JP6570652B2 - イムノクロマトグラフキット - Google Patents

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Description

本発明は、イムノクロマトグラフキットに関し、特に、検出感度を高めるためのシグナル増幅操作を行うイムノクロマトグラフキットに関する。
免疫測定方法の中でもイムノクロマトグラフ法は、操作が簡便であり短時間で測定可能であることから、簡易な被検物質検出方法として一般に利用されている。
イムノクロマトグラフ法で用いられている免疫反応としては、競合的反応またはサンドイッチ型反応が広く使われている。その中でも、サンドイッチ型反応が主流であり、典型的な検査方法は次の通りである。
まず、被検出物質である抗原に対する抗体により感作させた微粒子を固相微粒子としてクロマトグラフ担体に固定化することにより、あるいは抗体自体をクロマトグラフ担体に直接固定化することにより、反応部位を有するクロマトグラフ担体を作製する。また、標識微粒子に被検出物質と特異的に結合可能な抗体を感作させて感作標識微粒子を調製する。
そして、この感作標識微粒子を試料と共に、クロマトグラフ担体上でクロマトグラフ的に移動させることにより、クロマトグラフ担体の反応部位において、固定化されている抗体に被検出物質である抗原を介して感作標識微粒子が特異的に結合し、その結果、感作標識微粒子が反応部位に捕捉される。この反応部位に捕捉された感作標識微粒子により生ずるシグナルの有無または程度を目視で判定することにより、試料中の被検出物質の存在の有無または量を測定することができる。
このようなイムノクロマトグラフ法においては、被検出物質が含まれているにも関わらず感度が低いために検出されず偽陰性を示すという問題を回避するために、検出シグナルを増幅させる技術が提案されている。シグナル増幅の方法として、標識としてアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を用いる技術が特許文献1、2等に開示されている。また、特許文献3には、金属コロイド標識および金属硫化物標識からなる群から選んだ標識に銀を含む化合物および銀イオンのための還元剤を用いて増感すること(銀増幅)によって検出を行う技術により、より高感度で抗原の量が少ない場合でも検出が可能な技術が開示されている。
特許文献3に開示されている銀増幅による検出シグナルの増幅方法によれば、非常に高感度な検出が可能となる。この銀増幅方法においては、銀イオン還元剤を含む溶液のような増幅を触媒する液と、銀イオンを含む溶液のような増幅を行う液との2種類の液をイムノクロマトグラフ担体に供給する必要がある。
特開2005−061910号公報 特表2006−524815号公報 特開2011−99724号公報
特許文献3に記載のイムノクロマトグラフ担体を収容するデバイスは、電源により作動する分析装置などにセットして、分析装置に設けられている外力付与機構などの操作により増幅液の供給を行うことを前提として形成されている。そのため、電源により作動する専用の分析装置は、緊急災害時などの電気のインフラが停止した状況や、電気の通じていない環境では使用できない、などの不具合が生じる場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、専用の分析装置を必要とせず高感度な測定が実現可能なイムノクロマトグラフキットを提供することを目的とする。
本発明のイムノクロマトグラフキットは、試料液中の被検物質を検出するイムノクロマトグラフキットであって、
試料液を展開させる、被検物質の検査領域を有する不溶性担体を含む検査用ストリップと、
検査領域における検出信号を増幅するための、第1の増幅液および第2の増幅液がそれぞれ封入された、シート部材を備えた一面を有する第1のポットおよび第2のポットと、
検査用ストリップ、第1のポットおよび第2のポットを内包するハウジングケースとを備え、
ハウジングケースが、検査用ストリップが配置される収容部を備えた下部ケースと、下部ケースと周縁で接合された上部ケースと、上部ケースと下部ケースとの間に配置された中間部材とを備えてなり、
中間部材が、第1のポットのシート部材を破断する破断部を、第1のポットのシート部材に面して備え、
上部ケースが、第1のポットに対向する部分に、外部から押圧力が加えられることにより、第1のポット側に変形して、第1のポットのシート部材を中間部材の破断部により破断する第1の凸状変形部と、第2のポットに対向する部分に、外部から押圧力を加えることにより、第2のポット側に変形して第2のポットのシート部材を破断する第2の凸状変形部とを備えてなるイムノクロマトグラフキットである。
本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の凸状変形部が、押圧力が加えられることにより、第1のポットを、シート部材が中間部材の破断部により破断される位置まで移動させるものであることが好ましい。
このとき、上部ケースが、第1の凸状変形部に押圧力を加えた際に第1のポットに当接して移動させる、第1のポット側に向かって立設された2つの突起部を備えることが好ましい。
本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の凸状変形部が中央対称な山型形状を有していることが好ましい。
また、このとき、2つの突起部が、山型形状の頂上に対して対称に配置されていることが好ましい。
また、2つの突起部が、山型形状の頂上を挟む斜面に互いに独立して形成されていることも好ましい。
本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の凸状変形部が上述の2つの突起部を備えているとき、この2つの突起部が、第1のポットの当接面の中央に対して対称に配置されていることが好ましい。
また、2つの突起部が、第1のポットの当接面の中央から端部までの距離の半分よりも端部側に配置されていることが好ましい。
なお、本明細書において凸状変形部は、イムノクロマトグラフキットの外部から見た場合に凸状であることを意味する、また、山型形状も同様に、外部から見て山型であることを意味する。
本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の凸状変形部が上述の2つの突起部を備えているとき、この2つの突起部のそれぞれの先端が第1のポットに当接し、徐々に端部側に変位しつつ第1のポットを移動させるように構成することができる。
本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の凸状変形部を構成する材質の曲げ弾性率が50MPa〜350MPaであることが好ましい。
また、上部ケースを構成する材質の曲げ弾性率が50MPa〜350MPaであり、下部ケースを構成する材質の曲げ弾性率が500MPa〜900MPaであることが好ましい。
本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、上部ケースが、射出成形により第1の凸状変形部および第2の凸状変形部を一体的に形成されてなるものであることが好ましい。
