以下、図1乃至図5(a)〜(e)を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
(袋)
図1Aおよび図1Bは、本実施の形態における袋10を、その表面11側から見た場合を示す正面図である。また図2は、図1に示す袋10をII−II方向から見た場合を示す断面図である。本実施の形態においては、袋10が、扁平なピロー袋として構成される例について説明する。この場合、表面11および裏面12はそれぞれ、扁平なピロー袋の一方の面および他方の面に相当する。袋10は、表面11を構成する積層フィルム1と裏面12を構成する積層フィルム1とを、熱溶着などによって接合することによって得られるシール部を含んでいる。内容物を収容するための袋10の収容部15は、シール部や袋10の側縁などによって囲われた部分に形成される。
なお本明細書において、「袋」とは、内容物が収容された後の状態の袋だけでなく、内容物が収容される前の状態の袋をも含む概念である。図1Aにおいては、内容物が充填されていない状態の袋、すなわち内容物が収容される前の状態の袋であって、袋の上部を介して内容物の充填を行うために袋の上部が未だシールされていない(すなわち未シール部になっている)状態の袋の正面図が示されている。また図1Bにおいては、内容物が収容された状態の袋の正面図が示されている。以下の説明において、図1Aに示すように、内容物が充填されておらず、かつ袋の上部や側部など充填の際に利用される部分が開口部となっている状態の袋には符号10Aを付す。また、図1Bに示すように、内容物が収容された状態の袋には符号10Bを付す。袋10Aに内容物を充填した後、充填の際に利用された開口部を熱溶着などによって閉鎖することにより、内容物が収容された袋10Bが得られる。本願発明は、特に断らない限り、内容物が充填される前の袋10A、および内容物が充填された後の袋10Bのいずれをも対象としている。なお、袋10Aおよび袋10Bに共通する構成要素について説明する場合、袋に符号10を付す場合がある。
後述する易開封線30に沿って破断された袋10Bから注出され得る程度の流動性を有する限りにおいて、袋10に収容される内容物が特に限られることはない。例えば、袋10に充填される内容物として、ポン酢やドレッシングや液体洗剤などの液体、マヨネーズやケチャップやシャンプーやリンスなどの粘稠体、粉末調味料などの粉状体や粒状体など、流動性を有する流動物を挙げることができる。また収容部15には、液体、粘稠体、粉状体や粒状体の他に、空気などの気体が充填されていてもよい。すなわち、空気などの気体が、収容部15に収容される内容物の一部を構成していてもよい。空気などの気体は、後述するように、収容部15に収容される内容物の体積を調整するために利用され得る。
次に、積層フィルム1の層構成について説明する。図2に示すように、表面11および裏面12を構成する積層フィルム1は、袋10の内面1bを構成する熱可塑性樹脂層4と、熱可塑性樹脂層4よりも袋10の外面1a側に位置する基材層3と、を含んでいる。図2に示す例においては、基材層3が袋10の外面1aを構成している。基材層3には、製品情報を示すための印刷表示が施されていてもよい。印刷表示としては、文字、数字、記号、図形、絵柄などを挙げることができる。積層フィルム1全体の厚みは、例えば20μm以上かつ250μm以下になっている。
なお、表面11および裏面12は、基材層3に施される印刷によって特に区別されるものではない。例えば、後述する上部シール部21および下部シール部22によって扁平な形状を有するようになった袋10の2つの面のうち、後述する易開封線30が形成されている面を、表面11と定義し、表面11の反対側の面を、裏面12と定義してもよい。なお袋10がピロー袋である場合、後述する合掌シール部25が形成される側の面を裏面12と定義してもよい。
基材層3を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやナイロンなどを用いることができる。基材層3によって、積層フィルム1の強度や、積層フィルム1の外面1aにおける印刷適性を確保することができる。また基材層3は、熱溶着時の高い耐熱性を有している。基材層3の厚みは、例えば5μm以上かつ30μm以下になっている。
熱可塑性樹脂層4を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。熱可塑性樹脂層4の厚みは、例えば20μm以上かつ250μm以下になっている。
図2に示すように、積層フィルム1は、基材層3と熱可塑性樹脂層4との間に配置される中間層5をさらに含んでいてもよい。中間層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、中間層として、アルミニウム箔などの金属層や、アルミニウムなどの金属または酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層などが設けられ得る。その他にも、中間層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどの、高いガスバリア性を有する樹脂層を設けてもよい。このような中間層を設けることにより、酸素や水蒸気が袋10の内部に浸入することを抑制することができる。また中間層として、延伸ナイロンフィルムを設けてもよい。この場合、積層フィルム1の耐突き刺し性を高めることができる。
次に、袋10の形状について説明する。図1Aおよび図1Bに示すように、袋10の輪郭は、互いに対向する上縁21aおよび下縁22aと、上縁21aから下縁22aに向かう方向に延び、互いに対向する第1側縁23aおよび第2側縁24aと、を含んでいる。図1Aおよび図1Bにおいて、上縁21aから下縁22aに向かう方向であって、上縁21aと下縁22aとを最短距離で結ぶ方向(以下、第1方向とも称する)が、符号D1が付された矢印で表されている。また、第1側縁23aから第2側縁24aに向かう方向であって、第1方向D1に直交する方向(以下、第2方向とも称する)が、符号D2が付された矢印で表されている。
なお、上縁、下縁、側縁や後述する上部シール部、下部シール部、側部シール部などの用語は、下縁22aが下方に位置するように袋10が立設されている状態を基準とする表現であるが、袋10は、自立可能に構成されたものでなくてもよい。例えば袋10の立設状態は、人の手などによる補助の下で実現可能な状態であってもよい。すなわち、上縁、下縁、上部シール部や下部シール部という表現は、袋10の各要素における相対的な位置関係を示すにすぎず、使用時の袋10の姿勢を制限するものではない。
内容物が充填される前の状態の袋10Aを示す図1Aにおいて、第1方向D1における袋10Aの上縁21aの寸法が符号L1Aで表され、第2方向D2における袋10Aの第1側縁23aの寸法が符号L2Aで表されている。本実施の形態において、袋10Aは、第1方向D1を長手方向とする長方形の形状を有している。すなわち、寸法L1Aは寸法L2Aよりも大きくなっている。例えば、L1A/L2Aは2より大きくなっており、好ましくは3以上かつ5以下になっている。好ましくは寸法L1Aが150mm以下になっている。これらの寸法の範囲が満たされる場合、後述するように袋10Bから内容物を注出する際、使用者が片手で袋10Bを折り曲げて袋10Bを易開封線30に沿って破断させることができる。
内容物が収容された状態の袋10Bを示す図1Bにおいて、第1方向D1における袋10Bの上縁21aの寸法が符号L1Bで表され、第2方向D2における袋10Bの第1側縁23aの寸法が符号L2Bで表されている。袋10Bの寸法L1Bおよび寸法L2Bは一般に、上述の袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Bと略同一である。すなわち、内容物の充填の前後で、袋10の上縁21aの寸法および第1側縁23aの寸法はほとんど変化しない。
