JP6310883B2 - 湿式摩擦材 - Google Patents
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Description
湿式油圧クラッチは、複数枚の湿式摩擦材と複数枚のセパレータプレートとを小さなクリアランスを介して交互に配置され、両者を圧接・離間することでトルク伝達・非伝達を行う構造となっている。また、クラッチ内には、この圧接・離間における湿式摩擦材の摩擦低減や摩擦に伴う摩擦熱を吸収する目的等から、潤滑油が供給されている。このクラッチは、非締結時には、湿式摩擦材とセパレータプレートとが離間されて相対回転されており、その際に引き摺りトルクと称されるトルクを生じることが知られている。
この様な引き摺りトルクは、クラッチの空転時に不要なエネルギーを消費してしまう。そのため、近年、急速に進展されている低燃費化対策として、引き摺りトルクの低減が望まれている。引き摺りトルクの低減には様々なアプローチがあることが知られており、そのなかで、摩擦部の形状を工夫することによって引き摺りトルクを低減する方法が、下記特許文献1及び下記特許文献2に開示されている。
上記特許文献2には、湿式摩擦材の内周側から外周側へ向かう油通路が、摩擦部の途中で油溜りを伴って止まった形状にされた摩擦部が開示されている。そして、この摩擦部の採用によって、空転時の引き摺りトルクを低減できるという効果が開示されている。
しかしながら、前述のように、近年強く求められている低燃費化対策として、より多様な引き摺りトルク低減形態が求められている。
即ち、本発明は、油の流れを不規則にする変局領域を形成することで変局領域に潤滑油を集中させ、湿式摩擦材と相対回転されるプレートとの間のクリアランスを広げ、これによって湿式摩擦材及びプレート間に介在される潤滑油の剪断抵抗や撹拌抵抗を低減している。加えて、油の流れを不規則にする領域を変局領域として局在化させて、当該領域での潤滑油による抵抗を増大させたとしても、他領域における抵抗を低減することで全体の抵抗は従来に比べて低減できるものである。
請求項1に記載の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面に所定間隔をもってリング状に配置された複数の摩擦部と、各摩擦部間に形成された油溝と、を備える湿式摩擦材であって、
潤滑油の存在下で、本湿式摩擦材を、前記コアプレートの前記リング形状の中心を回転中心として周方向に回転させた場合に、本湿式摩擦材の前記摩擦部を有する表面における油の流れを不規則にする変局領域を有し、
前記変局領域は、前記複数の摩擦部のうちの特定の摩擦部(A)の形状が、同じ形状の他の摩擦部(B)と異なることによって、形成されており、
前記変局領域の数が、前記摩擦部の総数に対して2%以上17%以下であることを要旨とする。
請求項2に記載の湿式摩擦材は、請求項1に記載の湿式摩擦材において、前記特定の摩擦部(A)は、回転方向に対して開放された油溜部を有する形状であるとともに、前記他の摩擦部(B)は、前記回転方向に対して開放された油溜部を有さない形状であることを要旨とする。
請求項3に記載の湿式摩擦材は、請求項1に記載の湿式摩擦材において、前記特定の摩擦部(A)は、前記他の摩擦部(B)に対して厚さが厚い形状であることを要旨とする。
請求項4に記載の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面に所定間隔をもってリング状に配置された同じ形状の複数の摩擦部と、各摩擦部間に形成された油溝と、を備える湿式摩擦材であって、
潤滑油の存在下で、本湿式摩擦材を、前記コアプレートの前記リング形状の中心を回転中心として周方向に回転させた場合に、本湿式摩擦材の前記摩擦部を有する表面における油の流れを不規則にする変局領域を有し、
前記変局領域は、前記複数の摩擦部のうちの一部の摩擦部(C)が欠損することによって摩擦部の配置の規則性が崩れて、形成されており、
前記変局領域の数が、前記摩擦部の総数に対して2%以上17%以下であることを要旨とする。
請求項5に記載の湿式摩擦材は、請求項4に記載の湿式摩擦材において、前記摩擦部の総数が、12以上57以下であることを要旨とする。
請求項6に記載の湿式摩擦材は、平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面に所定間隔をもってリング状に配置された複数の摩擦部と、各摩擦部間に形成された油溝と、を備え、潤滑油の存在下で、前記コアプレートの前記リング形状の中心を回転中心として周方向に回転させて利用される湿式摩擦材であって、
前記複数の摩擦部のうちの特定の摩擦部(A)は、回転方向に対して開放された油溜部を有する形状であり、
前記複数の摩擦部のうちの他の摩擦部(B)は、前記回転方向に対して開放された油溜部を有さない同じ形状であり、
前記摩擦部の総数に対して、前記特定の摩擦部(A)を2%以上17%以下備えることを要旨とする。
請求項7に記載の湿式摩擦材は、請求項6に記載の湿式摩擦材において、前記特定の摩擦部(A)は、本湿式摩擦材を反時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が遠心方向へ抜け出ることを阻害する遠心側堰部と、本湿式摩擦材を反時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が前記回転方向に対してその後方へ抜け出ることを阻害する後方堰部と、を備えることを要旨とする。
請求項8に記載の湿式摩擦材は、請求項6又は7に記載の湿式摩擦材において、前記特定の摩擦部(A)は、本湿式摩擦材を時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が遠心方向へ抜け出ることを阻害する遠心側堰部と、本湿式摩擦材を時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が前記回転方向に対してその後方へ抜け出ることを阻害する後方堰部と、を備えることを要旨とする。
即ち、第1発明の湿式摩擦材1は、変局領域12を有する(図1−図6及び図8−図11参照)。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されているか、又は、摩擦部3の配置の規則性が崩れることによって形成されている。そして、この変局領域12を有することによって、コアプレート2を周方向に回転させた場合に、湿式摩擦材1の摩擦部3を有する表面における油の流れが不規則となる。そして、湿式摩擦材1の摩擦部3を有する側の表面における油の流れを不規則にすることによって引き摺りトルクを低減できる。
本第1発明の湿式摩擦材1において、変局領域12が、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている場合であって、特定の摩擦部3(A)を他の摩擦部3(B)に対して厚さが厚い形状(図11参照)とした場合は、効果的に引き摺りトルクを低減できる。
本第1発明の湿式摩擦材1において、変局領域12が、摩擦部3の配置の規則性が崩れることによって形成されている場合であって、複数の摩擦部3のうちの一部の摩擦部3(C)が欠損することによって、規則性が崩れている(図1参照)場合は、効果的に引き摺りトルクを低減できる。
