に「G91」として示すように第1ピースG1〜第4ピースG4よりも幅狭の形状であってもよいし、図10に「G92」として示すように第1ピースG1〜第4ピースG4と略同幅の形状であってもよい。
また、セグメントピース4の構成は限定されず、前述の第1発明の湿式摩擦材1の場合と同様である。
更に、油溝5に関しても、前述の通りであり、第1発明の湿式摩擦材1において説明した各油溝5(第1油溝51〜第4油溝54等)を同様に備えることができ、その形状、大きさ等も第1発明の湿式摩擦材1における油溝5の説明を適用できる。
本第3発明の湿式摩擦材(1)は、平板なリング形状をなすコアプレート(2)と、コアプレート(2)の主面(2a)にリング状に配置された摩擦部(3)と、を有する。
このうち、摩擦部(3)は、(G1)〜(G4)の4種のセグメントピースを含む複数のセグメントピース(4)から構成され、且つ、(T3)及び/又は下記(T4)の組合せを含んでいる(図13、図1及び図10参照)。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
(T3)第4ピース、第1ピース、第2ピース及び第3ピースが、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せ
(T4)第2ピース、第3ピース、第4ピース及び第1ピースが、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せ
コアプレート2は、前述した本第1発明の湿式摩擦材1におけるコアプレート2をそのまま適用できる。
摩擦部3は、前述した本第1発明の湿式摩擦材1における摩擦部3と同様に、セグメントピース4と油溝5とから形成されている。具体的には、複数のセグメントピース4が油溝5を介してリング状に配置されて形成される。
また、摩擦部3は、湿式摩擦材1と、これに隣接された相手材(セパレータプレート等)と、の接触の程度によって、湿式摩擦材1と相手材との連動具合を調節する機能を有する。即ち、相手材に対するブレーキ機能(制動機能)やトルク伝達機能を有することも同様である。
更に、摩擦部3は、コアプレート2の表側の主面2aと裏側の主面2aとで、同じ形態であってもよいし、異なる形態であってもよいことについても同様である。
セグメントピース4は、上述のように摩擦部3を構成しており、その表面が摩擦面とされている。油溝5は、セグメントピース4によって区画形成されるため、セグメントピース4の外形と、その並び方により油溝5の形状も決定されることとなる。
本第3発明の湿式摩擦材1で用いるセグメントピース4は、第1ピースG1、第2ピースG2、第3ピースG3及び第4ピースG4の少なくとも4種のセグメントピースを含む複数のセグメントピース4から構成される。
また、第1ピースG1と第2ピースG2とは、平面視した場合に、互いに非対象な形状であってもよいが、線対称形状であることが好ましいことについても同様である。
更に、第3ピースG3と第4ピースG4とも、平面視した場合に、互いに非対象な形状であってもよいが、線対称形状であることが好ましいことについても同様である。
また、セグメントピース4における最大幅W1及び最大高H1は、第1ピースG1から第4ピースG4までの4種のセグメントピース間で同じであることが好ましいこと、更に、これらのセグメントピース4における切欠部の最大幅W2及び最大高H2は、第1ピースG1から第4ピースG4までの4種のセグメントピース間で同じであることが好ましいこと、についても同様である。
このうち、組合せT3(図14a参照)は、第4ピースG4、第1ピースG1、第2ピースG2及び第3ピースG3が、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せである。この組合せT3(図14a参照)により、第4ピースG4の切欠部44Lと、第1油溝51と、第3ピースG3の切欠部43Lと、が並んで配置されることとなる。第1油溝51については、第1発明の湿式摩擦材1においても説明した通りである。組合せT3を有することで、湿式摩擦材1が、反時計回りに回転している場合には、切欠部42L(図3参照)で堰き止められた潤滑油を、第2ピースG2の表面へ乗り上げさせることができる。そして、湿式摩擦材1と相手材との間に潤滑油を介在させ、両者を引き剥がし、引き摺りトルクを低減できる。更に、第2ピースG2の表面へ乗り上げた潤滑油の少なくとも一部は、湿式摩擦材1の反時計回りの回転に伴って、第3ピースG3の表面へ連れ回ることになると考えられるが、第3ピースG3は、右上角に切欠部43Lを有するため、切欠部43Lから潤滑油を効率よく排出でき、それ以上の潤滑油の連れ周りを抑制できる。この結果、潤滑油の連れ周りによる引き摺りトルク上昇を抑制しつつ、潤滑油の引きはがし作用による引き摺りトルク低減を効果的に得ることができる。
この機序は、湿式摩擦材1が逆回転している場合にも同様に考えることができる点は、上述した組合せT3の場合と同じである。
また、その配置も限定されず、例えば、組合せT3及び組合せT4は、何らかのセグメントピースを挟んで配置されてもよいし、組合せT3と組合せT4とは、他のセグメントピースを挟むことなく、隣り合って配置されてもよい。これらのうちでは、組合せT3と組合せT4とが、他のセグメントピースを挟むことなく、隣り合って配置されることが好ましい。
また、図10に例示するように、組合せT3のみを連続して(繰り返して)有することができる。
更に、図13に例示するように、組合せT3と組合せT4とを隣り合わせて、連続して(繰り返して)有することができる。
