JP6582913B2 - 電磁接触器 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された電磁接触器は、一対の固定接点及びこれら一対の固定接点に両端の可動接点で接離可能な可動接触子を有する接点機構と、この接点機構を駆動する電磁石ユニットとを備えている。電磁石ユニットは、固定プランジャ(固定鉄心)と、接点機構の可動接触子にシャフトで連結された可動プランジャ(可動鉄心)と、励磁することにより電磁石ユニットで励磁力を発生させて可動プランジャ(可動鉄心)を駆動する励磁用巻線とを備えている。
ここで、シャフトは、可動プランジャ(可動鉄心)の移動方向(上下方向)に長い丸棒状に非磁性材料にて形成されたものであり、その上端部が可動接触子に対して抜け止めされている。また、シャフトは、固定プランジャ(固定鉄心)に上下方向に貫通するように形成された貫通孔を挿通し、その下端部が可動プランジャ(可動鉄心)に結合される。
即ち、シャフトと可動プランジャを結合する際に、シャフトと可動プランジャとの間のクリアランスにより、シャフトが可動プランジャに対して傾き、その状態で可動プランジャがシャフトに接合されてしまう問題がある。つまり、シャフトの軸心が可動プランジャの軸心に対して傾斜した状態で可動プランジャがシャフトに結合される。
シャフトの軸心が可動プランジャの軸心に対して傾斜した状態で可動プランジャがシャフトに結合されると、シャフトの上端部に連結されている可動接触子が一対の固定接点に対して傾き、可動接触子の両端にある可動接点が一対の固定接点に接触するタイミングにずれが生じる。このタイミングにずれが生じると、可動接触子の両端にある可動接点の固定接点に対するワイプ量(各可動接点が固定接点に対して押し込む量)に、可動接点間でばらつきが生じる。これにより、可動接点の固定接点に対する接圧が可動接点間でばらつき、電流路の形成に悪影響を与えるおそれがある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電磁接触器は、図1に示されており、電磁接触器1は、接点機構2と、接点機構2を駆動する電磁石ユニット3とを備えている。
接点機構2は、接点機構収容ケース4内に収容されており、この接点機構収容ケース4は、金属製の角筒体5と、この角筒体5の上端を閉塞する平板状のセラミック製の絶縁基板6とを備えている。角筒体5は、下端部に外方に突出するフランジ部5aを有し、そのフランジ部5aが磁気ヨーク7の上面にシール接合されている。絶縁基板6には、一対の貫通孔6a、6bが所定間隔をあけて形成されている。絶縁基板6の上面における貫通孔6a、6bの周囲及び絶縁基板6の下面における角筒体5が接触する位置には、メタライズ処理が施されている。
ここで、第1固定接触子23は、導電体金属部からなる側面視C字形状の導電板であり、絶縁基板6の下面に沿って外側に延長する上板部23aと、上板部23aの外側端部から下方に延長する中間板部23bと、中間板部23bの下端部から上板部23aと平行に内側に延長する下板部23cとを備えている。下板部23cは、可動接触子25の下方に延び、その上面に可動接触子25の後述する第1可動接点25aが接触する第1固定接点23dを備えている。
第1固定接触子23及び第2固定接触子24のそれぞれは、それぞれの下端面に突出形成されたピンを第1導体部21及び第2導体部22のそれぞれに固定することにより、第1導体部21及び第2導体部22のそれぞれに固定されている。ピンの第1導体部21、第2導体部22への固定方法としては、ろう付け、螺合等があげられる。
更に、第1固定接触子23には、アークの発生を規制する合成樹脂製の絶縁カバー26が装着され、第2固定接触子24にも、アークの発生を規制する合成樹脂製の絶縁カバー27が装着されている。これにより、第1固定接触子23の内周面では下板部23cの上面側の第1固定接点23dのみが露出される。また、第2固定接触子24の内周面では下板部24cの上面側の第2固定接点24dのみが露出される。
また、接点機構収容ケース4の角筒体5の内周面には、図1に示すように、有底角筒状に形成された絶縁筒部12が配設されている。この絶縁筒部12は、金属製の角筒体5に対するアークの影響を遮断する絶縁機能を有する。
スプール33は、図1に示すように、固定プランジャ32を挿通する中央円筒部33aと、中央円筒部33aの下端部から半径方向外側に突出する下フランジ部33bと、中央円筒部33aの上端部から半径方向外側に突出する上フランジ部33cとを備えている。そして、図1に示すように、スプール33の中央円筒部33a、下フランジ部33b、及び上フランジ部33cで構成される収納空間に励磁コイル34が巻装されている。
