JP6569914B2 - 封止材、封止シート、有機デバイスの封止方法及び有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機デバイスを封止するのに好適な封止材及び封止シート、有機デバイスの封止方法、並びに、前記封止材等で封止されてなる有機EL素子に関する。
有機EL素子等の有機デバイスは、無機EL素子に比べ、低電圧での駆動が可能であり、輝度が高く、多種の色の発光が容易に得られるといった様々な利点を有する。そのためより高性能な素子を得るべく、様々な検討がなされている(特許文献1等)。
ところで、有機EL素子には、一定時間駆動した場合、発光素子が劣化して、発光輝度等が劣化し易いという問題がある。この原因としては、有機EL素子内に浸入した酸素や水分、熱等による電極の酸化や有機物の変性等が挙げられる。そのため、有機EL素子は、接着性及び耐熱性を有する適当な封止材により封止されて用いられることが必要である(特許文献2等)。
特開2009−37809号公報(US20102441073 A1) 特開2011−231313号公報
上述のように、有機デバイスは熱により損傷しやすいものであるため、有機デバイスの封止材による封止は、80〜150℃という温度領域で行うことが好ましいと考えられる。
しかし、従来、封止材として用いる樹脂の中には、このような温度領域において流動性が高くなるものがあり、封止材の外に流れ出て作業効率が低下したり、設計通りの封止ができない等の問題が生じる場合があった。
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、接着性及び耐熱性に優れ、かつ、80〜150℃という温度領域での有機デバイスの封止に好適な封止材、封止シート、有機デバイスの封止方法、及び、前記封止材等で封止されてなる有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、23℃における貯蔵弾性率が10〜10000MPaで、100℃における貯蔵弾性率が1〜1000MPaであり、かつ、軟化点が30〜80℃である樹脂層を有する封止材は、80〜150℃の温度領域で有機デバイスを封止する場合であっても、樹脂が流れ出たりすることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、(1)〜(4)の封止材、(5)の封止シート、(6)および(7)の有機デバイスの封止方法、並びに、(8)の有機EL素子、が提供される。
(1)少なくとも1層以上の樹脂層からなる、有機デバイスを封止するための封止材であって、前記樹脂層の、23℃における貯蔵弾性率が10〜10000MPaで、100℃における貯蔵弾性率が1〜1000MPaであり、かつ、軟化点が30〜80℃であることを特徴とする封止材。
(2)前記樹脂層が架橋構造を有するポリオレフィンからなるものである、(1)に記載の封止材。
(3)ガラスに対する接着力が、3N/25mm以上である、(1)に記載の封止材。
(4)80〜150℃で加熱圧着して有機EL素子を封止するための封止材である、(1に記載の封止材。
(5)前記(1)に記載の封止材のシート状物の片面に、ガスバリアフィルムを有する封止シート。
(6)前記(1)に記載の封止材、又は、(5)に記載の封止シートを、有機デバイスを覆うように載置し、80〜150℃で加熱圧着することを特徴とする、有機デバイスの封止方法。
(7)前記有機デバイスが、有機EL素子であることを特徴とする、(6)に記載の有機デバイスの封止方法。
(8)基材上に、第1の電極、有機EL層、第2の電極、(1)に記載の封止材、又は(5)に記載の封止シート、及び、封止基材をこの順で有することを特徴とする有機EL素子。
本発明の封止材によれば、接着性及び耐熱性に優れ、80〜150℃の温度領域で有機デバイスを封止する場合であっても、樹脂が流れ出たりすることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止することができる。
本発明の封止シートは、ガスバリア性、接着性及び耐熱性のすべてに優れ、しかも、80〜150℃の温度領域で有機デバイスを封止することができ、このような温度領域であっても、樹脂が流れ出ることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止することができる。
本発明の有機デバイスの封止方法は、80〜150℃の温度領域で封止するものであるため、熱により損傷することなく、効率よく、設計した通りに、有機デバイスを封止することができる。
本発明の有機EL素子は、接着性及び耐熱性に優れる本発明の封止材で封止されているため、その機能が長期にわたり劣化することがない。
以下、本発明を、1)封止材、2)封止シート、3)封止方法、及び、4)有機EL素子、に項分けして、詳細に説明する。
1)封止材
本発明の封止材は、少なくとも1層以上の樹脂層からなる、有機デバイスを封止するための封止材である。本発明の封止材の樹脂層の、23℃における貯蔵弾性率は10〜10000MPaで、100℃における貯蔵弾性率は1〜1000MPaであり、かつ、軟化点が30〜80℃である。
〔樹脂層〕
本発明の封止材の樹脂層(以下、単に「樹脂層」という。)は、23℃における貯蔵弾性率が、通常10〜10000MPa、より好ましくは、15〜5000MPa、さらに好ましくは、20〜100MPaであり、特に好ましくは、20〜25MPaである。また、100℃における貯蔵弾性率が、通常1〜1000MPa、より好ましくは、1.1〜500MPa、さらに好ましくは、1.2〜100MPaであり、特に好ましくは、1.2〜10MPaである。かつ、前記樹脂層の軟化点が、通常30〜80℃、好ましくは、35〜79℃、より好ましくは、50〜78℃のものである。