また、油溝52及び油溝54の流路形状の油溝が形成されることについても前述の通りであり、その形状や、その好ましい形態については、本第1発明の湿式摩擦材において説明した通りである。
また、本第3発明の湿式摩擦材1でも、本第1発明の湿式摩擦材1の場合と同様に、組合せT3と組合せT4との間に、第1ピースG1〜第4ピースG4の4種のセグメントピース以外の他のセグメントピースを介在させることができることは同様である。
また、セグメントピース4の構成は限定されず、前述の第1発明の湿式摩擦材1の場合と同様である。
更に、油溝5に関しても、前述の通りであり、第1発明の湿式摩擦材1において説明した各油溝5(第1油溝51〜第4油溝54等)を同様に備えることができ、その形状、大きさ等も第1発明の湿式摩擦材1における油溝5の説明を適用できる。
本第4発明の湿式摩擦材(1)は、平板なリング形状をなすコアプレート(2)と、コアプレート(2)の主面(2a)にリング状に配置された摩擦部(3)と、を有する。
このうち、摩擦部(3)は、(G5)及び(G6)のセグメントピースを含む複数のセグメントピース(4)が、油溝(5)を介してリング状に配置されてなる(図15〜図19参照)。
(G5)略四角形をなすピースの右下角及び左上角が各々略四角形に切り欠かれた第5ピース
(G6)略四角形をなすピースの右上角及び左下角が各々略四角形に切り欠かれた第6ピース
第1ピースG1〜第4ピースG4の場合と同様に、第5ピースG5は、図18aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第5ピースG5は、辺451〜458の8つの辺により構成できる。
また、第5ピースG5は、図18bに示すように、辺451、辺453、辺455及び辺457を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺452及び辺456を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第5ピースG5は、図18cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
第6ピースG6は、図19aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第6ピースG6は、辺461〜468の8つの辺により構成できる。
また、第6ピースG6は、図19bに示すように、辺461、辺463、辺465及び辺467を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺464及び辺468を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第6ピースG6は、図19cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
また、第5ピースG5及び第6ピースG6の各最大幅W1及び各最大高H1は異なってもよいが、同じであることが好ましい。更に、これらの第5ピースG5及び第6ピースG6のセグメントピースの切欠部の最大幅W2及び最大高H2は、異なってもよいが、同じであることが好ましい。同じである場合には、両セグメントピースが区画形成する油溝5の形状を揃えることができる。このため、ばらつきを抑制して、引き摺りトルク低減をより確実に達することができる。
このうち、組合せT5(図16a参照)は、第5ピースG5と第6ピースG6とが、油溝5を介して、第5ピースG5の右側と第6ピースG6の左側とで対面配置された組合せである。組合せT5(図16a参照)により、第5ピースG5の切欠部45L2と、第5油溝55と、第6ピースG6の切欠部46L1と、が並んで配置される。この組合せT5は、第3発明の湿式摩擦材1における組合せT3と同様の効果を与える。
即ち、組合せT5(図16a参照)を有することで、湿式摩擦材1が反時計回りに回転している場合、切欠部46L2(図19参照)で堰き止めた潤滑油を、第6ピースG6の表面へ乗り上げさせることができる。そして、湿式摩擦材1と相手材との間に潤滑油を介在させ、両者を引き剥がし、引き摺りトルクを低減できる。また、第6ピースG6は、右上角に切欠部46L1を有している。このため、第6ピースG6の表面へ乗り上げた潤滑油を、湿式摩擦材1の反時計回りの回転に伴って、切欠部46L1から効率よく排出できる。この結果、潤滑油の連れ周りによる引き摺りトルク上昇を抑制しつつ、潤滑油の引きはがし作用による引き摺りトルク低減を効果的に得ることができる。
第5油溝55において、幅狭部と幅広部との幅の相関は限定されないが、油溝51と同様の形状にすることができる。即ち、幅狭部の外周側SOへ通じる開口部をE55Oとし、幅広部の内周側SIへ通じる開口部をE55Iとした場合、開口部E55Iは、開口部E55Oの1.2倍以上10倍以下が好ましく、1.4倍以上9倍以下がより好ましく、1.5倍以上8倍以下が特に好ましい。より具体的には、開口部E55Iの開口幅は、1.5mm以上20mm以下とすることができ、更に、1.5mm以上15mm以下とすることができ、更に、2mm以上12mm以下とすることができる。
