JP6576309B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに関し、詳しくは、オイル消費量を低減することができるエンジンに関する。
従来、エンジンとして、次のものがある (例えば、特許文献1参照)。
シリンダヘッドと、シリンダヘッドの上部に組み付けられたシリンダヘッドカバーと、シリンダヘッドカバー内に配置されたブリーザ室を備え、
ブリーザ室は、オイル排出ガイド室と、オイル排出ガイド室の上方に配置されたブローバイガス通過室と、オイル排出ガイド室から下方に導出されたオイル排出パイプを備え、
シリンダヘッドは、オイル溜めを備え、オイル溜めに溜められたオイルにオイル排出パイプのパイプ出口が浸漬されているエンジン。
この種のエンジンによれば、シリンダヘッドカバー内のブローバイガスがオイル排出パイプからブリーザ室に進入するのをオイル溜めのオイルで防止することができる利点がある。
特許文献1のものでは、シリンダヘッドカバー内とブリーザ室内の差圧が大きくなると、オイル溜めのオイルがオイル排出パイプからブローバイガス通過室に吹き上がり、拡散する。
実開昭57−171110号公報(図2,図3参照)
《問題点》 オイル消費量が多くなるおそれがある。
特許文献1のものでは、オイル溜めのオイルがブローバイガス通過室に吹き上がり、再ミスト化され、ブローバイガスによってブリーザ室から連れ出され、オイル消費量が多くなるおそれがある。
本発明の課題は、オイル消費量を低減することができるエンジンを提供することにある。
(請求項1,4,6,10に係る発明に共通する発明特定事項)
図6(A)〜(C)に例示するように、シリンダヘッド(1)と、シリンダヘッド(1)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(2)と、シリンダヘッドカバー(2)内に配置されたブリーザ室(4)を備え、
ブリーザ室(4)は、オイル排出ガイド室(7)と、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)と、オイル排出ガイド室(7)から下方に導出されたオイル排出パイプ(16)を備え、
シリンダヘッド(1)は、オイル溜め(17)を備え、オイル溜め(17)に溜められたオイル(18)にオイル排出パイプ(16)のパイプ出口(16a)が浸漬されている、エンジンにおいて、
図6(A)〜(C)に例示するように、ブローバイガス通過室(8)はオイルミスト凝縮室(19)を備え、
オイルミスト凝縮室(19)は、逆流によりオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)から吹き上がったオイル(18)を受け止める下層棚板(20)と、下層棚板(20)の上方に配置された上層棚板(21)と、下層棚板(20)と上層棚板(21)の間に設けられたオイルミスト凝縮通路(22)を備え、オイル排出ガイド室(7)はオイルミスト凝縮通路(22)を介してブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)と連通している。
(請求項1に係る発明に固有の発明特定事項)
図6(A)〜(C)に例示するように、下層棚板(20)と上層棚板(21)は、その周縁部を湾曲させたシール部(20c)(21c)を備え、これらシール部(20c)(21c)がその弾性力でブローバイガス通過室(8)の周壁に圧接されている、ことを特徴とするエンジン。
(請求項4に係る発明に固有の発明特定事項)
図6(A)〜(C)に例示するように、下層棚板(20)と上層棚板(21)は、共通部品とされ、長手方向の向きを逆にしてブローバイガス通過室(8)に組み付けられている、ことを特徴とするエンジン。
(請求項6に係る発明に固有の発明特定事項)
図2に例示するように、シリンダヘッドカバー(2)の長手方向を前後方向として、ブリーザ室(4)は、前後方向一端側にブローバイガス入口(5)を、前後方向他端側にブローバイガス出口(6)を、前後方向中間位置にオイル排出ガイド室(7)とブローバイガス通過室(8)をそれぞれ備え、シリンダヘッドカバー(2)はロッカアーム(3)を覆い、
ブローバイガス入口(5)は、ブリーザ室(4)の底壁(4a)に開口され、オイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)は、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)とブローバイガス入口(5)の間に向けて、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から下向きに突設されている、ことを特徴とするエンジン。
(請求項10に係る発明に固有の発明特定事項)
図3に例示するように、ブリーザ室(4)は、ブローバイガス入口(5)のある入口側オイル分離室(9)と、ブローバイガス迂回通路(10)を備え、入口側オイル分離室(9)を出たブローバイガス(11)がブローバイガス迂回通路(10)を介してブローバイガス通過室(8)とオイル排出ガイド室(7)に導入されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果1−1》 オイル消費量を低減することができる。
図6(A)に例示するように、本発明では、シリンダヘッドカバー(2)内とブリーザ室(4)内の差圧が大きくなり、オイル溜め(17)のオイル(18)がオイル排出パイプ(16)から吹き上がっても、オイル(18)は下層棚板(20)で受け止められ、再ミスト化されたオイル(18)はオイルミスト凝縮通路(22)内で凝縮されるため、再ミスト化されたオイル(18)がブローバイガス(11)でブリーザ室(4)から連れ出される不具合が抑制され、オイル消費量を低減することができる。
《効果1−2》 燃焼騒音の放出を低減することができる。
図6(A)に例示するように、本発明では、シリンダヘッド(1)からシリンダヘッドカバー(2)側に放出された燃焼騒音は、下層棚板(20)と上層棚板(21)で遮蔽されるため、燃焼騒音の放出を低減することができる。
《効果1−3》 オイル消費量を低減することができる。
図6(A)〜(C)に例示するように、本発明では、下層棚板(20)と上層棚板(21)の下面を伝うオイル(18)は、エンジンの振動でこれらの周縁部に接近しても、シール部(20c)(21c)で受け止められ、これらの周縁部から上層棚板(21)の上方空間(8a)に流出しにくいため、オイル消費量を低減することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 部品取り違えのおそれがない。
