JP6565773B2 - 梱包箱 - Google Patents

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Description

本発明は、収容空間が区画される梱包箱に関する。
梱包箱には、食品や薬品,電気製品といったさまざまなものが収容される。これらの収容物に加えて、保冷材や取扱説明書,カタログなどの付属品も収容される場合がある。このように、主な収容物とこれに付属する収容物とが梱包箱に収容される場合には、各収容物の空間を区分けすることで、梱包性を高めることができる。
そこで、区分けされた収容空間の設けられた梱包箱が開発されている。たとえば、一枚のシート片を折り曲げて二つの上蓋部を形成し、一方の上蓋部と他方の上蓋部との間に保冷材を収容する梱包箱が提案されている(特許文献1,2参照)。
特開2005-324808号公報 特開2012-126420号公報
ところで、梱包箱に付属品が収容されるとは限らない。この場合には、付属品の収容空間は不要である。
しかしながら、一枚のシート片から二つの上蓋部が形成されていると、付属品を収容しない場合であっても、付属品の収容空間が形成され、無用な組立工程によって梱包作業性が低下する。付属品の収容空間を形成しないためには、一方の上蓋部に対応する部位をシート片から切除すればよいものの、切除工程の増加によって梱包作業性が低下する。
本件の梱包箱は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、梱包作業性の向上を目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する第一の梱包箱は、外殻をなす箱状の本体箱と、前記本体箱から吊り下げられて前記本体箱の内部空間を区分けし、前記本体箱とは別体に設けられた区分け部とを備える。前記本体箱は、外装箱と前記外装箱に内装される内装箱を有し、前記区分け部は、前記内装箱の上蓋部に対して三方から巻き付く巻付部を有する。
(2)さらに、前記外装箱は、前記上蓋部の上方を覆う第二上蓋部を有することが好ましい。この場合、前記第二上蓋部および前記巻付部の一方が切り欠かれた切欠部と、前記第二上蓋部および前記巻付部の他方で折り曲げられて前記切欠部に引っ掛けられるロック片とを備えることが好ましい。
(3)前記区分け部は、前記内装箱の立壁部に載置される載置部を有することが好ましい。
(4)前記外装箱は、立壁部から上方に突設された突出片を有することが好ましい。この場合、前記区分け部は、前記巻付部を展開した状態で前記突出片が内挿される内挿穴を有することが好ましい。
(5)ここで開示する第二の梱包箱は、外殻をなす箱状の本体箱と、前記本体箱から吊り下げられて前記本体箱の内部空間を区分けし、前記本体箱とは別体に設けられた区分け部とを備える。前記本体箱および前記区分け部のそれぞれは、互いに掛着する掛着部を有する。前記本体箱の前記掛着部は、前記本体箱の立壁部において上方に突設された掛着片を有する。前記区分け部の前記掛着部は、前記掛着片が掛着される掛着穴を有する。
)さらに、前記区分け部の前記掛着部は、下方に突設されて前記立壁部の内側または外側に配置される側部突出片を有することが好ましい。
)前記区分け部は、前記本体箱の内部空間で平坦に延びる平坦部と、前記平坦部か
ら前記本体箱へ向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部とを有することが好ましい。
)前記平坦部は、上下に貫通した貫通穴を有することが好ましい。
)前記区分け部は、前記本体箱の内側から圧接する圧接部を有することが好まし
い。
本件の梱包箱によれば、区分け部が本体箱から吊り下げられることで、本体箱の内部空間が上下に区分けされるため、収容物およびその付属品のそれぞれに収容空間を割り当て、梱包性を高めることができる。そのうえ、梱包箱に付属品を収容しない場合には、本体箱とは別体に設けられた区分け部の取り付けを省略すればよい。よって、梱包作業性を向上させることができる。
さらに、第一の梱包箱によれば、内装箱の上蓋部に巻付部を巻き付けることで、区分け部を吊り下げることができる。このようにして、内装箱に対して区分け部を容易に取り付けることができる。
また、第二の梱包箱によれば、本体箱の掛着部と区分け部の掛着部とが互いに掛着することで、区分け部を吊り下げることができる。このようにして、本体箱に区分け部を容易に取り付けることができる。
第一実施形態を説明する図であり、梱包箱の分解斜視図である。 第一実施形態を説明する図であり、箱シート材(展開した状態の本体箱)を示す平面図である。 第一実施形態を説明する図であり、トレイシート材(展開した状態のトレイ部)を示す平面図である。 第一実施形態を説明する図であり、組み立てられた状態の梱包箱の要部を示す断面図である。 第一実施形態を説明する図であり、本体箱に対するトレイ部の取付作業途中における要部を示す斜視図である。 第二実施形態を説明する図であり、梱包箱の分解斜視図である。 第二実施形態を説明する図であり、箱シート材を示す平面図である。 第二実施形態を説明する図であり、トレイシート材を示す平面図である。 第二実施形態を説明する図であり、組み立てられた状態の梱包箱の要部を示す斜視図である。
図面を参照して、実施形態としての梱包箱を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
本実施形態の梱包箱には、本体箱に加えて、本体箱の内部空間を上下に区分けするトレイ部(区分け部)が、本体箱とは別体に設けられている。なお、本実施形態では、重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。また、梱包箱は、水平面に載置されたものとする。
以下、二つの実施形態を例に挙げて、梱包箱を説明する。
[I.第一実施形態]
第一実施形態の梱包箱(第一の梱包箱)では、外側の外装箱と内側の内装箱とが本体箱に設けられる。この内装箱の上フラップにトレイ部が巻き付けられて、トレイ部が吊り下げられる。
[1.構成]
[1−1.基本構成]
まず、梱包箱の基本的な構成として、本体箱の概要を説明する。
図1に示すように、本体箱1は、梱包箱の外殻をなす箱状の梱包材である。この本体箱1は、外側に配置される外装箱10と内側に配置される内装箱100とを有し、二重の入れ子状に設けられる。
外装箱10は直方体状の内部空間を形成し、内装箱100も直方体状の内部空間を形成する。たとえば、外装箱10に対して隙間なく内装箱100が内装される。
ここでは、段ボールや厚紙からなる外装箱10が用いられ、発泡材からなる内装箱100が用いられる。発泡材としては、ポリウレタン,ポリオレフィンといった発泡プラスチック材を用いた断熱材や緩衝材などが挙げられる。
〈外装箱〉
外装箱10には、側面に配置される立壁部(胴部)20と、上面および下面のそれぞれに配置されるフラップ40とが設けられる。立壁部20の上下にフラップ40が連設されている。
立壁部20には、上面視で長辺方向に延びる一対の側壁部21,22と、上面視で短辺方向に延びる一対の端壁部31,32とが設けられる。具体的に言えば、一対の側壁部21,22では、第一側壁部21と第二側壁部22とが対向して配置される。また、一対の端壁部31,32では、第一端壁部31と第二端壁部32とが対向して配置される。
フラップ40は、立壁部20の上方に配置される上フラップ40Aと立壁部20の下方に配置される下フラップ40Bとに大別される。上フラップ40Aには、四つのフラップ片41,42,42,44が設けられる。同様に、下フラップ40Bには、四つのフラップ片46,47,48,49が設けられる。
上フラップ40Aは、組み立てられた状態における配置箇所によって、一対の外フラップ片41,42と一対の内フラップ片(第二上蓋部)43,44とに大別される。外装箱100の組み立て時おいて、内フラップ片43,44は、外フラップ片41,42よりも先に折り込まれ、外フラップ片41,42よりも内側に配置される。
一対の外フラップ片41,42は、第一側壁部21の上方に連設された第一外フラップ片41と、第二側壁部22の上方に連設された第二外フラップ片42とで構成される。また、一対の内フラップ片43,44は、第一端壁部31の上方に連設された第一内フラップ片43と、第二端壁部32の上方に連設された第二内フラップ片44とで構成される。
ここでは、フラップ片41,42,43,44が矩形状に形成されている。さらに、外フラップ片41,42の先端部どうしが重ね合わせられて外装箱10が組み立てられるオーバーフラップ型のものを例示する。
下フラップ40Bは、上フラップ40Aと同様に、第一外フラップ片46および第二外フラップ片47と、第一内フラップ片48および第二内フラップ片49とに大別される。ここでは、ボトムロック型の下フラップ40Bを例示する。
つぎに、図2を参照して、外装箱10が展開された状態の箱シート材10Aを説明する。