即ち、組合せT6(図16b参照)を有することで、湿式摩擦材1が反時計回りに回転している場合、切欠部46L2で堰き止めた潤滑油を、第6ピースG6の表面へ乗り上げさせることができる。そして、湿式摩擦材1と相手材との間に潤滑油を介在させ、両者を引き剥がし、引き摺りトルクを低減できる。また、第6ピースG6は、右上角に切欠部46L1を有している。このため、第6ピースG6の表面へ乗り上げた潤滑油を、湿式摩擦材1の反時計回りの回転に伴って、切欠部46L1から、即ち、第6油溝56から効率よく排出できる。この結果、潤滑油の連れ周りによる引き摺りトルク上昇を抑制しつつ、潤滑油の引きはがし作用による引き摺りトルク低減を効果的に得ることができる。
また、その配置も限定されず、例えば、組合せT5及び組合せT6は、何らかのセグメントピースを挟んで配置されてもよいし、組合せT5と組合せT6とは、他のセグメントピースを挟むことなく、隣り合って配置されてもよい。これらのうちでは、組合せT5と組合せT6とが、他のセグメントピースを挟むことなく、隣り合って配置されることが好ましい。
具体的には、図15に例示するように、組合せT5と組合せT6とを隣り合わせて、連続して(繰り返して)有することができる。
また、他のセグメントピースを備える場合には、第5油溝55及び第6油溝56以外の他の油溝5を備えることができる。この他の油溝5としては、前述の通り、第2油溝52や第4油溝54等が挙げられる。これらの形状、大きさ等も第1発明の湿式摩擦材1における油溝5の説明の通りである。
更に、本第4発明の湿式摩擦材1において、コアプレート2の1つの主面2aに配置されるセグメントピース4の数は限定されず、前述の第1発明の湿式摩擦材1の場合と同様である。
また、セグメントピース4の構成は限定されず、前述の第1発明の湿式摩擦材1の場合と同様である。
第7ピースG7は、略四角形をなすピースの右下角及び左下角が各々略四角形に切り欠かれたセグメントピースである(図20参照)。即ち、略四角形をなすピースの右下角に切欠部47L1を有し、更に、略四角形をなすピースの左下角に切欠部47L2を有するセグメントピースである。
この第7ピースG7は、図20aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第7ピースG7は、辺471〜478の8つの辺により構成できる。
また、第7ピースG7は、図20bに示すように、辺471、辺473、辺475及び辺477を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺472及び辺476を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第7ピースG7は、図20cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
また、第7ピースG7における切欠部47L1及び切欠部47L2の大きさは限定されず、上記の第5ピースG5に関するW2/W1及びH2/H1に関する記載を、そのまま第7ピースG7へ適用できる。
この第8ピースG8は、図21aに示すように、直線のみから形成できる。この場合、第8ピースG8は、辺481〜488の8つの辺により構成できる。
また、第8ピースG8は、図21bに示すように、辺481、辺483、辺485及び辺487を曲線で形成できる。具体的には、回転中心Pからの距離に応じた曲率となるよう外周側SOへ膨らんだ曲線で形成できる。更に、略一定な溝幅を有する油溝5を目的として、辺484及び辺488を、その延長線上に回転中心Pが位置されるように傾斜させた直線で形成できる。更に、第8ピースG8は、図21cに示すように、各角部をR形状に面取りすることができる。
また、第8ピースG8における切欠部48L1及び切欠部48L2の大きさは限定されず、上記の第5ピースG5に関するW2/W1及びH2/H1に関する記載を、そのまま第8ピースG8へ適用できる。
[1]湿式摩擦材の調整
[実施例1]
下記要素を用いて実施例1の湿式摩擦材を得た(図1参照)。
コアプレート2は、平板なリング形状(外径R1=158mm、内径R2=144mm、比R1/R2=1.10)をなし、内周から突設されたスプライン歯8(係合歯8)を有する。このコアプレート2の両主面2a(表側の主面2a及び裏側の主面2aの両面)に下記のセグメントピース4を接合して実施例1の湿式摩擦材を得た。
セグメントピース4は、複数のセグメントピースが互いに油溝を挟んでリング状に配置されて構成されている。
第1ピースG1:略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれたセグメントピース(図2c参照)
第2ピースG2:略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれたセグメントピース(図3c参照)
第3ピースG3:略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれたセグメントピース(図4c参照)
第4ピースG4:略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれたセグメントピース(図5c参照)
セグメントピースの最大幅W1=9.6mm
セグメントピースの最大高H1=8.9mm
切欠部の最大幅W2=2.5mm
切欠部の最大高H2=5.0mm
従って、実施例1の摩擦部3は、第1発明の湿式摩擦材1に特有の並び順を備えている。また、実施例1の摩擦部3は、第2発明の湿式摩擦材1に特有の組合せT1及びT2の両方を備えるとともに、並び順T2−T1−T2及び並び順T1−T2−T1の両方を備えている。更に、実施例1の摩擦部3は、第3発明の湿式摩擦材1に特有の組合せT3及びT4の両方を備えている。
