JP6570847B2 - シャッターの防火構造 - Google Patents

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本発明は、シャッターの防火構造に関する。
従来、建物の開口部に取り付けられるシャッターを対象とした構造であって、建物の屋内側にシャッターを介して火災の炎が侵入することを防止するための防火構造が提案されている。このような防火構造は、例えば、開口部の周縁に設けられたガイドレールであって、シャッターカーテンを上下方向に移動するように案内するガイドレールと、開口部の周縁に設けられた下枠であってガイドレールよりも下方側に位置する下枠と、下枠の左右両端部に取り付けられた樹脂製の端部キャップと、ガイドレールに設けられた板状の熱膨張耐火部材であって、当該熱膨張耐火部材の側面が、ガイドレールの建物の屋内側の側面のうちシャッターカーテンに対向する側面とは反対側の側面の下方部分と当接するように配置された熱膨張耐火部材とを備えている(例えば特許文献1参照)。このような構成により、建物の屋外側で火災が発生した場合に、端部キャップが溶け落ちることで下枠の両端部に隙間が生じたとしても、当該火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって、当該隙間から当該火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
特開2014−70398号公報
ここで、上記従来の防火構造においては、ガイドレールの下端部と下枠との相互間に隙間があるので、建物の屋外側で火災が発生した場合に、当該隙間から当該火災の炎が侵入することが想定される。上述したように、しかしながら、熱膨張耐火部材は、火災によって端部キャップが溶け落ちることで形成される下枠の両端部の隙間を塞ぐものに過ぎなかったので、ガイドレールの下端部と下枠との相互間の隙間を塞ぐことができない可能性があった。このことから、上記従来の防火構造においては、防火性能に関して改善の余地があった。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のシャッターの防火構造は、建物の開口部の開閉を行うためのシャッターカーテンと、前記開口部における開閉方向に沿って設けられたガイドレールであり、前記シャッターカーテンにおいて相互に対向する一対の端部の各々を案内するガイドレールと、を備えたシャッターの防火構造であって、前記開口部の周辺に設けられたカバー片であって、当該開口部を閉鎖するように前記シャッターカーテンを開閉させた際における当該シャッターカーテンの先端部の少なくとも一部を、前記建物の屋外側から覆うためのカバー片と、前記カバー片とは別体に形成された被覆手段であって、前記ガイドレールにおける前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部及びその近傍部分のみを前記シャッターカーテンの閉鎖方向側から略覆うための耐火性の被覆手段を備え、前記被覆手段と前記ガイドレールとの相互間の隙間に、前記建物の屋外側又は屋内側で火災が発生した場合に当該火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けた。
請求項2に記載のシャッターの防火構造は、請求項1に記載のシャッターの防火構造において、前記開口部の周辺には、前記ガイドレール及び前記カバー片を支持するための支持枠材を設け、前記被覆手段と前記カバー片との相互間の隙間、又は前記被覆手段と前記支持枠材との相互間の隙間の少なくともいずれか一方に、前記熱膨張耐火部材を設けた。
請求項3に記載のシャッターの防火構造は、請求項1又は2に記載のシャッターの防火構造において、前記熱膨張耐火部材を、前記被覆手段と前記カバー片との相互間の隙間に設け、前記カバー片を前記被覆手段に対して固定するための固定具により、前記熱膨張耐火部材を当該被覆手段に対して固定した。
請求項1に記載のシャッターの防火構造によれば、被覆手段とガイドレールとの相互間の隙間又はその近傍位置に、建物の屋外側又は屋内側で火災が発生した場合に当該火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けたので、建物の屋外側又は屋内側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって当該隙間を塞ぐことができ、当該隙間を介して上記火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に移動したり、又は建物の屋内側から建物の屋外側に移動することを抑制でき、シャッターの防火性能を向上させることが可能となる。特に、熱膨張耐火部材を当該隙間又はその近傍位置にわたって被覆手段の側面に沿うように設置(すなわち、熱膨張耐火部材を横置きに設置)することができることから、熱膨張耐火部材をガイドレールの側面に沿うように設置(すなわち、熱膨張耐火部材を縦置きに設置)した場合に比べて、建物の屋外側又は屋内側で発生した火災の熱で熱膨張耐火部材を効果的に膨張させることができ、この膨張した熱膨張耐火部材によって当該隙間を確実に塞ぐことが可能となる。
請求項2に記載のシャッターの防火構造によれば、被覆手段とカバー片との相互間の隙間若しくはその近傍位置、又は被覆手段と支持枠材との相互間の隙間若しくはその近傍位置の少なくともいずれか一方に、熱膨張耐火部材を設けたので、建物の屋外側又は屋内側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって被覆手段とカバー片との相互間の隙間又は被覆手段と支持枠材との相互間の隙間を塞ぐことができるため、これら隙間を介して火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に移動したり、又は建物の屋内側から建物の屋外側に移動することを抑制できる。よって、シャッターの防火性能を一層向上させることが可能となる。
請求項3に記載のシャッターの防火構造によれば、熱膨張耐火部材を、被覆手段とカバー片との相互間の隙間に設け、当該カバー片を当該被覆手段に対して固定するための固定具により、当該熱膨張耐火部材を当該被覆手段に対して固定したので、両面テープ又は接着剤の如き粘着手段のみによって熱膨張耐火部材を被覆手段に対して固定した場合に比べて、粘着手段の経年劣化(例えば、被覆手段の振動によって粘着手段の粘着力が低下すること等)によって熱膨張耐火部材が被覆手段から外れることを回避でき、熱膨張耐火部材を被覆手段に対して強固に固定することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係るシャッターであって、開口部全閉状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。 図1のシャッターのA−A矢視断面図である。 図2の下方領域の拡大図である。 図1のB−B矢視断面図である。 図1のC領域周辺の拡大図である。 座板を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。 図6(c)の拡大図である。 水切り板を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。 開口部全閉状態において、建物の屋外側で火災が発生した場合のシャッターの状況を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 レールキャップを示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。 レールキャップカバーを示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。 実施の形態2に係るシャッターの防火構造を示す図であり、(a)は図4に対応する領域を示す図であり、(b)は図5に対応する領域を示す図である。 レールキャップを示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。 レールキャップカバーを示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るシャッターの防火構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。
実施の形態は、概略的に、建物の開口部の開閉を行うためのシャッターカーテンと、開口部における開閉方向に沿って設けられたガイドレールであり、シャッターカーテンにおいて相互に対向する一対の端部の各々を案内するガイドレールと、を備えたシャッターの防火構造に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、又は床等)において窓や入り口を設置するために形成された開口部である。また、「シャッター」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる巻上げ戸であり、例えば、窓シャッター、軽量シャッター、重量シャッター等を含む概念である。また、シャッターの開閉構造は任意であり、例えば「上下開閉式のシャッター」や「左右開閉式のシャッター」として構成することができる。また、シャッターの駆動方式は任意であり、例えば、「手動式のシャッター」や「電動式のシャッター」として構成することができる。また、「防火」とは、建物の屋外側又は屋内側のいずれか一方で発生した火災が、建物の屋外側又は屋内側のいずれか他方に向けて拡大することを防ぐことを意味する。以下、実施の形態1では、シャッターが、戸建て住宅の如き建物の壁であって窓を有する壁に配置された上下開閉式且つ電動式の窓シャッターである場合について説明し、実施の形態2では、上記窓を有する壁に配置された上下開閉式且つ手動式の窓シャッターである場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係るシャッターの防火構造について説明する。この実施の形態1は、上下開閉式且つ電動式の窓シャッターに防火構造を適用した形態である。なお、この実施の形態1では、建物の屋外側で発生した火災によってシャッターが加熱される場合について主として説明する。
(構成)
最初に、実施の形態1に係るシャッターの防火構造が適用されるシャッターの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るシャッターであって、後述する開口部全閉状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、図2は、図1のシャッターのA−A矢視断面図、図3は、図2の下方領域の拡大図、図4は、図1のB−B矢視断面図である。図5は、図1のC領域周辺の拡大図である。なお、以下の説明では、図1のX方向をシャッターの左右方向又は幅方向(−X方向をシャッターの左方向、+X方向をシャッターの右方向)、図1のY方向をシャッターの前後方向(+Y方向をシャッターの前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向をシャッターの後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向をシャッターの上下方向(+Z方向をシャッターの上方向、−Z方向をシャッターの下方向)と称する。なお、図3においては、施錠装置33におけるラッチバー33a以外の部分の図示を省略する(後述する図9についても同様とする)。また、図3、図4においては、後述する第1侵入ルートR1、及び後述する第2侵入ルートR2を想像線で示す。
