JP2021118111A - 電磁接触器 - Google Patents

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弘純 小西
Hirozumi Konishi
弘純 小西
貴志 堤
Takashi Tsutsumi
貴志 堤
日出央 足立
Hideo Adachi
日出央 足立
祥太郎 中山
Shotaro Nakayama
祥太郎 中山
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Abstract

【課題】可動接触子の回転を規制することで電流路の開閉の信頼性を向上させると同時に、大電流のアークが発生しても消弧性能の向上を図ることができる電磁接触器を提供する。【解決手段】固定接点13a,14aを有する一対の固定接触子13,14及び固定接点に接離可能に移動する一対の可動接点15a,15bを有する可動接触子15を備えた接点機構2と、可動接触子に駆動軸24を介して連結されて接点機構を駆動する電磁石ユニット20と、接点機構及び駆動軸を収容した絶縁ホルダー18を有する収納ケース4と、を備えた電磁接触器1である。絶縁ホルダーには、可動接触子の移動方向に延在し、駆動軸を挟み込む位置に可動接触子の回転を規制する回転規制部49a〜49dが配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、電流路の開閉を行う電磁接触器に関する。
電流路の開閉を行う電磁接触器として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1の電磁接触器は、固定接点を有する一対の固定接触子及び固定接点に接離可能に移動する一対の可動接点を有する可動接触子を備えた接点機構と、可動接触子に駆動軸を介して連結された可動プランジャを有して接点機構を駆動する電磁石ユニットと、接点機構、駆動軸及び可動プランジャを収容する密封された収納ケースと、を備えている。
収納ケースの内部には、接点機構、駆動軸及び可動プランジャへのアーク短絡を防止する絶縁ホルダーが配置されている。絶縁ホルダーは、直方体で有底筒状の部材であり、底部に駆動軸が挿通する挿通孔が形成されている。
絶縁ホルダーの内部には、可動接触子の長手方向の中央寄りの短手方向の両側であって可動接触子の移動方向に沿って延びる4本の金属製の摺動ガイドが配置され、絶縁ホルダーの底から立ち上がり、4本の摺動ガイドが過度に変形するのを防止するガイド壁が形成されている。
上記構成の電磁接触器は、一対の固定接触子との接離で可動接触子が接離方向に移動する際に、絶縁ホルダーの内部に配置した4本の摺動ガイドが可動接触子の短手方向に接することで、可動接触子が駆動軸回りに回転しようとするのを規制する。
そして、一対の固定接点及び一対の可動接点の間に発生したアークは、絶縁ホルダーの短手方向に設けたアーク消弧空間に向けて引き伸ばされて消弧するようにしている。
特開2016−116257号公報
ところで、上述した電磁接触器は、一対の固定接点及び可動接点の間で発生するアークが3KA以上の大電流であると、絶縁ホルダーの短手方向に向う方向から長手方向の内側に寄った方向に変化して引き伸ばされていく。このアークが引き延ばされる方向には、摺動ガイドを支持するガイド壁が設けられており、このガイド壁にアークが干渉することで、アークを十分に引き伸ばすことができず、消弧性能の面で課題がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、可動接触子の回転を規制することで電流路の開閉の信頼性を向上させると同時に、大電流のアークが発生しても消弧性能の向上を図ることができる電磁接触器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電磁接触器は、固定接点を有する一対の固定接触子及び固定接点に接離可能に移動する一対の可動接点を有する可動接触子を備えた接点機構と、可動接触子に駆動軸を介して連結されて接点機構を駆動する電磁石ユニットと、接点機構及び駆動軸を収容した絶縁ホルダーを有する収納ケースと、を備えた電磁接触器である。そして、絶縁ホルダーに、可動接触子の移動方向に延在し、駆動軸を挟み込む位置に可動接触子の回転を規制する回転規制部が配置されている。
本発明に係る電磁接触器によれば、可動接触子の回転を規制することで電流路の開閉の信頼性を向上させると同時に、大電流のアークが発生しても消弧性能の向上を図ることができる。
本発明に係る1実施形態の電磁接触器を示す断面図である。 本発明に係る1実施形態の電磁接触器の接点機構を平面視で示した断面図である。 本発明に係る1実施形態の電磁接触器を構成する絶縁ホルダーと、絶縁ホルダーに装着した摺動ガイドを示す斜視図である。 本発明に係る1実施形態の摺動ガイドを備えたガイド部材を示す斜視図である。 本発明に係る1実施形態の電磁接触器の動作を示す接点機構を平面視で示した断面図である。 本発明に係る1実施形態の電磁接触器の動作を示す要部断面図である。
