JP6409431B2 - 電磁接触器 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された電磁接触器は、一対の固定接触子及びこれら一対の固定接触子に接離可能な可動接触子を有する接点機構と、この接点機構を駆動する電磁石ユニットとを備えている。
電磁石ユニットは、接点機構の可動接触子に連結軸で連結された可動プランジャと、所定の電圧を印加することで磁束を発生させて可動プランジャを駆動する励磁コイルと、励磁コイルを囲む磁気ヨークとを備えている。可動プランジャは、円筒形状のプランジャ本体と、このプランジャ本体の他端に形成した周鍔部とを備えている。
磁気ヨークは、断面U字状の下部磁気ヨークと、この下部磁気ヨークの上部開口部に橋架した上部磁気ヨークとで構成され、上部磁気ヨークにプランジャ貫通孔が形成されている。そして、下部磁気ヨークの底部に円筒形状の固定プランジャを固定し、下部磁気ヨークの底部にスプールを配置する際に、スプールの中央円筒部の下部に固定プランジャを挿入する。
また、可動プランジャの周鍔部に対向する上部磁気ヨークに、可動プランジャの可動方向に着磁した永久磁石を固定し、下部磁気ヨークの底面に、可動プランジャのプランジャ本体に対して上部磁気ヨークから離間する方向にスプリング力を付与する復帰スプリングを配置し、永久磁石に固定した補助ヨークに周鍔部を当接させることで、釈放状態の周鍔部及び上部磁気ヨークの間に所定のギャップを設けている。
ここで、周鍔部と上部磁気ヨークとの間のギャップに発生した磁束が、永久磁石の吸引力及び復帰スプリングのスプリング力に抗して周鍔部を上部磁気ヨークに当接させる(可動プランジャを駆動させる)吸引力として作用し、接点機構の一対の固定接触子及び可動接触子が接触するので電流路が形成されて投入状態となる。
このプランジャ本体の下側外周と固定プランジャとの間の僅かなギャップに発生する磁束が、可動プランジャの駆動方向に対して直交する方向の吸引力として作用する。
このように、可動プランジャの駆動方向に対して直交する方向の吸引力が作用すると、プランジャ本体が傾いてプランジャ本体を支持している摺動部位が摩耗するおそれがある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、励磁コイルの励磁による磁束の発生により可動プランジャの動作に影響を与えずに正常に電流路の開閉を行うことができる電磁接触器を提供する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る電磁接触器は、図1から図3に示されており、電磁接触器1は、接点機構2と、接点機構2を駆動する電磁石ユニット3と、接点機構2、後述する連結軸37及び可動プランジャ35を収容する密封された収容室4とを備えている。
第1固定接触子23の中間板部23bの内側面及び第2固定接触子24の中間板部24bの内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板28が装着されている。これにより、中間板部23b、24bを流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
電磁石ユニット3は、図1に示すように、側面から見てU字形状の下部磁気ヨーク31を有し、この下部磁気ヨーク31の底板部の中央部に、中実円筒形状の固定プランジャ32が固定されている。この固定プランジャ32の上面32aは、軸方向に直交する平坦面として形成されている。そして、固定プランジャ32の外側にスプール33が配置されている。
また、スプール33の中央円筒部33a内に配置された固定プランジャ32の上面32aは平坦面に形成されており、この上面32a上に有底筒状に形成された非磁性体で形成したキャップ9の底部が配置されている。
このキャップ9の内部には、最下部に復帰スプリング36を配置した可動プランジャ35が上下方向に移動可能に収容されている。
なお、本発明に係る可動プランジャの接極面がプランジャ本体40の下面40aに対応し、本発明に係る固定プランジャの接極面が固定プランジャ32の上面32aに対応している。
永久磁石11の上面には、永久磁石11と同一外形で可動プランジャ35の周鍔部41よりも小さい内径の貫通孔12aを有する補助ヨーク12が固定されている。
補助ヨーク12の上面には、弾性を有する板状の異物侵入防止部材13が固定されている。
そして、可動プランジャ35の嵌入孔43に嵌入する連結軸37が、補助ヨーク12の貫通孔12a及び異物侵入防止部材13の貫通孔13aを挿通している。
この釈放状態では、可動プランジャ35の周鍔部41が永久磁石11の磁力によって補助ヨーク12に吸引され、復帰スプリング36の付勢力と相まって可動プランジャ35が外部からの振動や衝撃等によって不用意に下方に移動することなく補助ヨーク12に当接された状態が確保される。
釈放状態で励磁コイル34を励磁したときに、図3に示すように、可動プランジャ35のプランジャ本体40から周鍔部41を通り、周鍔部41と上部磁気ヨーク8との間のギャップG1を通って上部磁気ヨーク8に達し、この上部磁気ヨーク8からU字状の下部磁気ヨーク31、固定プランジャ32を通り、固定プランジャ32の上面32aとプランジャ本体40の下面40aとの間のギャップG2を通って可動プランジャ35のプランジャ本体40に至る閉磁路が形成される。
そして、上部磁気ヨーク8と、上部磁気ヨーク8の上面8bに接合され、内部に接点機構2を収容する接点機構収容ケース5と、上部磁気ヨーク8の下面に接合され、内部に可動プランジャ35を収容するキャップ9とにより、接点機構2、連結軸37及び可動プランジャ35を収容する密封された収容室4を構成している。密封された収容室4内には、水素ガス、窒素ガス、水素及び窒素の混合ガス、空気、SF6等のガスが封入されている。
今、第1固定接触子23が例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、第2固定接触子24が負荷に接続されているものとする。
この状態で、電磁石ユニット3の励磁コイル34が非励磁状態にあって、電磁石ユニット3で可動プランジャ35を下降させる吸引力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ35が復帰スプリング36によって、上部磁気ヨーク8から離れる上方向に付勢される。
このため、可動プランジャ35に連結軸37を介して連結されている接点機構2の可動接触子25の接点が第1及び第2固定接触子23,24の第1及び第2接点23d,24dから上方に所定距離だけ離間している。このため、第1及び第2固定接触子23,24間の電流路が遮断状態にあり、接点機構2が開極状態となっている。
また、固定プランジャ32の上面32aとプランジャ本体40の下面40aとの間のギャップG2で磁束密度が高まり、プランジャ本体40を固定プランジャ32に引き寄せる吸引力が作用する。
このような吸引力が作用することで、可動プランジャ35を、復帰スプリング36の付勢力及び環状永久磁石11の吸引力に抗して下方に押し下げる。
このため、外部電力供給源の大電流が第1固定接触子23、可動接触子25及び第2固定接触子24を通じて負荷に供給される閉極状態となる。
第1実施形態の電磁接触器1は、励磁コイル24の励磁により、周鍔部41と上部磁気ヨーク8の上面8bとの間のギャップG1で磁束密度が高まり、周鍔部41を上部磁気ヨーク8に引き寄せる吸引力が作用するとともに、固定プランジャ32の上面32aとプランジャ本体40の下面40aとの間のギャップG2で磁束密度が高まり、プランジャ本体40を固定プランジャ32に引き寄せる吸引力が作用するので、可動プランジャ35を、大きな吸引力を発生して復帰スプリング36の付勢力及び環状永久磁石11の吸引力に抗して上部磁気ヨーク8の上面8b側に押し下げることができる。
また、この第1実施形態は、固定プランジャ32がスプール33の中央円筒部33aの内部に配置されていることから、従来構造と比較して固定プランジャ32の外径寸法が小さくなり、スプール33の励磁コイル34の巻線スペースを広くすることができる。
次に、本発明に係る電磁接触器1の第2実施形態の電磁石ユニット50について、図4から図6を参照して説明する。
第2実施形態の電磁石ユニット50は、図4に示すように、スプール33の下部磁気ヨーク31の底板部の中央部に、固定プランジャ51が固定されており、固定プランジャ51の外側にスプール33が配置されている。