油溝51の開口部E51Iの開口幅=7mm
油溝51の開口部E51Oの開口幅=2mm
油溝52の開口部E52Iの開口幅=2mm
油溝52の開口部E52Oの開口幅=2mm
油溝53の開口部E53Iの開口幅=2mm
油溝53の開口部E53Oの開口幅=7mm
油溝54の開口部E54Iの開口幅=2mm
油溝54の開口部E54Oの開口幅=2mm
下記要素を用いて実施例2の湿式摩擦材を得た(図10参照)。
コアプレート2は、実施例1に共通である。セグメントピース4は、複数のセグメントピースが互いに油溝を挟んでリング状に配置されて構成されている。
セグメントピース4として、下記の異なる5種のセグメントピース(第1ピースG1、第2ピースG2、第3ピースG3、第4ピースG4及び第9ピースG9)を用いた。
第1ピースG1:実施例1と共通
第2ピースG2:実施例1と共通
第3ピースG3:実施例1と共通
第4ピースG4:実施例1と共通
第9ピースG9:略四角形をなすピース(第1ピース〜第4ピースと同幅・同高)
セグメントピースの最大幅W1=9.6mm
セグメントピースの最大高H1=8.9mm
切欠部の最大幅W2=2.5mm
切欠部の最大高H2=5.0mm
尚、第2ピースG2は、鏡像対称であり、第1ピースG1を裏返して第2ピースG2として利用している。同様に、第4ピースG4は、鏡像対称であり、第3ピースG3を裏返して第4ピースG4として利用している。
従って、実施例2の摩擦部3は、第2発明の湿式摩擦材1に特有の組合せT1及びT2の両方を備えるとともに、並び順T2−T1−T2を備えている。更に、実施例2の摩擦部3は、第3発明の湿式摩擦材1に特有の組合せT3を備えている。
油溝51の形状は、実施例1の油溝51と同様
油溝52の形状は、実施例1の油溝52と同様
油溝53の形状は、実施例1の油溝53と同様
油溝54の形状は、実施例1の油溝54と同様
油溝541の外周側及び内周側の開口幅=2mm
油溝59の外周側及び内周側の開口幅=2mm
油溝522の外周側及び内周側の開口幅=2mm
尚、各セグメントピース4の材料構成は、実施例1に共通である。
下記要素を用いて比較例1の湿式摩擦材を得た(図22参照)。
コアプレート2は、実施例1に共通である。セグメントピース4は、複数のセグメントピースが互いに油溝を挟んでリング状に配置されて構成されている。
セグメントピース4として、下記の異なる3種のセグメントピース(第1ピースG1、第2ピースG2及び第9ピースG9)を用いた。
第1ピースG1:実施例1と共通
第2ピースG2:実施例1と共通
第9ピースG9:略四角形をなすピース(第1ピース〜第4ピースと同幅・同高)
セグメントピースの最大幅W1=9.6mm
セグメントピースの最大高H1=8.9mm
切欠部の最大幅W2=2.5mm
切欠部の最大高H2=5.0mm
尚、第2ピースG2は、鏡像対称であり、第1ピースG1を裏返して第2ピースG2として利用している。
油溝51の開口部E51Iの開口幅=7mm
油溝51の開口部E51Oの開口幅=2mm
その他の油溝の内周側SIの開口幅=2mm
その他の油溝の外周側SOの開口幅=2mm
尚、各セグメントピース4の材料構成は、実施例1に共通である。
下記要素を用いて比較例2の湿式摩擦材を得た(図23参照)。
コアプレート2は、実施例1に共通である。セグメントピース4は、複数のセグメントピースが互いに油溝を挟んでリング状に配置されて構成されている。
セグメントピース4として、下記の異なる2種のセグメントピース(第9ピースG9及び第10ピースG10)を用いた。
第9ピースG9:比較例1と共通
第10ピースG10:第9ピースG9の内周側SIを下端から5.0mm切除したピース
セグメントピースの最大幅W1=9.6mm
セグメントピースの最大高H1=8.9mm
切欠部の最大高H2=5.0mm
各油溝の内周側SIの開口幅=2mm
各油溝の外周側SOの開口幅=2mm
尚、各セグメントピース4の材料構成は、実施例1に共通である。
上記[1]の実施例1−2及び比較例1−2の各湿式摩擦材を、各々4枚用いて、下記条件下でSAE摩擦試験機により、その回転数500−3000rpmの間で測定した。得られた結果を図24(図24は、縦軸上側程、引き摺りトルクが大きいことを示す)にグラフにして示した。
自動変速機潤滑油(AutoAtic Transmission Fluid、「ATF」は出光興産株式会社の登録商標であるが、ここでは当該登録商標とは無関係に以下「ATF」と略す。)油温:40℃、ATF油量:1000mL/分(軸心潤滑)、パッククリアランス:0.20mm/枚の環境下で、試験体の湿式摩擦材を4枚セットし、回転速度を500〜3000rpmまで変化させ、500rpm、1000rpm、1500rpm、2000rpm、2500rpm、3000rpmの6点において引き摺りトルク(N・m)を測定した。
図24の結果から、比較例1の構成(特許文献1及び特許文献2の形態)では、相対回転数が高い領域における引き摺りトルクに比べて、相対回転数が低い領域における引き摺りトルクが大きくなっていることが分かる。これに対して、比較例2の構成(特許文献3の形態)では、相対回転数が低い領域における引き摺りトルクを低減できることが分かる。これに対して、実施例2の構成では、比較例1及び比較例2の構成に比べて、相対回転数が低い領域における引き摺りトルクを更に大幅に低減できることに加えて、相対回転数が高い領域における引き摺りトルクも低減できることが分かる。更に、実施例1の構成では、比較例1及び比較例2の構成に比べて、相対回転数が低い領域における引き摺りトルクを更に大幅に低減できることに加えて、相対回転数が高い領域における引き摺りトルクも低減して、全体として、よりフラットな引き摺りトルクを達することができることが分かる。また、相対回転数が低い領域における引き摺りトルクは、実施例2の構成と比較しても更に低減できることが分かる。
