JP6587457B2 - 真空成形用繊維基材シート及び繊維基材成形体の製造方法 - Google Patents

真空成形用繊維基材シート及び繊維基材成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空成形用繊維基材シート及び繊維基材成形体の製造方法に関する。
車両、航空機等の内装部品、携帯電話,モバイル機器,家電製品の筐体、建材、家具等の外装部材として、スエード調や銀付皮革調の人工皮革を用いることが提案されている。
例えば、下記特許文献1は、加飾インサート成形用プリフォーム成形体を成形するための加飾成形用シートであって、極細繊維の繊維絡合体と繊維絡合体に含浸された架橋された非発泡ポリウレタンとを含む繊維基材を備える加飾成形用シートを開示する。また、得られたプリフォーム成形体を用いてインサート成形する場合に、繊維基材に直接溶融樹脂が接したときの熱や圧力の影響を緩和するために、繊維基材の裏面にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ABS系樹脂からなる群から選ばれる樹脂を含むフィルムを積層した構成体を開示する。
また、下記特許文献2は、通気性のある不織布では従来不可能であった、真空成形が可能であり、高伸度、低応力とすることで成形性に優れる、ポリエステル繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとからなる複合シート、及び、このような複合シートを、真空成形、圧空成形又は真空圧空成形で一体加工して成形体を得ることを開示する。
特開2013−132783号公報 特開2011−20402号公報
本発明者らは、車両、航空機等の内装部品、携帯電話,モバイル機器,家電製品の筐体、建材、家具等の外装部材として、賦形された形状を正確に維持できる人工皮革を含む繊維基材成形体を真空成形により製造することを試みた。そして、特許文献1に開示されたように繊維基材の裏面に樹脂シートを接着することにより、賦形後の形状を形崩れさせず正確に維持できる人工皮革を含む繊維基材成形体を提供できると考えた。
しかしながら、このような繊維基材の裏面に樹脂シートを接着した人工皮革を含む繊維基材シートを用いて通常の真空成形または真空圧空成形のような気圧差を利用してシート材を成形する成形法(以下、これらをまとめて単に真空成形とも称する)を用いて成形した場合、次のような課題に直面した。図11を参照すれば、真空成形工程において、表面樹脂層2を備えた繊維基材層1の裏面に樹脂シート104を接着した繊維基材シートを加熱して軟化させ、気密状態を保持させて樹脂シート104側から空気を吸引して真空引きした場合、樹脂シート104を接着している接着層も軟化しているために、樹脂シート104が白矢印方向に吸引されるときに剥離されて剥離sが生じてしまうという問題が生じた。
本発明は、賦形された形状を形崩れさせずに維持できる人工皮革を含む繊維基材成形体を真空成形により製造するためのシート材及びこのようなシート材を用いた人工皮革を含む繊維基材成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、不織布と不織布に含浸付与された高分子弾性体とを含む、主面及び裏面を有する繊維基材層、及び、繊維基材層の主面に積層された真空成形の際の減圧工程において気密を維持する非通気性樹脂層である銀面調樹脂層を含む、銀面調の人工皮革と、繊維基材層の裏面に接着層を介して積層された通気性樹脂層と、を備える真空成形用繊維基材シートである。このような真空成形用繊維基材シートにおいては、真空成形で真空引きされる側に位置する成形体の形崩れを抑制するための樹脂層が通気性を有する。このような通気性樹脂層は空気を逃がすために、繊維基材層から通気性樹脂層が吸引されて剥離することを抑制する。そして、繊維基材層の主面または層内に配置された非通気性樹脂層が気密状態を維持するために真空成形を採用して成形することができる。
通気性樹脂層は、ABS系樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,及びポリブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種を含む開口率5〜80%の孔を有する樹脂フィルムであるために真空成形による賦形性に優れるとともに、得られる繊維基材成形体の形状を形崩れさせずに正確に維持する。
また、通気性樹脂層は、50〜500μmの厚さを有することが、得られる繊維基材成形体に対する充分な補強効果を奏し、また、真空引きによる剥離を充分に抑制できる点から好ましい。
また、通気性樹脂層は、例えば、ドット状または格子状のパターンを有する通気部または非通気部を備えることが、層内に万遍なく通気性を付与できる点から好ましい。