本第2発明の湿式摩擦材1において、油溜部3Sは、潤滑油が遠心方向へ抜け出ることを阻害する遠心側堰部31と、潤滑油が回転方向に対してその後方へ抜け出ることを阻害する後方堰部32と、によって形成できる。この油溜部3Sを備えた特定の摩擦部3(A)を備える場合には、湿式摩擦材1を周方向に回転させた場合に、湿式摩擦材1の摩擦部3を有する表面における油の流れを不規則にすることができ、これによって引き摺りトルクを低減できる。
第1発明の湿式摩擦材1は、平板なリング形状をなすコアプレート2と、コアプレート2の主面2aに所定間隔をもってリング状に配置された複数の摩擦部3と、これらの複数の摩擦部3の間に形成された油溝4と、を備えている。
そして、第1発明の湿式摩擦材1は、潤滑油の存在下で、湿式摩擦材1を、コアプレート2のリング形状の中心Pを回転中心として周方向に回転させた場合に、湿式摩擦材1の摩擦部3を有する表面における油の流れを不規則にする変局領域12を有している(図1−図6、図8−図11参照)。
更に、変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が、同じ形状の他の摩擦部3(B)と異なることによって、又は、複数の摩擦部3のうちの一部の摩擦部(C)が欠損することによって摩擦部3の配置の規則性が崩れることによって、形成されており、変局領域12の数が、摩擦部3の総数に対して2%以上17%以下である(図1−図6、図8−図11参照)。
また、コアプレート2は、どのような材料から形成されてもよく、例えば、S35C、S55C、SPCC、NCH780等を用いることができる。
更に、コアプレート2は、主面2aを有する。主面2aは、摩擦部3が配設される面である。主面2aは、コアプレート2の表面及び/又は裏面に備えられている。従って、摩擦部3は、コアプレート2の表面及び裏面のうちのいずれか1面のみに備えてもよく、両面に備えてもよい。
そして、摩擦部3は、コアプレート2の主面2aに、複数の油溝4を形成してリング状となるように配設されている。即ち、油溝4は、隣接された摩擦部3同士の間隙として形成される。
基材繊維としては、セルロース繊維(パルプ)、アクリル繊維、アラミド繊維等を利用できる他、各種の合成繊維、再生繊維、無機繊維、天然繊維等を利用できる。通常、この基材繊維は、平均長さ0.5〜5mm、平均径0.1〜6μmのものが用いられる。
充填材としては、摩擦調整剤としてのカシューダスト、固体潤滑剤としてのグラファイト及び/又は二硫化モリブデン、体質顔料としてのケイソウ土等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂及び/又はその変性樹脂を用いることができる。
従来の湿式摩擦材は、摩擦部が規則的に配置され、湿式摩擦材の摩擦部を有する表面における油の流れが均一になる(油の流れが不規則にならない)ように工夫されている。例えば、図7及び図12に例示されるように、同じ形状の摩擦部3を用いて、これらを規則的に配置することで、湿式摩擦材の摩擦部を有する表面における油の流れは均一にすることができる。即ち、従来の湿式摩擦材は変局領域12を有さない。同様に、図3−図6に示す、摩擦部3T、摩擦部3T1及び摩擦部3T2等のような、その摩擦部単独で油の流れを不規則にできる摩擦部であっても、このような摩擦部を全ての摩擦部として用い、規則的に配置すれば、油の流れは均一になる。
このように、従来の湿式摩擦材では、湿式摩擦材と対向されるセパレータプレートとの間を流れる潤滑油が均一にされており、その油の流れが均一な状態における引き摺りトルクが発生している。
これに対し、変局領域12を有する湿式摩擦材1では、湿式摩擦材1の摩擦部3を有する表面における油の流れを不規則にしながら、変局領域に潤滑油を集中させて、湿式摩擦材と相対回転されるセパレータプレートとの間のクリアランスを広げることができる。これによって、潤滑油の流れが均一な場合に比べて、湿式摩擦材1とセパレータプレートとの間の引き摺りトルクを低減させることができる。
即ち、形態(1)は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって変局領域12を形成する形態である(図2−図6及び図8−図11参照)。
一方、形態(2)は、摩擦部3の配置の規則性が崩れることによって変局領域12を形成する形態である(図1参照)。
これらの形態(1)及び形態(2)は、いずれか一方のみを利用してもよく、これらの両方を利用してもよい。これらの変局領域12の具体的な構成については、後述する。
第2発明の湿式摩擦材1は、第1発明の湿式摩擦材1と同様に、平板なリング形状をなすコアプレート2と、コアプレート2の主面2aに所定間隔をもってリング状に配置された複数の摩擦部3と、各摩擦部3間に形成された油溝4と、を備える。
そして、第2発明の湿式摩擦材1は、潤滑油の存在下で、コアプレート2のリング形状の中心Pを回転中心として周方向に回転させて利用される湿式摩擦材1であって、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)が、回転方向に対して開放された油溜部3Sを有する形状である。これに対して、複数の摩擦部3のうちの他の摩擦部3(B)は、回転方向に対して開放された油溜部3Sを有さない同じ形状であり、特定の摩擦部3(A)の数が、摩擦部3の総数に対して2%以上17%以下である(図5−図6及び図7−図9参照)。
これらの特定の摩擦部3(A)を有することによって変局領域12を形成できることは前述の通りである。また、その他、この第2発明の湿式摩擦材1における各部の説明は、第1発明の湿式摩擦材1における各部の説明と共通する。
この第2発明の湿式摩擦材1における各部の説明は、第1発明の湿式摩擦材1における各部の説明と共通する。
この第2発明の湿式摩擦材1における各部の説明は、第1発明の湿式摩擦材1における各部の説明と共通する。
以下では、本発明を実施の形態によって説明する。尚、各実施の形態に共通する説明は省略する。
[実施の形態1]
実施の形態1の湿式摩擦材1(図1)は、コアプレート2と、コアプレート2の主面2a(表側の主面2a及び裏側の主面2aの両面)に配設された摩擦部3と、を備える。
コアプレート2は、NCH780製であり、その内周に歯車状に形成されたスプライン内歯8を有する。スプライン内歯8は、湿式摩擦材1に対して回転軸となるハブの外周に配置されたスプラインと噛み合うことができるように配設される。
また、コアプレート2の外径R1と、コアプレート2の内径R2(スプライン内歯8を除いたコアプレート2の内周によって規定される直径)との比R1/R2は1.02〜6とされている。この形状により、摩擦部3を配置する主面2aの面積を必要十分に確保できる。更に、コアプレート2の厚さは0.3〜14.5mmとされている。
この変局領域12は、摩擦部3の配置の規則性が崩れることによって形成されている。具体的には、複数の摩擦部3のうちの一部の摩擦部3(C)が欠損することによって、摩擦部3の配置の規則性が崩れて形成されている。
