JP6578253B2 - エレベーターシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキの開放運転を実施するためのエレベーターシステムに関する。
従来のエレベーターは、電力変換器から電動機を回転させ、電動機と連結しているシーブを介して、ロープを上下方向へ移動させることで、ロープと接続されているかごの昇降を可能としている。この電力変換器や電動機、電動機と接続したエンコーダ等、駆動システムの一部が故障した場合、エレベーターは停止する。エレベーターのかごの停止した位置が階と階の間であり、この時に乗客がかご内にいると閉じ込めが発生する。閉じ込めた状態ではかごは動かないため、乗客の安全性は担保されるが、乗客は不快感を受けることになる。
このような駆動システムの故障により閉じ込められた乗客を救出するための方法としては、一般的には保守作業員により行われる。特に、かご内の重量が釣合い重りとつり合っていない場合には、ブレーキを手動で開放することにより、釣合い重りとのアンバランスを利用して、最寄階までかごを移動させることで乗客を救出する。また、その他の救出方法としては、最寄階ではなく、乗客を救出するために昇降路内に設けられた救出口までかごを移動させて乗客を救出する方法や、正常な隣接号機を停止したかごに横づけして、停止したかご内にいる乗客をかごに設けられた脱出口を介して正常な隣接号機側へ移動する救出方法などがある。
一方で、上記の方法は保守作業員の到着を待ってから行われるため、乗客の救出に待ち時間が発生する。これを解決する方法として、ブレーキの開放を自動で行う専用の端末を利用することで、早期に救出する方法が開示されている(特許文献1参照)。
国際公開第2010/058453号
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、エレベーターの運転制御装置とは独立して救出作業を行うためのブレーキ制御装置を接続し、そのブレーキ制御装置からブレーキに電力を供給することでブレーキを開き、かごを移動させている。このため、救出作業を行うには、まずブレーキ制御装置を接続する作業が必要となり、救出作業にかかる時間が増加する。また、一般的な救出作業方法では、保守作業員がブレーキを直接操作することでかごを移動したり、巻上機のシーブに接続される手巻きハンドルを回したりすることで、かごを移動するといったことが行われるが、いずれの作業も保守作業員がエレベーターの現場まで移動しなければ救出作業を開始することができないため、同様に救出作業にかかる時間が増加する。
本発明の目的は、ブレーキの開放運転時に、かごの移動を停止させた後、ブレーキを自動的に開放動作させることができるエレベーターシステムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、乗りかごと、前記乗りかごと釣合い重りとを結ぶロープが巻き掛けられるシーブと、前記シーブに回転力を付加するモータと、前記モータの回転を制御する電力変換器と、前記シーブに制動力を加える制動動作又は前記シーブに対する制動力を開放する開放動作を実施するブレーキとを備えるエレベーターにおいて、電源と前記電力変換器とを結ぶ第一の電源経路を開閉する電源開閉器と、前記電源から電力の供給を受けたときに前記ブレーキに前記開放動作を実施させ、前記電源から電力の供給が遮断されたときに前記ブレーキに前記制動動作を実施させるブレーキ回路と、前記電源と前記ブレーキ回路とを結ぶ第二の電源経路を開閉する第一の接点と、前記第一の接点に並列に接続され、前記第二の電源経路を開閉する第二の接点と、前記電源開閉器の開閉を制御する第一の制御回路と、前記第一の接点の開閉を制御する第二の制御回路と、前記第二の接点の開閉を制御する第三の制御回路と、前記電力変換器の運転を制御すると共に、前記第一の制御回路と前記第二の制御回路及び前記第三の制御回路を制御対象として管理する制御コントローラと、を備え、前記制御コントローラは、前記ブレーキの開放運転時に、前記第一の制御回路に対して前記電源開閉器の開動作を指令して、前記電力変換器に対する前記電源の供給を遮断し、前記第二の制御回路に対して前記第一の接点の開動作を指令して、前記ブレーキ回路に対する電力の供給を遮断し、その後、前記第三の制御回路に対して前記第二の接点の閉動作を指令して、前記電源からの電力を前記第一の接点をバイパスさせて、前記ブレーキ回路に供給することを特徴とする。