箱シート材10Aの説明では、外装箱10が組み立てられた状態のもとで、立壁部20における水平方向をX方向とし、X方向に直交する方向(立壁部20における上下方向)をY方向とする。さらに、X方向のうち一方(図2では左方)をX1方向とするとともに他方(図2では右方)をX2方向とし、Y方向のうち上方をY1方向とするとともに下方をY2方向とする。
箱シート材10AのY方向中央には、上述した立壁部20の対応するシート片(図面には対応する部位の符号を付す,以下のシート片についても同様に符号を付す)が配置される。このシート片は、Y方向に沿って延びる三つの罫線によって四つのシート片に大別される。これら四つのシート片が壁部21,22,31,32に対応する。
具体的には、X1方向からX2方向へ向けて、第一側壁部21,第一端壁部31,第二側壁部22,第二端壁部32の順に対応するシート片が並設されている。なお、第一側壁部21のX1方向側縁部には、第二端壁部32に接着される糊代片29が設けられている。
箱シート材10AのY方向端部側のそれぞれには、上述したフラップ40に対応するシート片が配置される。具体的に言えば、壁部21,22,31,32に対応するシート片の上下でX方向に沿って延びる罫線よりもY方向端部側にフラップ40に対応するシート片が設けられる。
箱シート材10AのY1方向側には上フラップ40Aに対応するシート片が並設され、箱シート材10AのY2方向側には下フラップ40Bに対応するシート片が並設される。
詳細に言えば、箱シート材10AのY1方向側でX1方向からX2方向へ向けて、第一外フラップ片41,第一内フラップ片43,第二外フラップ片42,第二内フラップ片44の順に対応するシート片が並設されている。また、箱シート材10AのY2方向側でX1方向からX2方向へ向けて、第一外フラップ片46,第一内フラップ片48,第二外フラップ片47,第二内フラップ片49の順に対応するシート片が並設されている。
〈内装箱〉
図1に示すように、内装箱100には、外装箱10と同様に、第一側壁部210および第二側壁部220ならびに第一端壁部310および第二端壁部320を有する立壁部(胴部)200が設けられる。
この内装箱100には、上方の上フラップ(上蓋部)401と下方の下フラップ402とが一枚づつ設けられる。これらのフラップ401,402は、第二側壁部220に連設される。
ここでは、第一内装部材101および第二内装部材102から内装箱100が構成されている。第一内装部材101は、組み立てられた状態において上面視でコの字状であり、端壁部310,320および第一側壁部210を構成する。第二内装部材102は、組み立てられた状態において端壁部310,320から視た側面視でコの字状であり、フラップ401,402および第二側壁部220を構成する。
なお、内装箱100については、組み立てられた状態で前述の一対の側壁部210,220と一対の端壁部310,320とからなる立壁部(胴部),上フラップ401,下フラップ402を有する構造であれば、どのような形状の内装部材から構成されてもよい。
[1−2.詳細構成]
つぎに、梱包箱の詳細な構成を説明する。
以下の説明では、本体箱1にトレイ部50を吊り下げるための構造を述べる。ここでは、内装箱100の上フラップ401に対して巻き付けられるトレイ部50の吊り下げ構造を例示する。
〈トレイ部〉
トレイ部50は、内装箱100の内部空間を上下に二区画する梱包材である。ここでは、段ボールや厚紙からなるトレイ部50が用いられる。
まず、梱包箱が組み立てられた状態のトレイ部50を説明する。
トレイ部50は、内装箱100の内部空間に配置される内側部60と、これ以外の部位であって内装箱100の上フラップ401に巻き付けられる巻付部63とに大別される。
さらに、内側部60は、水平(平坦)に延びる平坦部61と、平坦部61から内装箱100の端壁部310,320へ向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部62とに大別される。
平坦部61は、保冷材や取扱説明書といった付属品(収容物)が載置される部位である。
この平坦部61には、貫通穴61aが上下に穿設されている。この貫通穴61aの大きさは、平坦部61に載置される付属品の大きさに応じて設定される。たとえば、付属品が落下しないように付属品よりも小さい貫通穴61aが穿設される。そのほか、付属品として保冷材が載置されることを想定した場合、貫通穴61aの大きさ,数,位置については、保冷材の形状,重量および冷却効率などの条件に応じて適宜定めることができる。
