JP6417808B2 - 電磁接触器 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された電磁接触器は、一対の固定接触子及びこれら一対の固定接触子に接離可能な可動接触子を有する接点機構と、この接点機構を駆動する電磁石ユニットとを備えている。
電磁石ユニットは、接点機構の可動接触子に連結軸で連結された可動プランジャと、所定の電圧を印加することで磁束を発生させて可動プランジャを駆動する励磁コイルと、励磁コイルを囲む磁気ヨークとを備えている。
磁気ヨークは、断面U字状の下部磁気ヨークと、この下部磁気ヨークの上部開口部に橋架した上部磁気ヨークとで構成される。
可動プランジャの周鍔部を囲むように、可動プランジャの可動方向に着磁した環状の永久磁石を固定し、上部磁気ヨークから離間する方向に可動プランジャに対してスプリング力を付与する復帰スプリングを配置し、永久磁石に固定した補助ヨークに周鍔部が当接することで、釈放状態における周鍔部及び上部磁気ヨークの間のギャップをg1に設定している。
ここで、可動プランジャのプランジャ本体が挿通する上部磁気ヨークのプランジャ貫通孔の内周面とプランジャ本体の外周面との間のギャップg2は、周鍔部及び上部磁気ヨークの間のギャップg1より大きな値に設定されている(g2>g1)。
このように上部磁気ヨークに大きな孔径のプランジャ貫通孔を形成すると、可動プランジャの周鍔部と上部磁気ヨークとの対向面積が小さくなってしまい、励磁コイルを励磁しても可動プランジャに対する吸引力を十分に発生することができない。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、小型化を図りながら可動プランジャの周鍔部及び上部磁気ヨークの対向面積を大きくすることで可動プランジャに対する吸引力を大きくすることができる電磁接触器を提供することにある。
本発明の第1実施形態に係る電磁接触器は、図1乃至図6に示されており、電磁接触器1は、接点機構2と、接点機構2を駆動する電磁石ユニット3と、接点機構2、後述する連結軸37及び可動プランジャ35を収容する密封された収容室4とを備えている。
接点機構2は、収容室4を構成する接点機構収容ケース5内に収容されており、この接点機構収容ケース5は、金属製の角筒体6と、この角筒体6の上端を閉塞する平板状のセラミック製の絶縁基板7とを備えている。角筒体6は、下端部に外方に突出するフランジ部6aを有し、そのフランジ部6aが収容室4を構成する後述の上部磁気ヨーク8の上面にシール接合されている。絶縁基板7には、一対の貫通孔7a、7bが所定間隔をあけて形成されている。絶縁基板7の上面における貫通孔7a、7bの周囲及び絶縁基板7の下面における角筒体6が接触する位置には、メタライズ処理が施されている。
第1固定接触子23の中間板部23bの内側面及び第2固定接触子24の中間板部24bの内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板28が装着されている。これにより、中間板部23b、24bを流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
電磁石ユニット3は、図1乃至図3に示すように、側面から見てU字形状の下部磁気ヨーク31を有し、この下部磁気ヨーク31の底板部の中央部に固定プランジャ32が配置されている。そして、固定プランジャ32の外側にスプール33が配置されている。
また、スプール33の中央円筒部33a内に配置された固定プランジャ32の上部には凹部32aが形成されており、この凹部32a内に有底筒状に形成されたキャップ9が配置されている。これにより、凹部32aの周縁から立ち上がっている固定プランジャ32の立ち上がり部32bがキャップ9の周面を囲っている。
このキャップ9の内部には、最下部に復帰スプリング36を配置した可動プランジャ35が上下方向に移動可能に収容されている。
可動プランジャ35の軸線上には、周鍔部41側の上端側に連結軸37を嵌入する嵌入孔43と、復帰スプリング36を配置するスプリング収納孔44が形成されている。