本発明によれば、ブレーキの開放運転時に、かごの移動を停止させた後、ブレーキを自動的に開放動作させることができる。
本発明の一実施の形態を示すエレベーターシステムの全体構成図である。 電源制御回路の構成図である。 制御コントローラの処理内容を説明するためのブロック図である。 制御コントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について詳細を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すエレベーターシステムの全体構成図である。図1において、エレベーターシステムは、外部電源1から遮断器2を介して電力が供給されるシステムであって、コンタクタ3と、電力変換器4と、制御コントローラ5と、電源制御回路6と、巻上機7と、かご(乗りかご)8と、調速機9と、トランス10と、第一の接点11と、第二の接点12と、電力変換回路13と、コンタクタ14と、ブレーキコイル15と、ブレーキ16と、ロープ17等を備えて構成され、コンタクタ3とトランス10の一次側がそれぞれ遮断器2に接続される。
遮断器2は、制御盤に設けられたスイッチであり、外部電源1の供給を手動で切り替える。コンタクタ3は、外部電源1と電力変換器4とを結ぶ第一の電源経路を開閉する電源開閉器であって、電力変換器4へ電力を供給するための開閉装置であり、制御コントローラ5および電源制御回路6によって制御される。電力変換器4は、巻上機7に電力を供給するための電力変換装置であり、例えば、インバータで構成され、制御コントローラ5からの速度指令によって出力電力が制御される。制御コントローラ5は、かご8の運行を制御するための速度指令を電力変換器4に出力すると共に、コンタクタ3、第一の接点11、第二の接点12を制御するための指令を電源制御回路6に出力する。電源制御回路6は、制御コントローラ5からの指令を基にコンタクタ3、第一の接点11、第二の接点12を制御する。巻上機7は、かご8を昇降移動させるための駆動装置であって、ブレーキドラムと、ブレーキドラムの回転軸の一端に連結された巻上機用モータと、ブレーキドラムの回転軸の他端に連結されたシーブ(いずれも図示せず)を有し、シーブにロープ(主ロープ)17が巻き掛けられ、ロープ17の一端側がかご8に連結され、ロープ17の他端側が釣合い重り(図示せず)に連結される。この際、巻上機用モータは、シーブに回転力を付加するモータとして構成され、電力変換器4は、モータの回転を制御する電力変換器として構成される。調速機9は、プーリ18と従ロープ19を介してかご8の速度を検出する安全装置であり、かご8の速度が所定速度以上になった場合に、電源制御回路6に属する安全回路における電気信号を遮断し、動力電源(遮断器2からコンタクタ3側に分配される電力で構成される電源)とブレーキ電源(遮断器2からトランス10側に分配される電力で構成される電源)を遮断することで、かご8を制動する。
第一の接点11は、コンタクタ14とブレーキコイル15を含むブレーキ回路へ電力を供給することを制御する接点(外部電源1とブレーキ回路とを結ぶ第二の電源経路を開閉する第一の接点)である。第一の接点11が投入されることで、ブレーキ回路へ電力が供給され、ブレーキコイル15の励磁によりブレーキ16が作動する。ブレーキ16が作動すると、ブレーキ16がブレーキドラムから離れ、かご8の制止が解除される。この際、第一の接点11は、安全回路を含む電源制御回路6及び制御コントローラ5から制御される。第二の接点12は、第一の接点11とは独立してブレーキ回路へ電力を供給することを制御する接点(第一の接点11に並列に接続され、第二の電源経路を開閉する第二の接点)。第二の接点12は、第一の接点11と並列に接続されており、安全回路を含む電源制御回路6及び制御コントローラ5から制御される。