また、人工皮革基材が、繊維基材層の前記主面が立毛処理されている立毛人工皮革であることがスエード調のような立毛した外観を付与できる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、銀面調の人工皮革を含む上述した真空成形用繊維基材シートを、真空成形機の金型の減圧側に通気性樹脂層を対向させるように配置する工程と、減圧処理により真空成形する工程と、を備える繊維基材成形体の製造方法である。このような製造方法によれば、賦形された形状を形崩れさせずに維持できる人工皮革を含む繊維基材成形体を真空成形を用いて製造することができる。
また、本発明の他の一局面は、不織布と不織布に含浸付与された高分子弾性体とを含む、主面及び裏面を有し、且つ、真空成形の際の減圧工程において気密を維持しない通気性を有する繊維基材層を含む人工皮革基材と、繊維基材層の裏面に接着層を介して積層された熱可塑性の通気性樹脂層と、を備える真空成形用繊維基材シートの主面に、真空成形の際の減圧工程において気密を維持する非通気性熱可塑性樹脂シートを載置して積重体を形成する工程と、真空成形により、積重体の非通気性熱可塑性樹脂シートを主面に熱圧着させながら成形中間体を形成する工程と、主面から非通気性熱可塑性樹脂シートを選択的に剥離する工程と、を備える繊維基材成形体の製造方法である。このような製造方法においては、通気性の繊維基材の主面に、通気性のない非通気性熱可塑性樹脂シートを載置して積重体を形成することにより、真空成形において要求される気密性を確保することができる。そして、真空成形後に、主面から熱圧着された非通気性熱可塑性樹脂シートを選択的に剥離することにより、賦形された形状を形崩れさせずに維持できる人工皮革を含む繊維基材成形体を得ることができる。
また、熱圧着された非通気性熱可塑性樹脂シートは易剥離性を有することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂シートは、繊維基材層を形成する繊維のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する非晶性樹脂シートであることが、賦形性に優れるとともに、剥離性にも優れる点から好ましい。非晶性樹脂シートとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂シートを好ましい例として挙げることができる。
本発明によれば、真空成形を利用して、賦形された形状を形崩れさせずに維持できる人工皮革を含む繊維基材成形体を製造することができる。
図1は、第1実施形態の真空成形用繊維基材シートの一例の繊維基材シート10の模式断面図を示す。 図2は、第1実施形態の真空成形用繊維基材シートの他の一例の繊維基材シート20の模式断面図を示す。 図3は繊維基材シート10の通気性樹脂層4の一例の上面模式図を示す。 図4は繊維基材シート10の通気性樹脂層4他の一例の上面模式図を示す。 図5は繊維基材シート10を用いた真空成形の各工程を説明する説明図を示す。 図6は繊維基材成形体7の模式断面図を示す。 図7は、第2実施形態の真空成形用繊維基材シートの一例の繊維基材シート30の模式断面図を示す。 図8は繊維基材シート30を用いた真空成形の各工程を説明する説明図を示す。 図9は、第3実施形態の真空成形用繊維基材シートの一例の繊維基材シート40の模式断面図を示す。 図10は繊維基材シート40を用いた真空成形の各工程を説明する説明図を示す。 図11は従来の真空成形を用いて繊維基材成形体107を成形するときの問題点を説明するための断面模式図を示す。
[第1実施形態]
第1実施形態の真空成形用繊維基材シートは、主面及び裏面を有する繊維基材層と、繊維基材層の主面または層内に積層された非通気性樹脂層と、繊維基材層の裏面に積層された通気性樹脂層と、を備える。以下に、その具体例を説明する。
図1は、第1実施形態の真空成形用繊維基材シートの一例の繊維基材シート10の模式断面図を示す。図2は、第1実施形態の真空成形用繊維基材シートの他の一例の繊維基材シート20の模式断面図を示す。
図1中、1は繊維基材層、2は銀面調の表面樹脂層、4aは接着層、4bは通気性を有する樹脂シートであり、4a及び4bが通気性樹脂層4を形成している。繊維基材層1の主面には銀面調の表面樹脂層2が積層され、銀面調の人工皮革5を形成している。また、繊維基材層1の裏面には通気性樹脂層4が積層されている。表面樹脂層2は通気性を有しない非通気性樹脂層である。また、通気性樹脂層4は、真空成形後に得られる繊維基材成形体の賦形された形状を形崩れしないように正確に維持させる。また、通気性樹脂層4は複数の孔4c(通気部)から真空成形の際の減圧工程において図中の白抜矢印で示すように空気を通過させる作用をする。