図6(A)〜(C)に例示するように、本発明では、下層棚板(20)と上層棚板(21)は、共通部品の長手方向の向きを逆にして組み付けられるため、部品取り違えのおそれがない。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果3−1》 オイル消費を低減することができる。
図2に例示するように、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)で跳ね上げられたオイルがブリーザ室(4)の底壁(4a)に沿うブローバイガス(11)の流れに乗っても、この流れがオイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)で遮られ、ブローバイガス入口(5)へのオイル進入量が減少し、ブリーザ室(4)へのオイル進入量が適正化され、シリンダヘッドカバー(2)外へのオイルの流出が抑制され、オイル消費を低減することができる。
《効果3−2》 シリンダヘッドカバーからのエンジン騒音の放出を低減することができる。
図2に例示するように、オイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)は、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から下向きに突設されているので、ブリーザ室(4)の底壁(4a)の剛性が高まり、底壁(4a)が振動しにくく、この振動を媒介とするシリンダヘッドカバー(2)からのエンジン騒音の放出を低減することができる。
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明の効果1−1,1−2に加え、請求項2に係る発明の効果2を奏する。
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の効果に加え、請求項3に係る発明の効果3−1,3−2を奏する。
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項1に係る発明の効果1−1,1−2に加え、請求項3に係る発明の効果3−1,3−2を奏する。
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル消費量を低減することができる。
図6(A)に例示するように、本発明では、オイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)と凝縮通路入口(20a)、凝縮通路入口(20a)と凝縮通路出口(21a)は、上下層棚板(20)(21)の長手方向両端側に大きく離れ、再ミスト化したオイル(18)は、上下層棚板(20)(21)の長手方向に沿って蛇行しながら案内され、下層棚板(20)の上下面や上層棚板(21)の下面で効率的に凝縮され、落下してオイル排出ガイド室(7)に戻るため、オイル消費量を低減することができる。
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル消費量を低減することができる。
図6(A)〜(C)に例示するように、本発明では、下層棚板(20)の下面や上層棚板(21)の下面を伝うオイル(18)は、エンジンの振動で凝縮通路入口(20a)や凝縮通路出口(21a)に接近しても、下層オイル受け板(20b)と出口オイル受け板(21b)で受け止められ、凝縮通路入口(20a)や凝縮通路出口(21a)を介してブローバイガス通過室(8)側に流出しにくいため、オイル消費量を低減することができる。
(請求項9に係る発明)
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ブローバイガスのオイル分離が促進される。
図3に例示するように、ブリーザ室(4)は、ブローバイガス入口(5)のある入口側オイル分離室(9)と、ブローバイガス迂回通路(10)を備えているので、ブローバイガス(11)は、入口側オイル分離室(9)とブローバイガス迂回通路(10)で連続的にオイル分離され、ブローバイガス(11)のオイル分離が促進される。
(請求項10に係る発明)
請求項10に係る発明は、請求項1に係る発明の効果1−1,1−2と、請求項9に係る発明の効果9を奏する。
(請求項11に係る発明)
請求項11に係る発明は、請求項9または請求項10に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 分離されたオイルを速やかにオイル排出ガイド室に誘導することができる。
図3,9(A)に例示するように、分離オイル誘導路(13)は、始端部(13a)が入口側オイル分離室(9)に配置され、中間部(13b)がブローバイガス迂回通路(10)の始端部(10a)に配置され、終端部(13c)が隔壁(12)の下方をくぐり抜けて、オイル排出ガイド室(7)まで導出されているので、分離オイル誘導路(13)を短く形成することができ、分離されたオイル(18)を速やかにオイル排出ガイド室(7)に誘導することができる。
《効果》 分離オイル誘導路からオイル排出ガイド室にブローバイガスが進入することがない。
図3,9(A)に例示するように、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)は隔壁(12)の下方をくぐり抜けて、オイル排出ガイド室(7)まで導出されているので、隔壁(12)の下方をくぐり抜ける分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)がオイル(18)で塞がり、分離オイル誘導路(13)からオイル排出ガイド室(7)にブローバイガス(11)が進入することがない。
(請求項12に係る発明)
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 分離されたオイルを速やかにオイル排出ガイド室に誘導することができる。
図3,8(A)〜(C)に例示するように、分離オイル誘導路(13)は溝(14)で構成されているので、入口側オイル分離室(9)やブローバイガス迂回通路(10)の始端部(10a)で分離されたオイル(18)が、溝(14)の上側開口から溝(14)内に速やかに流入し、かつ溝(14)内を小さい通路抵抗で通過し分離されたオイル(18)を速やかにオイル排出ガイド室(7)に誘導することができる。
《効果》 分離されたオイルが再ミスト化されにくい。
