JP6569310B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、食品用消泡剤組成物およびそれを含有する食品に関する。
近年、様々な食品の製造、もしくは加工において大量生産化および効率化が試みられている。この製品技術や加工技術の発展に伴い、食品の製造工程中に大量の発泡が起き、この発泡が生産性の低下や製品収率の減少、品質の低下などの原因になる。
例えば、豆腐や豆乳の一般的な製造工程においては、原料の大豆に含まれる成分であるサポニンなどの影響で煮沸工程時に多量の泡が発生し、オーバーフローを起こし製品収率が低下する、最終製品の外観や食感に影響を及ぼし品質が低下する等の問題がある。
このような食品の製造時にはしばしば消泡剤が使用されている。食品の製造工程で使用される消泡剤は直接添加、もしくは水または製造する食品の原料の一部に分散させてから添加するのが一般的であり、添加後に食品系内に均一分散することで消泡性能を発揮する。このため、水に希釈してから添加する場合は水へ分散しやすい物性が必要であり、最終的に添加する食品に対しても均一に分散することが望ましい。水または食品に対しての分散性が悪い場合には、水または食品中で消泡剤成分が沈殿・凝集してしまうために濃度にムラが生じ、均一な消泡性能が得られない。また、消泡剤が複数化合物の配合物であると時間が経過して外観が分離することもあるが、このような消泡剤は添加直前に加温および撹拌による均一化工程が容易に行えるものが望ましい。均一化工程に時間が必要な消泡剤は、添加するまでに長時間かかるため生産効率が低下する。
従来、食品の製造工程および加工時に使用される消泡剤としては、食用油脂や乳化剤から構成される組成物などが使用されている。食用油脂は安価であるが、疎水性が高く系への分散性が悪いため、消泡剤としての性能が低い。一方、乳化剤から構成される組成物は、その種類や物性が多種多様であり、配合検討による物性の調整が可能であることから、今までに多くの技術が報告されている。
食品用乳化剤が消泡剤に応用される例としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを主成分とする組成物が広く市販されている。これらから構成される消泡剤組成物は、水または食品に分散させてから食品に添加するが、この際に均一に分散することで消泡性能を発揮する。また、乳化剤との組成物にすることによってレシチンなどの疎水性の高い成分の系内への分散性を向上させて消泡性能を高めるような手段もある。
消泡性能を発揮するためには消泡剤成分が系内に分散していることが必要とされるが、分散性が良好な消泡剤が必ずしも消泡性能も高いわけではない。高い疎水性の成分を含有し、かつ分散性を向上させることによって、少量の添加で優れた消泡性能を示す消泡剤が得られる。そのため、使用する乳化剤によって大きく影響されることになる。
食品添加物として国内でも認可されているレシチンは、水へ添加すると偏在・沈降してしまうような非常に疎水性が高く、消泡剤として系内へ添加しても凝集して容器の壁面などに沈着してしまい、十分な消泡性能を期待できない。しかし、系内でレシチンがうまく分散できるように乳化剤との組成物にすることで、レシチンの分散性を向上させることができ、消泡性能を高めることができる。
レシチンを系内に分散させる効果が狙える乳化剤のひとつにソルビタン脂肪酸エステルがある。このソルビタン脂肪酸エステルとレシチンとを使用した例として、ソルビタントリオレート、レシチンを使用した消泡剤組成物(特許文献1)、ソルビタン脂肪酸エステルとレシチン使用した消泡剤組成物(特許文献2)などが挙げられる。
しかし、特許文献1の食品用消泡剤組成物は、70%ソルビトール液、プロピレングリコールモノオレート、ソルビタントリオレート、レシチンおよびショ糖脂肪酸エステルを混合したものであり、各構成成分の相溶性が乏しいために時間が経過すると外観が分離するため、均一な消泡性能を得るためには添加前に加温および撹拌の均一化工程を導入する必要が生じ、取り扱いにくい原因になっている。
特許文献2の食品用消泡剤組成物は、食用油脂、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンおよび炭酸マグネシウム/炭酸カルシウムを必須成分とするものであるが、レシチンと食用油脂という疎水性の高いふたつの成分を主成分として含むため、添加系内での分散性が不十分であり、レシチンが凝集して壁面などに付着したりして消泡性能が十分に発揮できないことから、添加量を増やす必要がある。また、常温で外観が不透明な液体になる場合が多いが、これは炭酸マグネシウムもしくは炭酸カルシウムに由来している。この炭酸マグネシウムもしくは炭酸カルシウムは消泡性能には直接的には関与する成分とは言いがたく、弱塩基性を示すため若干のpH調整剤としても作用するが、添加によって消泡剤組成物の粘度を高くし、長期保管後にはこれらが沈殿の原因となるため、使用前に加温して十分に撹拌をする均一化工程を導入する必要が生じ、取り扱いにくい原因にもなっている。
このように、従来の食品用消泡剤組成物では、水や食品に難溶で疎水性の高いレシチンの添加系内での分散性が不十分であり、凝集して壁面などに付着したりするため、消泡性能を発現するためには消泡剤の添加量を増やす必要があり、少量の添加で十分な消泡性能を発揮でき、取り扱い易いものは存在しなかった。
特開平6−31111号公報 特開2014−187972号公報
本発明の課題は、食品の製造工程における発泡に際し、取り扱いが容易な低粘度なものであり、レシチンを添加系内で良好に分散させることができ、優れた消泡性能が得られる食品用消泡剤組成物、およびこれを含有する食品を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の鎖長の不飽和脂肪酸から構成されるソルビタンのトリエステルとモノエステルとを特定の構成割合で、レシチンと組合せて用いた食品用消泡剤組成物が上記の課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の〔1〕および〔2〕である。
〔1〕下記の(A)〜(C);
(A)レシチン
(B)ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのソルビタントリ脂肪酸エステル
(C)ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのソルビタンモノ脂肪酸エステル
の各成分を含有し、(A)が5.0〜25.0質量%、(B)が40.0〜94.9質量%、および(C)が0.1〜35.0質量%である食品用消泡剤組成物。
〔2〕前記の〔1〕に記載の食品用消泡剤組成物を0.001〜1.0質量%含有する食品。
本発明により、食品の製造工程における発泡に際し、低粘度で取り扱いが容易であり、系内で疎水性の高いレシチンの分散性を向上させることができ、優れた消泡性能が得られる食品用消泡剤組成物およびこれを含有する食品を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の食品用消泡剤組成物は、下記の(A)〜(C)の各成分を含有する。
(A)レシチン
(B)ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのソルビタントリ脂肪酸エステル
(C)ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのソルビタンモノ脂肪酸エステル
<レシチン(A)>
本発明に用いるレシチン(A)は、植物または動物原料から得られるレシチンであり、リン脂質を主成分としていれば特に制限はない。具体的には、大豆や卵黄から分取した油分を含有する液状レシチン、液状レシチンから油分を除いた後に乾燥させた粉末形状のもの、液状レシチンを分別精製した分別レシチンや水素添加した水素添加レシチンなどが挙げられる。好ましくは、リン脂質を構成する脂肪酸に不飽和結合を多く有する液状レシチンであり、さらに好ましくは大豆由来のレシチンである。レシチンの主成分のリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸やリゾレシチンなどが挙げられるが、本発明ではホスファチジルコリンを主成分とするレシチンがより好ましい。レシチン(A)には1種類を使用してもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の食品用消泡剤組成物中のレシチン(A)の含有量は5.0〜25.0質量%であり、好ましくは5.0〜20.0質量%である。含有量が25.0質量%を上回ると食品用消泡剤組成物として食品系内での分散性が悪くなるため、消泡性能が低下する。また、含有量が5.0質量%を下回ると非常に高い消泡性能を有するレシチンの含有量が少なくなり、消泡性能を十分に示すことができなくなる。
<ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)>
本発明に用いるソルビタントリ脂肪酸エステル(B)は、ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのトリエステル化物である。エステル化に用いるソルビタンとは、ソルビトールの分子内縮合物であり、用いる工業品としては通常、未反応のソルビトールとさらに縮合の進んだソルバイドとを不純物として含有する。
炭素数18の不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられ、好ましくはオレイン酸である。炭素数18未満の不飽和脂肪酸を使用すると分子の親水性が上がるため、消泡性能が低下する。炭素数18を超える不飽和脂肪酸を使用すると疎水性が高くなって食品への添加系内での分散性が悪くなり、消泡性能が低下する。また、飽和脂肪酸を使用するとソルビタントリ脂肪酸エステルの凝固点が室温以上となるため、これを配合した食品用消泡剤組成物が取り扱いにくくなる。
本発明に用いるソルビタントリ脂肪酸エステル(B)は分子内にソルビタン骨格を有し、4つのソルビタン水酸基のうち、1つがエステル化されずフリーな水酸基として残存しているため、親油性でありながら水への適度な分散性も有するので、良好な消泡性能を示す。また、難溶性であるレシチン(A)との相性が良いため、食品用消泡剤組成物中でのレシチン(A)が偏在・固化せずに分散させることにも寄与している。例えば、エステル化部分の少ないソルビタンジ脂肪酸エステルでは親水性が高いため、消泡性能が低下すると同時に、レシチンの分散についても不十分になる。一方、ソルビタントリエステルの代わりにグリセリントリエステル、すなわち植物油脂を用いた場合には、レシチンの分散には寄与するが、水への分散性が足りないため、レシチンを含有する組成物での消泡性能は低下する。
本発明の食品用消泡剤組成物中のソルビタントリ脂肪酸エステル(B)の含有量は40.0〜94.9質量%であり、好ましくは45.0〜94.9質量%である。含有量が94.9質量%を上回ると組成物でのレシチン(A)の含有量が少なくなるために分散性が悪くなり、また、消泡性能も低下する。一方、含有量が40.0質量%を下回ると、レシチン(A)の分散性を高めつつ、良好な消泡性能を得ることができない。
<ソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)>
本発明に用いるソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)は、ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのモノエステル化物である。エステル化に用いるソルビタンとは、ソルビトールの分子内縮合物であり、用いる工業品としては通常、未反応のソルビトールとさらに縮合の進んだソルバイドとを不純物として含有する。
炭素数18の不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられ、好ましくはオレイン酸である。炭素数18未満の不飽和脂肪酸を使用すると分子の親水性が上がるため、消泡性能が低下する。炭素数18を超える不飽和脂肪酸を使用すると疎水性が高くなって食品への添加系内での分散性が悪くなり、消泡性能が低下する。また、飽和脂肪酸を使用するとソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の凝固点が室温付近になるため取り扱いにくくなる。
ソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)は、分子内にソルビタン骨格を有し、水酸基も3つ残存しているため、親油性と親水性を合わせ持っている。そのため、水への分散性を有しつつ、比較的良好な消泡性能を示す。また、レシチン(A)、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)の両者は疎水性が高いため、これらのみで食品系内に添加したとしても、分散できずに凝集してしまい、十分な消泡性能を発揮できないが、ソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)を添加することで、これらが系内へ分散することを促進させ、消泡性能を発揮させる役割を担っている。本発明のソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)に換えて、例えば、ソルビタンのジ脂肪酸エステルを用いた場合には、疎水性が高くなるため、レシチン(A)やソルビタントリ脂肪酸エステル(B)を系内へ分散させることが不十分になり、消泡性能が低下する。
疎水性の高いレシチン(A)を系内に分散させる効果は、レシチン(A)より若干疎水性の低いソルビタントリ脂肪酸エステル(B)と、レシチン(A)より疎水性は低いが親水性の強いソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)とを本発明の配合比率で組み合わせることで高くなる。これは、レシチン(A)とソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の親水性部分の反発が強く、この2つを組み合わせただけではレシチン(A)を効果的に分散させることができないが、わずかな親水性を持つソルビタントリ脂肪酸エステル(B)がレシチン(A)とソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)とを繋ぐ役目を担い、効果的にレシチン(A)を系内に分散させることが可能となっている。
本発明の食品用消泡剤組成物中のソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の含有量は0.1〜35.0質量%であり、好ましくは0.1〜35.0質量%である。35.0質量%を上回ると組成物としての消泡性能が低下し、0.1質量%を下回ると添加系内で組成物の分散性が低くなり消泡性能が低下する。
本発明の食品用消泡剤組成物の粘度は、500mPa・s以下であることが好ましく、460mPa・s以下であることが更に好ましい。500mPa・s以下に調整することにより、取扱い性に優れる。
なお、粘度を低下させるには、本発明の消泡性能及び分散性を損なわない範囲において、レシチン(A)及びソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の配合量を低下し、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)の配合量を増加することにより調整することができる。
本発明の食品用消泡剤組成物には、レシチン(A)、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)及びソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)以外の乳化剤、油脂、シリコーンオイル等の他の消泡剤を添加してもよい。他の消泡剤の添加量は、レシチン(A)、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)及びソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の含有量が本願発明の範囲内である限り、特に限定されないが、他の消泡剤を添加することにより、本発明の効果が低下する恐れがあるため、食品用消泡剤組成物中のレシチン(A)、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)及びソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の含有量の合計は、60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
また、必要に応じて水等の消泡作用を有しない成分を希釈剤として添加してもよい。希釈剤の添加量は、特に限定されないが、流通性等の観点から、本発明の食品用消泡剤組成物に対して、1000倍量以下であることが好ましく、より好ましくは100倍量以下であり、更に好ましくは10倍量以下であり、特に好ましくは1倍量以下である。
<食品>
本発明の食品用消泡剤組成物が添加される食品としては、製造時において発泡を生じるものであり、好ましくは、豆腐や豆乳油揚げ等の大豆製品である。
食品は、本発明の食品用消泡剤組成物を0.001〜1.0質量%、好ましくは0.002〜0.5質量%含有する。0.001質量%未満の場合は消泡性能が期待できず、1.0質量%を上回ると食品の風味などに影響を及ぼす恐れがある。
<食品の製造方法>
本発明の食品の製造方法は、製造時において発泡を生じる食品に本発明の食品用消泡剤組成物を添加する工程を備えたことを特徴とする。
この製造方法により、製造時における発泡による生産性の低下、製品収率の減少、品質の低下等を抑制することができる。
本発明の食品用消泡剤組成物は、食品に直接添加して分散させてもよく、あらかじめ水や食品などで食品用消泡剤組成物の分散液を調製した後に添加する方法でもよい。
本発明の食品用消泡剤組成物の食品に対する添加量は、食品に対して0.001〜1.0質量%、好ましくは0.002〜0.5質量%となるように添加する。
また、本発明の食品の製造方法では、本発明の食品用消泡剤組成物の他に、乳化剤、油脂、シリコーンオイル等の他の消泡剤を添加して使用することができる。他の消泡剤を本発明の食品に添加する場合、本発明の食品用消泡剤組成物と混合して添加しても、別々に添加してもよい。
以下で実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明で用いた測定方法の詳細を次に示す。
表1に従って配合し、80℃の加熱下において成分が均一になるまで撹拌混合し、食品用消泡剤組成物を調製した。
[粘度測定]
食品用消泡剤組成物について、下記に示した測定装置および条件にて粘度を測定した。
測定装置 :ストレス制御型レオメータMCR300(PaarPhysica社製)
測定プローブ:CP−50−2(コーンプレート直径50mm、コーン角度2?)
サンプル量:1.2mL
測定温度 :25℃
せん断速度:1/100s
[水への分散性評価]
食品用消泡剤組成物について、水への分散性を評価した。まず、食品用消泡剤組成物0.05gとイオン交換水99.95gを110mLのスクリュー管に投入し、内部の温度が90℃になるように加温し、0.05質量%食品用消泡剤組成物分散液を調整した。この0.05質量%食品用消泡剤組成物分散液を超音波ホモジナイザーで5分間撹拌した後の分散液の外観を観察した。
[消泡性能評価]
食品用消泡剤組成物について、消泡性能を評価した。起泡液として、大豆タンパク質(不二製油(株)製、プロリーナRD−1)の0.5質量%水分散液を使用した。起泡液100g、食品用消泡剤組成物0.05gおよび沸騰石0.01gを試験管(内径φ20mm、長さ1000mm)に投入し、内液が沸騰する105℃まで加熱した。引き続き加熱を行い沸騰開始後10分間の泡の高さを測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006569310
表中に略記した食品用消泡剤組成物の調製に用いた配合原料は次の通りである。
日清レシチンDX:大豆レシチン(日清オイリオグループ(株)製、商品名)
COATSOME NC−20:大豆レシチン(日油(株)製、商品名)
ノニオンOP−85R:ソルビタントリオレイン酸エステル(日油(株)製、商品名)
ノニオンOP−80R:ソルビタンモノオレイン酸エステル(日油(株)製、商品名)
大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製食用油脂)
※1;粘度
○:粘度が500mPa・s以下
△:粘度が500mPa・s〜800mPa・s
×:粘度が800mPa・s以上
※2;水への分散性評価
○:均一に分散している状態
×:油滴や粒状もしくはゲル状の物質が確認される状態
※3;消泡性能評価
○:泡の高さが20mm未満
△:泡の高さが20〜40mm
×:泡の高さが40mm以上
−:分散性が悪いため試験せず
表1から明らかなように、本発明品については良好な消泡性能を示すことが分かる。
これに対して、比較例1は、低粘度であり90℃の分散性も良好であるが、ソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)を含まず、疎水性の高い食用油脂を含んでいるため、組成物として十分な消泡性能を示さない。
比較例2は、非常に高粘度であり、扱いにくい食品用消泡剤組成物であり、レシチン(A)の含有量が多いため、分散性も悪い。
比較例3は、低粘度であるが、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)の含有量が多いため、分散性が悪い。
比較例4は、粘度が高いため取り扱いにくい食品用消泡剤組成物であり、90℃の分散性は良好であるが、ソルビタンモノ脂肪酸エステル(C)の含有量が多いため、組成物として十分な消泡性能を示さない。
比較例5は、粘度が高いため取り扱いにくい食品用消泡剤組成物であり、90℃の分散性は良好であるが、ソルビタントリ脂肪酸エステル(B)を含まないため、組成物として十分な消泡性能を示さない。

Claims (1)

  1. 下記の(A)〜(C);
    (A)レシチン
    (B)ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのソルビタントリ脂肪酸エステル
    (C)ソルビタンと炭素数18の不飽和脂肪酸とのソルビタンモノ脂肪酸エステル
    の各成分を含有し、(A)が5.0〜25.0質量%、(B)が40.0〜94.9質量%、および(C)が0.1〜35.0質量%である食品用消泡剤組成物。
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