ここで、貯蔵弾性率は粘弾性材料の剛性を表す指標であり、従来公知の粘弾性測定装置により測定することができる。
軟化点は、JIS K7196:2012に準ずる方法により測定される値である。
樹脂層の100℃における貯蔵弾性率が上記範囲であることにより、80〜150℃の温度領域で樹脂が流れ出たりすることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止することができる。 樹脂層の23℃における貯蔵弾性率が上記範囲であることにより、常温での保管時や搬送時等にべたつきが少なく、有機デバイスを封止する時の作業性が向上する。
樹脂層の軟化点が上記範囲であることにより、封止温度80〜150℃において十分な接着性を得ることができる。
本発明に用いる樹脂層は、上記のような貯蔵弾性率及び軟化点を有するため、80〜150℃の温度領域でも、流れ出たりすることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止することができる。
本発明の封止材の接着性は、180°剥離試験を行うことで評価することができる。具体的には、引張試験機を用いて、300mm/分、剥離角度180°の条件で引張試験を行ったとき、ガラスに対する接着力が、3N/25mm以上であるのが好ましく、40N/25mm以上であるのがより好ましく、50N/25mm以上であるのが特に好ましい。
このような封止材であれば、封止したときに、被封止体との界面から水分等が浸入することを十分に防ぐことができる。
本発明の封止材の、温度40℃、相対湿度90%における、50μm厚に換算したときの水蒸気透過率は、好ましくは30g/(m・day)以下である。下限値は特になく、小さいほど好ましいが、通常は、0.1g/(m・day)以上である。
この水蒸気透過率が、このような範囲にあることで、水分の浸入を十分に抑制することができる。このような状封止材は、有機デバイス用の封止材として好適に用いられる。
封止材の水蒸気透過率の値は、封止材の厚みに依存する。従って、封止材の厚みが50μmでない場合には、その厚みから換算して、50μm厚における水蒸気透過率を求めることができる。例えば、厚みがAμmで、水蒸気透過率がB{g/(m・day)}の封止材の場合、厚みが50μmの時の水蒸気透過率は、A×B/50という式に当てはめて換算して求めることができる。
水蒸気透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
樹脂層を形成する樹脂としては、前記貯蔵弾性率と軟化点を有する樹脂層を形成できるものであれば、特に限定されないが、封止材としての接着性、耐熱性等に優れることから、熱可塑性樹脂の架橋体が好ましく、架橋構造を有するポリオレフィンがより好ましい。
架橋構造を有するポリオレフィンとしては、架橋性官能基を有するポリオレフィン樹脂(架橋性官能基変性ポリオレフィン)と架橋剤から得られる樹脂や、架橋性官能基(A)を有するポリオレフィン(架橋性官能基(A)変性ポリオレフィン)と、前記架橋性官能基(A)と反応性を有する架橋性官能基(B)を有するポリオレフィン(架橋性官能基(B)変性ポリオレフィン)とから得られる樹脂が挙げられる。
架橋性官能基変性ポリオレフィンとしては、特に限定されないが、官能基含有化合物とオレフィンとの共重合体、ポリオレフィンを官能基含有化合物でグラフト重合した変性ポリオレフィン等が挙げられる。
前記オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、上記オレフィンの単独重合体、二種以上のオレフィン同士の共重合体等が挙げられる。
前記官能基含有化合物としては、酸無水物基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、シリル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、エステル基含有化合物、ヒドロキシル基含有化合物、及び、アミノ基含有化合物等が挙げられる。
酸無水物基含有化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ブテニル無水コハク酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
シリル基含有化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリスメチルエチルケトオキシムシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシラン;(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン類等が挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
エステル基含有化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの架橋性官能基を有するポリオレフィンは、それぞれ一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
用いる架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミン系架橋剤、アミノ樹脂系架橋剤等が挙げられる。
架橋剤を用いる場合、その使用量は、架橋性官能基変性ポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.01〜8質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。