図1に示したような銀面調の表面樹脂層2を備える銀面調の人工皮革5を用いた場合には、表面樹脂層2が真空成形時のエアリークを防ぐ層になる。一方、表面樹脂層を設けないスエード調のような人工皮革を用いるような場合には、繊維基材のみではエアリークを防ぐことができず、真空成形することができない。このような場合、図2に示したような繊維基材層11a、11bに非通気性樹脂層12を介在させた繊維基材シート20を用いることにより、真空成形時のエアリークを防ぐことができる。
図2中、11a及び11bは繊維基材、12は繊維基材層11a及び11bに介在する非通気性樹脂層、4aは接着層、4bは通気性を有する樹脂シートである。繊維基材層11a,11b及び非通気性樹脂層12は、主面に起毛処理が施されてスエード調の人工皮革15を形成している。また、通気性樹脂層4は、真空成形後に得られる繊維基材成形体の賦形された形状を形崩れしないように正確に維持させる。また、通気性樹脂層4は複数の孔4c(通気部)から真空成形の際の減圧工程において空気を逃がす作用をする。スエード調の人工皮革15における、非通気性樹脂層12を介在させた繊維基材は、例えば、不織布の一面に接着剤により非通気性樹脂層を形成する樹脂シートを貼りあわせ、その樹脂シートの他の面に不織布を貼りあわせることにより得ることができる。
図3は通気性樹脂層4の上面模式図である。図3においては、樹脂シートに通気部として複数の孔4cをドット状に形成させた通気性樹脂シートを用いた形態である。このような形態の代わりに、図4に示すように、繊維基材層1の裏面にグラビア印刷により熱可塑性樹脂をドット状に印刷して不連続に形成した通気性樹脂層14のような態様で通気性樹脂層を形成することもできる。通気部または非通気部の形状のパターンは特に限定されないが、ドット状の他、格子状等、万遍なく空気を逃がすようなパターンが特に好ましい。
次に、上述した銀面調の人工皮革を表面に備えた繊維基材シート10を用いて、真空成形により銀面調の人工皮革を表面に備えた繊維基材成形体7を製造する工程について図5を参照して説明する。
図5(a)に示すように、繊維基材成形体7を製造する工程においては、はじめに、ヒーターHで繊維基材シート10を加熱して軟化させる。ヒーターによる加熱は、次工程において、通気性樹脂層4が成形型M1に対向するような方向に配置しておく。また、加熱温度は、繊維基材シート10を真空成形機Mの成形型M1に沿った形に変形させうるような温度であって、完全溶融させないような温度であれば特に限定されない。
そして、ヒーターHで加熱されて軟化された繊維基材シート10は、真空成形の次工程に送られて、図5(b)に示すように、真空成形機Mの成形型M1を覆うように配置される。このとき、熱可塑性の通気性樹脂層4を成形型M1に対向するように軟化された繊維基材シート10を配置する。
そして、図5(c)に示すように、吸排気孔hから図略の真空ポンプで軟化された繊維基材シート10と成形型M1との間の空気を排気しながら、軟化された繊維基材シート10を成形型M1に大気圧で密着させる。このとき、通気性樹脂層4は複数の孔4cから空気を逃がすために、吸排気孔hからの空気の吸引によっても通気性樹脂層4が強く引っ張られることがなく、非通気性樹脂層である表面樹脂層2が強く吸引される。このように通気性樹脂層4の孔4cから空気が逃げることにより、通気性樹脂層4が強く引っ張られることなく軟化した繊維基材シート10を成形型M1に密着させるために、加熱により接着層4aが軟化したとしても、繊維基材層1と通気性樹脂層4とが剥離することが抑制される。
そして、賦形された繊維基材シート10を冷却して固化させた後、図5(d)に示すように、吸排気孔hから空気を供給することによって、成形型M1から成形中間体6を離型する。そして、図5(e)に示すように、成形中間体6をトリミングして不要部分6a,6bを除去する。このようにして、図5(f)に示すように、表面に銀面調の人工皮革を備えた、繊維基材成形体7が得られる。
図6に繊維基材成形体7の模式断面図を示す。図7に示すように、繊維基材成形体7の裏面には、形状を形崩れさせずに維持させるための通気性樹脂層4に由来する補強樹脂層3が形成される。補強樹脂層3は、軟化された通気性樹脂層4が成形型M1に圧し付けられて延び広がることにより、孔4cの径が小さくなったり、孔4cが圧し潰されたりして通気性を失っていてもよい。そして、このような真空成形後に形成される通気性樹脂層4に由来する補強樹脂層3は、得られる繊維基材成形体7の形状を正確に維持するための補強層として機能する。
以上、銀面調の人工皮革を表面に備えた繊維基材シート10を用いて繊維基材成形体7を製造する工程について説明した。なお、銀面調の表面樹脂層2を備える繊維基材シート10の代わりに、図2に示すような主面が起毛処理されたスエード調の繊維基材シート20を用いても、同様の製造工程を経ることにより、スエード調の人工皮革を表面に備えた繊維基材シートを製造することができる。このとき、通気性樹脂層4は複数の孔4cを有するために、吸排気孔hからの空気の吸引によっても通気性樹脂層4が直接吸引されることはなく、繊維基材層11a及び11bに介在する非通気性樹脂層12が吸引される。また、上述した製造方法は狭義の真空成形を用いた場合の各工程の概略であるが、真空圧空成形においても、大気圧で密着させる代わりに大気圧以上の空気を上面から供給して軟化された繊維基材シートを成形型M1に密着させる点以外は実質的に同様の工程を用いることができる。
