まず、貨幣管理システムにおける商品代金の決済を行うPOSレジスタ300に接続される貨幣処理装置の状態の管理に係る処理の概要について図1を用いて説明する。図1に示すように、貨幣管理システムは、POSレジスタ300、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400により構成されるレジユニット及び当該レジユニットの状態を管理する管理サーバ800を含む。
管理サーバ800は、レジユニットの状態をレジ状態データ834aとして管理する。POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納されている貨幣の金種別の在高である貨幣金種別在高が更新されたことを認識する都度、管理サーバ800に更新された内容を送信する。
また、POSレジスタ300は、紙幣払出処理時に検知した異常紙幣を収納する紙幣釣銭機200のリジェクト収納部の状態を管理サーバ800に送信する。リジェクト収納部の状態としては、リジェクト収納部にこれ以上紙幣を収納することができなないことを示す「フル」と、「フル」ではないが「フル」に近い状態であることを示す「ニアフル」、「フル」でも「ニアフル」でもない正常状態とがある。紙幣釣銭機200は、リジェクト収納部が「フル」の状態になると、紙幣の払出処理だけではなく収納処理も行えなくなる。
硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200は、金種別の収納部と金種別の収納部に入りきらなかったあふれ硬貨やあふれ紙幣を収納するあふれ収納部を有している。POSレジスタ300は、当該あふれ収納部の状態を管理サーバ800に送信する。あふれ収納部の状態としては、あふれ収納部にこれ以上貨幣を収納することができなないことを示す「フル」と、「フル」ではないが「フル」に近い状態であることを示す「ニアフル」、「フル」でも「ニアフル」でもない正常状態とがある。硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200は、あふれ収納部が「フル」の状態になると、硬貨や紙幣の収納処理だけではなく払出処理も行えなくなる。
また、POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400のエラー等の発生状況を管理サーバ800に送信する。管理サーバ800は、これらの貨幣金種別在高、リジェクト収納部の状態、あふれ収納部の状態及びエラー等の発生状況を受け付けると、レジ状態受付処理を行ってレジ状態データ834aに登録する。
また、管理サーバ800は、レジ状態の出力指示操作を受け付けると、レジ状態出力処理としてレジ状態データ834aに基づいてレジ状況の一覧画面を表示する。レジ状況の一覧画面には、レジユニットごとに釣銭準備金の補充の要否、リジェクト収納部の紙幣の回収の要否及びあふれ収納部の貨幣の回収の要否を示す情報が含まれる。このような情報が表示されるため、当該一覧画面には、レジユニットごとの詳細な情報は含まれないが、当該一覧画面を参照した担当者に決済処理を停止せざるを得ない状態になりそうなレジユニットがある場合に、その情報を効率的にかつ適切に報知することができる。
なお、当該一覧画面ではこれらの情報をすべて表示することを限定するものではない。釣銭準備金が不足した場合には、バックオフィスで釣銭補充金の払い出しを行って、払い出した釣銭準備金を売り場に設置される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400などに補充しなければならない。一方、リジェクト収納部の紙幣の回収又はあふれ収納部の貨幣の回収は、フル若しくはニアフルになったリジェクト収納部若しくはあふれ収納部を、レジユニットごとに配備されている空のリジェクト収納部若しくはあふれ収納部に交換したり、内部の紙幣や硬貨を回収すればフル若しくはニアフルの状況を回避することができる。つまり、釣銭準備金の不足は、レジ担当者がバックオフィスに釣銭準備金の払い出しを受けに行くか、レジ担当者以外の釣銭準備金を払い出す担当者がバックオフィスで払い出した釣銭準備金をレジ担当者に届けなければならないことから、レジ担当者がレジユニットから離れたり他の人の助けを借りる必要なく対処を行うことができるリジェクト収納部の紙幣の回収及びあふれ収納部の貨幣の回収と比較すると、対処の優先度が異なる。このことを考慮して、より優先度の高い釣銭準備金の補充の要否の情報のみを表示するようにしてもよい。
また、管理サーバ800は、レジ状況の一覧画面において対処に必要な詳細な情報の出力を指示する操作を受け付けたならば、レジ状態データ834aに基づいて釣銭準備金の補充、リジェクト収納部の紙幣の回収又はあふれ収納部の貨幣の回収を行う場合に必要な情報の出力を対処情報出力処理として実施する。具体的には、釣銭準備金の補充を行う場合にはレジユニットの識別情報と補充する金種別の貨幣の数量の情報とが関連付けられた釣銭準備金確認表が出力され、リジェクト収納部の紙幣の回収又はあふれ収納部の貨幣の回収を行う場合には、リジェクト収納部の紙幣の回収又はあふれ収納部の貨幣の回収の対象となるレジユニットの識別情報が出力される。
釣銭準備金確認表とは、釣銭準備金の補充が必要なレジユニットごとの払い出す貨幣の金種別の数量の情報を含み、当該釣銭準備金確認表に記載された情報を両替機(貨幣払出装置)500で読み込ませることによって必要とされる金種別枚数の釣銭準備金の払出処理を行うことができることから、釣銭準備金の払出処理を効率化することができる。また、リジェクト収納部の紙幣の回収又はあふれ収納部の貨幣の回収の対象となるレジユニットの識別情報を含む一覧を用いることによって、回収が必要なレジユニット設置場所に行って回収作業のフォローを行う場合のチェックリストとして使用することができる。
このように、レジユニットから送信されてきたレジユニットの貨幣在高及びレジユニットの状態をレジ状態データ834aとして記憶し、該レジ状態データ834aに基づいてレジユニットごとの釣銭準備金の補充の要否、リジェクト収納部(あるいはリジェクト紙幣)の回収の要否及びあふれ収納部(あるいはあふれ貨幣)の回収の要否の判定を行い、レジユニットごとのこれらの判定結果を表示し、釣銭準備金の補充、リジェクト収納部の回収及びあふれ収納部の回収を実施するために必要な情報を出力するようにしたので複数のレジユニットのうちの貨幣の補充又は回収の対象となるレジユニットを効率良く特定するとともに、補充又は回収の対処に必要な情報を効率良く担当者に把握させることができる。
次に、貨幣管理システムのシステム構成を説明する。図2は、貨幣管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、貨幣管理システムは売場に設置される装置と、従業員のみが出入りすることができるバックオフィスに設置される装置があり、LAN等の通信線90によって接続されている。POSレジスタ300及びそれに接続される装置は売場に設置され、両替機500、売上入金機600、POSサーバ700、管理サーバ800及び管理端末900はバックオフィスに設置される。また、売場はフロアなどによって複数の売り場に分割されている。
売場には、複数のPOSレジスタ300が設置されており、それぞれのPOSレジスタ300に対して硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400が接続されている。硬貨釣銭機100は、顧客から受け付けた硬貨の真贋判定を行い、真貨であると判定された硬貨額をPOSレジスタ300に通知するとともに、受け付けた硬貨を硬貨釣銭機100の内部に収納する。また、硬貨釣銭機100は、POSレジスタ300からの指示に基づいて釣銭の硬貨の払い出しを行う。紙幣釣銭機200は、顧客から受け付けた紙幣の真贋判定を行い、真券であると判定された紙幣額をPOSレジスタ300に通知するとともに、受け付けた紙幣を紙幣釣銭機200の内部に収納する。また、紙幣釣銭機200は、POSレジスタ300からの指示に基づいて釣銭の紙幣の払い出しを行う。棒金収納機400は、主に50枚単位で包装された硬貨である棒金を収納する装置であって、金種ごとに収める位置が決まっており金種別の棒金の在高を管理する。棒金収納機400に収納された棒金は、必要時にばらされて硬貨釣銭機100に補充される。
硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400は内部に収納されている硬貨及び紙幣の在高を管理している。また、硬貨及び現金の在高に係る情報は、POSレジスタ300にも随時通知されることから、POSレジスタ300もほぼリアルタイムで硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の現金の在高を把握することができる。
POSレジスタ300は、商品代金の決済を行うための装置であり、顧客の購入した商品の識別情報及び個数の入力を受け付けて顧客への請求金額を算出する。また、POSレジスタ300は、顧客から受け付けた現金を硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に投入することによって硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200から通知される受付金額を受け取って、受付金額から顧客への請求金額を差し引いた金額を釣銭として払い出すよう硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に指示を行う。
また、POSレジスタ300は、顧客単位の取引の決済処理が終了するごとに、取引の履歴をレシートとして発行するとともに、取引の履歴を記録する。また、POSレジスタ300は、顧客単位の決済処理が終了するごとに、取引の履歴を上位装置であるバックオフィスに設置されるPOSサーバ700にも送信する。また、POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の現金の在高の情報及びエラー等の状態を随時POSサーバ700にも通知を行う。これによって、POSサーバ700は、ほぼリアルタイムで硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の現金の在高の情報及びエラー等の状態を把握することができる。
POSサーバ700は、POSレジスタ300から受け付けた取引の履歴と、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の現金在高及びエラーなどの状態とを管理サーバ800にも転送する。管理サーバ800は、POSサーバ700から受け付けた取引の履歴と、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の現金在高及びエラーなどの状態とを記憶し、管理端末900の操作に基づいてPOSレジスタ300とPOSレジスタ300に接続する硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の状況に係る各種一覧の出力を行うことができる。
両替機500は、釣銭用の両替や釣銭準備金の払い出しを行う装置であり、両替処理だけでなく入金処理や出金処理を行うことができる。売上入金機600は、売場から回収される売上金の入金を行うための装置である。
次に、図2に示したPOSレジスタ300、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の外観構成を図3を用いて説明する。図3(a)は、POSレジスタ300の外観構成を示すための斜視図で、図3(b)はPOSレジスタ300に接続される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の外観構成を示す斜視図である。