本発明においては、前記貯蔵弾性率と軟化点を有する樹脂層を容易に形成できる観点から、架橋ポリオレフィンとして、架橋性官能基(A)変性ポリオレフィンと架橋性官能基(B)変性ポリオレフィンとを組み合わせて使用するのが好ましい。所望の貯蔵弾性率と軟化点を有する樹脂層を得るには、架橋性官能基変性ポリオレフィンの中から、架橋することが可能な少なくとも二種の架橋性官能基を有するポリオレフィンを選択して用いればよい。
前記架橋性官能基(A)と架橋性官能基(B)の好ましい組み合わせとしては、酸無水物基とシリル基との組み合わせ、酸無水物基とヒドロキシル基との組み合わせ、酸無水物基とエポキシ基との組み合わせ、酸無水物基とアミノ基との組み合わせ等が挙げられる。
本発明においては、架橋性官能基(A)変性ポリオレフィンと架橋性官能基(B)変性ポリオレフィンとの組み合わせとして、酸無水物変性ポリオレフィンの少なくとも一種とシラン変性ポリオレフィンの少なくとも一種の組み合わせが好ましく、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとシラン変性ポリオレフィンの組み合わせが特に好ましい。
前記少なくとも二種の架橋性官能基変性ポリオレフィンの使用割合は、前記の貯蔵弾性率及び軟化点を有する樹脂層を形成することができるように、半経験的に適宜決定すればよい。
例えば、酸無水物変性ポリオレフィンとシラン変性ポリオレフィンを使用する場合、その使用割合は、(酸無水物変性ポリオレフィン:シラン変性ポリオレフィン)の質量比で、通常1:9〜9:1、好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは3:7〜7:3である。
樹脂層は、上記架橋性官能基変性ポリオレフィン系樹脂を、ヘンシェルミキサー、タンブラー等によりドライブレンドし、このものを、押出成形して成形することができる。
押出成形する際の温度は、用いる樹脂が架橋する温度であり、通常160〜250℃、好ましくは、180〜220℃である。
押出成形する際には、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分としては、シランカップリング剤、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、軟化剤等の添加剤が挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の封止材は、一の樹脂層のみ有するものであっても、二以上の樹脂層を有するものであってもよい。本発明の封止材が二以上の樹脂層を有するものである場合、電子デバイスや基材(バリアフィルム等)と接着する層(最外層)が、上記貯蔵弾性率及び軟化点を有するものであればよい。
封止材の形状は特に限定されないが、シート状であるのが好ましい。シート状である場合のシート厚みは、封止の目的を達成するため、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
本発明の封止材は、接着性及び耐熱性に優れ、80〜150℃の温度領域で有機デバイスを封止することができ、このような温度領域であっても、樹脂が流れ出たりすることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止することができる。有機デバイスとしては、有機トランジスタ、有機メモリー、有機EL素子等が挙げられるが、特に、本発明の封止材は、熱により損傷しやすい有機EL素子を封止するための封止材として好適に用いられる。
2)封止シート
本発明の封止シートは、本発明の封止材のシート状物の片面に、ガスバリアフィルムを有する。
本発明に用いるガスバリアフィルムは、基材フィルム上に、直接又はその他の層を介して、ガスバリア層が形成されてなるものである。
基材フィルムとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体、ポリウレタン系ポリマー等の樹脂製のフィルムを用いることができる。
基材フィルムの厚みは、特に制限はないが、取り扱い易さの観点から、好ましくは0.5〜500μm、より好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmである。
本発明の封止シートに用いるガスバリアフィルムのガスバリア層としては特に制限はない。例えば、無機膜や、高分子化合物を含む層に改質処理を施して得られるガスバリア層等が挙げられる。「ガスバリア層」は、空気、酸素、水蒸気等の気体を通過させにくい性質を有する層である。
ガスバリア層は、単層であっても、複数層であってもよい。
無機膜としては、特に制限されず、例えば、無機蒸着膜が挙げられる。
無機蒸着膜としては、無機化合物や金属の蒸着膜が挙げられる。
無機化合物の蒸着膜の原料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;酸化窒化ケイ素等の無機酸化窒化物;無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
金属の蒸着膜の原料としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、及びスズ等が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、ガスバリア性の観点から、無機酸化物、無機窒化物又は金属を原料とする無機蒸着膜が好ましく、さらに、透明性の観点から、無機酸化物又は無機窒化物を原料とする無機蒸着膜が好ましい。
