JP2019133852A - 電子デバイス用材料及び有機エレクトロルミネッセンス装置 - Google Patents

電子デバイス用材料及び有機エレクトロルミネッセンス装置 Download PDF

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Hiroyasu Inoue
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Abstract

【課題】有機EL装置等の電子デバイスにおける封止フィルム等の用途に用いうる材料であって、低温における貼合の操作によっても良好な貼合を達成することができ、且つ高温高湿度の使用条件において貼合対象との付着を良好に維持することができる材料、並びに水分の侵入が抑制され耐久性が高く、且つ、容易に製造することができる有機EL装置を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂を含む電子デバイス用材料であって、前記熱可塑性樹脂が重合体を主成分として含み、前記熱可塑性樹脂の100℃における貯蔵弾性率が1×107Pa未満であり、前記熱可塑性樹脂の80℃における貯蔵弾性率が1×106Pa超である、電子デバイス用材料が提供される。好ましくは、前記重合体が、スチレン−イソプレン共重合体等より選択される。前記電子デバイス用材料を備える有機エレクトロルミネッセンス装置も提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、電子デバイス用材料及び有機エレクトロルミネッセンス装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、適宜「有機EL装置」ということがある。)等の電子デバイスでは、デバイス内への水分の侵入を防止する構成要素を設けることが求められる場合がある。
例えば有機EL装置は、ガラス板等の基板と、その上に設けられた電極及び発光層とを備えうる。有機EL装置の電極及び発光層は水分の侵入により劣化するため、発光層等への水分の侵入を封止することが求められる。そのような機能を有する構成要素としては、封止フィルムが用いられうる。封止フィルムとしては、樹脂と、吸湿性を有する粒子とを含む材料からなるフィルムが用いられうる。封止フィルム及びそれを構成する材料としては、従来より様々なものが知られている(例えば特許文献1)。
国際公開第2016/153030号
封止フィルムを、貼合対象(電子デバイスを構成する他の部材)上に設ける際には、例えば真空ラミネーターを用いた貼合を行いうる。かかる貼合においては、貼合対象と封止フィルムとの間における気泡の混入等の、不所望な現象を避けることが求められる。
かかる気泡の混入を避けるための手段として、貼合の際の温度を高めることが考えられる。しかし、貼合対象は、有機発光層、偏光子層等の高温に弱い材料が含まれることが多い。したがって、そのような高い温度での貼合を行った場合、貼合対象の品質を損なうことがある。
さらに、封止フィルムは、その使用に際して、貼合対象との付着が良好に維持されることが求められる。より具体的には、高温高湿度の条件において、良好な付着が維持されることが求められる。
従って、本発明の目的は、有機EL装置等の電子デバイスにおける封止フィルム等の用途に用いうる材料であって、低温における貼合の操作によっても良好な貼合を達成することができ、且つ高温高湿度の使用条件において貼合対象との付着を良好に維持することができる材料を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、水分の侵入が抑制され耐久性が高く、且つ、容易に製造することができる有機EL装置を提供することにある。
本発明者は、前記の課題を解決するべく検討した。その結果本発明者は、電子デバイス用材料として、特定の性質を有する熱可塑性樹脂を含むものを採用することにより、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕 熱可塑性樹脂を含む電子デバイス用材料であって
前記熱可塑性樹脂が重合体を主成分として含み、
前記熱可塑性樹脂の100℃における貯蔵弾性率が1×10Pa未満であり、
前記熱可塑性樹脂の80℃における貯蔵弾性率が1×10Pa超である、電子デバイス用材料。
〔2〕 前記重合体が、スチレン−イソプレン共重合体、水素化スチレン−イソプレン共重合体、それらのシラン変性物、及びそれらの混合物からなる群より選択される、〔1〕に記載の電子デバイス用材料。
〔3〕 前記重合体の重量平均分子量が30000以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の電子デバイス用材料。
〔4〕 フィルム状の形状を有し、
前記電子デバイス用材料を、ガラスと、SiOを成膜したPETフィルムとの間に挟んでこれらを貼合した際のピール強度が4N/cm以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の電子デバイス用材料。
〔5〕 前記熱可塑性樹脂が、吸湿性粒子をさらに含む、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の電子デバイス用材料。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の電子デバイス用材料を備える有機エレクトロルミネッセンス装置。
本発明の電子デバイス用材料は、有機EL装置等の電子デバイスにおける封止フィルム等の用途に用いうる材料であって、低温における貼合の操作によっても良好な貼合を達成することができ、且つ高温高湿度の使用条件において貼合対象との付着を良好に維持することができる材料とすることができる。
本発明の有機EL装置は、水分の侵入が抑制され耐久性が高く、且つ、容易に製造することができる。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、別に断らない限り、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」及びこれらの混合物の両方を包含する用語である。
以下の説明において「溶媒」の文言は、便宜上広義に解し、溶液の媒体のみならず、分散媒の媒体をも包含する。
〔1.電子デバイス用材料の概要〕
本発明の電子デバイス用材料は、熱可塑性樹脂を含む。電子デバイス用材料は、熱可塑性樹脂以外の物質を含んでいてもよいが、熱可塑性樹脂のみからなるものとしうる。熱可塑性樹脂は、重合体を主成分として含む。熱可塑性樹脂はまた、任意成分として、吸湿性粒子、分散剤、可塑剤及びその他の任意の成分を含みうる。
〔2.熱可塑性樹脂〕
熱可塑性樹脂は、その100℃における貯蔵弾性率が1×10Pa未満であり、且つその80℃における貯蔵弾性率が1×10Pa超である。
熱可塑性樹脂の100℃における貯蔵弾性率は、好ましくは5×10Pa未満、より好ましくは1×10Pa未満である。熱可塑性樹脂の100℃における貯蔵弾性率の下限は、特に限定されないが、例えば1×10Pa超としうる。熱可塑性樹脂の80℃における貯蔵弾性率は、好ましくは1.5×10Pa超、より好ましくは3×10Pa超である。熱可塑性樹脂の80℃における貯蔵弾性率の上限は、特に限定されないが、例えば1×10Pa未満としうる。熱可塑性樹脂の貯蔵弾性率は、動的粘弾性装置を用いて、周波数1Hzの条件で測定しうる。
熱可塑性樹脂の貯蔵弾性率が、上に述べた範囲内であることにより、低温における電子デバイス用材料と貼合対象との良好な貼合を達成することができ、且つ高温高湿度の条件において、電子デバイス用材料と貼合対象との付着を良好に維持することができる。より具体的には、貼合対象との貼合時には、低い温度で十分な軟化を達成することができ、その結果良好な貼合を、貼合対象への高温による大きなダメージを与えることなく実施することができる。さらに、電子デバイスの使用時においては、高温高湿の条件下における剥離の発生をも低減することができる。
上記の特定の貯蔵弾性率を有する熱可塑性樹脂は、主成分である重合体として、下記に例示するものを適宜選択し、さらにその分子量及びそれに加えて添加する任意成分の割合を適宜調整することにより得うる。
〔2.1.重合体〕
熱可塑性を構成する重合体としては、所望の貯蔵弾性率を発現させる観点から、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体、これらのシラン変性物、及びこれらの組み合わせから選ばれる重合体が好ましい。
芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の例としては、スチレン−イソプレン共重合体及びスチレン−ブタジエン共重合体が挙げられ、中でもスチレン−イソプレン共重合体が好ましい。水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の例としては、水素化スチレン−イソプレン共重合体及び水素化スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられ、中でも水素化スチレン−イソプレン共重合体が好ましい。
別の観点から、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体は、好ましくは芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体であり、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体は、好ましくは水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体である。より具体的には、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体及び水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素化物、及びこれらの混合物から選ばれるものであることが好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体は、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物である。即ち、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体は、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環の炭素−炭素結合、又はこれらの両方の、一部又は全部を水素化して得られる構造を有するものである。但し、本願において水素化物は、その製造方法によっては限定されない。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化率は、通常90%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、電子デバイス用材料の耐熱性及び耐光性を良好にできる。ここで、水素化物の水素化率は、1H−NMRによる測定により求めることができる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、電子デバイス用材料の耐光性及び耐酸化性を更に高くできる。
また、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、水素化物のガラス転移温度が高くなるので、電子デバイス用材料の耐熱性を効果的に高めることができる。さらに、電子デバイス用材料の光弾性係数を下げて、例えば接着層等として用いた場合にレターデーションの発現を低減することができる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体としては、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体が好ましい。水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体は、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、及びこれらの混合物から選ばれるものであることが好ましい。これらのより具体的な例としては、特開平2−133406号公報、特開平2−305814号公報、特開平3−72512号公報、特開平3−74409号公報、及び国際公開第2015/099079号などの従来技術文献に記載されているものが挙げられる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体としては、共役ジエンの不飽和結合及び芳香環の両方を水素化してなる構造を有するものが好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の特に好ましいブロックの形態は、共役ジエン重合体水素化物のブロック[B]の両端に芳香族ビニル重合体水素化物のブロック[A]が結合したトリブロック共重合体;重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、更に、該両重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合したペンタブロック共重合体である。特に、[A]−[B]−[A]のトリブロック共重合体であることが、製造が容易であり且つ熱可塑性エラストマーとしての物性を所望の範囲とすることができるため、特に好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体において、全重合体ブロック[A]がブロック共重合体全体に占める重量分率wAと、全重合体ブロック[B]がブロック共重合体全体に占める重量分率wBとの比(wA/wB)は、通常20/80以上、好ましくは30/70以上であり、通常60/40以下、好ましくは55/45以下である。前記の比wA/wBを前記範囲の下限値以上にすることにより、電子デバイス用材料の耐熱性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、電子デバイス用材料の柔軟性を高めて、電子デバイス用材料のバリア性を安定して良好に維持することができる。さらに、ブロック共重合体のガラス転移温度を下げることで封止温度を下げられるので、本発明の電子デバイス用材料を有機EL素子及び有機半導体素子等に適用した場合に、前記素子の熱劣化を抑制することができる。また比wA/wBを前記範囲内とすることにより、樹脂フィルムがゴム弾性を持つ温度範囲を広げ、電子デバイスが柔軟性を持つ温度範囲を広げることができる。
〔2.2.重合体:極性基を有する重合体〕
熱可塑性樹脂が主成分として含有しうる重合体のさらなる例として、極性基を有する重合体が挙げられる。熱可塑性樹脂は、重合体として、極性基を有する重合体を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂が極性基を有する重合体を含むことにより、電子デバイス用材料と装置との接着性を向上することができる。このような極性基の例としては、アルコキシシリル基等のケイ素含有基、カルボキシル基、酸無水物基等のカルボニル含有基、並びにエポキシ基、アミノ基、及びイソシアネート基が挙げられる。これらの中でも、無機物、特にガラス及びSiOx等のSiを含む無機物との接着性を良好にする観点から、アルコキシシリル基が好ましい。
極性基を有する重合体の例としては、極性基を有するグラフト重合体が挙げられる。極性基を有するグラフト重合体の例としては、ケイ素含有基を有するグラフト重合体が挙げられる。
極性基を有するグラフト重合体の例としては、極性基含有単位を含むグラフト重合体が挙げられる。極性基含有単位とは、極性基を有する単量体を重合して得られる構造を有する単位である。極性基含有単位を含むグラフト重合体は、ある重合体と、極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体である。但し、極性基含有単位及び極性基含有単位を含むグラフト重合体は、その製造方法によっては限定されない。以下においては、このようなグラフト重合の反応に供する重合体を、本発明の電子デバイス用材料の熱可塑性樹脂に含まれる重合体と区別するため、「反応前重合体」という。反応前重合体の例としては、熱可塑性樹脂の主成分として採用しうる重合体として上に例示したものと同じ重合体が挙げられる。
極性基を有する単量体の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−ノルボルネン−5−イルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和シラン化合物が挙げられる。
