JP6572121B2 - タイヤのサイドゴム用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

タイヤのサイドゴム用ゴム組成物及びタイヤ

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Description

本発明は、タイヤのサイドゴム用ゴム組成物及びタイヤに関するものである。
従来、タイヤのサイドウォール部に適用するサイドゴム用のゴム組成物には、天然ゴム(NR)とポリブタジエンゴム(BR)とをブレンドしたゴム成分が使用されている。
例えば、特開2005−272571号公報(特許文献1)には、天然ゴム(NR)及び/又はポリイソプレンゴム(IR)と、特定のポリブタジエンゴム(BR)とからなるゴムに対して、特定のカーボンブラック及びシリカと、加硫促進剤及び硫黄とを、特定の配合比で配合してなる重荷重タイヤ用サイドトレッドゴム組成物が開示されている。
昨今、タイヤのサイドウォール部に適用するサイドゴムを低発熱化(低ヒステリシスロス化)することが検討されており、タイヤのサイドゴムを低発熱化することで、タイヤの転がり抵抗を低減して、タイヤの低燃費性を向上させることができる。
また、タイヤのサイドウォール部は、縁石等から衝撃を受けることがあるため、タイヤのサイドゴムには、十分な耐カット性(耐亀裂成長性)を有することも求められる。
特開2005−272571号公報
上記サイドゴムを低発熱化する手法としては、サイドゴムに用いるゴム組成物のゴム成分中の、ポリブタジエンゴム(BR)のブレンド比率を増やすことが挙げられる。しかしながら、ゴム組成物のゴム成分中の、ポリブタジエンゴム(BR)のブレンド比率を増やすと、産業用タイヤ等の重荷重用タイヤにとって重要となる耐カット性が低下してしまう。
一方、サイドゴムの耐カット性を向上させる手法としては、サイドゴムに用いるゴム組成物のゴム成分中の、天然ゴム(NR)のブレンド比率を増やすことが挙げられる。しかしながら、ゴム組成物のゴム成分中の、天然ゴム(NR)のブレンド比率を増やすと、かかるゴム組成物をサイドゴムとして、サイドウォール部に適用したタイヤは、発熱量が大きくなってしまう。
このように、従来の技術では、タイヤのサイドゴムの低発熱性と耐カット性とを両立させることができなかった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、耐カット性が十分に高く、タイヤのサイドゴムの低発熱性を大幅に向上させることが可能な、タイヤのサイドゴム用ゴム組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかるサイドゴム用ゴム組成物用いた、サイドゴムの耐カット性が十分に高く、低発熱性に優れるタイヤを提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、ヒドラジド化合物を天然ゴムに付加させてなるヒドラジド変性天然ゴムと、ポリブタジエンゴムと、を含むゴム成分を含み、
前記ゴム成分中の、前記ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜70質量%であって、前記ポリブタジエンゴムの含有率が30〜60質量%であることを特徴とする。
かかる本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、耐カット性が十分に高く、また、タイヤのサイドゴムに適用することで、タイヤのサイドゴムの低発熱性を大幅に向上させることができる。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物の好適例においては、前記ゴム成分中の、前記ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜60質量%であって、前記ポリブタジエンゴムの含有率が40〜60質量%である。この場合、ゴム組成物が、十分な耐カット性を有しつつ、ゴム組成物の低発熱性が更に向上する。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ヒドラジド化合物が、下記式(1):
Figure 0006572121
[式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である]で表される。この場合、ゴム組成物の低発熱性が更に向上する。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、重荷重用タイヤのサイドゴム用であることが好ましい。本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、耐カット性が十分に高く、低発熱性に優れるため、重荷重用タイヤのサイドゴムに用いるのに特に適している。