即ち、図7に示す湿式摩擦材1(比較品)は、40枚の全て同じ形状の摩擦部3が、規則的にリング状に配置されている。これに対し、実施の形態1の湿式摩擦材1(図1)は、図7に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する40枚の摩擦部3のうちの3枚の摩擦部3(C)が欠損することで、摩擦部3の配置の規則性が崩れている。これらの摩擦部3(C)が欠損した領域が変局領域12となっている。
更に、実施の形態1の湿式摩擦材1(図1)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数37枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は8.1%(3/37×100=8.1)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上12ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上6ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態1の湿式摩擦材1(図1)が有する摩擦部3の総数は37枚であるが、この数は、例えば、12枚以上57枚以下とすることができる。
実施の形態1の湿式摩擦材1(図1)では、回転方向が時計回りD2である場合にも、回転方向が反時計回りD1である場合にも、上記の効果を得ることができる。
実施の形態2の湿式摩擦材1(図2)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態2の湿式摩擦材1(図2)は、図7に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する40枚の摩擦部3のうちの6枚の摩擦部3が、2枚ずつ合体された3枚の摩擦部3(A)とされており、各々の摩擦部3(A)が他の摩擦部3(B)よりも大きくされている。そして、これら3枚の特定の摩擦部3(A)によって変局領域12が3ヶ所形成されている。
更に、実施の形態2の湿式摩擦材1(図2)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数37枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は8.1%(3/37×100=8.1)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上12ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上6ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態2の湿式摩擦材1(図2)が有する摩擦部3の総数は37枚であるが、この数は、例えば、12枚以上57枚以下とすることができる。
実施の形態2の湿式摩擦材1(図2)では、回転方向が時計回りD2である場合にも、回転方向が反時計回りD1である場合にも、上記の効果を得ることができる。
実施の形態3の湿式摩擦材1(図3)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態3の湿式摩擦材1(図3)は、図7に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する40枚の摩擦部3のうちの3枚の摩擦部3の側端が傾斜面33(傾斜された側面、傾斜側面)となるように面取りされている。即ち、実施の形態3の湿式摩擦材1(図3)の特定の摩擦部3(A)は、両側端に傾斜面33(回転方向に対して傾斜されている)が形成されており、他の摩擦部3(B)がこの傾斜面33を有さないのに対し、特定の摩擦部3(A)は傾斜面33を有することで他の摩擦部3(B)と異なる。そして、これら3枚の特定の摩擦部3(A)によって変局領域12が3ヶ所形成されている。
更に、実施の形態3の湿式摩擦材1(図3)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数40枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は7.5%(3/40×100=7.5)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が40枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上13ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が40枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上6ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態3の湿式摩擦材1(図3)が有する摩擦部3の総数は40枚であるが、この数は、例えば、15枚以上60枚以下とすることができる。
実施の形態3の湿式摩擦材1(図3)では、回転方向が時計回りD2である場合にも、回転方向が反時計回りD1である場合にも、上記の効果を得ることができる。尚、上述の傾斜面33は、回転方向に向けて傾斜させることで変局領域12を形成できるため、必要な回転方向にのみ形成することもできる。
実施の形態4の湿式摩擦材1(図4)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態4の湿式摩擦材1(図4)が有する特定の摩擦部3(A)は、図2に示す湿式摩擦材1(実施の形態2)が有する特定の摩擦部3(A)に対して、更に、油溜部3Sを有する形状となっている。即ち、実施の形態4の湿式摩擦材1(図4)が有する特定の摩擦部3(A)は、図7に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する40枚の摩擦部3のうちの6枚の摩擦部3が、2枚ずつ合体された3枚の摩擦部3(A)とされて、各々の摩擦部3(A)が他の摩擦部3(B)よりも大きくされるとともに、更に、各々の摩擦部3(A)が油溜部3Sを有する形状とされている。そして、これら3枚の特定の摩擦部3(A)によって変局領域12が3ヶ所形成されている。
また、油溜部3Sはコアプレート2の内周側に開放されている。その一方、油溜部3Sは回転方向には開放されていない。更に、油溜部3Sは内周側が広く形成されるとともに外周側は狭く形成されている。
更に、実施の形態4の湿式摩擦材1(図4)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数37枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は8.1%(3/37×100=8.1)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上12ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上6ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態4の湿式摩擦材1(図4)が有する摩擦部3の総数は37枚であるが、この数は、例えば、12枚以上57枚以下とすることができる。