本発明のイムノクロマトグラフキットは、上部ケースが、第1のポットに対向する部分に、外部から押圧力が加えられることにより、第1のポット側に変形して、第1のポットのシート部材を中間部材の破断部により破断する第1の凸状変形部と、第2のポットに対向する部分に、外部から押圧力を加えることにより、第2のポット側に変形して第2のポットのシート部材を破断する第2の凸状変形部とを備え、2つの凸状変形部にヒトが指等で押圧力を加えることで、変形させて、ポットのシート部材を破断させることができ、増幅液を検査用ストリップに供給することができるため、電源を要する専用の分析装置がなくても、増幅反応を正常に行うことができる。従って本発明のイムノクロマトグラフキットは専用の分析装置を備えていない、あるいは分析装置が使用できない非常時、災害時等において特に有用である。
本発明のイムノクロマトグラフキットの一実施形態の態様を示す斜視図である。 本発明のイムノクロマトグラフキットの一実施形態の態様を示す分解概略斜視図である。 検査用ストリップ、第1および第2のポットの位置関係を示す模式側面図である。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの上部ケースに設けられている第1の凸状変形部の斜視図である。 図4に示す第1の凸状変形部の変形前後におけるV−V’線切断部端面図ある。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの上部ケースに設けられている第2の凸状変形部の斜視図である。 図6に示す第2の凸状変形部の変形前後におけるVII−VII’線切断部端面図である。 設計変更例の凸状変形部の変形前後における切断部端面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜変化させてある。
図1は、本発明の実施形態にかかるイムノクロマトグラフキット100の概略斜視図であり、図2は、図1のイムノクロマトグラフキット100の分解概略斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態のイムノクロマトグラフキット100は、試料液を展開させる、被検物質の検査領域を有する不溶性担体2を含む検査用ストリップ1と、検査領域における検出信号を増幅するための、第1の増幅液41および第2の増幅液46がそれぞれ封入された、シート部材を備えた一面を有する第1のポット40および第2のポット45とがハウジングケース9に内包されてなる。ハウジングケース9は、検査用ストリップ1が配置される収容部21を備えた下部ケース20と、下部ケース20と周縁で接合された上部ケース10と、上部ケース10と下部ケース20との間に配置された中間部材30とを備えてなる。なお、本イムノクロマトグラフキット100を説明するに当たっては、上部ケース10側を上、下部ケース20側を下と定義する。
中間部材30は、第1のポット40を受容し、第1の増幅液41を不溶性担体2上に滴下させるための増幅液充填孔を底面に備えたポット収容部32を有している。また、ポット収容部32内の第1のポット40のシート部材43に面する位置にシート部材43を破断する突起状の破断部34が設けられている。本例においては、ポット収容部32の上方に第1のポット40が、そのシート部材43を有する面が下面となるように配置されており、そのシート部材43に対向するポット収容部32の底面に破断部34が設けられている(図3参照)。
また中間部材30のポット収容部32の底面の下流側に延在する流路形成部35を備えている。流路形成部35は、検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lの上方位置に一致して配置され、これらの領域L〜Lを視認可能とするために透明な材料で形成されている。
上部ケース10は、第1のポット40に対向する部分に、外部から押圧力が加えられることにより、第1のポット40側に変形してその第1のポット40のシート部材43を中間部材30の破断部34により破断させる第1の凸状変形部12を備えている。また、上部ケース10は、第2のポット45に対向する部分に、外部から押圧力を加えることにより、第2のポット45側に変形して第2のポット45のシート部材48を破断する第2の凸状変形部14を備えている。
また、上部ケース10には、試料液滴下用開孔16が設けられており、この開孔16から検査用ストリップ1の標識保持パッド3上に試料液が滴下される。開孔16と標識保持パッド3との位置が一致するように、標識保持パッド3の位置を調整することで、標識保持パッド3上に確実に試料液を点着することが可能となる。また、上部ケース10は、中間部材30の流路形成部35に対応する位置に3つの領域L〜Lを視認するための観察窓18を備えている。
下部ケース20には、検査用ストリップ1が配置される収容部として、不溶性担体2が載置される不溶性担体収容部21およびその下流側に吸収パッド6が載置される吸収パッド収容部22が設けられている。また、不溶性担体収容部21の上流側には第2のポット45が収容される第2のポット収容部24が設けられている。
図3は、検査用ストリップ1、中間部材30および2つのポット40、45の位置関係を示す模式的断面図である。検査用ストリップ1は、図3に示すように、試料液を展開させる不溶性担体2と、不溶性担体2上に固定された被検物質に結合可能な第1の物質で修飾された標識物質を含む標識保持パッド3と、不溶性担体2の一端に接触して配置された第2の増幅液46を不溶性担体2に送液する送液用パッド4と、不溶性担体2の他端に接触して配置された吸収パッド6とを備えている。不溶性担体2はバック粘着シート7上に固定されて支持されている。そして、不溶性担体2は、標識保持パッド3と吸収パッド6との間に、被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域L、第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域L、第2の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域Lを標識保持パッド3側から順に有する。
なお、本明細書において検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lが形成されてなる不溶性担体2をクロマトグラフ担体と称する場合がある。また、本明細書においては、図3に記載のように送液用パッド4側を上流、吸収パッド6側を下流として定義する。
中間部材30は検査用ストリップ1の下流端側の上部に位置されており、第1のポット40はシート部材43を下にして、中間部材30のポット収容部32中に配置されている。第2のポット45はシート部材48を上にして、下部ケース20の検査用ストリップ1の上流端の下方に収容されている。