また、本発明のタイヤは、上記のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物を、サイドゴムに適用したことを特徴とする。
かかる本発明のタイヤは、サイドゴムの耐カット性が十分に高く、また、低発熱性に優れるため、低燃費性に優れる。
本発明のタイヤは、重荷重用タイヤであることが好ましい。前記サイドゴム用ゴム組成物は、サイドゴムの耐カット性が十分に高く、低発熱性に優れるため、該ゴム組成物をサイドゴムに適用した本発明のタイヤは、重荷重用タイヤとして、特に優れている。
本発明によれば、耐カット性が十分に高く、タイヤのサイドゴムの低発熱性を大幅に向上させることが可能な、サイドゴム用ゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、かかるサイドゴム用ゴム組成物用いた、サイドゴムの耐カット性が十分に高く、低発熱性に優れるタイヤを提供することができる。
<タイヤのサイドゴム用ゴム組成物>
以下に、本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、ヒドラジド化合物を天然ゴムに付加させてなるヒドラジド変性天然ゴムと、ポリブタジエンゴムと、を含むゴム成分を含み、前記ゴム成分中の、前記ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜70質量%であって、前記ポリブタジエンゴムの含有率が30〜60質量%であることを特徴とする。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物においては、ヒドラジド変性天然ゴムが低発熱性の向上に寄与し、一方、ポリブタジエンゴムは耐カット性の確保に寄与する。ここで、ヒドラジド変性天然ゴムは、天然ゴムにヒドラジド化合物が付加してなるため、ヒドラジド化合物に由来する部分、例えば、窒素含有官能基に起因して、未変性の天然ゴムよりも極性が高い。そのため、ヒドラジド変性天然ゴムは、ゴム組成物に一般に用いられるカーボンブラック等の充填剤との相互作用が高く、充填剤の分散性を向上させて、ゴム組成物の低発熱性を向上させる。
そして、本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物においては、ゴム成分中の、ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜70質量%であって、ポリブタジエンゴムの含有率が30〜60質量%であることで、ヒドラジド変性天然ゴムを使用することによって奏される低発熱性の向上効果が特に大きくなり、十分に高い耐カット性を有しつつ、低発熱性を大幅に向上させることができる。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物のゴム成分は、ヒドラジド化合物を天然ゴムに付加させてなるヒドラジド変性天然ゴムを含む。該天然ゴムに付加させるヒドラジド化合物は、酸のヒドロキシ基をヒドラジノ基で置換した化合物である。
ここで、天然ゴムに付加させる前記ヒドラジド化合物としては、上記式(1)で表わされるヒドラジド化合物が好ましい。3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基を有するヒドラジド化合物は、天然ゴム(原材料)に付加させた際、含窒素複素環の他の位置(例えば、2位又は4位等)にヒドラジド基を有する化合物に比べて、格段に優れた低発熱性、耐カット性を得ることができる。
ここで、上述の3−ピリジン骨格又は3−キノリン骨格を有する基とは、3−ピリジル基若しくは3−キノリル基、又は、置換基を有する3−ピリジル基又は3−キノリル基が挙げられる。
なお、前記3−ピリジル基又は3−キノリル基が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されることのあるアミノ基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、これらの置換基の中でも、ハロゲン原子、アミノ基が好ましい。
これらの置換基は、3−ピリジル基又は3−キノリル基の置換可能な位置に任意の数を有することができるが、3−ピリジル基又は3−キノリル基のそれぞれ2位又は5位に置換基を有するのが好ましい。
上記式(1)で表されるヒドラジド化合物の具体例としては、ニコチノヒドラジド、2−アミノニコチノヒドラジド、5−ブロモニコチノヒドラジド、キノリン−3−カルボヒドラジドを挙げることができ、これらの中でも、ニコチノヒドラジド、2−アミノニコチノヒドラジド、5−ブロモニコチノヒドラジドが好ましく、ニコチノヒドラジドが特に好ましい。