これら図1、図2に示すように、シャッター1は、概略的に、枠体10と、シャッター収納部20と、シャッターカーテン30と、開閉機40とを備えて構成されている。このシャッター1は、上述のように窓シャッターであって、図1に示すように、建物の躯体2に形成された開口部3には窓(図示省略)が設けられており、この開閉式の窓の屋外側にシャッターカーテン30が設けられている。このため、シャッターカーテン30は、開口部3を当該開口部3の開口面内ではなく当該開口部3の開口面よりも屋外側において開閉することになるが、このような開閉であっても、開口部3を介した人や物の出入りを制限するための開閉を行う点において同様であるため、「開口部3を開閉する」ものとして説明する。ただし、窓には公知の開閉式のサッシ窓等を採用することができるので、その説明は省略する。なお、後述するシャッター1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。ただし、これに限られず、例えば、取付相手側の部材の一部をかしめることにより、取付側の部材を取付相手側の部材に対して取り付ける(又は接続する)方法が採用されてもよい。
(構成−枠体)
枠体10は、建物の躯体2に形成された開口部3に設けられるものである。この枠体10は、複数の枠材を相互に組み合わせることによって構成されている。具体的には、複数の枠材は、左縦枠80(支持枠材)、右縦枠81(支持枠材)、及び水切り板70から構成されている。そして、これら左縦枠80、右縦枠81、及び水切り板70は、それぞれ開口部3の周縁における建物の躯体2の外面に公知の方法で直接的に固定されている。なお、これら左縦枠80、右縦枠81を特に区別する必要のないときは、単に「縦枠82」と総称する。
また、左縦枠80と右縦枠81の各々には、ガイドレール13が設けられている。ガイドレール13は、シャッターカーテン30を開口部3の開閉方向(すなわち、上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール13は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、左縦枠80、右縦枠81の前面(すなわち、建物の躯体2外面)において、当該ガイドレール13の上下方向(長手方向)が左縦枠80と右縦枠81の各々の上下方向(長手方向)に略沿う方向で配置され、左縦枠80、右縦枠81に対して固定具等によって固定されている。また、このガイドレール13には、収容枠14と、補強部材15とが設けられている。このうち、収容枠14は、開口部3の上方において、開閉機40と巻き取り軸50とを接続するチェーン41を収容する領域を確保するためのものである。この収容枠14は、チェーン41を収容することが可能な内部空間を有する中空三角柱状体であり、ガイドレール13の上下方向の全長にわたって形成されており、ガイドレール13の左右の側部において左右外側に向けて張り出すように配置されている。また、補強部材15は、ガイドレール13を補強するものであって、火災の熱によってガイドレール13が溶融した場合でも、ガイドレール13に代わって当該ガイドレール13の形状を維持することにより、シャッターカーテン30が当該ガイドレール13から脱落することを防止するためのものである。図4、図5に示すように、この補強部材15は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、具体的には、第1側片13aと対向する第1補強片15aと、第2側片13bと対向する第2補強片15bと、及び第3側片13cと対向する第3補強片15cとを有している。また、この補強部材15は、ガイドレール13の上下方向(長手方向)の全長にわたって形成されており、第1補強片15aから第3補強片15cがガイドレール13の内部においてガイドレール13の対向する側面と当接するように配置され、当該第1補強片15aに形成された取付孔(図示省略)及びガイドレール13に形成された取付孔(図示省略)を介してガイドレール13の第1側片13aに対して固定具によって接続されている。
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部20は、シャッター1の各部を収納するための中空体であり、建物における開口部3の上端近傍位置に取り付けられている。このシャッター収納部20の内部には、開閉機40と、巻き取り軸50とが収容されている。また、巻き取り軸50にてシャッターカーテン30が巻き取られた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部も、シャッター収納部20の内部に収容される(なお、図2では、開口部3を全開した状態において、巻き取り軸50によって巻装されたシャッターカーテン30の外縁を2点鎖線で示す)。このシャッター収納部20は、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を固定具によって相互に接続して形成することができる。
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン30は、巻き取り軸50によって巻き取り又は巻き出しされることで、開口部3を全開した状態、開口部3を全閉した状態(以下、「開口部全閉状態」と称する)、あるいは半開状態とする遮蔽手段である。図2、図3に示すように、このシャッターカーテン30は、複数のスラット30aを備えて構成されており、各スラット30aの上下の両端部には嵌合部30bが設けられている。この嵌合部30bは、複数のスラット30aを相互に嵌合接続するために各スラット30aの上下の両端部に設けられたもので、当該両端部を屈曲させることによって形成されている。また、このシャッターカーテン30の左右方向(長手方向)の両端部の各々は、ガイドレール13のコ字状の開放端部を介して当該ガイドレール13の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール13の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール13の外部に脱落しないように規制されている。
また、シャッターカーテン30の下端部には、座板31が設けられている。図6は、座板31を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、図7は、図6(c)の拡大図である。この座板31は、開口部全閉状態において枠体10の水切り板70と近接し、又は接触するように配置されたものであり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向の全長にわたって形成されている。この座板31の上端部には嵌合部32が設けられており、この嵌合部32をシャッターカーテン30の最下方のスラット30aにおける下端部の嵌合部30bに嵌合させることで、座板31がシャッターカーテン30に取付けられている。また、この座板31の側面には、施錠装置33と、ストッパ34とが設けられている。
施錠装置33は、シャッターカーテン30を施錠するための施錠手段である。この施錠装置33は、後述する座板31の一対の取付片65、66の相互間に取付けられているもので、可燃性部材(例えば樹脂。以下同様)にて形成された中空箱状の筐体に、左右方向に沿って配置されたスチール製の一対のラッチバー33cと、このラッチバー33cの左右方向の外端に設けられたものであって可燃性部材にて覆われたラッチ33aであり、可燃性部材にて覆われたラッチ33aと、可燃性部材にて覆われた操作レバー33bとを設けて構成されている。そして、ユーザが操作レバー33bを介して所定操作を行うことにより、ラッチ33aをガイドレール13の内部のラッチ受け部(図示省略)に係止させることで、シャッターカーテン30を施錠することできる。
ストッパ34は、シャッター収納部20に当接してシャッターカーテン30の上昇を規制する規制手段である。このストッパ34は、座板31の左右方向の両端部の各々の近傍位置に設けられているもので、可燃性部材にて形成された正面略コ字状の部材であり、座板31に対して固定具を介して固定されている。
(構成−開閉機)
図2において、開閉機40は、巻き取り軸50を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を昇降させる昇降手段であり、操作スイッチ若しくはリモコン(図示せず)を介して操作される。
(構成−巻き取り軸)
巻き取り軸50は、シャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すことにより、シャッターカーテン30を昇降させる昇降手段である。この巻き取り軸50は、シャッター収納部20の左右方向(長手方向)に沿って配置されており、この巻き取り軸50にはシャッターカーテン30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されていて、この巻き取り軸50を回転させることで、連結スラットを介してシャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すことができる。ただし、この巻き取り軸50は、例えば公知の巻き取り軸等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
(構成−シャッターカーテン−座板の構成の詳細)
次に、シャッターカーテン30の座板31の構成の詳細について説明する。ただし、座板31は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。また、実施の形態1において、図3、図4、図6、図7に示すように、座板31は、本体片60、第1突出部61、第2突出部62、接続部63、切欠部64、及び取付片65、66を備えて構成されている。このうち、本体片60は、座板31の基本構造体である。この本体片60は、シャッターカーテン30の左右方向の全長にわたって形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。第1突出部61は、本体片60の先端部分(すなわち、本体片60の下端部)からシャッターカーテン30の閉鎖方向(すなわち、下方向)に向けて突出するように、シャッターカーテン30の左右方向(長手方向)の全長にわたって形成されている。この第1突出部61の先端部は、建物の屋内側に向けて折り返すように形成されている。第2突出部62は、シャッターカーテン30の閉鎖方向(すなわち、下方向)に向けて突出するものであり、開口部全閉状態において、水切り板70の後述する溝部73の第3溝側片73cと当接するように形成されており、第1突出部61よりも建物の屋内側に配置されている。接続部63は、第1突出部61と第2突出部62とを接続するためのものであり、第1突出部61の上端部から第2突出部62の上端部に至るように形成されている。切欠部64は、第2突出部62及び接続部63における左右方向の端部及びその近傍部分に形成されたものであり、このように切欠部64を設けることにより、開口部全閉状態において第2突出部62及び接続部63がガイドレール13と干渉することが防止されている。取付片65、66は、施錠装置33を挟持することで座板31に取り付けるためのものであり、本体片60の屋内側の側面から屋内側に向けて張り出すようにそれぞれ形成されている。
(構成−枠体−水切り板の構成の詳細)
次に、枠体10の水切り板70の構成の詳細について説明する。図8は、水切り板70を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。ただし、水切り板70は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。水切り板70は、座板31の少なくとも一部を覆うカバー片であり、図3、図4、図8に示すように、水切り板本体71と、立ち上げ片72とを備えている。このうち、水切り板本体71は、水切り板70の基本構造体である。この水切り板本体71は、左側のガイドレール13の収容枠14から右側のガイドレール13の収容枠14に至る範囲にわたって形成されている。また、この水切り板本体71は、建物の開口部3の周縁下方から建物の屋外側に向けて張り出すように配置されており、具体的には、水切り板本体71を水切り面として機能させるために、建物の屋内側から建物の屋外側に向かうに伴って下方に傾斜するように配置されている。また、この水切り板本体71の前端部及びその近傍部分には、溝部73が形成されている。溝部73は、開口部全閉状態における座板31の第2突出部62を建物の屋外側から覆うためのものである。この溝部73は、縦断面形状が下方に向けて突出するU字状に形成されており、具体的には、図7に示すように、建物の屋内側に位置する第1溝側片73aと、建物の屋外側に位置する第2溝側片73bと、及び第1溝側片73aと第2溝側片73bとの相互間に位置する第3溝側片73c(溝部73の底部分に相当)とを有している。このうち、第1溝側片73aは、座板31の第2突出部62よりも建物の屋内側に位置すると共に、第2溝側片73bは、第2突出部62よりも建物の屋外側に位置するように、溝部73が配置されている。また、第2溝側片73b及び第3溝側片73cの各々における左右方向の端部及びその近傍部分には、水切り板70と縦枠82の後述する第2接続部85とが当接しないように、切欠部74が形成されている。また、立ち上げ片72は、水切り板本体71の後端部から上方に向けて張り出すように形成されている。この立ち上げ片72には、当該立ち上げ片72と建物との相互間の隙間に水が侵入することを防止するための水密材76(例えば樹脂製のパッキン等)が取り付けられている。このように構成された水切り板70は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により製造することができる。
(構成−枠体−縦枠の構成の詳細)
次に、枠体10の縦枠82の構成の詳細について説明する。ただし、縦枠82は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。縦枠82は、水切り板70とガイドレール13とを支持する支持手段であり、図3、図4に示すように、縦枠本体83と、第1接続部84と、第2接続部85とを備えて構成されている。このうち、縦枠本体83は、縦枠82の基本構造体であり、水切り板70の左右方向の各端部において、建物の開口部3の周縁下方から建物の屋外側に向けて張り出すように配置されており、当該縦枠本体83に形成された取付孔(図示省略)及び水切り板70の水切り板本体71に形成された取付孔71aを介して当該水切り板本体71に対して固定具によって接続されている。また、この縦枠本体83の前端部には、嵌合部83aが形成されている。この嵌合部83aは、縦枠82をガイドレール13に接続する接続手段であり、ガイドレール13の収容枠14に形成された嵌合部14aに対して嵌合接続されている。また、第1接続部84は、縦枠82と建物とを接続する接続手段である。この第1接続部84は、縦枠本体83の後端部からシャッターカーテン30の左右外側に向けて張り出すように形成されており、当該第1接続部84に形成された取付孔(図示省略)及び建物に形成された取付孔(図示省略)を介して固定具によって当該建物に対して接続されている。第2接続部85は、縦枠82とガイドレール13とを接続する接続手段である。この第2接続部85は、縦枠本体83の前端部の近傍からシャッターカーテン30の左右方向の内側に向けて張り出すように形成されており、当該第2接続部85に形成された取付孔(図示省略)及び収容枠14に設けられた接続片14bに形成された取付孔(図示省略)を介して、当該収容枠14に対して固定具によって接続されている。このように構成された縦枠82は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により製造することができる。
(構成−シャッターの防火構造)
次に、シャッター1の防火構造について説明する。図9は、開口部全閉状態において、建物の屋外側で火災が発生した場合のシャッター1の状況を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。この図9に示すように、このシャッター1は、開口部全閉状態において建物の屋外側で火災が発生した場合に、シャッター1を介して炎が侵入することを防止するための防火構造を備えている。また、この防火構造は、ガイドレール13の防火構造と、座板31の防火構造と、水切り板70の防火構造とを備えている。以下では、これら各防火構造について順次説明する。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造)
次に、ガイドレール13の防火構造について説明する。図3から図5、図9に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13を介して建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、レールキャップカバー111によって覆われたレールキャップ100と、熱膨張耐火部材110と、熱膨張耐火部材140とが設けられている。以下では、このガイドレール13の防火構造について説明する。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップ)
最初に、レールキャップ100について説明する。図10は、レールキャップ100を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。レールキャップ100は、ガイドレール13の少なくとも一部を覆うための被覆手段であり、図3から図5、図9、図10に示すように、ベース部材101と、防火部材102と、起立部材103とを備えて構成されている。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップ−ベース部材)
ベース部材101は、ガイドレール13の閉鎖方向側の端部(すなわち、ガイドレール13の下端部)を覆うためのベース片である。このベース部材101は、略六角形状の板状体にて形成されており、ガイドレール13の下端部及びその周辺部分(例えば、水切り板70の左端部(又は右端部)及びその近傍部分、ガイドレール13の収容枠14等)を含む領域を下方側から覆うように設置されている。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップ−防火部材)
防火部材102は、ガイドレール13の側面のうちシャッターカーテン30に対向する側面である内側面(以下、「ガイドレール13の内側面」と称する)を覆うものである。この防火部材102は、ベース部材101の上面に設けられており、第1防火片102aと、第2防火片102bと、第3防火片102cと、固定片102dとを備えている。
第1防火片102aは、ガイドレール13の内側面のうち、シャッターカーテン30よりも建物の屋内側に位置する内側面(すなわち、第1側片13aの内側面)を覆うためのものである。ここで、この第1防火片102aを設けた理由は、以下の通りである。すなわち、レールキャップ100の構成として、第1防火片102aを設けることなく、ガイドレール13の側面のうちシャッターカーテン30に対向する側面とは反対側の側面である外側面(以下、「ガイドレール13の外側面」と称する)のうち、第2側片13bの外側面のみを覆う耐火性の起立片を設けることも考えられる。しかしながら、この場合には、この起立片によって、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入することを遮断することができないため、ガイドレール13の第1側片13aとレールキャップ100との相互間の隙間4(以下、「第1隙間4」と称する)を介して建物の内部に当該炎が侵入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、第1防火片102aが設けられている。図4、図5、図10に示すように、第1防火片102aは、略板状体に形成されており、ガイドレール13の内部において、固定片102dから上方に向けて突出するように設けられている。
また、この第1防火片102aの大きさ及び設置位置については、第1隙間4を介して建物の内部に火災の炎が侵入することを抑制できるように、第1防火片102aによって、第1側片13aにおける左右方向の外側の端部及びその近傍部分であって、座板31と対向していない部分が覆われるように決定されている。この第1防火片102aによって覆われる領域については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図3から図5、図10に示すように、上下方向の領域については、第1側片13aの下端部から水切り板70の溝部73の上端部までの高さと同じ又はそれよりも高くなるように、第1側片13aの下端部から上方に向けて所定距離L1に至る領域に設定されている。また、左右方向の領域においては、第1側片13aにおける左右方向の外側の端部から座板31の第1突出部61に至るまで長さと略同一となるように、当該端部から左右方向の内側に向けて所定距離L2に至る領域に設定されている。このような設置により、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合に、第1防火片102aによって、第1側片13aが火災の炎から遮蔽されるため、第1隙間4を介して建物の内部に火災の炎が侵入することを抑制することが可能となる。
また、第1防火片102aとガイドレール13との接続関係については任意であるが、実施の形態1においては、建物の屋外側で発生した火災の熱によって、第1防火片102a又はガイドレール13が変形した場合でも、第1防火片102aによって第1側片13aが火災の炎から遮蔽された状態を維持できるように、第1防火片102aが、補強部材15の第1補強片15aを介してガイドレール13に対して接続されている。具体的には、第1防火片102aに形成された取付孔102e、102fのうちの取付孔102e、第1補強片15aに形成された取付孔(図示省略)、及び第1側片13aに形成された取付孔(図示省略)を介して、第1防火片102aが第1側片13a及び第1補強片15aに対して固定具によって接続されている。このような接続関係により、建物の屋外側で発生した火災の熱によって、第1防火片102a又はガイドレール13が変形した場合でも、第1防火片102aがガイドレール13に対して強固に接続されているため、第1防火片102aによって、第1側片13aが火災の炎から遮蔽された状態を維持できることから、第1隙間4を介して建物の内部に火災の炎が侵入することを一層抑制できる。
