JP6558462B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6558462B2
JP6558462B2 JP2018053758A JP2018053758A JP6558462B2 JP 6558462 B2 JP6558462 B2 JP 6558462B2 JP 2018053758 A JP2018053758 A JP 2018053758A JP 2018053758 A JP2018053758 A JP 2018053758A JP 6558462 B2 JP6558462 B2 JP 6558462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor device
substrate
drift layer
carrier lifetime
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018053758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018117147A (ja
Inventor
中村 勝光
勝光 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2018053758A priority Critical patent/JP6558462B2/ja
Publication of JP2018117147A publication Critical patent/JP2018117147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6558462B2 publication Critical patent/JP6558462B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Description

この発明は、高電圧、大電流のスイッチングなどに用いられる半導体装置(例えばIGBT又はダイオード)に関する。
特許文献1には、ゲッタリング技術を採用する半導体装置の製造方法が開示されている。このゲッタリング技術によれば、まず半導体ウエハ(基板)の下面にゲッタリングサイトを形成する。その後、基板に熱処理を施して基板中の金属不純物をゲッタリングサイトで捕獲する。その後、金属不純物を捕獲したゲッタリングサイトであるコンタミネイテッドレイヤを除去する。特許文献1に開示の半導体装置の製造方法では、これらの処理を複数回行う。
日本特開平4−218921号公報 日本特開平7−263692号公報 国際公開第2009−122486号 国際公開第2002−058160号 国際公開第2002−061845号 日本特開2001−085686号公報 日本特開2010−283131号公報 日本特開2012−9811号公報
特許文献1に開示の半導体装置の製造方法では、ゲッタリングサイトの形成、基板の加熱、及びコンタミネイテッドレイヤの除去を複数回実施する。従って半導体装置の製造工程が複雑化する問題があった。
また、特許文献1に開示の半導体装置の製造方法では、ゲッタリング技術の利用が半導体装置の電気的特性にどのように影響するのか十分検討されていないので、ゲッタリング技術をどのような条件で用いるべきかが明らかでない問題があった。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、容易な方法で基板の金属不純物等を除去し半導体装置の持つ本来の性能を示しながら電気的特性を安定化させることができる半導体装置を提供することを目的とする。
本願の発明に係る半導体装置は、内部にドリフト層を有する基板と、該ドリフト層の上面側に形成され、トレンチゲートを有するMOS構造と、該ドリフト層の下面に接したバッファ層と、該バッファ層の下面に接したコレクタ層とを備え、該ドリフト層中のキャリアのライフタイムは、該ドリフト層中のキャリアのライフタイムをτ[sec]とし、該ドリフト層の層厚をtN-[m]としたときに以下の数式1を満たすことを特徴とする。
Figure 0006558462
本発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
この発明によれば、容易な方法で基板の金属不純物等を除去し半導体装置の持つ本来の性能を示しながら電気的特性を安定化させることができる。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。 図1のII−II線における断面図である。 IGBTのNドリフト層が形成された基板にN層とベース層を形成したことを示す断面図である。 IGBTにおけるエミッタを形成したことを示す断面図である。 IGBTにおけるトレンチを形成したことを示す断面図である。 IGBTにおけるトレンチをポリシリコンで埋め込んだことを示す断面図である。 シリケートガラス又はTEOS膜からなる層間膜を形成したことを示す断面図である。 基板下面のNドリフト層を露出させたことを示す断面図である。 リンをドーピングしたポリシリコンを形成したことを示す断面図である。 IGBTにおけるゲッタリング層を形成したことを示す断面図である。 IGBTにおける前処理アニール工程後の基板の不純物密度を示すグラフである。 IGBTにおける基板上面のドープドポリシリコンを除去したことを示す断面図である。 IGBTにおけるコンタクトホールを形成したことを示す断面図である。 IGBTにおけるシリサイド膜等を形成したことを示す断面図である。 IGBTにおけるゲッタリング層とドープドポリシリコンを除去したことを示す断面図である。 IGBTにおけるバッファ層、コレクタ層、及び電極を形成したことを示す断面図である。 オン電圧(VCE(sat))及び耐圧(BVCES)と、Nドリフト層のキャリアライフタイムの関係を示すグラフである。 主接合リーク電流(JCES)と、Nドリフト層のキャリアライフタイムの関係を示すグラフである。 ドリフト層の厚みに対するVCE(sat)のキャリアライフタイム依存性がなくなるキャリアライフタイム領域を示すグラフである。 ゲッタリング層形成工程の有無によるキャリアライフタイムの相違を示す表である。 オン電圧(VCE(sat))、主接合リーク電流(JCES)、及びターンオフ時のロス(EOFF)のリンをドープしたポリシリコン層厚依存性を示すグラフである。 IGBTの短絡状態で遮断するために必要な最大のゲート電圧からしきい値電圧(Vth)を引いた値(ΔVg(break))と短絡時の最大遮断エネルギー(Esc)のリンをドーピングしたポリシリコン層厚依存性を示すグラフである。 