図3,8(A)〜(C)に例示するように、分離オイル誘導路(13)が溝(14)で構成されている場合、分離されたオイル(18)が分離オイル誘導路(13)を通過する際に、ブローバイガス迂回通路(10)を通過するブローバイガス(11)と接触するおそれがあるが、請求項8の効果で説明した通り、分離オイル誘導路(13)を短く形成することができるので、分離されたオイル(18)がブローバイガス(11)と接触しにくく、再ミスト化されにくい。また、再ミスト化された場合でも、下流のブローバイガス迂回通路(10)で再分離される。このため、分離されたオイル(18)が再ミスト化されにくい。
(請求項13に係る発明)
請求項13に係る発明は、請求項11に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 分離されたオイルが再ミスト化されにくい。
図9(A)(B)に例示するように、分離オイル誘導路(13)はパイプ(15)で構成されているので、分離オイル誘導路(13)は上面が覆われ、分離オイル誘導路(13)に導入されたオイル(18)が、ブローバイガス迂回通路(10)を通過するブローバイガス(11)と接触せず、分離されたオイル(18)が再ミスト化されにくい。
(請求項14に係る発明)
請求項14に係る発明は、請求項11から請求項13のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 分離されたオイルがスムーズに排出される。
図10(A)に例示するように、オイル排出ガイド面(7b)は、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に向けて下り傾斜しているので、分離されたオイル(18)がスムーズに排出される。
その理由は、オイル排出ガイド面(7b)の下り傾斜した表面には、傾斜を流れ落ちるオイル(18)で切れ間のない油膜が形成され、後続のオイル(18)が油膜の表面をスムーズに滑り落ちるためと推定される。
(請求項15に係る発明)
請求項15に係る発明は、請求項11から請求項13のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 分離されたオイルがエンジン傾斜時にオイル排出ガイド面を逆流しにくい。
図11(A)に例示するように、オイル排出ガイド面(7b)は、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に下る階段状のジグザグ面で構成されているので、エンジンがオイル排出ガイド面(7b)側に傾斜しても、分離されたオイル(18)がジクザグ面で構成されたオイル排出ガイド面(7b)の窪みに溜まり、分離されたオイル(18)がエンジン傾斜時にオイル排出ガイド面(7b)を逆流しにくい。
本発明の実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバーと上下層棚板とブリーザ室の底壁の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの上部縦断側面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 図6(A)は図3のVIA-VIA線断面図、図6(B)は図6(A)のB部分の拡大図、図6(C)は図6(A)のC部分の拡大図である。 図3のVII-VII線断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いる分離オイル誘導路を説明する図で、図8(A)は基本例、図8(B)は第1変形例、図8(C)は第2変形例である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いる分離オイル誘導路の第3変形例を説明する図で、図9(A)は図3相当図、図9(B)は図5相当図である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いるオイル排出ガイド室の基本例を説明する図で、図10(A)は縦断正面図、図10(B)は図10(A)のB方向矢視図、図10(C)は図10(A)のC−C線断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いるオイル排出ガイド室の変形例を説明する図で、図11(A)は第1変形例の縦断正面図、図11(B)は第2変形例の縦断正面図、図11(C)は第3変形例の縦断正面図、図11(D)は図11(C)のD方向矢視図である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いるオイル排出パイプの変形例を説明する図で、図12(A)は変形例の縦断正面図、図12(B)は図12(A)のB−B線断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いるシボを説明する図で、図13(A)は基本例、図13(B)は第1変形例、図13(C)は第2変形例である。
図1〜図13は本発明の実施形態に係るエンジンを説明する図であり、この実施形態では、立形の直列2気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
この実施形態のエンジンの概要は、次の通りである。
図2に示すように、シリンダブロック(図外)の上部にシリンダヘッド(1)が組み付けられ、シリンダヘッド(1)の上部にシリンダヘッドカバー(2)が組み付けられている。クランク軸(図外)の架設方向を前後方向として、その一方を前、他方を後とする。
シリンダブロック(図外)の下部にはオイルパン(図外)が組み付けられている。
シリンダヘッド(1)にはうず室(図外)が設けられ、このうず室(図外)に燃料噴射ポンプ(図外)から燃料噴射管(図外)と燃料噴射ノズル(図外)を介して燃料が噴射される。
図7に示すように、シリンダヘッドカバー(2)内には、吸気及び排気の弁装置(32)が収容され、この弁装置(32)が動弁装置(33)で駆動される。動弁装置(33)は、動弁カム(図外)とタペット(図外)とプッシュロッド(33c)とロッカアーム(3)を備えている。プッシュロッド(33c)は図4に示すプッシュロッド室(33d)に収容されている。クランクケース(図外)内のブローバイガス(11)は、プッシュロッド室(33d)を介してシリンダヘッドカバー(2)内に進入する。
図1に示すように、シリンダヘッドカバー(2)内にブリーザ室(4)の底壁(4a)が下側から組み付けられ、シリンダヘッドカバー(2)の天井壁(2a)に給油孔(2b)が開口され、この給油孔(2b)が着脱自在の蓋(2c)で塞がれている。
ブリーザ室(4)の底壁(4a)は合成樹脂製である。シリンダヘッドカバー(2)はアルミダイカスト製である。
図6(A)に示すように、このエンジンは、シリンダヘッド(1)と、シリンダヘッド(1)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(2)と、シリンダヘッドカバー(2)内に配置されたブリーザ室(4)を備えている。