反応前重合体と極性基を有する単量体とを反応させることにより、反応前重合体に極性基を導入し、極性基含有単位を含むグラフト重合体を得うる。極性基としてアルコキシシリル基を導入する場合、アルコキシシリル基の導入量は、反応前重合体100重量部に対し、通常0.1重量部以上、好ましくは0.2重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上であり、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。アルコキシシリル基の導入量を前記範囲に収めると、水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋度が過剰に高くなることを防止できるので、接着性を高く維持することができる。アルコキシシリル基の導入に用いるアルコキシシリル基を有する物質、及び変性方法の例としては、国際公開第2015/099079号等の従来技術文献に記載されているものが挙げられる。
極性基の導入量は、H−NMRスペクトルにて計測しうる。また、極性基の導入量の計測の際、導入量が少ない場合は、積算回数を増やして計測しうる。
反応前重合体に、極性基としてアルコキシシリル基を導入することは、シラン変性と呼ばれる。シラン変性に際しては、反応前重合体にアルコキシシリル基を直接結合させてもよく、例えばアルキレン基などの2価の有機基を介して結合させてもよい。以下、反応前重合体のシラン変性により得られた重合体を「シラン変性重合体」ともいう。
シラン変性重合体としては、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体のシラン変性物、及び水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のシラン変性物から選ばれる一種以上の重合体が好ましい。
熱可塑性樹脂を構成する重合体の重量平均分子量(Mw)は、通常20000以上、好ましくは30000以上、より好ましくは35000以上であり、通常200000以下、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下である。重合体の重量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算の値で測定しうる。また、重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、特に好ましくは2以下であり、好ましくは1以上である。重合体の重量平均分子量Mw及び分子量分布Mw/Mnを前記の範囲に収めることにより、電子デバイス用材料の機械強度及び耐熱性を向上させることができる。
別の観点からは、重合体の重量平均分子量は、30000以下であることが好ましい。特に、重合体がスチレン−イソプレン共重合体、水素化スチレン−イソプレン共重合体、それらのシラン変性物、及びそれらの混合物からなる群より選択される重合体であり、且つ重合体の重量平均分子量が30000以下であることが好ましい。かかる重合体を、熱可塑性樹脂の主成分として採用することにより、可塑剤を添加しなくても、熱可塑性樹脂の貯蔵弾性率を容易に所望の範囲とすることができ、その結果、本発明の所望の効果を有する電子デバイス用材料を容易に製造することができる。この観点における重合体の重量平均分子量は、より好ましくは28000以下である。一方重量平均分子量の下限は、特に限定されないが例えば20000以上としうる。
シラン変性重合体は、例えば、ガラス、無機物、金属などの材料との接着性に優れる。そのため、本発明の電子デバイス用材料によって有機EL装置の素子を封止する場合に、電子デバイス用材料と素子との接着性を特に高くすることができる。したがって、有機EL装置の信頼性評価で通常行われる高温高湿環境に長時間暴露した後も、電子デバイス用材料は十分な接着力を維持することができる。
電子デバイス用材料を構成する熱可塑性樹脂のうち、吸湿性粒子、分散剤及び可塑剤以外の残余の成分(重合体を主成分とし、さらに、酸化防止剤等の任意成分を含みうる。以下において、「吸湿性粒子等以外の残余の成分」という。)のガラス転移温度は、特に限定しないが、好ましくは40℃以上、より好ましくは70℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下である。
〔2.3.吸湿性粒子〕
熱可塑性樹脂は、吸湿性粒子を含みうる。熱可塑性樹脂において、吸湿性粒子は分散した状態で存在しうる。
吸湿性粒子の一次粒子径は、好ましくは40nm以上、より好ましくは45nm以上、さらにより好ましくは50nm以上であり、一方好ましくは200nm以下、より好ましくは80nm以下、さらにより好ましくは70nm以下である。吸湿性粒子の屈折率は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、さらにより好ましくは1.4以上であり、一方好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらにより好ましくは1.7以下である。このような吸湿性粒子を用いることにより、高い透明性及び高い表面平滑性といった特性と、低いヘイズとを兼ね備える電子デバイス用材料を得ることができる。
本願において、一次粒子径とは、一次粒子の数平均粒子径を表す。吸湿性粒子の一次粒子径(数平均粒子径)は、溶媒に分散させた分散液の状態で、動的光散乱法による粒子径測定装置により測定しうる。また他の方法として、測定対象をフィルムの形状とし、電子顕微鏡によりフィルム断面における粒子を直接観察し、粒子径の平均値を求める手段によって測定しうる。
吸湿性粒子とは、20℃90%RHにおいて24時間静置した場合の重量変化率が、特定の値以上の高い値である粒子である。重量変化率の具体的な範囲は、通常3%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。重量変化率の上限に特段の制限は無いが、例えば100%以下としうる。このように高い吸湿性を有する吸湿性粒子を用いることにより、少量で十分水分を吸湿できるため、少ない含有割合で良好な吸湿の効果を発現しうる。
吸湿性粒子の重量変化率は、下記の式(A1)によって計算しうる。下記の式(A1)において、W1は、20℃90%Rhの環境に静置する前の粒子の重量を表し、W2は、20℃90%Rhの環境に24時間静置した後の粒子の重量を表す。
重量変化率(%)=((W2−W1)/W1)×100 (A1)
吸湿性粒子が含有する材料の例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びアルミニウムを含有する化合物(酸化物、水酸化物、塩など)であってケイ素を含まない化合物(例えば、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等)、特開2005−298598号公報に記載の有機金属化合物、ならびに金属酸化物を含有するクレイ等の塩基性吸湿剤;ケイ素を含む無機化合物(例えば、シリカゲル、ナノポーラスシリカ、ゼオライト)等の酸性吸湿剤が挙げられる。
吸湿性粒子の材料としては、ゼオライト及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種類以上の物質が好ましい。ゼオライトは、特に高い吸湿能力を有し、例えば、20℃90%RHにおいて24時間静置した場合に10%〜30%といった高い重量変化率を容易に実現できる。また、ゼオライトは、乾燥によって水を放出するので、再利用が可能である。吸湿性粒子の材料としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
吸湿性粒子の屈折率と、熱可塑性樹脂の吸湿性粒子等以外の残余の成分の屈折率との差の絶対値は小さいことが好ましい。かかる絶対値の値は、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下である。かかる屈折率の差の絶対値を前記範囲とすることにより、内部ヘイズを小さくし、電子デバイス用材料の透明性を高くすることができる。
吸湿性粒子の屈折率は、標準液法により測定し得る。具体的には、屈折率が既知の標準液試薬を2〜3滴、ガラス基板上に滴下し、これに吸湿性粒子を混合して混合液を調製する。この操作を、様々な屈折率を有する標準液試薬(MORITEX社製カーギル標準屈折率液)を用いて行い、前記混合液が透明になったときの標準液試薬の屈折率を各粒子の屈折率とする。一方樹脂の屈折率は、フィルム状に成形したものを準備し、アッベ屈折計あるいは分光エリプソメーターによって測定した屈折率とする。本願において屈折率の測定波長は別に断らない限り589nmとする。
熱可塑性樹脂における吸湿性粒子の割合は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは60重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。吸湿性粒子の割合が、前記下限値以上であることにより、電子デバイス用材料の水分侵入防止効果を高めることができる。また、前記上限値以下であることにより、電子デバイス用材料の透明性、柔軟性及び加工性を高めることができる。