次に、第1実施形態の真空成形用繊維基材シートについてさらに詳しく説明する。
第1実施形態の真空成形用繊維基材シートは、主面及び裏面を有する繊維基材層と、繊維基材層の主面または層内に積層された非通気性樹脂層と、繊維基材層の裏面に積層された熱可塑性の通気性樹脂層と、を備える。
繊維基材層を形成するための繊維基材としては、熱可塑性または熱軟化性を有する、不織布,織物,編物等の繊維構造体であれば特に限定なく用いられる。真空成形による熱賦形性を考慮すれば、熱可塑性樹脂の不織布、とくには延伸性の点から極細繊維の不織布が好ましい。本実施形態においては、特に好ましい形態である極細繊維の不織布について代表例として詳しく説明する。
不織布を形成する極細繊維は、1dtex以下、さらには0.01〜0.8dtex、とくには0.05〜0.5dtex、ことには0.07〜0.1dtexの繊度を有するような極細繊維であることが好ましい。極細繊維の繊度が高すぎる場合には、加熱による軟化時の延伸性が低下して、真空成形における賦形性が低下する傾向がある。また、繊度が低すぎる場合には不織布の工業的な生産性が低下する傾向がある。
不織布の見掛け密度は特に限定されないが、0.45〜0.70g/cm3、とくには0.50〜0.65g/cm3であることが好ましい。不織布が、このように高い見掛け密度を有する場合には、得られた繊維基材成形体に繊維ムラが出にくくなる点から好ましい。
不織布を形成する極細繊維は、海島型複合繊維のような極細繊維形成型繊維を経て形成されるような、複数本の極細単繊維が集束してなる繊維束として存在することが好ましい。具体的には、例えば、5〜1000本、さらには5〜200本、特に好ましくは10〜50本、最も好ましくは10〜30本の極細繊維が繊維束として存在していることが好ましい。このように極細繊維が繊維束を形成して存在することにより、不織布の見掛け密度を高めることができる。
熱可塑性の極細繊維を形成する樹脂成分の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの結晶性エラストマーが挙げられる。これらの中では、ガラス転移温度(Tg)が100〜130℃、さらには105〜120℃であるような変性PETが賦形性に優れる点から好ましい。Tgが高すぎる場合には、繊維の延伸性が低下して賦形性が低下する傾向があり、Tgが低すぎる場合には、軟化しすぎて固化に時間がかかる傾向がある。なお、Tgが100〜130℃の変性PETとしては、芳香族PETの構成単位に直鎖の構造を乱す共重合成分を構成単位として含有する変性PET、特に、イソフタル酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の非対称型芳香族カルボン酸や、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合成分として所定割合で含有する変性PETが挙げられる。さらに具体的には、モノマー成分としてイソフタル酸単位を2〜12モル%含有する変性PETが好ましい。なお、Tgは、例えば、動的粘弾性測定装置(例えば、レオロジ社製FTレオスペクトラDDVIV)を用いて、幅5mm、長さ30mmの試験片を間隔20mmのチャック間に固定して、測定領域30〜250℃、昇温速度3℃/min、歪み5μm/20mm、測定周波数10Hzの条件で動的粘弾性挙動を測定することにより得られる。
また、極細繊維の繊維長は特に限定されないが、長繊維であることが見掛け密度を高めやすい点からとくに好ましい。ここで、長繊維とは、所定の長さで切断処理された短繊維ではないことを意味する。長繊維の長さとしては、100mm以上、さらには、200mm以上であることが、極細繊維の繊維密度を充分に高めることができる点から好ましい。極細繊維が短すぎる場合には、繊維の高密度化が困難になる傾向がある。上限は、特に限定されないが、例えば、連続的に紡糸された数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。また、これらの繊維は単独ではなく数種の繊維が混合されたものでもよい。
また、繊維基材は、極細繊維を含む不織布に含浸付与された高分子弾性体を含有することが好ましい。このような高分子弾性体は繊維基材成形体の形状安定性を向上させる。このような高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アクリルエラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタン、とくには、架橋された非発泡ポリウレタンが好ましい。
