JP6575007B1 - 高アセタールスポンジシート成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に使用し得る高アセタールスポンジシートは、連続孔からなる多孔質構造を有する高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートである。高アセタールスポンジシートの気孔率は、85体積%以上であることが好ましく、より好ましくは90体積%以上である。気孔率が上記の範囲であれば、マスクなどの人間の肌に触れる製品に加工した際に十分な通気性を確保できる。高アセタールスポンジシートの気孔率は、成形後の高アセタールスポンジシート成形体の通気性を確保する観点から93体積%以下であることが好ましい。気孔率が93体積%以下であれば、気孔の幹がスポンジの骨格を維持するのに十分な太さを有するため高アセタールスポンジシートを熱水から引き揚げた際にスポンジの骨格が潰れにくい。気孔率は、高アセタールスポンジシートの見掛け密度と、高アセタールスポンジシートを構成する樹脂の真密度(比重)とから算出される値である。具体的には、気孔率(体積%)は、高アセタールスポンジシートの見掛け密度がA(g/cm3)、樹脂の真密度がB(g/cm3)の場合、次式により算出される。
気孔率(体積%)=(1−A/B)×100
本発明に係る高アセタールスポンジシート成形体の製造方法に使用し得る熱溶媒は、高アセタールスポンジシートに浸透し、高アセタールスポンジシートを軟化させることができる。熱溶媒として好ましくは、熱水である。熱水であれば、高アセタールスポンジシートに浸透し易く、高アセタールスポンジシートの軟化温度以上の沸点を有するため成形中に揮発して失われにくい。熱水の温度として好ましくは80℃以上であり、より好ましくは95℃以上であり、特に好ましくは、熱水が高温水蒸気となる100℃以上である。熱水の温度は高いほど作業時間を確保しやすく、不良品が発生する割合(不良率)を下げることができるため好ましい。上記の温度範囲であれば作業時間を確保できるため変形不良を抑制できる。熱溶媒は、単独で使用してもよく、二種類以上の溶媒を混合して使用してもよい。
本発明において、熱溶媒により軟化させた高アセタールスポンジシートを型成形する工程は、加熱した溶媒により軟化させた高アセタールスポンジシートを型に押し付けて成形する工程である。
軟化温度とは、溶媒を含んだ高アセタールスポンジシートが温度上昇により軟化し、変形を始めるときの温度である。
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
熱水で軟化させた高アセタールスポンジシートをプレス成形して顔マスクを作製した。
高アセタールスポンジシートとしては、気孔率90%、平均孔径130μm、厚さ2mm(乾燥状態)の市販のPVFMスポンジシート(アイオン株式会社製、ベルクリンE−2)をさらにアセタール化処理したものを使用した。具体的には、60℃の熱水に硫酸とホルムアルデヒドを溶解した水溶液にPVFMスポンジシートを浸漬し、アセタール化度73モル%の高アセタールスポンジシートを作製した。
得られた高アセタールスポンジシートを80℃の熱水に浸漬し、軟化させた。
高アセタールスポンジシートを浸漬する熱水の温度を95℃とした以外は実施例1と同様にして顔マスクを作製した。得られた顔マスクは、緻密な表面を有し、原料である高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。95℃の熱水で軟化させた高アセタールスポンジシートは、80℃熱水を使用した場合に比べて伸びがよく、成形時の破損、皺の発生が顕著に抑えられた。不良率は5%(N数=50)であった。
高アセタールスポンジシートとして、2枚の高アセタールスポンジシートを積層させた積層体を使用して顔マスクを作製した。
PVFMスポンジシートとしては、気孔率90%、平均孔径130μm、厚さ2mm(乾燥状態)のPVFMスポンジシート(アイオン株式会社製、型番ベルクリンE−2)と、気孔率90%、平均孔径60μm、厚さ2mm(乾燥状態)のPVFMスポンジシート(アイオン株式会社製、型番ベルクリンD−2)を使用した。
これらを60℃の熱水に硫酸とホルムアルデヒドを溶解した水溶液に浸漬し、アセタール化度73モル%の高アセタールスポンジシートを作製した。
平均孔径130μmのPVFMスポンジシートから作製した高アセタールスポンジシートの上に平均孔径60μmのPVFMスポンジシートから作製した高アセタールスポンジシートを積層させて顔マスク成形用の凸型と凹型との間に挟み込み成形した。成形が完了後、40℃まで放冷し、型から顔マスクの形に成形された高アセタールスポンジシート成形体を取り外した。得られた顔マスク(図2)は、緻密な表面を有し、高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。不良率は、50%(N数=50)であった。
高アセタールスポンジシートを浸漬する熱水の温度を95℃とした以外は実施例3と同様にして顔マスクを作製した。得られた顔マスクは、緻密な表面を有し、原料である高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。実施例2の場合と同様に、95℃の熱水で軟化させた高アセタールスポンジシートは、80℃熱水を使用した場合に比べて伸びがよく、成形時の破損、皺の発生が顕著に抑えられた。不良率は20%(N数=50)であった。
二枚の高アセタールスポンジシートの間に綿布を挟み込んだ積層体を顔マスク成形用の凸型と凹型との間に挟み込み成形した以外は実施例3と同様にして顔マスクを作製した。得られた顔マスクは、緻密な表面を有し、原料である高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。不良率は50%(N=10)であった。
胸パッド成形用の凸型と凹型を使用した以外は実施例1と同様にして胸パッドを作製した(図3)。得られた胸パッドは、緻密な表面を有し、高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。
蒸篭型の蒸し器の上に載せた胸パッド成形用の凸型に高アセタールスポンジシートを被せ、蒸気により高アセタールスポンジシートを蒸した。軟化した高アセタールスポンジシートが密着した胸パッド成形用の型を蒸し器から外して放冷し、胸パッドを作製した。得られた胸パッドは、緻密な表面を有し、高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。
鼻の穴に挿入するタイプのマスク(鼻マスク)成形用の凸型と凹型を使用した以外は実施例1と同様にして鼻マスクを作製した(図4)。得られた鼻マスクは、緻密な表面を有し、高アセタールスポンジシートの通気性、吸水性を有していた。
高アセタールスポンジシートを熱水に浸漬せず、乾燥状態のまま温風ヒーターで加熱した。高アセタールスポンジシートは軟化せず、顔マスクに成形することはできなかった。
熱水の代わりに常温の水に高アセタールスポンジシートを浸漬した。高アセタールスポンジシートは軟化せず、型を使用して顔マスクに成形することはできなかった。
Claims (8)
- 熱水又は高温水蒸気により軟化させた高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートを型成形する工程を含むことを特徴とする高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記熱水又は高温水蒸気が、80℃以上100℃以下の熱水、又は100℃以上の高温水蒸気である請求項1に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートが、気孔率85体積%以上の連続気孔体である請求項1又は2に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートのアセタール化度が、68モル%以上75モル%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートが、少なくとも2枚の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートを積層させた積層体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記積層体が二枚の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートの間に高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート以上の引張強度を有するシートを備える請求項5に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記型成形する工程が、前記熱水又は高温水蒸気により軟化させた前記高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートを凸型(雄型)と凹型(雌型)との間に挟み、成形が完了するまで軟化温度以上に保持するステップを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
- 前記型成形する工程の後、前記高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシートを型にはめた状態で軟化温度より低い温度まで冷却する工程をさらに有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の高アセタール化されたポリビニルホマールスポンジシート成形体の製造方法。
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