なお、本発明に係るプランジャ本体の最も径方向断面積の小さな部位が、スプリング収納孔44を設けたプランジャ本体40の下端部に対応している。
永久磁石11の上面には、永久磁石11と同一外形で可動プランジャ35の周鍔部41よりも小さい内径の貫通孔12aを有する補助ヨーク12が固定されている。
補助ヨーク12の上面には、弾性を有する板状の異物侵入防止部材13が固定されている。
そして、可動プランジャ35の嵌入孔43に嵌入する連結軸37が、補助ヨーク12の貫通孔12a及び異物侵入防止部材13の貫通孔13aを挿通している。
この釈放状態では、可動プランジャ35の周鍔部41が永久磁石11の磁力によって補助ヨーク12に吸引され、復帰スプリング36の付勢力と相まって可動プランジャ35が外部からの振動や衝撃等によって不用意に下方に移動することなく補助ヨーク12に当接された状態が確保される。
釈放状態で励磁コイル34を励磁したときに、可動プランジャ35から周鍔部41を通り、周鍔部41と上部磁気ヨーク8との間のギャップG1を通って上部磁気ヨーク8に達し、この上部磁気ヨーク8からU字状の下部磁気ヨーク31を通り、固定プランジャ32の凹部32aの周縁の立ち上がり部32bを通って可動プランジャ35のプランジャ本体40及び括れ部42に至る閉磁路が形成される。
したがって、この可動プランジャ35に連結軸37を介して連結されている可動接触子25の一対の可動接点を、第1固定接触子23及び第2固定接触子24の接点23d,24dに接触させ、第1固定接触子23から可動接触子25を通じて第2固定接触子24に向かう電流路が形成されて投入状態となる。
今、第1固定接触子23が例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、第2固定接触子24が負荷に接続されているものとする。
この状態で、電磁石ユニット3の励磁コイル34が非励磁状態にあって、電磁石ユニット3で可動プランジャ35を下降させる吸引力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ35が復帰スプリング36によって、上部磁気ヨーク8から離れる上方向に付勢される。
このため、可動プランジャ35に連結軸37を介して連結されている接点機構2の可動接触子25の接点が第1及び第2固定接触子23,24の第1及び第2接点23d,24dから上方に所定距離だけ離間している。このため、第1及び第2固定接触子23,24間の電流路が遮断状態にあり、接点機構2が開極状態となっている。
このとき、図6で示したように、可動プランジャ35の括れ部42の外周面と上部磁気ヨーク8のプランジャ貫通孔8aの内周面との間のギャップG2と比較して、可動プランジャ35の周鍔部41の下面と上部磁気ヨーク8の上面8bとの間のギャップG1が小さく設定されている。
このように、釈放状態では、可動プランジャ35の括れ部42が上部磁気ヨーク8のプランジャ貫通孔8aに対向しているので、可動プランジャ35の周鍔部41の下面と上部磁気ヨーク8の上面8bとの間の磁束密度が大きくなる。
このため、外部電力供給源の大電流が第1固定接触子23、可動接触子25及び第2固定接触子24を通じて負荷に供給される閉極状態となる。
第1実施形態の電磁接触器1は、可動プランジャ35の周鍔部41の上面が補助ヨーク12に当接する釈放状態において、可動プランジャ35の周鍔部41の下面と上部磁気ヨーク8の上面8bとの間のギャップG1に対し、可動プランジャ35の外周面及び上部磁気ヨーク8のプランジャ貫通孔8aの内周面の間のギャップG2を大きくするために、従来構造のような上部磁気ヨーク8のプランジャ貫通孔8aの孔径を大きくせず、上部磁気ヨーク8のプランジャ貫通孔に挿通する可動プランジャ35の部位に括れ部42を設けることでギャップG2を設けている。
