JP6576136B2 - シャープペンシル - Google Patents
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Description
そこで、本件出願人は筆記芯に加わる筆記圧を利用して、筆記芯を除々に一方向に回転させることができる回転駆動機構を備えたシャープペンシルについて先に提案をしており、これは特許文献1および2などに開示されている。
すなわち、前記回転駆動機構は、筆記動作に伴う筆記芯の後退および前進動作(クッション動作)において、筆記芯を把持するチャックを介して受けて、前記回転カムを一方向に回転させるように作用し、その回転運動を前記チャックに把持された筆記芯に伝達させるように機能する。
この場合、樹脂素材に対するメッキ処理は、口先部材の先端開口部内においてメッキが乗りにくいという問題があり、メッキ面がいわゆる梨地状になされる。このために口先部材の先端開口部内の表面粗さが大きく、スライダーとの間の摺動抵抗がより増大する。
したがって、この種のシャープペンシルにおいては、回転部材としての前記スライダーもしくは回転部材を受ける固定部材としての例えば口先部材における先端開口部内の表面粗さを管理することは、商品の特性上において重要な課題となる。
この場合、好ましい一例として、合成樹脂素材により形成された口先部材はメッキ処理が施されて、口先部材に形成された先端開口部内のメッキ処理面が、十点平均粗さで前記した数値未満となるように管理される。
そして、前記軸筒1の軸心に沿って筒状の芯ケース4が収容されており、この芯ケース4の先端部には短軸の芯ケース継手5が取り付けられ、前記芯ケース継手5を介して真ちゅう製のチャック6が連結されている。
そして、前記スライダー9の内周面における前記したパイプ保持具11の直後には、軸心部分に通孔を形成したゴム製の保持チャック12が装着されている。
そして、前記した回転カム23と芯ケース継手5との間には、コイル状のチャックスプリング13が配置されている。
前記トルクキャンセラー25は、前記回転カム23の後端部に当接し、前記クッション部材24の弾性により、前記回転カム23を軸方向の前方に押し出す作用を与えている。
そして、前記回転駆動機構21は、ホルダー部材22、回転カム23、クッション部材24およびトルクキャンセラー25等を備えてユニット化されており、このユニット化された回転駆動機構21の構成については、図3〜図8に基づいて後で説明する。
そして、筆記動作に伴い筆記芯に筆記圧が加わると、筆記芯およびこれを把持するチャック6ならびに前記回転カム23が僅かに後退して、前記クッション部材24が軸方向に圧縮される。また、筆記芯が筆記面(紙面)から放れた瞬間に、前記クッション部材24の復元作用により回転カム23およびチャック6は僅かに前進する。
この消しゴム受け台31は、全体に長軸状の円筒体を構成し、その前端部付近に円環状のアンダーカット部31aが形成され、このアンダーカット部31aが軸筒1内において嵌合されて固定される。
そして、消しゴム受け台31に形成された当接部31fと、前記した芯ケース4の後端部とは、軸方向に所定の間隔をもって対峙した構成にされている。
この構成によると、筆記に伴う前記したクッション動作によりチャック6および芯ケース4が若干後退しても、芯ケース4の後端部が前記消しゴム受け台の当接部31fに衝突することはなく、前記回転駆動機構21の回転動作に障害を与えるのを避けることができる。
これにより、チャック6が前進してスライダー9を若干前方に押し出す。しかしスライダー9の一部が口先部材3内に当接してその前進が阻まれるため、チャック6の先端部が締め具7から相対的に突出してチャック6による筆記芯の把持状態が解除される。
そして、前記ノック操作を解除することにより、消しゴム受け台31の第2スプリング体31cの作用により、ノックカバー35は後退すると共に、チャックスプリング13の作用によりチャック6および芯ケース4も軸筒内において後退する。
すなわち、ノックカバー35のノック操作の繰り返しによりチャック6が前後に移動し、これにより筆記芯の解除と把持が行われ、筆記芯はチャック6から順次前方に繰り出されるように作用する。
図に示すように、回転駆動機構21の外郭を構成するホルダー部材22は、その中央に円筒部22aが構成され、この円筒部22aの内周面が回転カム23を回転可能に、かつ軸方向に移動可能に支持する機能を果たす。
そして、一対の弾性部材22bにおける円筒部22a側の基端部には、鋸歯状に形成された1つのカム(以下、第1固定カムともいう。)22cがそれぞれ一体に樹脂成形されており、この第1固定カム22cのカムの頂部は、前記弾性部材22bの先端部側に向かって成形されている。
すなわち、前記した第1および第2固定カム22c,22dは軸方向に長い前記弾性部材22bの基端部および先端部において、互いに対向するように成形されている。
このリング部材22fを利用して、ゴム製のクッション部材24が装着されており、このクッション部材24を介して樹脂製のトルクキャンセラー25が取り付けられている。
この実施の形態においてはゴム製のクッション部材24は、前記したリング部材22fとトルクキャンセラー25の間においてエラストマー等のゴム素材を用いて二色成形によりホルダー部材22と一体化されている。