無機蒸着膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理的蒸着)法や、熱CVD(化学的蒸着)法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法が挙げられる。
無機膜の厚さは、使用する無機化合物によっても異なるが、ガスバリア性と取り扱い性の観点から、好ましくは10〜2000nm、より好ましくは20〜1000nm、より好ましくは30〜500nm、さらに好ましくは40〜200nmの範囲である。
高分子化合物を含む層(以下、「高分子層」ということがある)に用いる高分子化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体、ケイ素含有高分子化合物等が挙げられる。これらの高分子化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中でも、優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成できる観点から、ケイ素含有高分子化合物が好ましい。ケイ素含有高分子化合物としては、公知のものを用いることができる。例えば、ポリシラザン化合物、ポリカルボシラン化合物、ポリシラン化合物、及びポリオルガノシロキサン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリシラザン化合物が好ましい。
ポリシラザン系化合物は、分子内に−Si−N−結合(シラザン結合)を含む繰り返し単位を有する高分子化合物である。具体的には、式(1)
Figure 0006569914
で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。また、用いるポリシラザン系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、100〜50,000であるのが好ましい。
前記式(1)中、nは任意の自然数を表す。
Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するアルキル基、無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又はアルキルシリル基等の非加水分解性基を表す。
前記無置換若しくは置換基を有するアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基及びアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
無置換又は置換基を有するアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
前記アリール基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリt-ブチルシリル基、メチルジエチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、メチルシリル基、エチルシリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rx、Ry、Rzとしては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン系化合物としては、Rx、Ry、Rzが全て水素原子である無機ポリシラザン、Rx、Ry、Rzの少なくとも1つが水素原子ではない有機ポリシラザンのいずれであってもよい。
また、本発明においては、ポリシラザン系化合物として、ポリシラザン変性物を用いることもできる。ポリシラザン変性物としては、特開昭62−195024号公報、特開平2−84437号公報、特開昭63−81122号公報、特開平1−138108号公報等、特開平2−175726号公報、特開平5−238827号公報、特開平5−238827号公報、特開平6−122852号公報、特開平6−306329号公報、特開平6−299118号公報、特開平9−31333号公報、特開平5−345826号公報、特開平4−63833号公報等に記載されているものが挙げられる。
これらの中でも、ポリシラザン系化合物としては、入手容易性、及び優れたガスバリア性を有するイオン注入層を形成できる観点から、Rx、Ry、Rzが全て水素原子であるペルヒドロポリシラザンが好ましい。
また、ポリシラザン系化合物としては、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
ポリシラザン系化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記高分子層は、上述した高分子化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、硬化剤、他の高分子、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等が挙げられる。
高分子層中の高分子化合物の含有量は、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
高分子層の厚みは、特に制限されないが、通常20nmから10μm、好ましくは30〜500nm、より好ましくは40〜200nmである。
本発明においては、高分子化合物を含む層がナノオーダーであっても、充分なガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得ることができる。