実施の形態4の湿式摩擦材1(図4)では、回転方向が時計回りD2である場合にも、回転方向が反時計回りD1である場合にも、上記の効果を得ることができる。
実施の形態5の湿式摩擦材1(図5)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(AX)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態5の湿式摩擦材1(図5)が有する特定の摩擦部3(AX)は、図2に示す湿式摩擦材1(実施の形態2)が有する特定の摩擦部3(A)に対して、更に、油溜部3Sを有する形状となっている。即ち、実施の形態5の湿式摩擦材1(図5)が有する特定の摩擦部3(AX)は、図7に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する40枚の摩擦部3のうちの6枚の摩擦部3が、2枚ずつ合体された3枚の摩擦部3(A)とされて、各々の摩擦部3(A)が他の摩擦部3(B)よりも大きくされるとともに、更に、各々の摩擦部3(A)が油溜部3Sを有する形状とされている。そして、これら3枚の特定の摩擦部3(AX)によって変局領域12が3ヶ所形成されている。
また、油溜部3Sは、湿式摩擦材1の回転方向(反時計周りD1)に対して開放されている。その一方、コアプレート2の内周側へは開放されていない。
更に、実施の形態5の湿式摩擦材1(図5)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数37枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は8.1%(3/37×100=8.1)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上12ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が37枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上6ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態5の湿式摩擦材1(図5)が有する摩擦部3の総数は37枚であるが、この数は、例えば、12枚以上57枚以下とすることができる。
実施の形態5の湿式摩擦材1(図5)では、回転方向が反時計回りD1である場合に引き摺りトルクを低減する効果が得られる。時計回りD2の回転方向において引き摺りトルクを低減する場合には、当然ながら、特定の摩擦部3(AX)の開放方向は図5に示す方向と逆向きになる。
実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(AY)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)は、図12に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する45枚の摩擦部3のうちの3枚の摩擦部3が、特定の摩擦部3(AY)に変更されており、これらの特定の摩擦部3(AY)は、回転方向(反時計回りD1)に対して開放された油溜部3Sを有する平面形状とされている。加えて、これらの特定の摩擦部3(AY)が有する油溜部3Sはコアプレート2の内周側にも開放されている。即ち、実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)が有する特定の摩擦部3(AY)は、回転方向及び内周側へ開放された油溜部3Sを有する。これにより、回転方向及びコアプレート2の内周側から供給される潤滑油をより効率よく捉えることができる。その一方、実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)が有する他の摩擦部(B)は、回転方向に対して開放された油溜部3Sを有さない平面形状とされている。そして、実施の形態6の湿式摩擦材1では、上述の3枚の特定の摩擦部3(AY)によって変局領域12が3ヶ所形成されている。
実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)では、回転方向が反時計回りD1である場合に引き摺りトルクを低減する効果が得られる。時計回りD2の回転方向において引き摺りトルクを低減する場合には、当然ながら、特定の摩擦部3(AY)の開放方向は図6に示す方向と逆向き(時計回りD2)になる。
より具体的には、摩擦部3(AY)を平面視した場合(図13参照)に、遠心側堰部31のうちの油溜部3Sと接する端縁は、曲線であってもよいがより直線に近いことが好ましい。そして、実質的に直線である場合、端縁L31が仮想線分LP90となす角度θ1は0度以上であることが好ましい。この角度θ1が0度以上である場合には、油溜部3Sの潤滑油の遠心方向31dへの抜け出しをより効果的に阻害できる。この角度θ1は、更に、0度以上45度以下がより好ましく、0度以上30度以下が特に好ましい。
また、摩擦部3(AY)を平面視した場合(図13参照)に、後方堰部32のうちの油溜部3Sと接する端縁は、曲線であってもよいがより直線に近いことが好ましい。そして、実質的に直線である場合、端縁L32が仮想線分LP0となす角度θ2は0度以上であることが好ましい。この角度θ2が0度以上である場合には、油溜部3Sの潤滑油の後方向32dへの抜け出しをより効果的に阻害できる。この角度θ2は、更に、0度以上45度以下がより好ましく、0度以上30度以下が特に好ましい。
尚、線分LP0は、コアプレート2の直径(回転中心Pを通る)を延長した線分であって、摩擦部3の中心を通る仮想線分である。また、線分LP90は、LP0に直行する仮想線分である。
更に、後方堰部32の幅32wは0.4mm以上であることが好ましい。幅32wが0.4mm以上である場合には、油溜部3Sの潤滑油の後方向32dへの抜け出しをより効果的に阻害できる。幅32wは0.7mm以上7mm以下がより好ましく、1.5mm以上6mm以下が更に好ましく、2.5mm以上5mm以下が特に好ましい。
更に、実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数40枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は7.5%(3/40×100=7.5)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が40枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上13ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が40枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上6ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)が有する摩擦部3の総数は40枚であるが、この数は、例えば、15枚以上60枚以下とすることができる。