また、前記ヒドラジド化合物の融点については、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。前記ヒドラジド化合物の融点を低くすることで、ヒドラジド変性天然ゴムを製造する際に、天然ゴムの各分子に満遍なく極性基を導入できるため、より優れた低発熱性を得ることができ、ゴム組成物中の充填剤の分散性についても高めることができる。
前記ヒドラジド化合物を付加させる天然ゴム(原材料)としては、乾燥後の各種固形天然ゴム、各種天然ゴムラテックス凝固物(アンスモークドシートを包含する)又は天然ゴムカップランプの天然ゴム原材料が挙げられる。これら天然ゴム(原材料)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。ヒドラジド変性天然ゴムを製造する際は、純度の高い天然ゴムラテックスを用いる必要はなく、前記天然ゴム(原材料)を用いることで、比較的安価にヒドラジド変性天然ゴムを製造することができる。また、前記天然ゴム(原材料)の中でも、カップランプ等は、安価に入手できるため、コストの点でのメリットが大きい。
なお、前記天然ゴム(原材料)に、前記ヒドラジド化合物を付加させる方法については特に限定されず、例えば、乾燥後の固形天然ゴム原材料へ、ヒドラジド化合物を、押出機、混練機又は噴霧によって添加する方法が挙げられる。
前記天然ゴム(原材料)に対して、噴霧によってヒドラジド化合物を添加した後、乾燥させた場合には、自然に天然ゴム(原材料)のゴム分子にヒドラジド化合物を付加させることがきる。一方、天然ゴム(原材料)に対して、ミキサー、押出機又は混練機によってヒドラジド化合物を添加した場合のように、機械的なせん断力を与えることで、天然ゴム(原材料)のゴム分子にヒドラジド化合物を付加させることもできる。
さらに、混練後、ストレーナー処理をしてもよい。これにより、分子量が高く、さらにゴミ分のないヒドラジド変性天然ゴムが得られる。ここでいう「ストレーナー処理」とは、メッシュ状部材を用いてヒドラジド変性天然ゴム中に含まれるゴミ分を除去する処理をいう。
また、前記ヒドラジド化合物を添加する工程では、該ヒドラジド化合物をそのまま添加することもできるし、溶媒で希釈した溶液又はエマルジョンとして添加することもできる。天然ゴム(原材料)中への分散性向上の点からは、溶液又はエマルジョンとして添加するのが好ましい。
なお、前記ヒドラジド化合物の溶液とは、ヒドラジド化合物を溶媒で希釈したものであり、ヒドラジド化合物の種類により好適な溶媒種が設定される。溶媒種としては、水(精製水、イオン交換水、純水等)を用いることができる。また、ヒドラジド化合物のエマルジョンは、乳化剤と、必要に応じて親和剤を用い、通常の方法で得ることができる。ここで、ヒドラジド化合物の水溶液の濃度は5〜80質量%であることが好ましく、ヒドラジド化合物のエマルジョンの濃度は3〜50質量%であることが好ましい。上記水溶液又は上記エマルジョンにおけるヒドラジド化合物の濃度が低すぎると(上記水溶液の濃度が5質量%未満又は上記エマルジョンの濃度が3質量%未満であると)、所望量のヒドラジド化合物を添加するのに必要となる水溶液又はエマルジョンの量が多くなり過ぎ、また、ヒドラジド化合物の濃度が高すぎると(上記水溶液の濃度が80質量%又は上記エマルジョンの濃度が50質量%を超えると)、溶液の安定性が低下し、また、ヒドラジド化合物の分散性が低下するなどの不具合を生じるおそれがある。
前記ヒドラジド化合物の添加量は、ゴム組成物の加工性を低下させずに、低発熱性や耐カット性を向上させる観点から、天然ゴムの各分子に満遍なく少量の極性基、例えば、塩基性基が導入されていることが好ましい。具体的には、ヒドラジド化合物の添加量が、前記天然ゴム(原材料)中の固形ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。前記ヒドラジド化合物の添加量を固形ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上とすることで、所望の低発熱性、耐カット性が得られ、また、前記ヒドラジド化合物の添加量をゴム成分100質量部に対して0.1〜1.5質量部とすることで、他の物性を低下させることなく、より優れた低発熱性、耐カット性を得ることができる。
また、本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物のゴム成分は、ポリブタジエンゴムを含む。該ポリブタジエンゴムは、特に限定されるものではなく、合成したポリブタジエンゴムを用いてもよいし、市販のポリブタジエンゴムを用いてもよい。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物のゴム成分中の、前記ヒドラジド変性天然ゴムの含有率は40〜70質量%であり、好ましくは40〜60質量%であり、また、前記ポリブタジエンゴムの含有率は30〜60質量%であり、好ましくは40〜60質量%である。