高分子層を形成する方法としては、例えば、高分子化合物の少なくとも一種、所望により他の成分、及び溶剤等を含有する層形成用溶液を、スピンコーター、ナイフコーター、グラビアコーター等の公知の装置を使用し、塗布し、得られた塗膜を適度に乾燥して形成する方法が挙げられる。
高分子層の改質処理としては、イオン注入処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
イオン注入処理は、後述するように、高分子層にイオンを注入して、高分子層を改質する方法である。
プラズマ処理は、高分子層をプラズマ中に晒して、高分子層を改質する方法である。例えば、特開2012−106421号公報に記載の方法に従って、プラズマ処理を行うことができる。
紫外線照射処理は、高分子層に紫外線を照射して高分子層を改質する方法である。例えば、特開2013−226757号公報に記載の方法に従って、紫外線改質処理を行うことができる。
これらの中でも、高分子層の表面を荒らすことなく、その内部まで効率よく改質し、よりガスバリア性に優れるガスバリア層を形成できることから、イオン注入処理が好ましい。
高分子層に注入されるイオンとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオン;フルオロカーボン、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、塩素、フッ素、硫黄等のイオン;
メタン、エタン等のアルカン系ガス類のイオン;エチレン、プロピレン等のアルケン系ガス類のイオン;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類のイオン;アセチレン等のアルキン系ガス類のイオン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系ガス類のイオン;シクロプロパン等のシクロアルカン系ガス類のイオン;シクロペンテン等のシクロアルケン系ガス類のイオン;金属のイオン;有機ケイ素化合物のイオン;等が挙げられる。
これらのイオンは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、より簡便にイオンを注入することができ、特に優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオンが好ましい。
イオンを注入する方法としては、特に限定されない。例えば、電界により加速されたイオン(イオンビーム)を照射する方法、プラズマ中のイオンを注入する方法等が挙げられ、簡便にガスバリア性のフィルムが得られることから、後者のプラズマイオンを注入する方法が好ましい。
イオン注入により、イオンが注入される領域の厚みは、イオンの種類や印加電圧、処理時間等の注入条件により制御することができ、高分子層の厚み、積層体の使用目的等に応じて決定すればよいが、通常、10〜400nm、好ましくは10〜200nmである。
本発明の封止シートにおいて、ガスバリアフィルムの配置位置は特に限定されず、封止材上に直接形成されていてもよいし、その他の層を介して形成されていてもよい。
本発明の封止シートにおいては、ガスバリアフィルムのガスバリア層側の面に封止材が積層されていることが好ましい。
ガスバリアフィルムは、保護層、導電体層、プライマー層等のその他の層をさらに有していてもよい。これらの層が積層される位置は、特に限定されない。
ガスバリアフィルムの、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は、0.1g/(m・day)以下が好ましく、0.05g/(m・day)以下がより好ましく、0.005g/(m・day)以下がさらに好ましい。
水蒸気透過率が0.1g/(m・day)以下であることで、封止材の上下面を通過する水分量を十分に低下させることができる。
ガスバリアフィルムの水蒸気透過率は、公知のガス透過率測定装置を使用して測定することができる。
ガスバリアフィルムの全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。
ガスバリアフィルムの全光線透過率が80%以上であることで、本発明の封止シートを、透明性が要求される、透明基板上に形成された素子の封止材として好適に用いることができる。
ガスバリアフィルムのガスバリア層の厚みは特に制限されない。ガスバリア性と取り扱い性の観点から、通常、10〜2000nm、好ましくは20〜1000nm、より好ましくは30〜500nm、さらに好ましくは40〜200nmの範囲である。
ガスバリアフィルムを用いて本発明の封止シートを製造する方法としては、例えば、以下の製造方法1や製造方法2が挙げられる。
(製造方法1)
先ず、剥離シートを用意し、該剥離シートの剥離処理面上に、樹脂層形成用の樹脂組成物を塗工し、封止材を形成することで、剥離シート付封止材(剥離シート付の、本発明の封止材)を得る。次いで、得られた剥離シート付封止材とガスバリアフィルムを積層することで、剥離シート付の封止シートを得ることができる。貼り合わせは、封止材の樹脂層とガスバリアフィルムのガスバリア層とが対向するように行うのが好ましい。
剥離シート付封止材とガスバリアフィルムの積層方法は特に限定されない。例えば、剥離シート付封止材とガスバリアフィルムとを、封止材の樹脂層とガスバリアフィルムのガスバリア層とが対向するように重ね合わせ、ローラー等を用いて加熱圧着することでこれらを積層することができる。温度は特に限定されないが、通常80〜150℃、好ましくは80〜120℃である。
なお、後述するように、有機デバイスを封止材で封止する際の熱圧着と、封止材とガスバリアフィルムとの貼り合わせの加熱圧着を同時に行ってもよい。
(製造方法2)