電力変換回路13は、例えば、ダイオードなどで構成されたブリッジ回路であり、トランス10の出力による交流電圧を直流電圧に変換し、ブレーキ回路へ所望の電圧を印加する。コンタクタ14は、ブレーキ回路におけるコンタクタであり、ブレーキ16による制動を行う際に、投入が解除される装置である。コンタクタ14は、安全回路を含む電源制御回路6及び制御コントローラ5から制御される。ブレーキコイル15は、ブレーキ16を電磁力により制御するための回路素子である。通常ブレーキコイル15への電力印加により、ブレーキ16が引き上げられ、巻上機7が回転可能な状態となり、一方、ブレーキコイル15への電力遮断により、ブレーキ16が引き下げられ、巻上機7が制止状態となる。この際、ブレーキ16は、シーブに制動力を加える制動動作又はシーブに対する制動力を開放する開放動作を実施することになる。また、コンタクタ14とブレーキコイル15を含むブレーキ回路は、電源(外部電源1)から電力の供給を受けたときに、ブレーキ16に開放動作を実施させ、電源から電力の供給が遮断されたときに、ブレーキ16に制動動作を実施させることになる。
図2は、電源制御回路の構成図である。図2において、電源制御回路6は、コンタクタ3と第一の接点11及び第二の接点12を制御する回路であって、安全回路20と、回路21、23、25と、バッファ回路22、24、26から構成され、回路21、23、25及びバッファ回路22、24、26が、安全回路20と直列になって、直流電源(+B)とアース(GND)とを結ぶ給電回路中に挿入されている。
安全回路20は、安全装置群に属する複数の接点20a、20b、20c、20dで構成され、各接点が直列に接続される(複数の安全装置の作動又は非作動に応答する複数の接点が互いに直列に接続される)。各接点20a〜20dは、例えば、かご8の行き過ぎを検出するファイナルリミットスイッチ、かご8の速度超過を検出するガバナスイッチ、乗場の戸開閉検出スイッチ、かご8の戸開閉検出スイッチなどで構成される。この際、各接点20a〜20dのうち、いずれか一つの接点がOFFになると、給電回路が開放され、回路21、23、25と、バッファ回路22、24、26への給電が遮断される。例えば、ガバナスイッチが動作した場合は、ガバナスイッチの接点がOFFとなることで、給電回路が開放され、コンタクタ3、第一の接点11及び第二の接点12を制御する回路21、23、25への電源供給が断たれ、電力変換器4及び巻上機7の動力電源が遮断され、ブレーキ16の作動により、かご8が制動する。
コンタクタ3を制御する回路21は、回路21への電力供給が断たれた時に、コンタクタ3を遮断(オフ)し、電力変換器4への電力供給を遮断し、回路21への電力供給時には、コンタクタ3を導通状態(オン)にし、電力変換器4へ電力を供給する。コンタクタ3を制御する回路21の二次側に接続されたバッファ回路22は、制御コントローラ5から制御される回路であり、例えば、エレベーターかごの制御を実施する際に、制御コントローラ5がバッファ回路22を投入することで、安全装置群が作動していない状態(各接点20a〜20dがオン)であれば、回路21へ電力が供給され、コンタクタ3が導通状態となり、電力変換器4へ電力が供給される状態となる。この際、回路21とバッファ回路22は、コンタクタ(電源開閉器)3の開閉を制御する第一の制御回路として構成される。
第一の接点11を制御する回路23は、回路23への電力供給が断たれた時に、第一の接点11及びコンタクタ14を遮断し、ブレーキコイル15への電力供給を遮断し、回路23への電力供給時には、第一の接点11及びコンタクタ14を導通状態にし、ブレーキコイル15へ電力を供給する。ブレーキコイル15への電力供給が断たれることで、ブレーキ16によりかご8に対する制動が実施され、ブレーキコイル15への電力供給時には、ブレーキ16の開放が実施され、ブレーキ16によるかご8に対する制動が解除される。第一の接点11を制御する回路23の二次側に接続されたバッファ回路24は、制御コントローラ5から制御される回路であり、基本的にはコンタクタ3を制御する回路21の二次側に接続されたバッファ回路22と同様の動作を行い、ブレーキ16の開放または制動を実施するために利用される。例えば、安全装置群が作動していない状態(各接点20a〜20dがオン)で、制御コントローラ5がバッファ回路24を投入した場合、第一の接点11及びコンタクタ14が導通状態となって、ブレーキ16の開放が実施され、制御コントローラ5がバッファ回路24を投入しない場合、第一の接点11及びコンタクタ14が非導通状態となって、ブレーキ16の制動が実施される。この際、回路23とバッファ回路24は、第一の接点11の開閉を制御する第二の制御回路として構成される。