次に、表面11を構成する積層フィルム1の熱可塑性樹脂層4と裏面12を構成する積層フィルム1の熱可塑性樹脂層4とを熱溶着などによって接合することによって得られるシール部について説明する。図1Bに示すように、シール部は、上縁21aに沿って延びる上部シール部21と、下縁22aに沿って延びる下部シール部22と、を少なくとも有している。なお、内容物が充填される前の状態の袋10Aを示す図1Aにおいては、後に袋10Aの上部を介して内容物を充填するため、袋10Aの上部が未だシールされていない。図1Aにおいて、袋10Aに内容物が充填された後にシールされて上部シール部21となる部分(以下、未シール部とも称する)が符号21bで表されている。収容部15は、上部シール部21または未シール部21bと下部シール部22との間であって、第1側縁23aと第2側縁24aとの間の領域に形成されている。また本実施の形態において、袋10はピロー袋であり、この場合、シール部は、第1側縁23aと第2側縁24aの間、例えば第1側縁23aと第2側縁24aのほぼ中間に配置され、上縁21aから下縁22aに向かって延びる合掌シール部25をさらに有している。合掌シール部25は、背シール部とも称される部分である。本実施の形態において、合掌シール部25は、上縁21aおよび下縁22aの両方に達するよう延びている。
なお図1Aおよび図1Bにおいては、袋10の上縁21aおよび下縁22aにまで上部シール部21(または未シール部21b)および下部シール部22がそれぞれ広がっている例を示したが、これに限られることはない。例えば、袋10の上縁21aにまでは上部シール部21(または未シール部21b)が広がっておらず、このため、上縁21aが非シール部となっていてもよい。下縁22aについても同様である。
本実施の形態において、収容部15は、上部シール部21または未シール部21b、下部シール部22、第1側縁23aおよび第2側縁24aによって囲われた領域として画定されている。内容物が充填される前の状態の袋10Aを示す図1Aにおいて、第1方向D1における収容部15の寸法が符号L3Aで表され、第2方向D2における収容部15の寸法が符号L4Aで表されている。また、内容物が収容された状態の袋10Bを示す図1Bにおいて、第1方向D1における収容部15の寸法が符号L3Bで表され、第2方向D2における収容部15の寸法が符号L4Bで表されている。寸法L1A,L2Aの場合と同様に、寸法L3Aは寸法L4Aよりも大きくなっている。例えば、L3A/L4Aは2より大きくなっており、好ましくは3以上かつ5以下になっている。好ましくは寸法L3Aが140mm以下になっている。また、寸法L1B,L2Bの場合と同様に、寸法L3Bは寸法L4Bよりも大きくなっている。例えば、L3B/L4Bは2より大きくなっており、好ましくは3以上かつ5以下になっている。
なお、袋10がピロー袋である場合、袋10Bの寸法L3Bは一般に、上述の袋10Aの寸法L3Aと略同一である。すなわち、内容物の充填の前後で、第1方向D1における収容部15の寸法はほとんど変化しない。一方、袋10がピロー袋である場合、図1Bに示すように、第2方向D2における袋10Bの収容部15の寸法L4Bは、第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L4Aよりも小さくなる。なぜなら、ピロー袋においては第1側縁23aおよび第2側縁24aにシール部が形成されておらず、このため、第1側縁23aおよび第2側縁24aにおいて袋10Bが形状を保持する力が、特に上部シール部21および下部シール部22から離れるほど小さくなり、この結果、図1Bに示すように、平面視における袋10Bが、上部シール部21と下部シール部22との中間において第2方向D2で括れた形状を有するようになるからである。また、後述する図4に示されるように、上部シール部21と下部シール部22との中間においては、その他の部分に比べて、袋10Bがその厚さ方向に膨れることになる。本実施の形態において、収容部15の上述の寸法L4Bは、第2方向D2における収容部15の最小寸法を意味している。言い換えると、寸法L4Bは、収容部15のうち第2方向D2において最も括れている部分の、第2方向D2における寸法を意味している。
図1A、図1Bおよび図2に示すように、表面11を構成する積層フィルム1には、収容部15と重なるよう配置された易開封線30が形成されている。なお「重なる」とは、第1方向D1および第2方向D2のいずれにも直交する方向、すなわち袋10の厚み方向に沿って袋10を見た場合に易開封線30と収容部15とが重なることを意味している。易開封線30は、図2に示すように、表面11を構成する積層フィルム1を貫通しないように構成されている。例えば、易開封線30は、熱可塑性樹脂層4に達しないように積層フィルム1の外面1aに形成された凹部1cを含んでいる。なお図2においては、易開封線30の凹部1cが基材層3を貫通して中間層5に達するよう構成される例が示されているが、これに限られることはない。例えば、易開封線30の凹部1cは、基材層3を貫通しないように構成されていてもよい。
易開封線30の凹部1cの深さDや幅Wは、使用者が袋10Bを折り曲げた時に易開封線30が容易に破断し得るよう、設定される。例えば、易開封線30の凹部1cの深さDは、5μm以上かつ100μm以下に設定され、幅Wは、1500μm以下に設定される。
次に図3を参照して、第1方向D1および第2方向D2のいずれにも直交する方向に沿って袋10を見た場合の易開封線30の形状について説明する。図3は、図1Aに示す袋10Aにおいて符号IIIが付された一点鎖線によって囲まれた部分を拡大して示す正面図である。
図3に示すように、易開封線30は、上側易開封線37と、上側易開封線37よりも下縁22a側に位置する下側易開封線38と、を少なくとも含んでいる。上側易開封線37は、下側易開封線38に向かって凸となる突出部を含んでおり、また下側易開封線38は、上側易開封線37に向かって凸となる突出部を含んでいる。そして、上側易開封線37の突出部と下側易開封線38の突出部とが接している。以下の説明において、上側易開封線37の突出部と下側易開封線38の突出部とが接している部分のことを、連結部31とも称する。また、上側易開封線37のうち、連結部31の第1側縁23a側の端部に接続されている部分を第1線32とも称し、連結部31の第2側縁24a側の端部に接続されている部分を第2線33とも称する。また、下側易開封線38のうち、連結部31の第1側縁23a側の端部に接続されている部分を第3線34とも称し、連結部31の第2側縁24a側の端部に接続されている部分を第4線35とも称する。連結部31は、上側易開封線37および下側易開封線38の両方に共通する要素である。図3において、第1線32および第3線34の、連結部31とは反対側の端部(以下、遠位端とも称する)がそれぞれ符号32eおよび符号34eで表されている。また、第2線33および第4線35の、連結部31とは反対側の端部(以下、遠位端とも称する)がそれぞれ符号33eおよび符号35eで表されている。
なお図3においては、上側易開封線37と下側易開封線38とが接する連結部31が、所定の方向、ここでは第2方向D2に沿って延びる線状のものである例が示されているが、上側易開封線37と下側易開封線38とが接する限りにおいて、連結部31の形態が特に限られることはない。例えば上側易開封線37と下側易開封線38とは一点で接していてもよい。すなわち連結部31は、線ではなく点であってもよい。