ブリーザ室(4)は、オイル排出ガイド室(7)と、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)と、オイル排出ガイド室(7)から下方に導出されたオイル排出パイプ(16)を備えている。
シリンダヘッド(1)は、オイル溜め(17)を備え、オイル溜め(17)に溜められたオイル(18)にオイル排出パイプ(16)のパイプ出口(16a)が浸漬されている。
このエンジンでは、シリンダヘッドカバー(2)内のブローバイガスがオイル排出パイプ(16)からブリーザ室(4)に進入するのをオイル溜め(17)のオイル(18)で防止することができる利点がある。
図6(A)〜(C)に示すように、ブローバイガス通過室(8)はオイルミスト凝縮室(19)を備えている。
オイルミスト凝縮室(19)は、逆流によりオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)から吹き上がったオイル(18)を受け止める下層棚板(20)と、下層棚板(20)の上方に配置された上層棚板(21)と、下層棚板(20)と上層棚板(21)の間に設けられたオイルミスト凝縮通路(22)を備え、オイル排出ガイド室(7)はオイルミスト凝縮通路(22)を介してブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)と連通している。
図6(A)に示すように、このエンジンでは、シリンダヘッドカバー(2)内とブリーザ室(4)内の差圧が大きくなり、オイル溜め(17)のオイル(18)がオイル排出パイプ(16)から吹き上がっても、オイル(18)は下層棚板(20)で受け止められ、再ミスト化されたオイル(18)はオイルミスト凝縮通路(22)内で凝縮されるため、再ミスト化されたオイル(18)がブローバイガス(11)でブリーザ室(4)から連れ出される不具合が抑制され、オイル消費量を低減することができる。
図6(A)に示すように、このエンジンでは、シリンダヘッド(1)からシリンダヘッドカバー(2)側に放出された燃焼騒音は、下層棚板(20)と上層棚板(21)で遮蔽されるため、燃焼騒音の放出を低減することができる。
ブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)は、吸気通路(図外)と連通し、エアクリーナ(図外)の目詰まり等により、吸気通路の負圧が高くなると、ブリーザ室(4)の内圧が低下し、ブリーザ室(4)の内外の差圧を大きくなり、オイル溜め(17)のオイル(18)がオイル排出パイプ(16)からブリーザ室(4)に吹き上がろうとする。
図6(A)〜(C)に示すように、オイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)はオイル排出ガイド室(7)の長手方向一端側に配置され、下層棚板(20)の凝縮通路入口(20a)は、下層棚板(20)の長手方向両端部のうちのパイプ入口(16c)から遠い側の端部に設けられ、上層棚板(21)の凝縮通路出口(21a)は、上層棚板(21)の長手方向両端部のうちの凝縮通路入口(20a)から遠い側の端部に設けられ、この凝縮通路入口(20a)と凝縮通路出口(21a)を介してオイル排出ガイド室(7)とオイルミスト凝縮通路(22)と上層棚板(21)の上方空間(8b)は蛇行状に連通している。
図6(A)に示すように、このエンジンでは、オイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)と凝縮通路入口(20a)、凝縮通路入口(20a)と凝縮通路出口(21a)は、上下層棚板(20)(21)の長手方向両端側に大きく離れ、再ミスト化したオイル(18)は、上下層棚板(20)(21)の長手方向に沿って蛇行しながら案内され、下層棚板(20)の上下面や上層棚板(21)の下面で効率的に凝縮され、落下してオイル排出ガイド室(7)に戻るため、オイル消費量を低減することができる。
図6(A)〜(C)に示すように、下層棚板(20)の凝縮通路入口(20a)の周縁部のうちのパイプ入口(16c)に近い側の縁部から下向きに入口オイル受け板(20b)が垂設され、上層棚板(21)の凝縮通路出口(21a)の周縁部のうち下層棚板(20)の凝縮通路入口(20a)に近い側の縁部から下向きに出口オイル受け板(21b)が垂設されている。
図6(A)〜(C)に示すように、このエンジンでは、下層棚板(20)の下面や上層棚板(21)の下面を伝うオイル(18)は、エンジンの振動で凝縮通路入口(20a)や凝縮通路出口(21a)に接近しても、下層オイル受け板(20b)と出口オイル受け板(21b)で受け止められ、凝縮通路入口(20a)や凝縮通路出口(21a)を介してブローバイガス通過室(8)側に流出しにくいため、オイル消費量を低減することができる。
図6(B)(C)に示すように、下層棚板(20)と上層棚板(21)は、その周縁部を湾曲させたシール部(20c)(21c)を備え、これらシール部(20c)(21c)がその弾性力でブローバイガス通過室(8)の周壁に圧接されている。
図6(A)〜(C)に示すように、このエンジンでは、下層棚板(20)と上層棚板(21)の下面を伝うオイル(18)は、エンジンの振動でこれらの周縁部に接近しても、シール部(20c)(21c)で受け止められ、これらの周縁部から上層棚板(21)の上方空間(8a)に流出しにくいため、オイル消費量を低減することができる。
図6(A)〜(C)に示すように、下層棚板(20)と上層棚板(21)は、共通部品とされ、長手方向の向きを逆にしてブローバイガス通過室(8)に組み付けられている。
このエンジンでは、下層棚板(20)と上層棚板(21)は、共通部品の長手方向の向きを逆にして組み付けられるため、部品取り違えのおそれがない。
図2に示すように、シリンダヘッドカバー(2)の長手方向を前後方向として、ブリーザ室(4)は、前側にブローバイガス入口(5)を、後側にブローバイガス出口(6)を、前後方向中間位置にオイル排出ガイド室(7)とブローバイガス通過室(8)をそれぞれ備えている。後側にブローバイガス入口(5)を、前側にブローバイガス出口(6)を配置してもよい。
図2,4に示すように、ブローバイガス入口(5)は、ブリーザ室(4)の底壁(4a)に開口され、オイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)は、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)とブローバイガス入口(5)の間に向けて、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から下向きに突設されている。