第二の接点12を制御する回路25は、コンタクタ3を制御する回路21及び第一の接点11を制御する回路23と並列に接続された回路であり、第一の接点11をバイパスするために利用される。第二の接点12を制御する回路25の二次側に接続されたバッファ回路26は、制御コントローラ5から制御される回路であり、コンタクタ3及び第一の接点11が遮断された状態で、第一の接点11をバイパスするための投入用回路である。即ち、安全装置群が作動していない状態(各接点20a〜20dがオン)で、制御コントローラ5がバッファ回路26を投入した場合、第二の接点12が導通状態となり、コンタクタ3及び第一の接点11が遮断された状態でも、ブレーキ電源が第一の接点11をバイパスしてブレーキ回路に供給される。この際、回路25とバッファ回路26は、第二の接点12の開閉を制御する第三の制御回路として構成される。また、制御コントローラ5は、電力変換器4の運転を制御すると共に、第一の制御回路と第二の制御回路及び第三の制御回路を制御対象として管理する。
次に、第二の接点12を制御する回路25及びバッファ回路26の利用方法について説明する。ブレーキ16の開放運転による乗客の救出運転を行う場合には、ブレーキ回路への給電が必要となる。しかし、電力変換器4が給電状態であると、巻上機7のモータが作動する可能性がある。そこで、制御コントローラ5がバッファ回路22、24を投入することなく、バッファ回路22、24をオフにすることで、コンタクタ3を制御する回路21及び第一の接点11を制御する回路23を遮断し、まずかご8を制止し、その後、制御コントローラ5がバッファ回路26を投入することで、第二の接点12を制御する回路25を導通状態にし、ブレーキ電源を第二の接点12を介してブレーキ回路のみに給電を行うことができ、ブレーキ16を開いて実施する救出運転をシステムとして実施することが可能となる。
この際、制御コントローラ5は、ブレーキ16の開放運転時に、第一の制御回路に対してコンタクタ(電源開閉器)3の開動作を指令して、電力変換器4に対する電源の供給を遮断し、第二の制御回路に対して第一の接点11の開動作を指令して、ブレーキ回路に対する電力の供給を遮断し、その後、第三の制御回路に対して第二の接点12の閉動作を指令して、電源(外部電源1)からの電力を第一の接点11をバイパスさせて、ブレーキ回路に供給する。この場合、各安全装置が非作動状態であって、安全回路20に属する各接点が閉動作状態にあることを条件に、コンタクタ(電源開閉器)3と第一の接点11が開動作を実行し、第二の接点12が閉動作を実行する。
また、第二の接点12を制御する回路25の一次側には、安全装置群の安全回路20が接続されている。これにより、ブレーキ16の開放運転中においても、いずれかの安全装置が作動した場合に、第二の接点12を制御する回路25への電力供給が断たれることで、ブレーキ回路への給電も遮断され、ブレーキ16による制動が可能となる。この場合、安全装置のいずれか一つが作動状態であって、安全回路20に属するいずれか一つの接点が開動作状態になったことを条件に、第二の接点12が開動作を実行する。