ゴム成分中のヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40質量%未満では、耐カット性が低く、一方、ゴム成分中のヒドラジド変性天然ゴムの含有率が70質量%を超えると、発熱量が大きく、低発熱性が不十分である。
また、ゴム成分中のポリブタジエンゴムの含有率が30質量%未満では、発熱量が大きく、低発熱性が不十分であり、一方、ゴム成分中のポリブタジエンゴムの含有率が60質量%を超えると、耐カット性が低くなる。
なお、ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜60質量%の範囲であり、また、ポリブタジエンゴムの含有率が40〜60質量%の範囲であると、十分な耐カット性を有しつつ、低発熱性が大幅に向上する。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物のゴム成分は、上述したヒドラジド変性天然ゴム、ポリブタジエンゴムの他に、他の原料ゴムを含んでもよい。かかる原料ゴムとしては、未変性の天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)等が挙げられる。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、充填剤を含むことが好ましい。本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、上述のヒドラジド変性天然ゴムを含むため、充填剤を含む場合、該充填剤の分散性が高い。
ここで、前記充填剤の配合量は、特に限定されるものではないが、前記ゴム成分100質量部に対して30〜60質量部の範囲が好ましく、40〜50質量部の範囲が更に好ましい。充填剤の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して30質量部以上であれば、サイドゴム用ゴム組成物の耐カット性が向上し、また、充填剤の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して60質量部以下であれば、サイドゴム用ゴム組成物の低発熱性が更に向上する。更に、充填剤の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して40〜50質量部の範囲であれば、耐カット性が更に向上し、また、低発熱性がより一層向上する。
前記充填剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックは、前記ヒドラジド変性天然ゴム中のヒドラジド基との相互作用により、より優れた低発熱性が得られるからである。
ここで、前記カーボンブラックとしては、GPF、FEF、SRF、HAF、ISAF、IISAF、SAFグレード等のカーボンブラックが挙げられる。
また、前記充填剤としては、前記カーボンブラックの他、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム等の無機充填剤を配合することもできる。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物には、上述のゴム成分、充填剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
なお、本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、重荷重用タイヤのサイドゴム用であることが好ましい。一般に、重荷重用タイヤのサイドゴムは、体積が大きいため、発熱量が大きく、また、過酷な環境で使用されるため、外部からの入力が大きいが、上述のように、本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、耐カット性が高く、低発熱性に優れるため、重荷重用タイヤのサイドゴムに用いるのに特に優れている。
<タイヤ>
次に、本発明のタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
本発明のタイヤは、上述のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物を、サイドゴムに適用したことを特徴とする。
かかる本発明のタイヤは、上述の、耐カット性が高く、低発熱性に優れるサイドゴム用ゴム組成物がサイドゴムに用いられているため、サイドゴムの耐カット性が高く、また、低発熱性に優れ、低燃費性に優れる。
本発明のタイヤは、重荷重用タイヤであることが好ましい。上述のように、重荷重用タイヤのサイドゴムは、体積が大きいため、発熱量が大きく、また、過酷な環境で使用されるため、外部からの入力が大きいが、上述のように、本発明のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物は、耐カット性が高く、低発熱性に優れるため、該サイドゴム用ゴム組成物をサイドゴムに適用した本発明のタイヤは、重荷重用タイヤとして、特に優れている。ここで、重荷重用タイヤとしては、産業用タイヤ、トラック・バス用タイヤ等が挙げられる。
