JP6563041B2 - 親水撥油剤及びその製造方法、並びに表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材、多孔質体 - Google Patents

親水撥油剤及びその製造方法、並びに表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材、多孔質体 Download PDF

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Description

本発明は、親水撥油剤及びその製造方法、並びに表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材、多孔質体に関する。
一般的に防汚技術としては、汚れを付着しにくくするための撥油性と、付着した汚れを水洗で容易に落とせる親水性とを基材に付与することが望ましい。基材表面に親水性を付与する技術としては、酸化チタンなどの光触媒を基材表面に固定化して光触媒膜を形成し、光触媒の作用による超親水化によって付着した汚れを洗い落とす方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、光触媒膜を用いる場合、汚れが落ちやすいという機能は得られるが、汚れの付着を防ぐ特性が十分ではないという課題があった。特に、光触媒機能の発現に必要な光が十分に得られない環境では、十分な防汚性が得られない場合があった。
一方、基材表面に撥油性を付与する技術としては、主にフッ素系の化合物を表面加工剤として用いる方法が知られている。フッ素系の化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、ペルフルオロアルキル基を分子中に有する化合物が知られている。これらのフッ素系化合物を用いる場合、撥水性は高いが、一般的な疎水性のコーティング膜と同様に、表面に付着した油汚れの拭き取りや水洗浄による除去が困難であるという課題があった。特に、水がかかる環境で使用する場合には、逆に油汚れが付着しやすくなるという問題があった。
表面にプラズマ表面処理や火炎処理、オゾン処理などを施して親水化したフッ素樹脂が提案されているが(特許文献2)、上述した特殊な処理が必要であり、得られる親水性も十分ではなかった。また、親水性を付与すると撥油性の機能が得られないという課題があった。さらに、フッ素樹脂は、基材表面への塗工や加工が難しいという課題があった。
以上のことから、基板等の処理対象物に十分な防汚機能を付与するためには、優れた親水性と撥油性とを同時に発現する親水撥油剤が望まれていた。優れた親水撥油剤は、防汚機能の他にも、濡れ性の向上に伴う水の速乾性や、防曇性、油水分離性など、広範な用途において有用である。これらの中でも、特に油水分離性用途において有用である。
しかしながら、従来の化合物には、優れた親水性と撥油性とを同時に発現する化合物は存在せず、十分な防汚機能や油水分離機能を付与することが困難であった。
特開平09−227160号公報 特開平05−177766号公報
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、優れた親水性及び撥油性を有する新規な親水撥油剤およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、この親水撥油剤を含む表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材、多孔質体を提供することも目的とする。
ところで、フッ素化合物を表面加工剤として用いた場合、処理された表面は撥水撥油性を示すのが通常であり、フッ素構造の炭素数が多くなるほど撥水性は大きくなるのが一般的である。しかしながら、本願の発明者らが鋭意検討した結果、特定の含窒素ペルフルオロ化合物に、ホスホベタイン型の親水性付与基を付加した含窒素フッ素化合物は、親水撥油性という従来のフッ素化合物では実現できなかった特異な特性を有し、特にフッ素構造の炭素数が多い化合物においても優れた親水性と撥油性とを同時に発現することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 下記式(1)または(2)で示される、ホスホベタイン型の親水性賦与基を有する含窒素フッ素系化合物を、一種又は二種以上含む親水撥油剤。
Figure 0006563041
上記式(1)中、Rf、Rfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表し、Rfは、炭素数1〜で直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Rは、カルボン酸アミド基又はスルホン酸アミド基と2価の炭化水素基とを組合せた2価の有機基または−CH である連結基を表し、Xは、ホスホベタイン型の親水性賦与基を表す。
Figure 0006563041
上記式(2)中、Rf、Rf及びRfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜で直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表し、Rは、カルボン酸アミド基又はスルホン酸アミド基と2価の炭化水素基とを組合せた2価の有機基または−CH である連結基を表し、Xは、ホスホベタイン型の親水性賦与基を表す。
] 上記[1]に記載の親水撥油剤の製造方法であって、
下記式(3)又は(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物を原料とする、親水撥油剤の製造方法。
Figure 0006563041
上記式(3)中、Rf、Rfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表し、Rfは、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Yは、CO又はSOを表し、Aは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子を表す。
Figure 0006563041
上記式(4)中、Rf、Rf及びRfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表し、Yは、CO又はSOを表し、Aは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子を表す。