好ましくは、上側易開封線37の突出部の頂点、および下側易開封線38の突出部の頂点はいずれも、連結部31に位置している。すなわち、上側易開封線37および下側易開封線38が互いの突出部の頂点で接している。また好ましくは、連結部31は、上縁21aと下縁22aとの間の第2方向D2における中間点に位置している。若しくは、連結部31は、第2方向D2における収容部15の中心点に位置している。このように上側易開封線37および下側易開封線38を構成することにより、使用者が袋10Bの上縁21a側の部分および下縁22a側の部分を把持して袋10Bを折り曲げる際に、袋10Bの破断が連結部31以外の位置で開始されてしまうことを抑制することができる。なお本実施の形態において、上側易開封線37の突出部の頂点は、上側易開封線37のうち最も下部に位置する点となっており、また下側易開封線38の突出部の頂点は、下側易開封線38のうち最も上部に位置する点となっている。
なお図示はしないが、上側易開封線37と下側易開封線38とが、突出部の頂点以外の部分で互いに接していてもよい。
また図3においては、上側易開封線37の第1線32および第2線33が全域にわたって湾曲した円弧状の形状を有し、これによって、下側易開封線38に向かって凸となる突出部が構成される例が示されているが、これに限られることはない。上側易開封線37のうち少なくとも連結部31に接続された部分が、下側易開封線38に向かって凸となっていればよい。同様に、図3においては、下側易開封線38の第3線34および第4線35が全域にわたって湾曲した円弧状の形状を有し、これによって、上側易開封線37に向かって凸となる突出部が構成される例が示されているが、これに限られることはない。下側易開封線38のうち少なくとも連結部31に接続された部分が、上側易開封線37に向かって凸となっていればよい。上側易開封線37の突出部の突出方向、および下側易開封線38の突出部の突出方向はそれぞれ、袋10の長手方向(第1方向D1)に一致していることが好ましい。
上側易開封線37および下側易開封線38は、好ましくは、上縁21aから下縁22aに向かう方向(第1方向D1)に直交する方向(第2方向D2)に延びる直線に対して線対称となるよう構成されている。例えば図3に示すように、上側易開封線37および下側易開封線38は、第2方向D2に延び、かつ連結部31を通る直線Mに対して線対称となっている。これによって、袋10Bを折り曲げて袋10Bの一部を破断させる際、上側易開封線37に沿う破断と下側易開封線38に沿う破断とを均等に生じさせることができる。このことにより、袋10Bから注出される内容物の注出方向が、上縁21a側または下縁22a側に偏ってしまうことを抑制することができる。
(充填後の袋の形状について)
ところで、内容物が収容された袋10Bの、易開封線30に沿った破断は、袋10Bを折り曲げたり収容部15を押したりすることによって収容部15の内部の圧力を上昇させることに起因して生じる。一方、袋10Bを折り曲げたり収容部15を押したりすることによって生じる、収容部15の内部の圧力の上昇の程度は、収容部15における内容物の充填の程度に、ひいては袋10Bの三次元的な形状に依存する。例えば、収容部15に収容されている内容物の体積が小さく、このため厚み方向における袋10Bの膨らみの程度が小さい場合、袋10Bの上部シール部21と下部シール部22とが接するようになるまで袋10Bを折り曲げたとしても、収容部15の内部の圧力が十分に上昇せず、このため易開封線30における袋10Bの破断が開始しないことが考えられる。従って、袋10Bの開封性を高めるためには、袋10Bの三次元的な形状を適切に設定することが重要であると言える。ここで本件発明者らが鋭意実験を重ねた結果、後述する実施例によって支持されるように、袋10Bを折り曲げることによって易開封線30における袋10Bの破断を適切に開始させるためには、下記の条件(1)または(2)のうちの少なくとも1つが成立していることが重要であることを見出した。詳細については実施例において後述する。
条件(1):H/(L3B)0.5≧0.65
条件(2):H/(L3B×L4B)0.5≧0.15
なお上記の条件(1)、(2)において、符号Hは、袋10Bの収容部15の厚みを表している。ここでは、厚みHとして、厚み方向における収容部15の寸法の最大値が採用される。厚み方向とは、上述の第1方向D1および第2方向D2に直交する方向である。本実施の形態において、厚み方向における収容部15の寸法は、収容部15のうち第2方向D2において最も括れている部分で最大になる。すなわち、上部シール部21と下部シール部22との中間において厚みが最大になる。図4は、上部シール部21と下部シール部22との中間において袋10Bを第2方向D2に沿って切断した場合を示す断面図である。
(易開封線の形成範囲について)
次に、易開封線30が形成される範囲について説明する。図1Aおよび図3において、袋10Aの表面11のうち易開封線30が形成されている領域の、第1方向D1における寸法および第2方向D2における寸法がそれぞれ符号L5および符号L6で表されている。本実施の形態において、寸法L5は、上側易開封線37の遠位端32eと下側易開封線38の遠位端34eとの間の距離、または上側易開封線37の遠位端33eと下側易開封線38の遠位端35eとの間の距離に等しい。また寸法L6は、上側易開封線37の遠位端32eと遠位端33eとの間の距離、または下側易開封線38の遠位端34eと遠位端35eとの間の距離に等しい。
本実施の形態においては、袋10Bを折り曲げた際の袋10Bの破断が連結部31で開始することを想定している。この場合、連結部31で開始した袋10Bの破断は、その後、上側易開封線37および下側易開封線38に沿って外側へ進行する。具体的には、第1線32に沿って遠位端32eへ向かう破断、第2線33に沿って遠位端33eへ向かう破断、第3線34に沿って遠位端34eへ向かう破断、および、第4線35に沿って遠位端35eへ向かう破断がそれぞれ進行する。袋10Bの破断の進行は、内容物を注出するための注出口が拡大することを意味している。一方、内容物の種類によっては、注出口の過剰な拡大を使用者が望まない場合がある。例えば、内容物がマヨネーズやケチャップなどの粘稠体である場合、意図した位置で意図した量の内容物が注出されることが一般に好ましい。注出口の過剰な拡大を抑制するためには、易開封線30が形成されている領域の上述の寸法L5および寸法L6を適切に設定することが重要になる。なお、使用者が袋10Bの上縁21a側の部分および下縁22a側の部分を支持して袋10Bを折り曲げる場合、袋10Bの破断は、袋10Bの長手方向(第1方向D1)よりも、長手方向に直交する方向(第2方向D2)において進行し易い。従って、第2方向D2における易開封線30の寸法L6を適切に設定することがより重要になる。ここで本件発明者らが鋭意実験を重ねた結果、後述する実施例によって支持されるように、注出口の過剰な拡大を抑制するためには、第2方向D2における易開封線30の寸法L6が、第2方向D2における収容部15の寸法L4Aの1/2以下であることが有効であることを見出した。詳細については実施例において後述する。
上述の寸法L5は、袋10Bを折り曲げることによって表面11の積層フィルム1に生じる引張応力が易開封線30に適切に加えられるように設定されることが好ましい。例えば、易開封線30が形成されている領域が、平面視における収容部15の中心点に重なることが好ましい。より好ましくは、易開封線30の上述の連結部31が、平面視における収容部15の中心点に重なっている。
次に、上述の袋10を製造する方法の一例について、図5(a)〜(e)を参照して説明する。
はじめに、長尺状の積層フィルム1を準備する。次に図5(a)に示すように、積層フィルム1を搬送方向Tに沿って搬送しながら、積層フィルム1の外面1aに易開封線30を形成する。形成される易開封線30の数は、長尺状の積層フィルム1に割り付けられる袋10の数に応じて設定される。
積層フィルム1に易開封線30を形成するための方法が特に限られることはなく、様々な方法を採用することができる。例えば、レーザー光やカッターなどの刃物を利用して積層フィルム1の外面1aに凹部を形成することができる。
