JP2008295381A - 豆腐用凝固剤組成物 - Google Patents

豆腐用凝固剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008295381A
JP2008295381A JP2007145785A JP2007145785A JP2008295381A JP 2008295381 A JP2008295381 A JP 2008295381A JP 2007145785 A JP2007145785 A JP 2007145785A JP 2007145785 A JP2007145785 A JP 2007145785A JP 2008295381 A JP2008295381 A JP 2008295381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
acid ester
tofu
coagulant
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007145785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4801006B2 (ja
Inventor
Hirozumi Togashi
博純 富樫
Takanori Abe
孝紀 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Vitamin Co Ltd
Original Assignee
Riken Vitamin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Vitamin Co Ltd filed Critical Riken Vitamin Co Ltd
Priority to JP2007145785A priority Critical patent/JP4801006B2/ja
Publication of JP2008295381A publication Critical patent/JP2008295381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4801006B2 publication Critical patent/JP4801006B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)

Abstract

【課題】塩化マグネシウム等の無機塩系の凝固剤の凝固速度がより遅効化された豆腐用凝固剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムの群から選ばれる1種又は2種以上からなる無機塩系凝固剤、(b)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(c)グリセリンと脂肪酸のエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種又は2種以上、並びに(d)糖類、糖アルコール及び多価アルコールの群から選ばれる1種又は2種以上を含有する組成物であって、ナタネ白絞油100.0gに対し(b)を0.100g添加して得られる混合物の25℃での界面張力値が12.0〜15.0mN/mであることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は豆腐用凝固剤組成物に関するものである。
従来、豆腐用凝固剤としては、主に塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム又は硫酸カルシウム等の無機塩、あるいはグルコノデルタラクトン等の有機酸が用いられてきた。この内、塩化マグネシウムは古くから苦汁として豆腐の製造に用いられ、これを用いた豆腐は独特のおいしさを有することから消費者に好まれてきたが、その凝固速度は極めて速く、「木綿豆腐」はともかくとして、二次的な成形を行わない「絹ごし豆腐」では相当な熟練者でなければ内相が細かく均質な豆腐を造ることは困難であった。それ故、苦汁は手造りの豆腐店等で一部用いられているのみで、工場規模での大量生産でこれを用いることは極めて難しかった。
この問題を解決するため、近年塩化マグネシウム等の速効性の無機塩系凝固剤の凝固速度をコントロールした遅効性の凝固剤製剤がいろいろ提案されている。
例えば、最大粒子径が50μmである無機塩系凝固剤が水に難溶性の多価アルコールの脂肪族脂肪酸エステル中に分散されていることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物(特許文献1参照)、(a)塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムの群から選ばれる1種又は2種以上からなる無機塩系凝固剤、(b)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(c)グリセリンと脂肪酸のエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種又は2種以上、及び(d)糖類、糖アルコール及び多価アルコールの群から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする豆腐用凝固剤組成物(特許文献2参照)などが開示されているが、これら豆腐用凝固剤組成物の凝固速度は、一部の豆腐の製造設備においては必ずしも満足できるものではなく、より遅効化された製剤が要望されている。
特開2000−270800号公報 特開2006−101848号公報
本発明の目的は、塩化マグネシウム等の速効性の無機塩系凝固剤の凝固速度がより遅効化された豆腐用凝固剤組成物を提供することである。