] 上記[1]に記載の親水撥油剤と溶媒とを含み、
前記親水撥油剤と前記溶媒との質量組成比が、0.2〜50対99.8〜50の範囲である、表面被覆材。
] 前記溶媒が、水、アルコール又は水とアルコールとの混合物である、上記[]に記載の表面被覆材。
] さらに、結合剤を含み、
前記親水撥油剤と前記結合剤との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲である、上記[]又は[]に記載の表面被覆材。
] 前記結合剤が、樹脂、水溶性樹脂及びシラン化合物及び水ガラスのいずれかを含む、上記[]に記載の表面被覆材。
] 上記[1]に記載の親水撥油剤を含む、塗布膜。
] さらに、結合剤を含み、
前記親水撥油剤と前記結合剤との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲である、上記[]に記載の塗布膜。
] 上記[1]に記載の親水撥油剤と、樹脂とを含み、
前記親水撥油剤と前記樹脂との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲である、樹脂組成物。
10] 上記[1]に記載の親水撥油剤を含む、多孔質体。
11] 上記[1]に記載の親水撥油剤が樹脂又はガラス質で結合されている、多孔質体。
12] 上記[]又は[]に記載の塗布膜、上記[]に記載の樹脂組成物及び上記[10]又は[11]に記載の多孔質体のうち、いずれか1以上を含む、油水分離濾材。
本発明の親水撥油剤は、含窒素ペルフルオロアルキル基からなる撥油性賦与基と、ホスホベタイン型の親水性賦与基とを分子中に含むため、優れた親水性及び撥油性(親水撥油性)を有する。さらに、この親水撥油剤を用いることによって、優れた親水撥油性を有する表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材及び多孔質体を容易に形成することができる。
本発明の親水撥油剤の製造方法によれば、含窒素ペルフルオロアルキル基とホスホベタイン型の親水性賦与基とを持つ化合物の合成を容易に行うことができる。
以下、本発明を適用した一実施形態である親水撥油剤について、その製造方法及びそれを含む表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材、多孔質体とともに詳細に説明する。
<親水撥油剤>
本実施形態の親水撥油剤は、下記式(1)または(2)で示される、ホスホベタイン型の親水性賦与基を有する含窒素フッ素系化合物を、一種又は二種以上含む。
Figure 0006563041
ここで、上記式(1)中、Rf、Rfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表す。Rf及びRfの炭素数は、それぞれ1〜4の範囲にあることがより好ましい。Rfは、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表す。Rfの炭素数は1〜4の範囲にあることがより好ましい。
式(1)の含窒素フッ素系化合物は、RfとRfの含窒素ペルフルオロアルキル基およびRfの含窒素ペルフルオロアルキレン基が、撥油性付与基を構成する。Rf〜Rf中の、フッ素が結合した炭素数の合計は4〜18個の範囲であることが好ましい。フッ素が結合した炭素数が4未満であると、撥油効果が不十分となることがあるために好ましくない。また、Rf、Rf及びRfの炭素数がそれぞれ1〜6の範囲にあると、生体蓄積性や環境適応性の点で問題視されているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)あるいはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を生成する懸念がない化学構造でありながら、優れた親水撥油性を付与することが可能である。
式(1)中、Rは、2価の有機基である連結基である。2価の有機基の例としては、2価の炭化水素基とアミド基との組合せを挙げることができる。2価の炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。また、炭化水素基は鎖状炭化水素基であってもよいし、環状炭化水素基であってもよい。鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。炭化水素基の例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基およびこれらの組合せを挙げることができる。アミド基は、カルボン酸アミド基(−CO−NH−)およびスルホンアミド基(−SO−NH−)を含む。
上記式(1)中、Xは、ホスホベタイン型の親水性賦与基を表す。ホスホベタイン型親水性賦与基は、カチオンとして第四級アンモニウム基を有し、アニオンとしてリン酸基を有する両性親水性基である。ホスホベタイン型親水性賦与基は、末端基が第四級アンモニウム基であってもよいし、リン酸基であってもよい。ホスホベタイン型親水性賦与基は、下記の式(5)または(6)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006563041
上記(5)中、R、R及びRは、それぞれ同一または互いに異なる、水素原子、炭素数1〜12であって直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。mは、1〜5の数である。R、R及びRの炭素数が12以下で、mが1〜5の数であれば、親水撥油性を損なうことがないために好ましい。
Figure 0006563041
上記式(6)中、R及びRは、それぞれ同一または互いに異なる、水素原子、炭素数1〜12であって直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。Rは、炭素数1〜12であって直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。nは、1〜5の数である。R、R及びRの炭素数が12以下で、nが1〜5の数であれば、親水撥油性を損なうことがないために好ましい。
Figure 0006563041