オン電圧(VCE(sat))と主接合リーク電流(JCES)へのリンをドープしたポリシリコンの不純物密度依存性を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法で製造された半導体装置と比較例の半導体装置の出力特性を比較するグラフである。 オン電圧(VCE(sat))とターンオフ時のロス(EOFF)とのトレードオフ特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法により製造された複数の半導体装置のJ−VCE特性である。 比較例の半導体装置の製造方法により製造した複数の半導体装置のJ−VCE特性である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法により製造された複数の半導体装置のJCES−VCES特性グラフである。 比較例の半導体装置の製造方法により製造した複数の半導体装置のJCES−VCES特性である。 6500VクラスIGBTでの電気特性と製造方法との対応を示す表である。 CE(sat)及びJCESの、リンをドーピングしたポリシリコン形成後のアニール工程におけるアニール時間依存性を示すグラフである。 ダイオードにおける基板に拡散層を形成したことを示す断面図である。 ダイオードにおける活性領域にPアノード層を形成したことを示す断面図である。 ダイオードにおけるN層、TEOS膜、及びドープドポリシリコンを形成したことを示す断面図である。 ダイオードにおけるゲッタリング層を形成したことを示す断面図である。 ダイオードにおけるメタル配線を形成したことを示す断面図である。 ダイオードにおけるパッシベーション膜を形成し、ゲッタリング層とドープドポリシリコンを除去したことを示す断面図である。 ダイオードにおけるNドリフト層の下面に拡散層と電極を形成したことを示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法で製造したダイオードと比較例のダイオードの出力特性を比較するグラフである。 実施の形態2に係る製造方法で製造されたダイオードと比較例のダイオードのオン電圧(VF)とターンオフ時のロス(EREC)のトレードオフ特性を比較したグラフである。 IGBTを例として本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法におけるゲッタリング層形成工程を示す断面図である。 図41に示すゲッタリング層形成工程の有無によるキャリアライフタイムの相違を示す表である。 ゲッタリング層形成時のレーザー光のパワー密度とNドリフト層20のキャリアライフタイム(τ)との関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態に係る半導体装置とその製造方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。半導体装置10は、活性領域12と、活性領域12を囲むように形成されたエッジターミネーション領域14を有している。図2は、図1のII−II線における断面図である。半導体装置としてトレンチ構造のIGBTが形成されている。半導体装置はNドリフト層20を有している。Nドリフト層20の不純物密度は例えば1.0×1012〜1.0×1015[cm−3]のいずれかである。
ドリフト層20の下面には、N型のバッファ層22が形成されている。バッファ層22の下面にはP型のコレクタ層24が形成されている。コレクタ層24の下面には電極26が形成されている。
ドリフト層20の上面にはN層28が形成されている。N層28は、例えばピーク不純物密度が1.0×1015〜1.0×1017[cm−3]のいずれかで、深さは0.5〜5.0[μm]のいずれかである。N層28の上面にはP型のベース層30が形成されている。Pベース層30は、例えばピーク不純物密度が1.0×1016〜1.0×1018[cm−3]のいずれかで、深さはNエミッタ層36より深くN層28より浅くなるように形成する。ベース層30とN層28を縦方向に貫くようにポリシリコン32を埋め込んでいるトレンチ37が形成されている。ポリシリコン32はゲート酸化膜34を介してNドリフト層20、N層28、ベース層30、及びNエミッタ層36と接している。
ベース層30の表面側にはゲート酸化膜34と接するようにN型のNエミッタ層が形成されている。Nエミッタ層36のピーク不純物密度は例えば1.0×1018〜1.0×1021[cm−3]のいずれかであり、深さは概ね0.2〜1.0[μm]のいずれかである。Pベース層30の上面側にはP層38が形成されている。P層38の表面の不純物密度は例えば1.0×1018〜1.0×1021[cm−3]のいずれかである。Nエミッタ層36とP層38(以後、Nエミッタ層36とP38を第1拡散層ということがある)の上面にはシリサイド膜39が形成されている。また、ポリシリコン32には酸化膜32aと酸化膜40を介してバリアメタル42が形成されている。そして、シリサイド膜39と接するようにメタル配線44が形成されている。
次いで、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明する。まず、FZ法で形成されたシリコンウエハ(以後、このシリコンウエハ又は処理が施されたシリコンウエハを基板という)を用意する。図3は、Nドリフト層20が形成された基板にN層28とPベース層30を形成したことを示す断面図である。Nドリフト層20にイオン注入及びアニーリング処理を施してN層28とPベース層30を形成する。次の処理に進む。図4は、Nエミッタを形成したことを示す断面図である。基板にイオン注入及びアニーリング処理を施し、Pベース層30の表面側に複数のNエミッタ層36を形成する。
次の処理に進む。図5は、トレンチを形成したことを示す断面図である。基板の上面に酸化膜31を形成し、写真製版技術を用いてパターニングする。そして、酸化膜31の開口に露出した部分に対しプラズマを用いた反応性イオンエッチングを施し、トレンチ37を形成する。その後、トレンチ37の周辺部の結晶欠陥及びプラズマダメージ層の除去、トレンチ37のボトム部のラウンディング、並びにトレンチ37の内壁の平化を目的にケミカルドライエッチングと犠牲酸化処理を行う。ケミカルドライエッチと犠牲酸化処理に関しては例えば特開平7−263692号公報に開示されている。また適切なトレンチ37の深さについては例えば国際公開2009−122486号に開示されている。
次の処理に進む。図6は、トレンチ37をリンをドープしたポリシリコン32で埋め込んだことを示す断面図である。熱酸化法又はCVD法(例えば、特開2001−085686号公報参照)でトレンチ内壁にゲート酸化膜34を形成する。そして、ゲート酸化膜34に接するように、リンをドープしたポリシリコン32を形成してトレンチを埋める。なお、基板の下面には、ゲート酸化膜34の形成と同時に酸化膜50が形成され、ポリシリコン32の形成と同時にポリシリコン52が形成される。
次の処理に進む。図7は、酸化膜40とTEOS膜41を形成したことを示す断面図である。まず、ポリシリコン32のうちトレンチ37の外に出た部分をエッチングする。エッチング後に基板上面及びトレンチ37の埋め込み表面に露出するポリシリコン32を熱酸化法又はCVD法で酸化もしくは堆積し酸化膜32aを形成する。その後、基板の上面にP層38を形成する。その後、ボロン又はリンがドープされた酸化膜40、及びTEOS膜41をCVD法で形成する。酸化膜40としてTEOS膜又はシリケートガラスを形成してもよい。なお、基板の下面には、酸化膜40、及びTEOS膜41の形成と同時にTEOS膜54が形成される。
次の処理に進む。図8は、基板下面のNドリフト層20を露出させたことを示す断面図である。フッ酸又は混酸(例えば、フッ酸、硝酸、及び酢酸の混合液)を含有する液体を用いて基板の下面のTEOS膜54、ポリシリコン52、及び酸化膜50をエッチングしてNドリフト層20を露出させる。なお、ここまでの各工程をまとめて製造工程と称する。
次の処理に進む。図9は、不純物をドープしたポリシリコン60、62を形成したことを示す断面図である。不純物をドープしたポリシリコン60(以下、不純物をドープしたポリシリコンをドープドポリシリコンと称する)を、基板の下面に露出したNドリフト層20と接するように形成する。このとき基板上面に不所望のドープドポリシリコン62も形成される。ドープドポリシリコン60、62はLPCVD法で形成する。ドープドポリシリコン60、62にドープする不純物としては、ドープドポリシリコン60、62がN層となるようにリン、ヒ素、又はアンチモン等を用いる。ドープドポリシリコン60、62の不純物密度は1×1019[cm−3]以上である。また、ドープドポリシリコン60、62の層厚は500[nm]以上である。
次の処理に進む。図10は、ゲッタリング層64を形成したことを示す断面図である。窒素雰囲気中において、基板の温度を900〜1000[℃]のいずれかまで加熱してドープドポリシリコン60の不純物をNドリフト層20の下面側へ拡散させる。この拡散により、Nドリフト層20の下面側に結晶欠陥と高濃度不純物を有するゲッタリング層64が形成される。この工程を前処理アニール工程と称する。また、ドープドポリシリコン60を形成する工程と前処理アニール工程をまとめて、ゲッタリング層形成工程と称する。すなわち、ゲッタリング層形成工程とは、基板の下面に露出したNドリフト層20の下面側にゲッタリング層64を形成する工程である。ゲッタリング層64の表面不純物密度は、例えば1.0×1019〜1.0×1022[cm−3]のいずれかである。
ゲッタリング層形成工程の後に、任意の降温スピードにて基板の温度を600〜700[℃]のいずれかまで下げて、その温度を4時間以上維持する。この工程をアニール工程と称する。アニール工程では、基板を加熱し製造工程にてNドリフト層20に導入された金属不純物、汚染原子、及びダメージを拡散させゲッタリング層64で捕獲する。
図11は、前処理アニール工程及びアニール工程後の基板の不純物密度を示すグラフである。ドープドポリシリコン60からNドリフト層20へ不純物が拡散し、Nドリフト層20よりも不純物密度の高いゲッタリング層64が形成されている。ゲッタリング層64の不純物密度の最高値は1×1020[cm−3]程度である。
次の処理に進む。図12は、基板上面のドープドポリシリコン62を除去したことを示す断面図である。基板上面のドープドポリシリコン(図10のドープドポリシリコン62)はフッ酸又は混酸(例えば、フッ酸/硝酸/酢酸の混合液)の液を用いて選択的に除去する。次の処理に進む。図13は、コンタクトホールを形成したことを示す断面図である。基板の上面側において、酸化膜40及びTEOS膜41を一部エッチングし、第1拡散層の一部を外部に露出させてコンタクトホールを有するトレンチ露出部70を形成する。トレンチ露出部70以外の部分はMOSTr部72である。
なお、図13に示すように、ポリシリコン32で埋められたトレンチ37が形成された領域に部分的にコンタクトホールを形成する目的は、ポリシリコン32の一部をエミッタ電位とすることで実効的なゲート幅を小さくすること及び容量を調整することである。これにより、飽和電流密度抑制、容量制御による短絡時の発振抑制、短絡耐量向上(詳細は国際公開2002−058160号及び国際公開2002−061845号参照)、及びオン状態のエミッタ側キャリア濃度向上による低オン電圧化が可能となる。
次の処理に進む。図14は、シリサイド膜等を形成したことを示す断面図である。スパッタリングおよびアニーリングにより、基板上面にシリサイド膜39とバリアメタル42を形成する。スパッタ時のメタルとしてTi、Pt、Co又はWなどの高融点メタル材料を用いる。次に基板上面に、Siを1〜3%程度添加したメタル配線44をスパッタリング法で形成する。メタル配線44の材料は、例えば、AlSi、AlSiCu、又はAlCuである。メタル配線44は、コンタクトホールを介して第1拡散層と電気的に接続されている。次に、エッジターミネーション領域にパッシベーション膜を形成する。
次の処理に進む。図15は、ゲッタリング層とドープドポリシリコンを除去したことを示す断面図である。基板の下面側に形成されていたゲッタリング層64とドープドポリシリコン60を、研磨又はエッチングにより除去する。このようにゲッタリング層などを除去する工程を除去工程と称する。除去工程では、Nドリフト層20のうちゲッタリング層に接する部分を所望の厚さだけ除去してもよい。これにより基板(Nドリフト層20)の厚みを、半導体装置の耐圧クラスに対応したものとすることができる。
次の処理に進む。図16は、IGBTのバッファ層22、コレクタ層24、及び電極26を形成したことを示す断面図である。基板の下面にバッファ層22を形成する。バッファ層22の下面にP型のコレクタ層24を形成する。コレクタ層24の下面に電極26を形成する。Nドリフト層20の下面側に形成された拡散層であるバッファ層22とコレクタ層24は第2拡散層と称する。最後に、第2拡散層の一部であるコレクタ層24と接するように電極26を形成する。電極26は、半導体装置をモジュールへ搭載する際に、モジュール中の基板等とはんだ接合する部分である。そのため、電極26を複数のメタルを積層させて形成することで低コンタクト抵抗とすることが好ましい。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、ゲッタリング層64を形成した後にアニール工程を実施する。基板の上面側に第1拡散層を形成し、成膜し、エッチング処理を施す製造工程においてNドリフト層20に導入された金属不純物、汚染原子、及びダメージは、アニール工程にてゲッタリング層64に捕獲される。ここでいうダメージとは、熱アニール時の熱ストレスによるSi結晶のみだれ、及びプラズマエッチング工程のプラズマによるSi結晶へのダメージのことである。このように、ゲッタリング層64の不純物と結晶欠陥がゲッターサイトとなる。
ゲッタリング層64の結晶欠陥には高密度転位及び格子欠陥が含まれ、これらが重金属などの金属不純物と汚染原子を捕獲する。また、ゲッタリング層64を形成するために用いたドープドポリシリコン60とNドリフト層20の熱膨張係数の差により、ドープドポリシリコン60とNドリフト層20とが接する面に歪みが生じる。この歪みもまたゲッターサイトとして機能する。これらの効果により、製造工程中の外的要因、アニール工程、およびプラズマエッチング工程が原因で低下したNドリフト層20のキャリアライフタイムを回復させることができる。
次に、半導体装置の電気的特性(以後、単に特性という)を安定化させるために、どの程度までキャリアライフタイムを長くすることが好ましいのかについて議論する。図17は、IGBTのオン電圧(VCE(sat))及び耐圧(BVCES)と、Nドリフト層20のキャリアライフタイムの関係を示すグラフである。図18は、主接合リーク電流(JCES)と、Nドリフト層のキャリアライフタイムの関係を示すグラフである。図17、18は、Nドリフト層20の層厚を650[μm]とした耐圧クラス6500VクラスのIGBTに関するシミュレーション結果を表している。
図17から分かるように、5.0E−04[s]以上のキャリアライフタイムがあれば、キャリアライフタイムの多少の変動に対してVCE(sat)を安定化させることができる。また、BVCESの値はほとんどキャリアライフタイムに依存しない。図18から分かるように、JCESはキャリアライフタイムが長いほど低減できる。JCESの低減は例えば398K以上の高温での熱暴走抑制に効果的である。以上より、Nドリフト層20のキャリアライフタイムを概ね5.0E−04[s]以上とすると、VCE(sat)のキャリアライフタイム依存性を抑制でき、しかもJCESを抑制できる。
上述のシミュレーションを、耐圧クラス600〜6500Vクラスの範囲内で様々な耐圧クラスを有する複数のIGBTに対して実施した。つまり、例えば耐圧クラス600[V]の場合はNドリフト層の層厚が60[μm]であり耐圧クラス6500[V]の場合はNドリフト層の層厚は6500[μm]であるので、Nドリフト層の層厚を60〜6500[μm]の範囲内で変えてシミュレーションを実施した。そして、Nドリフト層の層厚ごとに、VCE(sat)のキャリアライフタイム依存性を抑制できるキャリアライフタイムを算出した。図19は、VCE(sat)のキャリアライフタイム依存性を抑制できるキャリアライフタイムをプロットしたグラフである。例えば、Nドリフト層の層厚が400[μm]の場合は、1.1×10−4[sec]以上のキャリアライフタイムとすることでVCE(sat)を安定化させることができる。図19における「デバイス特性安定化領域」におけるキャリアのライフタイムは以下の数式2を満たす。
Figure 0006558462
図19には、数式2が直線で表されている。この直線で規定されるキャリアライフタイムよりも高いキャリアライフタイムを確保することで、VCE(sat)のキャリアライフタイム依存性を抑制しデバイス特性を安定化させることができる。他方、この直線で規定されるキャリアライフタイムよりも低いキャリアライフタイムではVCE(sat)のキャリアライフタイム依存性を抑制することができない。この領域をデバイス特性不安定化領域と称する。本発明の実施の形態1に係るNドリフト層20におけるキャリアライフタイムは、数式2を満たしデバイス特性安定化領域に属するようにする。従って本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体装置の特性のキャリアライフタイム起因によるばらつきを抑制できる。
図20は、ゲッタリング層形成工程の有無によるキャリアライフタイムの相違を示す表である。図20の比較例とは、ゲッタリング層形成工程である図8〜10の工程でのドープドポリシリコン60、62の形成を省略した点においてのみ本発明の実施の形態1に係る半導体装置と異なる(以下同じ)。比較例と本発明の実施の形態1では図8に示す工程に相当する「ウエハ下面のエッチング」まで処理内容に差がないので、「ウエハ下面のエッチング後」におけるキャリアライフタイムは同等となっている。しかし、アニール工程後におけるキャリアライフタイムは、本発明の実施の形態1では大幅に改善しているのに対し比較例では改善効果が見られない。従って、ゲッタリング層のゲッタリングによってキャリアライフタイムを改善できることが分かる。
図21は、VCE(sat)、JCES、及びターンオフ時のロス(EOFF(sat))のドープドポリシリコン層厚依存性を示すグラフである。図22は、IGBTの短絡状態を遮断するために必要な最大のゲート電圧からしきい値電圧を引いた値ΔVg(break)と短絡時の最大遮断エネルギーEscのドープドポリシリコン層厚依存性を示すグラフである。なお、ΔVg(break)は、「Vg(break)−VGE(th)」で算出される。ここで、Vg(break)は短絡状態を遮断するために必要な最大のゲート電圧(Vg)値であり、VGE(th)はIGBTのMOSチャネル部にチャネルを形成するために必要なゲート電圧(しきい値電圧)である。図21、21に示すグラフのデータは、ドープドポリシリコンの不純物密度が1×1019[cm−3]以上、かつ耐圧クラスが4500VのIGBTについて得られたものである。
図21、22からドープドポリシリコンは厚いほど良好な特性が得られることが分かる。図21から、ドープドポリシリコンが厚いほどVCE(sat)、JCES、及びEOFFを低くできることが分かる。また、図22から、ドープドポリシリコンが厚いほどIGBTの短絡時の特性も向上することが分かる。この結果は、厚いドープドポリシリコンほど、ゲッタリング効果を高めてキャリアライフタイムを長くできることを意味している。ドープドポリシリコンの層厚が500[nm]以上であれば良好な特性が得られ、かつ成膜の膜厚制御面での安定性も高い。