第2防火片102bは、ガイドレール13の内側面のうち、シャッターカーテン30よりも建物の屋外側に位置する内側面(すなわち、第2側片13bの内側面)を覆うためのものである。図4、図5、図10に示すように、第2防火片102bは、略板状体に形成されており、ガイドレール13の内部において、固定片102dから上方に向けて突出するように設けられている。また、この第2防火片102bの大きさ及び設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、第2側片13bの剛性を高めることができるように、当該第2側片13bの内側面に対して補強部材15の第2補強片15bを介して当接するように決定されている。ここで、この当接領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図3から図5、図10に示すように、に示すように、上下方向の領域については、第2側片13bの下端部から後述する起立部材103の第1起立片103aの上端部までの高さと同じ又はそれよりも高く(又は低く)なるように、第2側片13bの下端部から上方に向けて所定距離L3に至る領域に設定されている。また、左右方向の領域においては、第2側片13bの幅と略同一となるように、第2側片13bの左端部から右端部に至る領域に設定されている。このような設置により、例えば、建物の屋内側で発生した火災の熱によって変形したシャッターカーテン30によって、第2側片13bが建物の屋内側に押圧されたとしても、第2防火片102bによって当該第2側片13bの押圧変形を抑制できる。よって、第2側片13bの剛性(例えば、建物の屋内側への曲げ剛性等)を高めることが可能となる。
第3防火片102cは、ガイドレール13の内側面のうち、シャッターカーテン30の幅方向に略直交する内側面(すなわち、第3側片13cの内側面)を覆うためのものである。図4、図5、図10に示すように、第3防火片102cは、略板状体に形成されており、ガイドレール13の内部において、固定片102dから上方に向けて突出するように設けられている。また、この第3防火片102cの大きさ及び設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、第3側片13cの剛性を高めることができるように、当該第3側片13cの内側面に対して補強部材15の第3補強片15cを介して当接するように決定されている。ここで、この当接領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図3から図5、図10に示すように、上下方向の領域については、第3側片13cの下端部から後述する起立部材103の第2起立片103bの上端部までの高さと同じ又はそれよりも高く(又は低く)なるように、第3側片13cの下端部から上方に向けて所定距離L4に至る領域に設定されている。また、前後方向の領域においては、第3側片13cの幅と略同一となるように、第3側片13cの前端部から後端部に至る領域に設定されている。このような設置により、建物の屋内側で発生した火災の熱によって変形したシャッターカーテン30によって、第3側片13cが左右方向の内側に押圧されたとしても、第3防火片102cによって当該第3側片13cの押圧変形を抑制できる。よって、第3側片13cの剛性(例えば、左右方向の内側への曲げ剛性等)を高めることが可能となる。
固定片102dは、第1防火片102a、第2防火片102b、及び第3防火片102cをベース部材101に対して固定するためのものである。図4、図5、図10に示すように、固定片102dは、略板状体に形成されており、ガイドレール13の内部において、当該固定片102dの側面がベース部材101の上面と当接するように配置され、当該固定片102dに形成された取付孔102g及びベース部材101に形成された取付孔(図示省略)を介してベース部材101に対して固定具によって固定されている。この場合において、後述する第1カバー部材112の上面には、この固定具が第1カバー部材112と干渉することを回避するための凹部112cが形成されている。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップ−起立部材)
起立部材103は、ガイドレール13の外側面を覆うためのものであり、図4、図5、図10に示すように、第1起立片103aと、第2起立片103bと、第3起立片103cとを備えている。
第1起立片103aは、ガイドレール13の外側面のうち、建物の屋外側に位置する外側面(すなわち、第2側片13bの外側面)を覆うためのものである。図4、図5、図10に示すように、第1起立片103aは、略板状体に形成されており、ガイドレール13の外部において、ベース部材101の前端部から上方に向けて突出するように設けられている。また、この第1起立片103aの大きさ及び設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、第2側片13bの剛性を高めることができるように、当該第2側片13bの外側面に対して当接するように設置されている。ここで、この当接領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図10に示すように、上下方向の領域については、第2側片13bの下端部から防火部材102の第2防火片102bの上端までの高さと同じ又はそれよりも低く(又は高く)なるように、第2側片13bの下端部から上方に向けて所定距離L5に至る領域に設定されている。また、左右方向の領域においては、第2側片13bの幅と略同一又はそれよりも長くなるように、ベース部材101の前端部の略全長にわたる領域に設定されている。このような設置により、例えば、建物の屋外側で発生した火災の熱によって変形したシャッターカーテン30によって、第2側片13bが建物の屋外側に押圧されたとしても、第1起立片103aによって当該第2側片13bの押圧変形を抑制できる。よって、第2側片13bの剛性(特に、建物の屋外側への曲げ剛性)を高めることが可能となる。また、実施の形態1においては、第1起立片103aと防火部材102の第2防火片102bとで第2側片13bが挟み込まれているので、例えば第2側片13bが前後方向に沿って曲がりにくくなることから、第2側片13bの剛性を一層高めることが可能となる。
第2起立片103bは、ガイドレール13の外側面のうち、シャッターカーテン30の幅方向に略直交する外側面(すなわち、第3側片13cの外側面)を収容枠14を介して覆うためのものである。図4、図5、図10に示すように、第2起立片103bは、略板状体に形成されており、ガイドレール13の外部において、ベース部材101における左右方向の外側の端部のうちガイドレール13と対応する部分から上方に向けて突出するように設けられている。また、この第2起立片103bの大きさ及び設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、第3側片13cの剛性を高めることができるように、当該第3側片13cの外側面に対して収容枠14を介して当接するように設置されている。ここで、この当接領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図10に示すように、上下方向の領域については、第1起立片103aの高さと略同一となるように、第3側片13cの下端部から上方に向けて所定距離L6に至る領域に設定されている。また、前後方向の領域においては、収容枠14の前後方向の長さ(奥行き)と略同一又はそれよりも長くなるように、ベース部材101における左右方向の外側の端部のうちガイドレール13と対応する部分の略全長にわたる領域に設定されている。このような設置により、例えば、建物の屋外側で発生した火災の熱によって変形したシャッターカーテン30によって、第3側片13cが左右方向の外側に押圧されたとしても、第2起立片103bによって当該第3側片13cの押圧変形を抑制できる。よって、第3側片13cの剛性(特に、左右方向の外側への曲げ剛性)を高めることが可能となる。また、実施の形態1においては、第2起立片103bと第3側片13cとの相互間に収容枠14を介在させた状態で、これら第2起立片103bと防火部材102の第3防火片102cとで第3側片13cが挟み込まれているので、例えば第3側片13cが左右方向に向けて曲がりにくくなることから、第3側片13cの剛性を一層高めることが可能となる。
第3起立片103cは、少なくとも縦枠82の外側面を覆うためのものである。図4、図5、図10に示すように、第3起立片103cは、略板状体に形成されており、ベース部材101における左右方向の外側の端部のうち少なくとも溝部73と対応する部分から上方に向けて突出するように設けられている。また、この第3起立片103cの大きさ及び設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、縦枠82の嵌合部83aとガイドレール13の嵌合部14aとの接続部分が、第3起立片103cによって建物の屋外側で発生した火災の炎から遮蔽されるように、当該縦枠82の外側面に対して当接するように設置されている。ここで、この当接領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図10に示すように、上下方向の領域については、縦枠82の上下方向の高さと略同一となるように、縦枠82の下端部から上方に向けて所定距離L7に至る領域に設定されている。また、前後方向の領域においては、第3溝側片73cの前後方向の長さと略同一又はそれよりも長くなるように、ベース部材101における左右方向の外側の端部のうち溝部73と対応する部分の略全長にわたる領域に設定されている。このような設置により、縦枠82の嵌合部83aとガイドレール13の嵌合部14aとの接続部分が、第3起立片103cによって建物の屋外側で発生した火災の炎から遮蔽されることから、縦枠82とガイドレール13との接続状態を維持しやすくなる。
また、このように構成されたレールキャップ100は、任意の材質で製造することができるが、例えば、レールキャップ100によって火災の炎からガイドレール13を保護する観点から、耐火性を有する材質であることが好ましく、さらには一般的な製造上のニーズからは、製造コストを低減することが可能な材質であることが好ましい。このため、実施の形態1においては、レールキャップ100の材質としてステンレス鋼材が採用されているが、これに限られず、例えば、鋼材や耐火繊維等の材質が採用されてもよい。なお、補強部材15についても、耐火性を有する材質であることが好ましく、例えば、鋼材、ステンレス鋼材等の材質で製造されてもよい。
また、このレールキャップ100は、任意の方法で製造することができる。例えば、ベース部材101及び起立部材103については、ステンレス製の板状体を折り曲げ成形することにより、ベース部材101、第1起立片103a、第2起立片103b、及び第3起立片103cを一体に成形し、この折り曲げ成形の前後のいずれかの時点で、取付孔101aを打ち抜き形成する。また、防火部材102については、ステンレス製の板状体を折り曲げ成形することにより、第1防火片102a、第2防火片102b、第3防火片102c、及び固定片102dを一体に成形し、この折り曲げ成形の前後のいずれかの時点で、取付孔102e、102f、及び取付孔102gを打ち抜き形成する。そして、防火部材102を当該防火部材102の取付孔102g及びベース部材101の取付孔101aを介して当該ベース部材101に対して固定具によって接続することにより、レールキャップ100を製造することができる。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップカバー)
次に、レールキャップカバー111について説明する。図11は、レールキャップカバー111を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。レールキャップカバー111は、レールキャップ100の側面のうちガイドレール13と対向する側面とは反対側の側面である外側面(以下、「レールキャップ100の外側面」と称する。また、この外側面については、具体的には、ベース部材101の下面の外側面、並びに、第1起立片103aの前面の外側面、第2起立片103bの左面(又は右面)の外側面、第3起立片103cの左面(又は右面)の外側面等が該当する。)を覆うためのものであり、図4、図5、図11に示すように、第1カバー部材112と、第2カバー部材113とを備えている。