次に、図面を参照して、本発明に係る第1実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明に係る第1実施形態の電磁接触器1は、図1及び図2に示すように、接点機構2と、接点機構2を駆動する電磁石ユニット20と、接点機構2の周囲に配置した第1〜第4アーク消弧用永久磁石40〜43と、を備えている。
電磁石ユニット20は、図1に示すように、側面から見て略U字形状の磁気ヨーク28を有し、この磁気ヨーク28の底板部の中央部に固定プランジャ29が配置され、この固定プランジャ29の外側にスプール30が配置されている。このスプール30に励磁コイル34が巻装されている。
磁気ヨーク28の開放端となる上端に固定した上部磁気ヨーク21には、中央部にスプール30の中央円筒部31に対向する貫通孔21aが形成されている。スプール30の中央円筒部31内に挿入された固定プランジャ29の上部は、有底筒状に形成されたキャップ35で覆われ、このキャップ35の開放端に半径方向外方に延長して形成されたフランジ部35aが上部磁気ヨーク21の下面にシール接合されている。これによって、キャップ35が上部磁気ヨーク21の貫通孔21aを介して連通される密封空間が形成される。また、キャップ35の内部には、可動プランジャ22が上下に摺動可能に挿入され、可動プランジャ22の下端に復帰スプリング36が配置されており、この可動プランジャ22の上部磁気ヨーク21から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部22aが形成されている。
上部磁気ヨーク21の上面には、環状に形成された駆動用永久磁石37が可動プランジャの周鍔部22aを囲むように固定されている。この駆動用永久磁石37は上下方向すなわち厚み方向に例えば上端側をN極とし、下端側をS極とするように着磁されている。駆動用永久磁石37の上端面には補助ヨーク39が固定されており、この補助ヨーク39の下面に、可動プランジャ22の周鍔部22aが接触している。
接点機構2は、収納ケース4に収納されている。収納ケース4は、金属製の角筒体5と、この角筒体5の上端を密閉する例えばセラミックや合成樹脂材などの絶縁材料により形成した絶縁基板6とを備えている。密閉された収納ケース4には、アーク消弧ガスが封入されている。
角筒体5は、下部に形成したフランジ部7が、電磁石ユニット20の上部磁気ヨーク21にシール接合されて固定されている。絶縁基板6には、貫通孔9,10が所定間隔をあけて形成されている。
接点機構2は、絶縁基板6に導体部11,12を介して固定されている一対の固定接触子13,14(以下、第1固定接触子13、第2固定接触子14と称する)と、これら第1及び第2固定接触子13,14に接離可能に配置された可動接触子15と、を備えている。
可動接触子15は、導電性のある材料とした直線状に長尺な導電板であり、長手方向の中央部に貫通孔23が形成されており、長手方向の両端側の下面に、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが形成されている。そして、図2に示すように、可動接触子15の長手方向の中央部に、短手方向の一方側から矩形状端面を有して外方に突出する第1膨出部15cが形成されているとともに、短手方向の他方側から矩形状端面を有して外方に突出する第2膨出部15dが形成されている。
可動接触子15の貫通孔23には、図1に示すように、電磁石ユニット20の可動プランジャ22に固定された駆動軸24が挿通されている。駆動軸24の上端にはスプリング受け27aとCリング27bとが固定されており、スプリング受け27aと可動接触子15の中央上部との間の駆動軸24の外周に接触スプリング26が配置され、可動接触子15に対して下向きの所定の付勢力を付与している。また、キャップ35の内部で可動プランジャ22の下端配置したに復帰スプリング36が、可動プランジャ22に対して上向きの所定の付勢力を付与している。
第1固定接触子13は、第1固定接点13aを上面に設けた第1導電板部13bと、第1導電板部13bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部13cと、第2導電板部13cの上端から折り曲げられて第1導電板部13bに対して平行に延在している第1導電板部13bと同一板形状の第3導電板部13dと、を備えた側面から見てC字形状の部材である。
第2固定接触子14も、第2固定接点14aを上面に設けた第1導電板部14bと、可動接触子15から離れた第1導電板部14bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部14cと、第2導電板部14cの上端から折り曲げられて第1導電板部14bに対して平行に延在している第1導電板部14bと同一板形状の第3導電板部14dと、を備えた側面から見てC字形状の部材である。
第1固定接触子13には、アークの発生を規制するアークバリア16が装着されている。第2固定接触子14にも、アークの発生を規制するアークバリア17が装着されている。これにより、第1固定接触子13の内周面は、第1固定接点13a及び第1導電板部13bが露出し、第2固定接触子14の内周面は、第2固定接点14a及び第1導電板部14bが露出している。また、第1固定接触子13の第2導電板部13cの内側面及び第2固定接触子14の第2導電板部14cの内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板19a,19bが装着されている。これにより、第2導電板部13c、14cを流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
収納ケース4の角筒体5の内周面には、直方体で有底矩形筒状に形成された絶縁ホルダー18が配設されている。絶縁ホルダー18は、絶縁性の例えば合成樹脂を成形することによって形成され、図3に示すように、収納ケース4の角筒体6の内側に沿って延在する筒状絶縁壁18aと、筒状絶縁壁18aの下部に形成されて上部磁気ヨーク21、駆動用永久磁石36及び補助ヨーク39の上面を覆う絶縁底18bと、を備えている。絶縁底部18bには、駆動軸23が遊挿される挿通孔18c(図1参照)が形成されている。
図2及び図3に示すように、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの内壁から一対のガイド壁45,46が立ち上がっている。これら一対のガイド壁45,46は、絶縁ホルダー18のホルダー開口部から見てコ字形状をなし、互いのコ字形状の開口部が対向して形成されている。
一方のガイド壁45は、長手方向に延在する長辺壁45aと、長辺壁45aの両端部で互いに短手方向に平行に延在する一対の短辺壁45b,45cとを備えている。また、他方のガイド壁46も、長手方向に延在する長辺壁46aと、長辺壁46aの両端部で互いに短手方向に平行に延在する一対の短辺壁46b,46cとを備えている。
絶縁底18bの内壁の一方のガイド壁45で囲まれた領域には、一対の短辺壁45b,45cに近接する位置に、絶縁底18bを貫通する一対の貫通孔47が形成されている。また、図2に示すように、絶縁底18bの内壁の他方のガイド壁46で囲まれ領域には、一対の短辺壁46b,46cに近接する位置に、絶縁底18bを貫通する一対の貫通孔48が形成されている。
図2に示すように、第1及び第2固定接触子13、14は、絶縁ホルダー18の短手方向の中央において長手方向に離間して配置され、可動接触子15は、絶縁ホルダー18の短手方向の中央において長手方向に延在して配置される。
この際、可動接触子15は、図2及び図3に示すように、第1膨出部15cが一方のガイド壁45の内側に配置され、第2膨出部15dが他方のガイド壁46の内側に配置された状態で、絶縁ホルダー18の内部に配置される。そして、一方のガイド壁45の一対の短辺壁45b,45cの内側に沿って2本の摺動ガイド49a,49bが配置され、他方のガイド壁46の一対の短辺壁46b,46cの内側に沿って2本の摺動ガイド49c,49dが配置される。
これにより、絶縁ホルダー18の内部には一方のガイド壁45の短辺壁45b,45cより長手方向の外側にアーク消弧空間S1,S2が形成され、他方のガイド壁46の短辺壁46b,46cより長手方向の外側にアーク消弧空間S3,S4が形成される。
図4は、4個の摺動ガイド49a〜49dを備えたガイト部材50であり、金属板の打ち抜き、折り曲げ加工により、長方形状の基板部51の4隅から4本の摺動ガイド49a〜49dが立ち上がっている部材である。
このガイド部材50は、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの裏面から4本の摺動ガイド49a〜49dを一対の貫通孔47及び一対の貫通孔48に差し込むことで、2本の摺動ガイド49が一方のガイド壁45の一対の短辺壁45b,45cの内側に沿って配置され、2本の摺動ガイド49が他方のガイド壁46の一対の短辺壁46b,46cの内側に沿って配置される。各摺動ガイド49a〜49dの上端部は、一対の短辺壁45b,45c及び一対の短辺壁46b,46cに折曲げられて当接する湾曲当接部49a1〜49d1を形成している。
ガイド部材50の4本の摺動ガイド49a〜49dを、絶縁ホルダー18の一対の貫通孔47及び一対の貫通孔48に差し込むと、基板部51が絶縁ホルダー18の絶縁底18bの外面当接することでガイド部材50が支持される。
そして、図2で示すように、一方のガイド壁45の内側に配置された第1膨出部15cの短手方向に延在する短手端面15c1,15c2に2本の摺動ガイド49a,49bが接触し、他方のガイド壁46の内側に配置された第2膨出部15dの短手方向に延在する短手端面15d1,15d2に2本の摺動ガイド49c,49dが接触する。
ここで、各摺動ガイド49a〜49dの上端部の湾曲当接部49a1〜49d1が、一対の短辺壁45b,45c及び一対の短辺壁46b,46cに当接するので、2本の摺動ガイド49a,49bが第1膨出部15cの短手端面15c1,15c2から離間する方向に過度に変形するのが防止され、他の2本の摺動ガイド49c,49dも第2膨出部15dの短手端面15d1,15d2から離間する方向に過度に変形するのが防止される。
(永久磁石)
一方、収納ケース4の角筒体5の外側には、外周全域を覆うように金属製の矩形状の磁石支持体60が配置されており、この磁石支持体60は、電磁接触器1の筐体61に支持されている。
接点機構2の周囲に配置されている第1〜第4アーク消弧用永久磁石40〜43のうち第1アーク消弧用永久磁石40は、可動接触子15の短手方向の一方の側面に角筒体5及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第2アーク消弧用永久磁石41は、可動接触子15の短手方向の他方の側面に角筒体5及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
これら第1及び第2アーク消弧用側永久磁石41,42は、角筒体5に対向する磁極面がN極となるように着磁されている。
また、第3アーク消弧用永久磁石42は、可動接触子15の長手方向の一方の側面に角筒体5及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定され、第4アーク消弧用永久磁石43は、可動接触子15の長手方向の他方の側面に角筒体5及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
これら第3及び第4アーク消弧用側永久磁石42,43は、厚み方向の角筒体5に対向する磁極面がS極となるように着磁されている。
これにより、第1アーク消弧用永久磁石40のN極から出て第3アーク消弧用永久磁石42のS極に流れる磁束と、第2アーク消弧用永久磁石41のN極から出て第3アーク消弧用永久磁石42のS極に流れる磁束とが、第1固定接触子13の第1固定接点13aと可動接触子15の第1可動接点15aとの対向部の近くを通過して左右方向の左側に向って大きな磁束密度で横切る。
また、第1アーク消弧用永久磁石40のN極から出て第4アーク消弧用永久磁石43のS極に流れる磁束と、第2アーク消弧用永久磁石41のN極から出て第4アーク消弧用永久磁石43のS極に流れる磁束が、第2固定接触子14の第2固定接点14aと可動接触子15の第2可動接点15bとの対向部の近くを通過して左右方向の右側に向って大きな磁束密度で横切る。
次に、本実施形態の電磁接触器1の動作を説明する。
電磁接触器1の接点機構2の導体部11には負荷が接続され、導体部12には、電流を供給する電力供給源が接続されている。
電磁石ユニット20の励磁コイル34は非通電状態にあって、電磁石ユニット20で可動プランジャ22を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
この釈放状態では、可動プランジャ22が復帰スプリング36によって、上部磁気ヨーク21から離れる上方向に付勢される。これと同時に、駆動用永久磁石37の磁力による吸引力が補助ヨーク39に作用し、可動プランジャ22の周鍔部22aが吸引される。このため、可動プランジャ22の周鍔部22aの上面が補助ヨーク39の下面に接触している。
このとき、可動プランジャ22に駆動軸24を介して連結されている接点機構2の可動接触子15の第1可動接点15aおよび第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して上方に所定距離だけ離間している。これにより、第1固定接触子13および第2固定接触子14の間の電流路が遮断状態にあり、接点機構2が開極状態となっている。
この釈放状態から、電磁石ユニット20の励磁コイル34に通電すると、この電磁石ユニット20で励磁力が発生し、可動プランジャ22を復帰スプリング36の付勢力および駆動用永久磁石37の吸引力に抗して下方に押し下げる。この可動プランジャ22の下降が、周鍔部22aの下面が上部磁気ヨーク21の上面に当たることで停止する。
このように、可動プランジャ22が下降することにより、可動プランジャ22に駆動軸24を介して連結されている可動接触子15も下降し、可動接触子15の第1可動接点15aおよび第2可動接点15bのそれぞれが、第1固定接触子13の第1固定接点13a及び第2固定接触子14の第2固定接点14aのそれぞれに対して接触スプリング26の接触圧で接触する。
可動接触子15が下降する際、駆動軸24回りに可動接触子15が回転方向に揺動しようとすると、可動接触子15の長手方向の中央部に設けた第1膨出部15cの短手端面15c1,15c2に接触している摺動ガイド49a,49bと、第2膨出部15dの短手端面15d1,15d2に接触している摺動ガイド49c,49dが可動接触子15の回転方向の揺動を規制する。
可動接触子15の第1可動接点15aおよび第2可動接点15bのそれぞれが、第1固定接触子13の第1固定接点13a及び第2固定接触子14の第2固定接点14aに接触すると、電力供給源の電流が、電磁接触器1の第2固定接触子14の第3導電板部14dから供給されて第1導電板部14bに流れ、可動接触子15の第2可動接点15b、第2可動接点15aを通じて第1固定接触子13の第1導電板部13bに流れ、第3導電板部13cから負荷に供給され、接点機構2が閉極状態となる。
次に、接点機構2の閉極状態から、負荷への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット20の励磁コイル34への通電を停止する。
励磁コイル34への通電を停止すると、電磁石ユニット20で可動プランジャ22を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ22が復帰スプリング36の付勢力によって上昇し、周鍔部22が補助ヨーク39に近づくに従って駆動用永久磁石37の吸引力が増加する。
この可動プランジャ22が上昇することにより、駆動軸24を介して連結された可動接触子15が上昇する。これに応じて接触スプリング26で接触圧を与えているときは、可動接触子15の第1可動接点15aおよび第2可動接点15bのそれぞれが、第1固定接触子13の第1固定接点13aおよび第2固定接触子14の第2固定接点14aのそれぞれに接触している。その後、接触スプリング26の接触圧がなくなった時点で、可動接触子15が第1固定接触子13および第2固定接触子14から上方に離間する開極状態となる。
可動接触子15が上昇する際、駆動軸24回りに可動接触子15が回転方向に揺動しようとすると、可動接触子15の長手方向の中央部に設けた第1膨出部15cの短手端面15c1,15c2に接触している摺動ガイド49a,49bと、第2膨出部15dの短手端面15d1,15d2に接触している摺動ガイド49c,49dが可動接触子15の回転方向の揺動を規制する。
このような開極状態となると、可動接触子15の第1可動接点15aおよび第2可動接点15bと、第1固定接触子13の第1固定接点13aおよび第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間にアークが発生し、アークによって電流の通電状態が継続されることになる。
図5及び図6は、可動接触子15の第2可動接点15bと第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間に3〜4KA程度の大電流のアークA1が発生する場合に、アークA1が引き延ばされる方向を示す図である。
図5に示すように、アークA1の流れ方向と、第1アーク消弧用永久磁石40のN極から出て第3アーク消弧用永久磁石43のS極に流れる磁束Φ1との関係からフレミング左手の法則により発生したローレンツ力によって、短手方向の一方の外側に向う第1分力f1が発生する。また、図6に示すように、第2固定接触子14の第2導電板部14cの電流の流れ方向と第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間のアークA1の流れ方向とが逆方向となって自己磁界により発生するローレンツ力によって、長手方向の内側に向う第2分力f2が発生する。このため、アークA1は、第1分力f1及び第2分力f2の合成力Fとして、絶縁ホルダー18の長手方向の内方に向かい、且つ短手方向の一方の外側に傾斜した方向のアーク消弧空間S2に向けて引き延ばされていく。
また、可動接触子15の第1可動接点15aと第1固定接触子13の第1固定接点13aとの間に3〜4KA程度の大電流のアークA1が発生する場合にも、上述した動作と同様に、アークA1は、第1分力f1及び第2分力f2の合成力Fとして、絶縁ホルダー18の長手方向の内方に向かい、且つ短手方向の一方の外側に傾斜した方向のアーク消弧空間S1に向けて引き延ばされていく。
ここで、電磁接触器1の接点機構2の導体部12に負荷を接続し、導体部11に電流を供給する電力供給源を接続した場合には、可動接触子15の第1可動接点15aおよび第2可動接点15bと、第1固定接触子13の第1固定接点13aおよび第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間に発生したアークは、絶縁ホルダー18の内部のアーク消弧空間S3,S4に向けて引き延ばされていく。
次に、本実施形態の電磁接触器1の効果について説明する。
本実施形態の電磁接触器1は、絶縁ホルダー18に配置した摺動ガイド49a,49bが可動接触子15の第1膨出部15cの短手端面15c1,15c2に接触し、摺動ガイド49c,49dが可動接触子15の第2膨出部15dの短手端面15d1,15d2に接触することで、第1及び第2固定接点13a,14及び第1及び第2可動接点15a,15bの開閉のために可動接触子15が下降、上昇する際に可動接触子15が駆動軸24回りに回転するのを規制するので、電磁接触器1の電流路の開閉の信頼性を向上させることができる。
また、可動接触子15の長手方向の中央において短手方向に突出する第1膨出部15c及び第2膨出部15dの周囲を囲むように一対のガイド壁45,46が配置され、一方のガイド壁45の短辺壁45b,45cより長手方向の外側に大きなアーク消弧空間S1,S2が形成され、他方のガイド壁46の短辺壁46b,46cより長手方向の外側に大きなアーク消弧空間S3,S4が形成されているので、第1及び第2固定接点13a,14及び第1及び第2可動接点15a,15bの間に大電流のアークが発生しても、アークは大きなアーク消弧空間S1,S2(或いは、大きなアーク消弧空間S3,S4)に十分に引き延ばされていくので、大電流が流れる場合の消弧性能を十分に高めることができる。
1 電磁接触器
2 接点機構
4 収納ケース
5 角筒体
6 絶縁基板
7 フランジ部
9,10 貫通孔
11,12 導体部
13 第1固定接触子
13a 第1固定接点
13b 第1導電板部
13c 第2導電板部
13d 第3導電板部
14 第2固定接触子
14a 第2固定接点
14b 第1導電板部
14c 第2導電板部
14d 第3導電板部
15 可動接触子
15a 第1可動接点
15b 第2可動接点
15c 第1膨出部
15c1,15c2 短手端面
15d 第2膨出部
15d1,15d2 短手端面
16,17 アークバリア
18 絶縁ホルダー
18a 筒状絶縁壁
18b 絶縁底
18c 挿通孔
19a,19b 磁性体板
20 電磁石ユニット
21 上部磁気ヨーク
21a 貫通孔
22 可動プランジャ
22a 周鍔部
23 貫通孔
24 駆動軸
25a フランジ部
26 接触スプリング
27a スプリング受け
27b Cリング
28 磁気ヨーク
29 固定プランジャ
30 スプール
31 中央円筒部
34 励磁コイル
35 キャップ
36 復帰スプリング
37 駆動用永久磁石
39 補助ヨーク
40〜43 第1〜第4アーク消弧用永久磁石
45,46 ガイド壁
45a,46a 長辺壁
45b,45c,46b,46c 短辺壁
47,48 貫通孔
49a〜49d 摺動ガイド
50 ガイト部材
51 基板部
49a1〜49d1 湾曲当接部
60 磁石支持体
61 筐体
S1,S2,S3,S4 アーク消弧空間

Claims (9)

  1. 固定接点を有する一対の固定接触子及び前記固定接点に接離可能に移動する一対の可動接点を有する可動接触子を備えた接点機構と、前記可動接触子に駆動軸を介して連結されて前記接点機構を駆動する電磁石ユニットと、前記接点機構及び前記駆動軸を収容した絶縁ホルダーを有する収納ケースと、を備えた電磁接触器において、
    前記絶縁ホルダーに、前記可動接触子の移動方向に延在し、前記駆動軸を挟み込む位置に前記可動接触子の回転を規制する回転規制部が配置されていることを特徴とする電磁接触器。
  2. 前記可動接触子は長手方向の両端に接点を有し、前記駆動軸の位置から短手方向に向けて膨出する矩形状端面を有する膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
  3. 前記回転規制部は、前記絶縁ホルダーと一体であるガイド壁を有することを特徴とする請求項2記載の電磁接触器。
  4. 前記回転規制部は、前記ガイド壁と前記可動接触子との間に金属板状の摺動ガイドを有することを特徴とする請求項3記載の電磁接触器。
  5. 前記ガイド壁は、前記膨出部の前記矩形状端面の短手方向及び長手方向に延在する端面をそれぞれ覆うことを特徴とする請求項3記載の電磁接触器。
  6. 前記摺動ガイドは、前記膨出部の前記矩形状端面の一部に当接することを特徴とする請求項4記載の電磁接触器。
  7. 前記摺動ガイドは、前記矩形状端面の短手方向に延在する端面に当接することを特徴とする請求項6記載の電磁接触器。
  8. 前記収納ケースの外側に配置され、前記一対の固定接点及び前記一対の可動接点の間で発生するアークを引き延ばすアーク消弧用永久磁石を備えた請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  9. 前記一対の固定接触子は、前記固定接点を設けた第1導電板部と、前記第1導電板部の端部から前記固定接点及び前記可動接点の接離方向に延在する第2導電板部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電磁接触器。
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