また、スプール33の中央円筒部33a内に配置された固定プランジャ32の上部には、有底筒状に形成されたキャップ8が配置され、このキャップ8の開放端に設けられた半径方向外側に突出するフランジ部8aが、磁気ヨーク7の下面にシール接合されている。これにより、接点機構収容ケース4及びキャップ8が磁気ヨーク7の可動プランジャ貫通孔7a介して連通される密封した容器が形成されている。
可動プランジャ35のシャフト36への結合については、後に詳細に説明する。
また、磁気ヨーク7の上面には、図1に示すように、外形が方形で円形の中心開口を有して環状に形成された永久磁石9が可動プランジャ35の周鍔部35bを囲むように固定されている。永久磁石9は、上下方向即ち厚み方向に上端側を例えばN極、下端側をS極とするように着磁されている。
そして、永久磁石9の上面には、永久磁石9と同一外形で可動プランジャ35の周鍔部35bよりも小さい内径の貫通孔を有する補助ヨーク10固定されている。シャフト36は、補助ヨーク10の貫通孔を上下方向に挿通している。
そして、可動プランジャ35を上下方向に挿通する可動プランジャ貫通孔7aを有する板状の磁気ヨーク7と、磁気ヨーク7の上面に接合され、内部に接点機構2を収容する接点機構収容ケース4と、磁気ヨーク7の下面に接合され、内部に可動プランジャ35を収容するキャップ8とにより、接点機構2、シャフト36及び可動プランジャ35を収容する密封された収容室を構成し、この密封された収容室内には、アーク消弧用のガスが封入されている。
可動プランジャ35の中心には、図2に示すように、丸棒状に形成されるシャフト36が挿通可能なシャフト用貫通孔35cが周鍔部35bの上面35baから復帰スプリング収容凹部35dの上端面にかけて貫通するように形成されている。シャフト用貫通孔35cは、丸孔で形成される。そして、シャフト用貫通孔35cの上下方向略中央部には、雌ねじ部35eが形成されている。また、シャフト用貫通孔35cの雌ねじ部35eよりも上側には、雌ねじ部35eの内径よりもやや大きな内径を有する可動プランジャ側第1ガイド部35fが形成されている。更に、シャフト用貫通孔35cの雌ねじ部35eよりも下側には、雌ねじ部35eの内径よりもやや小さな内径を有する可動プランジャ側第2ガイド部35gが形成されている。
シャフト36の雄ねじ部36dに可動プランジャ35の雌ねじ部35eを螺合すると、可動プランジャ側第1ガイド部35fとシャフト側第1ガイド部36cとが中間ばめとなり、また、可動プランジャ側第2ガイド部35gとシャフト側第2ガイド部36eとが中間ばめとなる。これにより、シャフト36の軸心とシャフト用貫通孔35cの軸心とが同軸となる。従って、シャフト用貫通孔35cの雌ねじ部35eの両側に形成された可動プランジャ側第1ガイド部35f及び可動プランジャ側第2ガイド部35gと、シャフト36の雄ねじ部36dの両側に形成され、可動プランジャ側第1ガイド部35f及び可動プランジャ側第2ガイド部35gに対して中間ばめとなるシャフト側第1ガイド部36c及びシャフト側第2ガイド部36eとにより、シャフト36の軸心とシャフト用貫通孔35cの軸心とを同軸にするガイド機構37を構成する。
これにより、可動プランジャ35がシャフト36に結合される。
ここで、ガイド機構37により、シャフト36の軸心とシャフト用貫通孔35cの軸心とが同軸にされるので、可動プランジャ35をシャフト36に結合したときに、シャフト36の可動プランジャ35に対する傾きを抑制することができる。このため、可動接触子25の両端にある第1可動接点25a及び第2可動接点25bの第1固定接点23d及び第2固定接点24dに対するワイプ量に、第1可動接点25a及び第2可動接点25b間で生じるばらつきを抑制することができる。
今、第1固定接触子23に接続された第1導体部21が例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、第2固定接触子24に接続された第2導体部22が負荷装置に接続されているものとする。
この状態で、電磁石ユニット3における励磁コイル34が非励磁状態にあって、電磁石ユニット3で可動プランジャ35を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
このため、可動プランジャ35にシャフト36を介して連結されている接点機構2の可動接触子25の第1可動接点25a及び第2可動接点25bが、第1固定接触子23の第1固定接点23d、第2固定接触子24の第2固定接点24dに対して上方に所定距離だけ離間している。このため、第1固定接触子23及び第2固定接触子24の間の電流路が遮断状態にあり、接点機構2が開極状態となっている。
このように、可動プランジャ35が下降することにより、可動プランジャ35にシャフト36を介して連結されている可動接触子25も下降し、接点機構2の可動接触子25の第1可動接点25a及び第2可動接点25bのそれぞれが、第1固定接触子23の第1固定接点23d及び第2固定接触子24の第2固定接点24dのそれぞれに対して接触スプリング40の接触圧で接触する。