このうち、第1カバー部材112は、レールキャップ100の外側面のうち下方側に位置する外側面(すなわち、ベース部材101の外側面)を覆うためのものである。図4、図5、図11に示すように、この第1カバー部材112は、ベース部材101の外形と略同一又はそれよりも大きな外形を有する略六角形状の板状体にて形成されており、ベース部材101の外側面全体を下方側から覆うように配置され、当該第1カバー部材112に形成された取付孔112b及びベース部材101に形成された取付孔101aを介して、ベース部材101に対して固定具によって接続されている。また、第2カバー部材113は、レールキャップ100の外側面のうち、建物の外側に位置する外側面、及びシャッターカーテン30の幅方向に略直交する外側面(すなわち、起立部材103の外側面)を覆うためのものである。図4、図5、図11に示すように、この第2カバー部材113は、起立部材103の外形と略同一又はそれよりも大きな外形を有する板状体にて形成されており、第1カバー部材112の上面から上方に向けて突出するように設けられ、起立部材103の外側面全体を建物の外側から覆うように配置されている。
また、このように構成されたレールキャップカバー111は、任意の材質で製造することができるが、例えば、レールキャップ100と人との接触による怪我を防止する観点から、軟質且つ耐久性に優れた材質であることが好ましい。このため、実施の形態1においては、レールキャップカバー111の材質として軟質な樹脂材(例えば、AES樹脂等)が採用されている。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−熱膨張耐火部材)
次に、熱膨張耐火部材110について説明する。この熱膨張耐火部材110は、第1隙間4、及びレールキャップ100と水切り板70との相互間の隙間5(以下、「第2隙間5」と称する)を塞ぐためのものである。図3から図5、図10に示すように、熱膨張耐火部材110は、長尺板状に形成されており、例えば、所定温度(具体的には、150℃〜250℃の温度)で加熱されることで発泡する公知の熱膨張耐火部材(具体的には、フィブロック(登録商標)等)を用いて構成されていて、レールキャップ100のベース部材101に対して両面テープや接着剤等によって固定されている。
また、熱膨張耐火部材110の設置位置の詳細については任意であるが、以下に示す特徴を有する。まず、第1の特徴として、実施の形態1においては、第1隙間4及びその近傍位置に設置されている。このような設置にした理由は、以下の通りである。すなわち、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入し、当該流入した炎が第1隙間4から建物の屋内側に侵入するおそれがあるので、これを抑制するために、熱膨張耐火部材110が設けられている。ここで、熱膨張耐火部材110の設置位置として、当該熱膨張耐火部材110の側面がガイドレール13の第1側片13aの外側面と当接するように、当該熱膨張耐火部材110を設置することも考えられる。しかしながら、この場合において、熱膨張耐火部材110が第1側片13aの側面に沿うように設置されるため(すなわち、熱膨張耐火部材110が縦置きに設置されるため)、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110により第1隙間4よりも上方の領域を塞ぐことができるものの、当該上方の領域よりも下方の領域であって第1隙間4を含む下方の領域を塞ぐことができなかったので、当該第1隙間4を介して火災の炎が侵入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、熱膨張耐火部材110が第1隙間4及びその近傍位置において横置きに設置されている。
また、第2の特徴として、実施の形態1においては、第2隙間5及びその近傍位置に設置されている。このような設置にした理由は、以下の通りである。すなわち、ベース部材101の上面と水切り板70の溝部73の底部分が当接するように、ベース部材101と水切り板70とが設けられている場合でも、建物の屋外側で発生した火災の熱によってベース部材101又は水切り板70が変形した場合に、第2隙間5が大きくなることで、当該第2隙間5を介して当該火災の炎が建物の屋内側に侵入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、第2隙間5及びその近傍位置に熱膨張耐火部材110が設置されている。
これら第1の特徴及び第2の特徴を踏まえた熱膨張耐火部材110の設置位置としては、具体的には、熱膨張耐火部材110における建物の屋外側の端部がベース部材101と第1側片13aとによって挟み込まれると共に、熱膨張耐火部材110における建物の屋外側の端部以外の部分がベース部材101と水切り板70の溝部73の底部分とによって挟み込まれるように、熱膨張耐火部材110が第1隙間4及び第2隙間5にわたってベース部材101の上面に沿うように設置されている(すなわち、熱膨張耐火部材110が横置きに設置されている)。ここで、熱膨張耐火部材110の設置領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図3、図4、図10に示すように、前後方向の領域については、第1隙間4の前後方向の長さ(奥行き)と第2隙間5の前後方向の長さ(奥行き)との合計の長さと同じ又はそれよりも長くなるように、レールキャップ100の第1防火片102aの下端部から建物の屋内側に向けて所定距離L8に至る領域に設定されている。また、左右方向の領域については、ガイドレール13の第1側片13aの幅と同一又はそれより長くなるように、第1側片13aの左右方向の外側の端部から左右方向の内側に向けて所定距離L9に至る領域に設定されている。このような設置により、熱膨張耐火部材110をガイドレール13の第1側片13aの側面に沿うように設置した場合に比べて、建物の屋外側で発生した火災の熱で熱膨張耐火部材110を効果的に膨張させることができ、第1隙間4及び第2隙間5を確実に塞ぐことが可能となる。
また、熱膨張耐火部材110とベース部材101との固定構造については任意であるが、熱膨張耐火部材110をベース部材101に対して強固に固定できるように、上述したように、熱膨張耐火部材110をベース部材101に対して両面テープや接着剤等によって固定することに加えて、熱膨張耐火部材110をベース部材101に対して固定具により固定している。具体的には、図3から図5、図10、図11に示すように、水切り板70の溝部73の底部分に形成された取付孔73a、熱膨張耐火部材110に形成された取付孔110a、当該ベース部材101に形成された取付孔(図示省略)、レールキャップカバー111の第1カバー部材112に形成された取付孔112aを介して、熱膨張耐火部材110をベース部材101に対して固定具によって固定している。このような固定により、両面テープ又は接着剤の如き粘着手段のみによって熱膨張耐火部材110をベース部材101に対して固定した場合に比べて、粘着手段の経年劣化(例えば、ベース部材101の振動によって粘着手段の粘着力が低下すること等)によって熱膨張耐火部材110がベース部材101から外れることを回避でき、熱膨張耐火部材110をベース部材101に対して強固に固定することが可能となる。
次に、熱膨張耐火部材140について説明する。熱膨張耐火部材140は、ガイドレール13の内部空間を塞ぐためのものである。この熱膨張耐火部材140は、長尺な板状体であり、公知の熱膨張耐火部材を用いて構成されており、当該熱膨張耐火部材140の側面がガイドレール13の内側面のうち建物の屋内側の内側面と当接するように配置され、当該熱膨張耐火部材140の上端部又は下端部のいずれか一方又は両方が、ガイドレール13によってかしめられている。また、この熱膨張耐火部材140の設置位置について任意であるが、実施の形態1においては、熱膨張耐火部材140を効果的に膨張させることができるように、具体的には、図4に示すように、ガイドレール13における上記建物の屋内側の内側面に設置されている。このような設置により、ガイドレール13とシャッターカーテン30との相互間の隙間から火災の炎が流入することを一層抑制できる。
このような防火構造により、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合に、レールキャップ100の第1防火片102aによって、第1隙間4を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。また、この火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によって第1隙間4及び第2隙間5を塞ぐことができるため、第1隙間4又は第2隙間5を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。また、この火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材140によってガイドレール13とシャッターカーテン30との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間及びガイドレール13とベース部材101との相互間の隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。以上のことから、シャッター1の防火性能を一層向上させることが可能となる。
(構成−シャッターの防火構造−座板の防火構造)
最初に、座板31の防火構造について説明する。図3、図6、図7、図9に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎が座板31を介して建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、座板31の側面に熱膨張耐火部材90a、90bが設けられている。以下では、この座板31の防火構造について説明する。なお、これら熱膨張耐火部材90a、90bを特に区別する必要のないときは、単に「熱膨張耐火部材90」と総称する。
熱膨張耐火部材90a、90bは、長尺板状に形成されており、例えば公知の熱膨張耐火部材を用いて構成されていて、座板31に対して、両面テープ、接着剤、あるいは固定具によって固定されている。
これら熱膨張耐火部材90a、90bは、座板31の側面における所定の領域のみに配置されている。ここで、「座板31の側面における所定の領域」とは、「第1領域」と「第2領域」とを含む概念である。このうち、「第1領域」とは、座板31の側面の領域のうち、開口部全閉状態において、火災の炎が建物の屋内側に侵入する可能性がある領域である。また、「第2領域」とは、開口部全閉状態において、座板31における建物の屋内側の側面に取り付けられた施錠装置33やストッパ34に対する閉鎖方向側(本実施の形態においては下方側)の領域(以下、「第2下方領域」と称する)、又は火災の熱によって溶融した施錠装置33やストッパ34が水切り板70の溝部73に流れ込む可能性がある領域(以下、「第2流入領域」と称する)の少なくともいずれか一方を含む領域である。