架橋された非発泡ポリウレタンは、架橋性のポリウレタンの水系エマルジョンを用いて形成されることが好ましい。架橋性のポリウレタンの水系エマルジョンの具体例としては、例えば、乾燥後に架橋構造を形成する、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンの水系エマルジョンが挙げられる。
不織布中の高分子弾性体の含有割合は不織布との合計量に対して5〜40質量%、さらには、8〜35質量%、とくには12〜30質量%の範囲であることが賦形性に優れる点から好ましい。
繊維基材の厚さは特に限定されないが、200〜1000μm、とくには300〜700μm程度であることが好ましい。不織布が薄すぎる場合にはクッション性が低下したり、強度が不充分になったりする傾向がある。
このような繊維基材は、表層に銀面調の表面樹脂層を形成することにより銀面調の人工皮革や合成皮革に仕上げられる。また、このような繊維基材は、その表層をそのまま露出させ、バフィング処理等の起毛処理を施すことによりスエード調の人工皮革や合成皮革に仕上げられる。
例えば、銀面調の人工皮革は、不織布を含む繊維基材の表面に銀面調の樹脂層を形成することにより仕上げられる。銀面調の樹脂層を形成する高分子弾性体としては、例えば、ポリウレタン、アクリル系弾性体、シリコーン系弾性体、ジエン系弾性体、ニトリル系弾性体、フッ素系弾性体、ポリスチレン系弾性体、ポリオレフィン系弾性体、ポリアミド系弾性体、ハロゲン系弾性体等が挙げられる。
また、起毛調の人工皮革は、不織布を含む繊維基材の表面をサンドペーパーなどを用いてバッフィング処理して起毛処理または立毛処理することにより、スエード調、ヌバック調、ベロア調、バックスキン調の外観を有するように仕上げられる。
次に、繊維基材層の裏面に積層される通気性樹脂層について説明する。通気性樹脂層は得られる繊維基材成形体の形状を形崩れさせずに正確に維持させるための補強層として作用する樹脂層であり、また、真空成形に際しては通気性を確保する層である。
通気性樹脂層は、繊維基材層の裏面に、多数の通気部(孔)を有する樹脂シート接着したり、不織布等の繊維構造体を接着したり、グラビア印刷等の方法により不連続な樹脂層を形成することにより積層される。
通気性樹脂層を形成する樹脂としては、真空成形の際に賦形できる程度に軟化し、また、得られる繊維基材成形体の形崩れを抑制できる程度の剛性を有する樹脂が好ましく用いられる。このような樹脂の具体例としては、例えば、ABS系樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,及びポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、樹脂シートの面内の孔の開口率としては、5〜80%、さらには10〜50%であることが好ましい。開口率が高すぎる場合には真空成形後に形成される補強層の形状安定性が低下する傾向がある。また、開口率が低すぎる場合には、空気抜けがわるくなる傾向がある。
樹脂シートを接着することにより通気性樹脂層を形成する方法としては、繊維基材層の裏面に接着剤を塗布して接着層を形成し、形成された接着層に多数の孔を有する樹脂シートを積層し、プレスするような方法が挙げられる。樹脂シートの厚さとしては、50〜500μm、さらには50〜350μm、とくには100〜300μmの厚さを有することが好ましい。樹脂シートが薄すぎる場合には真空成形後に形成される補強層の形状安定性が低下する傾向がある。また、樹脂シートが厚すぎる場合には、得られる繊維基材成形体のしなやかさが低下する傾向がある。
また、不織布等の繊維構造体の接着により通気性樹脂層を形成する方法としては、繊維基材層の裏面に接着剤を塗布して接着層を形成し、形成された接着層に繊維構造体を積層し、プレスするような方法が挙げられる。
樹脂シートや不織布等の繊維構造体を繊維基材層の裏面に接着する接着剤は、特に限定されないが、例えば、2液硬化型接着剤や、熱により延伸可能なホットメルト型接着剤が好ましく用いられる。
さらに、通気性樹脂層をグラビア印刷により形成する方法としては、繊維基材層の裏面にドット状や格子模様の凸部が彫られたグラビアロールを用いて、通気性樹脂層を形成する樹脂を転写して多数の凸状の樹脂部からなる樹脂層を形成する方法が挙げられる。凸状の樹脂部の高さとしては、50〜500μm、さらには50〜350μm、とくには100〜300μmであることが好ましい。樹脂部が低すぎる場合には真空成形後に形成される補強層の形状安定性が低下する傾向がある。また、樹脂部が高すぎる場合には、得られる繊維基材成形体のしなやかさが低下する傾向がある。なお、このような凸状の樹脂部は、好ましくは、成形後に連続層の樹脂層を形成することが、補強効果がより高くなる点から好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態の真空成形用繊維基材シートは、主面及び裏面を有する繊維基材層と、繊維基材層の裏面に積層された熱可塑性の通気性樹脂層と、を備える。以下に、その具体例を説明する。なお、第1実施形態で用いた符号と共通する符号は同様の要素を示している。