ここで、上記式(2)中、Rf、Rf及びRfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表す。Rf、Rf及びRfは、それぞれ1〜4の範囲にあることがより好ましい。Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表す。イミノ基及びCF基の置換基の例としては、炭素数1〜10であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基が挙げられる。
式(2)の含窒素フッ素系化合物は、Rf、Rf、Rfの含窒素ペルフルオロアルキレン基、さらにはZが、撥油性付与基を構成する。Rf〜Rf及びZ中の、フッ素が結合した炭素数の合計は4〜18個の範囲であることが好ましい。フッ素が結合した炭素数が4未満であると、撥油効果が不十分となることがあるために好ましくない。
Rは、2価の有機基である連結基である。2価の有機基の例は、前記式(1)の場合と同じである。Xは、ホスホベタイン型の親水性賦与基を表す。ホスホベタイン型の親水性賦与基の例は、前記式(1)の場合と同じである。
前記式(1)で表される含窒素フッ素系化合物の具体例としては、下記式(7)〜(21)、(23)の構造のものが挙げられる。
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
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Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
前記式(2)で表される含窒素フッ素系化合物の具体例としては、下記式(24)〜(36)、(38)の構造のものが挙げられる。
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
Figure 0006563041
次に、上記式(1)または(2)で示される含窒素フッ素系化合物の親水性及び撥油性の評価方法について説明する。ここで、親水性及び撥油性の評価は、具体的には、接触角測定またはフィルター浸透試験によって行うことができる。
接触角測定(液滴法)は、先ず、含窒素フッ素系化合物をメタノールに溶解させて、メタノール溶液とする。次に、予め1N水酸化カリウム水溶液に室温で2時間浸漬させた後、純水洗浄、アセトン洗浄を行って、乾燥させたソーダガラス板を、前記メタノール溶液中に浸漬(ディップコート)し、室温乾燥によりメタノールを除去して当該ガラス板上に塗布膜を形成する。次いで、この塗布膜の上に、水及びn−ヘキサデカンを滴下し、塗布膜と液滴との接触角を室温(22±1℃)にてそれぞれ測定する。接触角測定の結果、塗布膜に対する水の接触角が20°以下かつn−ヘキサデカンの接触角が40°以上である場合に、含窒素フッ素系化合物が親水撥油性を有する(すなわち、含窒素フッ素系化合物が、親水撥油剤である)という。
一方、フィルター浸透試験は、先ず、含窒素フッ素系化合物を水やアルコール等の溶媒に溶解させて溶液とし、当該溶液中に市販のPTFE製メンブレンフィルター(ADVANTEC T100A047A:孔径1μm、空隙率79%、厚さ75μm)を浸漬し、室温乾燥して得られたフィルターに対して、水及びn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下する。滴下後、目視判定により、水が5分以内にフィルターに浸透し、かつn−ヘキサデカンが30分経過後もフィルターに浸透しない場合に、含窒素フッ素系化合物が親水撥油性を有する(すなわち、含窒素フッ素系化合物が、親水撥油剤である)という。なお、未処理のPTFE製メンブレンフィルターは、水が30分経過後もフィルターに浸透せず、かつn−ヘキサデカンが5分以内にフィルターに浸透する(すなわち、撥水親油性である)。
なお、接触角測定及びフィルター浸透試験において、水及びn−ヘキサデカンの滴下方法としては、下記の条件を用いて行う。
(接触角測定)
滴下容量:2μL/滴(水)
滴下容量:2μL/滴(n−ヘキサデカン)
測定温度:室温(22±1℃)
(フィルター浸透試験)
滴下容量:40〜45μL/滴(水)
滴下容量:20〜25μL/滴(n−ヘキサデカン)
滴下高さ:PTFE製メンブレンフィルターの表面から5cm
滴下冶具:ポリスポイト
測定温度:室温(22±1℃)
<親水撥油剤の製造方法>
次に、本実施形態の親水撥油剤の製造方法について説明する。
本実施形態の親水撥油剤は、下記式(3)又は(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物(Y=CO)又はスルホン酸ハロゲン化物(Y=SO)を原料とする方法によって製造することができる。
Figure 0006563041
上記式(3)中、Rf、Rf及びRfは、前記の式(1)の場合と同じである。Yは、CO又はSOを表し、Aは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子を表す。
Figure 0006563041
上記式(4)中、Rf、Rf、Rf及びZは、前記の式(2)の場合と同じである。Yは、CO又はSOを表し、Aは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子を表す。
前記の式(5)で示される末端基が第四級アンモニウム基であるホスホベタン型親水性賦与基を有する親水撥油剤は、例えば、下記のようにして製造することができる。
先ず初めに、前記の式(3)又は(4)で示されるカルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物を原料として、下記式(39)又は(40)で示される含窒素フッ素系化合物のアルコール体を得る。
Figure 0006563041
式(39)中、Rf、Rf、Rf及びRは、前記の式(1)の場合と同じである。
Figure 0006563041
上記式(40)中、Rf、Rf、Rf及びRは、式(2)の場合と同じである。
上記のアルコール体は、前記の式(3)又は(4)で示されるカルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物と、アミノ基およびヒドロキシ基を有するアミノアルコール化合物とをアミド結合させる方法によって得ることができる。また、上記の含窒素フッ素系化合物のアルコール体は、上記の式(3)又は(4)で示されるカルボン酸ハロゲン化物を還元させる方法によっても得ることができる。
