JP6584282B2 - ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ - Google Patents
ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6584282B2 JP6584282B2 JP2015207150A JP2015207150A JP6584282B2 JP 6584282 B2 JP6584282 B2 JP 6584282B2 JP 2015207150 A JP2015207150 A JP 2015207150A JP 2015207150 A JP2015207150 A JP 2015207150A JP 6584282 B2 JP6584282 B2 JP 6584282B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- natural rubber
- mass
- hydrazide compound
- carbon black
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
実地耐摩耗性を向上させるためには、ゴム組成物中に低ストラクチャのカーボンブラックを配合することが有効であるものの、従来のゴム成分に対して、低ストラクチャのカーボンブラックを配合すると、耐テアー性は向上するが、低ロス性が悪化することが考えられる。しかしながら、特定のヒドラジド化合物を付加させた変性天然ゴムをゴム成分として用いることで、従来のゴム成分に比べて低発熱性を大きく向上できることに加え、変性天然ゴムのポリマー末端でのカーボンブラックとの相互作用により補強性を大きく向上できる結果、耐テアー性の向上を図りつつ、低ロス性及び耐摩耗性についても高いレベルで実現できる。
さらに、上記ゴム組成物を、トレッドゴムに用い、また、該トレッドゴムを重荷重用タイヤに用いることによって、得られたトレッドゴム及び重荷重用タイヤは、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性が向上する。
(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)
前記ゴム成分100質量部に対して20〜55質量部の、圧縮ジブチルフタレート 吸油量(24M4 DBP)が105ml/100g未満であるカーボンブラックと、
を含むことを特徴とする。
上記構成により、優れた低ロス性及び実地耐摩耗性を実現できるとともに、耐テアー性を向上できる。
上記構成により、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性を向上できる。
上記構成により、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性を向上できる。
さらに、本発明によれば、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性の向上したトレッドゴム及び重荷重用タイヤを提供することが可能となる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、特定のヒドラジド化合物を天然ゴム原材料に添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなる変性天然ゴムを含むゴム成分と、特定のカーボンブラックと、を含むゴム組成物である。
本発明のゴム組成物を構成するゴム成分は、変性天然ゴムを60質量%以上含み、該変性天然ゴムは、式(1)で表されるヒドラジド化合物を天然ゴム原材料に添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなることを特徴とする。
(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)
ここで、上述の3−ピリジン骨格又は3−キノリン骨格を有する基とは、3−ピリジル基若しくは3−キノリル基、又は、置換基を有する3−ピリジル基又は3−キノリル基が挙げられる。
なお、前記3−ピリジル基又は3−キノリル基が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されることのあるアミノ基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、これらの置換基の中でも、ハロゲン原子、アミノ基が好ましい。
これらの置換基は、3−ピリジル基又は3−キノリル基の置換可能な位置に任意の数を有することができるが、3−ピリジル基又は3−キノリル基のそれぞれ2位又は5位に置換基を有するのが好ま
前記変性天然ゴムの製造には、純度の高い天然ゴムラテックスを用いる必要がないため、比較的安価に変性天然ゴムを製造することができる。また、前記天然ゴム原材料の中でも、カップランプ等は、安価に入手できるため、コストの点でのメリットが大きい。また、天然ゴム原材料として天然ゴムを用いることで、低ロス性及び低摩耗性の向上を望める。
前記天然ゴム原材料に対して、噴霧によって式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加した後、乾燥させた場合には、自然に前記天然ゴム原材料のゴム分子に式(1)で表されるヒドラジド化合物を付加させることがきる。一方、前記天然ゴム原材料に対して、ミキサー、押出機又は混練機によって式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加した場合のように、機械的なせん断力を与えることで、前記天然ゴム原材料のゴム分子に式(1)で表されるヒドラジド化合物を付加させることもできる。
さらに、混練後、ストレーナー処理をしてもよい。これにより、分子量が高く、さらにゴミ分のない変性天然ゴムが得られる。ここでいう「ストレーナー処理」とは、メッシュ状部材を用いて変性天然ゴム中に含まれるゴミ分を除去する処理をいう。
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分に加えて、圧縮ジブチルフタレート 吸油量(24M4 DBP)が105ml/100g未満であるカーボンブラックを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜55質量部含むことを特徴とする。
24M4 DBPが105ml/100g未満と、ストラクチャの低いカーボンブラックを用いることで、本発明のゴム組成物の耐テアー性を向上させることができる。前記カーボンブラックの24M4 DBPが105ml/100g以上の場合、カーボンブラックのストラクチャが高く、応力集中がしやすくなるため、所望の実地耐摩耗性を得ることができない。さらに優れた実地耐摩耗性を得る観点から、前記カーボンブラックの24M4 DBPは、85〜95であることが好ましい。
ここで、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)とは、例えば、ISO4652-1に準拠して単点法にて測定することができ、例えば脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量(m2/g)を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出できる。
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分及びカーボンブラックに加えて、耐摩耗性の向上を目的として、シリカ等の充填材をさらに含むことも可能である。
なお、前記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。
本発明のトレッドゴムは、上述した本発明のゴム組成物を用いることを特徴とする。本発明のゴム組成物を用いることで、耐テアー性の向上を図りつつ、低ロス性及び耐摩耗性についても高いレベルで実現できる。
なお、本発明のトレッドゴムは、上述のゴム組成物を用いること以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。
本発明の重荷重用は、上述した本発明のトレッドゴムを備えることを特徴とする。本発明のトレッドゴムを具えることで、耐テアー性の向上を図りつつ、低ロス性及び耐摩耗性についても高いレベルで実現できる。
なお、本発明のタイヤは、上述のトレッドゴムを備えること以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。なお、重荷重用タイヤとは、トラック・バス用タイヤ、建設・鉱山車両用タイヤ等を指すものである。
天然ゴム原材料としてのカップランプを、クレーパーで5回処理し、シュレッダーを通してクラム化した。この凝固物の乾燥ゴム含有量を求めた後、後述のドラジド化合物を、混練機(プレブレーカー)内で室温にて70rpmで1分間練りこみ、均一に分散させ、乾燥した変性天然ゴムを得た。
また、天然ゴムに対して添加したヒドラジド化合物及び比較用ヒドラジド化合物の種類及び添加量、及び、得られた変性天然ゴムについて含窒素複素環に対するヒドラジド基の位置については表2に示す。
(ニコチノヒドラジド)
ニコチン酸メチル13.7gのイソプロピルアルコール26mL溶液に100%ヒドラジン一水和物5.50gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール20mLで解砕洗浄し、減圧乾燥して下式のニコチノヒドラジド12.2g(収率88%)を得た。
次に、プラストミルで混練して表1に示す配合処方のゴム組成物を調製した。
そして、調整した各ゴム組成物について、後述する方法で低ロス性(tanδ)及び実地耐摩耗性について、測定し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
・DBP吸油量
カーボンブラックを165MPaで1秒間圧縮するという作業を4回繰り返した後、JIS K6217-4に準じた条件で、ジブチルフタレート吸油量を測定した。
・N2SA