したがって、ホルダー部材22に回転カム23を組み付けるには、ホルダー部材22に形成された一対の弾性部材22b側から、回転カム23の回転軸23cをホルダー部材22の前記円筒部22a内に向かって押し込むことで、一対の弾性部材22bは互いに外側に押し広げられつつ回転軸23cが円筒部22a内に収容される。これにより回転駆動機構21を構成することができる。
したがって、筆記芯は自身が受ける回転運動と筆記による摩耗とにより、先端部が常に円錐形状になされる。それ故、書き進むにしたがって筆記芯が偏摩耗するのを防止させることができ、安定した線幅による筆記が可能となる。
この摺動抵抗は、先に説明したとおり、筆記動作に違和感を与え、これが微妙に書き味の悪さとなって不快感と疲労を招く結果となる。
そこで、合成樹脂を素材として、全体にメッキ処理を施した口先部材3について、その先端開口部内の表面粗さと筆記感(書き味)との関係について、評価した結果を表1に示す。なお、表1に示す口先部材3における先端開口部内の表面粗さは、十点平均粗さ〔JIS/B0601(1994)〕で示しており、測定機器として、三鷹光器株式会社製「非接触三次元測定装置NH3」を利用し、測定ピッチ10μm、先端開口部の両端から内部までの0.5mmを除いた区間を測定した。
なお、前記表1に示す表面粗さの測定結果は、口先部材3の先端開口部の内周面を対象としたものであるが、口先部材3の先端開口部によって回動可能に支持されるスライダー9側における表面粗さについても、同様の範囲を選択することで、同様の作用効果を期待することができる。
冒頭において記載したとおり、表面全体にメッキ処理が施された口先部材3によると、口先部材3の先端開口部内、特に奥側の開口部内はメッキが乗りにくい。このために先端開口部内の特に奥側のメッキ面の表面粗さが大きくなり、スライダー9との間の摺動抵抗が増大するという問題が生ずる。そこで図9に示す口先部材3は、前記したメッキが乗りにくい部分における摺動抵抗の増加を効果的に抑制させることができる好ましい例を示している。
これにより、スライダー9との間で生ずる摺動抵抗を効果的に低減させることができ、結果としてスライダーの円滑な摺動動作が保証され、筆記時において違和感のない書き味に優れたシャープペンシルを提供することが可能となる。
3 口先部材
3a 第1パート
3b 第2パート
3c 雌ねじ部
4 芯ケース
5 芯ケース継手
6 チャック
7 締め具
9 スライダー
10 先端パイプ
12 保持チャック
13 チャックスプリング
21 回転駆動機構
22 ホルダー部材
22c 第1固定カム
22d 第2固定カム
23 回転カム
23a 上側カム
23b 下側カム
24 クッション部材
25 滑り部材(トルクキャンセラー)
31 消しゴム受け台
31b 第1スプリング体
31c 第2スプリング体
31d 円筒体
33 クリップ支持体
33a クリップ
34 消しゴム
35 ノックカバー
h 先端開口部
Claims (1)
- 筆記芯を軸心部分に収容し、筆記芯を支持して筆記芯と共に回転するスライダーと、前記スライダーを回転可能に受ける開口部を有する口先部材とを備えたシャープペンシルであって、
前記スライダーを受ける開口部の内周面が、JIS/B0601(1994)に規定する十点平均粗さで、5.5μm未満になされ、
前記スライダーを回転可能に受ける開口部は、軸筒に取り付けられた口先部材の先端開口部であり、前記先端開口部の内周面には、メッキ処理が施され、
前記先端開口部の内周面は、軸方向に沿って同一内径になされた前端部側の第1パートと、前端部側の第1パートに続いて後端部側の内径が除々に拡大するテーパー状の第2パートとにより構成されていることを特徴とするシャープペンシル。
Priority Applications (1)
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JP2015142317A JP6576136B2 (ja) | 2015-07-16 | 2015-07-16 | シャープペンシル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015142317A JP6576136B2 (ja) | 2015-07-16 | 2015-07-16 | シャープペンシル |
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JP2017024197A JP2017024197A (ja) | 2017-02-02 |
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Family Applications (1)
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- 2015-07-16 JP JP2015142317A patent/JP6576136B2/ja active Active
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