先ず、ガスバリアフィルムを用意し、このガスバリアフィルムのガスバリア層上に、樹脂層形成用の樹脂組成物を公知の方法により塗工し、封止材を形成することで、目的とする封止シートを得ることができる。また、封止シートを形成した後、得られた封止シートの封止材を保護するために、該封止材上に剥離シートを積層することにより、剥離シート付の封止シートを得ることができる。
製造方法1、2で用いる樹脂層形成用の樹脂組成物や、この樹脂組成物の塗工方法、乾燥条件等としては、先に封止材の中で説明した樹脂組成物や、その塗工方法、乾燥条件等と同様のものが挙げられる。
また、本発明の封止材の製造方法で示したものと同様の方法により、複数の樹脂層を有する封止材を形成してもよい。
本発明の封止シートは、水分遮断性、耐光性および無色透明性に優れる封止材を有するものである。したがって、後述するように、本発明の封止材は、電子デバイスを封止する際に好適に用いられ、酸素や水分により劣化し易い有機EL素子を封止する封止材として好適に用いられる。
3)有機デバイスの封止方法
本発明の有機デバイスの封止方法は、本発明の封止材又は封止シートを、有機デバイスを覆うように載置し、80〜150℃、好ましくは80〜120℃で加熱圧着することを特徴とする。
本発明の封止シートを用いる場合には、封止シートの封止材を有機デバイス側にして載置するのが好ましい。
また、前述のとおり、有機デバイス上に、封止材、ガスバリアフィルムをこの順に載置して加熱圧着することにより、封止シートの形成と同時に、有機デバイスの封止を行ってもよい。
有機デバイスとしては、有機トランジスタ、有機メモリー、有機EL素子等が挙げられる。
本発明の封止方法においては、封止温度が80〜150℃の温度領域であるため、有機デバイスを熱により劣化させることがなく、また、封止する際、封止材中の樹脂が流れ出て不具合を生じることなく、効率よく、設計した通りに有機デバイスを封止することができる。
4)有機EL素子
本発明の有機EL素子は、基材上に、第1の電極、有機EL層、第2の電極、本発明の封止材又は封止シート(以下、「封止材等」ということがある。)、及び、封止基材をこの順で有することを特徴とする。
封止材等として本発明の封止シートを用いる場合、封止シートの封止材が電極側に、ガスバリアフィルムが封止基材側に配置されるのが好ましい。
基材は、有機EL素子が形成される支持基材である。基材としては、電極を形成でき、有機物の層を形成する際に変化しないものであれば特に制限はなく、例えばガラス板、プラスチックフィルム、高分子フィルム、シリコン基板、及び、これらを積層したもの等が挙げられる。
第1電極を陰極とする場合、第1電極は、透明電極、または、半透明電極として、金属、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、ZnO(亜鉛オキサイド)等の無機半導体、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)やIZO(インジウム・亜鉛・オキサイド)等の導電性透明電極、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等の金属酸化物等が挙げられる。金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン等の遷移金属;錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム;およびそれらのうち2つ以上の合金等があげられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。また、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。この例としては、上記の金属、金属酸化物、フッ化物、これらの合金と、アルミニウム、銀、クロム等の金属との積層構造等が挙げられる。
有機EL層は、通常、主として蛍光またはりん光を発光する有機物化合物(低分子化合物または高分子化合物)を有する。有機EL層を形成する材料としては、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等が挙げられる。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等が挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したもの等が挙げられる。
なお、有機EL層中に発光効率の向上や発光波長を変化させる等の目的で、ドーパントを添加してもよい。ドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等が挙げられる。
第2電極(陽極)には、たとえば透明電極または半透明電極として、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜を用いることができる。電極は、透過率が高いものが好ましく、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の酸化物;それらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等);金、白金、銀、銅等の金属;等が挙げられる。