次に図5(b)に示すように、積層フィルム1の内面1bが内側に位置するように、積層フィルム1の長手方向に沿って積層フィルム1を折り曲げて筒状体にする。この際、長手方向に沿って延びる積層フィルム1の一対の側縁1eの内面1bが、平面視における筒状体の中央部において互いに接するようにする。図5(b)および後述する図5(c)〜図5(e)においては、積層フィルム1のうち後に袋10の裏面12となる面が正面に位置し、後に表面11となる面が背面に位置するように、積層フィルム1が折り曲げられた状態が示されている。
次に、筒状体の積層フィルム1の長手方向における一対の端部のうち、搬送方向Tにおける下流側の端部において、向かい合う内面1b同士を加熱しながら挟圧することにより、図5(c)に示すようにシール部20を形成する。シール部20は、筒状体の積層フィルム1の幅方向の全域にわたって延びるように形成される。このシール部20は、後に袋10の下部シール部22となるものである。また図5(c)に示すように、搬送方向Tにおける下流側の端部から、積層フィルム1の長手方向における一定の範囲にわたって、積層フィルム1の一対の側縁1eおよびその周辺部分を加熱しながら挟圧して、搬送方向Tに沿って延びるシール部20を形成する。このシール部20は、後に袋10の合掌シール部25となるものである。図5(c)に示す形態において、筒状体の積層フィルム1のうち搬送方向Tにおける下流側の端部から一定の範囲内に位置する部分には、下流側の端部に形成されたシール部20と、搬送方向Tに沿って延びるシール部20とによって囲まれた収容部15が形成されている。また図5(c)に示すように、筒状体の積層フィルム1のうち搬送方向Tにおける上流側の部分では、積層フィルム1の一対の側縁1eが未だ溶着されておらず、このため下流側の収容部15に連通する開口部が存在している。従って、図5(c)に示す形態は、内容物が充填されておらず、かつ収容部15への充填の際に利用される部分が開口部となっている状態の袋10Aを部分的に含んでいるとも言える。
次に図5(c)において矢印Fで示すように、筒状体の積層フィルム1の一部に形成された袋10Aの収容部15へ、搬送方向Tにおける上流側から内容物13を充填する。上述のように内容物は、液体、粘稠体、粉状体や粒状体の他に、空気などの気体を含んでいてもよい。その後、図5(d)に示すように、筒状体の積層フィルム1のうち内容物13が充填された部分の上流側にシール部20を形成して、収容部15を閉鎖する。シール部20は、筒状体の積層フィルム1の幅方向の全域にわたって延びるように形成される。この際、収容部15の三次元的な形状が上述の条件(1)または(2)のうちの少なくとも1つを満たすよう、内容物を収容部15に充填する際の圧力や、シール部20を形成するタイミングが制御される。
次に、収容部15を閉鎖するために形成されたシール部20の位置において、筒状体の積層フィルム1の幅方向に沿って積層フィルム1を切断する。この場合、図5(e)に示すように、切断されたシール部20の一方が、袋10Bの上部シール部21になる。このようにして、表面11に易開封線30が形成され、かつ収容部15に内容物が充填された袋10を製造することができる。また、上述の図5(c)〜図5(e)に示す工程を繰り返すことによって、袋10Bをさらに製造することができる。
(内容物の注出方法)
次に、袋10Bの一部を破断させて内容物を注出する方法の一例について説明する。
はじめに使用者は、易開封線30が形成されている表面11が下に向くよう、袋10Bを保持する。袋10Bの下方には、内容物が注がれるべき対象物が配置されている。次に使用者は、袋10Bの上縁21a側の部分および下縁22a側の部分を片手または両手で支持して袋10Bを折り曲げる。折り曲げは、表面11が外側に位置し、裏面12が内側に位置するよう、実施される。これによって収容部15が圧縮され、この結果、収容部の内部の圧力が上昇する。このため、表面11および裏面12を構成する積層フィルム1に引張応力が発生する。この際、外側に位置する表面11の積層フィルム1に発生する引張応力は、内側に位置する裏面12の積層フィルム1に発生する引張応力よりも大きくなる。
ここで本実施の形態においては、袋10Bの収容部15の三次元的な形状が上述の条件(1)または(2)のうちの少なくとも1つを満たすよう、収容部15に内容物13が充填されている。このため、袋10Bを折り曲げることによって、収容部15の内部の圧力を、袋10Bが表面11の易開封線30に沿って破断され得る程度に十分に上昇させることができる。例えば、袋10Bの上部シール部21と下部シール部22とが裏面12側において接するようになるまで袋10Bを折り曲げるよりも前に、袋10Bを表面11の易開封線30に沿って破断させることができる。このため使用者は、袋10Bを折り曲げることによって容易に内容物を注出することができる。また、より小さな力で袋10Bを易開封線30に沿って破断させることができるので、使用者は、袋10Bの易開封線30の位置や向きを制御することができる。このため、内容物をより正確に対象物に注ぐことができる。
また本実施の形態においては、上述のように、第2方向D2における易開封線30の寸法L6が、第2方向D2における収容部15の寸法L4Aの1/2以下になっている。このため、袋10Bを易開封線30に沿って破断させることによって形成される注出口が、第2方向D2において過剰に拡大してしまうことを抑制することができる。このことにより、袋10Bから注出される内容物の位置や量を制御することができる。
なお、上述した各実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した各実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(充填方法の変形例)
上述の本実施の形態においては、上縁21aなど袋10Aの縁部に沿って形成されている開口部を利用して、袋10Aの収容部15に内容物を充填する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、袋10Aの縁部以外の位置に形成された開口部を利用して、内容物の全部または一部を収容部15に充填してもよい。例えば図6(a)に示すように、袋10Aの縁部から離れた位置に、収容部15に連通する充填口18が形成されており、この充填口18を介して、例えば気体などの内容物13を収容部15に充填する。その後、図6(b)に示すように、充填口18を閉鎖する充填口シール部26を形成する。このようにして、内容物13が充填された袋10Bを得ることができる。
(袋の形態の第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、袋10がピロー袋として構成される例を示したが、これに限られることはない。本変形例においては、袋10が三方シール袋として構成される例について説明する。
図7は、本変形例における袋10Aを示す正面図である。図7の袋10Aは、一枚の積層フィルム1を第2側縁24aで折り返したものである。図7に示すように、袋10Aは、後に上部シール部21となる未シール部21bおよび下部シール部22に加えて、第1側縁23aに沿って延びる第1側部シール部23をさらに有している。この場合、収容部15は、未シール部21bと下部シール部22との間であって、第1側部シール部23と第2側縁24aとの間の領域に形成される。
なお図7においては、袋10Aの第1側縁23aにまで第1側部シール部23が広がっている例を示したが、これに限られることはない。例えば、袋10Aの第1側縁23aにまでは第1側部シール部23が広がっておらず、このため、第1側縁23aが非シール部となっていてもよい。
また図7においては、上縁21a、下縁22aおよび第1側縁23aに沿ってシール部が形成される三方シール袋の例を示したが、これに限られることはない。例えば、図示はしないが、上縁21a、第1側縁23aおよび第2側縁24aに沿ってシール部が形成される三方シール袋であってもよい。