図23は、VCE(sat)とJCESのドープドポリシリコンの不純物密度依存性を示すグラフである。このグラフは、500[nm]のドープドポリシリコンを形成して作成した、4500Vの耐圧クラスを有する半導体装置に関するものである。図23から、ドープドポリシリコンの不純物密度は1×1019[cm−3]以上とするとVCE(sat)とJCESを低くすることができる。
図24は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法で製造されたIGBTと比較例のIGBTの出力特性を比較するグラフである。ここでは、耐圧クラスが4500Vの半導体装置を評価した。比較例のNドリフト層におけるキャリアライフタイムは本発明のNドリフト層におけるキャリアライフタイムよりも短いので、比較例の出力特性は波形がねて、かつ電流密度(Jc)が飽和する値が低い。つまり、IGBTのMOSトランジスタ特性が低下している。図24から、Nドリフト層のキャリアライフタイムが出力特性に大きな影響を及ぼすことと、本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法では出力特性を改善できることが分かる。
図25は、IGBTの基本性能の指標となるVCE(sat)とEOFF(sat)とのトレードオフ特性を示すグラフである。VCE(sat)は、図24中の定格電流密度(図中の“ratedJc”)でのVCE値である。評価したIGBTの耐圧クラスは4500Vである。図25から、キャリアライフタイムを長くした本発明のIGBTでは、キャリアライフタイムの短い比較例のIGBTと比較して当該トレードオフ特性を大幅に改善できることが分かる。
図26は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法により製造された複数のIGBTの出力特性(J vs.VCE特性)のグラフである。複数のIGBTは1枚のウエハ面内に作成した。図27は、比較例のIGBTの製造方法により製造した複数のIGBTの出力特性のグラフである。明らかに、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法で製造したIGBTの方が出力特性のばらつきを改善できており、かつ特性が安定している。
図28は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法により製造された複数のIGBTのJCES−VCES特性のグラフである。複数のIGBTは1枚のウエハ面内に作成した。図29は、比較例の半導体装置の製造方法により製造した複数のIGBTのJCES−VCES特性のグラフである。図28と図29を比較すると、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を用いることにより比較例と比較してJCESを一桁小さくでき、かつ面内ばらつきも小さくできることが分かる。つまりIGBTの特性が本発明の効果により安定化している。
図30は、耐圧クラスが6500VのIGBTでの電気特性と製造方法との対応を示す表である。図30における追加比較例とは、図3の構造を形成した後に基板の下面にドープドポリシリコンを形成しアニール工程を実施した構造を示す。つまり、追加比較例とは、「製造工程」を完了する前にゲッタリング層形成工程とアニール工程を実施して製造された半導体装置を示す。図30により、本発明の実施の形態1の半導体製造装置のように製造工程実施後にゲッタリング層形成工程及びアニール工程を実施すると特性を改善する効果が高いことが分かる。換言すれば、コンタクトホール形成前にゲッタリング層形成工程及びアニール工程実施をすることが好ましい。
図31は、VCE(sat)及びJCESの、アニール工程におけるアニール時間依存性を示すグラフである。アニール工程は、窒素雰囲気で基板温度を600〜700[℃]のいずれかに維持して実施した。図31から、4時間以上のアニール時間でVCE(sat)及びJCESが十分低下しかつ安定化する。つまり、アニール工程では窒素雰囲気で600〜700[℃]のいずれかの基板温度を4時間以上保つことが好ましい。
ところで、CZ法で形成したウエハを用いる場合、Nドリフト層をエピタキシャル成長法で形成することが一般的であるため高コストとなる問題があった。例えば、600Vクラスなら50〜60[nm]のNドリフト層を形成し、6500Vクラスなら500〜600[nm]程度のNドリフト層を形成するので、Nドリフト層を厚く形成する必要のある高耐圧の半導体装置のコストが高くなる。
そこで、FZ法により形成した基板を用いることが好ましい。FZ法により形成した基板はNドリフト層を薄くして所望の厚さとするので、耐圧クラスによって基板のコストが変動しない。ところが、FZ法で形成した基板は自己ゲッタリング能力(IG:Intrinsic Gettering)が低く、周知のEG(Extrinsic Gettering)の効果も低い。そのため、FZ法で形成した基板をIGBT又はダイオードなどのバイポーラ系半導体装置に用いる場合、Nドリフト層のキャリアライフタイムが低下する。これを避けるために本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法で示したように、ゲッタリング層でNドリフト層の金属不純物等を捕獲する。そうすると、低コストでFZ法により形成した基板に半導体装置を製造でき、しかもNドリフト層のキャリアライフタイムを長く制御できオン状態の損失を低減することができる。なお、このような効果はFZ法で形成した基板に限らず例えばエピウエハを用いた場合においても得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法は、IGBTの表面構造を構成するエミッタ、ベース、及びトレンチを形成する製造工程を実施した後、かつコンタクトホール形成前にゲッタリング層形成工程とアニール工程を実施することでNドリフト層20のキャリアライフタイムを長くするものである。この特徴を逸脱しない範囲においてさまざまな変形が可能である。例えば、ゲッタリング層形成工程と、アニール工程を実施した直後に、ドープドポリシリコン60とゲッタリング層64を除去する除去工程を実施してもよい。