〔2.4.分散剤〕
熱可塑性樹脂は、分散剤を含みうる。分散剤としては、有機溶媒可溶の分散剤を好ましく用いうる。
本願において、有機溶媒可溶の分散剤とは、有機溶媒への5重量%以上の溶解を達成しうる分散剤をいう。かかる溶解は、電子デバイス用材料を製造するための材料である混合物を調製する際の温度において試験しうる。当該温度は、通常は常温(5℃〜35℃)であり、好ましくは25℃である。このような条件において、固形分の沈殿を残さない溶解を達成しうる場合、有機溶媒可溶と判定しうる。かかる溶解の試験に用いる有機溶媒としては、電子デバイス用材料の製造において用いられ、重合体及びその他の成分の一部又は全部を溶解しうる各種の有機溶媒を採用することができる。これらの有機溶媒のいずれかにおいて可溶である場合、有機溶媒可溶であると判定しうる。かかる判定に用いた有機溶媒は、本発明の電子デバイス用材料の製造において用いうる。
分散剤として有機溶媒可溶の分散剤を用いることにより、本発明の電子デバイス用材料を、有機溶媒を用いた製造方法により製造することができる。その結果、水分の侵入を封止する封止フィルムとして良好な性能を有する電子デバイス用材料を容易に得ることができる。
分散剤は、有機溶媒のうち特に、非極性溶媒に可溶であることが好ましく、本発明の電子デバイス用材料の製造においてはかかる非極性溶媒を用いることが好ましい。電子デバイス用材料の製造に非極性溶媒を採用した場合、系内に混入する水分の割合を容易に低減することができ、その結果、吸湿性粒子の性能が良好に維持された電子デバイス用材料を容易に得ることができる。
有機溶媒を構成する物質の例としては、水及び無機物以外の、常温(好ましくは25℃)で液体の物質が挙げられる。より具体的には、シクロヘキサン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち非極性溶媒を構成する物質の例としては、シクロヘキサン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、及びこれらの混合物が挙げられる。
非極性溶媒は、本発明の効果を著しく損ねない限りにおいて、任意成分として極性の物質を含んでもよい。例えば、非極性の物質と良好に溶解しうる極性の物質を含んでもよい。より具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の、極性溶媒として用いられる物質を含んでもよい。但し、溶媒は、極性の物質として水を含まないことが、封止フィルムとして良好な性能を有する電子デバイス用材料を得る上で好ましい。非極性の溶媒における非極性物質の割合は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上、さらにより好ましくは99.9重量%以上であり、理想的には100重量%である。
有機溶媒としては、樹脂の溶解性の高さの観点から、シクロヘキサンが特に好ましい。
分散剤は、樹脂において、吸湿性粒子の分散性を向上させる機能を有する。分散剤の例としては、東亜合成社の「アロン(登録商標)」及び「ジュリマー(登録商標)」シリーズ、日本触媒社の「アクアリック(登録商標)」シリーズ)、共栄社化学社の「フローレン(登録商標)」シリーズ、楠本化成社の「ディスパロン(登録商標)」シリーズ、BASF社の「ソカラン(登録商標)」シリーズ及び「EFKA」シリーズ、ビックケミー社の「DISPERBYK(登録商標)」シリーズ及び「Anti−Terra」シリーズ、日本ルーブリゾール社の「SOLSPERSE(登録商標)」シリーズ、及び味の素ファインテクノ社の「アジスパー」シリーズなどの市販の分散剤が挙げられる。
分散剤は吸湿性粒子に吸着する基と、樹脂及び溶媒との相互作用及び相溶性に影響する基とを有するものとしうる。
吸湿性粒子に吸着する基の例としては、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミン塩、カルボン酸塩、リン酸塩、エーテル基、ヒドロキシル基、アミド基、芳香族ビニル基、及びアルキル基が挙げられる。吸湿性粒子が酸性吸湿性粒子である場合には、吸着する基として塩基性のもの(塩基性分散剤)が好ましく、吸湿性粒子が塩基性吸湿性粒子である場合には、吸着する基として酸性のもの(酸性分散剤)が好ましいが、ノニオン性の分散剤であってもよい。
分散剤の酸価または塩基価(アミン価)の下限値は好ましくは20mgKOH/g以上であり、より好ましくは50mgKOH/g以上である。酸価または塩基価の上限値は好ましくは200mgKOH/g以下であり、より好ましくは160mgKOH/g以下である。酸価または塩基価(アミン価)がこれらの範囲である分散剤を選択することにより、短時間で効率的に粒子を分散させることができる。
樹脂及び溶媒との相互作用及び相溶性に影響する基の例としては、脂肪酸、ポリアミノ、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、及びポリアクリレートが挙げられる。
また、信越シリコーン社や東レダウコーニング社のシランカップリング剤等を分散剤として用いてもよい。シランカップリング剤の場合は、吸湿性粒子に吸着する部分は加水分解性基、樹脂及び溶媒との相互作用や相溶性に影響する部分は反応性官能基といわれる。たとえば加水分解性基としては、−OCH、−OC、−OCOCHなどが挙げられる。一方反応性官能基としてはアミノ基、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基などが挙げられる。このような分散剤は一種類を単独で用いてもよく複数を混合して用いてもよい。
分散剤の量は、吸湿性粒子100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは7重量部以上、さらにより好ましくは10重量部以上であり、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは70重量部以下、さらにより好ましくは50重量部以下である。分散剤の量を前記下限値以上とすることにより、吸湿性粒子の良好な分散を達成し、内部ヘイズを低くして高い透明性を達成し得る。分散剤の量を前記上限値以下とすることにより、分散剤に起因する、電子デバイス用材料と他の部材との密着性低下を抑制し得る。
〔2.5.可塑剤〕
熱可塑性樹脂は、可塑剤を含みうる。可塑剤を含むことにより、電子デバイス用材料を、ガラス転移温度及び弾性率等の物性が所望の値に調整された材料とすることができる。
可塑剤の好適な例としては、炭化水素系オリゴマー;一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステルなどの有機酸エステル系可塑剤;有機リン酸エステル系、有機亜リン酸エステル系などのリン酸エステル系可塑剤;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
炭化水素系オリゴマーは、樹脂フィルムを構成する成分中に均一に溶解ないし分散できるものであることが好ましい。炭化水素系オリゴマーは、炭化水素化合物の重合体であって特定の範囲の分子量を有するものが、耐熱性を大きく損なうことがなく、樹脂フィルムを構成する成分中によく分散するので好ましい。炭化水素系オリゴマーの分子量は、数平均分子量で、好ましくは200〜5,000、より好ましくは300〜3,000、さらにより好ましくは500〜2,000である。
炭化水素系オリゴマーの具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリイソプレン、脂環族炭化水素、その他の脂肪族系炭化水素、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体、前記の化合物の水素化物、及びインデン・スチレン共重合体水素化物が挙げられる。これらの中でも、ポリイソブチレン、ポリブテン、水素化ポリイソブチレン、及び水素化ポリブテンが好ましい。
可塑剤の量は、熱可塑性樹脂の主成分である重合体の重量平均分子量をMWとし、可塑剤の配合量をPR(%、重合体と可塑剤の合計に対する百分率)としたときに、
0.0013×MW≧PR≧0.0011×MW−45の範囲であることが好ましく、
0.0013×MW−15≧PR≧0.0011×MW−35の範囲であることがより好ましい。
可塑剤の量を前記の範囲内にすることにより、貯蔵弾性率を好適に制御できる。
樹脂の屈折率と可塑剤の屈折率との差の絶対値は小さいことが好ましい。かかる絶対値の値は、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.02以下である。樹脂と可塑剤の屈折率の差の絶対値を前記範囲とすることにより、内部ヘイズを小さくし、吸湿性樹脂フィルムの透明性を高くすることができる。