第1側部シール部23が形成される場合、図7に示すように、第1側縁23aには、開封開始手段として、第1側部シール部23に至る切欠き23bが形成されていてもよい。切欠き23bは、使用者が袋10Bの上縁21a側の部分および下縁22a側の部分を把持して袋10Bを折り曲げる際に、折れ曲がりの起点となるよう構成されている。従って、このような切欠き23bを形成することにより、意図した位置で袋10Bを屈曲させることができるようになる。なお、折れ曲がりの起点となり得る限りにおいて、開封開始手段の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、開封開始手段は、第1側部シール部23に形成された切込みや傷痕群であってもよい。傷痕群は例えば、表面11や裏面12の積層フィルム1を貫通するように形成された複数の貫通孔を含んでいてもよい。若しくは、傷痕群は、積層フィルム1を貫通しないように積層フィルム1の外面1aに形成された複数の孔を含んでいてもよい。例えば傷痕群の孔は、積層フィルム1の基材層3のみを貫通し、熱可塑性樹脂層4を貫通していなくてもよい。
図8は、図7に示す袋10Aにおいて符号VIIIが付された一点鎖線によって囲まれた部分を拡大して示す正面図である。折れ曲がりの起点となることができる限りにおいて、切欠き23bの形状が特に限られることはないが、好ましくは、切欠き23bは、収容部15に向かって先細になる形状を有している。例えば図8に示すように、切欠き23bは、第1側縁23aを延長した線を仮想的な一辺とする三角形の形状を有していてもよい。この場合、好ましくは図8に示すように、収容部15に向かう2辺の間に形成される角度(図8の頂部23cにおける角度)θが、三角形のその他の角度よりも小さくなるよう、切欠き23bが形成される。
好ましくは切欠き23bは、図8に示すように、上縁21aから下縁22aに向かう方向(第1方向D1)に直交する方向(第2方向D2)に沿って袋10を見た場合に易開封線30と少なくとも部分的に重なるよう、配置されている。例えば、切欠き23bは、易開封線30のうち最も上縁21a側に位置する部分を通り、かつ第2方向D2に延びる直線K1と、易開封線30のうち最も下縁22a側に位置する部分を通り、かつ第2方向D2に延びる直線K2と、によって挟まれた領域内に配置される。なお、切欠き23bは上述のとおり、折れ曲がりの起点を提供するためのものである。この点から考えると、切欠き23bの全体が直線K1と直線K2とによって挟まれた領域内に配置されている必要はない。例えば、切欠き23bの収容部15側の頂部23cが少なくとも直線K1と直線K2とによって挟まれた領域内に配置されていればよい。
図8において、符号dは、第1方向D1における、易開封線30の連結部31と切欠き23bの頂部23cとの間の距離を表している。易開封線30における破断を連結部31において開始させるためには、距離dが小さいことが好ましい。例えば距離dは、2mm以下になっている。
次に、図7に示す袋10を製造する方法の一例について、図9(a)〜(e)を参照して説明する。
はじめに、長尺状の積層フィルム1を準備する。次に図9(a)に示すように、積層フィルム1を搬送方向Tに沿って搬送しながら、積層フィルム1の外面1aに易開封線30を形成する。形成される易開封線30の数は、長尺状の積層フィルム1に割り付けられる袋10の数に応じて設定される。
次に図9(b)に示すように、積層フィルム1の内面1bが内側に位置するように、積層フィルム1の長手方向に沿って積層フィルム1を折り曲げて筒状体にする。この際、長手方向に沿って延びる積層フィルム1の一対の側縁1eの内面1bが、平面視における筒状体の端部において互いに接するようにする。図9(b)および後述する図9(c)〜図9(e)においては、積層フィルム1のうち後に袋10の裏面12となる面が正面に位置し、後に表面11となる面が背面に位置するように、積層フィルム1が折り曲げられた状態が示されている。
次に、筒状体の積層フィルム1の長手方向における一対の端部のうち、搬送方向Tにおける下流側の端部において、向かい合う内面1b同士を加熱しながら挟圧することにより、図9(c)に示すようにシール部20を形成する。シール部20は、筒状体の積層フィルム1の幅方向の全域にわたって延びるように形成される。このシール部20は、後に袋10の下部シール部22となるものである。また図9(c)に示すように、搬送方向Tにおける下流側の端部から、積層フィルム1の長手方向における一定の範囲にわたって、積層フィルム1の一対の側縁1eおよびその周辺部分を加熱しながら挟圧して、搬送方向Tに沿って延びるシール部20を形成する。このシール部20は、後に袋10の第1側部シール部23となるものである。図9(c)に示す形態において、筒状体の積層フィルム1のうち搬送方向Tにおける下流側の端部から一定の範囲内に位置する部分には、下流側の端部に形成されたシール部20と、搬送方向Tに沿って延びるシール部20とによって囲まれた収容部15が形成されている。また図9(c)に示すように、筒状体の積層フィルム1のうち搬送方向Tにおける上流側の部分では、積層フィルム1の一対の側縁1eが未だ溶着されておらず、このため下流側の収容部15に連通する開口部が存在している。従って、図9(c)に示す形態は、内容物が充填されておらず、かつ収容部15への充填の際に利用される部分が開口部となっている状態の袋10Aを部分的に含んでいるとも言える。
次に図9(c)において矢印Fで示すように、筒状体の積層フィルム1の一部に形成された袋10Aの収容部15へ、搬送方向Tにおける上流側から内容物13を充填する。その後、図9(d)に示すように、筒状体の積層フィルム1のうち内容物13が充填された部分の上流側にシール部20を形成して、収容部15を閉鎖する。シール部20は、筒状体の積層フィルム1の幅方向の全域にわたって延びるように形成される。この際、収容部15の三次元的な形状が上述の条件(1)または(2)のうちの少なくとも1つを満たすよう、内容物を収容部15に充填する際の圧力や、シール部20を形成するタイミングが制御される。
その後、収容部15を閉鎖するために形成されたシール部20の位置において、筒状体の積層フィルム1の幅方向に沿って積層フィルム1を切断する。このようにして、表面11に易開封線30が形成され、かつ収容部15に内容物が充填された袋10Bを製造することができる。また、上述の図9(c)〜図9(e)に示す工程を繰り返すことによって、袋10Bをさらに製造することができる。
本変形例においても、上述の本実施の形態の場合と同様に、袋10Bの収容部15の三次元的な形状が上述の条件(1)または(2)のうちの少なくとも1つを満たすよう、収容部15に内容物13が充填されている。このため、袋10Bを折り曲げることによって、収容部15の内部の圧力を、袋10Bが表面11の易開封線30に沿って破断され得る程度に十分に上昇させることができる。このため使用者は、袋10Bを折り曲げることによって容易に内容物を注出することができる。
また本変形例においては、上述のように、第1側部シール部23に、切欠き23bなど、折り曲げの際の起点となり得る開封開始手段が形成されている。このため、袋10Bを折り曲げる際、意図した位置で袋10Bを屈曲させることができる。また本変形例において、切欠き23bなどの開封開始手段は、第2方向D2に沿って袋10Bを見た場合に易開封線30と少なくとも部分的に重なるように形成されている。このため、易開封線30が形成されている位置において袋10Bを屈曲させることができる。このことにより、表面11の積層フィルム1のうち易開封線30が形成されている位置に、引張応力をより集中的に生じさせることができる。これによって、易開封線30における袋10Bの破断をより容易に生じさせることができる。