図7は、第2実施形態の真空成形用繊維基材シートの一例の繊維基材シート30の模式断面図を示す。図7中、21は繊維基材層、4aは接着層、4bは通気性を有する樹脂シートであり、4a及び4bが通気性樹脂層4を形成している。繊維基材層21の主面は起毛処理が施されてスエード調の人工皮革を形成している。また、繊維基材層21の裏面には通気性樹脂層4が積層されている。また、通気性樹脂層4は、真空成形後に得られる繊維基材成形体の賦形された形状を形崩れしないように正確に維持させる。また、通気性樹脂層4は複数の孔4c(通気部)から真空成形の際の減圧工程において空気を通過させる。
繊維基材シート30は非通気性樹脂層を備えないためにそのままでは真空成形に用いることができない。このような繊維基材シート30を用いて真空成形する場合には、繊維基材シート30の主面に、非通気性熱可塑性樹脂シートを載置して積重体を形成し、このような積重体を成形することにより、真空成形を行うことができる。
次に、上述したスエード調の人工皮革を表面に備えた繊維基材シート30を用いて、真空成形により繊維基材成形体17を製造する工程について図8を参照して説明する。
図8(a)に示すように、繊維基材成形体17を製造する工程においては、はじめに、繊維基材シート30の主面に、非通気性熱可塑性樹脂シート32を載置して積重体33を形成し、このような積重体33をヒーターHで加熱して軟化させる。ヒーターHによる加熱は、次工程において、通気性樹脂層4が成形型M1に対向するような方向に配置しておく。また、加熱温度は、積重体33を真空成形機Mの成形型M1に沿った形に変形させうるような温度であって、完全溶融させないような温度であれば特に限定されない。
そして、ヒーターHで加熱されて軟化された積重体33は、真空成形の次工程に送られて、図8(b)に示すように、真空成形機Mの成形型M1を覆うように配置される。このとき、熱可塑性の通気性樹脂層4を成形型M1に対向するように軟化された積重体33を配置する。
そして、図8(c)に示すように、吸排気孔hから図略の真空ポンプで軟化された積重体33と成形型M1との間の空気を排気しながら、軟化された積重体33を成形型M1に大気圧で密着させる。このとき、通気性樹脂層4は複数の孔4cから空気を逃がすために、吸排気孔hからの空気の吸引によっても通気性樹脂層4が強く吸引されることがなく、非通気性熱可塑性樹脂シート32が強く吸引される。このように通気性樹脂層4の孔4cから空気が逃げることにより、通気性樹脂層4が強く引っ張られることなく軟化した積重体33を成形型M1に密着させるために、加熱により接着層4aが軟化したとしても、繊維基材層1と通気性樹脂層4とが剥離することが抑制される。
そして、賦形された積重体33を冷却して固化させた後、図8(d)に示すように、吸排気孔hから空気を供給することによって、成形型M1から成形中間体16を離型する。そして、図8(e)に示すように、成形中間体16をトリミングして不要部分16a,16bを除去する。そして、図8(f)に示すように、トリミング後の非通気性熱可塑性樹脂シート32aを剥離することにより、表面にスエード調の人工皮革を備えた繊維基材成形体17が得られる。
非通気性熱可塑性樹脂シートは、真空成形の際に加熱により賦形可能に軟化し、また、ピンホール等のない気密を維持でき、後の工程で選択的に剥離可能なシートまたはフィルムであればとくに限定なく用いられる。非通気性熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂等の非晶性の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等の融点の低い結晶性の熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、(メタ)アクリル系は、メタクリル系またはアクリル系を意味する。これらの中では、(メタ)アクリル系樹脂、とくには、アクリルゴム,ニトリルゴム,イソプレンゴム等のエラストマー成分またはエラストマー単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂が真空成形,圧空成形,または真空圧空成形における賦形性に優れるとともに、剥離性にも優れる点から好ましい。
エラストマー単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂としては、エラストマー単位を共重合したもの(例えば、(株)クラレ製の商品名クラリティ)や、エラストマー成分をアクリル樹脂中に分散させたもの(例えば、住友化学工業(株)製の商品名テクノロイ)等が市販品として入手しうる。
非通気性熱可塑性樹脂シートの厚さとしては、10〜300μm、さらには15〜200μm、とくには30〜100μm程度であることが好ましい。非通気性熱可塑性樹脂シートが厚すぎる場合には賦形性が低下する傾向がある。また、非通気性熱可塑性樹脂シートが薄すぎる場合には、繊維基材から熱可塑性樹脂シートを剥離することが困難になる傾向がある。
非通気性熱可塑性樹脂シートは、繊維基材層の繊維を形成する熱可塑性樹脂よりも軟化しやすいこと、例えば、繊維を形成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する非晶性の熱可塑性樹脂のシートであることが賦形性に優れる点からとくに好ましい。
また、熱可塑性樹脂シートの繊維基材に対向する面は、選択的な剥離性を向上させるために、離型剤等が塗布されて易剥離性処理が施されていてもよい。離型剤の具体例としては、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、ワックス系化合物等の離型剤が特に限定なく用いられる。
また、繊維基材層を形成する繊維と、非通気性熱可塑性樹脂シートとの好ましい組み合わせとしては、ガラス転移温度100〜130℃の変性PETを含む極細繊維の不織布を含む通気性の繊維基材と、通気性のない変性PETよりも5〜30℃、さらには5〜15℃低いガラス転移温度を有する(メタ)アクリル系樹脂との組み合わせが好ましい。
[第3実施形態]
第3実施形態の真空成形用繊維基材シートは、主面及び裏面を有する繊維基材層と、繊維基材層の主面または層内に積層された非通気性樹脂層と、繊維基材層の裏面に積層された樹脂層と、を備え、各層を貫通する開口部を有する。なお、第1〜2実施形態で用いた符号と共通する符号は同様の要素を示している。
図9は、第3実施形態の真空成形用繊維基材シートの一例の繊維基材シート40の模式断面図を示す。図9中、21は繊維基材層、22は銀面調の表面樹脂層、24aは接着層、24bは樹脂シートである。そして、繊維基材シート40は各層を貫通する貫通孔24cを有する。24a及び24bは貫通孔24cにより通気性を保持する。繊維基材層21の主面には銀面調の表面樹脂層22が積層され、銀面調の人工皮革25を形成している。また、繊維基材層21の裏面には貫通孔24cを有する通気性樹脂層24が積層されている。繊維基材シート40は各層を貫通する貫通孔24cにより通気性を有する。また、樹脂シート24bは、真空成形後に得られる繊維基材成形体27の賦形された形状を形崩れしないように正確に維持させる。また、貫通孔24cは真空成形の際の減圧工程において図中の白抜矢印で示すように空気を通過させる作用をする。
繊維基材シート40は各層を貫通する貫通孔24cを有するためにそのままでは真空成形に用いることができない。このような繊維基材シート40を用いて真空成形する場合には、第2実施形態で説明したものと同様に、繊維基材シート40の主面に、非通気性熱可塑性樹脂シートを載置して積重体を形成し、このような積重体を成形することにより、真空成形を行うことができる。
次に、上述した各層を貫通する貫通孔24cを有する。銀面調の繊維基材シート40を用いて、真空成形により繊維基材成形体27を製造する工程について図10を参照して説明する。
図10(a)に示すように、繊維基材成形体27を製造する工程においては、はじめに、貫通孔24cを有する繊維基材シート40の主面に、非通気性熱可塑性樹脂シート32を載置して積重体43を形成し、このような積重体43をヒーターHで加熱して軟化させる。ヒーターHによる加熱は、次工程において、樹脂シート24bが成形型M1に対向するような方向に配置しておく。また、加熱温度は、積重体43を真空成形機Mの成形型M1に沿った形に変形させうるような温度であって、完全溶融させないような温度であれば特に限定されない。
そして、ヒーターHで加熱されて軟化された積重体43は、真空成形の次工程に送られて、図10(b)に示すように、真空成形機Mの成形型M1を覆うように配置される。このとき、樹脂シート24bが成形型M1に対向するように軟化された積重体43を配置する。
そして、図10(c)に示すように、吸排気孔hから図略の真空ポンプで軟化された積重体43と成形型M1との間の空気を排気しながら、軟化された積重体43を成形型M1に大気圧で密着させる。このとき、繊維基材シート40は貫通孔24cから空気を逃がすために、吸排気孔hからの空気の吸引によっても樹脂シート24bが強く吸引されることがなく、非通気性熱可塑性樹脂シート32が強く吸引される。このように貫通孔24cから空気が逃げることにより、樹脂シート24bが強く引っ張られることなく軟化した積重体43を成形型M1に密着させるために、加熱により接着層24aが軟化したとしても、繊維基材層21と樹脂シート24bとが剥離することが抑制される。