図3(a)に示すようにPOSレジスタ300は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で受け付けた硬貨や紙幣の預かり額や決済対象の商品の一覧などを表示する表示部302と、POSレジスタ300に対する様々な入力操作を受け付ける操作部304と、表示部302に表示する内容の一部や表示部302とは異なる内容を表示する追加表示部302aと、レシートを発行するプリンタ306と、商品などのバーコードを読み取るバーコードリーダ308と、POSレジスタ300を操作する担当者のカード等の情報を読み取るスリット状のカードリーダ310とを有する。
また、図3(b)に示すように硬貨釣銭機100は、前部上面にタッチパネル等の操作表示部112と、顧客から受け付けた硬貨を投入する硬貨受入部114を備え、前部に釣銭硬貨を払い出す硬貨払出部116が設けられている。硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込む。
また、図3(b)に示すように紙幣釣銭機200は、前面には、紙幣受入口214aと、紙幣取出口216aとを備えている。また、売上金の回収時に使用する回収カセット207は筐体に対して着脱自在に取り付けられている。
また、図3(b)に示すように、棒金収納機400は硬貨釣銭機100の下に配置され、装置手前に引き出すことが可能な棒金収納部401を備えている。
図3(b)に示すように、硬貨釣銭機100と棒金収納機400とが上下に重ねて配置され、硬貨釣銭機100及び棒金収納機400の横に並べて紙幣釣銭機200が配置されると、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200の上面は同じ高さになるよう構成されており、その上面にPOSレジスタ300を置載することができる。
次に、図2に示したPOSレジスタ300、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の実施例1に係る装置内部の物理構成を、図4を用いて説明する。
POSレジスタ300は、表示部302、操作部304及びPOSレジスタ全体を制御する制御部330を有している。制御部330は、通信回線を介してPOSサーバ700に接続されており、売上金情報等が送信されるようになっている。また、POSレジスタ300の制御部330は、硬貨釣銭機100の制御部130と通信回線によって接続されている。また、硬貨釣銭機100の制御部130は、紙幣釣銭機200の制御部230及び棒金収納機400の制御部430とも互いに通信回線によって接続されている。POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100との通信回線を通して、硬貨釣銭機100からの情報、硬貨釣銭機100を経由して紙幣釣銭機200からの情報及び棒金収納機400からの情報を取得する。また、POSレジスタ300は、通信回線を通して硬貨釣銭機100、硬貨釣銭機100を通して紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に対する指示を行うことができる。
硬貨釣銭機100の筐体の前部上面に設けられている硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込むようになっている。硬貨受入部114には、当該硬貨受入部114により機体内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が接続されている。硬貨受入部114にはシャッタ機構が設けられており、後述される精査処理時等には閉鎖されるようになっている。
この入金搬送部103の途中には、硬貨の識別(真偽、金種)を行う硬貨識別部101と、分岐部104とがそれぞれ設けられている。分岐部104は、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨を出金搬送部108へ搬送する。
一方、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送されるようになっている。硬貨収納部106は硬貨を金種別に収納するようになっている。具体的には、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に硬貨が収納される。出金搬送部108は、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116へ搬送する。また、出金搬送部108は、分岐部104から搬送されたリジェクト硬貨等を硬貨払出部116へ搬送する。
また、硬貨釣銭機100は、自動精査処理時に使用する精査庫107を有している。精査庫107は、自動精査処理時には硬貨収納部106から繰り出された硬貨を、出金搬送部108及び出金搬送部108から分岐して精査庫107に続く搬送路を経由して受け入れる。また、精査庫107に受け入れられた硬貨は、精査庫107から繰り出され、硬貨受入部114に送り出される。硬貨受入部114に送り出された硬貨は入金時の経路を通って硬貨収納部106に戻される。硬貨は、入金時の経路を通されて硬貨収納部106に戻される過程において硬貨識別部101で真偽及び正損の判別と真貨/正貨と判定された硬貨の金種別の枚数の計数が行われる。このようにすることによって、硬貨収納部106に収められている金種別の枚数を確認することができる。また、精査庫107は、この機能を実現するため、最も容量の大きな硬貨収納部106に収められた硬貨を全て収納できるだけの容量を有している。
紙幣釣銭機200は、この筐体内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aを備えている。また、紙幣受入部214、3つの紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、及び回収カセット207が、周回搬送部203aから外周を取り囲むように配置されている。
また、紙幣釣銭機200の筐体の内部には、紙幣受入部214、紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、及び回収カセット207と、周回搬送部203aとの間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部203bが形成されている。また、周回搬送部203aには紙幣識別部201が設けられており、この紙幣識別部201は、当該紙幣識別部201を通過する紙幣の識別(真偽、金種)を行う。また、周回搬送部203aと接続搬送部203bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部203aに沿って配置されている。
紙幣受入部214は、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を1枚ずつ取り込んで、周回搬送部203a側へ繰り出すようになっている。紙幣収納部206は、紙幣識別部201の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。紙幣払出部216は、紙幣収納部206から周回搬送部203aに繰り出された紙幣を紙幣取出口216aより機外へ放出する。
出金リジェクト部204は、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、紙幣受入部214から機体内に取り込まれた紙幣のうち、汚損等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却される。
棒金収納機400は、棒金を収納する棒金収納部401を有している。
次に、図2に示したPOSレジスタ300、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の実施例1に係る内部構成を説明する。図5は、POSレジスタ300、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の実施例1に係る内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、硬貨釣銭機100は、通信部132、硬貨受入部114、入金搬送部103、硬貨識別部101、分岐部104、硬貨収納部106、精査庫107、出金搬送部108、硬貨払出部116、操作表示部112、記憶部134及び制御部130を備えている。通信部132は、通信回線を通してPOSレジスタ300、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400とのデータ通信を行うためのインタフェース部である。
硬貨受入部114は、入金する硬貨の受け付けを行う。入金搬送部103は、硬貨受入部114で受け付けた硬貨を硬貨識別部101、分岐部104を経由して硬貨収納部106への搬送を行う。硬貨識別部101は、入金搬送部103によって搬送されてきた硬貨の真偽及び正損の判定を行う。分岐部104は、硬貨識別部101の真偽及び正損の識別結果に応じて、搬送されてきた硬貨を硬貨払出部116に続く出金搬送部108若しくは硬貨収納部106に続く入金搬送部103のいずれかに分岐させる。真貨であり且つ正貨と識別された場合には、分岐部104は搬送されてきた硬貨を硬貨収納部106に続く入金搬送部103に振り分ける。また、偽貨若しくは損貨と識別された場合には、分岐部104は搬送されてきた硬貨を硬貨払出部116に続く出金搬送部108に振り分ける。
硬貨収納部106は、硬貨の入金処理で真貨であり且つ正貨と識別された硬貨を金種別に収納する収納部である。また、硬貨の出金処理では、当該硬貨収納部106から硬貨を繰り出して払い出しを行う。出金搬送部108は、硬貨の出金処理において硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116に搬送する。また、出金搬送部108は、硬貨識別部101によって偽貨若しくは損貨と識別された場合に、分岐部104から分岐により受け付けた偽貨若しくは損貨と識別された硬貨を硬貨払出部116に搬送する。硬貨払出部116は、釣銭として出金する硬貨若しくは硬貨識別部101によって偽貨若しくは損貨と識別された返却する硬貨を払い出す口である。
精査庫107は、出金搬送部108から分岐した搬送路により搬送された硬貨を収納できるような構造となっている。また、精査庫107は、収納された硬貨を繰り出す機構を有しており、繰り出された硬貨は硬貨受入部114に送り出される。
操作表示部112は、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の内部に収納された硬貨や紙幣の在高などの情報を表示する出力部である。また、これらの機器に操作指示等を与える入力部としても機能する。
記憶部134は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、硬貨在高データ134a及び入出金履歴データ134bを有する。硬貨在高データ134aは、硬貨釣銭機100内で管理する硬貨の金種別の在高を示すデータである。入出金履歴データ134bは、硬貨釣銭機100で行われた硬貨の受け払いの履歴を記録した実行データである。
制御部130は、硬貨釣銭機100の全体を制御する制御部であり、入出金処理部130a、補充処理部130b、回収処理部130c、精査処理部130dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
入出金処理部130aは、硬貨の入金処理及び出金処理全体を制御する処理部である。また、入出金処理部130aは、硬貨入出金が終了したならば、入出金履歴データ134bの更新を行うとともに、金種ごとの入出金の内容に応じて硬貨在高データ134aの更新を行う。