図3に示されているように、中間部材30の流路形成部35の裏面36と、検査用ストリップ1の不溶性担体2との間には、隙間(クリアランス)Dが形成される。この隙間Dは0.01mm〜1mmの範囲にあることが好ましい。0.01mm以上であれば増幅液等を充分浸潤させることができ、1mm以下であれば毛細管力が発揮され、第1の増幅液41により不溶性担体2と中間部材30の隙間を均一に満たすことが可能である。
第1の増幅液41が封入された第1のポット40は、例えば樹脂材料から構成された一面に開口を有する容器42に第1の増幅液41が充填され、その容器42の開口が破断可能なシート部材43により覆われ封止されている。
第2の増幅液46が封入された第2のポット45も同様に、例えば樹脂材料から構成された一面に開口を有する容器47に第2の増幅液46が充填され、その容器47の開口が破断可能なシート部材48により覆われ封止されている。
第1のポット40および第2のポット45における破断可能なシート部材43、48としては、アルミ箔やアルミラミシートなどのラミネートフィルムが好適に使用される。ここで、破断とは、破れた後に再生しない状態をいう。
上部ケースの2か所の凸状変形部12、14について詳細に説明する。
図4は、第1の凸状変形部12を示す斜視図であり、図5は図4のV−V’線切断端面図であって、図5のAは第1の凸状変形部12の変形前、図5のBは変形後を表し、第1のポット40との位置関係を示す図である。
第1の凸状変形部12は、押圧力が加えられることにより、第1のポット40を、シート部材43が中間部材30の破断部34により破断される位置まで移動させるものである。具体的には、第1の凸状変形部12は、指等により押下することによって、下方に押し込むことができるように構成されており、第1の凸状変形部12を下に凸となるように(外部からみると凹部状に)変形させることによって、中間部材30のポット収容部32内の破断部34により第1のポット40のシート部材43が破断される位置まで、第1のポット40を破断部34に向けて移動させる。これにより、破断部34が第1のポット40のシート部材43を突き破り、第1の増幅液41を外部に供給することが可能となる。中間部材30のポット収容部32の底面に設けられている増幅液充填孔から不溶性担体2の上部に第1の増幅液41が滴下されて不溶性担体上の検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lに第1の増幅液41を供給することが可能となる。なお、この際、増幅液充填孔から不溶性担体2の上部に滴下された第1の増幅液41は、中間部材30と不溶性担体2との隙間に充填されていき、隙間を通って検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lの上方に供給されて、徐々に不溶性担体2に浸透する。
図5に示すように、第1の凸状変形部12は、第1のポット40に対向する位置に第1のポット40側に向かって立設された2つの突起部12bを備えている。第1の凸状変形部12に押圧力が加えられて変形する際に、この2つの突起部12bが第1のポット40に当接して第1のポット40を移動させるように構成されている。
第1の凸状変形部12は、中央対称な山型形状を有しており、2つの突起部12bが、山型形状の頂上12aに対して対称に配置されており、頂上12aを挟む斜面12cの下方(裏面)に互いに独立して形成されている。
また、図5のAに示すように、第1の凸状変形部12は、変形前において、2つの突起部12bが第1のポット40の当接面の中央に対して対称な位置となるように上部ケース10に形成されている。そして、中間部材30の破断部34が図5中に破線で示すように、第1のポット40のシート部材43の下方に位置している。第1の凸状変形部12に押圧力が付与されて変形する際には、2つの突起部12bが、2つの突起部12bのそれぞれの先端が第1のポット40に当接し、徐々に端部側に変位しつつ第1のポット40を移動させる。そして、図5のBに示すように、凸状変形部12の変形後には、2つの突起部12bの間隔が拡がり、2つの突起部12bの先端は、互いに第1のポット40の当接面の中央から端部までの距離の半分よりも端部側に位置することとなる。本実施形態においては、2つの突起部12bが独立して設けられて、その突起部12bの間(頂上12a裏面)に隙間を有しており、凸状変形部12が柔軟な素材で形成されていることにより、2つの突起部12b間を大きく拡げつつ、第1のポット40を押下させている。
突起部12bの形状や配置は上記形態に限らず、例えば、変形前において、2つの突起部12bが、第1のポット40の当接面の中央から端部までの距離の半分よりも端部側となる位置に設けられていてもよい。
第1のポット40を移動させる第1の凸状変形部12としては、突起部12bが2本あることにより、第1のポット40を2か所で均等に押すことができるので、第1のポット40を平行に移動させることができる。
第1の凸状変形部12は指等で押すことにより、容易に変形し、第1の凸状変形部12は下に凸状(凹部状)になる。この押圧後には凹部状が戻らず、第1のポット40を押し付けた状態を維持できる構成となっていることが好ましい。第1の凸状変形部12は頂上12aを押圧するように構成されているが、山型形状の斜面を押さえることによっても、凸状変形部12の弾性により同様に変形可能である。
図6は、第2の凸状変形部14を示す斜視図であり、図7は図6のVII−VII’線切断端面図であって、図7のAは第2の凸状変形部14の変形前、図7のBは変形後を表し、第2のポット45との位置関係を併せて示す図である。
第2の凸状変形部14は、押圧力が加えられることにより、第2のポット45のシート部材48を破断させるものである。図7のAに示すように、第2の凸状変形部14は、第2のポット45に対向する位置に第2のポット45に向かって立設された1本の突起部14bを備えている。また、第2のポット45との間に検査用ストリップ1の送液用パッド4が配置されている。第2の凸状変形部14に押圧力が加えられて第2のポット45側に凸、すなわち、外部から見て凹部状に変形し、図7のBに示すように、突起部14bが送液用パッド4の表面に当接して、第2のポット45のシート部材48を突き破り、送液用パッド4を第2のポット45中に押し込む。この第2の凸状変形部14は、図7に示すように、上下流方向に沿った断面において、やや上流側に頂上14aを有する山型形状を有しており、変形時には、突起部14bが下流側に向かって傾いてシート部材48を突き破るように構成されている。
この操作により、送液用パッド4が第2のポット45中の増幅液46に浸漬され、第2の増幅液46が毛細管現象により送液用パッド4内を浸透して不溶性担体2に供給可能となる。
第2の凸状変形部14も、指等で押すことにより、容易に変形して凹部状となる。この押圧後には凹部状が戻らず、送液用パッド4を第2のポット45中に押し込んだ状態を維持できる構成となっていることが好ましい。