2;コアプレート、2a;主面、21;内周面、
3;摩擦部、
4;セグメントピース、
G1;第1ピース、
G2;第2ピース、
G3;第3ピース、
G4;第4ピース、
G9;第9ピース、
G10;第10ピース、
5;油溝、
51;第1油溝、51w;幅広部、51n;幅狭部、51s;直流路、
52;第2油溝、52s;直流路、
53;第3油溝、53w;幅広部、53n;幅狭部、53s;直流路、
54;第4油溝、54s;直流路、
8;係合歯、
P;回転中心。
Claims (13)
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、
前記コアプレートの主面に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G1)〜(G4)である4種のセグメントピースが、油溝を介してリング状に配置されてなり、
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
前記セグメントピースは、前記第1ピース、前記第2ピース、前記第3ピース及び前記第4ピースの並び順で繰り返して配置されていることを特徴とする湿式摩擦材。 - 隣り合った前記第2ピースと前記第3ピースとで区画された油溝を第2油溝とし、
隣り合った前記第1ピースと前記第4ピースとで区画された油溝を第4油溝とした場合に、
前記第2油溝及び前記第4油溝は、内周側及び外周側の各開口部間に、溝幅が略一定であり且つ本湿式摩擦材の回転中心へ向かって流路が真っ直ぐな直流路を備える請求項1に記載の湿式摩擦材。 - 隣り合った前記第1ピースと前記第2ピースとで区画された油溝を第1油溝とし、
隣り合った前記第3ピースと前記第4ピースとで区画された油溝を第3油溝とした場合に、
前記第1油溝及び前記第3油溝は、溝幅が広い幅広部と溝幅が狭い幅狭部とを有し、
前記幅広部は、一端側に内周側又は外周側へ通じる開口部を有し、他端側に前記幅狭部へ通じる接続部を有し、前記開口部及び前記接続部の間に溝幅が一定であり且つ本湿式摩擦材の回転中心へ向かって流路が真っ直ぐな直流路を備える請求項1又は2に記載の湿式摩擦材。 - 平面視した場合に、前記第1ピースと前記第2ピースとが線対称形状であり、前記第3ピースと前記第4ピースとが線対称形状である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の湿式摩擦材。
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面にリング状に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G1)〜(G4)のセグメントピースを全て含む複数のセグメントピースから構成され、且つ、下記(T1)〜(T2)の組合せを全て含むことを特徴とする湿式摩擦材。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
(T1)前記第1ピースと前記第2ピースとが、油溝を介して、該第1ピースの右側と該第2ピースの左側とで対面配置された組合せ
(T2)前記第3ピースと前記第4ピースとが、油溝を介して、該第3ピースの右側と該第4ピースの左側とで対面配置された組合せ - 前記(T2)、前記(T1)及び前記(T2)の並び順、及び、前記(T1)、前記(T2)及び前記(T1)の並び順、うちの少なくとも一方の並び順を含む請求項5に記載の湿式摩擦材。
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面にリング状に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G1)〜(G4)のセグメントピースを含む複数のセグメントピースから構成され、且つ、下記(T3)及び/又は下記(T4)の組合せを含むことを特徴とする湿式摩擦材。
(G1)略四角形をなすピースの右下角が略四角形に切り欠かれた第1ピース
(G2)略四角形をなすピースの左下角が略四角形に切り欠かれた第2ピース
(G3)略四角形をなすピースの右上角が略四角形に切り欠かれた第3ピース
(G4)略四角形をなすピースの左上角が略四角形に切り欠かれた第4ピース
(T3)前記第4ピース、前記第1ピース、前記第2ピース及び前記第3ピースが、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せ
(T4)前記第2ピース、前記第3ピース、前記第4ピース及び前記第1ピースが、この並び順で互いに油溝を介して配置された組合せ - 前記(G1)〜(G4)のセグメントピースは、いずれも、その最大幅をW1とし、切欠部の最大幅をW2とした場合に、0.10≦W2/W1≦0.80である請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の湿式摩擦材。
- 前記(G1)〜(G4)のセグメントピースは、いずれも、その最大高をH1とし、切欠部の最大高をH2とした場合に、0.25≦H2/H1≦0.75である請求項1乃至8のうちのいずれかに記載の湿式摩擦材。