なお本変形例においても、袋10Aの縁部以外の位置に形成された開口部を利用して、内容物の全部または一部を収容部15に充填してもよい。この場合、袋10Aの縁部から離れた位置には、図10(a)に示すように、収容部15に連通する充填口18が形成されており、この充填口18を介して、例えば気体などの内容物13を収容部15に充填する。その後、図10(b)に示すように、充填口18を閉鎖する充填口シール部26を形成する。このようにして、内容物13が充填された袋10Bを得ることができる。
なお図11に示すように、切欠き23bは、第2方向D2に沿って袋10を見た場合に易開封線30が形成されている領域を超えて第1方向D1において広がるよう、構成されていてもよい。言い換えると、切欠き23bの上縁21a側の端部が、易開封線30よりも上縁21a側に位置していてもよく、また切欠き23bの下縁22a側の端部が、易開封線30よりも下縁22a側に位置していてもよい。この場合であっても、切欠き23bの収容部15側の頂部23cが直線K1と直線K2とによって挟まれた領域内に位置するように切欠き23bを構成することにより、表面11の積層フィルム1のうち易開封線30が形成されている位置に、引張応力をより集中的に生じさせることができる。
(袋の形態の第2の変形例)
上述の図7乃至図11においては、袋10が三方シール袋として構成される例を示したが、これに限られることはない。例えば図12に示すように、袋10Aが四方シール袋として構成されていてもよい。すなわち、袋10Aは、後に上部シール部21となる未シール部21b、下部シール部22および第1側部シール部23に加えて、第2側縁24aに沿って延びる第2側部シール部24をさらに有していてもよい。この場合、図12に示すように、上述の切欠き23bなどの開封開始手段が、第1側部シール部23および第2側部シール部24の両方に形成されていてもよい。なお図示はしないが、袋10が四方シール袋として構成されている場合に、切欠き23bなどの開封開始手段が、第1側部シール部23または第2側部シール部24の一方にのみ形成されていてもよい。
(易開封線の第1の変形例)
上述の本実施の形態および各変形例においては、上側易開封線37および下側易開封線38が円弧状の形状を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図13に示すように、上側易開封線37の第1線32および第2線33、並びに下側易開封線38の第3線34および第4線35は、直線状に形成されていてもよい。連結部31が、所定の長さを有する直線である場合、上側易開封線37および下側易開封線38はそれぞれ、図13に示すように、台形状の形状を有するようになる。また図示はしないが、連結部31が点である場合、上側易開封線37および下側易開封線38はそれぞれ、V字状の形状を有するようになる。
ところで、第1線32、第2線33、第3線34、第4線35が直線状に形成されている場合、使用者が袋10Bの上縁21a側の部分および下縁22a側の部分を支持して袋10Bを折り曲げる際、第1線32、第2線33、第3線34または第4線35に沿って袋10Bが折れ曲がり易くなることが考えられる。すなわち、第1線32、第2線33、第3線34または第4線35が袋10Bの折れ曲がりのガイドとして機能することが考えられる。この場合、表面11の積層フィルム1における引張応力が連結部31に集中しにくくなり、この結果、連結部31における袋10Bの破断が生じにくくなってしまうことが考えられる。このような課題は、第1線32と第4線35とが同一直線上に位置している場合、および、第2線33と第3線34とが同一直線上に位置している場合に生じやすいと考えらえる。
この点を考慮し、本変形例において好ましくは、第4線35は、第1線32を仮想的に延長した直線(図13において符号32iが付された点線)と重ならないよう、形成される。また第3線34は、第2線33を仮想的に延長した直線(図13において符号33iが付された点線)と重ならないよう、形成される。これによって、袋10Bが第1線32、第2線33、第3線34または第4線35に沿って折れ曲がってしまうことを抑制することができる。このことにより、袋10Bの破断が連結部31で開始され易くすることができる。
なお図13においては、第1線32、第2線33、第3線34および第4線35が全域にわたって直線状に形成される例を示したが、これに限られることはない。例えば図14に示すように、第1線32、第2線33、第3線34および第4線35のうち連結部31に接続された部分は、円弧状に形成され、一方、第1線32、第2線33、第3線34および第4線35のうち端部32e、33e、34e、35e側の部分は、直線状に形成されていてもよい。
(易開封線の第2の変形例)
上述の本実施の形態および各変形例においては、上側易開封線37および下側易開封線38を含む易開封線30が1つのみ、表面11を構成する積層フィルム1の外面1aに形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図15に示すように、上側易開封線37および下側易開封線38を含む易開封線30が、表面11を構成する積層フィルム1の外面1aに複数形成されてもよい。
なお図15に示すように、複数の易開封線30が第2方向D2に沿って並べられる場合、易開封線30が形成されている領域の、第2方向D2における寸法L6は、複数の易開封線30が存在する領域の寸法として定義される。
また図示はしないが、複数の易開封線30が第1方向D1に沿って並べられていてもよい。
(易開封線の第3の変形例)
上述の本実施の形態および各変形例においては、易開封線30が、互いに向かって凸となるよう構成され、かつ連結部31において接する上側易開封線37および下側易開封線38を含む例を示した。しかしながら、易開封線30の形態が、上側易開封線37および下側易開封線38の組み合わせに限られることはない。例えば図16に示すように、易開封線30は、第2方向D2に沿って延びるよう直線状に形成されていてもよい。この場合であっても、袋10Bの収容部15の三次元的な形状が上述の条件(1)または(2)のうちの少なくとも1つを満たすよう、収容部15に内容物13が充填されていることにより、使用者は、より小さな力で袋10Bを易開封線30に沿って破断させることができる。
また図16に示す例においても、第2方向D2における易開封線30の寸法L6を、第2方向D2における収容部15の寸法L4Aの1/2以下にすることにより、袋10Bを易開封線30に沿って破断させることによって形成される注出口が、第2方向D2に過剰に拡大してしまうことを抑制することができる。
また図示はしないが、図16に示す易開封線30が、図7乃至図12に示すような、第1側部シール部23に切欠き23bが形成されるタイプの袋10に適用されてもよい。
(易開封線の第4の変形例)
上述の本実施の形態においては、上側易開封線37が、下側易開封線38に向かって凸となる凸形状を全域にわたって有する例が示されているが、これに限られることはない。例えば図17に示すように、上側易開封線37のうち連結部31に接続された部分は、下側易開封線38に向かって凸となる凸形状を有するが、上側易開封線37のうち連結部31から離れた部分は、上縁21aに向かって延びる形状や、上縁21aに向かって凸となる形状を有していてもよい。下側易開封線38についても同様である。