本発明は、電源につながった装置を使用せずに、第1および第2の凸状変形部を変形させて増幅液を供給し高感度な分析を実現するもので、一つの態様として、人が手で変形させる態様が想定される。従って、増幅液が誤って外部に漏れない設計とすることが好ましく、上部ケース10に設けられている第1および第2の凸状変形部12、14は、上部ケース10の他の部分と隙間なく一体的に形成されていることが好ましい。凸状変形部12、14は伸縮可能な材質で作製されていて上部ケース10の他の部分と密閉された状態で接合されていることが好ましい。上部ケース10の第1および第2の凸状変形部12、14とそれ以外の部分とを個別に作製した後、互いに接合したものであってもよいが、第1および第2の凸状変形部12、14を上部ケース10の一部として、射出成形により、途中に接合箇所がない連続的な1つの部材として一体的に成形されていることが好ましい。
第1および第2の凸状変形部12、14はヒトの指等で容易に変形させることができる程度の柔軟性を有するものであることが必要である。凸状変形部12、14を構成する材質の曲げ弾性率は、50MPa以上350MPa以下が好ましく、70MPa以上150MPa以下がより好ましい。
また、上部ケース10と下部ケース20とを組み合わせる際に嵌め合うだけの場合には、隙間から液が漏れだすことがあるため、上部ケース10と下部ケース20の嵌合部についても、密閉状態で接着されていることが好ましい。
上部ケース10と下部ケース20との接着方法としては、超音波溶着法を用いることが好ましい。一般的に超音波溶着は溶着する部材が同素材でなければ溶着しづらいことが知られており、上部ケース/下部ケースの組み合わせは、ポリエチレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリプロピレンあるいはABS(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)/ABSが良い。
一方で、凸状変形部12、14を上部ケース10に一体的に成形する場合には、上部ケース10を構成する材質が柔軟性を有するものであることを要する。他方、下部ケース20は検査用ストリップ1や第2のポット45を固定するために剛直であることが好ましい。具体的には、上部ケース10を構成する材質の曲げ弾性率は50MPa以上350MPa以下であることが好ましく、70MPa以上150MPa以下であることがより好ましい。下部ケース20を構成する材質の曲げ弾性率は500MPa以上900MPaが好ましく、650MPa以上750MPa以下が特に好ましい。
なお、曲げ弾性率は、ISO178規格の測定方法に従い、温度20℃の環境において、以下のように式(1)より算出した値とする。
曲げ弾性率を測定する材質について、幅b(mm)、厚さh(mm)の板状の試験片を作成し、支点間距離をL(mm)とした2つの支点で試験片を支える。支点間の中心にF(N)の荷重をかけ、荷重をかけた方向へのたわみ量(mm)を測定する。横軸にたわみS(mm)、縦軸に荷重F(N)とした、たわみ−荷重曲線を作成する。この曲線の原点での接線を求め、その傾き(荷重の変化量ΔF(N)、たわみの変化量ΔS(mm)とした場合、(ΔF/ΔS))を算出し、以下の式を用いて曲げ弾性率E(MPa)が算出できる。
曲げ弾性率E=(L/(4bh))×(ΔF/ΔS) 式(1)
従って、上部ケース/下部ケースの組み合わせは、軟化剤入りポリプロピレン/ポリプロピレンの組み合わせがもっとも好ましい。ここで、軟化剤入りポリプロピレンに使用する軟化剤はオレフィン系エラストマーが好ましく、ポリプロピレンに対するオレフィン系エラストマーの濃度は20質量%以上60質量%以下が好ましく、40質量%以上55質量%以下が特に好ましい。具体的な軟化剤としては、住友化学(株)社製のタフセレン(登録商標)が挙げられる。
なお、本発明のイムノクロマトグラフキットは、2つ以上の凸状変形部を有していればよく、検査ストリップに対して供給すべき溶液が3種以上ある場合には、それに応じて凸状変形部も3つ以上備えていてもよい。
不溶性担体2としては、例えば、ニトロセルロースメンブレンなどを使用することができる。また、不溶性担体2が固定されるバック粘着シート7とは、不溶性担体2が貼り付けられる面が粘着面であるシート状基材である。
標識保持パッド3は、不溶性担体2の長手方向中央部に固定されている。標識物質は、例えば、直径50nmの金コロイド(EM.GC50、BBI社製)を用いることが可能である。標識物質の表面は、被検物質と結合する物質で修飾することにより、被検物質との結合体を形成することが可能である。
標識物質は上記に限るものではなく、通常のクロマトグラフ法に用いることができる金属硫化物、免疫凝集反応に用いられる着色粒子などを使用することができ、特には、金属コロイドが好ましい。金属コロイドとしては、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、およびこれらの複合コロイドなどが挙げられ、特に、適当な粒径において、金コロイドは赤色、銀コロイドは黄色を示す点でこのましく、その中でも金コロイドが最も好ましい。
なお、検査用ストリップ1は、上部ケース10の試料液滴下用開孔16と標識保持パッド3の位置が一致するように位置されている。
検査領域Lは、被検物質に結合する第2の物質を含み、被検物質と結合した標識物質が被検物質を介して補足される標識物質補足領域である。例えば、インフルエンザA型ウィルスあるいはそのバイオマーカーを被検物質として検出したい場合には、例えば、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)が物理吸着によりライン状に固定化されている抗体固定化ラインにより検査領域Lを構成する態様が好ましい。
この検査領域Lに被検物質と第1の物質を介して標識物質が結合した複合体が到達すると第2の物質と被検物質が特異的に結合し、被検物質と第1の物質を介して標識物質が補足されることとなる。一方、被検物質との複合体を構成していない標識物質は、検査領域Lに補足されることなく通過する。
確認領域Lは、第1の物質に結合可能な物質を含み、標識保持パッド3から試料液と共に不溶性担体2中を展開され、検査領域Lを通過した標識物質が第1の物質を介して補足され、試料液の展開の完了を確認するための領域である。例えば、インフルエンザA型ウィルスあるいはそのバイオマーカーを被検物質として検出したい場合には、例えば、抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L)、ウサギF(ab')2、品番566−70621、和光純薬工業(株)社製)が物理吸着によりライン状に固定化されている態様が好ましい。
増幅指標領域Lは、第2の増幅液46と反応する物質を含み、第2の増幅液46と反応して発色もしくは色が変化することにより、第2の増幅液46がその領域まで展開されたことを示し、第1の増幅液41の滴下のタイミングの指標となる領域である。例えば、第2の増幅液として、硝酸鉄水溶液とクエン酸(和光純薬工業(株)社製、038−06925)の混合水溶液を使用する場合には、ブロモクレゾールグリーン(和光純薬工業(株)社製)がライン状に固定化された発色試薬固定化ラインにより増幅指標領域Lを構成する態様が好ましい。このとき第2の増幅液46が増幅指標領域Lに到達すると、領域Lは緑色からオレンジ色へと変化する。この変色は、検査領域Lおよび確認領域Lが第2の増幅液46により十分に満たされたことの指標として捕えることができる。