また、平坦部61の端縁には、内装箱100の側壁部210,220に対して内側から圧接する圧接部611が設けられる。圧接部611は、平坦部61と端罫線75を介して連設される。この圧接部611は、平坦部61に対してやや上方に折り曲げられる。たとえば、圧接部611は、端罫線75での折れ曲がりに抗して、平坦部61を仮想的に延長した面上(水平面上)へ向かう復元力によって、側壁部210,220に圧接する。
傾斜部62は、付属品の収容空間における高さを確保するための部位である。なぜならば、内装箱100の内部空間においては、傾斜部62の傾斜した分の上下方向寸法が平坦部61よりも上方の上下方向寸法となるからである。そのため、傾斜部62の傾斜および対応する長さは、平坦部61に載置される付属品の高さ寸法に応じて設定されることが好ましい。
つづいて、図4を参照して、巻付部63を説明する。
巻付部63は、内装箱100の端壁部310,320に載置される載置部64と、内装箱100の上フラップ401に対して側方に立設される立設部65と、上フラップ401の上方に巻き込まれる巻込部66とに大別される。
この巻付部63では、上フラップ401に対して、下方に載置部64が配置され、側方に立設部65が配置され、上方に巻込部66が配置されることから、載置部64,立設部65および巻込部66によって三方から上フラップ401が巻き付かれる。
つぎに、図3を参照して、トレイ部50が展開された状態のトレイシート材50Aを説明する。
トレイシート材50Aの説明では、平坦部61と傾斜部62とが並ぶ方向(端壁部31,32どうしが対向する方向)をA方向とし、A方向に直交する方向をB方向とする。さらに、A方向のうち一方(図3では左方)をA1方向とするとともに他方(図3では右方)をA2方向とし、B方向のうち一方(図3では上方)をB1方向とするとともに他方(図3では下方)をB2方向とする。
このトレイシート材50Aは、A方向に対称であってB方向に対称に形成される。
トレイシート材50Aには、B方向に沿って延びる四種の罫線71,72,73,74が設けられる。具体的には、A方向中央からA方向端部へ向けて、第一罫線71,第二罫線72,第三罫線73,第四罫線74が形成されている。これらの罫線71,72,73,74によって五つのシート片に大別される。これら五つのシート片が平坦部61,傾斜部62,載置部64,立設部65,巻込部66に対応する。
詳細には、第一罫線71を挟んで、平坦部61に対応するシート片と傾斜部62に対応するシート片とが連設されており、第二罫線72を挟んで、傾斜部62に対応するシート片と載置部64に対応するシート片とが連設されている。また、第三罫線73を挟んで、載置部64に対応するシート片と立設部65に対応するシート片とが連設されており、第四罫線74を挟んで、立設部65に対応するシート片と巻込部66に対応するシート片とが連設されている。すなわち、平坦部61からA方向端部へ向けて、傾斜部62,載置部64,立設部65,巻込部66の順に対応するシート片が並設されている。
ここでの罫線71,72,73,74のB方向寸法は、第一罫線71が最も長く、ついで第二罫線72が長く、第三罫線73および第四罫線73が最も短い。このことから、傾斜部62に対応するシート片および載置部64に対応するシート片は、A方向端部側にB方向寸法の短い底辺(上底)が設けられるとともにA方向中央側にB方向寸法の長い底辺(下底)が設けられた台形状に設けられている。また、立設部65および巻込部66に対応するシート片は矩形状に設けられている。なお、平坦部61に対応するシート片も矩形状に設けられている。
〈協働構造〉
そのほか、トレイ部50の吊り下げ構造に関し、トレイ部50と協働する構造を説明する。ここでは、二種の協働構造を例示する。
一つ目の協働構造は、上フラップ401に巻き付けられたトレイ部50を保持するための構造である。この構造は、トレイ部50の巻込部66とこの外側に折り込まれる外装箱10の内フラップ片43,44とに設けられる。
なお、梱包箱が組み立てられた状態では、トレイ部50の巻込部66のA方向と外装箱10の内フラップ片43のY方向とが一致する。
図3に示すように、巻込部66のA方向端部には、折り曲げられて内フラップ片43,44に引っ掛けられるロック片660が形成されている。
ここでのロック片660は、A方向端部側にB方向寸法の長い底辺が設けられるとともにA方向中央側にB方向寸法の短い底辺が設けられた台形状に設けられている。二つの底辺を結ぶ二辺に沿って巻込部66が切れ込まれ、底辺のうちの短辺に罫線が設けられることでロック片660が形成される。
図2に示すように、内フラップ片43,44のY方向端部には切欠部430,440が切り欠かれている。ここでは、内フラップ片43,44のX方向中央で矩形状に切り欠かれた切欠部430,440を例示する。