より具体的には、「第1領域」とは、座板31の先端部分のうち、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の端部の領域(すなわち、座板31における下方の左端及び右端の領域。以下、「第1先端領域」と称する)であり、この第1先端領域の全域に熱膨張耐火部材90aが設置されている。この「第1先端領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90aによって、座板31の第1突出部61とレールキャップ100との相互間の隙間、座板31の切欠部64、及び座板31とガイドレール13における上下方向に沿った側面との相互間の隙間を、炎が侵入困難となる程度に塞ぐことができるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材90aの膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材90aの上下方向の長さ(高さ)が、第1突出部61の上下方向の長さ(高さ)と略同一に設定され、熱膨張耐火部材90aの左右方向の長さ(幅)が、座板31におけるレールキャップ100の設置領域と重なる部分の左右方向の長さと略同一に設定されている。このような熱膨張耐火部材90aを、座板31の先端部分の屋内側の側面において、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の最端部を起点として、左右方向の内側に至るように配置している。このように第1領域に熱膨張耐火部材90aを配置することで、図3、図4に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎(又は熱)が第1侵入ルートR1又は第2侵入ルートR2を介して建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。ここで、「第1侵入ルートR1」とは、建物の屋外側から第1突出部61とベース部材101との相互間の隙間、第1突出部61と第2溝側片73bとの相互間の隙間、及びガイドレール13とストッパ34との相互間の隙間を経由して建物の屋内側に侵入するルートである。また、「第2侵入ルートR2」とは、建物の屋外側から第1突出部61と第2溝側片73bとの相互間の隙間、及びガイドレール13とストッパ34との相互間の隙間を経由して建物の屋内側に侵入するルートである。
また、より具体的には、「第2領域」の「第2下方領域」とは、座板31の屋内側の側面の領域のうち、施錠装置33又はストッパ34の下方側に位置する領域であり、この第2下方領域の全域に熱膨張耐火部材90bが設置されている。この「第2下方領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、溝部73の第2溝側片73bと第1突出部62によって仕切られた領域のうち、施錠装置33の下方側に位置する領域と、ストッパ34に対して下方において隣接する領域を、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bによって塞ぐことにより、これら領域よりも建物の内側に当該火災が延焼することを抑制できるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材90bの膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材90bの上下方向の長さ(高さ)が第2突出部62の上下方向の長さ(高さ)の半分程度に設定されており、熱膨張耐火部材90bの左右方向の長さ(幅)が施錠装置33やストッパ34の左右方向の長さ(幅)をほぼ同程度に設定されており、このような熱膨張耐火部材90bを、第2突出部62の屋外側の側面において、施錠装置33又はストッパ34の下方に対応する位置に配置している。
また、より具体的には、「第2領域」の「第2流入領域」とは、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bが水切り板70の溝部73に入り込むことにより、当該溝部73のうち、火災の熱によって溶融した施錠装置33やストッパ34が流れ込む可能性がある部分を塞ぐことが可能となる領域であり、この第2流入領域の全域に熱膨張耐火部材90bが設置されている。この「第2流入領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、水切り板70の溝部73のうち、火災の熱によって燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が当該溝部73に落下して左右方向に沿って流動する可能性がある部分を、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bによって塞ぐことにより、この燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が、溝部73に落下して左右方向の外側に向けて当該溝部73の外部に流れ出ることを抑制できるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材90bの膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材90bの上下方向の長さ(高さ)が第2突出部62の上下方向の長さ(高さ)の半分程度に設定されており、熱膨張耐火部材90bの左右方向の長さ(幅)が施錠装置33やストッパ34の左右方向の長さ(幅)が上記燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が、溝部73に落下して左右方向の外側に向けて当該溝部73の外部に流れ出ることを抑制できる程度の長さに設定されており、このような熱膨張耐火部材90bを、第2突出部62の屋外側の側面において、施錠装置33又はストッパ34の下方に対応する位置を中心として、左右方向に沿って配置している。
なお、第1領域と第2領域とが相互に部分的に重複する場合には、当該重複部分には、熱膨張耐火部材90aと熱膨張耐火部材90bのいずれか一方のみを配置すればよく、あるいは、熱膨張耐火部材90aと熱膨張耐火部材90bの両方を重合するように配置してもよい。あるいは、第2領域の第2下方領域と第2流入領域とが相互に部分的に重複する場合には、当該重複部分には、熱膨張耐火部材90bを一重に配置すればよく、あるいは二重に配置してもよい。本実施の形態においては、施錠装置33又はストッパ34の下方においては、第2下方領域と第2流入領域とが相互に重複しているため、当該重複部分には、熱膨張耐火部材90bを一重に配置している。さらに具体的には、第2下方領域に配置する熱膨張耐火部材90bと第2流入領域に配置する熱膨張耐火部材90bとを相互に連なった境目のない熱膨張耐火部材90bとして一体に形成している。
(構成−シャッターの防火構造−水切り板の防火構造)
次に、水切り板70の防火構造について説明する。図3、図4、図8、図9に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎が水切り板70と縦枠82の第2接続部85との相互間の隙間から建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、熱膨張耐火部材120が設けられている。以下では、この水切り板70の防火構造について説明する。
この熱膨張耐火部材120は、水切り板70の切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を塞ぐためのものである。この熱膨張耐火部材120は、四角形状の板状体であり、公知の熱膨張耐火部材を用いて構成されており、当該熱膨張耐火部材120の側面が水切り板70の溝部73の第1溝側片73aと当接するように配置され、当該側面に対して両面テープや接着剤等によって固定されている。また、この熱膨張耐火部材120の設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、建物の屋外側で発生した火災の炎が、切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を介して建物の屋内側に侵入することを抑制できるように配置されており、具体的には、図3、図4、図8に示すように、溝部73における建物の屋外側の側面のうち、左端部(又は右端部)及びその近傍部分であって、当該水切り板70の切欠部74に対応する部分に配置されている。
このような構造により、建物の屋外側で火災が発生した場合に、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材120によって切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。よって、シャッター1の防火性能をさらに一層向上させることが可能となる。
(シャッターの防火構造の作用)
続いて、このように構成されたシャッター1の防火構造の作用について説明する。
まず、開口部全閉状態において、建物の屋外側で火災が発生すると、当該火災の熱によってシャッターカーテン30が熱膨張により伸長する。そして、この伸長部分が建物の屋外側に向けて変形することに伴って、座板31が建物の屋外側に向けて移動する(より具体的には、座板31が建物の屋外側に向けて斜め上方に移動する)。
次に、座板31の移動前、移動中、又は移動後において、上記火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合には、レールキャップ100の第1防火片102aによって、第1側片13aが火災の炎から遮蔽されるため、第1隙間4を介して建物の屋内側へ火災の炎が侵入することを抑制できる。また、シャッターカーテン30の左右方向の中央部分が他の部分よりも建物の屋外側に向けて突出するように、シャッターカーテン30が湾曲状に変形した場合に、このシャッターカーテン30によって、ガイドレール13の第2側片13bが建物の外側に向けて押圧されたり、又はガイドレール13の第3側片13cが左右方向の外側に向けて押圧されたとしても、第1起立片103a及び第2起立片103bによって第2側片13b又は第3側片13cの押圧変形を抑制することが可能となる。また、レールキャップ100のベース部材101に取り付けられた熱膨張耐火部材110が、上記火災の熱によって所定温度以上で加熱されると、図9に示すように、当該熱膨張耐火部材110が膨張する。これにより、膨張した熱膨張耐火部材110によって第1隙間4及び第2隙間5を塞ぐことができるため、第1隙間4又は第2隙間5を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
また、座板31に取り付けられた熱膨張耐火部材90a、90bが、上記火災の熱によって所定温度以上で加熱されると、図9に示すように、当該熱膨張耐火部材90a、90bが膨張する。これにより、例えば、座板31の左右方向の中央部分が他の部分よりも建物の屋外側に向けて突出するように、座板31が湾曲状に変形した場合に、座板31とガイドレール13との相互間に隙間が広がったとしても、熱膨張耐火部材90aの膨張によって、この隙間を塞ぐことができ、建物の屋内側に炎が侵入することを抑制できる。また、上記座板31が湾曲状に変形した場合に、座板31に取り付けられた施錠装置33が火源に近づいたとしても、施錠装置33の燃焼又は溶融よりも先に熱膨張耐火部材90bが膨張しやすいことから、この膨張した熱膨張耐火部材90bによって当該施錠装置33が発火することを回避することが可能となる。また、この膨張した熱膨張耐火部材90bによって水切り板70の溝部73を塞ぐことができる。これにより、燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が、溝部73に落下して当該溝部73から外部に流れ出ることを抑制でき、上記火災が延焼することを回避することが可能となる。