また、釈放状態では、括れ部42の周鍔部41側の上端42aがプランジャ貫通孔8aの内周面に対して軸方向の上方に位置し、括れ部42の周鍔部41側の下端42bがプランジャ貫通孔8aの内周面に対して軸方向の下方に位置しているので、括れ部42の外周面から上部磁気ヨーク8のプランジャ貫通孔8aに向かう磁束がほとんど発生せず、周鍔部41の下面と上部磁気ヨーク8の上面8bとの間のギャップG1に発生する磁束密度をさらに高めることができる。
例えば、収容室4は、一対の固定接触子23、24及び可動接触子25を有する接点機構2、連結軸37及び可動プランジャ35を収容できる密閉構造のものであれば、上部磁気ヨーク8と、接点機構収容ケース5と、キャップ9とで構成する必要は必ずしもない。
また、第1実施形態の可動プランジャ35は1部品で形成するものとして説明したが、例えば、括れ部42及びプランジャ本体40を備えた部品と、周鍔部41を備えた部品とからなる2部品を一体化する構造であってもよい。
2 接点機構
3 電磁石ユニット
4 収容室
5 接点機構収容ケース
6 角筒体
6a フランジ部
7 絶縁基板
7a 貫通孔
7b 貫通孔
8 上部磁気ヨーク
8a 可動プランジャ貫通孔
8b 上部磁気ヨークの上面
9 キャップ
9a フランジ部
11 永久磁石
12 補助ヨーク
12a 貫通孔
13 異物侵入防止部材
13a 貫通孔
14 絶縁筒部
21 導体部
22 導体部
23 第1固定接触子
23a 上板部
23b 中間板部
23c 下板部
23d 第1接点
24 第2固定接触子
24a 上板部
24b 中間板部
24c 下板部
24d 第2接点
25 可動接触子
26 絶縁カバー
27 絶縁カバー
28 磁性体板
31 下部磁気ヨーク
32 固定プランジャ
32a 凹部
32b 立ち上がり部
33 スプール
33a 中央円筒部
33b 下フランジ部
33c 上フランジ部
34 励磁コイル
35 可動プランジャ
36 復帰スプリング
37 連結軸
37a フランジ部
38 固定部材
39 接触スプリング
40 プランジャ本体
41 周鍔部
42 括れ部
42a 括れ部の上端(周鍔部側の端部)
42b 括れ部の上端(プランジャ本体側の端部)
43 嵌入孔
44 スプリング収納孔
G1 可動プランジャの周鍔部と磁気ヨークのヨーク面との間のギャップ
G2 プランジャ貫通孔の内周面と括れ部の外周面との間のギャップ
T1 括れ部の肉厚
T2 プランジャ本体の下端部の肉厚
Claims (3)
- 一対の固定接触子及びこれら該一対の固定接触子に接離可能な可動接触子を有する接点機構と、この接点機構を駆動する電磁石ユニットとを備え、
前記電磁石ユニットは、前記可動接触子に連結された可動プランジャと、この可動プランジャを駆動するための磁束を発生させる励磁コイルと、この励磁コイルを囲む磁気ヨークとを備え、
前記可動プランジャは、円筒形状のプランジャ本体と、このプランジャ本体の一端に形成した周鍔部と、前記プランジャ本体の前記周鍔部に近接する一端側に当該プランジャ本体より縮径して形成され、前記磁気ヨークに形成したプランジャ貫通孔に対向する括れ部とを備えているとともに、
前記可動プランジャの釈放状態において、前記周鍔部が前記プランジャ貫通孔の周囲の前記磁気ヨークのヨーク面にギャップG1を設けて対向し、前記プランジャ貫通孔の内周面と前記括れ部の外周面との間に、前記ギャップG1より大きな寸法のギャップG2を設けて前記可動プランジャを配置したことを特徴とする電磁接触器。 - 前記括れ部の前記周鍔部側の端部は、前記プランジャ貫通孔の内周面に対して軸方向にずれた位置に存在し、当該括れ部の前記プランジャ本体側の端部も、前記プランジャ貫通孔の内周面に対して軸方向にずれた位置に存在していることを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
- 前記括れ部の径方向断面積は、前記プランジャ本体の最も径方向断面積が小さい部位と同一、或いは前記径方向断面積が小さい部位より大きな値に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁接触器。
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