実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)は、コアプレート2と、コアプレート2の主面2a(表側の主面2a及び裏側の主面2aの両面)に配設された摩擦部3と、を備える。
コアプレート2は、NCH780製であり、その内周に歯車状に形成されたスプライン内歯8を有する。スプライン内歯8は、湿式摩擦材1に対して回転軸となるハブの外周に配置されたスプラインと噛み合うことができるように配設される。
また、コアプレート2の外径R1と、コアプレート2の内径R2(スプライン内歯8を除いたコアプレート2の内周によって規定される直径)との比R1/R2は1.02〜6とされている。この形状により、摩擦部3を配置する主面2aの面積を必要十分に確保できる。更に、コアプレート2の厚さは0.3〜14.5mmとされている。
具体的には、実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)は、図12に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する45枚の摩擦部3のうちの3枚の摩擦部3が、特定の摩擦部3(AY)に変更されており、これらの特定の摩擦部3(AY)は、回転方向(反時計回りD1)に対して開放された油溜部3Sを有する平面形状とされている。加えて、これらの特定の摩擦部3(AY)が有する油溜部3Sはコアプレート2の内周側にも開放されている。即ち、実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)が有する特定の摩擦部3(AY)は、回転方向及び内周側へ開放された油溜部3Sを有する。これにより、回転方向及びコアプレート2の内周側から供給される潤滑油をより効率よく捉えることができる。その一方、実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)が有する他の摩擦部(B)は、回転方向に対して開放された油溜部3Sを有さない平面形状とされている。そして、実施の形態7の湿式摩擦材1では、上述の3枚の特定の摩擦部3(AY)によって変局領域12が3ヶ所形成されている。
実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)では、回転方向が反時計回りD1である場合に引き摺りトルクを低減する効果が得られる。時計回りD2の回転方向において引き摺りトルクを低減する場合には、当然ながら、特定の摩擦部3(AY)の開放方向は図8に示す方向と逆向き(時計回りD2)になる。
特定の摩擦部3(A)に関する好ましい形状等については、実施の形態6の湿式摩擦材1(図6)と同様である。
更に、実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数45枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は6.7%(3/45×100=6.7)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が45枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上14ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が45枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上7ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態7の湿式摩擦材1(図8)が有する摩擦部3の総数は45枚であるが、この数は、例えば、15枚以上60枚以下とすることができる。
実施の形態8の湿式摩擦材1(図9)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(AY)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態8の湿式摩擦材1(図9)は、図12に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する45枚の摩擦部3のうちの6枚の摩擦部3が、特定の摩擦部3(AY)に変更されており、これらの特定の摩擦部3(AY)のうちの3枚は、回転方向(反時計回りD1)に対して開放された油溜部3Sを有する平面形状とされている。また、残りの3枚は、回転方向(時計回りD2)に対して開放された油溜部3Sを有する平面形状とされている。加えて、これらの特定の摩擦部3(AY)が有する油溜部3Sはコアプレート2の内周側にも開放されている。即ち、実施の形態8の湿式摩擦材1(図9)が有する特定の摩擦部3(AY)は、回転方向及び内周側へ開放された油溜部3Sを有する。これにより、回転方向及びコアプレート2の内周側から供給される潤滑油をより効率よく捉えることができる。その一方、実施の形態8の湿式摩擦材1(図9)が有する他の摩擦部(B)は、回転方向に対して開放された油溜部3Sを有さない平面形状とされている。そして、実施の形態8の湿式摩擦材1では、上述の6枚の特定の摩擦部3(AY)が2枚1組になって配置されて、変局領域12が3ヶ所形成されている。
このうち7字形状の摩擦部3(AY)は、本湿式摩擦材1を反時計回りD1に回転させた場合に、油溜部3S内の潤滑油が遠心方向31dへ抜け出ることを阻害する遠心側堰部31と、油溜部3S内の潤滑油が回転方向の後方向32dへ抜け出ることを阻害する後方堰部32を備える。
同様に、鏡像形状の摩擦部3(AY)は、本湿式摩擦材1を時計回りD2に回転させた場合に、油溜部3S内の潤滑油が遠心方向31dへ抜け出ることを阻害する遠心側堰部31と、油溜部3S内の潤滑油が回転方向の後方向32dへ抜け出ることを阻害する後方堰部32を備える。
尚、7字形状の摩擦部3(AY)及び鏡像形状の摩擦部3(AY)は、図9に示すように互いに隣同士に配置されてもよいが、他の摩擦部3(B)を介して配置されても同様の機能を発揮できる。
更に、実施の形態8の湿式摩擦材1(図9)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数45枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は6.7%(3/45×100=6.7)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が45枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上14ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が45枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上7ヶ所以下であることが好ましい。