このため、図2に示すように、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)で跳ね上げられたオイルがブリーザ室(4)の底壁(4a)に沿うブローバイガス(11)の流れに乗っても、この流れがオイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)で遮られ、ブローバイガス入口(5)へのオイル進入量が減少し、ブリーザ室(4)へのオイル進入量が適正化され、シリンダヘッドカバー(2)外へのオイルの流出が抑制され、オイル消費を低減することができる。また、ブリーザ室(4)の底壁(4a)の剛性が高まり、底壁(4a)が振動しにくく、この振動を媒介とするシリンダヘッドカバー(2)からのエンジン騒音の放出を低減することができる。
図2,3に示すように、ブローバイガス入口(5)にはリード弁(5a)が取り付けられている。開いたリード弁(5a)はストッププレート(5b)で受け止められる。入口側オイル分離室(9)では、ブローバイガス入口(5)から進入したブローバイガス(11)に含まれるオイルミストをリード弁(5a)に衝突させてオイル分離するとともに、室壁でオイルミストを凝縮させてオイル分離する。
ブローバイガス入口(5)側のロッカアーム(3)とブローバイガス入口(5)との間に向けて、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から邪魔板(45)が下向きに突設している。このため、ブリーザ室(4)の底壁(4a)に沿うブローバイガス(11)の流れが邪魔板(45)に遮られ、ブローバイガス入口(5)へのオイル進入量が減少する。邪魔板(45)はブリーザ室(4)の底壁(4a)と一体成型されている。
図2,3に示すように、ブリーザ室(4)は、ブローバイガス入口(5)のある入口側オイル分離室(9)と、ブローバイガス迂回通路(10)を備え、入口側オイル分離室(9)を出たブローバイガス(11)がブローバイガス迂回通路(10)を介してブローバイガス通過室(8)とオイル排出ガイド室(7)に導入されるように構成されている。
このため、ブローバイガス(11)は、入口側オイル分離室(9)とブローバイガス迂回通路(10)で連続的にオイル分離され、ブローバイガス(11)のオイル分離が促進される。
入口側オイル分離室(9)は前後方向に長く形成され、ブローバイガス迂回通路(10)は横方向に長く形成され、これらは入口側オイル分離室(9)の後部の開口(9a)で相互に連通し、ブローバイガス迂回通路(10)では開口(9a)から進入したブローバイガス(11)に含まれるオイルミストを通路壁で凝縮させて、オイル分離を行う。
入口側オイル分離室(9)とブローバイガス迂回通路(10)とを区画する第1の隔壁(46)は、横方向に長く形成され、シリンダヘッドカバー(2)と一体成型で天井壁(2a)から下向きに突設されている。
図3に示すように、ブリーザ室(4)は、ブローバイガス迂回通路(10)とブローバイガス通過室(8)を仕切る隔壁(12)と、分離オイル誘導路(13)を備え、分離オイル誘導路(13)は、始端部(13a)が入口側オイル分離室(9)に配置され、中間部(13b)がブローバイガス迂回通路(10)の始端部(10a)に配置され、終端部(13c)が隔壁(12)の下方をくぐり抜けて、オイル排出ガイド室(7)まで導出されている。
図3に示すように、このエンジンでは、分離オイル誘導路(13)を短く形成することができ、分離されたオイル(18)を速やかにオイル排出ガイド室(7)に誘導することができる。
また、隔壁(12)の下方をくぐり抜ける分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)が入口側オイル分離室(9)で分離されたオイル(18)で塞がり、分離オイル誘導路(13)からオイル排出ガイド室(7)にブローバイガス(11)が進入することがない。
ブローバイガス迂回通路(10)とオイル排出ガイド室(7)を仕切る第2の隔壁(12)は横方向に長く形成され、シリンダヘッドカバー(2)と一体成型で天井壁(2a)から下向きに突設されている。
図3に示すように、分離オイル誘導路(13)は溝(14)で構成されている。
このエンジンでは、入口側オイル分離室(9)やブローバイガス迂回通路(10)の始端部(10a)で分離されたオイル(18)が、溝(14)の上側開口から溝(14)内に速やかに流入し、かつ溝(14)内を小さい通路抵抗で通過し、分離されたオイル(18)を速やかにオイル排出ガイド室(7)に誘導することができる。
また、分離オイル誘導路(13)が溝(14)で構成されている場合、オイル(18)が分離オイル誘導路(13)を通過する際に、ブローバイガス迂回通路(10)を通過するブローバイガス(11)と接触するおそれがあるが、先に説明した通り、分離オイル誘導路(13)を短く形成することができるので、分離されたオイル(18)がブローバイガス(11)と接触しにくく、再ミスト化されにくい。また、再ミスト化された場合でも、下流のブローバイガス迂回通路(10)で再分離される。このため、分離されたオイル(18)が再ミスト化されにくい。
溝(14)は、図8(A)に示す基本例では、断面半円形に形成されている。
溝(14)は、図8(B)に示す第1変形例のように、断面楔形に形成され、内底面がブローバイガス迂回通路(10)の終端部(10b)側に向けて次第に浅くなっているものであってもよい。
溝(14)は、図8(C)に示す第2変形例のように、断面フラスコ形に形成され、下半部(14a)は上半部(14b)よりも幅広とされ、広い通路断面積の下半部(14a)でオイル(18)が速やかに誘導されるとともに、狭い開口面積の上半部(14b)ではオイル(18)とブローバイガス(11)が接触しにくく、ブローバイガス(11)でオイル(18)が再ミスト化されにくいものであってもよい。
分離オイル誘導路(13)は、図9(A)(B)に示す第3変形例のように、パイプ(15)で構成されたものであってもよい。
この場合、分離オイル誘導路(13)は上面が覆われ、分離オイル誘導路(13)に導入されたオイル(18)が、ブローバイガス迂回通路(10)を通過するブローバイガス(11)と接触せず、分離されたオイル(18)が再ミスト化されにくい。
パイプ(15)は、ブローバイガス迂回通路(10)の終端部(10b)側にも設けることができる。このブローバイガス迂回通路(10)の終端部(10b)側に配置されるパイプ(15)の分離オイル誘導路(13)は、始端部(13a)が入口側オイル分離室(9)に配置され、中間部(13b)がブローバイガス迂回通路(10)の終端部(10b)に配置され、終端部(13c)が隔壁(12)の下方をくぐり抜けて、オイル排出ガイド室(7)まで導出されている。