巻込部66の外側に内フラップ片43,44が折り込まれた状態では、切欠部430,440とロック片660とが上面視で重複する。詳細に言えば、切欠部430,440のY方向中央側におけるX方向寸法は、ロック片660のなす台形の底辺のうちの短辺よりも大きく設定される。反対に、切欠部430,440のY方向端部におけるX方向寸法は、ロック片660のなす台形の底辺のうちの長辺よりも小さく設定される。よって、折り曲げられたロック片660は、内フラップ片43,44の切欠部430,440に引っ掛けられる。
なお、ロック片660および切欠部430,440は上述した箇所に形成されるものに限らず、巻込部66に切欠部が切り欠かれるとともに、内フラップ片43,44にロック片が形成されてもよい。
二つ目の協働構造は、内装箱100の上フラップ401にトレイ部50を巻き付ける際の作業性を向上させるための構造である。具体的には、図5に示すように、外装箱10から突出された突出片311,321をトレイ部50の内挿穴650に内挿して引っ掛ける(掛着する)ことで、トレイ部50を仮置き状態で保持するための構造である。
図1および図2に示すように、突出片311,321は、外装箱10の端壁部31,32から上方(Y1方向)に突出して設けられる。すなわち、突出片311,321を端壁部31,32から突出させるために、突出片311,321周縁の内フラップ片43,44が切除されている。さらに、突出片311,321と端壁部31,32との間には掛着罫線39が水平(X方向)に形成されている。ここでは、突出片311,321のX方向側方から下方(Y2方向)へ向けて端壁部31,32が切り欠かれている。
図1および図3に示すように、内挿穴650は、内装箱100の端壁部310,320に載置された載置部64を仮想的に延長した平面上に立設部65を配置した状態(巻付部63を展開した状態)で、突出片311,321と交差するように配置される。ここでは、立設部65のB方向中央に内挿穴650が穿設される。また、突出片311,321を内挿穴650に内挿するため、上面視における突出片311,321の投影面積よりも上面視における内挿穴650の投影面積が大きく設定される。
[1−3.梱包箱の組立手順]
つぎに、梱包箱を組み立てる手順を説明する。ここでは、図1を参照して、トレイ部50を本体箱1に取り付ける手順の例を述べる。
はじめに、上フラップ40Aを開いた状態に外装箱10を組み立てる。
つづいて、内装箱100を外装箱10に内装する。内装された内装箱100の上フラップ401は開いた状態にする。
その後、トレイ部50の平坦部61および圧接部611ならびに傾斜部62を内装箱100の内部空間に配置する。このとき、端罫線75および第一罫線71でトレイ部50を折り曲げ、平坦部61に対して圧接部611および傾斜部62を上方に折り曲げる。ただし、圧接部611および傾斜部62を平坦部61に対して予め折り曲げてから、これらを内装箱100の内部空間に配置してもよい。
それから、トレイ部50の載置部64を内装箱100の端壁部310,320の上縁に載置する。このとき、第二罫線72でトレイ部50を折り曲げる。また、図5に示すように、突出片311,321を内挿穴650に内挿する。
つづいて、内装箱100の上フラップ401を閉じる。このとき、下方の端壁部310,320と上方の上フラップ401とで載置部64が挟まれる。
それから、第三罫線73でトレイ部50を折り曲げ、載置部64に対して立設部65を立設させる。このとき、上フラップ401の側方に立設部65が配置される。
その後、第四罫線74でトレイ部50を折り曲げ、立設部65に対して折り曲げられた巻込部66を上フラップ401の上方に巻き込む。
つづいて、外装箱10の内フラップ片43,44を折り曲げる。それから、巻込部66のロック片660を外側に折り曲げて、内フラップ片43,44の切欠部430,440に引っ掛ける。このとき、内装箱100の上フラップ401の上方が外装箱10の内フラップ片43,44で覆われる。
そして、外装箱10の外フラップ片41,42を折り曲げる。
この状態の梱包箱では、図4に示すように、下方から上方へ向けて、内装箱100の端壁部310,320,載置部64,内装箱100の上フラップ401,突出片311,321,巻込部66,外装箱10の外フラップ片41,42が配置される。
このようにして、梱包箱が組み立てられる。
[2.作用および効果]