可塑剤の屈折率は、可塑剤が常温で固体である場合はフィルム状に成形したものを準備し、アッベ屈折計により、波長589nmにて測定しうる。可塑剤が常温で液体である場合は、そのままアッベ屈折計により、波長589nmにて測定しうる。
〔2.6.任意の成分〕
熱可塑性樹脂は、上に述べた成分の他に任意の成分を含みうる。任意の成分の例としては、耐候性及び耐熱性を向上させるための光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、無機フィラーなどが挙げられる。また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられ、着色がより少ないリン系酸化防止剤が好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物;6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどの化合物を挙げることができる。
フェノ−ル系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどの化合物を挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどの化合物を挙げることができる。
酸化防止剤の量は、主成分の重合体100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下である。酸化防止剤を前記範囲の下限値以上用いることにより、電子デバイス用材料の耐久性を改善することができるが、上限を超えて過剰に用いても、更なる改善は得られ難い。
〔3.電子デバイス用材料の形状及び性質等:樹脂フィルム〕
本発明の電子デバイス用材料は、任意の形状を有する部材としうる。本発明の電子デバイス用材料は、好ましくはフィルム状の形状を有する。フィルム状の形状を有することにより、封止フィルムとして、有機EL装置等の電子デバイスにおける封止のための用途として有利に使用することができる。以下において、本発明の電子デバイス用材料であってフィルム状の形状を有するものを、単に「樹脂フィルム」という場合がある。樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂のみからなるフィルムとしうる。
樹脂フィルムの一方の面又は両方の面には、任意の層を設けうる。即ち、樹脂フィルムと任意の層とを含む複層物を構成し、当該複層物を使用に供しうる。任意の層として適切なものを選択することにより、複層物を保存及び運搬に有利なものとしたり、特定の用途に用いるのに有利なものとしたりすることができる。
任意の層の例としては、剥離フィルムが挙げられる。具体的には、樹脂フィルムを、剥離フィルムと貼合し、複層物としうる。当該複層物は、樹脂フィルムを接着フィルムとして用いる場合において、樹脂フィルムを複層物の状態で容易に保存及び運搬することができ、好適である。剥離フィルムとしては、例えば離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム等が挙げられる。
樹脂フィルムの厚さは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは16μm以下である。樹脂フィルムの厚さを前記下限値以上とすることにより、有効な吸湿を容易に達成することができ、それにより、水分の浸入の抑制を容易に達成することができる。樹脂フィルムの厚みを前記上限値以下とすることにより、樹脂フィルムの可撓性を良好なものとすることができる。
樹脂フィルムの内部ヘイズは、5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。内部ヘイズを上記範囲以下とすることにより、樹脂フィルムの透明性を高くしうるので、該樹脂フィルムを有機EL装置等における、光の透過が求められる箇所において好適に用いることができる。内部ヘイズは、濁度計を用いることにより測定しうる。内部ヘイズの測定に際しては、樹脂フィルムを一対のガラス基板の間に設ける等して、表面の光の散乱を抑制した状態で測定を行いうる。
樹脂フィルムを、ガラスと、特定のバリアフィルムの間に挟んでこれらを貼合した際のピール強度が4N/cm以上であることが好ましい。かかるピール強度を有することにより、電子デバイスにおける良好な封止を達成することができる。ピール強度の上限は、特に限定されないが例えば25N/cm以下としうる。ここでの特定のバリアフィルムは、PETフィルムであって、その表面SiOを製膜したものである。ピール強度は、90°方向のピール強度としうる。ピール強度の測定方法は、具体的には以下の通りとしうる。
PETフィルムの一方の表面に、SiOの層を形成し、(PETフィルム)/(SiO層)の層構成を有するバリアフィルムとする。さらに得られたバリアフィルムを10×100mmの短冊状に切り出す。25×100×1.1mmのガラス基板を準備する。10×100mmに切り出した樹脂フィルムを、ガラス基板上に配置する。配置に際し、樹脂フィルムの方向は、その長辺方向がガラス基板の長辺方向と平行となる方向とする。樹脂フィルムと辺が揃うように(即ち、ガラス基板の法線方向から観察した際に樹脂フィルムの辺とバリアフィルムの辺とが一致するように)バリアフィルムを配置し、80℃の温度で熱ラミネートする。そうして作成したガラス基板/樹脂フィルム/バリアフィルムの積層体のバリアフィルムの端部をつかみ、ガラス基板に対して90°方向に20mm/minの速度で引っ張った際の張力を測定する。
〔4.電子デバイス用材料の製造方法〕
本発明の電子デバイス用材料の製造方法は特に限定されず、任意の方法により製造しうる。例えば、電子デバイス用材料を構成する各成分(重合体、並びに必要に応じて添加される他の成分)を混合することにより、電子デバイス用材料を得うる。
電子デバイス用材料が樹脂フィルムである場合、電子デバイス用材料を構成する各成分及び溶媒を混合して得られる混合物を、基材に塗布し乾燥させることにより、樹脂フィルムを製造しうる。基材の例としては、離型処理を施したPETフィルムが挙げられる。かかる基材は、樹脂フィルムの製造後に、そのまま剥離フィルムとして用いうる。
混合物の調製方法の例としては、二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機等の混練機で、重合体を溶融状態にして重合体以外の成分と混練する方法;及び重合体以外の成分を適切な溶媒に溶解あるいは分散させて溶液又は分散液とし、これを重合体の溶液と混合する方法が挙げられる。
樹脂フィルムとして重合体及び吸湿性粒子を含むものを調製する場合における、特に好ましい製造方法としては、下記工程A〜工程Dを含む方法が挙げられる。
工程A:吸湿性粒子を溶媒1中に分散させて吸湿性粒子分散液を得る工程。
工程B:重合体を、溶媒2中に溶解させて重合体溶液を得る工程。
工程C:吸湿性粒子分散液と重合体溶液とを混合して混合液を作製する工程。
工程D:混合液を基材上に塗布し、乾燥させる工程。
工程Aにおいて用いる溶媒1、及び工程Bにおいて用いる溶媒2は、好ましくは非極性の溶媒である。溶媒2は、好ましくは溶媒1と相溶性を有する溶媒である。溶媒1が溶媒2と「相溶性を有する」とは、これらが常温において任意の割合で相分離せず混和しうることをいう。
溶媒2は、溶媒1と同じ溶媒であってもよく、溶媒1と異なる溶媒であってもよい。溶媒1及び溶媒2として非極性の溶媒を用いることにより、混合液における重合体の良好な溶解を達成することができ、且つ、水分の侵入を封止する封止フィルムとして良好な性能を有する樹脂フィルムを容易に製造することができる。
吸湿性粒子分散液(工程A)における吸湿性粒子の割合は、製造に適した割合に適宜調整しうる。具体的には、吸湿性粒子分散液における吸湿性粒子の割合は、1重量%〜50重量%としうる。吸湿性粒子の割合を1重量%以上とすることにより、工程Dにおける乾燥の工程を効率的に行うことができる。吸湿性粒子の割合を50重量%以下とすることにより、吸湿性粒子の良好な分散を容易に達成することができる。
吸湿性粒子分散液は、吸湿性粒子及び溶媒に加えて、分散剤及びその他の任意成分を含みうる。分散剤は、溶媒1に可溶であることが好ましい。吸湿性粒子分散液における分散剤の割合は、吸湿性粒子の良好な分散を達成しうる任意の割合に調整しうる。具体的には、吸湿性粒子100重量部に対する分散剤の割合は、0.1重量部〜1000重量部としうる。
重合体溶液(工程B)における重合体の割合は、特に限定されず、製造に適した割合に適宜調整しうる。具体的には、重合体溶液における重合体の割合は、10重量%〜60重量%としうる。重合体の割合を10重量%以上とすることにより、工程Dにおける乾燥の工程を効率的に行うことができる。重合体の割合を60重量%以下とすることにより、重合体の良好な溶解を容易に達成することができる。
重合体溶液は、重合体及び溶媒に加えて、任意成分を含みうる。任意成分の例としては、可塑剤が挙げられる。重合体溶液における可塑剤の割合は、樹脂フィルムの良好な機械的性質を達成しうる任意の割合に調整しうる。具体的には、重合体100重量部に対する可塑剤の割合は、10重量部〜60重量部としうる。
工程Aにおける吸湿性粒子分散液の調製の具体的な操作は、特に限定されず、吸湿性粒子分散液を構成する成分を、任意の方法により混合することにより行いうる。混合する装置としては、ビーズミル等の混合及び分散を行う装置を用いうる。工程Bにおける重合体溶液の調製も、同様に、重合体溶液を構成する成分を、任意の方法により混合することにより行いうる。
工程Cにおける、吸湿性粒子分散液と重合体溶液との混合の比率は、所望の製品が得られる任意の割合としうる。例えば、吸湿性粒子分散液及び重合体溶液のそれぞれにおける成分の割合を調整することにより、吸湿性粒子分散液及び重合体溶液を等量混合することで所望の成分の割合を得ることができる。
工程Dにおける基材としては、混合液の層を支持しうる任意の部材を用いうる。基材の例としては、離型処理を施したPETフィルムが挙げられる。かかる基材は、樹脂フィルムの製造後に、そのまま剥離フィルムとして用いうる。
工程Dにおける、基材上への混合液の塗布は、通常の塗布装置等を用いて行いうる。塗布厚みは、所望の厚みの樹脂フィルムが得られる厚みに適宜調整しうる。
工程Dにおける、混合液の層の乾燥は、ホットプレート、オーブン等の加温装置を用い、基材及び混合液の層を加温することにより行いうる。加温の温度は、混合液における溶媒を揮発させ、所望の樹脂フィルムを得るのに適した温度に適宜調整しうる。具体的には、加温の温度は、80〜120℃としうる。
工程A〜C及び工程Dにおける塗布までの工程は、常温で行うことができ、工程Dの乾燥の工程は、上に述べた比較的低い温度で行うことができる。このような工程を採用することにより、吸湿性粒子からの発泡の少ない製造を、容易に達成することができる。
工程Dを行うことにより、混合液の層を硬化させ、樹脂フィルムを、基材上に設けられた層として得ることができる。得られた樹脂フィルムは、必要に応じて基材から剥離し、使用に供しうる。
〔5.電子デバイス用材料の用途〕
本発明の電子デバイス用材料は、電子デバイスにおいて、支持基材、絶縁、接着、及び封止等の用途で用いうる。電子デバイスの例としては、有機EL装置、太陽電池、タッチパネル、及び各種電極(ITO、銅電極、錫電極、半田電極等)が挙げられる。これらの用途のうち、例えば接着の用途(接着層)として用いる場合、接着することが求められる2つの層の間に、電子デバイス用材料を介在させ、接着性を発現させるための処理を施し、それによりかかる接着対象の2つの層を接着させうる。
接着性を発現させるための処理は、具体的には、所謂ホットメルトの処理としうる。即ち、電子デバイス用材料を加熱し、且つ、もし必要であれば接着対象の2つの層の間に圧力を加える処理を行いうる。処理温度は、好ましくはTg以上、より好ましくはTg+50℃以上の温度において行なう。ここでTgとは、電子デバイス用材料を構成する樹脂のガラス転移温度を表す。電子デバイス用材料が複数のガラス転移温度を有する場合、前記のTgは、そのうちで最も高温のガラス転移温度を表す。これにより、良好な接着を達成しうる。処理温度の上限は、好ましくはTg+50℃以下、より好ましくはTg+30℃以下である。かかる上限以下の温度で処理することにより、吸湿性粒子及び分散剤が電子デバイス用材料の最表面に移行することを効果的に抑制することができ、その結果、吸湿性粒子等と接着対象の層との化学的な反応を抑制することができ、且つ吸湿性粒子の二次粒子による物理的な悪影響を抑制することができる。
〔6.有機EL装置〕
本発明の電子デバイス用材料の特に好ましい用途としては、有機EL装置が挙げられる。これを以下において、本発明の有機EL装置として説明する。
本発明の有機EL装置は、前記本発明の電子デバイス用材料を備える。本発明の有機EL装置において、電子デバイス用材料は、フィルムの形状としたもの即ち樹脂フィルムとし、これを、封止フィルムとして設けうる。電子デバイス用材料を封止フィルムとして用いることで、水分や酸素の影響を受けやすい有機EL装置において、水分の侵入を防止する効果を有効に発現しうる。
有機EL装置は、基板と、その上に設けられた電極及び発光層を備えうる。具体的には、ガラス板等の基板と、その面上に設けられた第一の電極と、その面上に設けられた発光層と、さらにその面上に設けられた第二の電極とを備えうる。第一の電極及び第二の電極のうち一方を透明電極とし、他方を反射電極(又は透明電極と反射層との組み合わせ)とすることにより、電極への通電に反応して、透明電極側への発光を達成することができる。
有機EL装置にはさらに、発光層内部への水分の浸入を抑制するためのガスバリア層を備えうる。有機EL装置は、基板と、ガスバリア層と、その間に設けられた電極及び発光層を備え、基板及びガスバリア層により電極および発光層を封止する構成を有しうる。有機EL装置は、樹脂フィルムを、第二の電極と、ガスバリア層との間に介在する層として備えうる。このような構成を採用し、樹脂フィルムを、第二の電極と、ガスバリア層とを接着させる接着層として機能させると、高い密着性により、発光層等の層への水分の侵入を防止して該発光層等の層を効果的に封止した有機EL装置を得ることが可能となる。
有機EL装置が備えるガスバリア層は、樹脂フィルムとガスバリア層との積層体としうる。例えば、樹脂フィルムと、その表面上に形成された無機バリア層とを含むガスバリア積層体を、ガスバリア層として用いうる。
無機バリア層に含まれうる無機材料の好ましい例としては、金属;珪素の酸化物、窒化物、窒化酸化物;アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物;DLC(ダイヤモンドライクカーボン);及びこれらの2以上が混合した材料;などが挙げられる。中でも、透明性の点では、珪素を含有する材料が好ましく、珪素酸化物及び珪素窒化酸化物が特に好ましい。また、樹脂フィルムとの親和性の点では、DLCが特に好ましい。
珪素の酸化物としては、例えば、SiOxが挙げられる。ここでxは、無機バリア層の透明性及び水蒸気バリア性を両立させる観点から、1.4<x<2.0が好ましい。また、珪素の酸化物としては、SiOCも挙げることができる。
珪素の窒化物としては、例えば、SiNyが挙げられる。ここでyは、無機バリア層の透明性及び水蒸気バリア性を両立させる観点から、0.5<y<1.5が好ましい。
珪素の窒化酸化物としては、例えば、SiOpNqが挙げられる。ここで、無機バリア層の密着性の向上を重視する場合には、1<p<2.0、0<q<1.0として、無機バリア層を酸素リッチの膜とすることが好ましい。また、無機バリア層の水蒸気バリア性の向上を重視する場合には、0<p<0.8、0.8<q<1.3として、無機バリア層を窒素リッチの膜とすることが好ましい。
アルミニウムの酸化物、窒化物及び窒化酸化物としては、例えば、AlOx、AlNy、及びAlOpNqを挙げることができる。中でも、無機バリア性の観点からは、SiOpNq及びAlOx、並びにそれらの混合物が、特に好ましい。
無機バリア層は、例えば、支持体となる樹脂フィルムの表面に、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト蒸着法、アーク放電プラズマ蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法等の成膜方法により形成しうる。中でも、熱CVD法、プラズマCVD法等の化学気相成長法を用いることが好ましい。化学気相成長法によれば、製膜に用いるガス成分を調整することにより、可撓性のある無機バリア層を形成できる。また、可撓性のある無機バリア層を得ることで、樹脂フィルムの変形、及び、高温高湿環境下での樹脂フィルムの寸法変化に、無機バリア層が追随することが可能になる。また、化学気相成長法によれば、低い真空度の環境で高い製膜レートで製膜可能であり、良好なガスバリア性を実現できる。
ガスバリア積層体において、無機バリア層は、樹脂フィルムの両方の面に設けられてもよいが、通常は一方の面に設けられる。この際、無機バリア層は、有機EL装置の内側に向けて設けられてもよく、有機EL装置の外側に向けて設けられてもよい。装置の製造後における無機バリア層の損傷を防止する観点からは、有機EL装置の内側に向けて設けることが好ましい。