なお図17に示すように上側易開封線37や下側易開封線38のうち連結部31から離れた部分が、上縁21aに向かって第1方向D1にほぼ沿って延びている場合、袋10Bを折り曲げたとしても、連結部31から離れた部分には十分な引張応力が発生せず、このため袋10Bの破断は、連結部31から離れた部分に至るよりも前に終了すると考えられる。すなわち、図17に示す易開封線30においては、連結部31近傍の部分のみが袋10Bの破断に寄与し、連結部31から離れた部分は袋10Bの破断に寄与しないと考えられる。この場合、易開封線30が形成されている領域の、第2方向D2における寸法としては、すなわち上述の寸法L6としては、易開封線30のうち袋10Bの破断に寄与する部分のみが考慮されてもよい。例えば、易開封線30のうち接線方向と第2方向D2とが成す角度φが45度以下となる部分のみが、袋10Bの破断に寄与するとして、寸法L6の算出において考慮されてもよい。
(易開封線の第4の変形例)
上述の本実施の形態および各変形例においては、第2方向D2における易開封線30の寸法L6が、第2方向D2における収容部15の寸法L4Aの1/2以下になっている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図18に示すように、第2方向D2における易開封線30の寸法L6が、第2方向D2における収容部15の寸法L4Aの1/2よりも大きくなっていてもよい。例えば図示はしないが、寸法L6が寸法L4Aと同一であってもよい。また図示はしないが、袋10が第1側部シール部23や第2側部シール部24を含む場合、易開封線30が第1側部シール部23や第2側部シール部24にまで到達していてもよく、易開封線30が第1側部シール部23や第2側部シール部24内にまで延びていてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例A1)
袋10Bの収容部15における内容物の体積を様々に変化させて、袋10Bを折り曲げたときの内容物の注出性を評価した。
まず、袋10の表面11および裏面12を構成する積層フィルム1を、以下のようにして作製した。はじめに、基材層3として、ポリエチレンテレフタレートからなる厚み12μmのフィルムを準備した。また熱可塑性樹脂層4として、低密度ポリエチレンからなる厚み50μmのフィルムを準備した。次に、ドライラミネート法を用いて2つのフィルムを貼り合せて、積層フィルム1を作製した。その後、積層フィルム1のうち表面11を構成する領域に炭酸ガスレーザーを照射して、上側易開封線37および下側易開封線38からなる易開封線30を形成した。上側易開封線37および下側易開封線38としては、互いに向かって凸となる突出部を有し、連結部31において接し、かつ円弧状の形状を有する、図1Aに示す形態を採用した。
その後、熱溶着によって下部シール部22および合掌シール部25を形成して、図1Aに示す袋10Aを得た。第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Aは、それぞれ75mmおよび20mmとした。また、第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L3Aおよび寸法L4Aは、それぞれ65mmおよび20mmとした。
次に、内容物としてマヨネーズを、袋10Aの上縁の開口部を介して収容部15に充填した。その後、熱溶着によって上部シール部21を形成して、ピロー袋の形態の袋10Bを作製した。この際、収容部15におけるマヨネーズの体積が順に低下するよう設定された、サンプル1〜5の5種類の袋10Bをそれぞれ作製した。第1方向D1における各サンプルの袋10Bの収容部15の寸法L3Bは、上述の袋10Aの寸法L3Aとほぼ同一であった。第2方向D2における各サンプルの袋10Bの収容部15の寸法L4Bおよび厚みHは、それぞれ以下のとおりであった。
サンプル1:L4B=16.1mm、H=7.0mm
サンプル2:L4B=16.3mm、H=6.8mm
サンプル3:L4B=16.8mm、H=6.0mm
サンプル4:L4B=17.2mm、H=5.3mm
サンプル5:L4B=17.6mm、H=4.5mm
次に、一方の手の親指および中指で袋10Bの上縁21aおよび下縁22aをそれぞれ支持した状態で、易開封線30が形成された表面11が外側に位置するように、各サンプルの袋10Bを折り曲げた。このとき、袋10Bが易開封線30において適切に破断されてマヨネーズが注出されるかどうかを確認した。サンプル1〜5の袋10Bにおける評価結果を表1に示す。表1の最も左側の列における数字は、サンプルの番号を表している。また表1の「開封性」の欄において、◎、〇、×の意味は以下のとおりである。
◎:袋10Bを軽く折り曲げると、易開封線30に沿って袋10Bが破断した。
〇:袋10Bを十分に折り曲げると、易開封線30に沿って袋10Bが破断した。
×:袋10Bの上部シール部21と下部シール部22とが接するようになるまで袋10Bを折り曲げても、袋10Bが破断しなかった。
また表1に、上述の条件(1)が成立しているかどうかを確認するための関数F1=H/(L3B)0.5を計算した結果、および、上述の条件(2)が成立しているかどうかを確認するための関数F2=H/(L3B×L4B)0.5を計算した結果を併せて示す。さらに表1に、関数F3=H/(L3A×L4A)0.5を計算した結果を併せて示す。
(実施例A2)
第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Aをそれぞれ50mmおよび20mmとし、第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L3Aおよび寸法L4Aをそれぞれ40mmおよび20mとしたこと以外は、上述の実施例A1の場合と同様にして、袋10Aを作製した。また、袋10Aにマヨネーズを充填した。これによって、収容部15におけるマヨネーズの体積が順に低下するよう設定された、サンプル11〜13の3種類の袋10Bをそれぞれ作製した。また、上述の実施例A1の場合と同様にして、サンプル11〜13の袋10Bの開封性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例A3)
第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Aをそれぞれ110mmおよび20mmとし、第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L3Aおよび寸法L4Aをそれぞれ100mmおよび20mとしたこと以外は、上述の実施例A1の場合と同様にして、袋10Aを作製した。また、袋10Aにマヨネーズを充填した。これによって、収容部15におけるマヨネーズの体積が順に低下するよう設定された、サンプル21〜23の3種類の袋10Bをそれぞれ作製した。また、上述の実施例A1の場合と同様にして、サンプル21〜23の袋10Bの開封性を評価した。結果を表3に示す。
表1〜3に示されているとおり、袋10Bを折り曲げることによって容易に袋10Bを破断させて内容物を注出することができるようにするためには、上述の関数F1=H/(L3B)0.5が、0.65以上であることが好ましく、0.70以上であることがより好ましいと言える。若しくは、上述の関数F2=H/(L3B×L4B)0.5が、0.15以上であることが好ましく、0.17以上であることがより好ましいと言える。若しくは、上述の関数F3=H/(L3A×L4A)0.5が、0.14以上であることが好ましく、0.16以上であることがより好ましいと言える。
なお内容物を収容部15に過剰に充填することは、充填工程の難易度を高くし、生産性を低下させてしまう。従って、生産性を考慮すると、上述の関数F1が0.85以下になるか、上述の関数F2が0.21以下になるか、上述の関数F3が0.19以下になるよう、内容物が充填されることが好ましい。
(実施例B1)
第2方向D2における収容部15の寸法L4Aに対する、第2方向D2における易開封線30の寸法L6を様々に変化させて、袋10を折り曲げたときの内容物の注出性を評価した。