本実施形態の梱包箱は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)トレイ部50が本体箱1から吊り下げられることで、本体箱1の内部空間が上下に区分けされるため、収容物およびその付属品のそれぞれに収容空間を割り当て、梱包性を高めることができる。そのうえ、梱包箱に付属品を収容しない場合には、本体箱1とは別体に設けられたトレイ部50の取り付けを省略すればよい。よって、梱包作業性を向上させることができる。
具体的には、内装箱100の上フラップ401に巻付部63を巻き付けることで、トレイ部50を吊り下げることができる。このようにして、内装箱100に対してトレイ部50を容易に取り付けることができる。
さらに、本体箱1では、外装箱10および内装箱100が二重の入れ子状に配置されるため、収容物の保冷性や緩衝性を高めることができる。
(2)さらに、外装箱10の内フラップ片43,44が切り欠かれた切欠部430,440には、トレイ部50の巻込部66が切り込まれたロック660が折り曲げられて引っ掛けられる。そのため、トレイ部50の位置ずれが抑えられ、トレイ部50の吊り下げ状態を確実に保持することができる。
(3)そのうえ、内装箱100の端壁部310,320に載置部64が載置されることによっても、トレイ部50を確実に支持することができる。
(4)また、巻付部63を展開した状態において、外装箱10の端壁部31,32から上方に突出する突出片311,321を、トレイ部50の立設部65に穿設された内挿穴650に内挿することができる。そのため、梱包箱の組み立て途中にトレイ部50を仮置きすることができ、仮置き状態のトレイ部50を確実に保持することができる。
(5)そのほか、内装箱100の内部空間に配置される平坦部61から端壁部310,320へ向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部62が設けられる。そのため、平坦部61よりも上方の上下方向寸法が確保される。したがって、平坦部61に載置される付属品が収容される空間の高さ寸法を確保することができる。
(6)また、平坦部61の貫通穴61aによって、トレイ部50によって上下に区画された収容空間どうしが連通する。そのため、付属品として保冷材が収容されるとともに、平坦部61よりも下方の空間に食品や薬品といった保冷対象が収容される場合には、保冷対象の保冷効果を高めることができる。
さらに、貫通穴61aが穿設されることで平坦部61ひいてはトレイ部50を軽量化することができる。
(7)内装箱100の側壁部210,220に対して、平坦部61の端縁に設けられた圧接部611が内側から圧接することで、平坦部61の位置ずれ(たとえばずり落ち)が抑えられる。よって、トレイ部50を確実に保持することができる。また、トレイ部50の耐荷重を高めることもできる。
さらに、圧接部611が端罫線75で折り曲げられるため、トレイ部50の特に平坦部61の曲げ剛性を高めることができる。この点からも、トレイ部50の耐荷重を向上させることができる。
[II.第二実施形態]
つぎに、図6〜図9を参照して、第二実施形態の梱包箱(第二の梱包箱)を説明する。
なお、ここで説明する点を除いては第一実施形態と同様の構成になっている。これらの構成については、同様の符号および名称を付し、各部の説明を省略する。
本実施形態の梱包箱は、第一実施形態の梱包箱に対して、トレイ部50′の吊り下げ構造が異なる。本実施形態のトレイ部50′は、本体箱1′に対して引っ掛けられて吊り下げられる。このトレイ部50′は、第一実施形態のトレイ部50のうち巻付部63に対応する部分の構成が異なる。
また、本体箱1′は、第一実施形態の本体箱1と異なり、上記の内装箱100を設ける必要がない。この本体箱1′には、端壁部31′,32′の内側に載置部64′が配置され、トレイ部50′よりも上方の収容空間が巻込部66′の内側に位置する。
[1.構成]
〈本体箱〉
まず、図6および図7を参照して、本体箱1′および箱シート材1A′の構成を述べる。
本体箱1′の端壁部31′,32′には、上方に突出した掛着片(掛着部)311′,321′が設けられる。すなわち、掛着片311′,321′を端壁部31′,32′において突設させるために、掛着片311′,321′周縁の端壁部31′,32′が切除されている。ここでは、掛着片311′,321′に対して上方(Y1方向)およびその側方の内フラップ片43′,44も切除されている。
〈トレイ部〉
つぎに、図6および図8を参照して、トレイ部50′およびトレイシート材50A′の構成を説明する。
トレイ部50′には、本体箱1′の掛着片311′,321′に引っ掛かる(掛着する)掛着部80′が設けられる。