封止基材は、封止材等により封止された有機EL層を、さらに外気から遮断するためのものである。封止基材の材質としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板、これらを積層したもの等が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、上記以外のその他の層を有していてもよい。例えば、陰極と有機EL層の間に、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が、陽極と有機EL層との間に、正孔注入層・正孔輸送層、電子ブロック層等が積層されていてもよい。
また、有機EL素子においては、詳しくは、電極のリード線等の部材も存在する。
本発明の有機EL素子は、公知の方法で製造することができる。
例えば、まず、基材上に、陰極を形成する。形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
次に、有機EL材料を含有した溶液を蒸着させ、有機EL層を形成する。
その上に、陽極材料をスパッタリングして、陽極を作製する。
ついで、本発明の封止材等及び封止基材を、形成された有機EL層を覆うように載置して貼り合わせ、80〜150℃で加熱圧着する。
本発明の封止材等は、あらかじめ、水分を除去しておくのが好ましい。水分を除去する方法としては、特に制約はなく、例えば、不活性雰囲気下で、80〜150℃で数分から数十分加熱する方法等が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、本発明の封止材等を用いて80〜150℃の温度領域で封止して作製されるものであるため、有機EL素子が熱により劣化することがない。また、封止の際、封止材の樹脂が流れ出ることがなく、作業効率よく作製することができる。さらに、接着性、耐熱性に優れる封止材により封止されるため、有機EL素子は長期にわたり劣化することがない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
なお、貯蔵弾性率及び軟化点の測定は、以下のように行った。
(貯蔵弾性率の測定)
得られた封止材について、JIS K7244−4(1999)に準じて、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、DMAQ800)を用いて、モード:引張、周波数:11Hz、温度:23℃及び100℃、における貯蔵弾性率を求めた。
(軟化点の測定)
得られた封止材の軟化点は、JIS K7196:2012に準じて、厚さ1mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで、1.8mmφの平面圧子に、2Kgf/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、軟化点(℃)を求めた。
(実施例1)
熱可塑性樹脂Aとして、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂(三井化学社製、商品名:AdmerSE731)20質量部、熱可塑性樹脂Bとして、シラン変性ポリオレフィン系樹脂(三菱化学社製、商品名:リンクロンXLE815N)80質量部をドライブレンドし、押出製膜(200℃)にて、剥離シートの剥離処理面上に塗工し、厚さ40μmの封止材1を作製した。
このものの23℃及び100℃における貯蔵弾性率、並びに軟化点は、下記表1に示すとおりであった。
(実施例2、3、比較例1)
実施例1において、熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bの配合量を下記表1に示すものとしたことを除き、実施例1と同様にして、封止材2、3、1rを作製した。
これらの、23℃及び100℃における貯蔵弾性率、並びに軟化点は、下記表1に示すとおりであった。
(合成例1)ガスバリアフィルムの作製
封止基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名:コスモシャインA4100、厚さ50μm)上に、ポリシラザン化合物(クラリアントジャパン社製、ペルヒドロポリシラザンを主成分とするコーティング材、商品名:アクアミカNL110−20)をスピンコート法により塗布し、120℃で1分間加熱して、厚さ150nmの、ペルヒドロポリシラザンを含むポリシラザン層を形成した。次に、ポリシラザン層の表面に、プラズマイオン注入装置を用いて、下記の条件にてアルゴンをプラズマイオン注入してガスバリア層を形成し、ガスバリアフィルムを作製した。
上記のガスバリア層を形成するために用いたプラズマイオン注入装置及びプラズマイオン注入条件は以下の通りである。
〔プラズマイオン注入装置〕
RF電源:日本電子社製、型番号「RF」56000
高電圧パルス電源:栗田製作所社製、「PV−3−HSHV−0835」
〔プラズマイオン注入条件〕
プラズマ生成ガス:Ar
ガス流量:100sccm
Duty比:0.5%
印加電圧:−15kV
RF電源:周波数 13.56MHz、印加電力 1000W
チャンバー内圧:0.2Pa
パルス幅:5μsec
処理時間(イオン注入時間):200秒
(合成例2)発光層の形成
ガラス基板を溶媒洗浄およびUV/オゾン処理で洗浄した後、その表面に、アルミニウム(Al)(高純度化学研究所社製)を0.1nm/sの速度で100nm蒸着させて陰極を形成した。
得られた陰極(Al膜)上に、(8−ヒドロキシ−キノリノレート)リチウム(Luminescence Technology社製)を10nm、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Luminescence Technology社製)を10nm、トリス(8−ヒドロキシ−キノリネート)アルミニウム(Luminescence Technology社製)を40nm、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジデン)(Luminescence Technology社製)を60nm、0.1〜0.2nm/sの速度で順次蒸着させ、発光層を形成した。