はじめに、実施例A1の場合と同様にして、袋10の表面11および裏面12を構成する積層フィルム1を作製した。次に、実施例A1の場合と同様にして、互いに向かって凸となり、連結部31において接し、かつ円弧状の形状を有する上側易開封線37および下側易開封線38からなる易開封線30を、積層フィルム1のうち表面11を構成する領域に形成した。
その後、熱溶着によって下部シール部22および合掌シール部25を形成して、図1Aに示す袋10Aを得た。袋10Aの寸法L1A、寸法L2A、寸法L3Aおよび寸法L4Aは、それぞれ75mm、20mm、65mmおよび20mmとした。次に、内容物としてマヨネーズを、袋10Aの上縁の開口部を介して収容部15に充填した。その後、熱溶着によって上部シール部21を形成して、ピロー袋の形態の、サンプル31〜34の4種類の袋10Bを作製した。収容部15におけるマヨネーズの体積は、上述の実施例A1におけるサンプル1の場合と同一にした。サンプル31〜34の袋10Bにおいて、第2方向D2における易開封線30の寸法L6を、それぞれ3.33mm、6.67mm、10.0mmおよび13.33mmとした。本実施例において作製したサンプル31〜34の袋10における、寸法L4Aに対する寸法L6の比は、それぞれ1/6、1/3、1/2および2/3である。
次に、一方の手の親指および中指で袋10Bの上縁21aおよび下縁22aをそれぞれ支持した状態で、易開封線30が形成された表面11が外側に位置するように、サンプル31〜34の袋10Bを折り曲げた。このとき、各サンプルの袋10Bが易開封線30において適切に破断されるかどうか、およびマヨネーズが適切に注出されるかどうかを確認した。結果を表4に示す。なお表4の「開封性」の欄における◎、〇の意味は、実施例A1の表1の場合と同一である。また表4の「注出制御性」の欄において、〇、×の意味は以下のとおりである。
〇:袋10Bに力を加えて袋10Bを折り曲げて易開封線30に沿って袋10Bを破断させた後、さらに追加で袋10Bに力を加えることにより、破断によって生じた注出口から内容物が注出された。
×:袋10Bに力を加えて袋10Bを折り曲げて易開封線30に沿って袋10Bを破断させた後、さらに追加で袋10Bに力を加えることなく、破断によって生じた注出口から内容物が注出された。
寸法L4Aに対する寸法L6の比が2/3である場合、破断によって生じた注出口の幅が広いため、袋10Bの破断と同時に、破断によって生じた注出口からの内容物の注出が開始された。このため、意図した量を超える量の内容物が注出された。一方、寸法L4Aに対する寸法L6の比が1/2以下である場合、袋10Bを破断させた後、さらに袋10Bに力を加えることによってはじめて、破断によって生じた注出口からの内容物の注出が開始された。このため、袋10Bに加える力を制御することにより、注出される内容物の量を適切に制御することができた。また、意図した位置で内容物を注出することができた。
表4に示されているように、開封性を考慮すると、寸法L4Aに対する寸法L6の比が1/6よりも大きいことが好ましく、例えば寸法L4Aに対する寸法L6の比が1/3以上であることが好ましいと言える。
(実施例C1)
袋10Bとして、上部シール部21、下部シール部22および第1側部シール部23を備える、三方シール袋として構成された袋10Bを用いたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、袋10Bの収容部15における内容物の体積を様々に変化させて、袋10Bを折り曲げたときの内容物の注出性を評価した。
はじめに、実施例A1の場合と同様にして、積層フィルム1を作製した。また、積層フィルム1のうち表面11を構成する領域に炭酸ガスレーザーを照射して、上側易開封線37および下側易開封線38からなる、図7に示す形態の易開封線30を形成した。その後、熱溶着によって下部シール部22および第1側部シール部23を形成して、図7に示す袋10Aを得た。第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Aは、それぞれ75mmおよび25mmとした。また、第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L3Aおよび寸法L4Aは、それぞれ65mmおよび20mmとした。
次に、内容物としてマヨネーズを、袋10Aの上縁の開口部を介して収容部15に充填した。その後、熱溶着によって上部シール部21を形成して、三方シール袋の形態の袋10Bを作製した。この際、収容部15におけるマヨネーズの体積が順に低下するよう設定された、サンプル41〜45の5種類の袋10Bをそれぞれ作製した。第1方向D1における各サンプルの袋10Bの収容部15の寸法L3Bは、上述の袋10Aの寸法L3Aとほぼ同一であった。第2方向D2における各サンプルの袋10Bの収容部15の寸法L4Bおよび厚みHは、それぞれ以下のとおりであった。
サンプル41:L4B=17.2mm、H=7.6mm
サンプル42:L4B=17.3mm、H=7.3mm
サンプル43:L4B=17.5mm、H=6.5mm
サンプル44:L4B=17.6mm、H=5.7mm
サンプル45:L4B=17.8mm、H=5.0mm
次に、実施例A1の場合と同様にして、各サンプルの袋10Bを折り曲げ、このとき、袋10Bが易開封線30において適切に破断されてマヨネーズが注出されるかどうかを確認した。サンプル41〜45の袋10Bにおける評価結果を表5に示す。表5の「開封性」の欄における◎、〇、×の意味は、実施例A1の表1の場合と同一である。
(実施例C2)
第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Aをそれぞれ50mmおよび25mmとし、第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L3Aおよび寸法L4Aをそれぞれ40mmおよび20mとしたこと以外は、上述の実施例C1の場合と同様にして、袋10Aを作製した。また、袋10Aにマヨネーズを充填した。これによって、収容部15におけるマヨネーズの体積が順に低下するよう設定された、サンプル51〜53の3種類の袋10Bをそれぞれ作製した。また、上述の実施例C1の場合と同様にして、サンプル51〜53の袋10Bの開封性を評価した。結果を表6に示す。
(実施例C3)
第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの寸法L1Aおよび寸法L2Aをそれぞれ110mmおよび25mmとし、第1方向D1および第2方向D2における袋10Aの収容部15の寸法L3Aおよび寸法L4Aをそれぞれ100mmおよび20mとしたこと以外は、上述の実施例C1の場合と同様にして、袋10Aを作製した。また、袋10Aにマヨネーズを充填した。これによって、収容部15におけるマヨネーズの体積が順に低下するよう設定された、サンプル61〜63の3種類の袋10Bをそれぞれ作製した。また、上述の実施例C1の場合と同様にして、サンプル61〜63の袋10Bの開封性を評価した。結果を表7に示す。
表5〜7に示されているとおり、袋10Bを折り曲げることによって容易に袋10Bを破断させて内容物を注出することができるようにするためには、上述の関数F1=H/(L3B)0.5が、0.65以上であることが好ましく、0.70以上であることがより好ましいと言える。若しくは、上述の関数F2=H/(L3B×L4B)0.5が、0.15以上であることが好ましく、0.17以上であることがより好ましいと言える。若しくは、上述の関数F3=H/(L3A×L4A)0.5が、0.146以上であることが好ましく、0.16以上であることがより好ましいと言える。
なお内容物を収容部15に過剰に充填することは、充填工程の難易度を高くし、生産性を低下させてしまう。従って、生産性を考慮すると、上述の関数F1が0.85以下になるか、上述の関数F2が0.21以下になるか、上述の関数F3が0.19以下になるよう、内容物が充填されることが好ましい。