このため、電力供給源の大電流が、第1固定接触子23、可動接触子25、第2固定接触子24を通じて負荷装置に供給される閉極状態となる。
励磁コイル34への通電を停止すると、電磁石ユニット3で可動プランジャ35を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ35が復帰スプリング38の付勢力によって上昇し、周鍔部35bが補助ヨーク10に近づくに従って永久磁石9の吸引力が増加する。
この可動プランジャ35が上昇することにより、シャフト36を介して連結された可動接触子25が上昇する。これに応じて接触スプリング40で接触圧を与えているときは、可動接触子25の第1可動接点25a及び第2可動接点25bのそれぞれが、第1固定接触子23の第1固定接点23d及び第2固定接触子24の第2固定接点24dのそれぞれに接触している。その後、接触スプリング40の接触圧がなくなった時点で、可動接触子25が第1固定接触子23及び第2固定接触子24から上方に離間する開極開始状態となる。
このアークは、アークの電流の流れと、図示しないアーク消弧用永久磁石で発生した磁束との関係からフレミング左手の法則により発生したローレンツ力によって引き延ばされて消弧される。
そして、可動プランジャ35の釈放動作が終了すると、可動プランジャ35の周鍔部35bの上面が補助ヨーク10の下面に接触し、開極終了となる。
次に、本発明の第2実施形態に係る電磁接触器を図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5において、図2及び図3に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図4には、本発明の第2実施形態に係る電磁接触器の可動プランジャとシャフトとの結合状態が示され、図5には、図4に示す可動プランジャとシャフトとが示されている。
本発明の第2実施形態に係る電磁接触器は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る電磁接触器1と同様であるが、ガイド機構37の構成が異なっている。
即ち、第1実施形態に係る電磁接触器1のガイド機構37は、シャフト用貫通孔35cの雌ねじ部35eの両側に形成された可動プランジャ側第1ガイド部35f及び可動プランジャ側第2ガイド部35gと、シャフト36の雄ねじ部36dの両側に形成され、可動プランジャ側第1ガイド部35f及び可動プランジャ側第2ガイド部35gに対して中間ばめとなるシャフト側第1ガイド部36c及びシャフト側第2ガイド部36eとにより構成される。
一方、シャフト36のフランジ部36bよりも下側には、図4に示すように、可動プランジャ35側の雌ねじ部35eに螺合する雄ねじ部36dが形成されている。また、シャフト36の雄ねじ部36dの上側であってフランジ部36bよりも下側には、図4及び図5に示すように、可動プランジャ側延長ガイド部35faに対して中間ばめとなるシャフト側延長ガイド部36fが形成されている。
そして、シャフト36の雄ねじ部36dに可動プランジャ35の雌ねじ部35eを螺合した後、シャフト36の下端部と可動プランジャ35の復帰スプリング収容凹部35dの上端面とが溶接によって接合されて可動プランジャ35がシャフト36に結合される。
ここで、ガイド機構37により、シャフト36の軸心とシャフト用貫通孔35cの軸心とが同軸にされるので、可動プランジャ35をシャフト36に結合したときに、シャフト36の可動プランジャ35に対する傾きを抑制することができる。このため、可動接触子25の両端にある第1可動接点25a及び第2可動接点25bの第1固定接点23d及び第2固定接点24dに対するワイプ量に、第1可動接点25a及び第2可動接点25b間で生じるばらつきを抑制することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る電磁接触器を図6を参照して説明する。図6において、図2に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図4には、本発明の第3実施形態に係る電磁接触器の可動プランジャとシャフトとの結合状態が示されている。
本発明の第3実施形態に係る電磁接触器は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る電磁接触器1と同様であるが、ガイド機構37による同軸機能を補助する同軸機能補助部材42を備えている点で相違している。