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面にリング状に配置された摩擦部と、を有する湿式摩擦材であって、
前記摩擦部は、下記(G5)及び(G6)のセグメントピースを含む複数のセグメントピースが、油溝を介してリング状に配置されてなることを特徴とする湿式摩擦材。
(G5)略四角形をなすピースの右下角及び左上角が各々略四角形に切り欠かれた第5ピース。
(G6)略四角形をなすピースの右上角及び左下角が各々略四角形に切り欠かれた第6ピース。 - 前記摩擦部は、下記(T5)及び(T6)の組合せのうちの少なくとも一方を含む請求項10に記載の湿式摩擦材。
(T5)前記第5ピースと前記第6ピースとが、油溝を介して、該第5ピースの右側と該第6ピースの左側とで対面配置された組合せ
(T6)前記第5ピースと前記第6ピースとが、油溝を介して、該第5ピースの左側と該第6ピースの右側とで対面配置された組合せ - 前記(G5)のセグメントピース及び前記(G6)のセグメントピースは、いずれも、その最大幅をW1とし、1つの切欠部の最大幅をW2とした場合に、0.05≦W2/W1≦0.40である請求項10又は11に記載の湿式摩擦材。
- 前記(G5)のセグメントピース及び前記(G6)のセグメントピースは、いずれも、その最大高をH1とし、1つの切欠部の最大高をH2とした場合に、0.25≦H2/H1≦0.75である請求項10乃至12のうちのいずれかに記載の湿式摩擦材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
CN201910266224.XA CN110360251B (zh) | 2018-04-10 | 2019-04-03 | 湿式摩擦件 |
US16/377,890 US10962065B2 (en) | 2018-04-10 | 2019-04-08 | Wet friction member |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018075753 | 2018-04-10 | ||
JP2018075753 | 2018-04-10 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6585318B1 true JP6585318B1 (ja) | 2019-10-02 |
JP2019184052A JP2019184052A (ja) | 2019-10-24 |
Family
ID=68095355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019021066A Active JP6585318B1 (ja) | 2018-04-10 | 2019-02-07 | 湿式摩擦材 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10962065B2 (ja) |
JP (1) | JP6585318B1 (ja) |
CN (1) | CN110360251B (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7074649B2 (ja) * | 2018-11-16 | 2022-05-24 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04136524A (ja) * | 1990-09-27 | 1992-05-11 | Nissan Motor Co Ltd | 湿式摩擦係合板 |
JP4297308B2 (ja) * | 2000-04-13 | 2009-07-15 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦部材 |
JP2003090370A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-03-28 | Honda Motor Co Ltd | 湿式多板クラッチ、湿式多板ブレーキ等の湿式フリクションプレート |
JP4083695B2 (ja) | 2004-03-29 | 2008-04-30 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
JP2006132581A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-05-25 | Aisin Chem Co Ltd | セグメントタイプ摩擦材 |
JP2009047229A (ja) * | 2007-08-20 | 2009-03-05 | Aisin Chem Co Ltd | 湿式摩擦材 |
US9103385B2 (en) * | 2010-03-25 | 2015-08-11 | Aisin Kako Kabushiki Kaisha | Wet friction material |
JP5624403B2 (ja) * | 2010-08-26 | 2014-11-12 | 昭和電工株式会社 | 湿式摩擦材 |
JP2016001004A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | Nskワーナー株式会社 | 摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチ |
JP6250524B2 (ja) | 2014-11-20 | 2017-12-20 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
JP7074649B2 (ja) * | 2018-11-16 | 2022-05-24 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
-
2019
- 2019-02-07 JP JP2019021066A patent/JP6585318B1/ja active Active
- 2019-04-03 CN CN201910266224.XA patent/CN110360251B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2019-04-08 US US16/377,890 patent/US10962065B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN110360251A (zh) | 2019-10-22 |
JP2019184052A (ja) | 2019-10-24 |
US20190309811A1 (en) | 2019-10-10 |
US10962065B2 (en) | 2021-03-30 |
CN110360251B (zh) | 2020-10-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2011033861A1 (ja) | セグメントタイプ摩擦材 | |
WO2011118347A1 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP5913249B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
WO2014122906A1 (ja) | 摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチ | |
JP2009047229A (ja) | 湿式摩擦材 | |
US20160341258A1 (en) | Frictional Shifting Element for a Vehicle Transmission | |
JP6085579B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP6254654B1 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP6250524B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP2008185116A (ja) | 湿式多板クラッチのフリクションプレート | |
JP6585318B1 (ja) | 湿式摩擦材 | |
KR20180048602A (ko) | 차량 변속기용 마찰 시프팅 부재 | |
JP2011102645A (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP2009068689A5 (ja) | ||
JP7074649B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
CN109958724A (zh) | 摩擦离合器板的锐角边缘凹槽 | |
JP6310883B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP6151420B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP2023067526A (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP6930954B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP4574632B2 (ja) | 湿式多板クラッチのフリクションプレート | |
JP2021148165A (ja) | 湿式摩擦材及びその使用方法 | |
JP6783213B2 (ja) | 湿式摩擦材 | |
JP4385056B2 (ja) | 湿式多板クラッチのフリクションプレート | |
JP5207722B2 (ja) | 自動変速機用トルク伝達機構 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190523 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20190523 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20190611 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190625 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190807 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190827 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6585318 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |