JP2021018882A - 接点機構及びこれを使用した電磁接触器 - Google Patents

接点機構及びこれを使用した電磁接触器 Download PDF

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Abstract

【課題】大電流遮断時であっても大電流のアークに対して大きなローレンツ力を作用してアーク遮断性能を高めることができる接点機構を提供する。【解決手段】開極開始時に第1接点部50及び第2接点部51で発生するアークの電流と、一対の幅方向永久磁石40,41及び長手方向永久磁石42、43により発生する可動接触子15の長手方向の外方に向って流れる磁束とによってアークにローレンツ力を発生させる。ここで、ケース18の内部に磁場を発生させる一対の幅方向永久磁石及び一対の長手方向永久磁石は、可動接触子の幅方向の一方側に寄った位置に、磁束密度の小さい弱磁場領域WMを発生させ、弱磁場領域の周囲に発生する磁束密度の大きい強磁場領域SM1,SM2に、第1接点部及び前記第2接点部を位置させている。【選択図】図2

Description

本発明は、電流路の開閉を行う接点機構及びこれを使用した電磁接触器に関する。
電流遮断時にアークが発生する電磁接触器などに適用する接点機構として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1の接点機構は、固定接点を有する一対の固定接触子と、固定接点に対向配置される一対の可動接点を長手方向の両端側に設けた可動接触子と、一対の固定接触子の固定接点と可動接触子の可動接点が接離する第1接点部及び第2接点部を収納した絶縁材で形成したケースと、を備えている。
ケースの外側には、可動接触子の幅方向から互いに対向している一対の幅方向永久磁石が配置されているとともに、可動接触子の長手方向から互いに対向している一対の長手方向永久磁石が配置され、ケースの内部に磁場を発生させている。一対の幅方向永久磁石は、互いの対向磁極面が同一極性(N極)に着磁されている。また、一対の長手方向永久磁石も、互いの対向磁極面を、幅方向永久磁石の対向磁極面とは異なる極性の同一極性(S極)に着磁されている。
この接点機構は、第1接点部及び第2接点部が接触している投入状態から釈放状態に切り替わる際に固定接点及び可動接点の間にアークが発生すると、可動接触子の長手方向の外方に向って流れる磁束がアークの発生位置を横切るので、アークにローレンツ力が作用して引き伸ばされることで、アークが消弧されるようになっている。
特開2016−24864号公報
ところで、特許文献1の装置は、一対の固定接触子に正極、負極の何れかの電流を接続しても同一遮断性能を持たせるために、一対の幅方向永久磁石は、同一形状(直方体形状)で同一保磁力の2個の永久磁石がケースの外側に対向配置され、一対の長手方向永久磁石も、同一形状(直方体形状)で同一保磁力の2個の永久磁石がケースの外側に対向配置されている。
しかし、特許文献1の装置の永久磁石配置では、ケースの内部中央部が、磁束密度が小さい弱磁場領域となり、この弱磁場領域に第1接点部及び第2接点部が位置する。このため、第1接点部及び第2接点部で発生したアークに作用するローレンツ力が小さくなり、大電流遮断時に発生する大電流アークを遮断する性能が低下するおそれがある。
そこで、保磁力が大きい大型の永久磁石を使用して大きなローレンツ力を発生させることが考えられるが、大型の永久磁石を使用すると装置全体が大型になるという課題がある。
本発明は、ケースの外側に対向配置されている一対の幅方向永久磁石及び一対の長手方向永久磁石によりケースの内部の弱磁場領域及び強磁場領域の発生場所を変更し、大電流遮断時であっても大電流のアークに対して大きなローレンツ力を作用してアーク遮断性能を高めることができる接点機構及びこれを使用した電磁接触器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る接点機構は、固定接点を有する一対の固定接触子と、固定接点に対向配置される一対の可動接点を長手方向の両端側に設けた可動接触子と、一対の固定接触子及び可動接触子を収納し、固定接点及び可動接点が接離する第1接点部及び第2接点部を配置している絶縁材で形成したケースと、ケースの外側に可動接触子の幅方向から互いに対向するように配置され、互いの対向磁極面を同一極性に着磁した一対の幅方向永久磁石と、ケースの外側に可動接触子の長手方向から互いに対向するように配置され、互いの対向磁極面を、一対の幅方向永久磁石とは異なる極性の同一極性に着磁した一対の長手方向永久磁石と、を備えている。そして、開極開始時に第1接点部及び第2接点部で発生するアークの電流と、一対の幅方向永久磁石及び長手方向永久磁石により発生する可動接触子の長手方向の外方に向って流れる磁束とによってアークにローレンツ力を発生させる接点機構である。ここで、ケースの内部に磁場を発生させる一対の幅方向永久磁石及び一対の長手方向永久磁石は、可動接触子の幅方向の一方側に寄った位置に、磁束密度の小さい弱磁場領域を発生させ、弱磁場領域の周囲に発生する磁束密度の大きい強磁場領域に、第1接点部及び前記第2接点部を位置させている。
また、本発明の一態様に係る電磁接触器は、上述した接点機構を備え、可動接触子が操作用電磁石の可動鉄心に連結され、固定接触子が外部接続端子に接続されている装置である。
本発明に係る接点機構及びこれを使用した電磁接触器によれば、ケースの内部に磁場を発生させる一対の幅方向永久磁石及び一対の長手方向永久磁石が、可動接触子の幅方向の一方側に寄った位置に、磁束密度の小さい弱磁場領域が発生し、第1接点部及び第2接点部が、弱磁場領域の周囲に発生する磁束密度の大きい強磁場領域に位置するようにしたことで、大電流遮断時であっても大電流のアークに対して大きなローレンツ力を作用してアーク遮断性能を高めることができる。
本発明の第1実施形態の電磁接触器を示す断面図である。 第1実施形態の電磁接触器の接点機構を平面視で示した断面図である。 第2実施形態の電磁接触器の接点機構を平面視で示した断面図である。 第3実施形態の電磁接触器の接点機構を平面視で示した断面図である。 第4実施形態の電磁接触器の接点機構を平面視で示した断面図である。 第5実施形態の電磁接触器の接点機構を平面視で示した断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1から第5実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1から第5実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
図1から図2に示す本発明に係る第1実施形態の電磁接触器1は、接点機構2と、この接点機構2を駆動する電磁石ユニット20とを備えている。
接点機構2は接点収納ケース4に収納されており、接点収納ケース4は、金属製の角筒体5と、この角筒体5の上端を閉塞する例えばセラミックや合成樹脂材などの絶縁材料により形成した絶縁基板6とを備えている。
角筒体5は、下部に形成したフランジ部7が電磁石ユニット20の上部磁気ヨーク21にシール接合されて固定されている。絶縁基板6には、貫通孔9,10が所定間隔をあけて形成されている。
接点機構2は、絶縁基板6に導体部11,12を介して固定されている一対の固定接触子13,14(以下、第1固定接触子13、第2固定接触子14と称する)と、これら第1及び第2固定接触子13,14に設けた第1及び第2固定接点13a,14aに第1及び第2可動接点15a,15bが対向している可動接触子15とを備えている。
可動接触子15は、電磁石ユニット20の可動プランジャ22に固定された連結軸23に支持されており、可動接触子15の中央部に連結軸23を挿通する貫通孔24が形成されている。
連結軸23の長手方向の中央部には外方に突出するフランジ部25が形成されており、可動接触子15の貫通孔24に連結軸23を上端から挿入することで、可動接触子15の中央下部をフランジ部25に当接し、連結軸23の上部から接触スプリング26を挿入する。そして、連結軸2の上端に固定したCリング27で接触スプリング26の上端を固定することで、接触スプリング26が可動接触子15に対して所定の付勢力を付与している。
また、接点収容ケース4の角筒体5の内周面には、有底角筒状に形成された絶縁筒部18が配設されている。この絶縁筒部18は、絶縁性の例えば合成樹脂を成形することによって形成され、金属製の角筒体5に対するアークの影響を遮断する絶縁機能を有する。
電磁石ユニット20は、側面から見て扁平なU字形状の磁気ヨーク28を有し、この磁気ヨーク28の底板部の中央部に固定プランジャ29が配置され、この固定プランジャ29の外側にスプール30が配置されている。
スプール30は、固定プランジャ29を挿通する中央円筒部31と、この中央円筒部31の下端部から半径方向外方に突出する下フランジ部32と、中央円筒部31の上端から半径方向外方に突出する上フランジ部33とで構成されている。そして、中央円筒部31、下フランジ部32及び上フランジ部33で構成される収納空間に励磁コイル34が巻装されている。
磁気ヨーク28の開放端となる上端に固定した上部磁気ヨーク21には、中央部にスプール30の中央円筒部31に対向する貫通孔21aが形成されている。
スプール30の中央円筒部31内に挿入された固定プランジャ29の上部は、有底筒状に形成されたキャップ35で覆われ、このキャップ35の開放端に半径方向外方に延長して形成されたフランジ部35aが上部磁気ヨーク21の下面にシール接合されている。これによって、キャップ35が上部磁気ヨーク21の貫通孔21aを介して連通される密封容器が形成される。
キャップ35の内部に、最下部に復帰スプリング36を配置した可動プランジャ22が上下に摺動可能に挿入される。この可動プランジャ22には、上部磁気ヨーク21から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部22aが形成されている。
また、上部磁気ヨーク21の上面に、環状に形成された駆動用永久磁石37が可動プランジャ22の周鍔部22aを囲むように固定されている。この駆動用永久磁石37は上下方向すなわち厚み方向に例えば上端側をN極とし、下端側をS極とするように着磁されている。
駆動用永久磁石37の上端面に、駆動用永久磁石37と同一外形で可動プランジャ22の周鍔部22aの外径より小さい内径の貫通孔38を有する補助ヨーク39が固定されており、この補助ヨーク39の下面に、可動プランジャ22の周鍔部22aが接触している。
そして、密閉された接点収納ケース4にアーク消弧用の様々なガスが封入されている。
接点機構2を構成する可動接触子15は、導電性のある材料とした図1の左右方向に長尺な導電板であり、長手方向の中央部に連結軸23が連結されており、長手方向の両端側の下面に、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが形成されている。
接点機構2を構成する第1固定接触子13及び第2固定接触子14は、図1に示すように、導電性のある材料からなる側面視C字形状の導電板であり、可動接触子15の長手方向の両端側に離間し、絶縁基板6に導体部11,12を介して固定されている。
第1固定接触子13は、可動接触子15の第1可動接点15a側に配置されており、可動接触子15の第1可動接点15aに下側から対向し、第1固定接点13aを上面に設けた第1導電板部13bと、可動接触子15から離れた第1導電板部13bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部13cと、第2導電板部13cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部13dと、を備えている。
また、第2固定接触子14は、可動接触子15の第2可動接点15b側に配置されており、可動接触子15の第2可動接点15bに下側から対向し、第2固定接点14aを上面に設けた第1導電板部14bと、可動接触子15から離れた第1導電板部14bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部14cと、第2導電板部14cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部14dと、を備えている。
第1固定接触子13には、アークの発生を規制する合成樹脂製の絶縁カバー16が装着され、第2固定接触子14にも、アークの発生を規制する合成樹脂製の絶縁カバー17が装着されている。これにより、第1固定接触子13の内周面では、第1固定接点13aのみが露出し、第2固定接触子14の内周面では、第2固定接点14aのみが露出している。
また、第1固定接触子13の第2導電板部13cの内側面及び第2固定接触子14の第2導電板部14cの内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板19a,19bが装着されている。これにより、第1導電板部13b、14bを流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
そして、可動接触子15は、釈放状態で、長手方向の両端側に位置する可動接点15a,15aと、固定接触子13,14の固定接点13a,14aが、所定間隔を保って離間した状態となる。
また、可動接触子15は、投入位置で、可動接点15a,15bが、固定接触子13,14の固定接点13a,14aに、接触スプリング26による所定の接触圧で接触するように設定されている。
図2は、接点機構2を平面視で示したものであり、角筒体5の外周に、第1〜第4永久磁石40〜43が配置されている。なお、図2では、固定接触子13,14、絶縁カバー16,17を省略している。また、図2では、第1固定接点13aに第1可動接点15aが接離する位置を第1接点部50と称し、第2固定接点14aに第2可動接点15bが接離する位置を第2接点部51と称する。
角筒体5の外側には、外周全域を覆うように金属製の矩形状の磁石支持体60が配置されており、この磁石支持体60は、電磁接触器1に設けた保持部材(不図示)で支持されている。
第1永久磁石40は、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第2永久磁石41は、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
これら第1及び第2永久磁石40,41は、同一形状の直方体形状で形成されており、第1及び第2永久磁石40,41の角筒体5に対向する磁極面は、N極となるように着磁されている。また、第1永久磁石40の磁極面と角筒体5の外壁との距離と、第2永久磁石41の磁極面と角筒体5の外壁との距離は同距離(L1)に設定されている。
そして、第2永久磁石41は、第1永久磁石40より大きな保磁力を有した磁石である。
また、第3永久磁石42は、可動接触子15の長手方向の一方の側面15eに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第4永久磁石43は、可動接触子15の長手方向の他方の側面15fに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
これら第3及び第4永久磁石42,43は、厚み方向の角筒体5に接する磁極面がS極となるように着磁されている。また、第3永久磁石42の磁極面と角筒体5の外壁との距離と、第4永久磁石43の磁極面と角筒体5の外壁との距離も同距離に設定されている。さらに、第3及び第4永久磁石42,43は同一の保磁力を有した磁石である。
これにより、絶縁筒部18の内部には、第1永久磁石40のN極から第3永久磁石42のS極に磁束φ1が流れ、第1永久磁石40のN極から第4永久磁石42のS極に磁束φ2が流れる。また、絶縁筒部18の内部には、第2永久磁石41のN極から第3永久磁石42のS極に磁束φ3が流れ、第2永久磁石41のN極から第4永久磁石43のS極に磁束φ4が流れる。そして、磁束φ1,φ2,φ3、φ4の流れの中央部に弱磁場領域WMが設けられる。
ここで、第2永久磁石41は第1永久磁石40より大きな保磁力を有しており、磁束φ1,φ2の磁束密度に対して磁束φ3,φ4の磁束密度が大きくなるので、弱磁場領域WMは、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に設けられる。
このように、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3が流れる強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4が流れる強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
ここで、本発明に記載されているケースが絶縁基板6及び絶縁筒部18に対応し、本発明に記載されている幅方向永久磁石が第1永久磁石40及び第2永久磁石41に対応し、本発明に記載されている長手方向永久磁石が第3永久磁石42及び第4永久磁石43に対応し、本発明に記載されている可動鉄心が可動プランジャ22に対応し、本発明に記載されている操作用電磁石が電磁石ユニット20に対応している。
次に、第1実施形態の電磁接触器1の動作を、図1及び図2を参照して説明する。
この第1実施形態の電磁接触器1は、第1固定接触子13に負極(−)端子を接続し、第2固定接触子14に正極(+)端子を接続している。
今、電磁石ユニット20の励磁コイル34が無励磁状態にあって、電磁石ユニット20で可動プランジャ22を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
この釈放状態では、可動プランジャ22が復帰スプリング36によって、上部磁気ヨーク21から離れる上方向に付勢される。これと同時に、駆動用永久磁石37の磁力による吸引力が補助ヨーク39に作用し、可動プランジャ22の周鍔部22aが吸引される。このため、可動プランジャ22の周鍔部22aの上面が補助ヨーク39の下面に接触している。
このため、可動プランジャ22に連結軸23を介して連結されている接点機構2の可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して上方に所定距離だけ離間している。このため、第1固定接触子13及び第2固定接触子14の間の電流路が遮断状態にあり、接点機構2が開極状態となっている。
この釈放状態から、電磁石ユニット20の励磁コイル34に通電すると、この電磁石ユニット20で励磁力が発生し、可動プランジャ22を復帰スプリング36の付勢力及び駆動用永久磁石37の吸引力に抗して下方に押し下げる。この可動プランジャ22の下降が、周鍔部22aの下面が上部磁気ヨーク21の上面に当たることで停止する。
このように、可動プランジャ22が下降することにより、可動プランジャ22に連結軸23を介して連結されている可動接触子15も下降し、接点機構2の可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して接触スプリング26の接触圧で接触する。
このため、電力供給源の大電流が、第2固定接触子14、可動接触子15、第1固定接触子13を通じて負荷装置に供給される閉極状態となる。
この接点機構2の閉極状態から、負荷装置への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット20の励磁コイル34への励磁を停止する。
励磁コイル34への励磁を停止すると、電磁石ユニット20で可動プランジャ22を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ22が復帰スプリング36の付勢力によって上昇し、周鍔部22aが補助ヨーク39に近づくに従って駆動用永久磁石37の吸引力が増加する。
この可動プランジャ22が上昇することにより、連結軸23を介して連結された可動接触子15が上昇する。これに応じて接触スプリング26で接触圧を与えているときは、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに接触している。その後、接触スプリング26の接触圧がなくなった時点で、可動接触子15が第1固定接触子13及び第2固定接触子14から上方に離間する開極開始状態となる。
この開極開始状態となると、図2に示すように、第1接点部50の第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、第2接点部51の第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続されることになる。このとき、第1アークの電流方向は、第1可動接点15aから第1固定接点13aに向う方向であり、第2アークの電流方向は、第2固定接点14aから第2可動接点15bに向う方向である。
ここで、前述したように、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った位置に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3の強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4の強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
このため、第1接点部50で発生した第1アークは、第1アークの電流の流れと、強磁場領域SM1の磁束φ3との関係からフレミング左手の法則により大きなローレンツ力F1が発生する。このローレンツ力F1によって、第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に発生した第1アークが、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dの外方に向けて引き延ばされていくので、短時間で第1アークが消弧されていく。
また、第2接点部51で発生した第2アークは、第2アークの電流の流れと、強磁場領域SM2の磁束φ4との関係からフレミング左手の法則により大きなローレンツ力F2が発生する。このローレンツ力F2によって、第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に発生した第2アークが、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dの外方に向けて引き延ばされていくので、短時間で第2アークが消弧されていく。
したがって、第1実施形態の電磁接触器1は、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置しているので、大電流遮断時には、第1接点部50及び第2接点部51で発生する大電流のアークに対して大きなローレンツ力F1、F2を作用し、アーク遮断性能を高めることができる。
また、第1及び第2永久磁石40,41は、同一形状の直方体形状で形成され、第2永久磁石41の保磁力を第1永久磁石40の保磁力より大きくし、可動接触子15に対して幅方向から対向配置したことで、絶縁筒部18の内部を、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMを設け、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置するようにした。このように、大型の永久磁石を使用せずに、第1接点部50及び第2接点部51を強磁場領域SM1,SM2に配置することができるので、装置の小型化とコストの低減化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図3は、本発明に係る第2実施形態の接点機構70を平面視で示したものである。なお、第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
第2実施形態の接点機構70は、磁石支持体60に第1〜第6永久磁石71〜76が固定されている。
第1及び第2永久磁石71,72は、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に並んで固定されている。第3及び第4永久磁石73,74も、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に並んで固定されている。
これら第1〜第4永久磁石71〜74は、全て同一形状の直方体形状で形成されており、角筒体5に対向する磁極面は、N極となるように着磁されている。第1〜第4永久磁石71〜74の磁極面と角筒体5の外壁との距離は同距離に設定されている。
ここで、第3及び第4永久磁石73,74は、第1及び第2永久磁石71,72より大きな保磁力を有した磁石である。
また、第5永久磁石75は、可動接触子15の長手方向の一方の側面15eに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第6永久磁石76は、可動接触子15の長手方向の他方の側面15fに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
第5及び第6永久磁石75,76は、厚み方向の角筒体5に接する磁極面がS極となるように着磁されているとともに、同一の保磁力を有した磁石である。
これにより、絶縁筒部18の内部には、第1永久磁石71のN極から第5永久磁石75のS極に磁束φ1が流れ、第2永久磁石72のN極から第6永久磁石76のS極に磁束φ2が流れる。また、絶縁筒部18の内部には、第3永久磁石73のN極から第5永久磁石75のS極に磁束φ3が流れ、第4永久磁石74のN極から第5永久磁石76のS極に磁束φ4が流れる。そして、磁束φ1,φ2,φ3、φ4の流れの中央部に弱磁場領域WMが設けられる。
ここで、第3及び第4永久磁石73,74は、第1及び第2永久磁石71,72より大きな保磁力を有しており、磁束φ1,φ2の磁束密度に対して磁束φ3,φ4の磁束密度が大きくなるので、弱磁場領域WMは、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に設けられる。
このように、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3が流れる強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4が流れる強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
ここで、本発明に記載されている幅方向永久磁石が第1〜第4永久磁石71〜74に対応し、本発明に記載されている長手方向永久磁石が第5永久磁石75及び第6永久磁石76に対応している。
第2実施形態の接点機構70は、開極開始状態となると、第1接点部50の第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、第2接点部51の第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続されることになる。
第2実施形態の接点機構70も、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った位置に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3の強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4の強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
このため、第1接点部50で発生した第1アークは、第1アークの電流の流れと、強磁場領域SM1の磁束φ3との関係からフレミング左手の法則により大きなローレンツ力F1が発生する。このローレンツ力F1によって、第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に発生した第1アークが、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dの外方に向けて引き延ばされていくので、短時間で第1アークが消弧されていく。
また、第2接点部51で発生した第2アークは、第2アークの電流の流れと、強磁場領域SM2の磁束φ4との関係からフレミング左手の法則により大きなローレンツ力F2が発生する。このローレンツ力F2によって、第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に発生した第2アークが、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dの外方に向けて引き延ばされていくので、短時間で第2アークが消弧されていく。
したがって、第2実施形態の接点機構70も、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置しているので、大電流遮断時には、第1接点部50及び第2接点部51で発生する大電流のアークに対して大きなローレンツ力F1、F2を作用し、アーク遮断性能を高めることができる。
また、第1及び第2永久磁石71,72は、同一形状の直方体形状で形成され、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに並んで配置され、第3及び第4永久磁石73,74も、同一形状の直方体形状で形成され、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに並んで配置されており、第3及び第4永久磁石73,74の保磁力を、第1及び第2永久磁石71,72の保磁力より大きくしたことで、絶縁筒部18の内部を、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMを設け、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置するようにした。したがって、第2実施形態も、大型の永久磁石を使用せずに、第1接点部50及び第2接点部51を強磁場領域SM1,SM2に配置することができるので、装置の小型化とコストの低減化を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、図4は、本発明に係る第3実施形態の接点機構80を平面視で示したものである。
第3実施形態の接点機構80は、磁石支持体60に第1〜第5永久磁石81〜85が固定されている。
第1永久磁石81は、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。第2及び第3永久磁石82,83は、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に並んで固定されている。
これら第1〜第3永久磁石81〜83は、全て同一形状の直方体形状で形成されており、角筒体5に対向する磁極面は、N極となるように着磁されている。また、第1〜第3永久磁石81〜83の磁極面と角筒体5の外壁との距離は同距離に設定されている。
そして、第1〜第3永久磁石81〜83は、同一の保磁力を有した磁石である。
また、第4永久磁石84は、可動接触子15の長手方向の一方の側面15eに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第5永久磁石85は、可動接触子15の長手方向の他方の側面15fに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
第4及び第5永久磁石84,85は、厚み方向の角筒体5に接する磁極面がS極となるように着磁されているとともに、同一の保磁力を有した磁石である。
これにより、絶縁筒部18の内部には、第1永久磁石81のN極から第4永久磁石84のS極に磁束φ1が流れ、第1永久磁石81のN極から第5永久磁石85のS極に磁束φ2が流れる。また、絶縁筒部18の内部には、第2永久磁石82のN極から第4永久磁石84のS極に磁束φ3が流れ、第3永久磁石83のN極から第5永久磁石85のS極に磁束φ4が流れる。そして、磁束φ1,φ2,φ3、φ4の流れの中央部に弱磁場領域WMが設けられる。
ここで、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dには、二個の第2及び第3永久磁石82,83が配置されているので、磁束φ1,φ2の磁束密度に対して磁束φ3,φ4の磁束密度が大きくなり、弱磁場領域WMは、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に設けられる。
このように、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3が流れる強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4が流れる強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
ここで、本発明に記載されている幅方向永久磁石が第1〜第3永久磁石81〜83に対応し、本発明に記載されている長手方向永久磁石が第4永久磁石84及び第5永久磁石85に対応している。
第3実施形態の接点機構80は、開極開始状態となると、第1接点部50の第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、第2接点部51の第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続されることになる。
このように、第3実施形態の接点機構80も、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った位置に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3の強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4の強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
このため、第3実施形態の接点機構80は、第1及び第2実施形態と同様に、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置しているので、大電流遮断時には、第1接点部50及び第2接点部51で発生する大電流のアークに対して大きなローレンツ力F1、F2を作用し、アーク遮断性能を高めることができる。
また、第1〜第3永久磁石81〜83は、同一形状(直方体形状)に形成され、且つ同一の保磁力で形成されており、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに対向する側に一つの永久磁石(第1永久磁石81)を配置し、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに対向する側に二つの永久磁石(第2及び第3永久磁石82、83)を配置することで、絶縁筒部18の内部を、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMを設け、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置するようにした。したがって、第3実施形態も、大型の永久磁石を使用せずに、第1接点部50及び第2接点部51を強磁場領域SM1,SM2に配置することができるので、装置の小型化とコストの低減化を図ることができる。
[第4実施形態]
次に、図5は、本発明に係る第4実施形態の接点機構90を平面視で示したものである。
第4実施形態の接点機構90は、磁石支持体60に第1〜第4永久磁石91〜94が固定されている。
第1永久磁石91は、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。第2永久磁石92は、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように固定されている。
第1及び第2永久磁石91,92は、同一の保磁力を有した磁石である。また、第1及び第2永久磁石91,92は直方体形状で形成されているが、第2永久磁石92の厚さが第1永久磁石91より大きい。
そして、第1及び第2永久磁石91,92は、角筒体5に対向する磁極面がN極となるように着磁されているとともに、第1永久磁石91の磁極面及び角筒体5の外壁の距離L2に対して、第2永久磁石92の1の磁極面及び角筒体5の外壁の距離L3が小さく設定されている(L2>L3)。
また、第3永久磁石93は、可動接触子15の長手方向の一方の側面15eに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第4永久磁石94は、可動接触子15の長手方向の他方の側面15fに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
第3及び第4永久磁石93,94は、厚み方向の角筒体5に接する磁極面がS極となるように着磁されているとともに、同一の保磁力を有した磁石である。
これにより、絶縁筒部18の内部には、第1永久磁石91のN極から第3永久磁石93のS極に磁束φ1が流れ、第1永久磁石91のN極から第4永久磁石94のS極に磁束φ2が流れる。また、絶縁筒部18の内部には、第2永久磁石92のN極から第3永久磁石93のS極に磁束φ3が流れ、第2永久磁石92のN極から第4永久磁石94のS極に磁束φ4が流れる。そして、磁束φ1,φ2,φ3、φ4の流れの中央部に弱磁場領域WMが設けられる。
ここで、可動接触子15の幅方向に配置されている第1及び第2永久磁石91,92は、同一の保磁力を有しているが、第2永久磁石92の方が第1永久磁石91より可動接触子15の幅方向に近接して配置されているので、磁束φ1,φ2の磁束密度に対して磁束φ3,φ4の磁束密度が大きくなり、弱磁場領域WMは、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に設けられる。
このように、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3が流れる強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4が流れる強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
ここで、本発明に記載されている幅方向永久磁石が第1及び第2永久磁石91、92に対応し、本発明に記載されている長手方向永久磁石が第3及び第4永久磁石93,94に対応している。
第4実施形態の接点機構90は、開極開始状態となると、第1接点部50の第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、第2接点部51の第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続されることになる。
第4実施形態の接点機構90も、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った位置に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3の強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4の強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
このため、第4実施形態の接点機構90は、他の実施形態と同様に、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置しているので、大電流遮断時には、第1接点部50及び第2接点部51で発生する大電流のアークに対して大きなローレンツ力F1、F2を作用し、アーク遮断性能を高めることができる。
また、第1及び第2永久磁石91、92は、同一の保磁力で形成されているが、第1永久磁石91の磁極面及び角筒体5の外壁の距離L2に対して、第2永久磁石92の1の磁極面及び角筒体5の外壁の距離L3を小さく設定することで、絶縁筒部18の内部を、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMを設け、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置するようにした。
したがって、第4実施形態も、大型の永久磁石を使用せずに、第1接点部50及び第2接点部51を強磁場領域SM1,SM2に配置することができるので、装置の小型化とコストの低減化を図ることができる。
[第5実施形態]
次に、図6は、本発明に係る第5実施形態の接点機構100を平面視で示したものである。
第5実施形態の接点機構100は、磁石支持体60に第1〜第4永久磁石101〜104が固定されている。
第1及び第2永久磁石101,102は、同一形状(直方体形状)で同一の保磁力を有した磁石である。
第1永久磁石101は、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、角筒体5に対向する磁極面がN極となるように着磁されている。
第2永久磁石102は、磁石支持体60に、平板形状のベース部材105を介して固定され、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向し、角筒体5に対向する磁極面がN極となるように着磁されている。
第2永久磁石102がベース部材105を介して磁石支持体60に固定されているので、第1永久磁石91の磁極面及び角筒体5の外壁の距離L2に対して、第2永久磁石92の1の磁極面及び角筒体5の外壁の距離L3が小さく設定されている(L2>L3)。
また、第3永久磁石103は、可動接触子15の長手方向の一方の側面15eに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第4永久磁石104は、可動接触子15の長手方向の他方の側面15fに角筒体5及び絶縁筒部18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
第3及び第4永久磁石103,104は、厚み方向の角筒体5に接する磁極面がS極となるように着磁されているとともに、同一の保磁力を有した磁石である。
これにより、絶縁筒部18の内部には、第1永久磁石101のN極から第3永久磁石103のS極に磁束φ1が流れ、第1永久磁石101のN極から第4永久磁石104のS極に磁束φ2が流れる。また、絶縁筒部18の内部には、第2永久磁石102のN極から第3永久磁石103のS極に磁束φ3が流れ、第2永久磁石102のN極から第4永久磁石104のS極に磁束φ4が流れる。そして、磁束φ1,φ2,φ3、φ4の流れの中央部に弱磁場領域WMが設けられる。
ここで、可動接触子15の幅方向に配置されている第1及び第2永久磁石101,102は、同一形状で同一の保磁力を有しているが、第2永久磁石102がベース部材105を介して磁石支持体60に固定されており、第2永久磁石102が第1永久磁石101より可動接触子15の幅方向に近接して配置されているので、磁束φ1,φ2の磁束密度に対して磁束φ3,φ4の磁束密度が大きくなり、弱磁場領域WMは、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に設けられる。
このように、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3が流れる強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4が流れる強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
ここで、本発明に記載されている幅方向永久磁石が第1及び第2永久磁石101、102に対応し、本発明に記載されている長手方向永久磁石が第3及び第4永久磁石103,104に対応している。
第5実施形態の接点機構100は、開極開始状態となると、第1接点部50の第1可動接点15aと第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、第2接点部51の第2可動接点15bと第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続されることになる。
第5実施形態の接点機構100も、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った位置に弱磁場領域WMが設けられることで、磁束密度が大きい磁束φ3の強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、磁束密度が大きい磁束φ4の強磁場領域SM2に第2接点部51が位置する。
このため、第5実施形態の接点機構100は、他の実施形態と同様に、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置しているので、大電流遮断時には、第1接点部50及び第2接点部51で発生する大電流のアークに対して大きなローレンツ力F1、F2を作用し、アーク遮断性能を高めることができる。
また、第1及び第2永久磁石101、102は、同一形状で同一の保磁力で形成されているが、第2永久磁石102がベース部材105を介して磁石支持体60に固定されており、第2永久磁石102が第1永久磁石101より可動接触子15の幅方向に近接して配置されているので、絶縁筒部18の内部を、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに寄った側に弱磁場領域WMを設け、強磁場領域SM1に第1接点部50が位置し、強磁場領域SM2に第2接点部51が位置するようにした。
したがって、第5実施形態も、大型の永久磁石を使用せずに、第1接点部50及び第2接点部51を強磁場領域SM1,SM2に配置することができるので、装置の小型化とコストの低減化を図ることができる。
1 電磁接触器
2 接点機構
4 接点収納ケース
5 角筒体
6 絶縁基板
7 フランジ部
9,10 貫通孔
11,12 導体部
13 第1固定接触子
13a 第1固定接点
13b 第1導電板部
13c 第2導電板部
13d 第3導電板部
14 第2固定接触子
14a 第2固定接点
14b 第1導電板部
14c 第2導電板部
14d 第3導電板部
15 可動接触子
15a 第1可動接点
15b 第2可動接点
15c 可動接触子の幅方向の一方の側面
15d 可動接触子の幅方向の他方の側面
15e 可動接触子の長手方向の一方の側面
15f 可動接触子の長手方向の他方の側面
16,17 絶縁カバー
18 絶縁筒部
19a,19b 磁性体板
20 電磁石ユニット
21 上部磁気ヨーク
21a 貫通孔
22 可動プランジャ
23 連結軸
24 貫通孔
25 フランジ部
26 接触スプリング
27 Cリング
28 磁気ヨーク
29 固定プランジャ
30 スプール
31 中央円筒部
32 下フランジ部
33 上フランジ部
34 励磁コイル
35 キャップ
36 復帰スプリング
37 駆動用永久磁石
38 貫通孔
39 補助ヨーク
40〜43 第1〜第4永久磁石
50 第1接点部
51 第2接点部
60 磁石支持体
70 接点機構
71〜76 第1〜第6永久磁石
80 接点機構
81〜85 第1〜第6永久磁石
90 接点機構
91〜94 第1〜第4永久磁石
100 接点機構
101〜104第1〜第4永久磁石
105 ベース部材
F1,F2…ローレンツ力
WM 弱磁場領域
SM1,SM2 強磁場領域

Claims (7)

  1. 固定接点を有する一対の固定接触子と、
    前記固定接点に対向配置される一対の可動接点を長手方向の両端側に設けた可動接触子と、
    前記一対の固定接触子の前記固定接点と前記可動接触子の前記可動接点が接離する第1接点部及び第2接点部を収納したケースと、
    前記ケースの外側に前記可動接触子の幅方向から互いに対向するように配置され、互いの対向磁極面を同一極性に着磁した一対の幅方向永久磁石と、
    前記ケースの外側に前記可動接触子の長手方向から互いに対向するように配置され、互いの対向磁極面を、前記一対の幅方向永久磁石とは異なる極性の同一極性に着磁した一対の長手方向永久磁石と、を備え、
    開極開始時に前記第1接点部及び前記第2接点部で発生するアークの電流と、前記一対の幅方向永久磁石及び長手方向永久磁石により発生する前記可動接触子の長手方向の外方に向って流れる磁束とによって前記アークにローレンツ力を発生させる接点機構において、
    前記ケースの内部に磁場を発生させる前記一対の幅方向永久磁石及び前記一対の長手方向永久磁石は、前記可動接触子の幅方向の一方側に寄った位置に、磁束密度の小さい弱磁場領域を発生させ、前記弱磁場領域の周囲に発生する磁束密度の大きい強磁場領域に、前記第1接点部及び前記第2接点部を位置させていることを特徴とする接点機構。
  2. 前記一対の幅方向永久磁石は、
    前記可動接触子の幅方向の一方側に対向して配置された1個の第1永久磁石と、
    前記可動接触子の幅方向の他方側に対向して配置された1個の第2永久磁石と、を備え、
    前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、同一形状であり、且つ、前記第2永久磁石の保磁力が前記第1永久磁石の保磁力より大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の接点機構。
  3. 前記一対の幅方向永久磁石は、
    前記可動接触子の幅方向の一方側に対向して配置された第1永久磁石と、
    前記可動接触子の幅方向の他方側に対向して配置された第2永久磁石と、を備え、
    前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、同一形状のものが前記一方側及び前記他方側に同数ずつ並べて配置されているとともに、
    前記第2永久磁石の保磁力が前記第1永久磁石の保磁力より大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の接点機構。
  4. 前記一対の幅方向永久磁石は、
    前記可動接触子の幅方向の一方側に対向して配置された第1永久磁石と、
    前記可動接触子の幅方向の他方側に対向して配置された第2永久磁石と、を備え、
    前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、同一形状であり、且つ、同一保磁力を有するものであり、
    前記第2永久磁石は、前記第1永久磁石より個数が多く、前記他方側に並べて配置されていることを特徴とする請求項1記載の接点機構。
  5. 前記一対の幅方向永久磁石は、
    前記可動接触子の幅方向の一方側に対向して配置された第1永久磁石と、
    前記可動接触子の幅方向の他方側に対向して配置された第2永久磁石と、を備え、
    前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、同一保磁力を有するものであり、
    前記第2永久磁石は、前記第1永久磁石と比較して前記可動接触子に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の接点機構。
  6. 前記一対の長手方向永久磁石は、互いに同一の保磁力を有していることを特徴とする請求項2から請求項5の何れか1項記載の接点機構。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項記載の接点機構を備え、
    前記可動接触子が操作用電磁石の可動鉄心に連結され、前記固定接触子が外部接続端子に接続されていることを特徴とする電磁接触器。
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