金属コロイドなどの金属系標識物質のシグナルを増幅させる方法としては、標識物質に銀イオンおよび銀イオンのための還元剤を接触させ、還元剤によって銀イオンを還元して銀粒子を生成させ、その銀粒子が標識物質を核として標識物質上に沈着することにより標識物質によるシグナルを増幅させる方法(以下において、銀増幅)を用いることが好ましい。
銀増幅を実現させるために、第1の増幅液41として銀イオンを含む溶液を、第2の増幅液46として銀イオンのための還元剤を含む還元剤液を用いればよい。
(第1の増幅液)
第1の増幅液41として用いられる銀イオンを含む溶液としては、溶媒中に銀イオン含有化合物が溶解されているものが好ましい。銀イオン含有化合物としては有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。好ましくは、無機銀塩もしくは銀錯体である。無機銀塩としては、水などの溶媒に対して溶解度の高い銀イオン含有化合物を使用することが可能であり、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀、チオ硫酸銀などが挙げられる。特に好ましくは硝酸銀である。銀錯体としては、水酸基やスルホン基など水溶性基を有する配位子に配位された銀錯体が好ましく、ヒドロキシチオエーテル銀などが挙げられる。
(第2の増幅液)
第2の増幅液46として用いられる銀イオンを還元し得る還元剤を含有する還元剤液中に用いられる還元剤としては、銀イオンを銀に還元することができるものであれば、無機・有機のいかなる材料、またはその混合物でも用いることができる。無機還元剤としては、Fe2+、V2+あるいはTi3+などの金属イオンで原子価の変化し得る還元性金属塩、還元性金属錯塩を好ましく挙げることができる。無機還元剤を用いる際には、酸化されたイオンを錯形成するか還元して、除去するか無害化する必要がある。例えば、Fe2+を還元剤として用いる系では、クエン酸やEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を用いて酸化物であるFe3+の錯体を形成し、無害化することができる。本系ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、より好ましくはFe2+の金属塩が好ましい。
なお、湿式のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる現像主薬(例えばメチル没食子酸塩、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、3−ピラゾリドン類、p−アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、ヒンダードフェノール類、アミドキシム類、アジン類、カテコール類、ピロガロール類、アスコルビン酸(またはその誘導体)、およびロイコ色素類)、および本分野の当業者にとって明らかなその他の材料、例えば米国特許第6,020,117号に記載されている材料も用いることができる。
還元剤としては、アスコルビン酸還元剤も好ましい。有用なアスコルビン酸還元剤は、アスコルビン酸と類似物、異性体とその誘導体を含み、例えば、D−またはL−アスコルビン酸とその糖誘導体(例えばγ−ラクトアスコルビン酸、グルコアスコルビン酸、フコアスコルビン酸、グルコヘプトアスコルビン酸、マルトアスコルビン酸)、アスコルビン酸のナトリウム塩、アスコルビン酸のカリウム塩、イソアスコルビン酸(またはL−エリスロアスコルビン酸)、その塩(例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩または当技術分野において知られている塩)、エンジオールタイプのアスコルビン酸、エナミノールタイプのアスコルビン酸、チオエノ−ルタイプのアスコルビン酸等を好ましく挙げることができ、特にはD、LまたはD,L−アスコルビン酸(そして、そのアルカリ金属塩)若しくはイソアスコルビン酸(またはそのアルカリ金属塩)が好ましく、ナトリウム塩が好ましい塩である。必要に応じてこれらの還元剤の混合物を用いることができる。
なお、本実施形態において、第1の凸状変形部12は、第1のポット40を中間部材30に設けられている破断部34に向けて移動させるものとしたが、第1の凸状変形部12は、その変形に伴い、第1のポット40のシート部材43を破断部34により破断させることができる構成であればよい。
第1のポット40のシート部材43が破断されてポット40から流出する第1の増幅液41を収容部32の底面の増幅液充填孔から不溶性担体2上に滴下させることができる構成であれば、第1のポット40および第1のポット40を収容する収容部32の構成も本実施形態の構成に限らない。
また、第1の凸状変形部の突起部は2つ以上あることが、第1のポット40を傾けず平行に移動させることができ、好ましい。ただし、第1の凸状部材は上記実施形態の第2の凸状変形部と同様の形状の突起部が1つの形態であっても構わない。第2の凸状部変形部と同一形状の凸状変形部を第1のポット40を移動させる第1の凸状変形部としても用いてもよい。
図8は、第2の凸状変形部と同一形状の変形部114を、第1のポット40を移動させるために使用する場合の形態を示す図7と同様の切断端面図である。
図8のAに示すように、変形前において、凸状変形部114の突起部114bの下方に第1のポット40が位置するように配置される。また、第1のポット40の下方には中間部材30の破断部34が位置している。凸状変形部114の頂上114aを押下することにより突起部114bが第1のポット40の上面に押しあたり、第1のポット40を押し下げる。それにより第1のポット40のシート部材43を破断部34が突き破り、第1のポット40に封入されていた第1の増幅液41が第1のポットから流出して検査用ストリップ1に供給される。
このように、凸状変形部114に設けられている突起部が1つであってもポットを移動させることができる。
なお、本発明のイムノクロマトグラフキットには、検体の抽出を補助する補助薬品などを含む検体抽出液を内包するポットや検体希釈液を内包するポット、キットの保存を助ける乾燥剤や脱酸素剤、取扱い説明書などの添付文書、および、綿棒などの検体採取器具などの検査に必要な器材一式もしくはその一部を含んでも良い。
本イムノクロマトグラフキットを用いれば、専用の分析装置などを用いることなく、このキット単体で精度よく検査を行うことができる。
<イムノクロマトグラフ検査方法>
上記イムノクロマトグラフキット100を用いたイムノクロマトグラフ検査方法について簡単に説明する。
試料液滴下用開孔16から試料液を標識保持パッド3上に滴下する。試料液中に被検物質が含まれている場合には、標識保持パッド3において、被検物質と第1の物質が結合することにより、第1の物質を介する被検物質と標識物質との複合体が形成され、この複合体が試料液と共に吸収パッド6の吸引力により毛細管現象で吸収パッド6側に向かって展開される。この試料液を滴下すると同時もしくはその後、第2の凸状変形部14を押下し、送液用パッド4を変位させて第2のポット45のシート部材48を破断させ、送液用パッド4を第2の増幅液46に浸して第2の増幅液46を不溶性担体2に送液する。なお、第2の凸状変形部14を押下するタイミングは試料液の滴下時から30秒以内とすることが好ましく試料液の滴下の直後が特に好ましい。