ISO4652-1に準拠して単点法にて測定した。具体的には、脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量(m2/g)を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出した。
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。
なお、tanδは、各測定値の逆数をとり、比較例1の測定値の逆数を100としたときの指数で示し、数値が大きい程、低ロス性に優れることを示す。
各ゴム組成物を用いてタイヤ(サイズ:46/90 R57)を作製し、車両装着後、市場にて2000時間走行させた。その後、タイヤの溝のゲージを測定し、実際の市場でのゴムの耐摩耗性(実地耐摩耗性)を評価した。
なお、各測定値は逆数をとり、比較例1の溝ゲージの逆数を100としたときの指数で示し、数値が大きい程、実地耐摩耗性に優れることを示す。
*3)旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*4)旭カーボン株式会社製 LS-SAFカーボン N2SA:125 m2/g
Claims (6)
- 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が、120m2/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ヒドラジド化合物の融点が、200℃以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記ヒドラジド化合物の添加量が、前記天然ゴム原材料中の固形ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなることを特徴とする、トレッドゴム。
- 請求項5に記載のトレッドゴムを備えることを特徴とする、重荷重用タイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015207150A JP6584282B2 (ja) | 2015-10-21 | 2015-10-21 | ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015207150A JP6584282B2 (ja) | 2015-10-21 | 2015-10-21 | ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017078126A JP2017078126A (ja) | 2017-04-27 |
JP6584282B2 true JP6584282B2 (ja) | 2019-10-02 |
Family
ID=58665902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015207150A Active JP6584282B2 (ja) | 2015-10-21 | 2015-10-21 | ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6584282B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH111576A (ja) * | 1997-06-12 | 1999-01-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム組成物およびそれをトレッドゴムに用いた重荷重用空気入りタイヤ |
JP2005015511A (ja) * | 2003-06-23 | 2005-01-20 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物 |
JP2009108204A (ja) * | 2007-10-30 | 2009-05-21 | Bridgestone Corp | 変性天然ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ |
EP2248833B1 (en) * | 2008-02-18 | 2014-03-26 | Bridgestone Corporation | Modified diene rubber, method for producing the same, rubber composition using the same, and tire |
JP2010254931A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ |
JP2010261002A (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Bridgestone Corp | 変性ジエン系ゴムウェットマスターバッチ及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ |
JP6619965B2 (ja) * | 2015-08-19 | 2019-12-11 | 株式会社ブリヂストン | 変性ジエン系ゴム、ゴム組成物、タイヤ、変性ジエン系ゴムの製造方法及び添加剤 |
-
2015
- 2015-10-21 JP JP2015207150A patent/JP6584282B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017078126A (ja) | 2017-04-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5418141B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JP4796327B2 (ja) | 澱粉の複合体およびそれを含むゴム組成物 | |
JP2010077257A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP2009203331A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP2007231177A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP6619965B2 (ja) | 変性ジエン系ゴム、ゴム組成物、タイヤ、変性ジエン系ゴムの製造方法及び添加剤 | |
JP2007161822A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP2008222845A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP2008297445A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP2019001979A (ja) | 弾性複合材料を製造するための配合物、及び弾性複合材料の製造方法 | |
JP6584282B2 (ja) | ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ | |
JP2008297449A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP2010013553A (ja) | タイヤサイドウォール用ゴム組成物 | |
JPH11335488A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP6772681B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JP2016196575A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP2010013552A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP6572121B2 (ja) | タイヤのサイドゴム用ゴム組成物及びタイヤ | |
JP2005350595A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JPWO2003031511A1 (ja) | ゴム組成物 | |
JP5418142B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP5301236B2 (ja) | ゴム組成物及びその製造方法、並びにカーボンブラックマスターバッチ | |
JP2009173797A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法 | |
JP5593669B2 (ja) | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2008255161A (ja) | 空気入りタイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180625 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190219 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190412 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190612 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190730 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190821 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190903 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6584282 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |