JP6558052B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
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1.環式ポリアリーレンスルフィド(a)を、環式ポリアリーレンスルフィド中の硫黄原子に対し、下式(B1)または(B2)で表されるスルフィド化合物(b)0.1モル%〜10モル%の存在下、加熱するポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法;
2.環式ポリアリーレンスルフィド(a)が、下式(A)で表される環式化合物を少なくとも50重量%以上含み、かつ、式中の繰り返し数nが4〜50である前記1項に記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法;
3.加熱を溶媒の非存在下で行う前記1または2項に記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法、
4.得られるポリアリーレンスルフィド(c)の重量平均分子量が10,000以上であり、かつ、重量平均分子量/数平均分子量で表される多分散度指数が2.5以下である前記1〜3項のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法、
5.得られるポリアリーレンスルフィド(c)を加熱した際の重量減少が下記式を満たすことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法;
ΔWr=(W100−W330)/W100×100≦0.18(%)
ΔWrは重量減少率であり、常圧の非酸化性雰囲気下で50℃から330℃以上の任意の温度まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際の、100℃到達時の試料重量(W100)と330℃到達時の試料重量(W330)から求められる値である。
6.前記式(B1)または(B2)で表されるスルフィド化合物(b)に含まれるXおよびYが−O−、−(C=O)−O−のいずれかである前記1〜5項のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法、
7.前記式(B1)または(B2)で表されるスルフィド化合物(b)に含まれるアルカリ土類金属がカルシウムである前記1〜6項のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法である。
本発明のポリアリーレンスルフィドの製造方法における環式ポリアリーレンスルフィドとは、下記一般式(A)
本発明のポリアリーレンスルフィドの製造方法におけるスルフィド化合物とは、式(B1)または(B2)で表される化合物である。
本発明におけるポリアリーレンスルフィドとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とするホモポリマーまたはコポリマーである。ここで、主要構成単位とは、ポリマーに含まれる全構成単位中、当該構成単位が80モル%以上含有されることをいう。Arとしては前記式(C)〜式(M)から選ばれた構造式で表される単位などがあるが、なかでも式(C)で表される単位が特に好ましい。
本発明では、環式ポリアリーレンスルフィド(a)を、スルフィド化合物(b)の存在下、加熱することによってポリアリーレンスルフィド(c)を得る。
本発明の製造方法で得られるポリアリーレンスルフィドは、好ましい実施様態において降温結晶化温度が140℃〜220℃の範囲を、より好ましい実施様態において降温結晶化温度が140℃〜200℃の範囲を満たす。本発明での降温結晶化温度とは示差走査型熱量測定において、溶融状態のポリアリーレンスルフィドを40℃/分で冷却し、結晶化させた際にみられる発熱ピークのピークトップ温度を表す。
△Wr=(W330−W100)/W100×100≦0.18(%) ・・・(1)
△Wrは重量減少率であり、常圧の非酸化性雰囲気下で50℃から330℃以上の任意の温度まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際の、100℃到達時の試料重量(W100)と330℃到達時の試料重量(W330)から求められる値である。
ポリアリーレンスルフィドスルフィドおよび環式ポリアリーレンスルフィドの分子量測定はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で行い、分子量をポリスチレン換算で算出した。
装置:センシュー科学製SSC−7110
カラム名:昭和電工製Shodex UT−806M×2
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
溶離液:1−クロロナフタレン
流量:1.0mL/min
サンプル濃度:0.1重量%
試料注入量:300μL。
ポリアリーレンスルフィドの加熱時の重量変化率を、熱重量分析装置を用いて、下記条件で行った。重量減少率△Wrは50℃から350℃の昇温における、100℃到達時の試料重量(W100)と330℃到達時の試料重量(W330)から前述の式(1)を用いて算出した。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
装置:パーキンエルマー社製TGA7
測定雰囲気:窒素気流下
試料仕込み重量:10mg
測定条件:
・50℃で1分保持
・昇温速度20℃/分で50℃から350℃まで昇温。
ポリアリーレンスルフィドを加熱した際に発生するガス成分の定量は以下の方法により行った。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
約10mgのポリアリーレンスルフィドを窒素気流下(50ml/分)の320℃で60分間加熱し、発生したガス成分を大気捕集用加熱脱離用チューブcarbotrap400に捕集した。
上記チューブに捕集したガス成分を熱脱着装置TDU(Supelco社製)を用いて室温から280℃まで5分間で昇温することで熱脱離させた。熱脱離した成分をガスクロマトグラフィーによって成分分割して、ガス中のγブチロラクトンおよび4−クロロ−N−メチルアニリンの定量を行った。
ポリアリーレンスルフィドの熱特性は示差走査型熱量分析装置を用いて下記条件で行った。融点としてはSecond Runの吸熱ピークのピークトップ温度の値を用い、降温結晶化温度としてはFirst Runの発熱ピークのピークトップ温度の値を用いた。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
装置:TAインスツルメンツ社製Q20
測定雰囲気:窒素気流下
試料仕込み重量:10mg
測定条件:
(First Run)
・50℃で1分保持
・昇温速度40℃/分で50℃から340℃まで昇温
・340℃で1分保持
・冷却速度40℃/分で340℃から100℃まで冷却
(Second Run)
・100℃で1分保持
・昇温速度40℃/分で100℃から340℃まで昇温
・340℃で1分保持
・冷却速度40℃/分で340℃から100℃まで冷却。
ポリアリーレンスルフィドの固化温度は粘弾性測定装置を用いて下記条件で行い、固化温度を、ポリアリーレンスルフィドの固化に伴い粘度上昇が始まる温度(固化開始温度)と、固化が完了することにより粘度上昇が終わる温度(固化終了温度)の中間の温度として求めた。
装置:Anton Paar社製Physica MCR501
プレート:25mmφパラレルプレート
測定モード:振動
剪断応力:1000Pa
周波数:1Hz
測定条件:冷却速度10℃/分で320℃から120℃まで冷却。
<ポリフェニレンスルフィド混合物含有スラリーの調製>
撹拌機付きのステンレス製反応器1に48%水硫化ナトリウム水溶液1169kg(10.0キロモル)、48%水酸化ナトリウム水溶液841kg(10.1キロモル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略する場合もある)を1983kg、50%酢酸ナトリウム水溶液322kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水1200kgおよびNMP26kgを留出した。なお、この脱液操作の間に仕込んだ硫黄原子の0.02モル%の硫化水素が系外に飛散した。
<ポリフェニレンスルフィド混合物の調製>
参考例1で得られたスラリー(C)1000kgをステンレス製反応器に仕込み、反応器内を窒素で置換してから、撹拌しながら減圧下100℃〜150℃で約1.5時間処理して大部分の溶媒を除去した。
<環式ポリフェニレンスルフィドの調製>
参考例2の方法で得られたポリフェニレンスルフィド混合物を10kg分取し、溶剤としてクロロホルム150kgを用いて、常圧還流下で1時間攪拌することでポリフェニレンスルフィド混合物と溶剤を接触させた。ついで熱時濾過により固液分離し、抽出液を得た。ここで分離した固形物にクロロホルム150kgを加え、常圧還流下で1時間攪拌した後、同様に熱時濾過により固液分離を行い、抽出液を得て、先に得た抽出液と混合した。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。
<顆粒状ポリフェニレンスルフィドの調製>
ここでは従来法により得られるポリフェニレンスルフィドの調製について示す。
<スルフィド化合物(Q)の調製>
ここでは下式(Q)に示されるスルフィド化合物の調製方法について示す。ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド2.18g(0.01モル)、水酸化ナトリウム0.81g(0.02モル)を200mLビーカーに秤り取り、スターラーチップ、イオン交換水50gを加え、マグネチックスターラーにて撹拌を開始し、透明な水溶液となったことを確認した。ここにプロピオン酸カルシウム7.45g(0.04モル)をイオン交換水50gに溶解することで調製したプロピオン酸カルシウム水溶液の全量を10分間かけて滴下し、滴下完了後30分間撹拌を続けた。このとき、化合物(Q)が生成し水溶液中に白色の沈殿物が生じた。沈殿物をろ別回収し、50gのイオン交換水にて3回洗浄を行ったあと70℃、10時間真空乾燥することにより白色固体1.69gを得た。この白色固体の赤外分光分析を行った結果、原料であるビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドにみられた3300cm−1付近のO−H伸縮振動に由来するピークの消失が確認された。また、白色固体を電気炉にて550℃、5時間加熱し熱分解することで得られる炭酸カルシウムの重量は、熱分解前の重量基準で44.5%であり、化合物(Q)の分子量から求められる理論値45.2%と近いことから、白色固体の主成分が化合物(Q)であることが示唆された。
<スルフィド化合物(R)の調製>
ここでは下式(R)に示されるスルフィド化合物の調製方法について示す。5,5’−チオジサリチル酸3.06g(0.01モル)、水酸化ナトリウム1.60g(0.04モル)を200mLビーカーに秤り取り、スターラーチップ、イオン交換水50gを加え、マグネチックスターラーにて撹拌を開始し、透明な水溶液となったことを確認した。ここに酢酸カルシウム一水和物14.1g(0.08モル)をイオン交換水50gに溶解することで調製した酢酸カルシウム水溶液の全量を10分間かけて滴下し、滴下完了後30分間撹拌を続けた。このとき、化合物(R)が生成し水溶液中に白色の沈殿物が生じた。沈殿物をろ別回収し、50gのイオン交換水にて3回洗浄を行ったあと70℃、10時間真空乾燥することにより白色固体1.72gを得た。この白色固体の赤外分光分析を行った結果、原料である5,5’−チオジサリチル酸にみられた3100cm−1付近のO−H伸縮振動に由来するピークの消失が確認された。また、白色固体を電気炉にて550℃、5時間加熱し熱分解することで得られる炭酸カルシウムの重量は、熱分解前の重量基準で51.2%であり、化合物(R)の分子量から求められる理論値52.3%と近いことから、白色固体の主成分が化合物(R)であることが示唆された。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gおよび参考例5で得られた化合物(Q)164mg(環式ポリフェニレンスルフィド中の硫黄原子に対して1モル%)を撹拌翼、減圧アダプター、バキュームスターラ、窒素導入管を備えた試験管に入れ、系内を減圧した後、窒素雰囲気下とする操作を3回繰り返した。減圧下で撹拌しながら、340℃で5時間保持したのち撹拌を止め、放冷して重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は62,000であり、多分散度指数は2.30であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.070%であった。さらに、ここで得られたポリフェニレンスルフィドについて加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は279℃、降温結晶化温度は183℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は220℃であった。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gおよび参考例6で得られた化合物(R)141mg(環式ポリフェニレンスルフィド中の硫黄原子に対して1モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は59,800であり、多分散度指数は2.37であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.096%であった。