得られた発光層上に、酸化インジウムスズ(ITO)膜(厚さ:100nm、シート抵抗:50Ω/□)をスパッタリング法により形成して陽極を作製し、有機EL素子を得た。なお、蒸着時の真空度は、全て1×10−4Pa以下であった。
(実施例4〜6、比較例2)
実施例1〜3、比較例1で得られた封止材1〜3、1rを、窒素雰囲気下で、ホットプレートを用いて120℃で10分間加熱して乾燥し、封止材中に含まれる水分を除去した後、そのまま放置して室温まで冷却した。そして、前記ガラス基板上に形成された有機EL素子を覆うように、前記封止材を載置し、その上に、合成例1で得たガスバリアフィルムを、PETフィルム側を上にして載置し、100℃に加熱しながら貼り合わせて熱圧着して、前記発光層を封止し、トップエミッション型の有機EL素子1〜3、1rを得た。
〔有機EL素子の評価〕
得られた有機EL素子1〜3、1rを、23℃、50%RH(相対湿度、以下にて同じ。)の環境下で200時間放置した後、有機EL素子を起動させ、ダークスポット(非発光箇所)の有無を観察し、以下の基準で評価した。評価結果を、下記表1に示す。
good:ダークスポットが発光面積の(10)%未満
poor:ダークスポットが発光面積の(10)%以上
〔水蒸気透過率測定〕
封止材1〜3、1rにつき、水蒸気透過率測定装置(LYSSY社製、商品名:L80−5000)を用いて、40℃、90%RHの環境下における、水蒸気透過率を測定した。測定結果に対して、下記の式を用いて、50μm時の水蒸気透過率へ換算した。その結果を下記表1に示す。
Figure 0006569914
〔接着力測定〕
実施例1〜3、比較例1で得られた封止材1〜3、1rを、裏打ち基材としてのポリエチレンテレフタレートシートに加熱圧着して貼り合せて、25mm×300mmの大きさに裁断した。
このものを、23℃、50%RHの環境下で、被着体としてのガラス板(日本板硝子社製、ソーダライムガラス)に貼付し、加熱圧着して試験片を得た。
次いで、試験片を、23℃、50%RHの環境下で、24時間放置した後、同環境下で、引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で剥離試験を行い、接着力(N/25mm)を測定した。測定結果を、下記表1に示す。
〔耐熱性評価〕
2枚のガラスを、実施例1〜3、比較例1で得られた封止材1〜3、1rを介して積層して積層体を得た。この積層体を、100℃に設定した恒温槽に平らに設置した。さらに積層体のうえに1kgの重りを置き静置した。24時間後に取出し、封止材のはみ出し量を、以下のように評価した。評価結果を下記表1に示す。
good:はみ出し量が1mm未満
poor:はみ出し量が1mm以上
Figure 0006569914
表1から、実施例1〜3の、23℃における貯蔵弾性率が10〜10000MPaで、100℃における貯蔵弾性率が1〜1000MPaで、かつ、軟化点が30〜80℃である樹脂層からなる封止材は、粘着力及び耐熱性に優れることがわかる。また、実施例1〜3の封止材で封止して得られた有機EL素子は、ガスバリア性及び電子デバイス評価に優れることがわかる。

Claims (9)

  1. 少なくとも1層以上の樹脂層からなる、有機デバイスを封止するための封止材であって、
    前記樹脂層の、23℃における貯蔵弾性率が10〜25MPaで、100℃における貯蔵弾性率が1〜10MPaであり、かつ、軟化点が30〜80℃であり、
    ガラスに対する接着力が、40N/25mm以上であることを特徴とする封止材。
  2. 前記樹脂層が、架橋構造を有するポリオレフィンからなるものである、請求項1に記載の封止材。
  3. 前記架橋構造を有するポリオレフィンが、架橋性官能基(A)を有するポリオレフィンと、前記架橋性官能基(A)と反応性を有する架橋性官能基(B)を有するポリオレフィンとから得られる樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の封止材。
  4. 前記架橋性官能基(A)を有するポリオレフィンと、前記架橋性官能基(A)と反応性を有する架橋性官能基(B)を有するポリオレフィンとから得られる樹脂が、酸無水物変性ポリオレフィンの少なくとも一種とシラン変性ポリオレフィンの少なくとも一種とから得られる樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の封止材。
  5. 80〜150℃で加熱圧着して有機EL素子を封止するための封止材である、請求項1〜4のいずれかに記載の封止材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の封止材のシート状物の片面に、ガスバリアフィルムを有する封止シート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の封止材又は請求項6に記載の封止シートを、有機デバイスを覆うように載置し、80〜150℃で加熱圧着することを特徴とする、有機デバイスの封止方法。
  8. 前記有機デバイスが、有機EL素子であることを特徴とする、請求項7に記載の有機デバイスの封止方法。
  9. 基材上に、第1の電極、有機EL層、第2の電極、請求項1〜5のいずれかに記載の封止材又は請求項6に記載の封止シート、及び、封止基材をこの順で有することを特徴とする有機EL素子。
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