次いで、アルコール体とクロロホスホラン化合物とを反応させてリン酸エステルを生成させ、次いで前記リン酸エステルと第三級アミンとを反応させる。この反応によって、末端基が第四級アンモニウム基であるホスホベタン型親水性賦与基を有する親水撥油剤が得られる。クロロホスホラン化合物としては、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2,−ジオキサホスホランを用いることができる。含窒素フッ素系化合物のアルコール体とクロロホスホラン化合物との反応は、塩基の存在下にて行うことが好ましい。塩基としては、トリエチルアミンを用いることができる。溶媒としては、テトラヒドロフランを用いることができる。リン酸エステルと第三級アミンとの反応は、アセトニトリル中で行うことが好ましい。
なお、末端基が第四級アンモニウム基であるホスホベタン型親水性賦与基を有する親水撥油剤は、含窒素フッ素系化合物のアルコール体を、トリメチルアミン等の塩基の存在下でオキシ塩化リンと反応させて、含窒素ペルフルオロアルキル基を有するジクロロリン酸エステルを得る。次に、得られた含窒素ペルフルオロアルキル基を有するジクロロリン酸エステルをブロモエタノールと反応させ、次いで炭酸銀触媒下でトリメチルアミンを反応させて四級アンモニウム塩とし、最後に加水分解する方法によっても製造することができる。
前記の式(6)で示される末端基がリン酸基であるホスホベタン型親水性賦与基を有する親水撥油剤は、例えば、下記のようにして製造することができる。
先ず初めに、前記の式(3)又は(4)で示されるカルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物を原料として、下記式(41)又は(42)で示される含窒素フッ素系化合物のアミドアミンを得る。
Figure 0006563041
上記式(41)中、Rf、Rf及びRfは、前記の式(1)の場合と同じである。R、R及びnは、前記の式(6)の場合と同じである。Rは、−CO−NR−(Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)又は−SO−NR−(Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)を表す。
Figure 0006563041
上記式(42)中、Rf、Rf、Rf及びZは、前記の式(2)の場合と同じである。R、R及びnは、前記の式(6)の場合と同じである。Rは、−CO−NR−(Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)又は−SO−NR−(Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)を表す。
上記のアミドアミン体は、前記の式(3)又は(4)で示されるカルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物と、三級アミノ基を有するアミン化合物との反応により得ることができる。三級アミノ基を有するアミン化合物としては、ジメチルアミノプロピルアミンを用いることができる。
次いで、上記のアミドアミン化合物と、炭化水素系アルコール体とクロロホスホラン化合物との反応生成物とを反応させる。この反応によって、末端基がリン酸基であるホスホベタン型親水性賦与基を有する親水撥油剤が得られる。炭化水素系アルコール体とクロロホスホラン化合物との反応生成物としては、2−アルコキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを用いることができる。
<表面被覆材>
上述した本実施形態の親水撥油剤を、溶媒に含有させることによって、親水撥油剤の表面被覆材を形成することができる。ここで、溶媒としては、水、有機溶媒又は水と有機溶媒との混合物が挙げられる。また、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、IPA、テトラヒドロフラン、ヘキサン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、DMSO、DMF、アセトン、フッ素系溶剤などが挙げられる。特に、乾燥が容易で使用しやすく、また環境影響等の観点から、水やメタノール、エタノール、IPAなどのアルコール、又は水とアルコールとの混合物が好ましい。また、これら溶媒と相溶性のある溶媒を混合することも可能である。例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン等のケトン系溶剤、ヘキサフルオロキシレン等のフッ素系溶剤などが挙げられる。
ここで、表面被覆材において、親水撥油剤と溶媒との質量組成比は、0.2〜50対99.8〜50の範囲が好ましく、より好ましくは1〜20対99〜80の範囲、さらに好ましくは2〜10対98〜90の範囲である。表面被覆材中の親水撥油剤の質量組成比が0.2以上であると、処理した際に基材全体を充分親水撥油化できるために好ましい。一方、表面被覆材中の親水撥油剤の質量組成比が50以下であると、表面被覆材の溶液分散安定性に優れるために好ましい。塗布性や生成物の耐久性を加味すると、表面被覆材中の親水撥油剤と溶媒との質量組成比は、2〜10対98〜90の範囲が好ましい。
また、表面被覆材には、結合剤を添加することが好ましい。これにより、基材への密着性を高めることができる。また、親水撥油剤を包み込んで、親水撥油剤自体の環境に接触する面積を低減する機能を有するため、特性の持続性耐久性を向上させることができる。
結合剤としては、具体的には、例えば、樹脂や無機ガラスが挙げられる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等があり、具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、アクリルポリオール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂や熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
さらに、親水撥油性の特性を最大限に発揮させるためには、結合剤として親水性ポリマーを用いることが好ましい。また、親水性ポリマーの中でも、基材への密着性や親水撥油複合体と水素結合等の相互作用をもたらすヒドロキシル基を含有しているものが好ましい。
親水性ポリマーとしては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、セルロースなどの多糖およびその誘導体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。親水性ポリマーは、架橋剤により架橋してもよい。このような架橋により、塗料の耐久性が向上する。