固定プランジャ51は中実円筒形状であり、図5に示すように、その上部は軸方向外方に突出する円錐台形状として形成され、テーパ周面51aが形成されている。
この固定プランジャ51のテーパ周面51aに当接しているキャップ9の底部9bも、軸方向内方に凹んだ円錐台形状に形成され、固定プランジャ51の上部に面接触している。
プランジャ本体40の下部は、軸方向内方に凹んだ円錐台形状として形成され、テーパ周面40bが形成されている。
そして、固定プランジャ51のテーパ周面51aと、プランジャ本体40のテーパ周面40bは、キャップ9の底部9bを介して平行に対向している。
なお、本発明に係る可動プランジャの接極面がプランジャ本体40のテーパ周面40bに対応し、本発明に係る固定プランジャの接極面が固定プランジャ51のテーパ周面周51aに対応している。
これにより、固定プランジャ51のテーパ周面51aとプランジャ本体40のテーパ周面40bとの間のギャップG3で磁束密度が高まり、プランジャ本体40を固定プランジャ32に引き寄せる吸引力が、第1実施形態より大きな力で作用する。
また、この第2実施形態は、固定プランジャ51がスプール33の中央円筒部33aの内部に配置されていることから、従来構造と比較して固定プランジャ51の外径寸法が小さくなり、スプール33の励磁コイル34の巻線スペースを広くすることができる。
次に、本発明に係る電磁接触器1の第3実施形態の電磁石ユニット60について、図7及び図8を参照して説明する。
第3実施形態の電磁石ユニット60は、キャップ9の底部に円形の貫通孔9cが形成されている。
下部磁気ヨーク31の底板部の中央部に、中実円筒形状の固定プランジャ61が固定されており、この固定プランジャ61の外側にスプール33が配置されている。
固定プランジャ61の上部には縮径部62が突出して形成されており、この縮径部62の上面62aは、軸方向に直交する平坦面として形成されている。
そして、固定プランジャ61の縮径部62の上面62aに、プランジャ本体40のスプリング収納孔44に収納した復帰スプリング36の下端が当接している。
そして、キャップ9のフランジ部9aが、上部磁気ヨーク8の下面にシール接合され、キャップ9の底部に形成した貫通孔9cの内周が固定プランジャ61の縮径部62の周縁にシール接合されている。
ここで、この第3実施形態は、第1実施形態において固定プランジャ32の上面32aとプランジャ本体40の下面40aとの間に設定したギャップG2を、図7に示すように、固定プランジャ61の縮径部62の最下部位置とプランジャ本体40の下面40aとが軸方向に離れている距離に設定している。
なお、本発明に係る可動プランジャの接極面がプランジャ本体40の下面40aに対応し、本発明に係る固定プランジャの接極面が固定プランジャ61の上面62aに対応している。
また、この第3実施形態も、固定プランジャ61がスプール33の中央円筒部33aの内部に配置されていることから、従来構造と比較して固定プランジャ61の外径寸法が小さくなり、スプール33の励磁コイル34の巻線スペースを広くすることができる。
さらに、本発明に係る電磁接触器の第4実施形態の電磁石ユニット70について、図9及び図10を参照して説明する。
第4実施形態の電磁石ユニット70も、キャップ9の底部に円形の貫通孔9cが形成されている。
下部磁気ヨーク31の底板部の中央部に、中実円筒形状の固定プランジャ71が固定されており、この固定プランジャ71の外側にスプール33が配置されている。
固定プランジャ71の上部には縮径部72が突出して形成されており、この縮径部72は円錐台形状として形成され、テーパ周面72aが形成されている。
そして、固定プランジャ71の縮径部72の上面に、プランジャ本体40のスプリング収納孔44に収納した復帰スプリング36の下端が当接している。
そして、キャップ9のフランジ部9aが、上部磁気ヨーク8の下面にシール接合され、キャップ9の底部に形成した貫通孔9cの内周が固定プランジャ71の縮径部72の周縁にシール接合されている。