補充処理部130bは、POSレジスタ300からの補充の指示を受け付けた場合、若しくは操作表示部112の操作による補充の指示を受け付けたならば、硬貨受入部114で受け付けた硬貨の硬貨収納部106への補充処理を行うとともに、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に補充の指示を送信する。補充処理部130bは、補充処理により硬貨収納部106に収納された硬貨の枚数に応じて硬貨在高データ134aの更新を行う。また、補充処理部130bは、補充処理に係る情報を入出金履歴データ134bに登録する。
回収処理部130cは、POSレジスタ300から回収の指示を受け付けた場合、若しくは操作表示部112の操作による回収の指示を受け付けた場合に、金種ごとに指定された枚数の硬貨を硬貨払出部116に搬送(回収)する。また、回収処理部130cは、回収された硬貨の枚数に応じて硬貨在高データ134aの更新を行う。
精査処理部130dは、POSレジスタ300から自動精査の指示を受け付けた場合、若しくは操作表示部112の操作による自動精査の指示を受け付けた場合に、まず、硬貨受入部114のシャッタ機構を閉じる。次に、精査処理部130dは、1金種目の硬貨収納部106から硬貨を繰り出して精査庫107に送り込む。硬貨収納部106内の全ての硬貨が精査庫107に送り込まれたならば、該硬貨を硬貨受入部114に搬送する。この際、硬貨収納部106内の全ての硬貨が精査庫107に送り込まれたことを待ち合わせて精査庫107からの硬貨受入部114への搬送をする必要はなく、硬貨の精査庫107への送り込み動作に並行して一部の硬貨を精査庫107から硬貨受入部114に搬送を行うようにしてもよい。
さらに、精査処理部130dは、硬貨受入部114に搬送された硬貨を繰り出して、硬貨識別部101で識別した後に、元の硬貨収納部106に収納する。このようにして、硬貨収納部106から繰り出された全ての硬貨が硬貨識別部101を通って元の硬貨収納部106に再び収納されると当該金種の在高を確認することができる。これらの処理を、全ての金種の硬貨収納部106に対して実施することにより、全ての金種の在高を確認することができる。また、これらの自動精査の処理により確認された金種別の在高と、これらの処理以前に記憶されていた硬貨在高データ134aとを照合して、不一致であった場合には自動精査の処理により確認された金種別の在高で硬貨在高データ134aを更新する。また、精査処理部130dは、金種指定の自動精査を行うこともできる。また、精査処理部130dは、処理の履歴を入出金履歴データ134bに記録する。
入出金処理部130a、補充処理部130b、回収処理部130c及び精査処理部130dは、それぞれの処理の結果、硬貨在高データ134a及び入出金履歴データ134bの更新が行われた場合には、更新内容(各処理を実行した旨の情報を含む)をPOSレジスタ300に通知する。
図5に示すように、紙幣釣銭機200は、通信部232、紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣識別部201、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216、回収カセット207、記憶部234及び制御部230を備えている。通信部232は、通信回線を通して硬貨釣銭機100とのデータ通信を行うためのインタフェース部である。
紙幣受入部214は、入金する紙幣の受け付けを行う。周回搬送部203aは、紙幣受入部214から繰り出した紙幣を紙幣収納部206に続く接続搬送部203bか、回収カセット207に続く接続搬送部203bか、紙幣払出部216に続く接続搬送部203bのいずれかに選択的に搬送する。また、周回搬送部203aは、紙幣収納部206から繰り出した紙幣を出金リジェクト部204に続く接続搬送部203bか、回収カセット207に続く接続搬送部203bか、紙幣払出部216に続く接続搬送部203bのいずれかに選択的に搬送する。接続搬送部203bは、周回搬送部203aと紙幣収納部206、回収カセット207、紙幣払出部216、出金リジェクト部204若しくは紙幣受入部214とを結ぶ紙幣の搬送処理部である。
紙幣識別部201は、周回搬送部203a上にあって、紙幣の真偽及び正損の識別を行う。紙幣収納部206は、紙幣の入金処理で真券であり且つ正券と識別された紙幣を収納する収納部である。また、紙幣の出金処理では、当該紙幣収納部206から紙幣を繰り出して払い出しを行う。出金リジェクト部204は、紙幣の出金処理において紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、紙幣識別部201で偽券若しくは損券と識別された紙幣を収納するボックスである。出金リジェクト部204は、図1で示したリジェクト収納部に対応する。紙幣払出部216は、紙幣の出金処理において紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、紙幣識別部201で真券であり且つ正券と識別された紙幣を払い出す口である。また、紙幣払出部216は、紙幣の入金処理において紙幣識別部201で偽券若しくは損券と識別された紙幣を返却する口である。
回収カセット207は、POSレジスタ300から回収の指示を受け付けた場合、若しくは硬貨釣銭機100の操作表示部112の操作による回収の指示を受け付けた場合に、紙幣収納部206に収納されている紙幣を搬送する先である。当該回収指示によって、紙幣釣銭機200内の売上金は回収カセット207に集められ、当該回収カセット207を抜き取ることによって売上金の回収を行うことができる。また、回収カセット207は、図1で示したあふれ収納部としても使用される。また、回収された紙幣を繰り出す機能を備え、精査処理時における保留場所としての役割を果たす。
記憶部234は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、紙幣在高データ234a及び入出金履歴データ234bを有する。紙幣在高データ234aは、紙幣釣銭機200内で管理する紙幣の金種別の在高を示すデータである。入出金履歴データ234bは、紙幣釣銭機200で行われた紙幣の受け払いの履歴を記録したデータである。
制御部230は、紙幣釣銭機200の全体を制御する制御部であり、入出金処理部230a、補充処理部230b、回収処理部230c及び精査処理部230dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
入出金処理部230aは、紙幣の入金処理及び出金処理全体を制御する処理部である。また、入出金処理部230aは、紙幣入出金が終了したならば、入出金履歴データ234bの更新を行うとともに、金種ごとの入出金の内容に基づいて紙幣在高データ234aの更新を行う。
補充処理部230bは、硬貨釣銭機100からの補充の指示を受け付けたならば、紙幣受入部214で受け付けた紙幣の紙幣収納部206への補充処理を行う。補充処理部230bは、補充処理により紙幣収納部206に収納された紙幣の枚数に応じて紙幣在高データ234aの更新を行う。また、補充処理部230bは、補充処理に係る情報を入出金履歴データ234bに登録する。
回収処理部230cは、硬貨釣銭機100を経由してPOSレジスタ300から回収の指示を受け付けた場合、若しくは硬貨釣銭機100の操作表示部112の操作による回収の指示を受け付けた場合に、金種ごとに指定された枚数の紙幣を回収カセット207に回収する。また、回収処理部230cは、回収された紙幣の枚数に応じて紙幣在高データ234aの更新を行う。また、回収処理部230cは、回収処理に係る情報を入出金履歴データ234bに登録する。
精査処理部230dは、POSレジスタ300から自動精査の指示を受け付けた場合、若しくは操作表示部112の操作による自動精査の指示を受け付けた場合に、1金種目の紙幣収納部206から紙幣を繰り出して回収カセット207に送り込む。紙幣収納部206内の全ての紙幣が回収カセット207に送り込まれたならば、該紙幣を繰り出して、紙幣識別部201で識別した後に、元の紙幣収納部206に収納する。このようにして、紙幣収納部206から繰り出された全ての紙幣が紙幣識別部201を通って元の紙幣収納部206に再び収納されると当該金種の在高を確認することができる。これらの処理を、全ての金種の紙幣収納部206に対して実施することにより、全ての金種の在高を確認することができる。また、これらの自動精査の処理により確認された金種別の在高と、これらの処理以前に記憶されていた紙幣在高データ234aとを照合して、不一致であった場合には自動精査の処理により確認された金種別の在高で紙幣在高データ234aを更新する。また、精査処理部230dは、金種指定の自動精査を行うこともできる。また、精査処理部230dは、自動精査処理の履歴を入出金履歴データ234bに記録する。
入出金処理部230a、補充処理部230b、回収処理部230c及び精査処理部230dは、それぞれの処理の結果、紙幣在高データ234a及び入出金履歴データ234bの更新を行う場合には、硬貨釣銭機100を経由して更新内容をPOSレジスタ300に通知する。
図5に示すように、棒金収納機400は、通信部432、棒金収納部401、ロック部402、記憶部434及び制御部430を備えている。通信部432は、通信回線を通して硬貨釣銭機100とのデータ通信を行うためのインタフェース部である。
棒金収納部401は、筐体から引き出すことが可能な引出状の収納部であり、棒金が1本ずつ収納されるポケット部が備えられている。棒金収納部401は金種ごとに収納する位置が決まっており、位置ごとに収納されているか否か、正しい金種の棒金が収納されているか否かを検知するセンサを有している。ロック部402は、棒金収納部401の筐体からの引き出しを制限する電磁ロックである。
記憶部434は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、棒金在高データ434aを有する。棒金在高データ434aは、棒金収納部401に収納されている棒金の在高である金種別の棒金の本数を示すデータである。制御部430は、棒金収納機400の全体を制御する制御部である。制御部430は、棒金収納部401に収納されている棒金の在高が変化した場合には、変化に準じて棒金在高データ434aの更新を行うとともに、硬貨釣銭機100を経由して棒金在高データ434aの更新内容をPOSレジスタ300に通知する。制御部430は、硬貨釣銭機100からの補充の指示を受け付けたならば、棒金収納部401を開放して棒金を棒金収納部401に収納可能な状態とする。
図5に示すように、POSレジスタ300は表示部302、操作部304、プリンタ306、バーコードリーダ308、POSレジスタ300を操作する担当者のカードの情報を読み取るカードリーダ310、通信部332、記憶部334及び制御部330を備えている。通信部332は、通信回線を通して硬貨釣銭機100とのデータ通信を行うためのインタフェース部である。
記憶部334は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、在高データ334a及び取引履歴データ334bを有する。在高データ334aは、接続される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400から通知される硬貨在高データ134a、紙幣在高データ234aおよび棒金在高データ434aを記憶したデータである。取引履歴データ334bは、POSレジスタ300で決済された顧客との取引の履歴のデータを含む。また、取引履歴データ334bは、釣銭の補充処理、回収処理及び装置のエラー発生の状況などの履歴の情報も含む。
制御部330は、POSレジスタ300の全体を制御する制御部であり、履歴情報管理部330a、補充回収処理部330b及び精査処理部330cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