有機EL装置はさらに、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び電子注入層等の任意の層を、第一の電極と第二の電極との間に備えうる。有機EL装置は、第一の電極及び第二の電極に通電するための配線、発光層の封止のための周辺構造などの任意の構成を備えうる。
有機EL装置は、発光層を、任意の態様で備えうる。例えば、本発明の有機EL装置は、発光層を、画像を表示する画素として備える表示装置であってもよく、発光層を、光を供給するための発光体として備えるバックライト装置、照明装置等の光源装置であってもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温および常圧の条件において行った。
〔製造例1:重量平均分子量48000の重合体を含む樹脂〕
芳香族ビニル化合物としてスチレンを用い、鎖状共役ジエン化合物としてイソプレンを用いて、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック構造を有するブロック共重合体を、以下の手順により製造した。
内部が充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン256部、脱水スチレン25.0部、及びn−ジブチルエーテル0.59部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)1.14部を加えて重合を開始させ、さらに、攪拌しながら60℃で60分反応させた。
次に、脱水イソプレン50.0部を加え、同温度で30分攪拌を続けた。その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、同温度で60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体を含む溶液(i)を得た。
次に、溶液(i)を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(E22U、ニッケル担持量60%;日揮化学工業社製)4.0部及び脱水シクロヘキサン350部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行ない、ブロック共重合体を水素化し、ブロック共重合体水素化物(ii)を含む溶液(ii)とした。溶液(ii)中のブロック共重合体水素化物(iii)の重量平均分子量(Mw)は48,000であった。
水素化反応の終了後、溶液(ii)をろ過して、水素化触媒を除去した。その後、ろ過された溶液(ii)に、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](SONGWON社製「Songnox1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させて、溶液(iii)を得た。
次いで、溶液(iii)を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にてろ過して微小な固形分を除去した。その後、ろ過された溶液(iii)から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製「コントロ」)を用いて温度260℃、圧力0.001MPa以下で除去し、溶融ポリマーを得た。この溶融ポリマーを、連続して、前記の濃縮乾燥器に連結した孔径5μmのステンレス製焼結フィルターを備えたポリマーフィルター(富士フィルター製)により、温度260℃でろ過した。その後、ダイから溶融ポリマーをストランド状に押し出し、冷却した後、ペレタイザーによりカットして、ブロック共重合体の水素化物(iv)のペレット96部を製造した。
得られたブロック共重合体の水素化物(iv)のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標)25B」)0.2部を添加して、混合物を得た。この混合物を、二軸押出機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60秒〜70秒で混練し、ストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカットし、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレット97部を得た。得られた変性ブロック共重合体の水素化物(v)の重量平均分子量(Mw)は48,000であった。このペレット(vi)をフィルム状に成形し、アッベ屈折計により屈折率を測定したところ、屈折率は1.50であった。
〔製造例2:重量平均分子量24000の重合体を含む樹脂〕
n−ジブチルエーテルの添加量を0.59部から1.840部に変更し、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)の添加量を1.14部から2.22部に変更した他は、製造例1と同じ操作を行った。その結果、変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットを得た。変性ブロック共重合体の水素化物(v)の重量平均分子量(Mw)は24,000であった。このペレット(vi)をフィルム状に成形し、アッベ屈折計により屈折率を測定したところ、屈折率は1.50であった。
〔製造例3:重量平均分子量32000の重合体を含む樹脂〕
n−ジブチルエーテルの添加量を0.59部から1.155部に変更し、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)の添加量を1.14部から1.35部に変更した他は、製造例1と同じ操作を行った。その結果、変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットを得た。変性ブロック共重合体の水素化物(v)の重量平均分子量(Mw)は32,000であった。このペレット(vi)をフィルム状に成形し、アッベ屈折計により屈折率を測定したところ、屈折率は1.50であった。
〔実施例1〕
(1−1.吸湿性粒子分散液)
ハイドロタルサイト(分散した状態の一次粒子の数平均粒子径100nm、屈折率1.5)10g、分散剤(SOLSPERSE21000 日本ルーブリゾール株式会社製)1g、及びシクロヘキサン89gを、ビーズミルにて混合し、分散させた。この操作により、10%のハイドロタルサイト分散液を調製した。
(1−2.重合体溶液)
製造例1で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレット28g、可塑剤(日石ポリブテンLV−100 新日本石油株式会社製、数平均分子量500、屈折率1.50)12g、及びシクロヘキサン60gを混合し、ペレットを溶解させた。この操作により、固形分40%の重合体溶液を調製した。
(1−3.混合液)
(1−1)で得たハイドロタルサイト分散液及び(1−2)で得た重合体溶液を等量秤量し、これらを混合し、混合液を調製した。
(1−4.樹脂フィルムA)
(1−3)で得た混合液を、PETフィルム(離型処理PETフィルム、商品名MRV38、三菱樹脂株式会社製、以下において同じ)の離形処理が施された面に塗布した。溶液の塗布厚さは、得られる樹脂フィルムの厚さが30μmとなるよう調整した。塗布後、110℃のホットプレート上で30分乾燥させた。これにより、PETフィルムと、その上に形成された樹脂フィルムAとを備える複層物Aを得た。
得られた複層物Aから、PETフィルムを剥離し、樹脂フィルムAを得た。樹脂フィルムAをサンプルとして、粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、商品名「DMS6100」)にて貯蔵弾性率を測定した。その結果、80℃での貯蔵弾性率は6×10Pa、90℃での貯蔵弾性率は2×10Pa、100℃での貯蔵弾性率は10Pa未満であった。
(1−5.樹脂フィルムB)
厚さ50μmの基材フィルム(商品名「ゼオノアフィルムZF14」、日本ゼオン株式会社製)の一方の表面に、プラズマCVD装置を用いて、膜厚300nmのSiOCの層を形成し、(基材フィルム)/(SiOC層)の層構成を有するバリアフィルムを得た。バリアフィルムのSiOC層側の表面に、(1−3)で得た混合液を塗布した。溶液の塗布厚さは、得られる樹脂フィルムの厚さが10μmとなるよう調整した。塗布後、110℃のホットプレート上で5分乾燥させた。これにより、(基材フィルム)/(SiOC層)/(樹脂フィルムB)の層構成を有する複層物Bを得た。