そして、賦形された積重体43を冷却して固化させた後、図10(d)に示すように、吸排気孔hから空気を供給することによって、成形型M1から成形中間体26を離型する。そして、図10(e)に示すように、成形中間体26をトリミングして不要部分26a,26bを除去する。このようにして、図10(f)に示すように、トリミング後の通気性熱可塑性樹脂シート32aを剥離することにより、表面にスエード調の人工皮革を備えた繊維基材成形体27が得られる。非通気性熱可塑性樹脂シートは第2実施形態で説明したものと同様のシートが用いられる。
本発明により得られる繊維基材成形体は、車両内装材、携帯端末本体(スマートフォン、タブレットPC)およびそのケース、カバーなどのアクセサリ、電子機器の筐体、化粧品ケースなどの加飾性の成形体として好ましく用いられる。
1,11,21 繊維基材層
2,22 表面樹脂層(非通気性樹脂層)
3 補強樹脂層
4,14,24 通気性樹脂層
4a,24a 接着層
4b,24b 通気性を有する樹脂シート
4c 孔(通気部)
5,25 銀面調の人工皮革
6,16,26 成形中間体
7,17,27 繊維基材成形体
10,20,30,40 繊維基材シート
11a、11b 繊維基材
12 非通気性樹脂層
15 スエード調の人工皮革
104 樹脂シート
24c 貫通孔
32 非通気性熱可塑性樹脂シート
33 積重体
M1 成形型
h 吸排気孔

Claims (11)

  1. 不織布と前記不織布に含浸付与された高分子弾性体とを含む、主面及び裏面を有する繊維基材層、及び、前記繊維基材層の主面に積層された真空成形の際の減圧工程において気密を維持する非通気性樹脂層である銀面樹脂層を含む、銀面調の人工皮革と、
    記繊維基材層の前記裏に接着層を介して積層された通気性樹脂層と、を備え、
    前記通気性樹脂層が、ABS系樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,及びポリブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種を含む開口率5〜80%の孔を有する樹脂フィルムであることを特徴とする真空成形用繊維基材シート。
  2. 前記通気性樹脂層は、50〜500μmの厚さを有する請求項1に記載の真空成形用繊維基材シート。
  3. 前記通気性樹脂層は、ドット状または格子状のパターンを有する通気部または非通気部を備える請求項1または2に記載の真空成形用繊維基材シート。
  4. 不織布と前記不織布に含浸付与された高分子弾性体とを含む、主面及び裏面を有し、且つ、真空成形の際の減圧工程において気密を維持しない通気性を有する繊維基材層を含む人工皮革基材と、
    記繊維基材層の前記裏に接着層を介して積層された通気性樹脂層と、を備え、
    前記通気性樹脂層が、ABS系樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,及びポリブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種を含む開口率5〜80%の孔を有する樹脂フィルムであることを特徴とする真空成形用繊維基材シート。
  5. 前記通気性樹脂層は、50〜500μmの厚さを有する請項4に記載の真空成形用繊維基材シート。
  6. 前記通気性樹脂層は、ドット状または格子状のパターンを有する通気部または非通気部を備える請求項4または5に記載の真空成形用繊維基材シート。
  7. 前記人工皮革基材が、前記繊維基材層の前記主面が立毛処理されている立毛人工皮革である請求項4〜6の何れか1項に記載の真空成形用繊維基材シート。
  8. 求項1〜3の何れか1項に記載の真空成形用繊維基材シートを、真空成形機の金型の減圧側に前記通気性樹脂層を対向させるように配置する工程と、
    減圧処理により真空成形する工程と、を備えることを特徴とする繊維基材成形体の製造方法。
  9. 請求項4〜7の何れか1項に記載の真空成形用繊維基材シートの前記繊維基材層の前記主面に、真空成形の際の減圧工程において気密を維持する非通気性熱可塑性樹脂シートを載置して積重体を形成する工程と、
    真空成形により、前記積重体の非通気性熱可塑性樹脂シートを前記主面に熱圧着させながら成形中間体を形成する工程と、
    前記主面から前記非通気性熱可塑性樹脂シートを選択的に剥離する工程と、を備えることを特徴とする繊維基材成形体の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂シートは、前記繊維基材層を形成する繊維のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する非晶性樹脂シートである請求項9に記載の繊維基材成形体の製造方法。
  11. 前記非晶性樹脂シートは、(メタ)アクリル系樹脂シートである請求項10に記載の繊維基材成形体の製造方法。
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