架橋剤としては、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アルデヒド化合物、アルデヒド化合物、紫外線架橋型化合物、脱離基含有化合物、カルボン酸化合物、ウレア化合物などが挙げられる。
無機ガラスとしては、具体的には、例えば、化学式[R10Si(OR11]で示されるトリアルコキシシラン、化学式[Si(OR12](R10〜R12はそれぞれ独立した炭素数1〜6までのアルキル基)で示されるテトラアルコキシシラン等のシラン化合物や、水ガラス等が挙げられる。これらの中でも、水ガラスは、耐久性の向上効果が高いために好ましい。
表面被覆材において、親水撥油剤と結合剤との質量組成比は、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜98対98〜2の範囲、さらに好ましくは10〜90対90〜10の範囲である。親水撥油剤の質量組成比が0.2以上であると、親水撥油性が充分得られるために好ましい。
表面被覆材を形成するための混合方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー、インペラー式攪拌機、超音波分散機、マグネチックスターラーなど、親水撥油剤が溶媒中に分散又は溶解できる方法であれば特に限定されるものではない。
なお、表面被覆材は、親水撥油剤と溶媒、結合剤の他に、顔料や導電付与剤、レベリング剤等の親水撥油以外の機能を付与するために、添加剤を任意成分としてさらに含んでもよい。
<塗布膜>
上述した表面被覆材を用いることにより、基材の表面の少なくとも一部を塗布膜によって被覆することができる。上記塗布膜は、親水撥油剤のみからなる場合と、結合剤を含む場合とがある。塗布膜中に結合剤を含む場合、親水撥油剤と結合剤との質量組成比は、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲であることが好ましい。ここで、親水撥油剤の質量組成比が0.2以上であると、十分な親水撥油性が得られるために好ましい。基材との密着性や塗布膜の耐久性を加味すると、2〜98対98〜2の範囲がより好ましく、10〜90対90〜10の範囲が特に好ましい。
塗布膜の形成方法としては、具体的には、例えば、基材の表面の少なくとも一部に上述した表面被覆材を塗布し、溶剤を除去するために乾燥処理することにより、基材の表面の少なくとも一部に塗布膜を形成することができる。
基材としては、特に限定されないが、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス、ステンレス、アルミニウム、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、紙、皮革、それらの組合せ、それらの構造体、積層体等を用いることができる。
塗布工程において、基材の表面への塗布方法としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、表面被覆材中に基材を浸漬する浸漬法、スプレー、刷毛、ローラなど塗布手段を使用する、あるいは印刷手法を用いる方法などが挙げられる。
形成工程において、塗膜の乾燥処理の条件としては、表面被覆材に含まれる溶媒の種類や含有量などによっても異なるが、例えば、常温で1〜24時間の乾燥や、基材に影響を与えない程度での加熱による乾燥が挙げられる。
<樹脂組成物>
上述した本実施形態の親水撥油剤は、各種樹脂に親水撥油性の機能を付与するための添加剤として用いることができる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂としては、親水撥油剤が分散あるいは溶解できる樹脂であれば特に限定されるものではない。このような樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、アクリルポリオール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂や熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
さらに、親水撥油性の特性を最大限に発揮させるためには、樹脂として、親水性ポリマーを用いることが好ましい。親水性ポリマーとしては、ヒドロキシル基を含有しているものが好ましい。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、セルロースなどの多糖およびその誘導体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、親水性ポリマーは、架橋剤により架橋してもよい。このような架橋により、樹脂組成物の耐久性が向上する。
架橋剤としては、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アルデヒド化合物、紫外線架橋型化合物、脱離基含有化合物、カルボン酸化合物、ウレア化合物等が挙げられる。
樹脂組成物は、親水撥油剤と樹脂とのほかに、流動性改善剤、界面活性剤、難燃剤、導電付与剤、防カビ剤等の親水撥油以外の機能を付与するために添加剤をさらに含んでもよい。
樹脂組成物の形成方法としては、樹脂の種類にあわせて適切に選択された親水撥油剤が分散又は溶解できる方法であれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂への親水撥油剤の混合方法としては、押し出し法やロール法による練り込み等により混合する方法がある。
樹脂組成物は、さらに成形された樹脂成型品に加工できる。具体的には、例えば、フィルム、シート、糸、筐体などの射出成形品等が挙げられる。
樹脂組成物において、親水撥油剤と樹脂との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜98対98〜2の範囲、さらに好ましくは10〜90対90〜10の範囲である。親水撥油剤の質量組成比が0.2以上であると、親水撥油機能を十分に発揮することができるために好ましい。一方、親水撥油剤の質量組成比が90以下であれば、樹脂物性を損なうことなく、成形性を維持することが容易となるために好ましい。
上述した塗布膜及び樹脂組成物の用途としては、水等の速乾性が期待される部材、防汚効果が期待される部材、防曇効果、油除去性が期待される部材等への応用が挙げられる。