図10(A)に示すように、ブリーザ室(4)はオイル排出ガイド室(7)の下部にオイル排出パイプ(16)を備え、オイル排出ガイド室(7)は内周にオイル排出ガイド面(7b)を備え、オイル排出ガイド面(7b)は、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に向けて下り傾斜している。
このため、分離されたオイル(18)がスムーズに排出される。
その理由は、オイル排出ガイド面(7b)の下り傾斜した表面には、傾斜を流れ落ちるオイル(18)で切れ間のない油膜が形成され、後続のオイル(18)が油膜の表面をスムーズに滑り落ちるためと推定される。
オイル排出ガイド面(7b)は、図9(A)に示す基本例では、凹凸のない平坦な傾斜面とされている。
オイル排出ガイド室(7)は横方向に長く形成され、オイル排出ガイド室(7)の室壁とオイル排出パイプ(16)とは、ブリーザ室(4)の底壁(4a)と一体成型で、底壁(4a)から下向きに突設されている。
オイル排出ガイド面(7b)は、図11(A)に示す第1変形例のように、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に下る階段状のジグザグ面で構成されているものであってもよい。
この場合、エンジンがオイル排出ガイド面(7b)側に傾斜しても、分離されたオイル(18)がジクザグ面で構成されたオイル排出ガイド面(7b)の窪みに溜まり、エンジン傾斜時にオイル(18)がオイル排出ガイド面(7b)を逆流しにくい。
オイル排出ガイド面(7b)は、図11(B)に示す第2変形例のように、前側から見て、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に向かう下り傾斜の接線を有するサイクロイド曲線の湾曲面で構成されているものであってもよい。
この場合、分離されたオイル(18)がスムーズに排出される。
その理由は、オイル排出ガイド面(7b)の下り湾曲面の表面には、下り湾曲面を流れ落ちるオイル(18)で切れ間のない油膜が形成され、後続のオイル(18)が油膜の表面を最短距離でスムーズに滑り落ちるためと推定される。
オイル排出ガイド面(7b)は、図11(C)(D)に示す第3変形例のように、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に向かう下窄まりの漏斗状湾曲面となっているものであってもよい。
この場合、エンジンがどの方向に傾斜しても、分離されたオイル(18)が下り傾斜状のオイル排出ガイド面(7b)をスムーズに流れ落ちる利点がある。
オイル排出パイプ(16)は、図10(A)(C)に示す基本例では、内周面が凹凸のない円柱周面形状とされている。
オイル排出パイプ(16)は、図12(A)(B)に示す第1変形例のように、円柱周面形状の内周面に軸長方向に沿う流下オイル案内溝(16b)を備えているものであってもよい。流下オイル案内溝(16b)は周方向に所定間隔を保持して、複数本形成する。
この場合、オイル排出パイプ(16)を流下するオイル(18)が流下オイル案内溝(16b)で鉛直下向きに案内され、オイル排出パイプ(16)からスムーズに排出される。
図3に示すように、ブローバイガス出口(6)を備えた出口側オイル分離室(6a)とオイル排出ガイド室(7)との間は隔壁(39)で区画され、これらは横一側の連通口(40)で相互に連通し、出口側オイル分離室(6a)ではブローバイガス(11)に含まれるオイルミストを室壁で凝縮させて、ブローバイガス(11)のオイル分離を行う。
出口側オイル分離室(6a)は横方向に長く形成されている。出口側オイル分離室(6a)とオイル排出ガイド室(7)との間を区画する第3の隔壁(39)は、横方向に長く形成され、ブリーザ室(4)の底壁(4a)と一体成型で、底壁(4a)から上向きに突設されている。
図2に示すように、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)は、第2の隔壁(12)でブローバイガス迂回通路(10)と区画され、第2の隔壁(12)のオイル排出パイプ(16)寄りに設けられた迂回通路出口(10c)でブローバイガス迂回通路(10)と連通されている。
また、図2に示すように、ブローバイガス通過室(8)は、第3の隔壁(39)で出口側オイル分離室(6a)と区画され、図7に示すように、第3の隔壁(39)の上縁(39a)とシリンダヘッドカバー(2)の天井壁(2a)との隙間(39b)で出口側オイル分離室(6a)と連通されている。隙間(39b)の上下幅はブローバイガス出口(6)から離れた側が近い側よりも広く形成されている。
図2に示すように、迂回通路出口(10c)から流出したブローバイガス(11)は、ブローバイガス通過室(8)を通過して、出口側オイル分離室(6a)に流入する。
ブリーザ室(4)の内面、ブリーザ室(4)の底壁(4a)の上面、溝(14)の内周面、パイプ(15)の内周面、オイル排出ガイド室(7)の内面、オイル排出ガイド面(7b)、オイル排出パイプ(16)の内周面の全部または一部には、次のような表面処理を行うことができる。
フッ素樹脂等の撥油層を設ける。この場合、分離されたオイル(18)が撥油層の表面を速やかに通過し、オイル(18)が速やかに排出される。
シボ加工を行う。この場合、加工面のオイル保持性が高まり、加工面を流れるオイル(18)で切れ間のない油膜が形成され、後続のオイル(18)が油膜の表面をスムーズに通過し、分離オイル(18)が速やかに排出される。
シボ(38)は、図13 (A)に示す基本例では、クロスハッチング溝が用いられている。シボ(38)は、図13(B)に示す第1変形例のような亀甲溝、図13(C)に示す第2変形例のようなオイル排出ガイド面(7b)の傾斜に沿う平行溝であってもよい。
(1)…シリンダヘッド、(2)…シリンダヘッドカバー、(4)…ブリーザ室、(6)…ブローバイガス出口、(7)…オイル排出ガイド室、(8)…ブローバイガス通過室、(16)…オイル排出パイプ、(16a)…パイプ出口、(16c)…パイプ入口、(17)…オイル溜め、(18)…オイル、(19)…オイルミスト凝縮室、(20)…下層棚板、(20a)…凝縮通路入口、(20b)…入口側オイル受け板、(20c)…シール部、(21)…上層棚板、(21a)…凝縮通路出口、(21b)…出口側オイル受け板、(21c)…シール部、(22)…オイルミスト凝縮通路。

Claims (15)

  1. シリンダヘッド(1)と、シリンダヘッド(1)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(2)と、シリンダヘッドカバー(2)内に配置されたブリーザ室(4)を備え、