なお、本発明のタイヤは、従来公知の構造で、特に限定はなく、通常の方法で製造できる。
また、本発明のタイヤが空気入りタイヤの場合、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ヒドラジド変性天然ゴムの製造>
(ニコチノヒドラジドの合成)
ニコチン酸メチル13.7gのイソプロピルアルコール26mL溶液に100%ヒドラジン一水和物5.50gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール20mLで解砕洗浄し、減圧乾燥して、下記化学式:
Figure 0006572121
で表わされるニコチノヒドラジド12.2g(収率88%)を得た。なお、生成物の同定は、融点測定、1H−NMR測定(条件:300MHz、DMSO−D6、δppm)で行った。分析結果を以下に示す。
融点:162.0℃
1H−NMR(300MHz、DMSO−D6、δppm):4.57(s,2H),7.50(m,1H),8.15(m,1H),8.70(dd,1H),8.97(dd,1H),9.97(s,1H)
(ヒドラジド変性天然ゴムAの製造)
天然ゴム(原材料)として、カップランプをクレーパーで5回処理し、シュレッダーを通してクラム化した。この凝固物の乾燥ゴム含有量を求めた後、上記で合成したニコチノヒドラジドを混練機(プレブレーカー)内で室温にて70rpmで1分間練りこみ、均一に分散させ、乾燥したヒドラジド変性天然ゴムAを得た。なお、ニコチノヒドラジドの添加量は、天然ゴム(原材料)のゴム成分100質量部に対して1.0質量部とした。
(2−アミノニコチノヒドラジドの合成)
2−アミノニコチン酸メチル4.00gのメタノール80mL溶液に、84%ヒドラジン一水和物12.5gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をメタノール80mLで洗浄し、減圧乾燥して、下記化学式:
Figure 0006572121
で表わされる2−アミノニコチノヒドラジド2.38g(収率60%)を得た。融点測定、1H−NMR測定(条件:300MHz、DMSO−D6、δppm)の結果を以下に示す。
融点:192.0℃
1H−NMR(300MHz、DMSO−D6、δppm):4.14(s,2H),6.53(dd,1H),6.97(s,2H),7.79(dd,1H),8.04(dd,1H),9.66(s,1H)
(ヒドラジド変性天然ゴムBの製造)
ニコチノヒドラジドの代わりに、上記で合成した2−アミノニコチノヒドラジドを用いる以外は、ヒドラジド変性天然ゴムAの製造と同様にして、ヒドラジド変性天然ゴムBを得た。
(5−ブロモニコチノヒドラジドの合成)
5−ブロモニコチン酸エチル4.00gのメタノール80mL溶液に、84%ヒドラジン一水和物8.30gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をメタノール80mLで洗浄し、減圧乾燥して、下記化学式:
Figure 0006572121
で表わされる5−ブロモニコチノヒドラジド2.72g(収率75%)を得た。融点測定、1H−NMR測定(条件:300MHz、DMSO−D6、δppm)の結果を以下に示す。
融点:200.3℃
1H−NMR(300MHz、DMSO−D6、δppm):4.61(s,2H),7.71(dd,2H),7.69(dd,2H),10.08(s,1H)
(ヒドラジド変性天然ゴムCの製造)
ニコチノヒドラジドの代わりに、上記で合成した5−ブロモニコチノヒドラジドを用いる以外は、ヒドラジド変性天然ゴムAの製造と同様にして、ヒドラジド変性天然ゴムCを得た。
<ゴム組成物の調製及び評価>
表1〜表2に従う配合処方のゴム組成物を、バンバリーミキサーにて混練して調製した。ここで、ゴム組成物をシート化する際の、シートの外観を評価した。
次に、得られたゴム組成物に対して、下記の方法で損失正接(tanδ)及び引裂強さを評価した。結果を表1に示す。
(1)損失正接(tanδ)
ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムに対して、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用いて、歪1%、周波数10Hzの条件下で、室温における損失正接(tanδ)を測定し、比較例5のtanδの値を100として指数表示した。指数値が小さい程、ヒステリシスが小さく、低発熱性に優れることを示す。
(2)引裂強さ
JIS K 6252:2001に従って、上記加硫ゴムの引裂強さを測定し、比較例5の引裂強さの値を100として指数表示した。指数値が大きい程、引裂強さが大きく、耐カット性に優れることを示す。