ここで、この第4実施形態は、第1実施形態において固定プランジャ32の上面32aとプランジャ本体40の下面40aとの間に設定したギャップG2を、図9に示すように、固定プランジャ71の縮径部72の最下部位置とプランジャ本体40のテーパ周面40bとが軸方向に離れている距離に設定している。
なお、本発明に係る可動プランジャの接極面がプランジャ本体40のテーパ周面40bに対応し、本発明に係る固定プランジャの接極面が固定プランジャ71のテーパ周面72aに対応している。
また、この第4実施形態も、固定プランジャ71がスプール33の中央円筒部33aの内部に配置されていることから、従来構造と比較して固定プランジャ61の外径寸法が小さくなり、スプール33の励磁コイル34の巻線スペースを広くすることができる。
2 接点機構
3 電磁石ユニット
4 収容室
5 接点機構収容ケース
6 角筒体
6a フランジ部
7 絶縁基板
7a 貫通孔
7b 貫通孔
8 上部磁気ヨーク
8a 可動プランジャ貫通孔
8b 上部磁気ヨークの上面
9 キャップ
9a フランジ部
9b キャップの底部
9c キャップの貫通孔
11 永久磁石
12 補助ヨーク
12a 貫通孔
13 異物侵入防止部材
13a 貫通孔
14 絶縁筒部
21 導体部
22 導体部
23 第1固定接触子
23a 上板部
23b 中間板部
23c 下板部
23d 第1接点
24 第2固定接触子
24a 上板部
24b 中間板部
24c 下板部
24d 第2接点
25 可動接触子
26 絶縁カバー
27 絶縁カバー
28 磁性体板
31 下部磁気ヨーク
32 固定プランジャ
32a 固定プランジャの上面
32b 立ち上がり部
33 スプール
33a 中央円筒部
33b 下フランジ部
33c 上フランジ部
34 励磁コイル
35 可動プランジャ
36 復帰スプリング
37 連結軸
37a フランジ部
38 固定部材
39 接触スプリング
40 プランジャ本体
40a プランジャ本体の下面
40b プランジャ本体のテーパ周面
41 周鍔部
43 嵌入孔
44 スプリング収納孔
50,60,70 電磁石ユニット
51,61,71 固定プランジャ
51a,72a 固定プランジャのテーパ周面
62,72 縮径部
62a 縮径部の上面
G1 可動プランジャの周鍔部と磁気ヨークのヨーク面との間のギャップ
G2,G3,G4,G5 固定プランジャとプランジャ本体との間のギャップ
Claims (4)
- 一対の固定接触子及びこれら一対の固定接触子に接離可能な可動接触子を有する接点機構と、この接点機構を駆動する電磁石ユニットと、を備え、
前記電磁石ユニットは、前記可動接触子に連結された可動プランジャと、励磁することで磁束を発生させて前記可動プランジャを駆動方向に駆動する励磁コイルと、この励磁コイルを囲む磁気ヨークと、この磁気ヨークに固定され、前記可動プランジャの駆動方向で対向している固定プランジャと、を備え、
前記可動プランジャ及び前記固定プランジャの接極面は、前記可動プランジャの駆動方向を向いて形成されており、
前記可動プランジャの少なくとも前記固定プランジャ側の端部を覆うように、有底筒体からなるキャップを配置して前記一対の固定接触子、前記可動接触子及び可動プランジャをガス封止領域に封止するとともに、少なくとも前記固定プランジャの前記接極面を前記ガス封止領域に配置し、且つ前記可動プランジャの前記接極面に対向させたことを特徴とする電磁接触器。 - 前記可動プランジャ及び前記固定プランジャの前記接極面は、前記可動プランジャの駆動方向に直交する面として形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
- 前記可動プランジャ及び前記固定プランジャの前記接極面は、前記可動プランジャの駆動方向に対して傾斜する面として形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
- 可動プランジャ及び前記固定プランジャは、前記励磁コイルが巻装されている中央円筒部の内部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の電磁接触器。
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