掛着部80′は、トレイ部50′において第二罫線72′と第四罫線74′との間に設けられる。なお、掛着部80′には罫線が設けられていない。
この掛着部80′には、掛着片311′,321′が内挿されて引っ掛けられる掛着穴81′と、掛着穴81′の周囲に設けられるとともに組立状態でトレイ部50′から下方に突出する二種の突出片(側部突出片)82′,83′とが設けられる。
掛着穴81′の上端(A方向端部側の端部)は、第三罫線73′を仮想的に延長した線上に設定される。一方、掛着穴81′の下端(A方向中央側の端部)は、第三罫線73′よりも下方(A方向中央側)であればよい。ここでは、第一罫線71′および第二罫線72′のそれぞれを仮想的に延長した線に挟まれる位置に掛着穴81′の下端が配置される。この掛着部81′は、上方に開放側を向けたU字状に形成される。
二種の突出片82′,83′のうち一方は掛着穴81′の外周に設けられた大突出片82′であり、他方は掛着穴81′の内周に設けられた小突出片83′である。
大突出片82′は、傾斜部62′,載置部64′および立設部65′が切り込まれて形成される。ここでは、第一罫線71′と第四罫線74′とを結ぶU字状の大突出片82′を例示する。また、小突出片83′は、傾斜部62′および載置部64′が切り込まれて形成される。
図9に示すように、梱包箱が組み立てられた状態では、掛着穴81′に掛着片311′,321′が内挿される。また、端壁部31′,32′の内側に大突出片82′が配置され、端壁部31′,32′の外側に小突出片83′が配置される。
〈組立手順〉
つづいて、本実施形態の梱包箱を組み立てる手順を説明する。
はじめに、上フラップ40A′を開いた状態に本体箱1′を組み立てる。
その後、トレイ部50′の平坦部61′および傾斜部62′を本体箱1′の内部空間に配置する。このとき、第一罫線71′でトレイ部50′を折り曲げ、平坦部61′に対して傾斜部62′を折り曲げる。ただし、平坦部61′に対して傾斜部62′を予め折り曲げてから、これらを本体箱1′の内部空間に配置してもよい。
つづいて、第二罫線72′でトレイ部50′を折り曲げて、第三罫線73′でトレイ部50′を折り曲げる。このようにして、載置部64′に対して立設部65′を立設させ、突出片82′,83′をトレイ部50′から突出させる。
それから、端壁部31′,32′の内側に沿って大突出片82′を下方に移動させるとともに、端壁部31′,32′の外側に沿って小突出片83′を下方に移動させる。
つづいて、端壁部31′,32′の掛着片311′,321′をトレイ部50′の掛着穴81′に内挿する。
このようにして、本体箱1′の掛着片311′,321′とトレイ部50′の掛着部80′とが互いに掛着する。このとき、トレイ部50′の載置部64′は、本体箱1′の端壁部31′,32′に対して内側から当接するように水平に配置される。このため、載置部64′を第二平坦部64′や当接部64′と呼ぶこともできる。
その後、第四罫線74′でトレイ部50′を折り曲げ、立設部65′に対して巻込部66′を折り曲げ、本体箱1′の内フラップ片43′,44′を折り曲げる。なお、本体箱1′の内フラップ片43′,44′を折り曲げることで、内フラップ片43′,44′の内側の巻込部66′を同時に折り曲げてもよい。
そして、外フラップ片41′,42′を折り曲げる。
このようにして、梱包箱が組み立てられる。
[2.作用および効果]
本実施形態の梱包箱は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)トレイ部50′が本体箱1′から吊り下げられることで、本体箱1′の内部空間が上下に区分けされるため、収容物およびその付属品のそれぞれに収容空間を割り当て、梱包性を高めることができる。そのうえ、梱包箱に付属品を収容しない場合には、本体箱1′とは別体に設けられたトレイ部50′の取り付けを省略すればよい。よって、梱包作業性を向上させることができる。
具体的には、本体箱1′の掛着片311′,321′とトレイ部50′の掛着部80′とが互いに掛着することで、トレイ部50′を吊り下げることができる。このようにして、本体箱1′にトレイ部50′を容易に取り付けることができる。
(3)また、掛着部80′に設けられた突出片82′,83′が端壁部31′,32′の内側および外側のそれぞれに沿って下方に移動することで、トレイ部50′の掛着穴82′に対する本体箱1′の掛着片311′,321′の内挿を案内(ガイド)することができる。よって、本体箱1′にトレイ部50′を円滑に取り付けることができる。