Figure 0006572121
Figure 0006572121
*1 ポリブタジエンゴム:JSR株式会社製、商品名「BR01」
*2 カーボンブラックHAF:東海カーボン株式会社製、商品名「シースト3」
*3 酸化亜鉛:ハクスイテック株式会社製、商品名「酸化亜鉛」
*4 ステアリン酸:新日本理化社製、商品名「ステアリン酸 50S」
*5 老化防止剤:住友化学株式会社製、商品名「アンチゲン 6C」
*6 加硫促進剤:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラ−NS−P」
*7 ワックス:精工化学社製、商品名「サンタイト A」
表2から、ゴム成分中の、ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜70質量%であって、ポリブタジエンゴムの含有率が30〜60質量%である、実施例のゴム組成物は、十分な耐カット性を有しつつ、低発熱性が向上していることが分かる。
ここで、表1の比較例9と、表2の比較例14とは、比較例9が天然ゴムを使用しているのに対し、比較例14はヒドラジド変性天然ゴムAを使用している点でのみ異なる。そこで、損失正接(tanδ)における向上幅(即ち、13%の減少)が天然ゴムをヒドラジド変性天然ゴムAで置き換えたことに起因するものとし、更に、該向上幅がゴム成分中のヒドラジド変性天然ゴムAの含有率に比例すると仮定し、該仮定から予測される損失正接(tanδ)の指数の値を表3に示す。また、比較のために、表2に示した損失正接(tanδ)の実測指数の値も、表3に示す。更に、予測される損失正接(tanδ)の指数の値と損失正接(tanδ)の実測指数の値の差を計算し、表3に示す。
Figure 0006572121
表3から、ゴム成分中の、ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜70質量%であって、ポリブタジエンゴムの含有率が30〜60質量%である、実施例のゴム組成物は、予測される損失正接(tanδ)の指数の値に比べて、損失正接(tanδ)の実測指数の値が小さく、低発熱性に関して、予測よりも優れた効果が奏されていることが分かる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのサイドゴムに利用できる。また、本発明のタイヤは、各種車輌向けのタイヤとして利用でき、特に重荷重用タイヤとして好適である。

Claims (6)

  1. ヒドラジド化合物を天然ゴムに付加させてなるヒドラジド変性天然ゴムと、ポリブタジエンゴムと、を含むゴム成分と、
    充填剤と、
    を含み、
    前記ゴム成分中の、前記ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜70質量%であって、前記ポリブタジエンゴムの含有率が30〜60質量%であり、
    前記充填剤として、カーボンブラックを、前記ゴム成分100質量部に対して30〜60質量部含み、
    前記ヒドラジド変性天然ゴムにおける、前記ヒドラジド化合物の添加量が、前記天然ゴム中の固形ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上であり、
    前記ヒドラジド化合物が、下記式(1):
    Figure 0006572121
    [式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である]で表されることを特徴とする、タイヤのサイドゴム用ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分中の、前記ヒドラジド変性天然ゴムの含有率が40〜60質量%であって、前記ポリブタジエンゴムの含有率が40〜60質量%である、請求項1に記載のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物。
  3. 前記ヒドラジド変性天然ゴムにおける、前記ヒドラジド化合物の添加量が、前記天然ゴム中の固形ゴム成分100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1又は2に記載のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物。
  4. 重荷重用タイヤのサイドゴム用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤのサイドゴム用ゴム組成物を、サイドゴムに適用したことを特徴とする、タイヤ。
  6. 重荷重用タイヤである、請求項5に記載のタイヤ。
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