また、水切り板70に取り付けられた熱膨張耐火部材120が、上記火災の熱によって所定温度以上で加熱されると、図8に示すように、当該熱膨張耐火部材120が膨張する。これにより、膨張した熱膨張耐火部材120によって水切り板70の切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
(効果)
このように実施の形態1によれば、第1隙間4及びその近傍位置に、建物の屋外側で火災が発生した場合に当該火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材110を設けたので、建物の屋外側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によって第1隙間4を塞ぐことができ、第1隙間4を介して上記火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に移動することを抑制でき、シャッター1の防火性能を向上させることが可能となる。特に、熱膨張耐火部材110を第1隙間4及びその近傍位置にわたってレールキャップ100のベース部材101の側面に沿うように設置(すなわち、熱膨張耐火部材110を横置きに設置)することができることから、熱膨張耐火部材110をガイドレール13の第1側片13aの側面に沿うように設置(すなわち、熱膨張耐火部材110を縦置きに設置)した場合に比べて、建物の屋外側で発生した火災の熱で熱膨張耐火部材110を効果的に膨張させることができ、この膨張した熱膨張耐火部材110によって第1隙間4を確実に塞ぐことが可能となる。
また、第2隙間5及びその近傍位置に、熱膨張耐火部材110を設けたので、建物の屋外側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によって第2隙間5を塞ぐことができるため、この第2隙間5を介して当該火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に侵入することを抑制できる。よって、シャッター1の防火性能を一層向上させることが可能となる。
また、熱膨張耐火部材110が第2隙間5に設けられた場合に、水切り板70をレールキャップ100に対して固定するための固定具により、当該熱膨張耐火部材110を当該レールキャップ100に対して固定したので、粘着手段のみによって熱膨張耐火部材110をレールキャップ100に対して固定した場合に比べて、粘着手段の経年劣化(例えば、レールキャップ100の振動によって粘着手段の粘着力が低下すること等)によって熱膨張耐火部材110がレールキャップ100から外れることを回避でき、熱膨張耐火部材110をレールキャップ110に対して強固に固定することが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係るシャッターの防火構造について説明する。この実施の形態2は、上下開閉式且つ手動式の窓シャッターに防火構造を適用した形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
まず、実施の形態2に係るシャッターの構成について説明する。図12は、実施の形態2に係るシャッターの防火構造を示す図であり、(a)は図4に対応する領域を示す図であり、(b)は図5に対応する領域を示す図である。図12に示すように、実施の形態2に係るシャッター1については、実施の形態1に係るシャッター1とほぼ同様に構成されている。ただし、ガイドレール13の構成、及びガイドレール13の防火構造の構成については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−ガイドレール)
次に、ガイドレール13の構成について説明する。図12に示すように、実施の形態2に係るガイドレール13は、実施の形態1に係るガイドレール13に対して収容枠14を省略して構成されている。この場合において、ガイドレール13と縦枠82との接続関係については任意であるが、実施の形態2では、縦枠82の嵌合部83aが、ガイドレール13の第1側片13aに形成された嵌合部14aに対して嵌合接続されている。また、第2接続部85が、当該第2接続部85に形成された取付孔(図示省略)及び第1側片13aに設けられた接続片14bに形成された取付孔(図示省略)を介して、固定具によって当該第1側片13aに対して接続されている。
(構成−ガイドレールの防火構造)
次に、ガイドレール13の防火構造について説明する。図12に示すように、ガイドレール13の防火構造として、レールキャップカバー111によって覆われたレールキャップ100と、熱膨張耐火部材110とが設けられている。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップ)
最初に、レールキャップ100について説明する。図13は、レールキャップ100を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。図12、図13に示すように、レールキャップ100は、ベース部材101と、防火部材102と、起立部材103とを備えて構成されている。ここで、ベース部材101は、略五角形状の板状体にて形成されており、ガイドレール13の下端部及びその周辺部分(例えば、水切り板70の左端部(又は右端部)及びその近傍部分等)を含む領域を下方側から覆うように配置されている。また、第1防火片102aとガイドレール13との接続関係については任意であるが、実施の形態2においては、第1防火片102aが、当該第1防火片102aに形成された取付孔102e、102fのうちの取付孔102f、補強部材15の第1補強片15aに形成された取付孔(図示省略)、及びガイドレール13の第1側片13aに形成された取付孔(図示省略)を介してガイドレール13に対して固定具によって接続されている。また、起立部材103は、第1起立片103aと、第2起立片103bとを備えている。このうち、第2起立片103bは、ガイドレール13の外部において、ベース部材101における左右方向の外側の端部から上方に向けて突出するように設けられており、ガイドレール13の第3側片13cの外側面に対して当接するように設置されている。このような構成により、第2起立片103bと防火部材102の第3防火片102cとで第3側片13cが直接的に挟み込まれているので、第3側片13cの剛性を高めることが可能となる。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−レールキャップカバー)
次に、レールキャップカバー111について説明する。図14は、レールキャップカバー111を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。図12、14に示すように、レールキャップカバー111は、第1カバー部材112と、第2カバー部材113とを備えている。このうち、第1カバー部材112は、ベース部材101の外形と略同一又はそれよりも大きな外形を有する略五角形状の板状体にて形成されており、ベース部材101の外側面全体を下方側から覆うように配置され、当該第1カバー部材112に形成された取付孔112b及びベース部材101に形成された取付孔101aを介してベース部材101に対して固定具等によって接続されている。
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造−熱膨張耐火部材)
また、熱膨張耐火部材110は、第1隙間4及びその近傍位置、並びに、第2隙間5及びその近傍位置に設置されていることに加えて、さらに、レールキャップ100と縦枠82との相互間の隙間6(以下、「第3隙間6」と称する)及びその近傍位置に設置されている。このような設置にした理由は、以下の通りである。すなわち、レールキャップ100のベース部材101の上面と縦枠82の第2接続部85の下端部が当接するように、ベース部材101と第2接続部85とが設けられている場合でも、建物の屋外側で発生した火災の熱によってベース部材101又は第2接続部85が変形した場合に、第3隙間6が大きくなることで、当該第3隙間6を介して当該火災の炎が建物の屋内側に侵入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、第3隙間6及びその近傍位置に熱膨張耐火部材110が設置されている。
具体的には、図12、図13に示すように、熱膨張耐火部材110における建物の屋外側の端部がベース部材101とガイドレール13の第1側片13aとによって挟み込まれ、熱膨張耐火部材110における左右方向の外側の端部がベース部材101と、縦枠本体83と、第2接続部85とによって挟み込まれ、及び、熱膨張耐火部材110における建物の屋外側の端部及び左右方向の外側の端部以外の部分がベース部材101と水切り板70の溝部73の底部分とによって挟み込まれるように、熱膨張耐火部材110が第1隙間4から第3隙間6にわたってベース部材101の上面に沿うように設置されている。ここで、熱膨張耐火部材110の設置領域については任意であるが、以下に示す通りに設定されている。具体的には、図12、図13に示すように、前後方向の領域については、第1隙間4の前後方向の長さ(奥行き)と第2隙間5の前後方向の長さ(奥行き)との合計の長さ、又は第1隙間4の前後方向の長さ(奥行き)と第3隙間6の前後方向の長さ(奥行き)との合計の長さのいずれか長い方の長さと同じ又はそれよりも長くなるように、レールキャップ100の第1防火片102aの下端部から建物の屋内側に向けて所定距離L10に至る領域に設定されている。また、左右方向の領域については、実施の形態1と同様に、第1側片13aの左右方向の外側の端部から左右方向の内側に向けて所定距離L9に至る領域に設定されている。このような設置により、建物の屋外側で発生した火災の熱によって膨張した熱膨張耐火部材110によって、第1隙間4から第3隙間6を確実に塞ぐことが可能となる。
このような防火構造により、上下開閉式且つ手動式の窓シャッターに適用した場合にも、実施の形態1と同様に、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合には、レールキャップ100の第1防火片102aによって、第1隙間4を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。また、この火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によって第1隙間4から第3隙間6を塞ぐことができるため、第1隙間4、第2隙間5、又は第3隙間6を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
(効果)
このように実施の形態2によれば、第3隙間6及びその近傍位置に、熱膨張耐火部材110を設けたので、建物の屋外側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によって第3隙間6を塞ぐことができるため、この第3隙間6を介して火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に侵入することを抑制できる。よって、シャッター1の防火性能をさらに一層向上させることが可能となる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係るシャッター1の防火構造の防火性能が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の防火性能を確保できている場合には、本願の課題は解決している。