    ブリーザ室(4)は、オイル排出ガイド室(7)と、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)と、オイル排出ガイド室(7)から下方に導出されたオイル排出パイプ(16)を備え、
    シリンダヘッド(1)は、オイル溜め(17)を備え、オイル溜め(17)に溜められたオイル(18)にオイル排出パイプ(16)のパイプ出口(16a)が浸漬されている、エンジンにおいて、
    ブローバイガス通過室(8)はオイルミスト凝縮室(19)を備え、
    オイルミスト凝縮室(19)は、逆流によりオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)から吹き上がったオイル(18)を受け止める下層棚板(20)と、下層棚板(20)の上方に配置された上層棚板(21)と、下層棚板(20)と上層棚板(21)の間に設けられたオイルミスト凝縮通路(22)を備え、オイル排出ガイド室(7)はオイルミスト凝縮通路(22)を介してブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)と連通し、
    下層棚板(20)と上層棚板(21)は、その周縁部を湾曲させたシール部(20c)(21c)を備え、これらシール部(20c)(21c)がその弾性力でブローバイガス通過室(8)の周壁に圧接されている、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    下層棚板(20)と上層棚板(21)は、共通部品とされ、長手方向の向きを逆にしてブローバイガス通過室(8)に組み付けられている、ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたエンジンにおいて、
    シリンダヘッドカバー(2)の長手方向を前後方向として、ブリーザ室(4)は、前後方向一端側にブローバイガス入口(5)を、前後方向他端側にブローバイガス出口(6)を、前後方向中間位置にオイル排出ガイド室(7)とブローバイガス通過室(8)をそれぞれ備え、シリンダヘッドカバー(2)はロッカアーム(3)を覆い、
    ブローバイガス入口(5)は、ブリーザ室(4)の底壁(4a)に開口され、オイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)は、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)とブローバイガス入口(5)の間に向けて、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から下向きに突設されている、ことを特徴とするエンジン。
  4. シリンダヘッド(1)と、シリンダヘッド(1)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(2)と、シリンダヘッドカバー(2)内に配置されたブリーザ室(4)を備え、
    ブリーザ室(4)は、オイル排出ガイド室(7)と、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)と、オイル排出ガイド室(7)から下方に導出されたオイル排出パイプ(16)を備え、
    シリンダヘッド(1)は、オイル溜め(17)を備え、オイル溜め(17)に溜められたオイル(18)にオイル排出パイプ(16)のパイプ出口(16a)が浸漬されている、エンジンにおいて、
    ブローバイガス通過室(8)はオイルミスト凝縮室(19)を備え、
    オイルミスト凝縮室(19)は、逆流によりオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)から吹き上がったオイル(18)を受け止める下層棚板(20)と、下層棚板(20)の上方に配置された上層棚板(21)と、下層棚板(20)と上層棚板(21)の間に設けられたオイルミスト凝縮通路(22)を備え、オイル排出ガイド室(7)はオイルミスト凝縮通路(22)を介してブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)と連通し、
    下層棚板(20)と上層棚板(21)は、共通部品とされ、長手方向の向きを逆にしてブローバイガス通過室(8)に組み付けられている、ことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項4に記載されたエンジンにおいて、
    シリンダヘッドカバー(2)の長手方向を前後方向として、ブリーザ室(4)は、前後方向一端側にブローバイガス入口(5)を、前後方向他端側にブローバイガス出口(6)を、前後方向中間位置にオイル排出ガイド室(7)とブローバイガス通過室(8)をそれぞれ備え、シリンダヘッドカバー(2)はロッカアーム(3)を覆い、
    ブローバイガス入口(5)は、ブリーザ室(4)の底壁(4a)に開口され、オイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)は、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)とブローバイガス入口(5)の間に向けて、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から下向きに突設されている、ことを特徴とするエンジン。
  6. シリンダヘッド(1)と、シリンダヘッド(1)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(2)と、シリンダヘッドカバー(2)内に配置されたブリーザ室(4)を備え、
    ブリーザ室(4)は、オイル排出ガイド室(7)と、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)と、オイル排出ガイド室(7)から下方に導出されたオイル排出パイプ(16)を備え、
    シリンダヘッド(1)は、オイル溜め(17)を備え、オイル溜め(17)に溜められたオイル(18)にオイル排出パイプ(16)のパイプ出口(16a)が浸漬されている、エンジンにおいて、
    ブローバイガス通過室(8)はオイルミスト凝縮室(19)を備え、
    オイルミスト凝縮室(19)は、逆流によりオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)から吹き上がったオイル(18)を受け止める下層棚板(20)と、下層棚板(20)の上方に配置された上層棚板(21)と、下層棚板(20)と上層棚板(21)の間に設けられたオイルミスト凝縮通路(22)を備え、オイル排出ガイド室(7)はオイルミスト凝縮通路(22)を介してブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)と連通し、