水等の速乾性が期待される、より具体的な用途としては、建材、外壁や屋根のような建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オートバイのような乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、看板、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、熱交換器用放熱フィン、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、及び上記物品表面に貼付させるためのフィルム等が挙げられる。
防汚効果が期待される、より具体的な用途としては、建材では、外壁や屋根のような建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、看板、交通標識、防音壁、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オートバイのような乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、各種表示装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇等が挙げられる。また、光学部材では、タッチパネルのカバーガラスやカバーシート、アイコンシートや画面保護フィルム、光ディスク等が挙げられる。特に食堂や台所用品等の油汚染に対する除去性については、秀逸な特性を有する。さらに、これらの物品の表面に貼付させるためのフィルム等が挙げられる。雪国用屋根材、アンテナ、送電線等への適用も可能であり、その際は、着雪防止性にも優れた特性が得られる。
防曇効果が期待される、より具体的な用途としては、自動車用及び建材用のガラス、車両用バックミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、道路鏡のような鏡、メガネレンズ、光学レンズ、写真機レンズ及びこれらの物品の表面に貼付させるためのフィルム等が挙げられる。
<油水分離濾材>
上述した表面被覆材で処理した、ろ紙や不織布、カートリッジフィルター、無機物や有機物の多孔質体や多孔質膜等に、水と油との混合液を流した場合、水はフィルター等を通過するのに対して油は通過できないために、重力のみで油と水とが分離可能な親水撥油性の分離膜やフィルター等(これらを、「分離濾材」と総称する)として用いることができる。この分離膜及びフィルターは、例えば、石油採掘や流出油の回収の際に、水と油とを分離する油水分離膜や油水分離フィルター(すなわち、「油水分離濾材」)として使用することが可能である。
また、上述した油水分離濾材は、親水撥油性が付与されているため、油で汚染された有機分子や土泥類が付着し難く、優れた耐ファウリング性が得られる。また、逆圧洗浄等の物理処理によって付着した汚れが除去され易く、易洗浄性にも優れる。
<多孔質体>
本実施形態の親水撥油剤は、多孔質体の態様で使用すると、より優れた油水分離性能が得られるために、好ましい。
多孔質体を得る方法としては、一般に知られている手法が適用可能である。具体的には、例えば、親水撥油剤の溶解液または分散液を、スプレードライ法で乾燥する手法が挙げられる。これによって得られる粒子は、多孔質体の形成とともに粒子径の制御が可能であり、そのまま濾過材として適用することができることから、特に好ましい。
また、多孔質粒子を製造する際に、樹脂やガラス質などの結合剤を親水撥油剤の溶解液または分散液に加えることにより、多孔質粒子を結合させることで、多孔質体の物理的強度を高めることや、水への溶解性を制御して低減することが可能である。
樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を、ガラス質としては、上述のシラン化合物や水ガラスを使用することができる、また、親水撥油剤に対する結合剤の使用量としては、特に限定されるものではなく、粒子を結合可能な範囲で適宜添加すればよい。典型的には、親水撥油剤と結合剤との質量組成比を0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲で使用するのが好ましく、より好ましくは2〜98対98〜2の範囲、さらに好ましくは10〜90対90〜10の範囲である。
また、本発明の親水撥油剤を他の多孔質体に担持することも可能である。担持させる多孔質体としては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルクやモンモリロナイト等の粘土鉱物が使用できる。担持の方法としては、親水撥油剤の溶解液または分散液に、担持させる多孔質体を添加し、乾燥により溶媒を除去する手法などが適用可能である。担持する割合としては、親水撥油剤と担持する多孔質体との質量組成比を1対99から50対50の範囲から選択するのが、親水撥油性の特性面で好ましい。
得られた多孔質粒子は、ろ紙や不織布、カートリッジフィルター等の基材の表面に固着処理することによって、より優れた油水分離性能が得られるため、さらに好ましい。また、基材への固着には、上述した樹脂やガラス質を用いることが可能である。
以上説明したように、本実施形態の親水撥油剤は、分子中に含窒素ペルフルオロアルキル基からなる撥油性賦与基と、ホスホベタイン型の親水性賦与基とを含む化合物であり、優れた親水撥油性を有する材料であるため、多種多様な用途に適用可能性を有する。
また、本実施形態の親水撥油剤の製造方法は、含窒素フッ素系化合物のアルコール体を原料とするため、各種誘導体の合成を容易に行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
(合成例1)
「2−[4−[[ペルフルオロ(3−ジブチルアミノプロパノイル)]アミノ]フェニル]エチル2−(ブチル(ジメチル)アンモニウム)エチルホスフェートの合成」
50mLガラスフラスコに、溶媒のテトラヒドロフラン30mlとフッ化カリウム1.2g、2−(4−アミノフェニル)エタノール2.3gを仕込み、3−ジブチルアミノプロピオン酸メチルの電解フッ素化により得られたペルフルオロ(3−ジブチルアミノプロピオン酸)フルオリド10.0gを滴下して0℃で1時間反応を行った。反応終了後、1M水酸化ナトリウム水溶液を加えて副生物のエステル体を分解し、クロロホルムで洗浄することで目的物の[4−[[ペルフルオロ(3−ジブチルアミノプロパノイル)]アミノ]フェニル]エタノール4.0gを得た。