上記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討した結果、豆腐用凝固剤組成物に必須成分として含有されるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの特性に着目し、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルをナタネ白絞油に一定量添加して得られる混合物の界面張力値が一定の数値範囲にある場合に、該ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを配合した製剤の凝固速度が著しく遅効化されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(a)塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムの群から選ばれる1種又は2種以上からなる無機塩系凝固剤、(b)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(c)グリセリンと脂肪酸のエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種又は2種以上、並びに(d)糖類、糖アルコール及び多価アルコールの群から選ばれる1種又は2種以上を含有する組成物であって、ナタネ白絞油100.0gに対し(b)を0.100g添加して得られる混合物の25℃での界面張力値が12.0〜15.0mN/mであることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物、
からなっている。
本発明の豆腐用凝固剤組成物は、従来品と比較して豆乳の凝固開始時間が長く、より遅効性に優れたものである。
本発明で用いられる無機塩系凝固剤としては、例えば塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム又は塩化カルシウム等が挙げられる。これら無機塩は無水物、結晶水含有物(例.塩化マグネシウム・6水和物、硫酸マグネシウム・7水和物、塩化カルシウム・2水和物等)のどちらでもよい。又、これらの無機塩系凝固剤は1種又は2種以上の混合物で用いることができるが、豆腐の風味の点からは塩化マグネシウムの単独使用が好ましい。
本発明で用いられるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノール酸とのエステル化生成物であり、自体公知のエステル化反応等により製造される。該ポリグリセリンとしては、平均重合度が約2〜15程度のものが挙げられる。好ましくは平均重合度が約3〜10程度のものである。具体的には、例えば、トリグリセリン、テトラグリセリン又はヘキサグリセリン等が好ましく挙げられる。該縮合リシノール酸はリシノール酸を加熱し、重縮合反応させて得られる混合物である。該縮合リシノール酸としては、平均重合度が約2〜10程度のものが挙げられる。好ましくは平均重合度が約3〜6程度のものである。
また、本発明で用いられるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、該ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.100gをナタネ白絞油(ボーソー油脂社製)100.0gに添加して得られる混合物の25℃での界面張力値(以下、界面張力値Aという)が12.0〜15.0mN/mである。ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルとしては、例えば、サンソフト818H(界面張力値A13.1mN/m;太陽化学社製)、SYグリスターCRS−75(界面張力値A13.2mN/m;阪本薬品工業社製)、SYグリスターCR−ED(界面張力値A13.7mN/m;阪本薬品工業社製)、Palsgaard 4150(界面張力値A14.5mN/m;パルスガード社製)、等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
界面張力の測定装置としては、液体と液体の界面張力の測定に用いられる装置であれば特に制限はないが、例えば、ペンダントドロップ法による界面張力計(型式:DropMaster 300;協和界面科学社製)などが好ましく使用できる。
本発明で用いられるグリセリンと脂肪酸のエステルとしては、モノグリセライド、ジグリセライド及びトリグリセライド(油脂)等が挙げられる。モノグリセライド及びジグリセライドは、いずれもグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応あるいはグリセリンと油脂とのエステル交換反応により製造され、所望により分子蒸留、分別結晶あるいはクロマトグラフ等で分離濃縮し、高純度化したものであってもよい。また、本発明で用いられるグリセリンと脂肪酸のエステルとしては、モノグリセライド、ジグリセライド及びトリグリセライド(油脂)の混合物であってもよい。
本発明におけるこれらグリセリンと脂肪酸のエステルの構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びエルカ酸等から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物が挙げられる。好ましくはカプリル酸、カプリン酸及びラウリン酸の群から選ばれる1種又は2種以上を脂肪酸全体に対して約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、更に好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸又は脂肪酸混合物である。
トリグリセライド(油脂)としては、例えば食用可能なトリグリセライドであれば特に制限はなく、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油又はハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂や牛脂、ラード、魚油又は乳脂等の動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加或いはエステル交換したもの又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCTと略記する)等が挙げられ、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)である。
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、自体公知のエステル化反応等により製造される。前記ポリグリセリンは、通常グリセリン又はグリシドールあるいはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。本発明で用いられるポリグリセリンとしては平均重合度が約2〜10程度のもの、例えば、ジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)又はデカグリセリン(平均重合度10)等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びエルカ酸等の群から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物、好ましくはカプリル酸、カプリン酸及びラウリン酸の群から選ばれる1種又は2種以上を脂肪酸全体に対して約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、更に好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸又は脂肪酸混合物が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコールと脂肪酸のエステル化生成物であり、自体公知のエステル化反応等により製造される。該エステルはモノエステルであってもジエステルであってもよいし、あるいはそれらの混合物であってもよい。好ましくはジエステルであり、混合物であればジエステルを約50質量%以上、好ましくは約80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含むものがよい。
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸のエステル化生成
物であり、自体公知のエステル化反応等により製造される。
プロピレングリコール脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸等の群から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物が挙げられる。好ましくはカプリル酸、カプリン酸及びラウリン酸の群から選ばれる1種又は2種以上を脂肪酸全体に対して約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、更に好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸又は脂肪酸混合物が挙げられる。
本発明で用いられる糖類としては、例えばキシロース、ブドウ糖又は果糖等の単糖、ショ糖、乳糖又は麦芽糖等のオリゴ糖、デキストリン又は水飴等の澱粉分解物、あるいはマルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース又はマルトヘキサオース等のマルトオリゴ糖等が挙げられ、好ましくはデキストリン又は水飴等の澱粉分解物である。
本発明で用いられる糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール又は還元水飴等があげられ、好ましくはソルビトール又は還元水飴である。
本発明で用いられる多価アルコールとしては、プロピレングリコール、グリセリン又はポリグリセリン等が挙げられ、好ましくはグリセリンである。
上記した糖類、糖アルコール又は多価アルコールは、単独で用いるか、又は2種以上の混合物として用いることができる。好ましくは多価アルコール単独での使用である。上記した糖類、糖アルコール又は多価アルコールは、例えば水等の溶媒で溶解又は混合した溶液を用いてもよい。溶媒で溶解又は混合する場合、使用する糖類等によっても異なるが、例えばグリセリンの場合、水1質量部に対し、グリセリン約1〜20質量部、好ましくは約2〜15質量部、更に好ましくは約5〜10質量部程度である。
本発明の豆腐用凝固剤組成物にはさらに、必要に応じて水を適宜加えることもできる。
本発明による豆腐用凝固剤組成物の製造方法は特に限定されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に、好ましい豆腐用凝固剤組成物の製造方法を例示する。例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステルにポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを加え、該混合物を約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加熱する。加熱した該混合物を攪拌しながら、この中に無機塩類系凝固剤(例えば塩化マグネシウム)及びグリセリン−水混合溶液(例えばグリセリン:水=約9:1)を順次加えた後、攪拌機を用いて攪拌して無機塩類系凝固剤が均一に分散した分散液を得る。攪拌には、例えば攪拌機、加熱用ジャケット及びジャマ板等を備えた通常の攪拌混合槽を用いることができる。攪拌機としては、特に制限はないが、例えばプロペラ攪拌機、T.Kミキサー(プライミクス社製)又はクリアミックス(エムテクニック社製)等が挙げられ、好ましくはクリアミックス等の高速回転式ホモジナイザーである。高速回転式ホモジナイザーを用いる場合、回転数は約6000〜20000回転/分が好ましく、攪拌時間は約10〜60分間が好ましい。
攪拌機により撹拌されて得られた分散液をさらに、湿式粉砕機等を用いて分散液中の粒子を微粒化するのが好ましい。湿式粉砕機は、粉砕機の粉砕室内に充填されたガラスビーズ又はジルコニアビ−ズ等を分散メディアとして分散液中の粒子を微粒化するものである。湿式粉砕機としては、例えばサンドミル(新東工業社製)、ビーズミル(ファインテック社製)或いはダイノーミル(スイスWAB社製)等が挙げられ、これらを好ましく使用することができる。湿式粉砕機等で分散液中の粒子を微粒化することにより、本発明の豆腐凝固剤組成物は、分散媒に無機塩類系凝固剤の微粒子が超微分散された均一で、安定な組成物となり得る。
本発明による豆腐用凝固剤組成物中の超微分散される無機塩類系凝固剤の最大粒子径は約50μm以下、好ましくは約40μm以下、更に好ましくは約30μm以下である。豆腐用凝固剤組成物中の無機塩類系凝固剤の粒子を微粒子化することにより無機塩類系凝固剤の微粒子表面に、豆腐用凝固剤組成物中の他成分が効果的に吸着される。その結果、豆腐製造時、豆乳中に本発明の豆腐用凝固剤組成物が加えられ、混合されると、豆乳中に無機塩類系凝固剤の微粒子が均一に分散し、該無機塩類系凝固剤が豆乳中で徐々に且つ均一に溶解して豆乳の凝固が進められるため、豆腐の内相のきめが細かく均質で、保水性の良好な食感に優れた豆腐が得られる。また、無機塩類系凝固剤自体の沈殿の発生も抑制される。
本発明による豆腐用凝固剤組成物100質量%中の各成分の含有量は、(a)塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムの群から選ばれる1種又は2種以上の無機塩系凝固剤が、無水物換算で約20〜70質量%、好ましくは約20〜50質量%、(b)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが、約5〜15質量%、好ましくは約7〜12質量%、(c)グリセリンと脂肪酸のエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種又は2種以上の混合物が、約10〜50質量%、好ましくは約15〜40質量%、及び(d)糖類、糖アルコール及び多価アルコールの群から選ばれる1種又は2種以上の混合物が、約1〜20質量%、好ましくは約5〜15質量%である。
また、本発明による豆腐用凝固剤組成物中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば澱粉、寒天又はゼラチン等の増粘安定剤等を配合しても良い。ここで澱粉としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、エンドウ豆澱粉、又はそれらのエステル化処理(例えば、酢酸澱粉等)、エーテル化処理(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉等)、架橋処理(例えば、リン酸架橋澱粉等)、酸化処理(例えば、ジアルデヒド澱粉等)もしくは湿熱処理等の処理を単一で又は組み合わせて施した加工澱粉等が挙げられる。
本発明による豆腐用凝固剤組成物の豆乳に対する添加量は、本発明の凝固剤組成物中の無機塩系凝固剤量を通常豆乳に使用する量、すなわち、無機塩系凝固剤(無水物換算)として約0.05〜0.5質量%の範囲で用いればよい。
以下に本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
<プロピレングリコール脂肪酸エステルの作製>
攪拌機、温度計、ガス吹き込み管及び水分離器を取り付けた20L容反応缶に、プロピレングリコール2700g、及びカプリン酸とラウリン酸からなる混合脂肪酸(カプリン酸とラウリン酸との混合比は、質量比で60:40)12300gを仕込み、窒素ガス気流中160〜220℃で、生成水を系外へ除去しながら6時間エステル化反応を行わせ、反応終了後、液温を235℃まで昇温し、減圧下(約3KPa)で脱酸処理し、酸価を8以下にした。得られた反応液を遠心式分子蒸留機に供給し、温度140〜190℃にて、圧力80Paの真空条件下で、残留する脂肪酸及びプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを留去し、さらに温度210℃にて、圧力30Paの条件下で蒸留し、留分としてプロピレングリコール脂肪酸エステル約3300gを得た。該留分の酸価は0.6で、プロピレングリコールジ脂肪酸エステルを約95質量%以上含有していた。
[実施例1]
製造例1で得たプロピレングリコール脂肪酸エステル1500gに、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450g、塩化マグネシウム(商品名:ホワイトにがり、鳴門塩業社製)2500g、グリセリン350g、デキストリン(商品名:クラスターデキストリン、江崎グリコ社製)200gを加え、TKミキサー(型式:TK HOMOMIXER MARK II、プライミクス社製)を用いて該混合物を約70〜80℃で10,000回転/ 分にて20分間攪拌混合し、更に攪拌混合された混合物を約30〜50℃でダイノーミル(型式:ダイノーミル:スイスWAB社製、ジルコニアビーズ1.5mm使用、スイスWAB社製)中に3回通過させ、豆腐用凝固剤組成物(実施品1)約5000gを得た。
[実施例2]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品B)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(実施品2)約5000gを得た。
[実施例3]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品C)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(実施品3)約5000gを得た。
[実施例4]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品D)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(実施品4)約5000gを得た。
[比較例1]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品E)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(比較品1)約5000gを得た。
[比較例2]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品F)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(比較品2)約5000gを得た。
[比較例3]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品G)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(比較品3)約5000gを得た。
[比較例4]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品H)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(比較品4)約5000gを得た。
[比較例5]
実施例1のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品A)450gに替えて、表1に記載のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(市販品I)450gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、豆腐用凝固剤組成物(比較品5)約5000gを得た。
Figure 2008295381
[試験例1]
ナタネ白絞油(ボーソー油脂社製)100.0gに実施例1〜4および比較例1〜5で使用したポリグリセリン縮合リシノール酸エステル9種をそれぞれ0.100g添加し、これを70℃まで加熱し溶解した後、室温で約25℃まで冷却して試験溶液とした。該試験溶液と蒸留水との界面張力を測定し、界面張力値(即ち、界面張力値A)を求めた。結果を表2に示した。
<界面張力値測定方法>
接触角計(型式:DropMaster 300;協和界面科学社製)に付属装置をセットし、界面張力測定装置として使用した。ガラス製セルに試験溶液を10mL入れ、25℃に温調したジャケット式チャンバーに固定する。精製水を保持させたテフロン(登録商標)コートシリンジ針の先端を試験溶液中に挿入し、蒸留水を試験溶液中に押出して懸滴(ペンダント・ドロップ)を形成させ、懸滴の最大径(de)と、懸滴最下端からdeだけ上昇した位置における懸滴径(ds)を測定し、次式から界面張力値(γ)を算出した。
Figure 2008295381
ここで、Δρは精製水とナタネ白絞油との密度差、gは重力加速度、1/Hはds/deから求められる補正係数である。尚、精製水の密度は0.997(25℃)注1)を、ナタネ白絞油の比重は0.916(25℃)注2)を用いた。
注1)「化学便覧 基礎編II」(社団法人 日本化学会編)、p.432
注2)「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会)の[2.2.2-1996 比重]に準じて測定した。
Figure 2008295381
[試験例2]
実施例1〜4および比較例1〜5で得た各豆腐用凝固剤組成物(実施品1〜4および比較品1〜5)について、以下の試験を行った。
ミクロンミキサー(型式:MCR−1、サトウ社製)を用いて、塩化マグネシウム・6水和物換算で39gの豆腐用凝固剤組成物(実施品1〜4および比較品1〜5)を13Lの豆乳(Brix.12、75℃)中に分散した。豆乳と豆腐用凝固剤組成物(実施品1〜4および比較品1〜5)の分散は、ミキシング時間22.2秒、撹拌圧力0.07MPaで行い、得られた混合物を常法により型箱(350mm×360mm×150mm)に流し込み、型箱に該混合物が充填されてから凝固が始まるまでの時間を計測し、この時間を豆乳の凝固開始時間として記録した。結果を表3に示した。
Figure 2008295381
実施例1〜4で得た豆腐用凝固剤組成物は、比較例1〜5で得た豆腐用凝固剤組成物に比べ凝固開始時間が長く、遅効性に優れていた。
本発明の豆腐用凝固剤組成物は、木綿豆腐、ソフト豆腐又は、絹ごし豆腐等の連続生産に利用できる。加えて、本発明の豆腐用凝固剤組成物は、寄せ豆腐の製造にも好ましく利用できる。即ち、寄せ豆腐は、一般にバケット内で凝固した豆乳をおたまで掬ってパックに入れる工程を経て製造されるが、容量の大きいバケットを用いた場合、途中で豆腐の離水が発生することが問題になっている。寄せ豆腐の製造に、本発明の豆腐用凝固剤組成物を使用すると、従来品を使用する場合に比べ豆腐の離水が発生するまでの時間が長くなるので、より大きな容量のバケットを用いて製造することができ効率的である。

Claims (1)

  1. (a)塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムの群から選ばれる1種又は2種以上からなる無機塩系凝固剤、(b)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(c)グリセリンと脂肪酸のエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種又は2種以上、並びに(d)糖類、糖アルコール及び多価アルコールの群から選ばれる1種又は2種以上を含有する組成物であって、ナタネ白絞油100.0gに対し(b)を0.100g添加して得られる混合物の25℃での界面張力値が12.0〜15.0mN/mであることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物。
JP2007145785A 2007-05-31 2007-05-31 豆腐用凝固剤組成物 Active JP4801006B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007145785A JP4801006B2 (ja) 2007-05-31 2007-05-31 豆腐用凝固剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007145785A JP4801006B2 (ja) 2007-05-31 2007-05-31 豆腐用凝固剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008295381A true JP2008295381A (ja) 2008-12-11
JP4801006B2 JP4801006B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=40169516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007145785A Active JP4801006B2 (ja) 2007-05-31 2007-05-31 豆腐用凝固剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4801006B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011052793A1 (ja) * 2009-10-28 2011-05-05 太子食品工業株式会社 豆乳の製造方法及び豆腐の製造方法
JP2011155918A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Taishi Food Inc 豆腐の製造方法
JP2012254097A (ja) * 2009-07-27 2012-12-27 Takai Seisakusho:Kk 豆腐用凝固剤とその製造方法
JP2017093407A (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 花王株式会社 豆腐用凝固剤

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994014337A1 (en) * 1992-12-21 1994-07-07 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Food defoamer and food material containing the same
JP2000333604A (ja) * 1999-05-25 2000-12-05 Yoshihara Oil Mill Ltd 食用油脂組成物およびその利用
JP2006101848A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Riken Vitamin Co Ltd 豆腐用凝固剤組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994014337A1 (en) * 1992-12-21 1994-07-07 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Food defoamer and food material containing the same
JP2000333604A (ja) * 1999-05-25 2000-12-05 Yoshihara Oil Mill Ltd 食用油脂組成物およびその利用
JP2006101848A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Riken Vitamin Co Ltd 豆腐用凝固剤組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012254097A (ja) * 2009-07-27 2012-12-27 Takai Seisakusho:Kk 豆腐用凝固剤とその製造方法
WO2011052793A1 (ja) * 2009-10-28 2011-05-05 太子食品工業株式会社 豆乳の製造方法及び豆腐の製造方法
JP2011155918A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Taishi Food Inc 豆腐の製造方法
JP2017093407A (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 花王株式会社 豆腐用凝固剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP4801006B2 (ja) 2011-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4429188B2 (ja) ケーキ用流動状ショートニング
JP6271546B2 (ja) 豆腐用凝固剤組成物及び該組成物を用いた豆腐の製造方法
JP2018504131A (ja) 高安定性含気水中油型エマルジョン
JP6622640B2 (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP4801006B2 (ja) 豆腐用凝固剤組成物
JP5366294B2 (ja) ホイップクリーム用油脂組成物
JP7358536B2 (ja) 粉末油脂組成物
JP6820158B2 (ja) 凍結ホイップクリーム用油脂組成物
JP2007236345A (ja) ケーキ用流動状ショートニング
JP2020115854A (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP4105674B2 (ja) 豆腐用凝固剤組成物
JP6855272B2 (ja) 起泡性水中油型乳化組成物用乳化剤
JP4372649B2 (ja) ケーキ用乳化油脂組成物
JP4327037B2 (ja) チョコレート粉末の製造方法
JP4149890B2 (ja) ココア粉末の水濡れ性改良用油脂組成物
JP4795222B2 (ja) 豆腐用凝固製剤
JP3530083B2 (ja) コーヒーホワイトナー
JP3787638B2 (ja) ケーキ用乳化起泡剤
WO2014038670A1 (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP4264337B2 (ja) ココア粉末の水濡れ性改良用油脂組成物、該組成物を含む改良ココア粉末、および改良調整ココア
JP4750054B2 (ja) 豆腐用凝固製剤用の乳化剤組成物
JP2006094831A (ja) 豆腐用凝固剤組成物
JP4943112B2 (ja) ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの製造方法
JP7429754B2 (ja) 起泡性水中油型乳化組成物及びその製造方法
JP2006055042A (ja) 易溶性チョコレート粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110804

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4801006

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250