さらに、ここで得られたポリフェニレンスルフィドについて加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は280℃、降温結晶化温度は194℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は226℃であった。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gおよび参考例6で得られた化合物(R)14.1mg(環式ポリフェニレンスルフィド中の硫黄原子に対して0.1モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は63,800であり、多分散度指数は2.40であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.067%であった。さらに、ここで得られたポリフェニレンスルフィドについて加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は279℃、降温結晶化温度は211℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は237℃であった。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gを用い、添加剤を無添加とし、保持時間を6時間とした以外は実施例1と同様にして重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は58,900であり、分散度は2.33であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.041%であった。さらに、ここで得られたPPS樹脂組成物について加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は280℃、降温結晶化温度は227℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は250℃であった。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gおよび4−クロロフェニル酢酸ナトリウム70.6mg(環式ポリフェニレンスルフィド中の硫黄原子に対して1モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は53,200であり、分散度は2.43であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.054%であった。さらに、ここで得られたポリフェニレンスルフィドについて加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は280℃、降温結晶化温度は228℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は250℃であった。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド80.7mg(環式ポリフェニレンスルフィド中の硫黄原子に対して1モル%)を用い、保持時間を3時間とした以外は実施例1と同様にして重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は25,800であり、分散度は2.08であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.108%であった。さらに、ここで得られたPPS樹脂組成物について加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は280℃、降温結晶化温度は229℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は249℃であった。
参考例3で得られた環式ポリフェニレンスルフィド4.00gおよびチオフェノールナトリウム塩48.9mg(環式ポリフェニレンスルフィド中の硫黄原子に対して1モル%)を用い、保持時間を3時間とした以外は実施例1と同様にして重合物を得た。得られた重合物は赤外分光分析による吸収スペクトルよりポリフェニレンスルフィド構造を有することが分かった。また、得られたポリフェニレンスルフィドのGPC測定を行った結果、重量平均分子量は28,700であり、分散度は2.28であった。また、得られたポリフェニレンスルフィドの加熱時の重量減少率の測定を行った結果、△Wrは0.251%であった。さらに、ここで得られたPPS樹脂組成物について加熱時の発生ガス成分の分析を行った結果、ラクトン型化合物およびアニリン型化合物は検出限界以下であった。また、示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は280℃、降温結晶化温度は218℃であった。また、粘弾性測定装置を用いた固化温度測定の結果、固化温度は241℃であった
以上の結果を表1に示す。
Claims (7)
- 加熱を溶媒の非存在下で行う請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法。
- 得られるポリアリーレンスルフィド(c)の重量平均分子量が10,000以上であり、かつ、重量平均分子量/数平均分子量で表される多分散度指数が2.5以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法。
- 得られるポリアリーレンスルフィド(c)を加熱した際の重量減少が下記式を満たすことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法。
ΔWr=(W100−W330)/W100×100≦0.18(%)
ΔWrは重量減少率であり、常圧の非酸化性雰囲気下で50℃から330℃以上の任意の温度まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際の、100℃到達時の試料重量(W100)と330℃到達時の試料重量(W330)から求められる値である。 - 前記式(B1)または(B2)で表されるスルフィド化合物(b)に含まれるXおよびYが−O−、−(C=O)−O−のいずれかである請求項1〜5いずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法。
- 前記式(B1)または(B2)で表されるスルフィド化合物(b)に含まれるアルカリ土類金属がカルシウムである請求項1〜6いずれかに記載のポリアリーレンスルフィド(c)の製造方法。
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