次いで、得られた(CNCFCFCONHCOHを3.5g、テトラヒドロフラン中、トリエチルアミン0.5gの存在下で2−クロロ−2−オキソ−1,3,2,−ジオキサホスホラン0.7gと0℃で1時間反応させ、さらにジメチルブチルアミン1.2gとアセトニトリルを加えて20時間還流させて、前述の式(15)で示されるホスホベタイン体0.4g得た(収率8.5%)。
(合成例2)
「2−[[ペルフルオロ(3,5−ジメチルモルホリノアセチル)]アミノ]エチル2−(ブチル(ジメチル)アンモニウム)エチルホスフェートの合成」
500mLガラスフラスコに、溶媒のアセトニトリル250mlとエタノールアミン42.9gを仕込み、2−(3’,5’−ジメチルモルホリノ)酢酸メチルの電解フッ素化により得られたペルフルオロ(2−(3’,5’−ジメチルモルホリノ)酢酸)フルオリド100.0gを滴下して0℃で1時間反応を行った。反応終了後、析出した白色固体を濾別し、水洗・濃縮を行い黄濁オイルを得た。得られたオイルを酢酸エチル/トルエンで再沈殿することで、目的物のO(CF(CF)CFNCFCONHCOHを49.2g得た(粗収率44.9%)。
ついで、得られたO(CF(CF)CFNCFCONHCOHを6.6g、テトラヒドロフラン中、トリエチルアミン1.6gの存在下で2−クロロ−2−オキソ−1,3,2,−ジオキサホスホラン2.0gと0℃で1時間反応させ、さらにジメチルブチルアミン2.5gとアセトニトリル30mlを加えて20時間還流させて、前記の式(28)で示されるホスホベタイン体を0.8g得た(収率10.8%)。
<表面被覆材の作製>
(実施例1)
合成例1にて合成した含窒素フッ素系化合物をメタノールに溶解させて、0.2質量%メタノール溶液を調製した。さらに、結合剤としてポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製エスレックBL−1)を用い、含窒素フッ素系化合物と結合剤との質量組成比(含窒素フッ素系化合物:結合剤)が10:90になるように加えて、実施例1の表面被覆材とした。
(実施例2)
合成例1にて合成した含窒素フッ素系化合物を、ポリエステル系水性ウレタン樹脂(第一工業製薬社製、「スーパーフレックス210」、固形分35%、水65%)に6.0質量%の割合で配合し、含窒素フッ素系化合物と結合剤(固型分)との質量組成比が15:85になるように調製して、実施例2の表面被覆材とした。
(実施例3)
合成例1にて合成した含窒素フッ素系化合物を、エタノール90.0質量%と水10.0質量%の混合溶液に溶解させて、50.0質量%溶液を調製した。さらに、結合剤としてポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製エスレックBL−1)を用い、含窒素フッ素系化合物と結合剤との質量組成比(含窒素フッ素系化合物:結合剤)が90:10になるように加えて、実施例3の表面被覆材とした。
(実施例4)
合成例2にて合成した含窒素フッ素系化合物をメタノールに溶解させて、0.5質量%メタノール溶液を調製した。さらに、結合剤として水ガラス(富士化学社製3号)を用い、含窒素フッ素系化合物と結合剤との質量組成比(含窒素フッ素系化合物:結合剤)が10:90になるように加えて、実施例4の表面被覆材とした。
(実施例5)
合成例2にて合成した含窒素フッ素系化合物をメタノールに溶解させて、1.0質量%メタノール溶液を調製した。さらに、テトラエトキシシラン(和光純薬社試薬)を含窒素フッ素系化合物との質量組成比(含窒素フッ素系化合物:結合剤)が10:90になるように加えた。また、結合剤としてポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製エスレックBL−1)を用い、含窒素フッ素系化合物と結合剤との質量組成比(含窒素フッ素系化合物:結合剤)が50:50になるように加えて、実施例5の表面被覆材とした。
(比較例1)
下記式(43)に示す含窒素ペルフルオロアルキル基とポリオキシアルキレン基とを分子内に持つ化合物をメタノールに溶解させて、2.0質量%メタノール溶液を調製した。これを比較例1の表面被覆材とした。
Figure 0006563041
(比較例2)
下記式(44)に示すペルフルオロヘキサン酸カルシウム塩をメタノールに溶解させて、2.0質量%メタノール溶液を調製した。これを比較例2の表面被覆材とした。
Figure 0006563041
(比較例3)
下記式(45)に示す含窒素ペルフルオロアルキル基を持つシランカップリング剤をメタノールに溶解させて、2.0質量%メタノール溶液を調製した。これを比較例3の表面被覆材とした。
Figure 0006563041
<親水性及び撥油性の評価>
実施例及び比較例の表面被覆材によって得られる塗布膜について、フィルター浸透試験を行った。
具体的には、先ず、実施例1、実施例3及び比較例1、比較例2の表面被覆材に、基材として市販のPTFEメンブレンフィルター(ADVANTEC T100A047A:孔径1μm、空隙率79%、厚さ75μm)をディップし、フィルターに溶液を十分に含浸させたのち、引き揚げて120℃で2時間乾燥させて溶媒を乾燥除去した。
次に、作製した試験用のPTFEメンブレンフィルターに、水とn−ヘキサデカンをそれぞれ下記の条件で滴下し、その浸透性を下記の定義に基づき目視判定して、親水性及び撥油性を評価した。評価結果を下記の表1と表2に示す。
(水及びn−ヘキサデカンの滴下条件)
滴下容量:(40〜45)μL/滴(水)
滴下容量:(20〜25)μL/滴(n−ヘキサデカン)
滴下高さ:フィルターの表面から5cm
滴下冶具:ポリスポイト
測定温度:室温(22±1℃)
(浸透性の定義)
A(直ちに浸透):フィルターに液滴を滴下後、30秒以内に浸透するもの
B(徐々に浸透):フィルターに液滴を滴下後、30秒超過〜5分以内に浸透するもの
C(浸透しない):フィルターに液滴を滴下後、30分間浸透しないもの
実施例2の表面被覆材に、基材として市販のポリエステル不織布(目付80g/m、厚さ0.40mm)をディップし、ポリエステル不織布に溶液を十分に含浸させたのち、引き揚げて120℃で2時間乾燥させて溶媒を除去した。
次に、作製した試験用のポリエステル不織布に、水とn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下し、その浸透性を上記定義に基づき目視判定して、親水性及び撥油性を評価した。結果を下記表1に示す。