尚、3枚の7字形状の摩擦部3(AY)と、3枚の鏡像形状の摩擦部3(AY)とが、互いに、他の摩擦部3(B)を介して配置される場合、変局領域12の総数は6ヶ所であるが、回転方向に対して換算される変局領域12の数は3ヶ所である。
また、本実施の形態8の湿式摩擦材1(図9)が有する摩擦部3の総数は45枚であるが、この数は、例えば、15枚以上60枚以下とすることができる。
実施の形態9の湿式摩擦材1(図10)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(AY)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
実施の形態8(図9)で、特定の摩擦部3(AY)が互いに背中合わせ(右側に7字形状が位置し、左側に鏡像形状が位置する)に配置されているのに対し、実施の形態9の湿式摩擦材1(図10)では、特定の摩擦部3(AY)が互いに腹合わせ(右側に鏡像形状が位置し、左側に7字形状が位置する)で配置されている点で異なる。それ以外の部分においては、実施の形態9は、実施の形態8と共通である。
実施の形態10の湿式摩擦材1(図11)は変局領域12を有する。この変局領域12は、複数の摩擦部3のうちの特定の摩擦部3(A)の形状が他の摩擦部3(B)と異なることによって形成されている。
具体的には、実施の形態10の湿式摩擦材1(図11)は、図12に示す湿式摩擦材1(比較品)が有する45枚の摩擦部3のうちの3枚の摩擦部3が、特定の摩擦部3(A)に変更されており、これらの特定の摩擦部3(A)は、他の摩擦部(B)に対して厚さが厚い形状にされている。そして、これら3枚の特定の摩擦部3(A)によって、実施の形態10の湿式摩擦材1では、変局領域12が3ヶ所形成されている。
特定の摩擦部3(A)の厚さをdAとし、他の摩擦部3(B)の厚さをdBとした場合、dA/dBは「dA/dB>1」であればよい。
更に、実施の形態10の湿式摩擦材1(図11)が有する変局領域12の数は、摩擦部3の総数45枚に対して3ヶ所であり、摩擦部3の総数に対する変局領域12の数の割合は6.7%(3/45×100=6.7)である。この割合は、2%以上33%以下とすることが好ましい。即ち、摩擦部3の総数が45枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上14ヶ所以下であることが好ましい。更には、この割合は、2%以上17%以下とすることがより好ましい。即ち、摩擦部3の総数が45枚である場合、変局領域12の数は1ヶ所以上7ヶ所以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態10の湿式摩擦材1(図11)が有する摩擦部3の総数は45枚であるが、この数は、例えば、15枚以上60枚以下とすることができる。
実施の形態10の湿式摩擦材1(図15)では、回転方向が時計回りD2である場合にも、回転方向が反時計回りD1である場合にも、上記の効果を得ることができる。
以下では、本発明を試験例によって説明する。
[1]湿式摩擦材
実施例1−12及び比較例1の各湿式摩擦材を調製した。
(1)実施例1−5
前述の実施の形態1−5(図1−図5参照)の各々の形態(変局領域が3ヶ所)を有する湿式摩擦材1を調製した。各コアプレート2は、NCH780製、板厚0.96mm、外径R1=144.7mm、内径R2=108.2mmの平板リング状である。このコアプレート2の表裏の両主面2aに摩擦部材を加圧加熱により接合して摩擦部3を形成した。摩擦基材は、パルプ及びアラミド繊維等の繊維基材と、カシューダスト等の摩擦調整剤と、珪藻土等の充填剤と、を抄造して得られた抄紙体に、熱可硬化性樹脂(樹脂結合剤)を含浸させて加熱硬化したものである。
図7に示す形状の摩擦部3を有する湿式摩擦材である。コアプレート2(実施例1−5と同様)の表裏の両主面2aに、摩擦基材(実施例1−5と同様)を加圧加熱により接合して摩擦部3を形成している。
実施例9として、前述の実施の形態7(図8)の形態(摩擦基材総数が45枚、変局領域が3ヶ所)を有する湿式摩擦材1を調製した。コアプレート2はNCH780製であり、板厚0.96mm、外径R1=143.6mm、内径R2=123.1mmの平板リング状である。このコアプレート2の表裏の両主面2aに摩擦部材を加圧加熱により接合して摩擦部3を形成した。摩擦基材の材質は実施例1−5と共通である。そして、下記特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)をなす摩擦基材の最大幅3T(図13参照)は6mmであり、その他の摩擦基材の最大幅も6mmである。
また、実施例9が備える特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)をなす摩擦基材の形状(図15参照)は、いずれも共通であり、遠心側堰部31と後方堰部32とを有するとともに、これらが連設されて7字形状とされている。これらの特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)における各部の大きさ(図13参照)は、遠心側堰部31の幅31wが1mmであり、後方堰部32の幅32wが3mmであり、角度θ1が0度であり、角度θ2が20度である。
同様に、実施例10として、前述の実施の形態7(図8)の形態(摩擦基材総数が45枚、変局領域が3ヶ所)を有するものの、特定の摩擦部3(AY)の形状が実施例9と異なる湿式摩擦材1を調製した。この実施例10の特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)の形状は、いずれも共通であり、遠心側堰部31の幅31wが3mmであり、後方堰部32の幅32wが3mmであり、角度θ1が0度であり、角度θ2が20度である。
更に同様に、実施例12として、前述の実施の形態9(図10)の形態を有する(摩擦基材総数が45枚、変局領域が3ヶ所)湿式摩擦材1を調製した。実施例12の特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)の形状は、いずれも共通であり、7字形状の摩擦基材(実施例9の摩擦基材と共通)と、その鏡像形状の摩擦基材とを、互いに腹合わせ(右側に鏡像形状が位置し、左側に7字形状が位置する)に配置して、2枚1組で1ヶ所の変局領域12を形成している。
実施例6として、前述の実施の形態7(図8)の形態(摩擦基材総数が45枚、変局領域が3ヶ所)を有する湿式摩擦材1を調製した。コアプレート2はNCH780製であり、板厚0.96mm、外径R1=143.6mm、内径R2=123.1mmの平板リング状である。このコアプレート2の表裏の両主面2aに摩擦部材を加圧加熱により接合して摩擦部3を形成した。摩擦基材の材質は実施例1−5と共通である。そして、下記特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)をなす摩擦基材の摩擦基材の最大幅3T(図13参照)は8mmとされ、その他の摩擦基材の最大幅は6mmとされている。