[III.その他]
最後に、本実施形態のその他の変形例について述べる。
トレイ部50′に掛着穴81′が設けられ、本体箱1′に掛着片311′,321′が設けられる吊り下げ構造を示したが、互いに掛着する凹凸を反転させて、本体箱1′に掛着穴(掛着部)が設けられ、トレイ部50′に掛着片(掛着部)が設けられてもよい。
また、端壁部31,31′,32,32′に替えて、側壁部21,21′,22,22′にトレイ部50,50′を載置あるいは掛着してもよい。
そのほか、本体箱およびトレイ部それぞれの各部位の寸法は、収容物の大きさや要求に応じて任意に設定することができる。
1,1′ 本体箱
10 外装箱
10A,1A′ 箱シート材
20,20′ 立壁部(胴部)
21 第一側壁部
22 第二側壁部
31,31′ 第一端壁部
311 突出片
311′ 掛着片(掛着部)
32,32′ 第二端壁部
321 突出片
321′ 掛着片(掛着部)
39 掛着罫線
40 フラップ
40A,40A′ 上フラップ
43 第一内フラップ片(第二上蓋部)
430 切欠部
44 第二内フラップ片(第二上蓋部)
440 切欠部
40B 下フラップ
50,50′ トレイ部(区分け部)
50A,50A′ トレイシート材
60 内側部
61,61′ 平坦部
61a 貫通穴
611 圧接部
62,62′ 傾斜部
63 巻付部
64,64′ 載置部
65,65′ 立設部
650 内挿穴
66,66′ 巻込部
660 ロック片
80′ 掛着部
81′ 掛着穴
82′ 大突出片(側部突出片)
83′ 小突出片(側部突出片)
100 内装箱
200 立壁部(胴部)
400 フラップ
401 上フラップ(上蓋部)

Claims (9)

  1. 外殻をなす箱状の本体箱と、
    前記本体箱から吊り下げられて前記本体箱の内部空間を区分けし、前記本体箱とは別体に設けられた区分け部とを備え、
    前記本体箱は、外装箱と前記外装箱に内装される内装箱を有し、
    前記区分け部は、前記内装箱の上蓋部に対して三方から巻き付く巻付部を有する
    ことを特徴とする梱包箱。
  2. 前記外装箱は、前記上蓋部の上方を覆う第二上蓋部を有し、
    前記第二上蓋部および前記巻付部の一方が切り欠かれた切欠部と、
    前記第二上蓋部および前記巻付部の他方で折り曲げられて前記切欠部に引っ掛けられるロック片と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載された梱包箱。
  3. 前記区分け部は、前記内装箱の立壁部に載置される載置部を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載された梱包箱。
  4. 前記外装箱は、立壁部から上方に突設された突出片を有し、
    前記区分け部は、前記巻付部を展開した状態で前記突出片が内挿される内挿穴を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載された梱包箱。
  5. 外殻をなす箱状の本体箱と、
    前記本体箱から吊り下げられて前記本体箱の内部空間を区分けし、前記本体箱とは別体に設けられた区分け部とを備え、
    前記本体箱および前記区分け部のそれぞれは、互いに掛着する掛着部を有し、
    前記本体箱の前記掛着部は、前記本体箱の立壁部において上方に突設された掛着片を有し、
    前記区分け部の前記掛着部は、前記掛着片が掛着される掛着穴を有する
    ことを特徴とする梱包箱
  6. 前記区分け部の前記掛着部は、下方に突設されて前記立壁部の内側または外側に配置される側部突出片を有する
    ことを特徴とする請求項に記載された梱包箱。
  7. 前記区分け部は、前記本体箱の内部空間で平坦に延びる平坦部と、前記平坦部から前記本体箱へ向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部とを有する
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載された梱包箱。
  8. 前記平坦部は、上下に貫通した貫通穴を有する
    ことを特徴とする請求項に記載された梱包箱。
  9. 前記区分け部は、前記本体箱の内側から圧接する圧接部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載された梱包箱。
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