なお、水及びn−ヘキサデカンの滴下条件、並びに浸透性の定義は、上述の評価と同様とした。
実施例4、実施例5及び比較例3の表面被覆材に、基材として市販のガラス繊維フィルター(GE ガラス繊維ろ紙 GF/A:粒子保持性能1.6μm)をディップし、溶液を十分に含浸させた。実施例4は150℃で30分間加熱硬化させて、浸透試験用試料を作製した。実施例5および比較例3については120℃で2時間乾燥させて溶媒を除去した。
次に、作製した試験用のガラス繊維フィルターに、水とn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下し、その浸透性を上記定義に基づき目視判定して、親水性及び撥油性を評価した。結果を下記の表1と表2に示す。
なお、水及びn−ヘキサデカンの滴下条件、並びに浸透性の定義は、前述の評価と同様とした。
Figure 0006563041
Figure 0006563041
表1に示すように、実施例1〜5におけるフィルター浸透試験の結果、いずれの試験用のフィルター(表面被覆済)についても、水の浸透結果がA(直ちに浸透)であり、n−ヘキサデカンの浸透結果がC(浸透しない)であることから、親水撥油性であることが確認された。
これに対して、表2に示すように、比較例1のフィルター浸透試験の結果、比較例1の表面被覆材を処理したPTFEメンブレンフィルターは、水は浸透するものの、n−ヘキサデカンも浸透してしまい、親水親油性であることが確認された。
また、比較例2のフィルター浸透試験の結果、比較例2に示すような直鎖構造のフッ素系化合物では、水が浸透せず、n−ヘキサデカンが徐々に浸透してしまい、撥水親油性であることが確認された。
さらに、比較例3のフィルター浸透試験の結果、比較例3の表面被覆材を処理したガラス繊維フィルターは、含窒素フッ素系化合物の撥水性が作用して撥水撥油性であることが確認された。
尚、未処理のPTFEメンブレンフィルターとポリエステル不織布に水とn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下すると、水は水滴状に保持され、n−ヘキサデカンは濡れ広がって基材に浸透し、両方ともに撥水親油性を示した。
また、未処理のガラス繊維フィルターに水とn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下すると、水もn−ヘキサデカンも濡れ広がってガラス繊維フィルターに浸透し、親水親油性を示した。

Claims (12)

  1. 下記式(1)または(2)で示される、ホスホベタイン型の親水性賦与基を有する含窒素フッ素系化合物を、一種又は二種以上含む親水撥油剤:
    Figure 0006563041
    上記式(1)中、Rf、Rfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表し、Rfは、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Rは、カルボン酸アミド基又はスルホン酸アミド基と2価の炭化水素基とを組合せた2価の有機基または−CH である連結基を表し、Xは、ホスホベタイン型の親水性賦与基を表し、
    Figure 0006563041
    上記式(2)中、Rf、Rf及びRfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表し、Rは、カルボン酸アミド基又はスルホン酸アミド基と2価の炭化水素基とを組合せた2価の有機基または−CH である連結基を表し、Xは、ホスホベタイン型の親水性賦与基を表す。
  2. 請求項1に記載の親水撥油剤の製造方法であって、
    下記式(3)又は(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物を原料とする、親水撥油剤の製造方法:
    Figure 0006563041
    上記式(3)中、Rf 、Rf は、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表し、Rf は、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Yは、CO又はSO を表し、Aは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子を表し、
    Figure 0006563041
    上記式(4)中、Rf 、Rf 及びRf は、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF 基のいずれかを表し、Yは、CO又はSO を表し、Aは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子を表す。
  3. 請求項1に記載の親水撥油剤と溶媒とを含み
    前記親水撥油剤と前記溶媒との質量組成比が、0.2〜50対99.8〜50の範囲である、表面被覆材。
  4. 前記溶媒が、水、アルコール又は水とアルコールとの混合物である、請求項3に記載の表面被覆材。
  5. さらに、結合剤を含み、
    前記親水撥油剤と前記結合剤との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲である、請求項3又は4に記載の表面被覆材。
  6. 前記結合剤が、樹脂、水溶性樹脂及びシラン化合物及び水ガラスのいずれかを含む、請求項5に記載の表面被覆材。
  7. 請求項1に記載の親水撥油剤を含む、塗布膜。
  8. さらに、結合剤を含み、
    前記親水撥油剤と前記結合剤との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲である、請求項7に記載の塗布膜。
  9. 請求項1に記載の親水撥油剤と、樹脂とを含み、
    前記親水撥油剤と前記樹脂との質量組成比が、0.2〜99.9対99.8〜0.1の範囲である、樹脂組成物。
  10. 請求項1に記載の親水撥油剤を含む、多孔質体。
  11. 請求項1に記載の親水撥油剤が樹脂又はガラス質で結合されている、多孔質体。
  12. 請求項7又は8に記載の塗布膜、請求項9に記載の樹脂組成物及び請求項10又は11に記載の多孔質体のうち、いずれか1以上を含む、油水分離濾材。
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