また、実施例6が備える特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)をなす摩擦基材(セグメントピース)の形状(図15参照)は、いずれも共通であり、遠心側堰部31と後方堰部32とを有するとともに、これらが連設されて7字形状とされている。これらの特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)における各部の大きさ(図13参照)は、遠心側堰部31の幅31wが1mmであり、後方堰部32の幅32wが1mmであり、角度θ1が0度であり、角度θ2が20度である。
同様に、実施例7として、前述の実施の形態7(図8)の形態(摩擦基材総数が45枚、変局領域が3ヶ所)を有するものの、特定の摩擦部3(AY)の形状が実施例6と異なる湿式摩擦材1を調製した。この実施例7の特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)の形状は、いずれも共通であり、遠心側堰部31の幅31wが1mmであり、後方堰部32の幅32wが3mmであり、角度θ1が0度であり、角度θ2が20度である。
更に、実施例8として、前述の実施の形態7(図8)の形態(摩擦基材総数が45枚、変局領域が3ヶ所)を有するものの、特定の摩擦部3(AY)の形状が実施例6と異なる湿式摩擦材1を調製した。この実施例8の特定の摩擦部3(AY1、AY2及びAY3)の形状は、いずれも共通であり、遠心側堰部31の幅31wが1mmであり、後方堰部32の幅32wが5mmであり、角度θ1が0度であり、角度θ2が20度である。
上記(3)と同様に、前述の実施の形態7(図8)の形態(変局領域が3ヶ所)を有するものの、特定の摩擦部3(AY)の数が異なる湿式摩擦材1を実施例13−16として調製した。このうち、実施例13の特定の摩擦部3(AY)は1ヶ所であり、実施例14の特定の摩擦部3(AY)は2ヶ所であり、実施例15の特定の摩擦部3(AY)は5ヶ所であり、実施例16の特定の摩擦部3(AY)は7ヶ所である。即ち、これらの数の変局領域12が形成されることとなる。
実施例13:変局領域1ヶ所
実施例14:変局領域2ヶ所(AY1AY2角176度、AY2AY1角184度)
実施例7 :変局領域3ヶ所(AY1AY2角120度、AY2AY3角120度、AY3AY4角120度、AY3AY1角120度)
実施例15:変局領域5ヶ所(AY1AY2角72度、AY2AY3角72度、AY3AY4角72度、AY4AY5角72度、AY5AY1角72度)
実施例16:変局領域7ヶ所(AY1AY2角48度、AY2AY3角56度、AY3AY4角48度、AY4AY5角56度、AY5AY6角48度、AY6AY7角56度、AY7AY1角48度)
図12に示す形状の摩擦部3を有する湿式摩擦材である。コアプレート2(実施例1−5と同様)の表裏の両主面2aに、摩擦基材(実施例1−5と同様)を加圧加熱により接合して摩擦部3を形成している。
(1)実施例1−5及び比較例1の相関
上記[1]で得られた実施例1−5及び比較例1の湿式摩擦材を、各々4枚用いて、下記条件下でSAE摩擦試験機により、その回転数500−3000rpmの間で測定した。得られた結果を図14(図14は縦軸上側程、引き摺りトルクが大きいことを示す)にグラフにして示した。
自動変速機潤滑油(AutoAtic Transmission Fluid、「ATF」は出光興産株式会社の登録商標であるが、ここでは当該登録商標とは無関係に以下「ATF」と略す。)油温:40℃、ATF油量:2000mL/分(軸芯潤滑無し)、トータルパッククリアランス:0.9mmの環境下で、試験体の湿式摩擦材を4枚セットし、回転速度を500〜3000rpmまで変化させ、500rpm、1000rpm、1500rpm、2000rpm、2500rpm、3000rpmの6点において引き摺りトルク(N・m)を測定した。また、測定時間は15秒/各回転、繰返し回数は5回とした。
図14の結果から、変局領域12を形成することにより、引き摺りトルクを低減できることが分かる。
なかでも、実施例3(図3)の湿式摩擦材1は、500−2000rpmの範囲において特に効果的に引き摺りトルクを低減できることが分かる。
また、実施例4(図4)及び実施例5(図5)の湿式摩擦材1は、1000rpm以上の中高回転数の領域において特に効果的に引き摺りトルクを低減できることが分かる。これらのうちでは、実施例4(図4)に比べて実施例5(図5)の方がより高い効果を発揮することが分かる。
更に、実施例1(図1)及び実施例2(図2)の湿式摩擦材1は、低中高回転数のいずれの領域において顕著に引き摺りトルクを低減できることが分かる。なかでも、実施例2(図2)の効果は優れていることが分かる。この実施例2の湿式摩擦材1の特異性は、低中高回転数の全領域において顕著に引き摺りトルクを低減しながら、摩擦部3の合計面積は、比較例1よりも寧ろ多い点にある。即ち、引き摺りトルクを低減しながら、摩擦力は向上させることも可能であることが分かる。
上記[1]で得られた実施例6−12及び比較例2の湿式摩擦材を、各々7枚用いて、下記条件下でSAE摩擦試験機により、その回転数500−3000rpmの間で測定した。得られた結果を図15(図15は縦軸上側程、引き摺りトルクが大きいことを示す)にグラフにして示した。
自動変速機潤滑油(AutoAtic Transmission Fluid、「ATF」は出光興産株式会社の登録商標であるが、ここでは当該登録商標とは無関係に以下「ATF」と略す。)油温:40℃、ATF油量:2000mL/分(軸芯潤滑無し)、トータルパッククリアランス:1.5mmの環境下で、試験体の湿式摩擦材を7枚セットし、回転速度を500〜3000rpmまで変化させ、500rpm、1000rpm、1500rpm、2000rpm、2500rpm、3000rpmの6点において引き摺りトルク(N・m)を測定した。また、測定時間は15秒/各回転、繰返し回数は5回とした。
図15の実施例6−12及び比較例2の結果から、回転方向に開放された油溜部3Sを有する特定の摩擦部3(AY)を利用することによって、変局領域12を形成して、引き摺りトルクを低減できることが分かる。
なかでも、実施例6と実施例7−12との差異から、後方堰部32の幅32wが好適な範囲とされることの重要性が分かる。即ち、実施例6の結果は、低回転から高回転の領域へ向かって次第に引き摺りトルクが大きくなる傾向が認められる。これに対して、実施例7−12の結果は、低回転から中回転の領域へ向かって次第に引き摺りトルクが小さくなる傾向が認められる。そのなかでも、実施例11−12では、中回転から高回転の領域へ向かって更に引き摺りトルクが小さくなる傾向が認められる。このように、後方堰部32の幅32wによって引き摺りトルクの低減効果の傾向を制御することができる。これらのなかでも、実施例8及び実施例9の結果が特に優れている。
また、図15における実施例9と実施例10との比較から、遠心側堰部31の幅31wが、引き摺りトルクの大きさに影響を及ぼすことが分かる。同様に、実施例6と実施例7と実施例8との比較から、後方堰部32の幅32wが、引き摺りトルクに影響を及ぼすことが分かる。