本発明の実施の形態1に係る基板はシリコンで形成するとしたが、シリコンに比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成してもよい。ワイドバンドギャップ半導体としては、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドがある。また、半導体素子の各部分の導電型は適宜反転させてもよい。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法は、実施の形態1に係る半導体装置の製造方法をダイオードに応用したものである。以後、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明する。図32は、基板に拡散層を形成したことを示す断面図である。図32には、活性領域Raと、活性領域Raを囲むように形成されたエッジターミネーション領域Reが示されている。まずNドリフト層100のみが形成された基板を用意する。基板の不純物密度は耐圧クラスに応じて設定される。例えば耐圧クラスが600〜6500[V]のいずれかであれば基板の不純物密度は1.0×1012〜1.0×1015[cm−3]のいずれかである。
エッジターミネーション領域ReにP層102を複数形成する。P層102は、あらかじめ形成した絶縁膜104、106をマスクにしてイオン注入し、その後に基板にアニール処理を施すことで形成する。P層102の表面濃度は例えば1.0×1016〜1.0×1018[cm−3]のいずれかである。なお、基板の下面にも不所望の酸化膜108が形成されている。
次の処理に進む。図33は、活性領域にPアノード層110を形成したことを示す断面図である。活性領域Raにイオン注入及びアニール処理を施してPアノード層110を形成する。Pアノード層110の表面濃度は、例えば1.0×1016〜1.0×1018[cm−3]のいずれかである。なお、本発明の実施の形態2において、基板の上面側に形成される「第1拡散層」はP層102とPアノード層110である。
次の処理に進む。図34は、N層、TEOS膜、及びドープドポリシリコンを形成したことを示す断面図である。基板の上面側のエッジターミネーション領域Reの端部にN層120を形成する。N層120の表面濃度は例えば1.0×1018〜1.0×1021[cm−3]のいずれかである。深さは例えば0.2〜10.0[μm]のいずれかである。次に基板の上面にTEOS膜122を形成する。TEOS膜122は、図7の酸化膜40とTEOS膜41のような構成としてもよい。その後、基板の下面の酸化膜108を除去する。そして不純物をドープしたドープドポリシリコン130を、基板の下面に露出したNドリフト層100と接するように形成する。このとき基板の上面にもドープドポリシリコン132が形成される。
次の処理に進む。図35は、ゲッタリング層を形成したことを示す断面図である。基板を加熱してドープドポリシリコン130の不純物をNドリフト層100の下面側へ拡散させ、Nドリフト層100の下面側に結晶欠陥と不純物を有するゲッタリング層150を形成する。この工程は実施の形態1の前処理アニール工程と同じである。その後、アニール工程を実施してNドリフト層100の金属不純物、汚染原子、及びダメージをゲッタリング層150で捕獲する。
次の処理に進む。図36は、メタル配線を形成したことを示す断面図である。まず基板上面にP層102とPアノード層110を露出させるコンタクトホールを形成する。つまり、TEOS膜122を図36に示されるように加工する。その後、Siを1〜3%程度添加したアルミ配線152をスパッタリング法で形成する。
次の処理に進む。図37は、パッシベーション膜を形成し、ゲッタリング層とドープドポリシリコンを除去したことを示す断面図である。基板の上面にパッシベーション膜154を形成する。その後、基板の下面側に形成されていたゲッタリング層150とドープドポリシリコン130を、研磨又はエッチングにより除去する。この工程の処理内容は実施の形態1の除去工程と同様である。除去工程により、基板(Nドリフト層)の厚みを、半導体装置の耐圧クラスに対応したものとする。
次の処理に進む。図38は、Nドリフト層の下面に拡散層と電極を形成したことを示す断面図である。Nドリフト層100の下面側にN層160を形成する。N層160の表面濃度(N層160の下面部分の濃度)は例えば1.0×1015〜1.0×1018[cm−3]のいずれかである。N層160の下面にP層162を形成する。P層162の表面濃度(P層162の下面部分の濃度)は例えば1.0×1016〜1.0×1020[cm−3]のいずれかである。
P層162の一部にN層164を形成する。N層164の表面濃度は例えば1.0×1019〜1.0×1021[cm−3]のいずれかである。N層160、P層162、及びN層164は、イオン注入とアニール処理により形成する拡散層である。最後に基板下面に電極166を形成する。なお、本発明の実施の形態2において、基板の下面側に形成される「第2拡散層」はN層160、P層162、及びN層164である。これらの層を形成する意義は特開2010−283131号公報及び特開2012−9811号公報に開示されている。
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法によれば、Nドリフト層のキャリアライフタイムを長くできるので、ダイオードの特性を改善できる。図39は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法で製造したダイオードと比較例のダイオードの出力特性を比較するグラフである。評価したダイオードの耐圧クラスは3300Vである。298[K]における測定でも398[K]における測定でも、本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法を用いたダイオードの方が良好な結果を示している。
図40は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法で製造されたダイオードと比較例のダイオードのオン電圧(V)とターンオフ時のロス(EREC)のトレードオフ特性を比較したグラフである。オン電圧(V)は図39においてJがratedJとなるときのVAKのことである。Nドリフト層のキャリアライフタイムが長いと低Vかつ高ERECとなり、Nドリフト層のキャリアライフタイムが短いと高Vかつ低ERECとなる。図40から分かるように、本発明の実施の形態2に係るダイオードによれば比較例よりも低Vかつ高ERECとなる。よって、本発明の実施の形態2に係るダイオードは比較例のダイオードよりもNドリフト層のキャリアライフタイムを長くでき、ダイオードの特性を向上させることができる。