検査領域Lに到達した複合体は、検査領域Lの第2の物質と結合し捕捉される。また、被検物質と結合していない第1の物質は検査領域Lを通過して確認領域Lに到達し、確認領域Lの第1の物質と結合する物質と結合し捕捉される。
第2の増幅液46は検査領域L、確認領域Lを経て増幅指標領域Lへ到達する。このとき、増幅指標領域Lが変色することにより、第2の増幅液46の増幅指標領域Lへの到達を視覚的に認識することができる。増幅指標領域Lの変色を確認後、第1の凸状変形部12を押下して第1の増幅液41を不溶性担体2上に供給する。
第1の増幅液41を不溶性担体2に供給してから反応終了を待ち、観察窓18から、検査領域Lおよび確認領域Lの発色を確認する。検査領域Lの発色により被検物質の有無およびその濃度の高低を確認することが可能であり、確認領域Lの発色により被検物質を測定する検査が成功したかどうかを確認することができる。検査領域Lおよび確認領域Lにおける発色は標識のシグナルを増幅して得られたものであり、高感度な検査を実現することができる。
以下に本発明のイムノクロマトグラフキットの実施例および比較例について説明する。実施例および比較例のイムノクロマトグラフキットは、被検物質としてインフルエンザウィルス抗原を検出するためのインフルエンザウィルス抗原検出用イムノクロマトグラフキットである。
(1)イムノクロマトグラフキットの作製
(1−1)被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質としての抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイドの作製
直径50nmの金コロイドを含有する溶液(品番:EM.GC50、BBI社製)9mLに50mmol/LのKHPOバッファー(pH7.5)を1mL加えてpHの調整を行い、その後、160μg/mLの抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)含有溶液1mLを加えて10分間攪拌した。その後、10分間静置した後に、1質量%のポリエチレングリコール(PEG(polyethylene glycol);重量平均分子量(Mw.):20000、品番:168−11285、和光純薬工業(株)社製)含有水溶液を550μL加えて10分間攪拌し、続いて10質量%牛血清アルブミン(BSA(Bovine serum albumin);FractionV、品番:A−7906、SIGMA社製)の水溶液を1.1mL加えて10分間攪拌した。この溶液を遠心分離装置(himacCF16RX、日立(株)社製)を用いて、8000×g、4℃の条件で30分間遠心分離した。容器の底に1mLを残して上澄み液を取り除き、超音波洗浄機により容器の底に残った1mL液中に含まれる金コロイドを再分散した。この後、20mLの金コロイド保存液(20mmol/L Tris−HCl(トリス塩酸)バッファー(pH8.2)、0.05%PEG(Mw.20000)、150mmol/L NaCl、1%BSA)に分散し、再び同じ遠心分離装置を用いて同様の条件で遠心分離を行い、上澄み液を取り除き、超音波分散後、金コロイド保存液に分散し、抗体修飾金コロイド(50nm)溶液を得た。
(1−2)標識保持パッドとしての抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドの作製
(1−1)で作成したインフルエンザA型抗体修飾金コロイドを、Tris−HClバッファー(pH8.2)の濃度が20mmol/L、PEG(Mw.20000)の濃度が0.05質量%、スクロースの濃度が5質量%、そして光路長10mmとしたときの金コロイドの520nmの光学濃度が0.1となるように水で希釈し、金コロイド塗布液とした。この塗布液を、12mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(GlassFiber Conjugate Pad、ミリポア社製)1枚あたり0.8mLずつ均一に塗布し、24時間減圧乾燥することでインフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドを得た。
(1−3)クロマトグラフ担体の作製
不溶性担体として、60mm×300mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF135(キャピラリーフローレート=135秒/cm)、ミリポア社製)を用い、このメンブレン上に以下のような方法により、検査領域、確認領域および増幅指標領域を形成してクロマトグラフ担体を作製した。
ニトロセルロースメンブレンの60mmの短辺のうちの下流側から15mmの位置に、1.5mg/mLとなるように調製した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)溶液をライン状に塗布し検査領域とした。さらに60mmの短辺のうちの下流側から11mmの位置に、0.2mg/mLとなるように調製した抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L)、ウサギF(ab')2、品番566−70621、和光純薬工業(株)社製)溶液をライン状に塗布し確認領域とした。さらに60mmの短辺のうちの下流側から9mmの位置に、30mmol/Lに調製したブロモクレゾールグリーン(和光純薬工業(株)社製)をライン状に塗布し増幅指標領域とした。それぞれの塗布の後にニトロセルロースメンブレンを、温風式乾燥機で50℃、30分間乾燥した。乾燥が終了した後、ブロッキング液(0.5質量%カゼイン(乳由来、品番030-01505、和光純薬工業(株)社製)を含有する50mmol/Lのホウ酸バッファー(pH8.5))500mLを入れたバットに、上記のように乾燥したニトロースメンブレンを浸漬させてそのまま30分間静置した。その後ニトロセルロースメンブレンを取り出して、別のバットに準備した洗浄・安定化液(0.5質量%スクロースおよび0.05質量%コール酸ナトリウムを含む50mmol/L Tris−HCl(pH7.5)バッファー)500mL中にニトロセルロースメンブレンを浸し、そのまま30分間静置した。その後、ニトロセルロースメンブレンを液から取り出し、25℃の環境で24時間乾燥させた。
抗インフルエンザA型抗体を固定化した部分が、被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域、抗マウスIgG抗体固定化した部分が、第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域、ブロモクレゾールグリーンを固定した部分がおよび第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域にそれぞれ相当する。
(1−4)検査用ストリップの作製