具体的には、実施例9(遠心側堰部31の幅31wが1mm)と、実施例10(遠心側堰部31の幅31wが3mm)と、の比較から、遠心側堰部31の幅を小さくすることによって、相対回転数の全領域における引き摺りトルクの低減が可能であることが分かる。
更に、実施例6(後方堰部32の幅32wが1mm)と、実施例7(後方堰部32の幅32wが3mm)と、実施例8(後方堰部32の幅32wが5mm)と、の比較から、後方堰部32の幅を大きくすることによって、相対回転数の全領域における引き摺りトルクの低減が可能であることが分かる。特に、後方堰部32の幅は、広い方が引き摺りトルクの低減効果が高いと考えられる。これは、後方堰部32の幅32wの拡大によって、潤滑油が摩擦基材表面へ乗り上げる面積(特に後方堰部32上の乗り上げ面積)が拡大され、この乗り上げ面積の拡大によって湿式摩擦材とセパレータプレートとのクリアランスを更に広げることができるためと考えられる。
具体的には、相対回転数1000未満の低回転域における引き摺りトルクの低減効果は、遠心側堰部31の幅31wが狭い方が高いと考えられる。これは、遠心側堰部31の幅31が減少することによって、潤滑油が後方堰部32上のより外周側の領域へも乗り上げ易くなり、結果的に、後方堰部32上の乗り上げ面積が拡大されるために、湿式摩擦材とセパレータプレートとのクリアランスを更に広げることができると考えられる。
この結果から、幅31w、幅32w及び最大幅3Tの特性の組合せによって、特定の回転域の引き摺りトルクを必要に応じて低減する手段として利用できることが分かる。
(1)実施例7、実施例13−16及び比較例2の相関
上記[1]で得られた実施例7、実施例13−16及び比較例2の湿式摩擦材を、各々7枚用いて、下記条件下でSAE摩擦試験機により、その回転数1000rpmで測定した。得られた結果を図16(図16は縦軸上側程、引き摺りトルクが大きいことを示す)にグラフにして示した。
自動変速機潤滑油(AutoAtic Transmission Fluid、「ATF」は出光興産株式会社の登録商標であるが、ここでは当該登録商標とは無関係に以下「ATF」と略す。)油温:40℃、ATF油量:2000mL/分(軸芯潤滑無し)、トータルパッククリアランス:1.5mmの環境下で、試験体の湿式摩擦材を7枚セットし、回転速度を500〜3000rpmまで変化させた際に回転数1000rpmにおいて引き摺りトルク(N・m)を測定した。また、測定時間は15秒/各回転、繰返し回数は5回とした。
図16の結果から、変局領域12を形成することにより、引き摺りトルクを低減できることが分かる。更に、変局領域12の数は、1〜6の全ての試験範囲で発揮されており、1〜5おいて特に優れており、1〜3がとりわけ優れていることが分かる。
2;コアプレート、2a;主面、
3;摩擦部、
3A;変局領域を形成する摩擦部、
3AX;回転方向に開放された油溜部を有する摩擦部、
3AY;回転方向及び内周側へ開放された油溜部を有する摩擦部、
3B;変局領域を形成しない摩擦部、
3S;油溜部、
31;遠心側堰部、
32;後方堰部、
33;傾斜面(傾斜側面)、
4;油溝、
8;スプライン内歯、
LP0;仮想直径(仮想直径を延長した線分)
LP90;LP0に直行する仮想線分
31w;遠心側堰部の幅、
32w;後方堰部の幅、
L31;遠心側堰部のうち油溜部と接する端縁(平面視)、
L32;後方堰部のうち油溜部と接する端縁(平面視)、
θ1;LP90とL31とがなす角度、
θ2;LP0とL32とがなす角度、
P;回転中心。
Claims (8)
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面に所定間隔をもってリング状に配置された複数の摩擦部と、各摩擦部間に形成された油溝と、を備える湿式摩擦材であって、
潤滑油の存在下で、本湿式摩擦材を、前記コアプレートの前記リング形状の中心を回転中心として周方向に回転させた場合に、本湿式摩擦材の前記摩擦部を有する表面における油の流れを不規則にする変局領域を有し、
前記変局領域は、前記複数の摩擦部のうちの特定の摩擦部(A)の形状が、同じ形状の他の摩擦部(B)と異なることによって、形成されており、
前記変局領域の数が、前記摩擦部の総数に対して2%以上17%以下であることを特徴とする湿式摩擦材。 - 前記特定の摩擦部(A)は、回転方向に対して開放された油溜部を有する形状であるとともに、前記他の摩擦部(B)は、前記回転方向に対して開放された油溜部を有さない形状である請求項1に記載の湿式摩擦材。
- 前記特定の摩擦部(A)は、前記他の摩擦部(B)に対して厚さが厚い形状である請求項1に記載の湿式摩擦材。
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面に所定間隔をもってリング状に配置された同じ形状の複数の摩擦部と、各摩擦部間に形成された油溝と、を備える湿式摩擦材であって、
潤滑油の存在下で、本湿式摩擦材を、前記コアプレートの前記リング形状の中心を回転中心として周方向に回転させた場合に、本湿式摩擦材の前記摩擦部を有する表面における油の流れを不規則にする変局領域を有し、
前記変局領域は、前記複数の摩擦部のうちの一部の摩擦部(C)が欠損することによって摩擦部の配置の規則性が崩れて、形成されており、
前記変局領域の数が、前記摩擦部の総数に対して2%以上17%以下であることを特徴とする湿式摩擦材。 - 前記摩擦部の総数が、12以上57以下である請求項4に記載の湿式摩擦材。
- 平板なリング形状をなすコアプレートと、前記コアプレートの主面に所定間隔をもってリング状に配置された複数の摩擦部と、各摩擦部間に形成された油溝と、を備え、潤滑油の存在下で、前記コアプレートの前記リング形状の中心を回転中心として周方向に回転させて利用される湿式摩擦材であって、
前記複数の摩擦部のうちの特定の摩擦部(A)は、回転方向に対して開放された油溜部を有する形状であり、
前記複数の摩擦部のうちの他の摩擦部(B)は、前記回転方向に対して開放された油溜部を有さない同じ形状であり、
前記摩擦部の総数に対して、前記特定の摩擦部(A)を2%以上17%以下備えることを特徴とする湿式摩擦材。 - 前記特定の摩擦部(A)は、本湿式摩擦材を反時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が遠心方向へ抜け出ることを阻害する遠心側堰部と、本湿式摩擦材を反時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が前記回転方向に対してその後方へ抜け出ることを阻害する後方堰部と、を備える請求項6に記載の湿式摩擦材。
- 前記特定の摩擦部(A)は、本湿式摩擦材を時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が遠心方向へ抜け出ることを阻害する遠心側堰部と、本湿式摩擦材を時計回りに回転させた場合に、前記油溜部内の潤滑油が前記回転方向に対してその後方へ抜け出ることを阻害する後方堰部と、を備える請求項6又は7に記載の湿式摩擦材。
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