(シャッターの防火構造について)
上記実施の形態1、2では、シャッター1の防火構造は、ガイドレール13の防火構造と、座板31の防火構造と、水切り板70の防火構造とを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、座板31の防火構造又は水切り板70の防火構造の少なくともいずれか一方を省略してもよい。
(ガイドレールの防火構造について)
上記実施の形態1、2では、ガイドレール13の防火構造として、レールキャップカバー111が設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、この防火構造の設置コストを低減するために、レールキャップカバー111を省略してもよい。
(レールキャップについて)
上記実施の形態1、2では、レールキャップ100が、起立部材103を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、レールキャップ100の製造コストを低減するために、起立部材103を省略してもよい。
(ガイドレールの防火構造の熱膨張耐火部材について)
上記実施の形態1、2では、熱膨張耐火部材110が、建物の屋外側で火災が発生した場合に、当該熱膨張耐火部材110の膨張によって当該火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に移動することを抑制できると説明したが、これに限られない。例えば、建物の屋内側で火災が発生した場合に、当該熱膨張耐火部材110の膨張によって当該火災の炎が建物の屋内側から建物の屋外側に移動することも抑制できる。
また、上記実施の形態1では、熱膨張耐火部材110が、第1隙間4及びその近傍位置、並びに第2隙間5及びその近傍位置に設置されており、上記実施の形態2では、熱膨張耐火部材110が、第1隙間4及びその近傍位置、第2隙間5及びその近傍位置、及び第3隙間6及びその近傍位置に設置されていると説明したが、これに限られない。例えば、第1隙間4又はその近傍位置の少なくともいずれか一方に熱膨張耐火部材110が設置されていればよいので、例えば、上記実施の形態1においては、熱膨張耐火部材110の設置位置に制約がある場合に、第1隙間4のみに熱膨張耐火部材110設置されてもよい。
また、上記実施の形態1では、熱膨張耐火部材110の設置領域のうち前後方向の領域が、レールキャップ100の第1防火片102aの下端部から第2隙間5の後端部に至る領域であると説明したが、これに限られない。例えば、シャッター1の防火性能を高めるために、上記領域よりも広い領域(例えば、ベース部材101の前端部から後端部に至る領域等)に設定されてもよい。また、熱膨張耐火部材110の設置領域のうち左右方向の領域が、第2側片13bの左端部から右端部に至る領域に設定されていると説明したが、これに限られない。例えば、シャッター1の防火性能を高めるために、上記領域よりも広い領域(例えば、ベース部材101の左端部から右端部に至る領域等)に設定されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、熱膨張耐火部材110がベース部材101に対して両面テープや接着剤によって固定されていると共に、固定具により固定されていると説明したが、これに限られない。例えば、熱膨張耐火部材110の設置の手間を省くために、両面テープや接着剤、又は固定具のいずれか一方により固定されてもよい。
(付記)
付記1のシャッターの防火構造は、建物の開口部の開閉を行うためのシャッターカーテンと、前記開口部における開閉方向に沿って設けられたガイドレールであり、前記シャッターカーテンにおいて相互に対向する一対の端部の各々を案内するガイドレールと、を備えたシャッターの防火構造であって、前記ガイドレールにおける前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部及びその近傍部分を外側から略覆うための耐火性の被覆手段を備え、前記被覆手段と前記ガイドレールとの相互間の隙間又はその近傍位置に、前記建物の屋外側又は屋内側で火災が発生した場合に当該火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けた。
付記2のシャッターの防火構造は、付記1に記載のシャッターの防火構造において、前記開口部の周辺には、当該開口部を閉鎖するように前記シャッターカーテンを開閉させた際における当該シャッターカーテンの先端部の少なくとも一部を、前記建物の屋外側から覆うためのカバー片と、前記ガイドレール及び前記カバー片を支持するための支持枠材とを設け、前記被覆手段と前記カバー片との相互間の隙間若しくはその近傍位置、又は前記被覆手段と前記支持枠材との相互間の隙間若しくはその近傍位置の少なくともいずれか一方に、前記熱膨張耐火部材を設けた。
付記3のシャッターの防火構造は、付記2に記載のシャッターの防火構造において、前記熱膨張耐火部材が、前記被覆手段と前記カバー片との相互間の隙間に設けられた場合に、当該カバー片を当該被覆手段に対して固定するための固定具により、当該熱膨張耐火部材を当該被覆手段に対して固定した。
(付記の効果)
付記1に記載のシャッターの防火構造によれば、被覆手段とガイドレールとの相互間の隙間又はその近傍位置に、建物の屋外側又は屋内側で火災が発生した場合に当該火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けたので、建物の屋外側又は屋内側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって当該隙間を塞ぐことができ、当該隙間を介して上記火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に移動したり、又は建物の屋内側から建物の屋外側に移動することを抑制でき、シャッターの防火性能を向上させることが可能となる。特に、熱膨張耐火部材を当該隙間又はその近傍位置にわたって被覆手段の側面に沿うように設置(すなわち、熱膨張耐火部材を横置きに設置)することができることから、熱膨張耐火部材をガイドレールの側面に沿うように設置(すなわち、熱膨張耐火部材を縦置きに設置)した場合に比べて、建物の屋外側又は屋内側で発生した火災の熱で熱膨張耐火部材を効果的に膨張させることができ、この膨張した熱膨張耐火部材によって当該隙間を確実に塞ぐことが可能となる。
付記2に記載のシャッターの防火構造によれば、被覆手段とカバー片との相互間の隙間若しくはその近傍位置、又は被覆手段と支持枠材との相互間の隙間若しくはその近傍位置の少なくともいずれか一方に、熱膨張耐火部材を設けたので、建物の屋外側又は屋内側で発生した火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって被覆手段とカバー片との相互間の隙間又は被覆手段と支持枠材との相互間の隙間を塞ぐことができるため、これら隙間を介して火災の炎が建物の屋外側から建物の屋内側に移動したり、又は建物の屋内側から建物の屋外側に移動することを抑制できる。よって、シャッターの防火性能を一層向上させることが可能となる。
付記3に記載のシャッターの防火構造によれば、熱膨張耐火部材が、被覆手段とカバー片との相互間の隙間に設けられた場合に、当該カバー片を当該被覆手段に対して固定するための固定具により、当該熱膨張耐火部材を当該被覆手段に対して固定したので、両面テープ又は接着剤の如き粘着手段のみによって熱膨張耐火部材を被覆手段に対して固定した場合に比べて、粘着手段の経年劣化(例えば、被覆手段の振動によって粘着手段の粘着力が低下すること等)によって熱膨張耐火部材が被覆手段から外れることを回避でき、熱膨張耐火部材を被覆手段に対して強固に固定することが可能となる。
1 シャッター
2 躯体
3 開口部
4 第1隙間
5 第2隙間
6 第3隙間
10 枠体
13 ガイドレール
13a 第1側片
13b 第2側片
13c 第3側片
14 収容枠
14a 嵌合部
14b 接続片
15 補強部材
15a 第1補強片
15b 第2補強片
15c 第3補強片
20 シャッター収納部
30 シャッターカーテン
30a スラット
30b 嵌合部
31 座板
32 嵌合部
33 施錠装置
33a ラッチ
33b 操作レバー
33c ラッチバー
34 ストッパ
40 開閉機
41 チェーン
50 巻き取り軸
60 本体片
61 第1突出部
62 第2突出部
63 接続部
64 切欠部
65、66 取付片
70 水切り板(カバー片)
71 水切り板本体
71a 取付孔
72 立ち上げ片
73 溝部
73a 第1溝側片
73b 第2溝側片
73c 第3溝側片
73d 取付孔
74 切欠部
76 水密材
80 左縦枠
81 右縦枠
82 縦枠
83 縦枠本体
83a 嵌合部
84 第1接続部
85 第2接続部
90、90a、90b 熱膨張耐火部材
100 レールキャップ
101 ベース部材
101a 取付孔
102 防火部材
102a 第1防火片
102b 第2防火片
102c 第3防火片
102d 固定片
102e、102f 取付孔
102g 取付孔
103 起立部材
103a 第1起立片
103b 第2起立片
103c 第3起立片
110 熱膨張耐火部材
110a 取付孔
111 レールキャップカバー
112 第1カバー部材
112a、112b 取付孔
112c 凹部
113 第2カバー部材
120 熱膨張耐火部材
140 熱膨張耐火部材
L1〜L10 所定距離
R1 第1侵入ルート
R2 第2侵入ルート

Claims (3)

  1. 建物の開口部の開閉を行うためのシャッターカーテンと、前記開口部における開閉方向に沿って設けられたガイドレールであり、前記シャッターカーテンにおいて相互に対向する一対の端部の各々を案内するガイドレールと、を備えたシャッターの防火構造であって、
    前記開口部の周辺に設けられたカバー片であって、当該開口部を閉鎖するように前記シャッターカーテンを開閉させた際における当該シャッターカーテンの先端部の少なくとも一部を、前記建物の屋外側から覆うためのカバー片と、
    前記カバー片とは別体に形成された被覆手段であって、前記ガイドレールにおける前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部及びその近傍部分のみを前記シャッターカーテンの閉鎖方向側から略覆うための耐火性の被覆手段を備え、
    前記被覆手段と前記ガイドレールとの相互間の隙間に、前記建物の屋外側又は屋内側で火災が発生した場合に当該火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けた、
    シャッターの防火構造。
  2. 前記開口部の周辺には、前記ガイドレール及び前記カバー片を支持するための支持枠材を設け、
    前記被覆手段と前記カバー片との相互間の隙間、又は前記被覆手段と前記支持枠材との相互間の隙間の少なくともいずれか一方に、前記熱膨張耐火部材を設けた、
    請求項1に記載のシャッターの防火構造。
  3. 前記熱膨張耐火部材を、前記被覆手段と前記カバー片との相互間の隙間に設け、
    前記カバー片を前記被覆手段に対して固定するための固定具により、前記熱膨張耐火部材を当該被覆手段に対して固定した、
    請求項1又は2に記載のシャッターの防火構造。
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