これにより、ガイド機構37による同軸機能が高められ、可動プランジャ35をシャフト36に結合したときに、シャフト36の可動プランジャ35に対する傾きをより抑制することができる。このため、可動接触子25の両端にある第1可動接点25a及び第2可動接点25bの第1固定接点23d及び第2固定接点24dに対するワイプ量に、第1可動接点25a及び第2可動接点25b間で生じるばらつきをより抑制することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る電磁接触器を図7を参照して説明する。図7において、図2に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図7には、本発明の第4実施形態に係る電磁接触器の可動プランジャとシャフトとの結合状態が示されている。
本発明の第4実施形態に係る電磁接触器は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る電磁接触器1と同様であるが、ばね部材を備えている点で相違している。
例えば、第1実施形態において、ガイド機構37は、シャフト用貫通孔35cの雌ねじ部35eの両側に形成された可動プランジャ側第1ガイド部35f及び可動プランジャ側第2ガイド部35gと、シャフト36の雄ねじ部36dの両側に形成されたシャフト側第1ガイド部36c及びシャフト側第2ガイド部36eとにより構成されているが、3箇所以上の可動プランジャ側ガイド部とこれに対して中間ばめとなるシャフト側ガイド部で構成してもよい。
更に、第4実施形態において、ばね部材43は圧縮コイルばねで構成されているが、引張コイルばねで構成してもよい。
また、第3実施形態における同軸機能補助部材42は、第2実施形態におけるガイド機構37に付加するようにしてもよい。
また、第4実施形態におけるばね部材43は、第2実施形態におけるガイド機構37に付加するようにしてもよい。
2 接点機構
3 電磁石ユニット
23 第1固定接触子(固定接触子)
23d 第1固定接点(固定接点)
24 第2固定接触子(固定接触子)
24d 第2固定接点(固定接点)
25 可動接触子
35 可動プランジャ
35ba 上面(一面)
35c シャフト用貫通孔
35e 雌ねじ部
35f 可動プランジャ側第1ガイド部
35fa 可動プランジャ側延長ガイド部
35g 可動プランジャ側第2ガイド部
35h 可動プランジャ側延長部
35j 同軸機能補助部材嵌入用凹部
36 シャフト
36b フランジ部
36c シャフト側第1ガイド部
36d 雄ねじ部
36e シャフト側第2ガイド部
36f シャフト側延長ガイド部
37 ガイド機構
42 同軸機能補助部材
43 ばね部材
Claims (5)
- それぞれが固定接点を有する一対の固定接触子及び該一対の固定接触子の前記固定接点に両端にある可動接点が接離可能な可動接触子を有する接点機構と、
前記可動接触子にシャフトで連結された可動プランジャを有する、前記接点機構を駆動する電磁石ユニットとを備え、
前記可動プランジャに、前記シャフトが挿通可能なシャフト用貫通孔が形成されるとともに該シャフト用貫通孔に雌ねじ部が形成され、
前記シャフトに、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部が形成され、
前記可動プランジャ及び前記シャフトに、前記シャフトの軸心と前記シャフト用貫通孔の軸心とを同軸にするガイド機構が設けられていることを特徴とする電磁接触器。 - 前記ガイド機構は、前記シャフト用貫通孔の前記雌ねじ部の少なくとも両側に形成された複数の可動プランジャ側ガイド部と、前記シャフトの前記雄ねじ部の少なくとも両側に形成され、前記可動プランジャ側ガイド部に対して所定のはめあい公差となる複数のシャフト側ガイド部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
- 前記ガイド機構は、前記可動プランジャの一面から前記シャフト用貫通孔と同軸で前記一面から上方に突出する可動プランジャ側延長部を有し、前記シャフト用貫通孔の前記雌ねじ部の上方に形成された可動プランジャ側延長ガイド部と、前記シャフトの前記雄ねじ部から上方に延び、前記可動プランジャ側延長ガイド部に対して所定のはめあい公差となるシャフト側延長ガイド部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
- 前記可動プランジャに同軸機能補助部材嵌入用凹部が形成され、該同軸機能補助部材嵌入用凹部内であって前記シャフトの周囲に、前記ガイド機構による同軸機能を補助する同軸機能補助部材が配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁接触器。
- 前記可動プランジャの一面と前記シャフトに形成されたフランジ部との間であって前記シャフトの周囲に、ばね部材が配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁接触器。
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