    シリンダヘッドカバー(2)の長手方向を前後方向として、ブリーザ室(4)は、前後方向一端側にブローバイガス入口(5)を、前後方向他端側にブローバイガス出口(6)を、前後方向中間位置にオイル排出ガイド室(7)とブローバイガス通過室(8)をそれぞれ備え、シリンダヘッドカバー(2)はロッカアーム(3)を覆い、
    ブローバイガス入口(5)は、ブリーザ室(4)の底壁(4a)に開口され、オイル排出ガイド室(7)の周壁(7a)は、ブローバイガス出口(6)側のロッカアーム(3)とブローバイガス入口(5)の間に向けて、ブリーザ室(4)の底壁(4a)から下向きに突設されている、ことを特徴とするエンジン。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
    オイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)はオイル排出ガイド室(7)の長手方向一端側に配置され、下層棚板(20)の凝縮通路入口(20a)は、下層棚板(20)の長手方向両端部のうちのパイプ入口(16c)から遠い側の端部に設けられ、上層棚板(21)の凝縮通路出口(21a)は、上層棚板(21)の長手方向両端部のうちの凝縮通路入口(20a)から遠い側の端部に設けられ、この凝縮通路入口(20a)と凝縮通路出口(21a)を介してオイル排出ガイド室(7)とオイルミスト凝縮通路(22)と上層棚板(21)の上方空間(8b)は蛇行状に連通している、ことを特徴とするエンジン。
  8. 請求項7に記載されたエンジンにおいて、
    下層棚板(20)の凝縮通路入口(20a)の周縁部のうちのパイプ入口(16c)に近い側の縁部から下向きに入口オイル受け板(20b)が垂設され、上層棚板(21)の凝縮通路出口(21a)の周縁部のうち下層棚板(20)の凝縮通路入口(20a)に近い側の縁部から下向きに出口オイル受け板(21b)が垂設されている、ことを特徴とするエンジン。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
    ブリーザ室(4)は、ブローバイガス入口(5)のある入口側オイル分離室(9)と、ブローバイガス迂回通路(10)を備え、入口側オイル分離室(9)を出たブローバイガス(11)がブローバイガス迂回通路(10)を介してブローバイガス通過室(8)とオイル排出ガイド室(7)に導入されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。
  10. シリンダヘッド(1)と、シリンダヘッド(1)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(2)と、シリンダヘッドカバー(2)内に配置されたブリーザ室(4)を備え、
    ブリーザ室(4)は、オイル排出ガイド室(7)と、オイル排出ガイド室(7)の上方に配置されたブローバイガス通過室(8)と、オイル排出ガイド室(7)から下方に導出されたオイル排出パイプ(16)を備え、
    シリンダヘッド(1)は、オイル溜め(17)を備え、オイル溜め(17)に溜められたオイル(18)にオイル排出パイプ(16)のパイプ出口(16a)が浸漬されている、エンジンにおいて、
    ブローバイガス通過室(8)はオイルミスト凝縮室(19)を備え、
    オイルミスト凝縮室(19)は、逆流によりオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)から吹き上がったオイル(18)を受け止める下層棚板(20)と、下層棚板(20)の上方に配置された上層棚板(21)と、下層棚板(20)と上層棚板(21)の間に設けられたオイルミスト凝縮通路(22)を備え、オイル排出ガイド室(7)はオイルミスト凝縮通路(22)を介してブリーザ室(4)のブローバイガス出口(6)と連通し、
    ブリーザ室(4)は、ブローバイガス入口(5)のある入口側オイル分離室(9)と、ブローバイガス迂回通路(10)を備え、入口側オイル分離室(9)を出たブローバイガス(11)がブローバイガス迂回通路(10)を介してブローバイガス通過室(8)とオイル排出ガイド室(7)に導入されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。
  11. 請求項9または請求項10に記載されたエンジンにおいて、
    ブリーザ室(4)は、ブローバイガス迂回通路(10)とブローバイガス通過室(8)を仕切る隔壁(12)と、分離オイル誘導路(13)を備え、分離オイル誘導路(13)は、始端部(13a)が入口側オイル分離室(9)に配置され、中間部(13b)がブローバイガス迂回通路(10)の始端部(10a)に配置され、終端部(13a)が隔壁(12)の下方をくぐり抜けて、オイル排出ガイド室(7)まで導出されている、ことを特徴とするエンジン。
  12. 請求項11に記載されたエンジンにおいて、
    分離オイル誘導路(13)は溝(14)で構成されている、ことを特徴とするエンジン。
  13. 請求項11に記載されたエンジンにおいて、
    分離オイル誘導路(13)はパイプ(15)で構成されている、ことを特徴とするエンジン。
  14. 請求項11から請求項13のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
    ブリーザ室(4)はオイル排出ガイド室(7)の下部にオイル排出パイプ(16)を備え、オイル排出ガイド室(7)は内周にオイル排出ガイド面(7b)を備え、オイル排出ガイド面(7b)は、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に向けて下り傾斜している、ことを特徴とするエンジン。
  15. 請求項11から請求項13のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
    ブリーザ室(4)はオイル排出ガイド室(7)の下部にオイル排出パイプ(16)を備え、オイル排出ガイド室(7)は内周にオイル排出ガイド面(7b)を備え、オイル排出ガイド面(7b)は、分離オイル誘導路(13)の終端部(13c)からオイル排出パイプ(16)のパイプ入口(16c)に下る階段状のジグザグ面で構成されている、ことを特徴とするエンジン。
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