厚さ0.7mmで1辺が5cmの正方形のガラス板を用意した。複層物Bを切り出し、1辺が5cmの正方形のサンプルとした。複層物Bの正方形のサンプルを、正方形のガラス板状に載置し、複層物Cを得た。載置の向きは、複層物Bの樹脂フィルムB側の面がガラス板に接触する向きとした。
複層物Cを複数用意し、それぞれを真空ラミネーターで処理し、ガラス板と複層物Bとの貼合を行った。処理時の圧力は0.3MPaとし、処理時の温度は、5℃間隔の様々な温度とした。その結果、処理温度85℃及びそれ以下の条件では、ガラスとバリアフィルム熱可塑性樹脂積層体の間に気泡が残った一方、処理温度90℃の条件では、かかる気泡が残らない良好な貼合が達成された。
処理温度90℃で貼合を行って得た貼合物を、85℃、85%RHの恒温恒湿層内に100時間放置し、放置後の貼合物を観察した。その結果、周辺部の剥がれなどは観察されず、良好な接着性が達成されていた。
〔1−6.ピール強度〕
厚さ50μmのPETフィルムの一方の表面に、スパッタ装置を用いて、膜厚50nmのSiOの層を形成し、(PETフィルム)/(SiO層)の層構成を有するバリアフィルムを得た。さらに得られたバリアフィルムを10×100mmの短冊状に切り出した。次に25×100×1.1mmのガラス基板を準備し、10×100mmに切り出した樹脂フィルムAを、前記ガラス基板上に配置した。配置に際し、樹脂フィルムAの方向は、その長辺方向がガラス基板の長辺方向と平行となる方向とした。そして樹脂フィルムと辺が揃うように(即ち、ガラス基板の法線方向から観察した際に樹脂フィルムの辺とバリアフィルムの辺とが一致するように)バリアフィルムを配置し、80℃の温度で熱ラミネートした。そうして作成したガラス基板/樹脂フィルム/バリアフィルムの積層体のバリアフィルムの端部をつかみ、ガラス基板に対して90°方向に20mm/minの速度で引っ張った際の張力を測定したところ7N/cmであった。測定には、株式会社イマダ製の引張試験機ZP−20Nを用いた。
〔実施例2〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、樹脂フィルムの製造及び評価を行った。
・(1−2)の重合体溶液の調製において、製造例1で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットに代えて、製造例2で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットを用いた。
・(1−2)の重合体溶液の調製において、可塑剤を添加しなかった。また、シクロヘキサンの量を60gから72gに変更した。
樹脂フィルムAの貯蔵弾性率の測定結果は表1に示す通りであった。
樹脂フィルムBを含む複層物Cの貼合では、処理温度90℃及びそれ以下の条件では、ガラスとバリアフィルム熱可塑性樹脂積層体の間に気泡が残った一方、処理温度95℃の条件では、かかる気泡が残らない良好な貼合が達成された。処理温度95℃で貼合を行って得た貼合物を、85℃、85%RHの恒温恒湿層内に100時間放置し、放置後の貼合物を観察した。その結果、周辺部の剥がれなどは観察されず、良好な接着性が達成されていた。ピール強度の測定結果は、5N/cmであった。
〔比較例1〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、樹脂フィルムの製造及び評価を行った。
・(1−2)の重合体溶液の調製において、可塑剤を添加しなかった。また、シクロヘキサンの量を60gから72gに変更した。
樹脂フィルムAの貯蔵弾性率の測定結果は表1に示す通りであった。
樹脂フィルムBを含む複層物Cの貼合では、処理温度115℃及びそれ以下の条件では、ガラスとバリアフィルム熱可塑性樹脂積層体の間に気泡が残った一方、処理温度120℃の条件では、かかる気泡が残らない良好な貼合が達成された。処理温度120℃で貼合を行って得た貼合物を、85℃、85%RHの恒温恒湿層内に100時間放置し、放置後の貼合物を観察した。その結果、周辺部の剥がれなどは観察されず、良好な接着性が達成されていた。ピール強度の測定結果は、6N/cmであった。
〔比較例2〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、樹脂フィルムの製造及び評価を行った。
・(1−2)の重合体溶液の調製において、製造例1で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットに代えて、製造例3で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットを用いた。
樹脂フィルムAの貯蔵弾性率の測定結果は表1に示す通りであった。
樹脂フィルムBを含む複層物Cの貼合では、処理温度70℃及びそれ以下の条件では、ガラスとバリアフィルム熱可塑性樹脂積層体の間に気泡が残った一方、処理温度75℃の条件では、かかる気泡が残らない良好な貼合が達成された。処理温度75℃で貼合を行って得た貼合物を、85℃、85%RHの恒温恒湿層内に100時間放置し、放置後の貼合物を観察した。その結果、周辺部の剥がれが観察され、接着性が不十分であった。ピール強度の測定結果は、3.5N/cmであった。
〔比較例3〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、樹脂フィルムの製造及び評価を行った。
・(1−2)の重合体溶液の調製において、製造例1で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットに代えて、製造例3で得た変性ブロック共重合体の水素化物(v)のペレットを用いた。
・(1−2)の重合体溶液の調製において、可塑剤を添加しなかった。また、シクロヘキサンの量を60gから72gに変更した。
樹脂フィルムAの貯蔵弾性率の測定結果は表1に示す通りであった。
樹脂フィルムBを含む複層物Cの貼合では、処理温度100℃及びそれ以下の条件では、ガラスとバリアフィルム熱可塑性樹脂積層体の間に気泡が残った一方、処理温度105℃の条件では、かかる気泡が残らない良好な貼合が達成された。処理温度105℃で貼合を行って得た貼合物を、85℃、85%RHの恒温恒湿層内に100時間放置し、放置後の貼合物を観察した。その結果、周辺部の剥がれなどは観察されず、良好な接着性が達成されていた。ピール強度の測定結果は、5N/cmであった。
実施例及び比較例の結果を、表1にまとめて示す。
〔参考例〕
実施例及び比較例で用いた分散剤5重量部を、25℃において、シクロヘキサン95重量部に溶解したところ、固形分の沈殿を残さず溶解した。
実施例及び比較例の結果より、実施例の樹脂フィルム(即ちフィルム状の形状を有する電子デバイス用材料)は、比較例の樹脂フィルムに比べて、低温における貼合の操作によっても良好な貼合を達成することができ、且つ高温高湿度の使用条件において貼合対象との付着を良好に維持することができることが分かる。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂を含む電子デバイス用材料であって
    前記熱可塑性樹脂が重合体を主成分として含み、
    前記熱可塑性樹脂の100℃における貯蔵弾性率が1×10Pa未満であり、
    前記熱可塑性樹脂の80℃における貯蔵弾性率が1×10Pa超である、電子デバイス用材料。
  2. 前記重合体が、スチレン−イソプレン共重合体、水素化スチレン−イソプレン共重合体、それらのシラン変性物、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の電子デバイス用材料。
  3. 前記重合体の重量平均分子量が30000以下である、請求項1又は2に記載の電子デバイス用材料。
  4. フィルム状の形状を有し、
    前記電子デバイス用材料を、ガラスと、SiOを成膜したPETフィルムとの間に挟んでこれらを貼合した際のピール強度が4N/cm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子デバイス用材料。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、吸湿性粒子をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子デバイス用材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子デバイス用材料を備える有機エレクトロルミネッセンス装置。
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