ところで、実施の形態1と同様に、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法でもゲッタリング層形成工程とアニール工程は製造工程の後に行い、Nドリフト層の金属不純物、汚染原子、及びダメージをゲッタリング層で捕獲することが好ましい。ダイオードを製造する場合における製造工程とは、ダイオードの表面構造を構成するPアノード層110、及び絶縁膜104、106を形成する工程などである。なお、本発明の実施の形態2に係る半導体装置とその製造方法は、少なくとも実施の形態1と同程度の変形が可能である。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法は、実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるゲッタリング層形成工程の処理内容を変更したものである。図41は、本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法におけるゲッタリング層形成工程を示す断面図である。このゲッタリング層形成工程では、基板の下面に露出したNドリフト層20を加熱してNドリフト層20の下面側に結晶欠陥を有するゲッタリング層200を形成する。Nドリフト層20の加熱には、レーザー光源202から放射されるレーザー光を用いるレーザーアニーリング技術を利用することが好ましい。レーザー光のパワーは4.0[J/cm]以上であることが好ましい。レーザー光の波長は例えば500〜1000[nm]のいずれかである。
本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法によれば、Nドリフト層20の下面を加熱するだけで容易にゲッタリング層200を形成できる。図42は、ゲッタリング層形成工程の有無によるキャリアライフタイムの相違を示す表である。実施の形態3と比較例では、「ウエハ下面のエッチング」直後は同程度のキャリアライフタイムである。しかし、アニール工程後では、実施の形態3の方が比較例よりキャリアライフタイムが長くなる。キャリアライフタイムを長くできるのは、ゲッタリング層200がゲッターサイトとして機能するからである。
図43は、ゲッタリング層形成時のレーザー光のパワー密度とNドリフト層20のキャリアライフタイム(τ)との関係を示すグラフである。図中のΔτは、レーザーアニール処理とアニール工程の実施前後のτの変化量を示す。図43から、レーザーアニールのパワー密度を4[J/cm]以上とすることでレーザーアニールによるキャリアライフタイム向上の効果が安定的に得られることが分かる。
本発明の実施の形態3に係る半導体装置とその製造方法は、少なくとも実施の形態1と同程度の変形が可能である。また、各実施の形態に係る半導体装置の特徴を適宜組み合わせてもよい。
10 半導体装置、 12 活性領域、 14 エッジターミネーション領域、 20 Nドリフト層、 22 バッファ層、 24 コレクタ層、 26 電極、 28 N層、 30 ベース層、 31 酸化膜、 32 ポリシリコン、 32a 酸化膜、 34 ゲート酸化膜、 36 Nエミッタ層、 37 トレンチ、 38 P層、 39 シリサイド膜、 40 酸化膜、 41 TEOS膜、 42 バリアメタル、 44 メタル配線、 60,62 ドープドポリシリコン、 64 ゲッタリング層、 100 Nドリフト層、 102 P層、 104,106,108 酸化膜、 110 アノード層、 120 N層、 122 TEOS膜、 130,132 ドープドポリシリコン、 150 ゲッタリング層、 152 アルミ配線、 154 パッシベーション膜、 166 電極、 200 ゲッタリング層、 202 レーザー光源

Claims (4)

  1. 内部にドリフト層を有する基板と、
    前記ドリフト層の上面側に形成され、トレンチゲートを有するMOS構造と、
    前記ドリフト層の下面に接したバッファ層と、
    前記バッファ層の下面に接したコレクタ層とを備え、
    前記ドリフト層中のキャリアのライフタイムは、前記ドリフト層中のキャリアのライフタイムをτ[sec]とし、前記ドリフト層の層厚をtN-[m]としたときに以下の数式1を満たすことを特徴とする半導体装置。
    Figure 0006558462
  2. 前記MOS構造は、IGBTの表面構造を構成するエミッタ、ベース、及びゲートトレンチを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 基板に形成された活性領域と、
    前記基板に前記活性領域に接して設けられたエッジターミネーション領域と、
    前記活性領域と前記エッジターミネーション領域に設けられたドリフト層と、
    前記活性領域で前記ドリフト層の上面側に形成されたアノード層と、
    前記活性領域と前記エッジターミネーション領域の前記ドリフト層の下面に接したn型のN層と、
    前記活性領域で前記N層の下面に接し、前記N層よりもn型不純物濃度が高いN層と、
    前記活性領域で前記N層の下面に接し前記N層に隣接し、前記エッジターミネーション領域で前記N層の下面に接したp層と、を備え、
    前記ドリフト層中のキャリアのライフタイムは、前記ドリフト層中のキャリアのライフタイムをτ[sec]とし、前記ドリフト層の層厚をtN-[m]としたときに以下の数式2を満たすことを特徴とする半導体装置。
    Figure 0006558462
  4. 前記N層と前記p層の下面に接した電極を備え、
    前記半導体装置はダイオードであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
JP2018053758A 2018-03-22 2018-03-22 半導体装置 Active JP6558462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018053758A JP6558462B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018053758A JP6558462B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016208383A Division JP6311770B2 (ja) 2016-10-25 2016-10-25 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018117147A JP2018117147A (ja) 2018-07-26