履歴情報管理部330aは、POSレジスタ300で処理される商品代金の決済処理だけではなく、釣銭機に対する釣銭準備金の補充処理、釣銭機からの現金の回収処理、釣銭機における精査処理及びエラー発生の状況などを取引履歴データ334bに記録するとともに、記録した内容をPOSサーバ700に送信する。また、履歴情報管理部330aは、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400からそれぞれ硬貨在高データ134a、紙幣在高データ234a及び棒金在高データ434aを受け付けたならば、受け付けた内容に基づいて在高データ334aを更新する。また、履歴情報管理部330aは、POSサーバ700に取引履歴データ334bの更新内容を送信する場合に、在高データ334aが更新されている場合には、在高データ334aの更新内容も併せてPOSサーバ700に送信する。
補充回収処理部330bは、補充処理の操作を受け付けて、釣銭準備金のとして払い出された貨幣の補充処理を行う。具体的には、補充処理の操作を受付けたならば、硬貨釣銭機100に対してバラ硬貨の釣銭準備金の補充指示を行い、紙幣釣銭機200に対して紙幣の釣銭準備金の補充指示を行い、棒金収納機400に対して棒金の補充指示を行う。バラ硬貨の釣銭準備金の補充指示を受け付けた硬貨釣銭機100は、硬貨受入部114に投入されたバラ硬貨を真贋判定及び計数して硬貨収納部106に収納し、収納した硬貨の金種別の枚数を硬貨在高データ134aに反映する。また、紙幣の釣銭準備金の補充指示を受け付けた紙幣釣銭機200は、紙幣受入部214に挿入された紙幣の真贋判定及び計数して紙幣収納部206に収納し、収納した紙幣の金種別の枚数を紙幣在高データ234aに反映する。また、棒金の補充指示を受け付けた棒金収納機400は、棒金収納部401を開けて棒金を受け付けて、受け付けた棒金の情報を棒金収納部401で検知し、検知した内容を棒金在高データ434aに反映する。
補充回収処理部330bは、回収に係る指示を受け付けて、受け付けた内容に応じた貨幣の回収処理を硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に対して指示を行う。回収に係る指示は、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納されている全ての貨幣を回収する全回収の指示と、金種別の数量を指定して回収する数量指定回収の指示とがある。
精査処理部330cは、操作部304等を用いた自動精査に係る指示を受け付けて、受け付けた内容に応じた自動精査を硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に対して指示する。自動精査に係る指示には、全金種の自動精査や一部金種を指定した自動精査がある。棒金収納機400については、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200のように装置内で貨幣を循環させなくとも硬貨棒金の在高を検知することができる。硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200に対して指示した自動精査の処理の結果として、確認後の硬貨及び紙幣の在高が通知されると在高データ334aに反映されると共に、POSサーバ700に通知する。
次に、硬貨釣銭機100に硬貨を入金する場合の動作について以下に説明する。入出金処理部130aは、硬貨釣銭機100の硬貨受入部114に硬貨が受け入れられると、硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込み、取り込まれた硬貨は入金搬送部103により搬送される。そして、入金搬送部103により搬送される硬貨は硬貨識別部101により硬貨の識別が行われる。入出金処理部130aは、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨であると識別された硬貨は、分岐部104により出金搬送部108へ搬送し、出金搬送部108により硬貨払出部116に搬送する。一方、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨であると識別された硬貨は、入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送し、当該硬貨収納部106に金種別に収納する。
また、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨を出金する場合には、POSレジスタ300から出金指示が硬貨釣銭機100に送られる。あるいは、操作者は操作表示部112により出金されるべき硬貨の金種別の枚数や合計金額等を入力すると、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨が出金される。硬貨釣銭機100の入出金処理部130aに対して出金指示が与えられると、硬貨収納部106に収納されている硬貨が繰り出され、繰り出された硬貨は出金搬送部108により硬貨払出部116へ搬送される。このようにして、操作者は、硬貨払出部116から硬貨を取り出すことができるようになる。
次に、紙幣釣銭機200に紙幣を入金する場合の動作について以下に説明する。入出金処理部230aは、紙幣受入部214の紙幣受入口214aに紙幣が挿入されると、紙幣受入部214は、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を1枚ずつ取り込んで、周回搬送部203a側へ繰り出す。そして、周回搬送部203a側へ繰り出された紙幣は当該周回搬送部203aにより搬送され、この際に紙幣識別部201により紙幣の識別が行われる。紙幣識別部201により正常な紙幣であると識別された紙幣は、各紙幣収納部206に金種別に収納する。一方、紙幣受入部214から取り込まれた紙幣のうち、汚損や搬送異常等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却される。
また、紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣を出金する場合には、POSレジスタ300から硬貨釣銭機100を経由して出金指示が紙幣釣銭機200に送られる。あるいは、操作者は操作表示部112により出金されるべき紙幣の金種別の枚数や合計金額等を入力すると、紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣が出金される。紙幣釣銭機200の入出金処理部230aに対して出金指示が与えられると、紙幣収納部206に収納されている紙幣が繰り出され、繰り出された紙幣は紙幣識別部201により識別された後、周回搬送部203aにより紙幣払出部216に送られる。そして、紙幣払出部216は、紙幣収納部206から送られた紙幣を紙幣取出口216aより筐体外へ放出する。このようにして、操作者は、紙幣釣銭機200から出金された紙幣を得ることができるようになる。なお、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は、出金リジェクト紙幣として出金リジェクト部204に収納される。
次に、図5に示した硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の実施例1に係るデータ構成について図6を用いて説明する。
硬貨在高データ134aは、硬貨釣銭機100の硬貨金種別の機内在高と、金種別の硬貨収納部106に収納することができなかったあふれ硬貨の枚数と、当該硬貨釣銭機100が精査待ちになっているか否かの情報と、エラー発生中である場合には発生中のエラーコードとを含む。精査待ちの情報は、コード化されたデータであって、「0」は精査待ちではないことを示し、「1」は精査待ちであることを示す。図6の硬貨在高データ134aの例は、500円貨が「10」枚で、100円貨が「20」枚で、50円貨が「20」枚で、10円貨が「110」枚で、5円貨が「50」枚で、1円貨が「40」枚で、あふれ貨が「0」枚で、精査待ちは「0」であり精査待ちではなく、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではないことを示すレコードが含まれていることを表している。
入出金履歴データ134bは、処理が行われた日時に関連付けられた処理区分、受け付けた金種別の硬貨の枚数である金種別受付枚数と、払い出した金種別の硬貨の枚数である金種別払出枚数と、当該処理でエラーが発生した場合のエラーコードとをレコードの保有項目とするデータである。処理区分はコード化された情報であって行われた処理内容を示す情報であり、「1」は代金決済で、「2」は両替で、「3」は補充で、「4」は棒金収納機400に収納されている棒金を取り出して硬貨釣銭機100に補充するくずし補充で、「5」は全回収以外の部分回収で、「6」は装置内の貨幣の数量を検査する自動精査で、「7」は全回収で、「8」はエラー発生であることを示している。
図6の入出金履歴データ134bの例は、日時が「2014/4/10 18:30」に処理区分「1」の示す代金決済処理が行われ、硬貨は受け付けていなくて、100円貨を「2」枚を払い出し、この処理においてエラーの発生はなかったことを示すレコードが含まれていることを示している。
紙幣在高データ234aは、紙幣釣銭機200の紙幣金種別の機内在高と、紙幣収納部206から正しく繰り出すことができなかったリジェクト件数と、金種別の紙幣収納部206に収納することができなかったあふれ紙幣の枚数と、紙幣釣銭機200が精査待ちになっているか否かの情報と、エラー発生中である場合には発生中のエラーコードとを含む。図6の紙幣在高データ234aの例は、万円券が「30」枚で、五千円券が「20」枚で、千円券が「120」枚で、リジェクト件数が「5」件で、あふれ券数が「0」枚で、精査待ちは「0」であり精査待ちではなく、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではないことを示している。
入出金履歴データ234bは、処理が行われた日時に関連付けられた処理区分、受け付けた紙幣の金種別の枚数である金種別受付枚数と、払い出した紙幣の金種別の枚数である金種別払出枚数と、当該処理でエラーが発生した場合のエラーコードとをレコードの保有項目とするデータである。処理区分はコード化されたデータであってコードの意味は先に説明した入出金履歴データ134bの処理区分と同じである。図6の入出金履歴データ234bの例は、日時が「2014/4/10 18:30」に処理区分「1」の示す代金決済処理が行われ、万円券「1」枚を受け付けて、五千円券「1」枚を払い出して、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではないことを示すレコードが含まれていることを表している。
棒金在高データ434aは、棒金収納機400の硬貨金種別の棒金の機内在高と、エラー発生中である場合には発生中のエラーコードとを含む。図6の棒金在高データ434aの例は、棒金収納機400の硬貨金種別の棒金の機内在高が、500円貨の棒金が「0」本で、100円貨の棒金が「2」本で、50円貨の棒金が「1」本で、10円貨の棒金が「1」本で、5円貨の棒金が「1」本で、1円貨の棒金が「0」本であり、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではないことを示している。
次に、図5に示したPOSレジスタ300の実施例1に係るデータ構成について図7を用いて説明する。
在高データ334aは、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400から通知された硬貨在高データ134a、紙幣在高データ234a及び棒金在高データ434aを記憶したデータであって、紙幣釣銭機200に対応する紙幣の金種別の在高の情報と、硬貨釣銭機100に対応するバラの硬貨の在高の情報と、棒金収納機400に対応する棒金の硬貨の在高の情報とを含んでいる。
図7の在高データ334aの例は、紙幣釣銭機200の在高は万円券が「30」枚で、五千円券が「20」枚で、千円券が「120」枚で、リジェクト件数が「5」件で、あふれ券数が「0」枚であり、精査待ちは「0」であり精査待ちではなく、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではなく、硬貨釣銭機100の在高は500円貨が「10」枚で、100円貨が「20」枚で、50円貨が「20」枚で、10円貨が「110」枚で、5円貨が「50」枚で、1円貨が「40」枚で、あふれ貨が「0」枚であり、精査待ちは「0」であり精査待ちではなく、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではなく、棒金収納機400の在高は500円貨の棒金が「0」本で、100円貨の棒金が「2」本で、50円貨の棒金が「1」本で、10円貨の棒金が「1」本で、5円貨の棒金が「1」本で、1円貨の棒金が「0」本であり、エラーコードの情報がなくエラー発生中ではないことを示している。
取引履歴データ334bは、処理が行われた日時と、レジ番号と、処理区分と、当該処理で発行されたレシートを識別するレシート番号と、当該処理の取引額と、取引額のうちのクレジットカードによる決済額と、取引額のうちの商品券による決済額と、受け付けた金種別の貨幣の枚数と、払い出した金種別の貨幣の枚数と、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400のエラーコードと、処理区分が「1」の代金決済の場合の購入した商品に係る情報などをレコードの保有項目とするデータである。処理区分はコード化されたデータであってコードの意味は先に説明した入出金履歴データ134bの処理区分と同じである。また、処理区分が「3」の補充の場合には、レシート番号には、補充処理で読み取る釣銭準備金払出レシートのレシート番号が記録される。
図7の取引履歴データ334bの例は、日時が「2014/4/10 18:30」に、レジ番号が「101」のレジにおいて、処理区分「1」の示す代金決済処理が行われ、レシート番号が「0295」のレシートが発行され、取引額が「4,800」円で、クレジット決済額及び商品券決済額はともに「0」円で、万円券「1」枚を受け付けて、五千円券「1」枚と、100円貨「2」枚を払い出したことを示すレコードが含まれていることを表している。
次に、図2に示した管理サーバ800の実施例1に係る機能的な内部構成を説明する。図8は、管理サーバ800の実施例1に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。図8に示すように、管理サーバ800は、入力部801、表示部802及びプリンタ803と接続される。入力部801は、キーボードやマウス等であり、表示部802は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。プリンタ803は、所定の帳票を印字出力する装置である。
また、管理サーバ800は、通信部832と、記憶部834と、制御部830とを有する。通信部832は、LANなどの通信線90を介して両替機500、売上入金機600、POSサーバ700及び管理端末900とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部834は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部834は、レジ状態データ834a、POSレジ取引履歴データ834b、後方機処理履歴データ834c、イベントデータ834d及び適正在高パラメータ834eを有している。
レジ状態データ834aは、POSサーバ700を経由して受け付ける硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の在高に係る情報と、POSサーバ700を経由して受け付けるPOSレジ取引履歴データ834bに含まれる硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400のエラーコードの情報とに基づいて管理されているPOSレジスタ300(レジユニット)ごとの状態を管理する情報である。
POSレジ取引履歴データ834bは、POSサーバ700を経由して受け付けたPOSレジスタ300の取引履歴データ334bの更新情報を記憶したデータである。後方機処理履歴データ834cは、両替機500、売上入金機600などのバックオフィスに設置される後方機器で行われた処理の履歴情報である。
イベントデータ834dは、定休日や特売日などの店舗単位のイベントスケジュール及びPOSレジスタ300に接続される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の現金を全て回収する全回収や、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の在高を硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の自動精査機能を使用して確認する自動精査などのPOSレジスタ300(レジユニット)ごとのイベントスケジュールが登録されたデータである。
適正在高パラメータ834eは、POSレジスタ300を決済装置として稼働させるにあたりPOSレジスタ300に接続される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納される釣銭準備金の適正な金種別の貨幣枚数と、補充の要否を判定する金種別の貨幣枚数の閾値とを有する。
制御部830は、管理サーバ800の全体を制御する制御部であり、レジ状態管理部830a、履歴管理部830b、イベントデータ管理部830c及び釣銭準備金確認表印刷部830dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しない各種補助記憶装置(HDDやSSDなど)に記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)の制御の元、主記憶装置(メインメモリ)上にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
レジ状態管理部830aは、POSサーバ700を経由して受け付けた硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の在高に係る情報と、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400のエラーの発生状況などの情報に基づいてレジ状態データ834aの更新を行う。POSレジスタ300が新設された場合には、レジ状態管理部830aは、POSサーバ700を経由して受け付ける硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の在高に係る情報と、POSサーバ700を経由して受け付けるPOSレジ取引履歴データ834bとに基づいて新たに設置されたPOSレジスタ300に対するレコードが自動的に追加される。また、レジ状態管理部830aは、一定期間情報(例えば、30日間)が送信されて来ないPOSレジスタ300については、撤去されたものと判断して自動的にレジ状態データ834aの当該POSレジスタ300に対応するレコードを削除する。
また、レジ状態管理部830aは、管理端末900からの操作を受け付けて、レジ状態データ834aなどのデータに基づく各種照会処理を行う。
履歴管理部830bは、POSレジスタ300の取引履歴データ334bの更新情報をPOSサーバ700を経由して受け付けて、受け付けた情報に基づいてPOSレジ取引履歴データ834bの更新を行い、両替機500、売上入金機600などのバックオフィスに設置される後方機器から処理履歴の情報を受け付けて、受け付けた情報に基づいて後方機処理履歴データ834cの更新を行う。
イベントデータ管理部830cは、イベントデータ834dの登録及び更新に係る入力操作を受け付けてイベントデータ834dへの登録及び更新を行い、イベントデータ834dの更新が行われた場合には、更新された内容を両替機500などの関連する装置に配信する。
釣銭準備金確認表印刷部830dは、レジ状態データ834aに含まれるレジユニットごとの金種別の貨幣の在高と、適正在高パラメータ834eの補充が必要と判定する金種別の貨幣枚数の閾値とに基づいて釣銭準備金の補充が必要か否かの判定を行う。また、釣銭準備金確認表印刷部830dは、釣銭準備金の補充が必要と判定されたレジユニットごとに、レジ状態データ834aに含まれるレジユニットごとの金種別の貨幣の在高と、適正在高パラメータ834eの硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納される釣銭準備金の適正な金種別の貨幣枚数とに基づいて、補充する貨幣の金種別の数量を算出する。また、釣銭準備金確認表印刷部830dは、釣銭準備金の補充が必要と判定されたレジユニットのレジ番号と、算出された補充する貨幣の金種別の数量とを関連付けた釣銭準備金確認表をプリンタ803から印刷出力させる。該釣銭準備金確認表は、両替機500において補充する貨幣をレジユニットごとに払い出す処理で使用する。
次に、図8に示した管理サーバ800の実施例1に係るデータ構成について図9を用いて説明する。
レジ状態データ834aは、POSレジスタ300を識別するレジ番号に関連付けた、POSレジスタ300の状態を更新した日時の情報と、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の発生中のエラーコードと、紙幣のリジェクト件数と、紙幣及び硬貨のあふれ枚数と、紙幣及び硬貨の補充の要否と、紙幣及び硬貨の精査待ちの有無と硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納されている貨幣の金種別の枚数とをレコードの保有項目とするデータである。
図9のレジ状態データ834aの例は、レジ番号「201」のレジは、状態の情報を更新した日時が「2014/4/10 16:40」で、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400のエラーが発生している状況ではなく、紙幣のリジェクト件数が「5」件で、紙幣のあふれ券数が「0」枚で、硬貨のあふれ貨数が「0」枚で、紙幣の補充は「0」で不要で、硬貨の補充は「0」で不要で、紙幣の精査待ちは「0」で精査待ちではなく、硬貨の精査待ちは「0」で精査待ちではなく、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の万円券の在高が「30」枚で、五千円券の在高が「20」枚で、千円券の在高が「120」枚で、500円貨の在高が「10」枚で、100円貨の在高が「120」枚で、50円貨の在高が「70」枚で、10円貨の在高が「160」枚で、5円貨の在高が「100」枚で、1円貨の在高が「40」枚であることを示すレコードが含まれていることを表している。
後方機処理履歴データ834cは、後方機で行われた処理の日時、後方機の装置区分及び後方機の装置番号に関連付けられた処理区分と、処理実施に当たって受け付けたレシートの番号と、処理実施にともなって発行したレシートの番号と、処理された金額と、紙幣及びバラ硬貨の受付枚数と、硬貨の棒金受付本数と、紙幣及びバラ硬貨の払出枚数と、硬貨の棒金払出本数などとをレコードの保有項目とするデータである。装置区分はコード化されたデータであって後方機の装置の種類を示す情報であり、「1」は入金機、「2」は出金機、「3」は入出金機、「4」は両替機500であることを示す。また、処理区分はコード化されたデータであって後方機の処理内容を示す情報であり、「1」は売上金入金処理、「2」は釣銭準備金払出処理、「3」は両替処理、「4」はPOSレジスタ300から回収された現金の受付処理であることを示す。
図9の後方機処理履歴データ834cの例は、処理の日時が「2014/4/10 15:45」で、処理が行われた装置の装置区分が「4」で両替機500であり、該両替機500の装置番号が「01」で、処理区分が「2」で釣銭準備金払出処理であり、該釣銭準備金払出処理で受け付けた釣銭準備金依頼レシートのレシート番号が「0305」で、発行した釣銭準備金払出レシートのレシート番号が「6789」で、払い出された金額は「126,300」円で、五千円券が「10」枚、千円券が「40」枚、500円貨の棒金が「1」本、100円貨の棒金が「2」本、10円貨の棒金が「2」本、5円貨の棒金が「1」本、1円貨の棒金が「1」本払い出されたことを示すレコードが含まれていることを示している。
イベントデータ834dは、日付に関連付けて定休日、特売日等のイベントの有無と、現金の在高を正確に確認する為に硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納されている貨幣を全て回収する全回収の対象となるレジの一覧と、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納されている貨幣の在高を硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400が有する自動精査機能を使用して確認する自動精査の対象となるレジの一覧などとをレコードの保有項目とするデータである。
図9のイベントデータ834dの例は、日付「2014/4/18」は、定休日に対する情報が「0」で定休日ではなく、特売日に対する情報が「1」で特売日で、全回収を行うことが予定されているレジのレジ番号が「103」、「108」、「202」、「207」、「301」などで、自動精査を行うことが予定されているレジのレジ番号が「106」、「111」、「205」、「210」、「303」などであることを示すレコードが含まれていることを表している。
適正在高パラメータ834eは、POSレジスタ300を決済装置として稼働させるにあたり接続される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納される釣銭準備金の適正な数量を示す金種別の適正枚数と、補充が必要と判定する金種別の貨幣の下限を示す補充閾値とを有する。
図9の適正在高パラメータ834eの例は、五千円券の適正枚数が「50」枚で補充閾値が「10」枚で、千円券の適正枚数が「100」枚で補充閾値が「50」枚で、500円貨の適正枚数が「120」枚で補充閾値が「20」枚で、100円貨の適正枚数が「160」枚で補充閾値が「50」枚で、50円貨の適正枚数が「120」枚で補充閾値が「20」枚で、10円貨の適正枚数が「160」枚で補充閾値が「50」枚で、5円貨の適正枚数が「120」枚で補充閾値が「20」枚で、1円貨の適正枚数が「160」枚で補充閾値が「50」枚であることを示しており、いずれか1金種でも補充閾値を下回ると、補充が必要と判断される。尚、各金種の適正枚数は固定値に限らず、例えば、特売日には他の日の値の1.2倍になるように、可変に設定されるようにしてもよい。
次に、図2に示した管理端末900で表示可能な店舗内のレジユニットの状況照会画面の画面構成について図10を用いて説明する。
図10(a)に示す画面は、管理端末900におけるレジ状況照会操作によって表示されるレジ状況一覧画面の表示例である。管理サーバ800のレジ状態管理部830aは、管理端末900からレジ状況照会操作に基づくレジ状況照会要求を受け付けると、レジ状態データ834aの内容に基づいて、図10(a)に示すようなレジ状況一覧の画面を表示する。レジ状況一覧の画面には、店舗内に設置されている全てのレジのレジ番号とその状況とが一覧で表示される。
図10(a)に示すようにレジ状況一覧画面では、1つのレジに対してレジ番号を表示するレジ番号欄と該レジ番号のレジの状況を表す状況欄とが割り当てられる。当日に取引履歴データ334bなどの情報が全く通知されていないPOSレジスタ300については稼働していないとみなしてレジ番号欄及び状況欄は背景が斜線で表示されることによって非稼働であることが表現される。また、レジ番号に対応するPOSレジスタ300に接続される硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納されている貨幣の残高が所定の基準値を下回っている場合には、当該レジ番号に対する状況欄に「補充」と表示することによって、当該レジが釣銭準備金を補充する必要があることを示している。釣銭準備金が不足するとPOSレジスタ300は運用できない状態になってしまうので、状況欄に「補充」と表示される場合にはレジ番号欄も含めて白黒反転等の表示によって目立たせて注意喚起を図る。図10(a)の画面例では、非稼働のPOSレジスタ300に対してはレジ番号欄及び状況欄の背景を斜線で表現して、釣銭準備金の補充が必要なPOSレジスタ300に対しては状況欄に「補充」と表示してレジ番号欄及び状況欄を白黒反転表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、状況に応じて異なる背景色や文字色を使用するものとしてもよい。
また、図10(a)に示したレジ一覧状況画面の「レジ状況一覧画面」という画面のタイトル表示の下の行に、釣銭準備金の補充が必要なレジの台数と、補充が必要なレジの台数の表示欄の右隣には「釣銭準備金確認表」ボタンとが表示される。「釣銭準備金確認表」ボタンが操作されると、釣銭準備金の払出処理時に使用する釣銭準備金確認表を印刷する。また、「釣銭準備金確認表」ボタンの右側には、紙幣のリジェクトされた紙幣を収めるボックスがフル若しくはニアフルの状態になっているレジの台数と、硬貨若しくは紙幣の収納時に金種別の収納部がフルで入らなかった場合にあふれ券若しくはあふれ貨を収納するボックスがフル若しくはニアフルの状態になっているレジの台数と、エラー発生などによって精査を行わなければならない状況になっているレジの台数と、「詳細表示」のボタンが表示される。「詳細表示」ボタンが操作されると、図10(c)に示す詳細画面に遷移する。また、画面最上段の右端には、「終了」ボタンが配置され、「終了」ボタンを操作されると、レジ一覧状況画面の表示を終了する。
図10(a)のレジ状況一覧画面では、リジェクトされた紙幣を収めるボックスがフル若しくはニアフルの状態になっているレジの台数や、硬貨若しくは紙幣のあふれ券若しくはあふれ貨を収納するボックスがフル若しくはニアフルの状態になっているレジの台数は表示されるものの、どのレジなのかは表示されなかった。図10(b)のレジ状況一覧画面は、リジェクトされた紙幣を収めるボックスがフル若しくはニアフルの状態になっているレジ及び硬貨若しくは紙幣のあふれ券若しくはあふれ貨を収納するボックスがフル若しくはニアフルの状態になっているレジがどのレジなのを併せて表現した画面の別パターンの例である。
図10(a)とは状況欄の表示方法に差異があり、図10(b)の例では状況欄を左右方向に3分割して、3分割された左の欄を釣銭準備金の補充の要否の状況を表示する欄として、釣銭準備金の補充が必要な状況においては「補」が表示される。また、3分割された中央の欄をリジェクトされた紙幣を収めるボックスの状況を表示する欄として、リジェクトされた紙幣を収めるボックスがフル若しくはニアフルの状況においては「リ」が表示される。また、3分割された右の欄を硬貨若しくは紙幣のあふれ券若しくはあふれ貨を収納するボックスの状況を表示する欄として、硬貨若しくは紙幣のあふれ券若しくはあふれ貨を収納するボックスがフル若しくはニアフルの状況においては「あ」が表示される。図10(b)に示す画面の例では、3分割された状況欄のそれぞれの欄に「補」、「リ」又は「あ」を表示する場合には、白黒反転表示するものとしたが、「補」、「リ」又は「あ」を表示する場合には右の欄、中央の欄、左の欄で異なる背景色や文字色を使用するようにしてもよい。
図10(c)の画面は、図10(a)若しくは図10(b)の画面に配置される「詳細表示」ボタンの押下によって表示される詳細画面である。詳細画面は、図10(c)に示すように表形式でレジ番号に関連付けて、当該レジの設置されている売場、紙幣のリジェクトされた件数、リジェクトされた紙幣を収めるボックスの状況、紙幣のあふれ券を収納するボックスに収納したあふれ券枚数、紙幣のあふれ券を収納するボックスの状況、硬貨のあふれ貨を収納するボックスに収納したあふれ貨枚数、硬貨のあふれ貨を収納するボックスの状況、精査待ちか否かの状況及び当該レジに対応するレジ状態データ834aのレコードを更新した時刻が表示される。
リジェクトされた紙幣を収めるボックスの状況、紙幣のあふれ券を収納するボックスの状況及び硬貨のあふれ貨を収納するボックスの状況には、ボックスがフルの状況においては「フル」、ニアフルの状況においては「ニアフル」と表示され、フルでもニアフルでもない場合には何も表示されない。また、精査待ちか否かの状況には、精査待ちで有る場合には「*」が表示される。
また、詳細画面の下部には「一覧に戻る」ボタンと、「前ページ」ボタンと、「次ページ」ボタンが配置される。「一覧に戻る」ボタンが操作されると、図10(a)若しくは図10(b)のレジ状況一覧画面に戻る。また、詳細画面は当日稼働したレジの台数が多い場合には複数ページに渡ることがあり、その場合には「前ページ」ボタン又は「次ページ」ボタンの操作によってページの表示を切り替えることができる。
次に、図2に示した管理サーバ800により出力される釣銭準備金の払い出しに使用する釣銭準備金確認表の構成について図11を用いて説明する。
釣銭準備金確認表は、釣銭準備金確認表の印刷の指示及びレジグループの指示を管理端末900から受け付けた場合に、指示されたレジグループに含まれるレジユニットのなかで、釣銭準備金の補充が予定されているレジユニットに対応するレジ別払出指示部の情報を含む。レジグループとは、部門やフロア等の設置場所が近接するレジユニットで構成されるグループである。図11に示す釣銭準備金確認表の例は、レジグループとして生活雑貨部門を指定した場合に出力された釣銭準備金確認表の例である。レジ別払出指示部には、レジ番号及び釣銭準備金として払い出す金種別の貨幣の数量などの情報が含まれる。また、指定されたレジグループ内に釣銭準備金の補充が予定されていないが、釣銭準備金が不足しているレジユニットがある場合には、そのようなレジユニットに対するレジ別払出指示部を含めて出力されるようにしてもよい。
それぞれのレジ別払出指示部には、部門名及びレジ番号と、釣銭準備金として払い出す金種別の数量の情報とが文字情報として印刷されるだけではなく、それぞれのレジ別払出指示部の下部には、レジ番号及び払い出す金種別の貨幣の数量の情報を含むバーコードが印刷される。また、図11の右側に印刷されたレジ番号が330のレジユニットに対するレジ別払出指示部の例では、次回の全回収を行う予定日の情報も併せて印刷されている。このように、釣銭準備金の払い出しに係る情報ではないが、全回収などの重要な作業が近くに迫っている場合には、併せて表示を行うようにしてもよい。更には、「あふれあり」、「出金リジェクトあり」あるいは「エラーあり」となっているレジ番号を表示する欄を設けるようにしてもよい。
釣銭準備金の払い出しは、図11に示した釣銭補充金確認表を用いて両替機500で行われる。両替機500は、釣銭準備金確認表に含まれるレジ別払出指示部のバーコードから、レジ番号及び釣銭準備金として払い出す金種別の貨幣の数量を読み取って、読み取った情報に基づいて釣銭準備金の払い出しを行う。
次に、図2に示した管理サーバ800における、レジユニットの状況を示す一覧画面、詳細画面及び釣銭準備金確認表の出力処理の処理手順について図12に示すフローチャートを用いて説明する。
レジ状態管理部830aは、管理端末900からのレジ状況一覧画面の表示要求を受け付けたならば、レジ状態データ834aに基づいて、図10(a)若しくは図10(b)に示したレジ状況一覧画面の表示を行う(ステップS101)。表示した図10(a)若しくは図10(b)に示したレジ状況一覧画面において、「詳細表示」ボタンの操作を受け付けたならば(ステップS102;Yes)、レジ状態管理部830aは、図10(c)に示した詳細画面の表示対象ページを先頭ページとして設定し(ステップS103)、表示対象ページに対する詳細画面の表示を行う(ステップS104)。
ステップS104で表示した詳細画面で「前ページ」ボタン若しくは「次ページ」ボタンの操作を受け付けたならば(ステップS105;Yes)、表示対象のページ数を「前ページ」ボタンの場合には1減算し、「次ページ」ボタンの場合には1加算して(ステップS106)、ステップS104に戻る。
また、ステップS104で表示した詳細画面で「一覧に戻る」ボタンの操作を受け付けたならば(ステップS105;No、ステップS107;Yes)、ステップS101に戻る。また、ステップS104で表示した詳細画面で「前ページ」ボタン、「次ページ」ボタン又は「一覧に戻る」ボタンのいずれの操作も受け付けていない場合(ステップS105;No、ステップS107;No)には、ステップS105に戻る。
ステップS101で表示したレジ状況一覧画面で、「釣銭準備金確認表」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS102;No、ステップS108;Yes)には、釣銭準備金確認表印刷部830dは、釣銭準備金の補充に係るグループであるレジグループを選択することができる画面の表示を行って、レジグループの選択を受け付ける(ステップS109)。また、釣銭準備金確認表印刷部830dは、ステップS109で受け付けたレジ状態データ834aと、適正在高パラメータ834eとに基づいてステップS109で受け付けたレジグループに対する釣銭準備金確認表の印刷を行って(ステップS110)、ステップS102に戻る。
ステップS101で表示したレジ状況一覧画面で、「終了」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS108;No、ステップS111;Yes)には、処理を終了する。また、ステップS101で表示したレジ状況一覧画面で、「終了」ボタンの操作も受け付けていない場合(ステップS111;No)には、ステップS102に戻る。
上述してきたように、実施例1では、レジユニットから送信されてきたレジユニットの貨幣在高及びレジユニットの状態をレジ状態データ834aとして記憶し、該レジ状態データ834aに基づいてレジユニットごとの釣銭準備金の補充の要否、リジェクト収納部の回収の要否及びあふれ収納部の回収の要否の判定を行い、レジユニットごとの判定結果を表示し、釣銭準備金の補充、リジェクト収納部の回収及びあふれ収納部の回収を実施するために必要な情報を出力するよう構成したので、複数のレジユニットのうちの貨幣の補充又は回収の対象となるレジユニットを効率良く特定するとともに、補充又は回収の対処に必要な情報を効率良く担当者に把握させることができる。
実施例1では、釣銭準備金の補充の要否の判定において、必要か不要かいずれかの判定を行ってきた。しかしながら、実運用においては補充が必要と判定されるレジユニットが複数存在した場合に、収納されている貨幣を釣銭として使い切ってしまうまでに時間的猶予があるレジユニットばかりである場合と、収納されている貨幣がわずかで一刻も早く補充を行わなければならないレジユニットが含まれている場合とでは、異なる対処を行えるようにすることが望ましい。
この点について具体的に説明する。収納されている貨幣を使い切ってしまうまでに時間的猶予があるレジユニットばかりである場合には、同一レジグループ内で釣銭準備金の補充が必要と判定されているレジユニットそれぞれの釣銭準備金を全て準備して、準備したそれぞれの釣銭準備金を順番に釣銭準備金の補充が必要と判定されているレジユニットに補充するという処置を行うほうが効率がよい。こうすることによって、レジグループ内のレジユニットに対する釣銭準備金の払い出しを行う担当者はバックオフィスと売場の間を何度も往復する必要がなく効率的に対処することができるのである。また、収納されている貨幣がわずかで一刻も早く補充を行わなければならないレジユニットが含まれている場合には、時間的猶予があるレジユニットに対する釣銭準備金の準備は後回しにして、急いで補充しなければならないレジユニットに対する補充を優先的に実施するほうがよい。こうすることによって収納されている貨幣がわずかなレジユニットが、釣銭準備金の不足によって決済処理ができない状態になってしまうことを回避できる可能性を高めることができるのである。
そこで、実施例2では、対処が必要と判断された場合にその緊急度を判定し、緊急度が高いレジユニットの台数に応じて実施する処理内容を自動で選択する例を説明する。
まず、管理サーバ1800の実施例2に係る機能的な内部構成を説明する。図13は、管理サーバ1800の実施例2に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。図13に示す管理サーバ1800の構成要素のうち実施例1の管理サーバ800と同じ構成要素については同じ符号を付与し、異なる構成要素については異なる符号を付与した。図13の管理サーバ1800の説明では、実施例1の管理サーバ800と同じ構成要素については説明を省略し、管理サーバ800と異なる構成要素について主に説明するものとする。
実施例1の管理サーバ800と異なる構成要素は、記憶部834については適正在高パラメータ1834eが実施例1の適正在高パラメータ834eと差異がある。適正在高パラメータ1834eは、実施例1の適正在高パラメータ834eの情報に加えて、緊急度を判定するための情報が追加となっている。
制御部830には処置一覧出力処理部1830eが追加になっている。実施例2では、図10(a)のレジ状況一覧画面に係る機能が追加となっており、例えば補充が必要となっているレジユニットのレジ番号をクリックした場合に当該レジ番号のレジユニットが含まれるレジグループに対する処置に必要な情報の印刷が行われる。当該機能に対する処理を行うのが処置一覧出力処理部1830eである。
また、処置一覧出力処理部1830eは、指定されたレジユニットが属するレジグループの中で処置の緊急度が高いレジユニットの台数に応じて、帳票に出力する内容を自動的に判定する。具体的には、処置一覧出力処理部1830eは、指定されたレジユニットが属するレジグループの中で釣銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットの台数が所定数以上ある場合には、緊急度が高いレジユニットに対する釣銭準備金確認表を印刷する。また、処置一覧出力処理部1830eは、指定されたレジユニットが属するレジグループの中で釣銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットの台数が所定数未満である場合には、指定されたレジユニットが属するレジグループの中で緊急度が高くない処置に必要な情報も含めて印刷が行われる。
次に、図13に示した管理サーバ1800の実施例2に係るデータ構成について図14を用いて説明する。図14では、適正在高パラメータ1834eの実施例1の適正在高パラメータ834eとの差異について説明する。
適正在高パラメータ1834eは、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400に収納される釣銭準備金の適正な数量を示す金種別の適正枚数と、補充が必要と判定する金種別の貨幣の上限の情報に加えて、補充の緊急度が高いと判定する金種別の貨幣の上限の情報が追加となっている。
図13の適正在高パラメータ1834eの例は、金種別の適正枚数は実施例1の金種別の適正枚数と同じで、金種別の補充閾値1は実施例1の金種別の補充閾値と同じである。また、補充閾値2が追加された情報であって、補充の緊急度が高いと判定する金種別の閾値であり、五千円券が「5」枚以下の場合、千円券が「20」枚以下の場合、500円貨の適正枚数が「5」枚以下の場合、100円貨が「20」枚以下の場合、50円貨が「5」枚以下の場合、10円貨が「20」枚以下の場合、5円貨が「5」枚以下の場合又は1円貨が「20」枚以下の場合であることを示しており、いずれか1金種でも補充閾値2を下回ると、補充の緊急度が高いと判定される。
次に、管理端末900で表示可能な店舗内のレジユニットの状況を示すレジ状況一覧画面の画面構成と、当該レジ状況一覧画面の操作により表示されるウィンドウの構成とを、図15を用いて説明する。
図15(a)に示すレジ状況一覧画面は、図10(a)のレジ状況一覧画面の例と比較すると、釣銭準備金の緊急度の判定結果が表示に反映されている部分に差異がある。釣銭準備金の緊急度が高いと判定された場合には、図15(a)のレジ番号101、105、123及び702のように、レジ番号が点滅するように表示される。また、図15(a)に示すレジ状況一覧画面において、状況欄に「補充」が表示されるレジユニットのレジ番号がクリックされた場合には、指定したレジユニットが含まれるレジグループに対応する釣銭準備金確認表又は釣銭準備金の補充と、リジェクト収納部の貨幣の回収と、あふれ収納部の貨幣の回収とに係る情報を含む通常対処指示書の出力が行われる。
レジ番号のクリックによって出力されるものが、釣銭準備金確認表となるのか、通常対処指示書となるのかの判定方式について説明する。図15(a)に示したレジ番号に対応するレジユニットは、いくつかのレジグループに分けられている。例えば101から142の100番台のレジユニットは食品部門のレジグループで、201から220の200番台と301から331の300番台のレジユニットは衣料・生活雑貨部門のレジグループで、401から452までの400番台のレジユニットは専門店部門のレジグループで、701から790までの700番台はレストラン部門のレジグループとする例を用いて説明する。
図15(a)に示すレジ状況一覧画面でレジ番号の点滅する101のクリックを受け付けた場合には、レジ番号101のレジユニットが属するレジグループを特定し、特定したレジグループの釣銭準備金補充の緊急度が高いレジユニットの数を求める。図15(a)の例では、レジ番号が101、105及び123のレジユニットは釣銭準備金補充の緊急度が高いことを示しており、釣銭準備金補充の緊急度が高いレジユニットの数が3台である。緊急度の高いレジユニットが2台以上の場合には緊急度の高いレジユニットに対する優先対処を行うと規定しているとすると、レジ番号101のクリックを受け付けたならば、図15(b)の優先対処を確認するためのポップアップウィンドウが表示される。
また、図15(a)に示すレジ状況一覧画面でレジ番号の301をクリック受け付けた場合には、レジ番号301の属するレジグループを特定し、特定したレジグループの釣銭準備金補充の緊急度が高いレジユニットの数を求める。図15(a)の例では、レジ番号301の属するレジグループには釣銭準備金補充の緊急度が高いレジユニットはないことから、レジ番号301のクリックを受け付けたならば、図15(c)の通常対処を確認するためのポップアップウィンドウが表示される。
図15(b)の優先対処を確認するためのポップアップウィンドウには、選択されたレジ番号101レジユニットが属する食品部門の中で緊急度の高いレジユニットに対する優先対処を行う旨のメッセージと、優先対処の内容及び対象のレジ番号と、操作者の指示を受け付けるための「戻る」ボタン、「通常対処」ボタン及び「実行」ボタンとが表示される。図15(b)のに示す画面の例は、優先対処の内容が釣銭準備金補充で、対象のレジ番号が「101、105、123」であることを示している。また、「戻る」ボタンが操作された場合には、図15(a)の画面に戻る。「実行」ボタンが操作された場合には、図15(b)のポップアップウィンドウに表示した優先対処内容に対応する釣銭準備金確認表の出力を行う。また、「通常対処」ボタンが操作された場合には、通常対処を確認するためのポップアップウィンドウが表示される。
図15(c)の通常対処を確認するためのポップアップウィンドウには、選択されたレジ番号301のレジユニットが属する衣料・生活雑貨部門の中で釣銭準備金の補充、リジェクト収納部の貨幣の回収又はあふれ収納部の貨幣の回収が必要と判定されたすべてのレジユニットに対する通常対処を行う旨のメッセージと、通常対処の内容及び対象のレジ番号と、指示を受け付けるための「戻る」ボタン及び「実行」ボタンとが表示される。図15(c)のに示す画面の例は、通常対処の内容として、釣銭準備金補充の対象のレジユニットがレジ番号が202、211、301、302及び330のレジユニットで、リジェクト収納部の貨幣の回収の対象のレジユニットがレジ番号が211及び304のレジユニットで、あふれ収納部の貨幣の回収の対象のレジユニットがレジ番号が302のレジユニットであることを示している。また、「戻る」ボタンが操作された場合には、図15(a)の画面に戻る。「実行」ボタンが操作された場合には、図15(c)のポップアップウィンドウに表示した通常対処内容に対応する通常対処指示書の出力を行う。
次に、図15(c)に示したウィンドウの操作で出力される通常対処指示書の印刷内容について図16を用いて説明する。
通常対処指示書は、釣銭準備金補充に係る情報の部分と、リジェクト収納部及びあふれ収納部の貨幣回収に係る情報の部分とで構成される。釣銭準備金補充に係る情報の部分は釣銭準備金確認表と同じ形式で出力される。図16に示す通常対処指示書の例では、レジ番号202、211、301、302及び330のレジユニットに対する釣銭準備金補充に係る情報が含まれている。
また、釣銭準備金補充に係る情報に続いて、リジェクト収納部及びあふれ収納部の貨幣回収に係る情報が出力される。図16に示す通常対処指示書の例では、レジ番号211のレジユニットが紙幣釣銭機200のリジェクト収納部がニアフルであり、レジ番号302のレジユニットが硬貨釣銭機100のあふれ収納部がニアフルであり、レジ番号304のレジユニットが紙幣釣銭機200のあふれ収納部がニアフルであることを示している。
図15で説明したように、レジ番号101をクリックした場合には、釣銭準備金の補充について緊急度の高いレジが3台あることから、他のレジでも対処しなければならない状態になっていたとしても、緊急に釣銭準備金の補充を行わなければならないレジ3台だけの処置を行うために必要な釣銭準備金確認表の出力を行う。これによって、緊急度の高い対処を優先的に行うことができる。
また、図15(a)の画面でレジ番号301をクリックした場合には、釣銭準備金の補充について緊急度の高いレジがないことから、図16に示した通常対処指示書の出力を行う。担当者は、出力された通常対処指示書に基づいて釣銭準備金の補充、リジェクト収納部及びあふれ収納部の貨幣回収を行うことによって、同一レジグループ内で処置が必要なレジユニットに対する処置を効率よく実施することができる。
次に、図15(a)に示したレジユニットの状況を示すレジ状況一覧画面において、画面に表示されているレジ番号の指定を受け付けたときの、管理サーバ1800における釣銭準備金確認表又は通常対処指示書の印刷処理の処理手順について、図17のフローチャートを用いて説明する。
図15(a)に示したようなレジ状況一覧画面において、レジ番号を指定するレジ番号のクリック操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、処置一覧出力処理部1830eは、指定されたレジ番号に対応するレジユニットが属するレジグループ内の釣銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットの台数をカウントする(ステップS202)。レジ状況一覧画面において、レジ番号の指定操作を受け付けていない場合(ステップS201;No)には、処理を終了する。
ステップS202でカウントした釣銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットの台数が所定の閾値以上の場合(ステップS203;Yes)には、処置一覧出力処理部1830eは、図15(b)に示したような優先対処を確認するためのポップアップウィンドウの表示を行う(ステップS204)。優先対処を確認するためのポップアップウィンドウにおいて、「通常対処」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS205;Yes)には、ステップ209に遷移する。また、優先対処を確認するためのポップアップウィンドウにおいて、「実行」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS205;No、ステップS206;Yes)には、処置一覧出力処理部1830eは、釣銭準備金確認表印刷部830dを用いることによって、銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットに対する釣銭準備金確認表の印刷を行って(ステップS207)、表示したポップアップウィンドウを消去して(ステップS208)、処理を終了する。また、優先対処を確認するためのポップアップウィンドウにおいて、「戻る」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS206;No)には、ステップS207の処理をスキップしてステップS208に移行する。
ステップS202でカウントした釣銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットの台数が所定の閾値未満の場合(ステップS203;No)には、処置一覧出力処理部1830eは、図15(c)に示したような通常対処を確認するためのポップアップウィンドウの表示を行う(ステップS209)。通常対処を確認するためのポップアップウィンドウにおいて、「優先対処」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS210;Yes)には、ステップ204に遷移する。また、通常対処を確認するためのポップアップウィンドウにおいて、「実行」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS210;No、ステップS211;Yes)には、処置一覧出力処理部1830eは、図16に示したような通常対処指示書の印刷を行って(ステップS212)、ステップS208に移行する。また、通常対処を確認するためのポップアップウィンドウにおいて、「戻る」ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS211;No)には、ステップS212の処理をスキップしてステップS208に移行する。
上述してきたように、実施例2では、レジユニットから送信されてきたレジユニットの貨幣在高及びレジユニットの状態をレジ状態データ834aとして記憶し、該レジ状態データ834aに基づいてレジユニットごとの釣銭準備金の補充の要否及び緊急度の判定と、リジェクト収納部の回収の要否の判定と、あふれ収納部の回収の要否の判定とを行い、レジユニットごとの判定結果を表示し、釣銭準備金の補充の緊急度の判定結果に基づいて優先して対処するレジユニットの要否を判定し、優先対処が必要なレジユニットが有る場合と優先対処が必要なレジユニットが無い場合に分けて、レジユニットごとの釣銭準備金の補充、リジェクト収納部の回収及びあふれ収納部の回収を実施するために必要な情報を選択的に出力するよう構成したので、複数のレジユニットのうちの貨幣の補充又は回収の対象となるレジユニットの特定とその緊急度を効率良く判定するとともに、緊急度に応じた優先順番で補充又は回収の対処に必要な情報を効率良く担当者に把握させることができる。
なお、実施例2では、レジユニットの貨幣の在高に基づいて釣銭準備金の補充の緊急度を判定し、同一レジグループ内の釣銭準備金の補充の緊急度が高いレジユニットの台数に基づいて、緊急対処とするか通常対処とするかの判定を行うものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リジェクト収納部かあふれ収納部の貨幣の回収に関しても、「フル」の場合には緊急度が高いと判定するようにしてもよい。また、例えば、対処の緊急度が高いレジユニットの台数だけではなく、対処の緊急度が高くないレジユニットの台数の情報も考慮して、緊急対処とするのか通常対処とするのかを判定するようにしてもよい。また、緊急対処を行う場合に、緊急対処に必要な情報を含む緊急対処用の指示書と、該緊急対処用の指示書に含まれない緊急度の高くない対処に必要な情報を含む指示書とを別々の指示書として一度に出力するようにしてもよい。
また、上述の実施例1及び実施例2では、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金収納機400の在高や発生しているエラーのエラーコードなどの情報は、POSレジスタ300、POSサーバ700を経由して管理サーバ800、1800に送信されるものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、硬貨釣銭機100からPOSレジスタ300に送信している情報を、POSレジスタ300、POSサーバ700以外の装置を介して管理サーバ800、1800に送信するようにしてもよいし、硬貨釣銭機100から管理サーバ800、1800に直接送信するようにしてもよい。
また、上述の実施例1及び実施例2では、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、棒金収納機400及びPOSレジスタ300で構成されるレジユニットを対象として実施例を説明してきたが、本発明はレジユニットの構成についてこれに限定されるものではない。例えば、本実施例で説明してきた硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、棒金収納機400及びPOSレジスタ300の機能が一体となった装置で実現するようにしてもよい。また、4つの装置のうち2つ又は3つの装置の機能が一体となった装置を含む構成で実現するようにしてもよい。
また、上述の実施例1及び実施例2では、釣銭準備金確認表若しくは通常対処指示書にレジユニットごとに釣銭準備金として払い出す貨幣の金種別の数量の情報を含むバーコードを印刷して、このバーコードを両替機500で読み取ってレジユニットごとの釣銭準備金の払い出しを行うものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レジユニットごとに釣銭準備金として払い出す貨幣の金種別の数量をICカード等の記憶媒体に出力し、両替機500は該記憶媒体から読み取った情報に基づいてレジユニットごとの釣銭準備金を払い出すようにしてもよい。
また、上述の実施例1及び実施例2では、バックオフィスに両替機500及び売上入金機600を設置するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。中規模若しくは小規模の店舗においては両替機500及び売上入金機600に代えて、紙幣をリサイクル運用可能な売上入出金機を設置するようにしてもよい。両替機500及び売上入金機600に代えて売上入出金機を設置するようにすると、貨幣の収納容量は少なくなるものの、設置スペースが少なくて済む。
また、上述の実施例1及び実施例2では、釣銭準備金の払い出しの対象となる装置を売上金の決済を行うレジユニットとして説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子マネーのチャージ機も、貨幣を受け付けて釣銭を払い出すということに関しては上述の実施例1及び実施例2で説明するレジと同様であることから、本発明に係る構成要素を搭載することにより本発明の内容を適用することが可能である。
また、上述の実施例1及び実施例2で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。