バック粘着シート(60mm×300mm(ニップンテクノクラスタ社製))に、(1−3)で作製したクロマトグラフ担体を貼り付けた。次に、クロマトグラフ担体の短辺のうちの下流側から26mmの位置に幅3mmの両面テープ(日東電工)を固定した。その後、両面テープの下流端と(1−2)で作製した金コロイド抗体保持パッドの下流端が重なるようにして金コロイド保持パッドをクロマトグラフ担体に固定した。送液用パッド(25mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製))をクロマトグラフ担体の上流側に、送液用パッドとクロマトグラフ担体が7mm重なるように貼り付けた。こうして作製した部材を、300mmの長辺と垂直な方向に対して平行に、幅が5mmとなるようにギロチン式カッター(CM4000、ニップンテクノクラスタ社製)で切断し、60本の検査用ストリップ(但し、吸収パッドを含まない。)を作製した。
(1−5)増幅液の作製
(1−5−1)第2のポットに封入する増幅液(還元剤溶液)の作製
水290gに、硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業(株)社製、095−00995)を水に溶解して作製した1mol/Lの硝酸鉄水溶液23.6mL、クエン酸(和光純薬工業(株)社製、038−06925)13.1gを溶解させた。全て溶解したら、スターラーで攪拌しながら硝酸(10重量%)溶液を36mL加え、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(和光純薬工業(株)社製、091−00855)を60.8g加えた。このように調製した溶液を第2のポットに封入する第2の増幅液である還元剤溶液とした。
(1−5−2)第1のポットに封入する増幅液(銀イオン溶液)の作製
水66gに、硝酸銀溶液8mL(10gの硝酸銀を含む)と1mol/Lの硝酸鉄水溶液24mLを加えた。さらに、この溶液と、硝酸(10重量%)5.9mL、ドデシルアミン(和光純薬工業(株)社製、123−00246)0.1g、界面活性剤C1225-C64-O-(CH2CH2O)50H 0.1gをあらかじめ47.6gの水に溶解した溶液を混合し、これを第1のポットに封入する第1の増幅液である銀イオン溶液とした。
(1−6)吸収パッドの作製
12mm×10mmに切ったグラスファイバーパッド(ガラス濾紙、アドバンテック社製)を60枚準備し、吸収パッドとした。
(1−7) イムノクロマトグラフキットの部品の作製
図1に示すようなイムノクロマトグラフキット100を構成する下部ケース20、上部ケース10、中間部材30、および第1のポット40、第2のポット45を、ポリプロピレンを材料として射出成形によりそれぞれ作製した。上部ケースは住友化学(株)社製オレフィン系エラストマーであるタフセレン(登録商標)を50質量%含有するポリプロピレンを材料として射出成形により作製した。なお、上部ケース10は、2つの変形可能な部位(第1の凸状変形部と第2の凸状変形部と)を備え、この2つの変形部は上部ケース10と分離する部分はなく、すべての境界部で上部ケース10の一部として射出成形で作製した。
なお、実施例1の上部ケースは、図1および図2等に示す第1の凸状変形部12が2本の突起部を有し、第2の凸状変形部14が1本の突起部を有する構成とした。他方、実施例2の上部ケースは、図1および図2等に示す第2の凸状変形部14と同じ形状の1本の突起部のみの凸状変形部を2つ備えた構成とした。すなわち、実施例2の上部ケースは、図8に示したように、第1のポット40の上方に第1の凸状変形部114を備え、第2のポット45の上方に第2の凸状変形部14を備えるものとした。上部ケースと下部ケースの材質の曲げ弾性率は、それぞれ90(MPa)、700(MPa)であった。
(1−8−1)実施例のイムノクロマトグラフキットの作製
下部ケース20、(1−4)で作製した検査用ストリップ1と(1−6)で作製した吸収パッド6を、図1、および図2に示すように固定した。次に、第1のポット40、第2のポット45に、それぞれ、(1−5−2)、(1−5−1)で作製した第1のポット40に封入する増幅液41、第2のポット45に封入する増幅液46を充填し、シート部材48としてのアルミ箔でポット45を、シート部材43としてのアルミ箔でポット40をそれぞれ封止し、図1、および図2に示すように、第2のポット45を、シート部材48を上にして下部ケース20に、第1のポット40を、シート部材43を下にして中間部材30に装着した。そして、上部ケース10と下部ケース20とを外周同士が接触するように嵌め合わせた状態で、上部ケースと下部ケースとの接触部を超音波溶着により接合させた。このとき、溶着部位は密閉状態で均一にすべての部位で溶着されていることを確認した。このようにして実施例1のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(1−8−2)実施例2のイムノクロマトグラフキットの作製
実施例1とは第1の凸状変形部の形状が異なる上部ケースを用いた以外は、実施例1のイムノクロマトグラフキットと同様にして、実施例2のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(2)評価
(2−1)点着
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B−(ベクトン・ディッキンソン社製))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1%BSA−PBS)を用いて2560倍に希釈した液を作製し、40μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−2)第2のポットに封入する増幅液(還元剤溶液)の展開
(2−1)の試料液の点着直後に、第2の凸状変形部14を押下することで、第2のポット45に封入した増幅液46を封止しているシート部材48であるアルミ箔を破り、第2のポット45の中に送液用パッド4を浸すことにより、毛細管現象を利用して第2の増幅液46を不溶性担体2に供給した。
(2−3)銀増幅
増幅指標領域Lが緑からオレンジに変色した後、第1の凸状変形部12(実施例2では第1の凸状変形部114)を押下して第1のポット40を中間部材30のポット収容部32の破断部34に向けて移動させることにより、第1のポット40を封止しているシート部材43であるアルミ箔を破断部34により押し破り、第1の増幅液41である銀イオン溶液を中間部材30の開口部から不溶性担体2に供給して、銀増幅反応を行った。銀増幅反応は数十秒で完了する。
(2−4)検査領域の濃度値の算出
増幅処理済みの実施例1および実施例2のイムノクロマトグラフキットの検査領域Lおよび確認領域Lの濃度を目視で観察した。さらに、実施例1および実施例2のイムノクロマトグラフキットから、クロマトグラフ担体を取り出し、検査領域Lの濃度をLAS4000(Fujifilm(株)社製)で撮影し、濃度差(ΔOD=(検査領域Lの濃度)−(バックグラウンド部の濃度))を算出した。ΔOD≧0.015であれば増幅結果はおおむね良好といえる。