図3は、制御コントローラの処理内容を説明するためのブロック図である。図3において、制御コントローラ5は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インタフェース等の情報処理資源を備えたコンピュータ装置である。CPUは、救出運転開始指令が入力された場合、救出運転開始検出処理30を実行し、安全装置出力が入力された場合、例えば、各安全装置が作動したことを示す信号が入力された場合、安全装置検出処理31を実行し、回路21・23・25の各動作状態を示すフィードバック信号が入力された場合、回路21・23・25検出処理32を実行し、救出運転開始検出処理30と安全装置検出処理31及び回路21・23・25検出処理32の各処理結果を基にブレーキ回路投入処理33を実行する。即ち、ブレーキ回路投入処理33は、救出運転開始検出処理30の処理結果を示す救出運転開始指令の状態と、安全装置検出処理31の処理結果を示す安全装置の作動状態、及び回路21・23・25検出処理32の処理結果を示す、各回路21・23・25の各動作状態を示すフィードバック信号を基に実行される。なお、救出運転開始指令は、制御コントローラ内の別のソフトウェア処理から出力されてもよいし、たとえば保守作業員が手動で入力してもよい。
CPUは、例えば、救出運転開始指令が入力され、救出運転開始検出処理30を実行した場合、ブレーキ回路投入処理33の処理結果として、コンタクタ3を制御する回路21を遮断するための指令を作成する回路21指令作成処理34を実行すると共に、第一の接点11を制御する回路23を遮断するための指令を作成する回路23指令作成処理35を実行する。そして、CPUは、ブレーキ回路投入処理33で、コンタクタ3を制御する回路21及び第一の接点11を制御する回路23が遮断されたことをフィードバック信号から確認した後、第二の接点12を制御する回路25を投入するための指令を作成する、回路25指令作成処理36を実行する。またさらに、CPUは、ブレーキ回路投入処理33で、救出運転を開始できる状態にあることを確認した場合、救出運転状態出力処理37を実行する。なお、回路21指令作成処理34、回路23指令作成処理35、回路25指令作成処理36では、それぞれブレーキ回路投入処理33より入力される出力信号を元に、各回路を制御するための指令が各バッファ回路22、24及び26へ出力される。また、救出運転状態出力処理37では、救出運転を開始できる状態にある信号が、例えば、救出運転を実施する別のソフトウェアブロックや、基板についているLED、制御コントローラ5へ接続される別の制御端末などへ出力される。
図4は、制御コントローラの動作を説明するためのフローチャートである。図4において、まず、制御コントローラ5は、救出運転開始指令がオン(ON)であるか否かを判定する(ステップS101)。制御コントローラ5は、救出運転開始指令がONでない場合、即ち、救出運転開始指令が入力されていない場合、このルーチンでの処理を終了する。一方、救出運転開始指令がONであった場合、即ち、制御コントローラ5に接続される入力装置から救出運転開始指令が入力された場合、制御コントローラ5は、各回路21・23・25のフィードバック信号がオフ(OFF)であるか否かを判定し(ステップS102)、ステップS102でNOであった場合、即ち、いずれかのフィードバック信号がONであった場合、再度各回路21・23・25をOFFにする指令を出力し、処理を終了し(ステップS103)、ステップS102でYESであった場合、即ち、いずれのフィードバック信号がOFFであった場合、回路21及び回路23をOFFにするための指令を出力し、回路25をONにするための指令を出力する(ステップS104)。つまり、制御コントローラ5は、第二の接点12を投入することで、電力を、遮断されている第一の接点11をバイパスする動作を実行する。
この後、制御コントローラ5は、回路21・23のフィードバック信号がOFF、回路25のフィードバック信号がONか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105でYESの場合、即ち、フィードバック信号を正しく検出できた場合、制御コントローラ5は、救出運転を開始可能であることを出力し(ステップS106)、一連の処理を終了する。ステップS105でNOの場合、即ち、フィードバック信号を正しく検出できない場合、制御コントローラ5は、いずれかの回路の故障を判定し、処理を停止し(ステップS107)、一連の処理を終了する。
本実施の形態によれば、ブレーキの開放運転時に、かごの移動を停止させた後、ブレーキを自動的に開放動作させることができる。即ち、制御コントローラ5が、巻上機7のモータに電力を供給する電力変換器4への電力を遮断しつつ、ブレーキ16のみに電力を供給することで、ブレーキ16を開いてかご8を移動させることができる。また、電力変換器4への電力を遮断することで、巻上機7のモータ側の不要な動作を排することができ、ブレーキ16の開放運転中の安全性を向上することができる。さらには、第二の接点12を制御する回路25の一次側が安全回路20に接続されていることにより、ブレーキ16の開放運転中に、いずれかの安全装置が作動したときに、ブレーキ16に供給される電力が遮断されることで、ブレーキ16による非常制動を実施することができ、ブレーキ16の開放運転中の安全性を向上することができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に記録して置くことができる。
3 コンタクタ、4 電力変換器、5 制御コントローラ、6 電源制御回路、7 巻上機、8 かご、9 調速機、11 第一の接点、12 第二の接点、14 コンタクタ、15 ブレーキコイル、16 ブレーキ、20 安全回路、21、23、24 回路、22、24、26 バッファ回路

Claims (3)

  1. 乗りかごと、前記乗りかごと釣合い重りとを結ぶロープが巻き掛けられるシーブと、前記シーブに回転力を付加するモータと、前記モータの回転を制御する電力変換器と、前記シーブに制動力を加える制動動作又は前記シーブに対する制動力を開放する開放動作を実施するブレーキとを備えるエレベーターにおいて、
    電源と前記電力変換器とを結ぶ第一の電源経路を開閉する電源開閉器と、
    前記電源から電力の供給を受けたときに前記ブレーキに前記開放動作を実施させ、前記電源から電力の供給が遮断されたときに前記ブレーキに前記制動動作を実施させるブレーキ回路と、
    前記電源と前記ブレーキ回路とを結ぶ第二の電源経路を開閉する第一の接点と、
    前記第一の接点に並列に接続され、前記第二の電源経路を開閉する第二の接点と、
    前記電源開閉器の開閉を制御する第一の制御回路と、
    前記第一の接点の開閉を制御する第二の制御回路と、
    前記第二の接点の開閉を制御する第三の制御回路と、
    前記電力変換器の運転を制御すると共に、前記第一の制御回路と前記第二の制御回路及び前記第三の制御回路を制御対象として管理する制御コントローラと、を備え、
    前記制御コントローラは、
    前記ブレーキの開放運転時に、前記第一の制御回路に対して前記電源開閉器の開動作を指令して、前記電力変換器に対する前記電源の供給を遮断し、前記第二の制御回路に対して前記第一の接点の開動作を指令して、前記ブレーキ回路に対する電力の供給を遮断し、その後、前記第三の制御回路に対して前記第二の接点の閉動作を指令して、前記電源からの電力を前記第一の接点をバイパスさせて、前記ブレーキ回路に供給することを特徴とするエレベーターシステム。
  2. 請求項1に記載のエレベーターシステムであって、
    複数の安全装置の作動又は非作動に応答する複数の接点が互いに直列に接続された安全回路を更に備え、
    前記第一の制御回路と前記第二の制御回路及び前記第三の制御回路は、
    直流電源とアースとを結ぶ給電回路中に挿入されて、互いに並列に接続され、且つ前記安全回路とそれぞれ直列に接続されており、
    前記各安全装置が非作動状態であって、前記安全回路に属する各接点が閉動作状態にあることを条件に、前記電源開閉器と前記第一の接点が前記開動作を実行し、前記第二の接点が前記閉動作を実行することを特徴とするエレベーターシステム。
  3. 請求項2に記載のエレベーターシステムであって、
    前記安全装置のいずれか一つが作動状態であって、前記安全回路に属するいずれか一つの接点が開動作状態になったことを条件に、前記第二の接点が開動作を実行することを特徴とするエレベーターシステム。
JP2016132387A 2016-07-04 2016-07-04 エレベーターシステム Active JP6578253B2 (ja)

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