JP6558462B2 true JP6558462B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=62984395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018053758A Active JP6558462B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6558462B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021126018A1 (de) 2020-11-02 2022-05-05 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung und Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung
DE102022100456A1 (de) 2021-02-16 2022-08-18 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung und Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111276535A (zh) * 2020-02-18 2020-06-12 上海华虹宏力半导体制造有限公司 具有沟槽型栅极的器件的制作方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0738102A (ja) * 1993-07-20 1995-02-07 Fuji Electric Co Ltd 高耐圧半導体装置の製造方法
JP3929557B2 (ja) * 1997-07-30 2007-06-13 三菱電機株式会社 半導体装置およびその製造方法
JP2005322712A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Toyota Motor Corp 半導体基板,半導体装置,およびそれらの製造方法
JP5925991B2 (ja) * 2010-05-26 2016-05-25 三菱電機株式会社 半導体装置
JP5321669B2 (ja) * 2010-11-25 2013-10-23 株式会社デンソー 半導体装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021126018A1 (de) 2020-11-02 2022-05-05 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung und Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung
US11949007B2 (en) 2020-11-02 2024-04-02 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
DE102022100456A1 (de) 2021-02-16 2022-08-18 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung und Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018117147A (ja) 2018-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10950461B2 (en) Method for manufacturing semiconductor device
JP6065067B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6289683B2 (ja) 半導体装置
JP5606529B2 (ja) 電力用半導体装置
JP4872217B2 (ja) 炭化珪素半導体素子の製造方法
JP2018060924A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6056623B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6558462B2 (ja) 半導体装置
JP5366521B2 (ja) 炭化珪素半導体装置及びその製造方法
JP6311770B2 (ja) 半導体装置の製造方法
WO2021005903A1 (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2006303231A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2004186620A (ja) 半導体装置の製造方法
JP4951872B2 (ja) 半導体装置の製造方法
CN210575962U (zh) 一种SiC MOSFET器件
JP2006190730A (ja) 逆阻止型絶縁ゲート形バイポーラトランジスタの製造方法
JP4904635B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2017168676A (ja) 炭化珪素半導体素子および炭化珪素半導体素子の製造方法
JP2022073497A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
KR102319595B1 (ko) 반도체 소자 및 그 제조 방법
US8866264B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method of the same
JP2022124784A (ja) 半導体装置およびその製造方法
CN117457491A (zh) 一种绝缘栅双极型晶体管及其制备方法
CN116779445A (zh) 一种碳化硅场效应晶体管及其制备方法
JP2006093241A (ja) 半導体素子の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6558462

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250