(2−5) 銀イオン溶液供給量の測定
第1の凸状変形部を押下した前後の第1のポットの重量変化を測定して第1の増幅液供給量を以下の演算に基づいて求めた。
(第1の増幅液供給量)=((第1の凸状変形部押下前の第1のポットの重量)−(第1の凸状変形部押下後の第1のポットの重量))/(銀イオン溶液の比重)
第1の増幅液(銀イオン溶液)の供給量が40μL以上を目標量としている。
評価結果を表1に示す。表1には同一の試験を各例について5回繰り返し試行した結果を示している。
銀イオン溶液の供給量は、以下の基準で判定した。
A:40μL以上
B:20μL以上40μL未満
C:20μL未満
ΔODは、以下の基準で判定した。
A:0.05以上
B:0.015以上0.05未満
C:0.015未満。
上記の判定結果の実用上の判断を以下に示した。
A:精度よく増幅可能であり、十分な分析が可能である。
B:増幅の精度が劣るが、性能としては許容範囲である。
C:増幅性能の発現が不足し、性能として許容されない。
なお、表1中には、第1の凸状変形部を変形して移動された第1のポットの傾き具合を目視にて確かめた結果を併せて記載している。第1のポットが傾くことなく平面で押されている場合には、「平面で押せた」と評価し、移動後の第1のポットが傾きを有している場合は、「斜めになった」と評価した。
Figure 0006570652
表1から、実施例1および実施例2のいずれのイムノクロマトグラフキットについても、第1の増幅液の供給量、およびΔODの値共に許容範囲であり、十分に増幅可能であることが明らかである。特に、第1のポット40を押す第1の凸状部材の突起が2本である実施例1では、第1のポット40を平面で押すことができ、銀イオン溶液を安定的に目標量以上供給することができ、安定的に増幅反応を成功することができた。このため、実施例1のΔODの変動係数CVが10%弱と良好であり、突起が2本ある形状により精度良く測定可能であることが確認できた。
また、表のΔODの測定結果と、目視評価したときの評価結果と一致しており、分析装置などの電源を使用する装置を使用することなしに、増幅液等の高感度化に必要な溶液を供給できるイムノクロマトキットを提供し、試験することで分析評価可能であることを確認した。
1 検査用ストリップ
2 不溶性担体
3 標識保持パッド
4 送液用パッド
6 吸収パッド
7 バック粘着シート
9 ハウジングケース
10 上部ケース
12 第1の凸状変形部
12a 第1の凸状変形部の頂上
12b 第1の凸状変形部の突起部
12c 第1の凸状変形部の斜面
14 第2の凸状変形部
14a 第2の凸状変形部の頂上
14b 第2の凸状変形部の突起部
16 試料液滴下用開孔
18 観察窓
20 下部ケース
21 不溶性担体収容部
22 吸収パッド収容部
24 第2のポット収容部
30 中間部材
32 第1のポット収容部
34 破断部
35 流路形成部
36 流路形成部35の裏面
40 第1の増幅液用の第1のポット
41 第1の増幅液
42 ポット容器
43 シート部材
45 第2の増幅液用の第2のポット
46 第2の増幅液
47 ポット容器
48 シート部材
100 イムノクロマトグラフキット
114 凸状変形部
114a 凸状変形部114の頂上
114b 凸状変形部114の突起部

Claims (9)

  1. 試料液中の被検物質を検出するイムノクロマトグラフキットであって、
    前記試料液を展開させる、前記被検物質の検査領域を有する不溶性担体を含む検査用ストリップと、
    前記検査領域における検出信号を増幅するための、第1の増幅液および第2の増幅液がそれぞれ封入された、シート部材を備えた一面を有する第1のポットおよび第2のポットと、
    前記検査用ストリップ、前記第1のポットおよび前記第2のポットを内包するハウジングケースとを備え、
    前記ハウジングケースが、前記検査用ストリップが配置される収容部を備えた下部ケースと、該下部ケースと周縁で接合された上部ケースと、前記上部ケースと前記下部ケースとの間に配置された中間部材とを備えてなり、
    該中間部材が、前記第1のポットの前記シート部材を破断する破断部を、前記第1のポットの前記シート部材に面して備え、
    前記上部ケースが、前記第1のポットに対向する部分に、外部から押圧力が加えられることにより、前記第1のポット側に変形して、該第1のポットの前記シート部材を前記中間部材の前記破断部により破断する第1の凸状変形部と、前記第2のポットに対向する部分に、外部から押圧力を加えることにより、前記第2のポット側に変形して前記第2のポットの前記シート部材を破断する第2の凸状変形部とを備え、
    前記第1の凸状変形部が、前記押圧力が加えられることにより、前記第1のポットを、前記シート部材が前記中間部材の前記破断部により破断される位置まで移動させる変形部であり、
    前記上部ケースが、前記第1の凸状変形部に押圧力を加えた際に前記第1のポットに当接して移動させる、前記第1のポット側に向かって立設された2つの突起部を備え、
    前記第1の凸状変形部の前記2つの突起部が、該2つの突起部のそれぞれの先端が前記第1のポットに当接し、徐々に端部側に変位しつつ前記第1のポットを移動させるイムノクロマトグラフキット。
  2. 前記第1の凸状変形部が中央対称な山型形状を有している請求項1に記載のイムノクロマトグラフキット。
  3. 前記2つの突起部が、前記山型形状の頂上に対して対称に配置されている請求項4に記載のイムノクロマトグラフキット。
  4. 前記2つの突起部が、前記山型形状の頂上を挟む斜面に互いに独立して形成されている請求項4または5に記載のイムノクロマトグラフキット。
  5. 前記2つの突起部が、前記第1のポットの当接面の中央に対して対称に配置されている請求項1、および4から6のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  6. 前記2つの突起部が、前記第1のポットの前記当接面の中央から端部までの距離の半分よりも端部側に配置されている請求項7に記載のイムノクロマトグラフキット。
  7. 前記第1の凸状変形部を構成する材質の曲げ弾性率が50MPa〜350MPaである請求項1、および4から8のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  8. 前記上部ケースを構成する材質の曲げ弾性率が50MPa〜350MPaであり、
    前記下部ケースを構成する材質の曲げ弾性率が500MPa〜900MPaである請求項1、4から8、および10のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  9. 前記上部ケースが、射出成形により前記第1の凸状変形部および前記第2の凸状変形部を一体的に形成されてなるものである請求項1、4から8、10および11のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
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